JP2597181B2 - 熱硬化性樹脂組成物およびドライフィルム - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物およびドライフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、可溶性で高分子量である芳香族ポリイミ
ド、および、末端に不飽和基を有する末端変性イミドオ
リゴマーまたは不飽和イミド化合物からなる耐熱性のイ
ミド系樹脂成分を主成分として含有する熱硬化性樹脂組
成物に関するものである。
この発明の熱硬化性樹脂組成物は、加熱硬化が可能で
あると共に、有機極性溶媒への溶解性が優れており、し
かも、接着剤として使用する場合などに適当な軟化点を
有しているので、加工性に優れており、また、この熱硬
化性樹脂組成物が高分子量の芳香族ポリイミドを含有し
ていて、この樹脂組成物から得られた熱硬化物が優れた
機械物性を示すので、優れた性能の耐熱性の接着剤とし
て、種々の複合材料(銅箔、銅線とポリイミドフィルム
との複合材料など)の製造などに好適に使用することが
できる。
〔従来技術の説明〕
一般に、高分子量の芳香族ポリイミドは、非常に優れ
た耐熱性を有することから種々の耐熱性を必要とする用
途に使用されている。
しかし、前記の芳香族ポリイミドは、有機溶媒に対し
て一般的に難溶性であり、しかも、軟化温度が極めて高
いか、軟化点がないために、加工性が劣り、他の樹脂と
共に種々の用途に利用することが困難であった。
このために、一般的には、高分子量の芳香族ポリイミ
ドの前駆体である芳香族ポリアミック酸を有機溶媒に溶
解した溶液を調製して、その溶液を種々の用途に利用す
ることが提案されているが、前記の芳香族ポリアミック
酸は、最終的に芳香族ポリイミドを得るために、イミド
閉環する必要があり、この際に、反応水が生成し、これ
を除去することが必要であり、このために種々の問題が
生じていたのである。
一方、末端に不飽和基を有する比較的低分子量の末端
変性イミドオリゴマーまたは不飽和イミド化合物は、熱
硬化性を有していると共に、有機溶媒への溶解性が優れ
ており、しかも、比較的低い軟化点を有しているので、
高分子量の芳香族ポリイミドでは、使用できなかった接
着剤などの用途に使用することが提案されつつある。
しかし、前記の末端変性イミドオリゴマー又は不飽和
イミド化合物は、固く、脆いという欠点を有しており、
最終的な硬化物が、極めて機械的物性において劣ってい
るという問題があった。
最近、ベンゾフェノンテトラカルボン酸系の可溶性の
芳香族ポリイミドとビスマレイミド系イミドオリゴマー
とを組み合わせた樹脂組成物が、機械的物性の改良され
た硬化物を得ることができる熱硬化性樹脂組成物とし
て、例えば、特開昭62−30122号公報、特開昭62−17955
8号公報などに提案されている。
しかし、前記の樹脂組成物は、有機溶媒としてフェノ
ール系溶媒を使用する必要があり、一般的な有機極性溶
媒に対して溶解性が低かったり、あるは、最終的な熱硬
化物が充分な耐熱性を有していないという欠点を有して
いたのである。
〔本発明の解決しようとする課題〕
この発明の目的は、前述の公知の芳香族ポリイミド、
イミドオリゴマー、およびそれらの樹脂組成物が有して
いた問題点を一挙に解消することができる熱硬化性樹脂
組成物を提供することを目的とするものであり、特に、
有機溶媒に対して充分に可溶性であり、しかも比較的低
い軟化点を有していて、取扱い、加工性が優れていると
共に、最終的に得られる熱硬化物が、耐熱性および機械
的物性において優れている熱硬化性樹脂組成物を提供す
ることである。
〔本発明の課題を解決するための手段〕
この出願の第1及び2の発明の樹脂組成物は、(A)
2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸類を60モル
%以上含有するテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン
成分とから得られた、対数粘度(濃度;0.5g/100ml溶
媒、溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、測定温度;30
℃)が0.2〜7であって高分子量であり、有機極性溶媒
に可溶性である芳香族ポリイミド100重量部、および、 (B)(a)芳香族テトラカルボン酸成分と、ジアミン
成分と、不飽和基を有するモノアミンまたは不飽和基を
有するジカルボン酸成分とを反応させて得られた、軟化
点が100〜300℃であって、前記対数粘度が0.01〜0.5で
ある、末端に不飽和基を有すると共に分子内にイミド結
合を有する末端変性イミドオリゴマ−5〜2000重量部、
または、 (b)芳香族テトラカルボン酸成分と、不飽和基を有す
るモノアミン成分とを反応させて得られた、軟化点が10
0〜300℃であって、不飽和基を有すると共に分子内にイ
ミド結合を有する不飽和イミド化合物5〜2000重量部か
