JP2002208509A - 希土類磁石およびその製造方法 - Google Patents

希土類磁石およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 希土類磁石用合金粉末の粉末として性質を改
善し、磁石の磁気特性を向上させる。 【解決手段】 R−Fe−B系希土類磁石用合金粉末の
製造方法において、チル晶組織が全体の2〜20体積%
含まれるR−Fe−B系希土類磁石用合金を用意する工
程と、水素吸蔵により、前記R−Fe−B系希土類磁石
用合金の粗粉砕を行う第1粉砕工程と、粗粉砕された粉
末を更に微粉砕し、微粉砕された粉末から粒径が1.0
μm以下の微粉の少なくとも一部を除去し、それによっ
て粒径が1.0μm以下の微粉の粒子体積比率を低減す
る第2粉砕工程とを包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、R−Fe−B系希
土類磁石および当該磁石用合金粉末、ならびにその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類焼結磁石は、希土類磁石用合金
(原料合金)を粉砕して形成した合金粉末をプレス成形
した後、焼結工程および時効熱処理工程を経て作製され
る。現在、希土類焼結磁石としては、サマリウム・コバ
ルト系磁石と希土類・鉄・ホウ素系磁石の二種類が各分
野で広く用いられている。なかでも希土類・鉄・ホウ素
系磁石(以下、「R−Fe−B系磁石」と称する。Rは
Yを含む希土類元素、Feは鉄、Bはホウ素である)
は、種々の永久磁石の中で最も高い磁気エネルギー積を
示し、価格も比較的安いため、各種電子機器へ積極的に
採用されている。なお、Feの一部は、Coなどの遷移
金属元素と置換されていても良い。
【0003】R−Fe−B系希土類磁石用原料合金の粉
末は、原料合金の粗粉砕を行う第1粉砕工程と、原料合
金の微粉砕を行う第2粉砕工程とを含む方法によって作
製されることがある。その場合、第1粉砕工程では、水
素吸蔵現象を利用し、原料合金を脆化させ、例えば数百
μm以下のサイズに粗く粉砕した後、第2粉砕工程で
は、粗粉砕された合金(粗粉砕粉)をジェットミル装置
などによって平均粒径が数μm程度のサイズに細かく粉
砕する。
【0004】原料合金自体の作製方法には大きく分けて
2種類ある。第1の方法は、原料合金の溶湯を鋳型に入
れ、比較的ゆっくりと冷却するインゴット鋳造法であ
る。第2の方法は、合金の溶湯を単ロール、双ロール、
回転ディスク、または回転円筒鋳型などに接触させるこ
とにより急速に冷却し、合金溶湯からインゴット合金よ
りも薄い凝固合金を作製するストリップキャスト法や遠
心鋳造法に代表される急冷法である。
【0005】このような急冷法による場合、合金溶湯の
冷却速度は102℃/秒以上2×104℃/秒以下の範囲
にある。そして、急冷法によって作製された急冷合金の
厚さは、0.03mm以上10mm以下の範囲にある。
合金溶湯は冷却ロールの接触した面(ロール接触面)か
ら凝固し、ロール接触面から厚さ方向に結晶が柱状に成
長してゆく。その結果、上記急冷合金は、短軸方向サイ
ズが0.1μm以上100μm以下で長軸方向サイズが
5μm以上500μm以下のR214B結晶相と、R2
14B結晶相の粒界に分散して存在するRリッチ相(希土
類元素Rの濃度が相対的に高い相)とを含有する微細結
晶組織を有するようになる。Rリッチ相は希土類元素R
の濃度が比較的に高い非磁性相であり、その厚さ(粒界
の幅に相当する)は10μm以下である。
【0006】急冷合金は、従来のインゴット鋳造法(金
型鋳造法)によって作製された合金(インゴット合金)
に比較して、相対的に短時間で冷却されているため、組
織が微細化され、結晶粒径が小さい。また、結晶粒が微
細に分散して粒界の面積が広く、Rリッチ相は粒界内を
薄く広がっているため、Rリッチ相の分散性にも優れ
る。
【0007】このような急冷合金を前述の方法で粉砕し
た後、粉末をプレス装置で圧縮成形し、成形体を作製す
る。この成形体を焼結することにより、R−Fe−B系
希土類磁石を得ることができる。
【0008】従来、最終的に必要な磁石製品よりも大き
なブロック状の焼結磁石を得た後、そのブロック状の焼
結磁石に対して切断および/または加工を行なうことに
より、所望の形状およびサイズを有する磁石を得てい
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】最近、瓦型などの複雑
な形状(異形状)を有する焼結磁石が要求され、粉末成
形体の段階から最終製品に近い形状を持つものを作製す
ることが必要になってきた。このように複雑な形状を有
する成形体を作製するには、粉末を圧縮成形する際に粉
末に印加する圧力(プレス圧)を従来に比べて低下させ
る必要がある。また、異方性磁石を製造する場合は、粉
末粒子の磁界配向度を向上させるためにプレス圧を低く
することが行なわれている。
【0010】しかしながら、このようにプレス圧を低下
させると、成形体の密度(成形密度またはグリーン密
度)が低下するため、成形体の強度が低下し、成形体を
プレス装置のダイキャビティから抜き出すときや、その
後の種々の工程で成形体のワレ・カケが生じやすいとい
う問題が生じている。特に、R−Fe−B系希土類磁石
合金粉末は角ばった形状のものが多いため、一般に、他
の磁石材料粉末よりも成形性が悪い。また、ストリップ
キャスト合金のように組織が微細であると、粉末の粒度
分布がシャープになるため、スプリングバック量(プレ
ス圧縮に際して成形体に印加されたプレス圧力が解除さ
れたときに生じる成形体の膨張量)が大きくなり、成形
体にワレやカケが生じやすくなる。このようにして成形
体にワレ・カケが生じると、良品の歩留まりが低下する
ため、製造コストが増加するだけではなく、貴重な材料
資源の有効利用が損なわれることになる。このような問
題は、R−Fe−B系希土類磁石合金の微粉砕をジェッ
トミルなどによって行う場合において、保磁力向上を目
的として比較的粗い粉末粒子を分級ロータなどによって
取り除くことにより、粒度分布のピークに対して粒径の
大きい側での粒度分布をシャープにした場合に顕著とな
る。このような粒度分布に起因する圧縮性の低下は、粉
末の平均粒径(FSSS粒径)が4μm以下となる場合
に特に大きな問題となる。
【0011】本発明はかかる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、比較的低いプレス圧力のもと
