JP2597486B2

JP2597486B2 - 車両用シートのトリムカバー

Info

Publication number: JP2597486B2
Application number: JP22803887A
Authority: JP
Inventors: 洋之佐伯; 光弘足立
Original assignee: Tachi S Co Ltd
Current assignee: Tachi S Co Ltd
Priority date: 1987-09-11
Filing date: 1987-09-11
Publication date: 1997-04-09
Anticipated expiration: 2012-04-09
Also published as: JPS6470091A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は自動車などの車両用シート（座席）における
トリムカバー、詳しくは、装飾用の凹溝を表面に有する
トリムカバーに関する。

（従来の技術とその問題点）従来、自動車用シートの表面を構成するトリムカバー
の身頃部には、縦方向又は横方向に、シートの外観を向
上させる装飾用の凹溝が設けてある。この凹溝は、熱融
着性の表皮、発泡体製（スラブ材）ワディング、ワディ
ングカバーの三者を積層し、この積層体を高周波ウェル
ダーで溝形状に加圧してワディングを圧潰し、一体に溶
着して形成したものである。従って、斯る従来品は、ワ
ディングの一部が高周波ウェルダーの型によって加圧さ
れて溶着されるため、第８図に示すように凹溝（ｃ′）
は、その端部（ｃ′_１）（ｃ′_１）が曲線状になる。従
って、凹溝（ｃ′）はくっきりした外観にならないた
め、シートの美感が損なわれる欠陥があった。第８図に
おいて、図中（11）は表皮、（12）はワディング、（1
3）はワディングカバーを夫々示す。

そこで、本発明は前記トリムカバーに設ける前記装飾
用の凹溝をくっきりした美感に優れた形状にすると共
に、その凹溝の保形性を向上して、長期間トリムカバー
の美感を保持し得るようにすることを目的とするもので
ある。

（問題点を解決すべき手段）以上の目的を達成すべき本発明に係るトリムカバー
は、長孔を有する発泡体製ワディングと、該ワディング
の裏面側に積層されるワディングカバーと、前記ワディ
ングの表面側を被覆し、その一部が長孔からワディング
カバーに溶着される表皮とからなる身頃部、該身頃部の
前記ワディングの左右端縁より内側に一定の幅分あけ
て、前記表皮とワディングとワディングカバーの三者を
一体に溶着し、該溶着部の外側に位置する前記表皮を額
縁部に対する身頃部の縫い代としたものである。従っ
て、表皮がワディングの長孔内においてワディングカバ
ーに一体になるため、ワディングが圧潰されることな
く、ワディングの厚さ分の深い溝形状が得られる。ま
た、該ワディングの長孔に表皮を溶着する際に、ワディ
ングの左右端縁より内側に一定幅分あけて表皮、ワディ
ング、ワディングカバーの三者を一体に溶着でき、該溶
着部の外側に位置する表皮を額縁部に対する身頃部の縫
い代として利用するため、身頃部に別個の縫い代を縫着
する必要がない。

（実施例）以下、本発明の実施例を第１図乃至第７図に基づいて
説明する。

第１図は、本発明に係るトリムカバーを使用した自動
車用シートのシートバック（Ａ）を示し、図中（ａ）は
トリムカバーの身頃部、（ｂ）（ｂ）は額縁部、
（ｃ）、（ｃ）、（ｃ）は身頃部（ａ）の横方向に設け
た装飾用の凹溝、（ｄ）、（ｄ）は身頃部（ａ）におけ
る額縁部（ｂ）、（ｂ）の境界に沿って設けた溶着分を
夫々示す。

