JP4955217B2 - R−t−b系焼結磁石用原料合金及びr−t−b系焼結磁石の製造方法 - Google Patents
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Description
特開平5−222488号公報(特許文献2)には、短軸方向0.1〜50μm、長軸方向0.1〜100μmの結晶粒径を有する合金鋳塊を用いることにより、磁気特性が向上することが報告されている。
また、磁気特性を向上させるために、平均粒径3〜50μmの柱状結晶粒を有する主相用母合金と平均粒径0.1〜20μmの結晶粒を有する粒界相用母合金を用いた製造方法が特開平7−176414号公報(特許文献3)に開示されている。
特開2000−219942号公報(特許文献4)には、チル晶、粒状結晶及び柱状結晶の存在比率を特定することにより、磁気特性が向上することが報告されている。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、高い磁気特性、特に高い保磁力を安定して得るための原料合金の最適な組織を提供することを目的とする。
本発明の原料合金により得られる焼結磁石は、希土類元素(R)を25〜35wt%、ホウ素(B)を0.5〜4.5wt%、Al及びCuの1種又は2種を0.02〜0.5wt%、Coを2wt%以下(0を含まず)、並びにFe及び不可避的不純物からなる組成を有する。
また本発明において、最大平均径をDmax、平均径をDaveは以下のように特定されるものとする。すなわち、単一の前記原料合金ロットについて、合金厚み方向と垂直な方向の単位長さをL、単位長さLの直線を横切る結晶の数をCとすると、L/Cを平均値Dとし、この平均値DをSEM(Scanning Electron Microscope)により10視野分求め、各々求められたDn=L/Cn(n=1〜10)の平均値を平均径Daveとし、10視野分求められたDn=L/Cnの最大値を最大平均径Dmaxとする。
以下のR−T−B系焼結磁石を製造する方法についても同様である。
一般に、R−T−B系焼結磁石の原料合金はR2T14B化合物を含んでおり、本発明もR2T14B化合物を含む原料合金に適用することができる。
本発明において、成形体を構成する合金粉末は、D50が2〜6μm、D90が12μm以下あることが好ましい。
<原料合金>
本発明のR−T−B系焼結磁石用原料合金は、溶湯急冷法で作製されるものである。溶湯急冷法としては、ストリップキャスト法を用いることができる。ストリップキャスト法は、溶融金属を回転するロール表面に噴出させて急冷凝固する手法である。冷却を一方向からする場合は、単ロール法や回転ディスク法を用いることができ、二方向から冷却する場合は、双ロール法を用いることができる。ストリップキャスト法により得られる薄帯は、柱状の結晶を有する。この柱状結晶は、ロール表面(冷却面)から鉛直な方向に沿って成長している。ストリップキャスト法により得られる薄帯は、柱状結晶のほかに、そのロール表面に接触した面に形成されるチル晶及び粒状の結晶を含むが、組織の大半を柱状結晶が占める。柱状結晶は、薄帯の長手方向の短軸、薄帯の厚さ方向の長軸を含んでいる。
単一法に適用する場合は、原料合金は本発明による原料合金を用いることになる。
混合法は、通常、一方の合金はR2T14B化合物を主体とする。この合金は、R−T−B系焼結磁石の主相を構成することを想定しており、主相用合金と称されることがある。また、混合される他の合金よりもR含有量が少ないことから低R合金と称されることもある。混合法における他の合金は、R−T−B系焼結磁石の粒界相を形成することを想定していることから、粒界相用合金と称されることがある。また、この粒界相が主相よりもR含有量が多いことから、高R合金と称されることもある。
ここで、典型的な混合法は主相用合金及び粒界相用合金を一種類ずつ用いるが、主相用合金及び粒界相用合金の一方又は双方を複数種類用いることも可能である。この場合も、主相用合金及び粒界相用合金の全てについて本発明を適用することが好ましいが、複数種の主相用合金に本発明を適用すればよい。
本実施の形態では、主相用合金と粒界相用合金を用いる混合法でR−T−B系焼結磁石を製造する方法について示す。
粗粉砕工程後、微粉砕工程に移る。微粉砕は、主にジェットミルが用いられ、粒径数百μm程度の粗粉砕粉末を、好ましくはD50が2〜6μm、D90が12μm以下になるまで処理を行う。ジェットミルには分級機構が設けてあることが多く、この分級機構で設定されたサイズ(粒径)以下に粉砕された粉末がジェットミル外に粉砕処理が完了した粉末として排出される。ジェットミルは、高圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)を狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粗粉砕粉末を加速し、粗粉砕粉末同士の衝突やターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。
次いで、主相用合金粉末及び粒界相用合金粉末からなる混合粉末を、磁場印加によってその結晶軸を配向させた状態で加圧成形する。この磁場中成形は、960〜1600kA/m(12〜20kOe)の磁場中で、0.7〜1.5ton/cm2前後の圧力で行なえばよい。また、磁場印加方法は前述の他に、パルス印加磁場を用いてもよい。
次に、本発明により得られるR−T−B系焼結磁石の望ましい化学組成について説明する。