でも成形性を向上させることが可能なR−Fe−B系希
土類磁石用合金粉末を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によるR−Fe−
B系希土類磁石用合金粉末の製造方法は、チル晶組織が
全体の2〜20体積%含まれるR−Fe−B系希土類磁
石用合金を用意する工程と、水素吸蔵により、前記R−
Fe−B系希土類磁石用合金の粗粉砕を行う第1粉砕工
程と、粗粉砕された粉末を更に微粉砕し、微粉砕された
粉末から粒径が1.0μm以下の微粉の少なくとも一部
を除去し、それによって粒径が1.0μm以下の微粉の
体積を低減する第2粉砕工程と、前記第2粉砕工程後
に、粉砕粉の表面を潤滑剤で被覆する工程とを包含す
る。
【0013】好ましい実施形態においては、体積粒度分
布が単一のピークを有し、平均粒径(FSSS粒径)が
4μm以下であり、前記体積粒度分布のピーク値を示す
粒径Aから所定の粒径Bまでの第1粒径範囲(粒径A>
粒径B)に含まれる粒径を有する粒子の合計体積が、前
記粒径Aから所定の粒径Cまでの第2粒径範囲(粒径C
>粒径A、「粒径C−粒径A」=「粒径A−粒径B」)
に含まれる粒径を有する粒子の合計体積よりも大きい粉
末を作製する。
【0014】好ましい実施形態においては、体積粒度分
布が単一のピークを有し、平均粒径(FSSS粒径)が
4μm以下であり、前記体積粒度分布の半値全幅の中心
に相当する粒径Dが、前期体積粒度分布のピーク値を示
す粒径Aよりも小さい粉末を作製する。
【0015】前記第2粉砕工程では、不活性ガスの高速
気流を用いて前記合金の微粉砕を実行することが好まし
い。
【0016】好ましい実施形態において、前記合金の微
粉砕はジェットミル装置を用いて実行する。
【0017】好ましい実施形態において、前記合金の微
粉砕は、分級機を組み合わせた粉砕装置を用いて行い、
前記粉砕装置から出た粉末を前記分級機で分級する。
【0018】前記希土類磁石用原料合金は、原料合金溶
湯が102℃/秒以上2×104℃/秒以下の冷却速度で
冷却されたものであることが好ましい。
【0019】前記原料合金溶湯の冷却は、ストリップキ
ャスト法によって行うことが好ましい。
【0020】本発明によるR−Fe−B系希土類磁石の
製造方法は、上記いずれかのR−Fe−B系希土類磁石
用合金粉末の製造方法によって作製されたR−Fe−B
系希土類磁石用合金粉末を用意する工程と、1軸プレス
により前記R−Fe−B系希土類磁石用合金粉末を10
0MPa以下の圧力で成形し、粉末成形体を作製する工
程と、前記粉末成形体を焼結し、焼結磁石を作製する工
程とを包含する。
【0021】本発明によるR−Fe−B系希土類磁石用
合金粉末は、チル晶組織が全体の2〜20体積%含まれ
たR−Fe−B系希土類磁石用合金を粉砕することによ
って得られた粉末であって、体積粒度分布が単一のピー
クを有し、平均粒径(FSSS粒径)が4μm以下であ
り、前記体積粒度分布のピーク値を示す粒径Aから所定
の粒径Bまでの第1粒径範囲(粒径A>粒径B)に含ま
れる粒径を有する粒子の合計体積が、前記粒径Aから所
定の粒径Cまでの第2粒径範囲(粒径C>粒径A、「粒
径C−粒径A」=「粒径A−粒径B」)に含まれる粒径
を有する粒子の合計体積よりも大きい。
【0022】本発明によるR−Fe−B系希土類磁石用
合金粉末は、チル晶組織が全体の2〜20体積%含まれ
たR−Fe−B系希土類磁石用合金を粉砕することによ
って得られた粉末であって、体積粒度分布が単一のピー
クを有し、平均粒径(FSSS粒径)が4μm以下であ
り、前記体積粒度分布の半値全幅の中心に相当する粒径
Dが、前期体積粒度分布のピーク値を示す粒径Aよりも
小さい。
【0023】本発明のR−Fe−B系希土類磁石用合金
粉末は、チル晶組織が全体の2〜20体積%含まれたR
−Fe−B系希土類磁石用合金の粉末であって、平均粒
径が2μm以上10μm以下であり、粒径1.0μm以
下の微粉の体積が粉末全体の粒子体積の10%以下に調
節され、粉末粒子の表面が潤滑剤で被覆されている。
【0024】原料合金溶湯を102℃/秒以上2×104
℃/秒以下の冷却速度で冷却した合金を粉砕して得られ
たものであることが好ましい。
【0025】本発明によるR−Fe−B系希土類磁石
は、上記R−Fe−B系希土類磁石用合金粉末から作製
されたことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明者は、ストリップキャスト
法などによって作製される急冷凝固合金の組織構造が粉
末の粒度分布にどのような影響を与えるかを検討した。
そして、急冷凝固合金中に占めるチル晶組織の体積比率
を2〜20体積%(体積%)の範囲内に制御すれば、粉
末成形性を向上させるに最適な粒度分布を備えた微粉砕
粉が得られることを見出し、本発明を想到するに至っ
た。
【0027】ここで、「チル晶組織」とは、R−Fe−
B系希土類合金の溶湯が急冷装置の冷却ロールなどの冷
却部材の表面と接触し、凝固を開始する初期の段階でロ
ール表面近傍に形成される結晶相である。チル晶組織の
組織は、冷却凝固過程の初期段階以降に形成される柱状
組織(デンドライド状組織)に比べて、相対的に等方的
(等軸的)かつ微細な構造を有している。
【0028】従来、R−Fe−B系希土類合金中にはチ
ル晶組織ができるだけ含まれないことが好ましいとする
技術常識が存在していた。例えば特開平10−3171
10号公報は、チル晶組織を微細粉の発生要因ととら
え、このようなチル晶組織の生成を抑えるべきことを教
示した上で、原料合金の急冷凝固工程において合金溶湯
に接触するロール表面の熱伝導性を低下させる技術を開
示している。
【0029】しかしながら、本発明者の実験によると、
チル晶組織の比率を急冷合金全体の2体積%以上に増加
させると、その合金の微粉砕後に得られる粉末粒度分布
が適切に広がる結果、圧縮性が改善されることがわかっ
た。このような効果は、等軸状のチル晶組織が粉砕さ
れ、粉砕粉に含まれることによって得られるのではない
かと考えられる。
【0030】そこで、本発明では、このようなチル晶組
織が全体の2〜20体積%を占める急冷合金に対して水
素処理を施すことによって希土類磁石用原料合金の粗粉
砕を行った(第1粉砕工程)後、原料合金の微粉砕を行
う(第2粉砕工程)。そして、その後、潤滑剤で粉末粒
子表面を被覆することにより、大気による粉末粒子の酸
化を抑制しつつ、磁界中での粉末配向度を向上させるよ
うにしている。
【0031】本発明において、チル晶組織の比率を増加
させることによって粉末粒度分布をブロードなものとす