以上のトリムカバーの身頃部（ａ）は第３図、第４図
に示すように構成されている。

即ち、身頃部（ａ）は熱溶着性合成樹脂材からなる表
皮（11）、（11a）、（11b）と、ウレタンフォームなど
のスラブ材からなるワディング（12）と、ワディングカ
バー（13）との積層体で、これらの三者は高周波ウェル
ダーによって一体に溶着され、この溶着部が前記装飾用
の凹溝（ｃ）、（ｃ）、（ｃ）と、溶着部（ｄ）、
（ｄ）・・・（ｄ）であり、この溶着部（ｄ）・・・の
外側に位置する表皮（11b）、（11b）が、額縁部
（ｂ）、（ｂ）に対する縫い代となる（第４図）。そし
て、溶着部（ｄ）、（ｄ）より外側のワディング（12
b）、（12b）、ワディングカバー（13a）、（13a）は、
シートバックの内部方向に折曲される。図中、（11a）
に示す表皮は、ワディング（12）に設けた長孔（12a）
・・・内において、ワディングカバー（13）と一体に溶
着して前記装飾用の凹溝（ｃ）、（ｃ）、（ｃ）を形成
する。

以上の装飾用の凹溝（ｃ）・・・及び溶着部（ｄ）・
・・は、以下に示す方法で形成される。

即ち、第５図に示すワディング（12）を、表皮（11）
と、ワディングカバー（13）とで挟み、第６図に示すよ
うな高周波ウェルダーの下型（20）を使用して、高周波
溶着する。

以上のワディング（12）は、横方向（左右方向）に長
孔（12a）、（12a）、（12a）が開孔されており、該長
孔（12a）・・・の長さ方向の末端（第５図点線に示す
個所）から端縁までの間が前記ワディング（12b）、（1
2b）となり、同図の一点鎖線に示す個所が、第６図に示
す高周波ウェルダーの下型（20）における外部（21）、
（21）である。従って、下型（20）はその幅（W₁）がワ
ディング（12）の幅（Ｗ）に対して狭く形成されてい
る。

また、ワディング（12）の長孔（12a）、（12a）に挿
入して、表皮（11a）とワディングカバー（13｝とを溶
着する電極（22）、（22）が下型（20）に設けてある。

斯して、第７図に示すように、下型（20）上に、表皮
（11）、ワディング（12）、高周波溶着性に優れた熱溶
融性（C₁）、ワディングカバー（13）を重ねて、下型
（20）の電極（22）、（22）に対応する位置に電極（3
1）、（31）を有する上型（30）で加圧して高周波を印
荷すると、前記第２図、第３図に示すトリムカバーの身
頃部（ａ）が形成される。

（効果）本発明によれば、ワディングに長孔を開孔し、表皮の
一部をワディングの長孔を通してワディングカバーに溶
着して、装飾用の凹溝を形成する。従って、この装飾用
の凹溝は、ワディングの弾力に影響されないため、前記
従来品に比べ明確な、しかも深い溝形状が得られ、シー
トの外観を向上し得る。しかも、直接、ワディングカバ
ーに表皮の一部は溶着されているため、長期使用によっ
ても、その溶着部が剥離することがない。

加えて、前記装飾用の凹溝を形成する際に、同時に、
前記溶着部を形成して、額縁部に対する身頃部の縫い代
を設けることができるので、前記従来品の如く、身頃部
形成後、縫い代を別個に縫着する手数が省け作業性を向
上し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るトリムカバーの使用状態を示す斜
視図、第２図は縦断面図、第３図は第２図におけるIII
−III線断面図、第４図は額縁部に取付ける状態の断面
図、第５図は本発明に使用するワディングの斜視図、第
６図は本発明トリムカバー成形用の型、第７図は成形方
法を示す断面図、第８図は従来品の部分断面図である。図中、（ａ）は身頃部、（ｂ）、（ｂ）は額縁部、
（ｃ）、（ｃ）は装飾用の凹溝、（ｄ）、（ｄ）は溶着
部、（11）は表皮、（12）はワディング、（12a）（12
a）……は長孔、（13）はワディングカバーを夫々示
す。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】長孔を有する発泡体製ワディングと、該ワ
ディングの裏面側に積層されるワディングカバーと、前
記ワディングの表面側を被覆し、その一部が長孔からワ
ディングカバーに溶着される表皮とからなる身頃部、該
身頃部の前記ワディングの左右端縁より内側に一定の幅
分あけて、前記表皮とワディングとワディングカバーの
三者を一体に溶着し、該溶着部の外側に位置する前記表
皮を額縁部に対する身頃部の縫い代とした車両用シート
のトリムカバー。