本発明によるR−T−B系焼結磁石は、希土類元素(R)を25〜35wt%含有する。
ここで、Rは、Yを含む概念を有しており、したがってY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb及びLuの1種又は2種以上から選択される。Rの量が25wt%未満であると、R−T−B系焼結磁石の主相となるR2T14B化合物の生成が十分ではなく軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。一方、Rが35wt%を超えると主相であるR2T14B化合物の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。またRが酸素と反応し、含有する酸素量が増え、これに伴い保磁力発生に有効な粒界相が減少し、保磁力の低下を招く。したがって、Rの量は25〜35wt%とする。望ましいRの量は28〜33wt%、さらに望ましい希土類元素の量は29〜32wt%である。
本実施例は、組成の異なるα、βという2種類のR−T−B系焼結磁石を作製し、ストリップキャスト法で作製された原料合金の組織とその磁気特性の関係を調査した結果を示すものである。R−T−B系焼結磁石α及びR−T−B系焼結磁石βともに、単一法及び混合法の2つの製造方法で作製した。
得られた成形体を真空中において1070℃(R−T−B系焼結磁石α)、又は1080℃(R−T−B系焼結磁石β)で4時間焼結した後、急冷した。次いで得られた焼結体に800℃×1時間と560℃×1時間(ともにAr雰囲気中)の2段時効処理を施した。
Claims (6)
- 溶湯急冷法で作製されるR−T−B(ただし、Rは希土類元素の1種又は2種以上、TはFe又はFe及びCoを必須とする少なくとも1種以上の遷移金属元素、Bはホウ素)系焼結磁石用原料合金であって、
前記原料合金により得られる焼結磁石は、希土類元素(R)を25〜35wt%、ホウ素(B)を0.5〜4.5wt%、Al及びCuの1種又は2種を0.02〜0.5wt%、Coを2wt%以下(0を含まず)、並びにFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、
前記原料合金の厚さは100〜800μmであり、
前記原料合金は短軸及び長軸を有する柱状結晶を含み、
前記柱状結晶の前記短軸の最大平均径をDmax、平均径をDaveとし、
単一の前記原料合金ロットについて、合金厚み方向と垂直な方向の単位長さをL、単位長さLの直線を横切る結晶の数をCとすると、L/Cを平均値Dとし、この平均値DをSEM(Scanning Electron Microscope)により10視野分求め、各々求められたDn=L/Cn(n=1〜10)の平均値を前記平均径Daveとし、10視野分求められたDn=L/Cnの最大値を前記最大平均径Dmaxとすると、
Dmax≦6μm、2μm≦Dave≦5.5μmであることを特徴とするR−T−B系焼結磁石用原料合金。 - 前記Dmax、前記Daveは、
Dmax≦5.5μm、2.5μm≦Dave≦5μmであることを特徴とする請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石用原料合金。 - 前記原料合金は、R2T14B化合物を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のR−T−B系焼結磁石用原料合金。
- 溶湯急冷法で作製されるR−T−B(ただし、Rは希土類元素の1種又は2種以上、TはFe又はFe及びCoを必須とする少なくとも1種以上の遷移金属元素、Bはホウ素)系焼結磁石用原料合金を粉砕して得られた合金粉末からなる成形体を得る工程と、
前記成形体を焼結する工程と、
を備え、
前記原料合金により得られる焼結磁石は、希土類元素(R)を25〜35wt%、ホウ素(B)を0.5〜4.5wt%、Al及びCuの1種又は2種を0.02〜0.5wt%、Coを2wt%以下(0を含まず)、並びにFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、
前記原料合金の厚さは100〜800μmであり、
前記原料合金は、短軸及び長軸を有する柱状結晶を含み、
前記柱状結晶の前記短軸の最大平均径をDmax、平均径をDaveとし、
単一の前記原料合金ロットについて、合金厚み方向と垂直な方向の単位長さをL、単位長さLの直線を横切る結晶の数をCとすると、L/Cを平均値Dとし、この平均値DをSEM(Scanning Electron Microscope)により10視野分求め、各々求められたDn=L/C(n=1〜10)の平均値を前記平均径Daveとし、10視野分求められたDn=L/Cnの最大値を前記最大平均径Dmaxとすると、
Dmax≦6μm、2μm≦Dave≦5.5μmであることを特徴とするR−T−B系焼結磁石の製造方法。 - 前記合金粉末は、D50が2〜6μm、D90が12μm以下であることを特徴とする請求項4に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
- 前記Dmax、前記Daveは、
Dmax≦5μm、3μm≦Dave≦4.5μmであることを特徴とする請求項4又は5に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
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