るためには、微粉砕工程の前に水素吸蔵により合金の脆
化を行なうことが不可欠であると考えられる。チル晶組
織は、R2Fe14B型正方晶化合物からなる主相やRリ
ッチ相を含み、チル晶組織以外の部分とほぼ同様の組成
を有しているが、組織構造が微細で、Rリッチ相が主相
に対して細かく入り込んでおり、水素吸蔵処理を行なう
と、Rリッチ相から膨張・崩壊するため、他の組織より
も更に微細に粉砕されやすくなると考えられる。したが
って、水素処理を行なわずに機械的粉砕処理だけを行な
う場合は、最終的な粉末粒度分布が適切なものとなら
ず、成形密度を充分に向上させることができなくなる。
【0032】また、このような水素処理と微粉砕を行な
っただけでは、粒径が1μm以下の超微粉が多数形成さ
れる可能性があり、焼結体の酸素濃度を増加させ、保磁
力を低下させる。これを避けるため、本発明では、微粉
砕工程に際して超微粉(粒径1.0μm以下)の少なく
とも一部を除去し、粒径が1.0μm以下の超微粉の体
積を粉末全体の粒子体積の10%以下に調節することに
している。
【0033】以下、図面を参照しながら、本発明の実施
形態を説明する。
【0034】[原料合金]まず、図1に示す単ロール式
ストリップキャスター(急冷装置)を用いて、所望の組
成を有するR−Fe−B系磁石用合金の原料合金を用意
する。図1の急冷装置は、その内部を真空状態もしくは
不活性ガス雰囲気での減圧状態にすることができる急冷
室1を有しており、急冷室1の内部には、合金原料を溶
解し、合金溶湯2を形成するための溶解炉3と、溶解炉
3から供給される合金溶湯2を急冷・凝固させるための
冷却ロール5と、溶解炉3から冷却ロール5に合金溶湯
3を導くシュート(タンディッシュ)4と、凝固して冷
却ロール5から剥離した薄帯状の合金7を回収するため
の回収容器8とが設けられている。
【0035】溶解炉3は、合金原料を溶融することによ
って作製した溶湯2をシュート4に対して略一定の供給
量で供給することができる。この供給量は、溶解炉3を
傾ける動作を制御することなどによって、任意に調節す
ることができる。
【0036】冷却ロール5は、その外周面が銅などの熱
伝導性の良好な材料から形成されており、例えば直径3
0cm〜100cmで幅が15cm〜100cmの寸法
を有する。冷却ロール5の冷却はロール内部に通水する
ことによって行なわれる。冷却ロール5は、不図示の駆
動装置によって所定の回転速度で回転することができ
る。この回転速度を制御することによって、冷却ロール
5の周速度を任意に調節することができる。この急冷装
置による冷却速度は、冷却ロール5の回転速度などを選
択することにより、例えば102℃/秒〜2×104℃/
秒の範囲で制御可能である。
【0037】シュート4の先端部は、冷却ロール5の最
頂部とロールの中心とを結ぶ線に対してある程度の角度
θを持った位置に配置される。シュート4上に供給され
た合金溶湯2は、シュート4の先端部から冷却ロール5
に供給される。
【0038】シュート4は、セラミックス等で構成さ
れ、溶解炉3から所定の流量で連続的に供給される合金
溶湯2を一時的に貯湯するようにして流速を遅延し、合
金溶湯2の流れを整流することができる。シュート4に
供給された合金溶湯2における溶湯表面部の流れを選択
的に堰き止めることができる堰き止め板(不図示)を設
ければ、整流効果をさらに向上させることができる。
【0039】シュート4を用いることによって、冷却ロ
ール5の胴長方向(軸線方向)において、一定幅にわた
って略均一な厚さに広げた状態で、合金溶湯2を供給す
ることができる。シュート4は上記機能に加え、冷却ロ
ール5に達する直前の合金溶湯2の温度を調整する機能
をも有する。シュート4上における合金溶湯2の温度
は、液相線温度よりも100℃以上高い温度であること
が望ましい。合金溶湯2の温度が低すぎると、急冷後の
合金特性に悪影響を及ぼす初晶が局所的に核発生し、こ
れが凝固後に残存してしまうことがあるからである。シ
ュート4上での溶湯滞留温度は、溶解炉3からシュート
4に注ぎ込む時点での溶湯温度やシュート3自体の熱容
量などを調節によって制御することができるが、必要に
応じてシュート加熱設備(不図示)を設けても良い。
【0040】上記の急冷装置を用いて、具体的には、例
えばNd:30.8wt%(質量%)、Pr:3.8w
t%、Dy:0.8wt%、B:1.0wt%、Co:
0.9wt%、Al:0.23wt%、Cu:0.10
wt%、残部Feおよび不可避不純物からなる組成の合
金を溶融し、合金溶湯を形成する。この合金溶湯を13
50℃に保持した後、冷却ロールの表面と接触させ、合
金溶湯を急冷し、厚さ約0.1〜5mmのフレーク状合
金鋳塊を得た。このときの急冷条件は、ロール周速度約
1〜3m/秒、冷却速度102〜2×104℃/秒とし
た。本実施形態では、チル晶組織の体積割合を意図的に
高めるため、合金溶湯がロール接触面から熱を効率的に
奪われるように急冷室内の雰囲気圧力を低下させ、それ
によって溶湯と冷却ロールとの間の密着性を高めてい
る。なお、出湯量を少なくしても、冷却速度が向上する
ため、チル晶組織の体積比率を増加させることができ
る。
【0041】こうして作製した急冷合金鋳片を、次の水
素粉砕前に1〜10mmの大きさのフレーク状に粉砕す
る。なお、ストリップキャスト法による原料合金の製造
方法は、例えば米国特許第5,383,978号明細書
にも開示されている。
【0042】[第1粉砕工程]上記のフレーク状に粗く
粉砕された原料合金鋳片を複数の原料パック(例えばス
テンレス鋼製)に充填し、ラックに搭載する。この後、
原料パックが搭載されたラックを水素炉の内部へ挿入す
る。次に、水素炉の蓋体を閉じて、水素脆化処理(以
下、「水素粉砕処理」と称する場合がある)工程を開始
する。水素粉砕処理は、例えば図2に示す温度プロファ
イルに従って実行する。図2の例では、まず真空引き過
程Iを0.5時間実行した後、水素吸蔵過程IIを2.5
時間実行する。水素吸蔵過程IIでは、炉内に水素ガスを
供給し、炉内を水素雰囲気にする。そのときの水素圧力
は、200〜400kPa程度が好ましい。
【0043】続いて、0〜3Pa程度の減圧下で脱水素
過程IIIを5.0時間実行した後、アルゴンガスを炉内
に供給しつつ、原料合金の冷却過程IVを5.0時間実行
する。
【0044】冷却過程IVにおいて炉内の雰囲気温度が比
較的に高い段階(例えば、100℃を超えるとき)で
は、常温の不活性ガスを水素炉の内部に供給し、冷却す
る。その後、原料合金温度が比較的低いレベルに低下し
た段階(例えば、100℃以下のとき)で、常温よりも
低い温度(例えば室温マイナス10℃程度)に冷却した
不活性ガスを水素炉10内部に供給することが冷却効率
の観点から好ましい。アルゴンガスの供給量は、10〜
100Nm3/min程度にすればよい。
【0045】原料合金の温度が20〜25℃程度にまで
低下したら、ほぼ常温(室温よりも低いが、室温との差
が5℃以下の範囲の温度)の不活性ガスを水素炉内部に
送風し、原料の温度が常温レベルに達するのを待つこと
が好ましい。こうすることによって、水素炉の蓋体を開
放した際に、炉内部で結露が生じる事態を避けることが
できる。結露によって炉内部に水分が存在していると、
真空引き工程でその水分が凍結・気化するため、真空度
を上昇させにくくなり、真空引き過程Iに要する時間が
長くなってしまうので好ましくない。
【0046】水素粉砕後の粗粉砕合金粉末を水素炉から
取り出す際、粗粉砕粉が大気と接触しないように、不活
性雰囲気下で取り出し動作を実行することが好ましい。
そうすれば、粗粉砕粉が酸化・発熱することが防止さ
れ、磁石の磁気特性が向上するからである。次に、粗粉
砕された原料合金は複数の原料パックに充填され、ラッ
クに搭載される。
【0047】上記水素処理によって、希土類合金は例え
ば0.1mm〜数mm程度の大きさに粉砕され、その平
均粒径は500μm以下となる。水素粉砕後、脆化した
原料合金をロータリクーラなどの冷却装置によって、よ
り細かく解砕するともに冷却することが好ましい。比較
的高い温度状態のまま原料を取り出す場合は、ロータリ
クーラなどによる冷却処理の時間を相対的に長くすれば
良い。
【0048】水素粉砕により作製した粗粉砕粉の表面に
は、Nd等の希土類元素が多く露出しており、非常に酸
化されやすい状態にある。次の微粉砕工程の前に、ステ
アリン酸亜鉛を粉砕補助剤として0.04wt%程度添
加する。
【0049】[第2粉砕工程]次に、第1粉砕工程で作
製された粗粉砕粉に対してジェットミル装置を用いて微
粉砕を実行する。本実施形態では、超微粉除去に適した
サイクロン分級機が粉砕機に接続されている。
【0050】以下、図3を参照しながら、ジェットミル
装置を用いて行う微粉砕工程(第2粉砕工程)を詳細に
説明する。
【0051】図示されるジェットミル装置10は、第1
粉砕工程で粗く粉砕された希土類合金(被粉砕物)を供
給する原料投入機12と、原料投入機12から投入され
た被粉砕物を粉砕する粉砕機14と、粉砕機14で被粉
砕物を粉砕して得られた粉体を分級するサイクロン分級
機16と、サイクロン分級機16によって分級された所
定の粒度分布を有する粉末を集める回収タンク18とを
備えている。
【0052】原料投入機12は、被粉砕物を収容する原
料タンク20と、原料タンク20からの被粉砕物の供給
量をコントロールするモータ22と、モータ22に接続
されたスパイラル状の供給機(スクリューフィーダ)2
4とを有している。
【0053】粉砕機14は、縦長の略円筒状の粉砕機本
体26を有しており、粉砕機本体26の下部には、不活
性ガス(例えば窒素)を高速で噴出させるノズルを取り
付けるための複数のノズル口28が設けられている。粉
砕機本体26の側部には、粉砕機本体26内に被粉砕物
を投入するための原料投入パイプ30が接続されてい
る。
【0054】原料投入パイプ30には、供給する被粉砕
物を一旦保持し粉砕機14内部の圧力を閉じ込めるため
のバルブ32が設けられており、バルブ32は、一対の
上バルブ32aと下バルブ32bとを有している。供給
機24と原料投入パイプ30とはフレキシブルパイプ3
4によって連結されている。
【0055】粉砕機14は、粉砕機本体26の内部上方
に設けられた分級ロータ36と、粉砕機本体26の外部
上方に設けられモータ38と、粉砕機本体26の上方に
設けられた接続パイプ40とを有している。モータ38
は分級ロータ36を駆動し、接続パイプ40は分級ロー
タ36で分級された粉体を粉砕機14の外部に排出す
る。
【0056】粉砕機14は、支持部となる複数の脚部4
2を備えている。粉砕機14の外周近傍には基台44が
配設され、粉砕機14は、脚部42によって基台44上
に載置される。本実施形態では、粉砕機14の脚部42
と基台44との間には、ロードセルなどの重量検出器4
6が設けられる。この重量検出器46からの出力に基づ
いて、制御部48はモータ22の回転数を制御し、それ
によって被粉砕物の投入量をコントロールすることがで
きる。
【0057】サイクロン分級機16は、分級機本体64
を有し、分級機本体64の内部には、排気パイプ66が
上方から挿入されている。分級機本体64の側部には、
分級ロータ36で分級された粉体を導入する導入口68
が設けられ、導入口68はフレキシブルパイプ70によ
って接続パイプ40と接続されている。分級機本体64
の下部には取出口72が設けられ、この取出口72に所
望の微粉砕粉末の回収タンク18が接続されている。
【0058】フレキシブルパイプ34および70は、樹
脂もしくはゴムなどによって構成されたもの、または剛
性の高い材料を蛇腹状もしくはコイル状に構成すること
によって柔軟性を持つように構成されたものであること
が好ましい。このような柔軟性のあるパイプ34および
70を用いると、原料タンク20、供給機24、分級機
本体64、および回収タンク18の重量変化が粉砕機1
4の脚部42には伝達されない。そのため、脚部42に
設けた重量検出器46によって重量を検出すれば、粉砕
機14内に滞留した被粉砕物の重量やその変化量を正確
に検知でき、粉砕機14内に供給する被粉砕物の量を正
確に制御することができる。
【0059】次に、上記のジェットミル装置10による
粉砕方法を説明する。
【0060】まず、被粉砕物を原料タンク20に投入す
る。原料タンク20内の被粉砕物は、供給機24によっ
て粉砕機14へ供給される。このとき、モータ22の回
転数を制御することによって被粉砕物の供給量を調節す
ることができる。供給機24から供給される被粉砕物
は、バルブ32において一旦堰き止められる。ここで一
対の上バルブ32a、下バルブ32bは、交互に開閉動
作を行っている。すなわち、上バルブ32aが開のと
き、下バルブ32bは閉状態となり、上バルブ32aが
閉状態のとき、下バルブ32bは開状態となる。このよ
うに一対のバルブ32a、32bを交互に開閉すること
によって、粉砕機14内の圧力が原料投入機12側に漏
れないようにすることができる。その結果、被粉砕物
は、上バルブ32aが開状態となったときに一対の上バ
ルブ32aと下バルブ32bとの間に供給される。そし
て、次に下バルブ32bが開状態となったときに、原料
投入パイプ30に導かれ、粉砕機14内に導入されるこ
とになる。バルブ32は制御回路48とは別のシーケン
ス回路(図示せず)によって高速に駆動され、被粉砕物
が粉砕機14内に連続的に供給される。
【0061】粉砕機14内に導入された被粉砕物は、ノ
ズル口28からの不活性ガスの高速噴射によって粉砕機
14内に巻き上げられ、装置内で高速気流とともに旋回
する。そして、被粉砕物同士の相互衝突によって細かく
粉砕される。
【0062】このようにして微粉砕された粉末粒子は上
昇気流に乗って分級ロータ36に導かれ、分級ロータ3
6で分級され、粗い粉体は再度粉砕されることになる。
一方、所定粒径以下に粉砕された粉体は、接続パイプ4
0、フレキシブルパイプ70を経由して導入口68から
サイクロン分級機16の分級機本体64内に導入され
る。分級ロータ36を用いることにより、粒度分布のピ
ークを示す粒径よりも粒径の大きな粉末粒子を効率的に
除去することができる。最終的に得られる粉末中に粒径
10μmを超える粗い粉末粒子が多く存在していると、
焼結磁石の保磁力が低下してしまうため、分級ロータ3
6を用いて粒径10μmを超える粉末粒子を低減するこ
とが好ましい。本実施形態では、最終的に得られる粉末
において、粒径10μmを超える粒子の粉末全体の粒子
体積の10%以下に調節している。
【0063】分級機本体16内では、所定粒径以上の相
対的な大きな粉末粒子が下部に設置された回収タンク1
8に堆積されるが、超微粉は不活性ガス気流とともに排
気パイプ66から外部に排出される。本実施形態では、
排気パイプ66を通じて超微粉を除去し、それによって
回収タンク18で捕集する粉末に占める超微粉(粒径:
1.0μm以下)の体積比率を低減する。好ましい実施
形態において、超微粉(粒径:1.0μm以下)の体積
比率は10%以下に調節される。
【0064】このようにしてRリッチな超微粉が取り除
かれると、焼結磁石中の希土類元素Rが酸素との結合に
消費される量を少なくし、磁石特性を向上させることが
できる。
【0065】上述のように本実施形態では、ジェットミ
ル装置(粉砕機14)の後段に接続する分級機としてブ
ローアップ付きのサイクロン分級機16を用いている。
このようなサイクロン分級機16によれば、所定粒径以
下の超微粉は回収タンク18に捕集されることなく反転
上昇し、パイプ66から装置外へ排出される。
【0066】パイプ66から装置外へ取り除く微粉の粒
径は、例えば工業調査会の「粉体技術ポケットブック」
の第92頁から第96頁に記載されているようなサイク
ロンの各部パラメータを適切に規定し、不活性ガス流の
圧力を調整することによって制御することができる。
【0067】本実施形態によれば、平均粒径(FSSS
粒径)が例えば4.0μm以下であり、しかも、粒径
1.0μm以下の超微粉の体積が粉末全体の体積の10
%以下である合金粉末を得ることができる。
【0068】粉砕工程における酸化をできる限り抑制す
るためには、微粉砕を行う際に用いる高速気流ガス(不
活性ガス)中の酸素量を、例えば1000〜20000
体積ppm程度の範囲内に抑えることが好ましく、50
00〜10000体積ppm程度に低く抑えることが更
に好ましい。高速気流ガス中の酸素濃度を制御する微粉
砕方法は、特公平6−6728号公報に記載されてい
る。
【0069】上述のように微粉砕時における雰囲気中に
含まれる酸素の濃度を制御することによって、微粉砕後
における合金粉末の酸素含有量を全体の6000質量p
pm以下に調整することが好ましい。希土類合金粉末中
の酸素量含有量が6000質量ppmを超えて多くなり
すぎると、焼結磁石中において非磁性酸化物の占める割
合が増加し、最終的な焼結磁石の磁気特性が劣化してし
まうからである。
【0070】なお、本実施形態では、Rリッチな超微粉
を適切に除去しているため、微粉砕時の不活性ガス雰囲
気中における酸素濃度を調節することによって、粉末の
酸素濃度を6000質量ppm以下に制御することが可
能であるが、もしもRリッチ超微粉の除去を実行せず
に、超微粉の体積比率が全体の10%を超えてしまう
と、如何に不活性ガス雰囲気中の酸素濃度を低減しても
最終的に得られる粉末中の酸素濃度は6000質量pp
mを超えてしまうことになる。ただし、大気雰囲気で粉
末を成形する場合には、成形体の酸化・発熱を抑制する
ため、粉末に3500質量ppm以上の酸素を含有させ
ることが好ましい。
【0071】本実施形態によれば、急冷凝固合金にチル
晶組織が含まれるため、上記粉砕プロセスを経た後、平
均粒径が小さいながらも粒度分布がピークサイズよりも
細かい側でブロードになるため、プレス成形性に優れた
微粉砕粉が得られる。
【0072】なお、本実施形態では図3に示す構成を備
えたジェットミル装置10を用いて第2粉砕工程を実行
したが、本発明はこれに限定されず、他の構成を備えた
ジェットミル装置、あるいはその他のタイプの微粉砕装
置(例えばアトライタやボールミル粉砕機)を用いても
よい。また、超微粉を除去するための分級機として、サ
イクロン分級機以外に、ファトンゲレン分級機やミクロ
セパレータなどの遠心分級機を用いても良い。
【0073】[潤滑剤の添加]上記の方法で作製した原
料合金の粉末に対して、脂肪酸エステルなどを主成分と
する液体潤滑剤やバインダを添加する。例えばロッキン
グミキサーなどの装置を用い、不活性雰囲気中で潤滑剤
を例えば0.15〜5.0wt%添加・混合することが
好ましい。脂肪酸エステルとしては、カプロン酸メチ
ル、カプリル酸メチル、ラウリン酸メチルなとが挙げら
れる。重要な点は、後の工程で潤滑剤が揮発し、除去さ
れ得ることにある。また、潤滑剤それ自体が合金粉末と
均一に混合しにくい固形状のものである場合は、溶剤で
希釈して用いれば良い。溶剤としては、イソパラフィン
に代表される石油系溶剤やナフテン系溶剤等を用いるこ
とができる。潤滑剤添加のタイミングは任意であり、微
粉砕前、微粉砕中、微粉砕後の何れであっても良い。液
体潤滑剤は、粉末粒子の表面を被覆し、粒子の酸化防止
効果を発揮する。また、液体潤滑剤は、プレスに際して
成形体の密度を均一化して粉末粒子間の摩擦を低減し、
圧縮性を改善するとともに、配向の乱れを抑制する機能
をも発揮する。また、ステアリン酸亜鉛などの固体潤滑
剤を用いる場合、微粉砕前に添加し、粉砕時に混合する
ことができる。この混合は、微粉砕後にロッキングミキ
サーで行ってもよい。
【0074】[プレス成形]次に、公知のプレス装置を
用い、上述の方法で作製した磁性粉末を配向磁界中で成
形する。本実施形態では、磁界中での配向性を高めるた
め、プレス圧力を5〜100MPa、好ましくは15〜
40MPaの範囲内に調節する。プレス成形が終了した
後、粉末の成形体は下パンチによって押し上げられ、プ
レス装置の外部へ取り出される。
【0075】本実施形態によれば、粉末の成形性が改善
されているため、ブレス直後のスプリングバック量が低
減され、ワレやカケの生じにくい粉末成形体を得ること
ができる。また、プレス圧力を低くすることにより、配
向度が高く、しかも、複雑な形状を有する成形体を歩留
まり良く作製することができる。このように本実施形態
によれば、ブロック状焼結磁石を作製してから加工によ
って所望形状の磁石を得ていた従来例に比べ、全工程に
必要な作業時間が減少するとともに、研磨加工などによ
る材料の消費量を低減することが可能になる。
【0076】次に、成形体は、例えばモリブデン材料か
ら形成された焼結用台板に載せられて台板とともに焼結
ケースへ搭載される。焼結体を搭載した焼結ケースは焼
結炉内に移送され、その炉内で公知の焼結処理を受け
る。成形体は焼結プロセスを経て、焼結体に変化する。
その後、必要に応じて時効熱処理や焼結体の表面に対す
る研磨加工や保護膜堆積処理を実施する。
【0077】本実施形態の場合、成形する粉末中に酸化
しやすいRリッチ超微粉が少ないため、酸化による発熱
・発火がプレス成形直後においても生じにくくなってい
る。Rリッチな超微粉を取り除くことによって、磁気特
性の向上だけではなく、安全性の向上も実現することが
できる。
【0078】[実施例と比較例]本実施例では、30.
8wt%のNd、1.2wt%のDy、1.0wt%の
B、0.3wt%のAl、およびFe(残余)を含有す
る合金の溶湯を冷却凝固させる際、出湯量を調節するこ
とにより、急冷合金中のチル晶組織率を0〜25体積%
の範囲内で変化させた。
【0079】図4は、チル晶組織が形成されていない急
冷凝固合金の断面組織構造を示す顕微鏡写真であり、図
5は、チル晶組織が体積比率で10%程度形成された急
冷凝固合金の断面組織構造を示す顕微鏡写真である。
【0080】図4および図5において、急冷合金の下端
がロール表面と接触した面に相当している。図4の急冷
合金では、柱状の結晶組織が断面の全体を占めているの
に対して、図5の急冷合金では、ロール表面と接触した
面から数十μm程度の領域内に柱状晶とは異なる微細な
組織を有するチル晶組織が形成されている。
【0081】急冷合金中におけるチル晶組織の体積比率
(チル晶組織率)は、急冷合金断面の顕微鏡写真を観察
し、その断面に観察されるチル晶組織の面積割合から測
定される。急冷合金断面の顕微鏡写真において、チル晶
組織か否かの判断は柱状組織の有無で決定される。すな
わち、急冷合金のロール接触面の近傍領域において、柱
状組織を有していない5μm以下の部分がチル晶組織と
特定される。
【0082】上記の急冷合金を、前述した粉砕方法によ
って粉砕し、平均粒径(FSSS粒度)2.8〜4.0
μm程度の微粉砕粉を作製した。図6は、チル晶組織率
が0体積%の比較例とチル晶組織率が10体積%の急冷
凝固合金から作製した微粉砕粉(実施例)の粒度分布を
示している。粒度分布の測定は、sympatec社製
の粒度分布測定装置(品番HELOS Particle Size Analyz
er)を用いて行った。この粒度分布測定装置は、高速ス
キャンされるレーザビームが粒子によって遮れたときに
透過光量の減少が生じることを利用し、レーザビームが
粒子を通過するのに要した時間から粒径を直接的に求め
ることができる。
【0083】図6のグラフでは、0.5〜1.5μm以
下の粒径範囲に含まれる粒径を持つ粒子の体積比率が粒
径1μmにおける体積粒度分布としてプロットされてい
る。また、1.5〜2.5の粒径範囲に含まれる粒径を
持つ粒子の体積比率が粒径2μmにおける体積粒度分布
としてプロットされている。以下、同様にして、粒径
(N−0.5)〜粒径(N+0.5)の粒径範囲に含ま
れる粒径を持つ粒子の体積比率が粒径Nμmにおける体
積粒度分布としてプロットされている。このような粒度
分布を本明細書では「体積粒度分布」と称することとす
る。
【0084】図6から以下のことがわかる。
【0085】本実施例の体積粒度分布も比較例の体積粒
度分布も、ともに単一のピークを有しているが、チル晶
組織を含む場合は、そうではない場合に比べて、粒度分
布がブロードになっている。
【0086】本実施例の場合、体積粒度分布のピーク値
を示す粒径Aは、4μmであり、この粒径Aから所定の
粒径Bまでの第1粒径範囲(粒径A>粒径B)に含まれ
る粒径を有する粒子の合計体積が、粒径Aから所定の粒
径Cまでの第2粒径範囲(粒径C>粒径A)に含まれる
粒径を有する粒子の合計体積よりも大きい。ただし、第
2粒径範囲の幅(粒径C−粒径A)は、第1粒径範囲の
幅(粒径A−粒径B)に等しいとする。
【0087】所定の範囲の粒径に含まれる粒径を有する
粒子の合計体積は、粒度分布を示す曲線と粒径範囲を規
定する2つの直線との間の領域の面積に相当する。図6
における実施例の曲線のみを示すグラフを図7(a)に
示す。図7(a)に示されるように、例えば、粒径2μ
m以上粒径4μm以下の範囲に含まれる粒径を有する粒
子の合計体積は、領域Xの面積に相当する。また、粒径
4μm以上粒径6μ以下の範囲に含まれる粒径を有する
粒子の合計体積は、領域Yの面積に相当する。図7
(a)からわかるように、領域Xの面積は、領域Yの面
積よりも大きい。
【0088】一方、図7(b)では、粒径2μm以上粒
径4μm以下の範囲に含まれる粒径を有する粒子の合計
体積は、領域X‘の面積に相当する。また、粒径4μm
以上粒径6μ以下の範囲に含まれる粒径を有する粒子の
合計体積は、領域Y’の面積に相当する。図7(b)か
らわかるように、領域X‘の面積は、領域Y’の面積よ
りも小さい。
【0089】また、図7(a)からわかるように、実施
例では、体積粒度分布の半値全幅の中心に相当する粒径
Dが、体積粒度分布のピーク値を示す粒径Aよりも小さ
くなっている。これに対して、比較例では、図7(b)
からわかるように、体積粒度分布の半値全幅の中心に相
当する粒径Dが、体積粒度分布のピーク値を示す粒径A
よりも大きくなっている。
【0090】なお、実施例の平均粒径(FSSS粒径)
は3.2μm、比較例の平均粒径(FSSS粒径)は
3.5μmであった。このように、粉末の平均粒径が小
さくなると、状来であれば、非常に流動性が劣化する
が、本発明によれば、粒径が相対的に小さな側における
粒度分布幅が広がるため、圧縮性が低下しにくい。ま
た、本発明によれば、粒径が相対的に大きな側の粒度分
布幅が狭くなるため、平均粒径が小さいこととあいまっ
て、焼結体の結晶粒径を充分に小さくすることにより、
保磁力向上の効果が得られる。
【0091】次に、これらの粉末に対して、0.3wt
%のカプロン酸メチルを石油系溶剤で希釈したものを添
加し、混合してから、金型プレス装置によってプレス成
形することにより、25mm×20mm×20mmのサ
イズを持つ粉末成形体を作製した。ブレス圧力は約30
MPaとした。プレスに際し、1軸圧縮方向に対して垂
直な方向の配向磁界(1200kA/m)を印加した。
プレス後、アルゴン雰囲気中で成形体を焼結した。焼結
温度は1060℃、焼結時間は5時間とした。時効処理
後、焼結磁石の残留磁束密度Br、保磁力Hcj、および
最大エネルギー積(BH)maxを測定した。結果を表1
に示す。表1ではチル晶組織率毎に成形密度と上記磁気
特性を示している。
【0092】
【表1】
【0093】表1からわかるように、チル晶組織率が2
%以上になると、4.3g/cm3以上の成形密度が得
られ、圧縮性が良好となる。一方、チル晶組織率が大き
くなるほど、保磁力は低下する傾向がある。これは、チ
ル晶組織は酸化しやすいため、チル晶組織率の増加が希
土類磁石中に不要な酸化物の量を増大させてしまうから
である。
【0094】以上のことから、チル晶組織率は体積比率
で2%以上20%以下であることが好ましいことがわか
る。なお、成形密度の向上を重視する場合、チル晶組織
率は5%を超えることが好ましい。一方、保磁力低下の
回避が強く求められる場合、チル晶組織率は15%以下
であることが好ましく、10%以下であることが更に好
ましい。
【0095】以上、ストリップキャスト法で作製した急
冷合金について本願発明を説明してきたが、本発明の適
用範囲はこれに限定されない。遠心鋳造法を含む急冷法
によって作製された合金を用いる場合でも、本発明の効
果が発揮され得る。
【0096】[合金組成]希土類元素Rとして、具体的
には、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Luの少なくとも一種類の元素を用いること
ができる。充分な磁化を得るには、希土類元素Rのうち
の50at%以上がPrまたはNdの何れかまたは両方
によって占められることが好ましい。
【0097】希土類元素Rが8at%を下回ると、α−
Fe相の析出によって保磁力が低下するおそれがある。
また、希土類元素Rが18at%を超えると、目的とす
る正方晶Nd2Fe14B型化合物以外にRリッチの第
2相が多く析出し、磁化が低下するおそれがある。この
ため、希土類元素Rは、全体の8〜18at%の範囲内
にあることが好ましい。
【0098】Feと置換する遷移金属元素として、Co
以外に、Ni、V、Cr、Mn、Cu、Zr、Mb、M
oなどの遷移金属元素が好適に用いられ得る。遷移金属
元素全体のうち、Feの占める割合は50at%以上で
あることが好ましい。Feの割合が50at%を下回る
と、Nd2Fe14B型化合物の飽和磁化そのものが減
少するからである。
【0099】Bおよび/またはCは、正方晶Nd2Fe
14B型結晶構造を安定的に析出するために必須であ
る。Bおよび/またはCの添加量が3at%未満ではR
2T17相が析出するため保磁力が低下し、減磁曲線の
角型性が著しく損なわれる。また、Bおよび/またはC
の添加量が20at%を超えると、磁化の小さな第2相
が析出してしまう。
【0100】粉末の磁気的な異方性をより高めるために
は、他の添加元素Mを付与してもよい。添加元素Mとし
ては、Al、Ti、V、Cr、Ni、Ga、Zr、N
b、Mo、In、Sn、Hf、Ta、Wからなる群から
選択された少なくとも1種類の元素が好適に使用され
る。このような添加元素Mは全く添加されなくても良
い。添加する場合は、添加量を3at%以下にすること
が好ましい。添加量が3at%を超えると、強磁性では
なく第2相が析出して磁化が低下するからである。な
お、磁気的に等方性の磁粉を得るには添加元素Mは不要
だが、固有保磁力を高めるためにAl、Cu、Ga等を
添加してもよい。
【0101】
【発明の効果】本発明のR−Fe−B系希土類磁石用合
金粉末によれば、適切な量のチル晶組織を含有する急冷
合金に水素吸蔵により脆化させたあとに微粉砕するた
め、成形体の高い粒度分布を持った粉末が得られる。そ
の結果、本発明によれば、相対的に低いプレス圧のもと
で、磁界配向度が高く、複雑な形状を有する成形体を歩
留まり良く量産することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に好適に用いられる単ロール
式ストリップキャスターの構成を示す図である。
【図2】本発明における粗粉砕工程で実行する水素粉砕
処理の温度プロファイルの一例を示すグラフである。
【図3】本発明における微粉砕工程を行うために好適に
用いられるジェットミル装置の構成を示す断面図であ
る。
【図4】チル晶組織が形成されていない急冷凝固合金の
断面組織構造を示す顕微鏡写真である。
【図5】チル晶組織が形成された急冷凝固合金の断面組
織の構造を示す顕微鏡写真である。
【図6】本発明による希土類磁石用合金粉末の粒度分布
を示すグラフである。
【図7】(a)は、本発明の実施例の粒度分布を示すグ
ラフであり、(b)は、比較例の粒度分布を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 急冷室 2 合金溶湯 3 溶解炉 4 シュート(タンディッシュ) 5 冷却ロール 7 急冷凝固合金 8 回収容器 10 ジェットミル装置 12 原料投入機 14 粉砕機 16 サイクロン分級機 18 回収タンク 20 原料タンク 22 モータ 24 供給機(スクリューフィーダ) 26 粉砕機本体 28 ノズル口 30 原料投入パイプ 32 バルブ 32a 上バルブ 32b 下バルブ 34 フレキシブルパイプ 36 分級ロータ 38 モータ 40 接続パイプ 42 脚部 44 基台 46 重量検出器 48 制御部 64 分級機本体 66 排気パイプ 68 導入口 70 フレキシブルパイプ 72 取出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 克哉 大阪府三島郡島本町江川2丁目15番17号 住友特殊金属株式会社山崎製作所内 Fターム(参考) 4K017 AA01 AA04 BA06 BB12 BB18 DA04 EA03 FA03 4K018 AA27 BA18 BB04 BC08 BC29 BC30 CA02 CA11 KA45 5E040 AA04 BD01 CA01 HB17 NN01 NN17

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チル晶組織が全体の2〜20体積%含ま
    れるR−Fe−B系希土類磁石用合金を用意する工程
    と、 水素吸蔵により、前記R−Fe−B系希土類磁石用合金
    の粗粉砕を行う第1粉砕工程と、 粗粉砕された粉末を更に微粉砕し、微粉砕された粉末か
    ら粒径が1.0μm以下の微粉の少なくとも一部を除去
    し、それによって粒径が1.0μm以下の微粉の体積を
    低減する第2粉砕工程と、 前記第2粉砕工程後に、粉砕粉の表面を潤滑剤で被覆す
    る工程と、を包含するR−Fe−B系希土類磁石用合金
    粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 体積粒度分布が単一のピークを有し、平
    均粒径(FSSS粒径)が4μm以下であり、前記体積
    粒度分布のピーク値を示す粒径Aから所定の粒径Bまで
    の第1粒径範囲(粒径A>粒径B)に含まれる粒径を有
    する粒子の合計体積が、前記粒径Aから所定の粒径Cま
    での第2粒径範囲(粒径C>粒径A、「粒径C−粒径
    A」=「粒径A−粒径B」)に含まれる粒径を有する粒
    子の合計体積よりも大きい粉末を作製する、請求項1に
    記載のR−Fe−B系希土類磁石用合金粉末の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 体積粒度分布が単一のピークを有し、平
    均粒径(FSSS粒径)が4μm以下であり、前記体積
    粒度分布の半値全幅の中心に相当する粒径Dが、前期体
    積粒度分布のピーク値を示す粒径Aよりも小さい粉末を
    作製する、請求項1に記載のR−Fe−B系希土類磁石
    用合金粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第2粉砕工程では、不活性ガスの高
    速気流を用いて前記合金の微粉砕を実行する請求項1か
    ら3のいずれかに記載のR−Fe−B系希土類磁石用合
    金粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記合金の微粉砕はジェットミル装置を
    用いて実行する請求項4に記載のR−Fe−B系希土類
    磁石用合金粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記合金の微粉砕は、分級機を組み合わ
    せた粉砕装置を用いて行い、前記粉砕装置から出た粉末
    を前記分級機で分級する請求項4に記載のR−Fe−B
    系希土類磁石用合金粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記希土類磁石用原料合金は、原料合金
    溶湯が102℃/秒以上2×104℃/秒以下の冷却速度
    で冷却されたものであることを特徴とする請求項1から
    6のいずれかに記載のR−Fe−B系希土類磁石用合金
    粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記原料合金溶湯の冷却はストリップキ
    ャスト法によって行うことを特徴とする請求項7に記載
    のR−Fe−B系希土類磁石用合金粉末の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1から8のいずれかに記載のR−
    Fe−B系希土類磁石用合金粉末の製造方法によって作
    製されたR−Fe−B系希土類磁石用合金粉末を用意す
    る工程と、 1軸プレスにより前記R−Fe−B系希土類磁石用合金
    粉末を100MPa以下の圧力で成形し、粉末成形体を
    作製する工程と、 前記粉末成形体を焼結し、焼結磁石を作製する工程と、
    を包含するR−Fe−B系希土類磁石の製造方法。
  10. 【請求項10】 チル晶組織が全体の2〜20体積%含
    まれたR−Fe−B系希土類磁石用合金を粉砕すること
    によって得られた粉末であって、 体積粒度分布が単一のピークを有し、平均粒径(FSS
    S粒径)が4μm以下であり、 前記体積粒度分布のピーク値を示す粒径Aから所定の粒
    径Bまでの第1粒径範囲(粒径A>粒径B)に含まれる
    粒径を有する粒子の合計体積が、前記粒径Aから所定の
    粒径Cまでの第2粒径範囲(粒径C>粒径A、「粒径C
    −粒径A」=「粒径A−粒径B」)に含まれる粒径を有
    する粒子の合計体積よりも大きい、R−Fe−B系希土
    類磁石用合金粉末。
  11. 【請求項11】 チル晶組織が全体の2〜20体積%含
    まれたR−Fe−B系希土類磁石用合金を粉砕すること
    によって得られた粉末であって、 体積粒度分布が単一のピークを有し、平均粒径(FSS
    S粒径)が4μm以下であり、 前記体積粒度分布の半値全幅の中心に相当する粒径D
    が、前期体積粒度分布のピーク値を示す粒径Aよりも小
    さい、R−Fe−B系希土類磁石用合金粉末。
  12. 【請求項12】 チル晶組織が全体の2〜20体積%含
    まれたR−Fe−B系希土類磁石用合金の粉末であっ
    て、 平均粒径が2μm以上10μm以下であり、粒径1.0
    μm以下の微粉の体積が粉末全体の粒子体積の10%以
    下に調節され、粉末粒子の表面が潤滑剤で被覆されてい
    るR−Fe−B系希土類磁石用合金粉末。
  13. 【請求項13】 原料合金溶湯を102℃/秒以上2×
    104℃/秒以下の冷却速度で冷却した合金を粉砕して
    得られたものであることを特徴とする請求項10から1
    2のいずれかに記載のR−Fe−B系希土類磁石用合金
    粉末。
  14. 【請求項14】 請求項10から13のいずれに記載の
    R−Fe−B系希土類磁石用合金粉末から作製されたこ
    とを特徴とするR−Fe−B系希土類磁石。
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