らなる樹脂成分が主成分として含有されていることを特
徴とする熱硬化性樹脂組成物に関するものであり、 そして、第3及び第4の発明のドライフィルムは、前
述の芳香族ポリイミド100重量部と末端変性イミドオリ
ゴマ−5〜2000重量部、または不飽和イミド化合物5〜
2000重量部とからなる樹脂成分を主成分として含有する
熱硬化性樹脂組成物がフィルム状に形成されており、該
フィルムの軟化点が100〜300℃であることを特徴とする
熱硬化性ドライフィルムに関する。
〔各発明の各構成要件の詳細な説明〕
この発明の樹脂成分として使用される可溶性で高分子
量の芳香族ポリイミドは、例えば、2,3,3′,4′−ビフ
ェニルテトラカルボン酸類を60モル%以上、好ましくは
80以上、特に好ましくは90〜100モル%含有するテトラ
カルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを、略等モル、
モノマー成分として使用して、フェノール系溶媒、アミ
ド系溶媒、硫黄原子を有する化合物系溶媒、グリコール
系溶媒、アルキル尿素系溶媒などの有機極性溶媒中で両
モノマー成分を高温下(特に好ましくは140℃以上の温
度下)に重合及びイミド化するという製法で得られたイ
ミド重合体であり、そして、前記の対数粘度が、0.2〜
7、好ましくは0.3〜7、特に好ましくは0.5〜5程度で
ある高分子量の重合体であり、また、前述の有機極性溶
媒に重合体を少なくとも3重量%、特に5〜40重量%程
度の濃度で均一に溶解することができる可溶性の芳香族
ポリイミドであることが好ましい。
また、前記の高分子量の芳香族ポリイミドは、前記の
テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを有機極
性溶媒中で0〜80℃の低温下、重合して、得られた高分
子量(対数粘度が少なくとも0.2である)の芳香族ポリ
アミック酸を製造し、そのポリアミック酸を何らかの公
知の方法でイミド化して、可溶性の芳香族ポリイミドを
製造することによって得ることもできる。
前記の高分子量の芳香族ポリイミドは、言い換えれ
ば、一般式I (ただし、一般式Iにおいて、Arは、芳香族ジアミンの
2個のアミノ基を除いた2価の芳香族残基である。)で
示される反復単位を、少なくとも60モル%、好ましくは
80モル%以上、特に好ましくは90〜100モル%有してい
る。前述のように可溶性であって高分子量である芳香族
ポリイミドである。前記の芳香族ポリイミドは、赤外吸
収スペクトル分析法で測定したイミド化率が少なくとも
90%以上、特に95%以上であるか、あるいは、赤外吸収
スペクトル分析においてポリマーのアミド−酸結合に係
わる吸収ピークが実質的に見出されず、イミド環結合に
係わる吸収ピークのみが見られるような高いイミド化率
であることが好ましい。
前記の2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸類
は、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、その
酸二無水物、あるいはその酸の低級アルキルエステル化
物、ハロゲン化物などを挙げることができ、特に2,3,
3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−B
PDA)が好適である。
この発明の熱硬化性樹脂組成物において、芳香族ポリ
イミドが2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸類
以外の他のテトラカルボン酸類を主成分として製造され
たものであると、その芳香族ポリイミドが有機極性溶媒
に対して難溶性であったり、前記末端変性イミドオリゴ
マー又は不飽和イミド化合物との相溶性が低いので適当
ではない。
前記の高分子量の芳香族ポリイミドの製造に使用され
るテトラカルボン酸成分として、a−BPDAと共に使用す
ることができるテトラカルボン酸化合物としては、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジ
フェニルエーテルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)メタン、2,2′−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)プロパン、または、ピロメリット酸、
あるいは、それらの酸二無水物、エステル化物などを好
適に挙げることができる。
前記の高分子量の芳香族ポリイミドの製造に使用され
る芳香族ジアミン成分としては、例えば、ビフェニル系
ジアミン化合物、ジフェニルエーテル系ジアミン化合
物、ジフェニルチオエーテル系ジアミン化合物、ベンゾ
フェノン系ジアミン化合物、ジフェニルスルホン系ジア
ミン化合物、ビス(フェノキシ)プロパン系ジアミン化
合物、ジアミノジフェニルメタン類、2,2−ビス(アミ
ノフェニル)プロパン類などのビフェニルアルカン系ジ
アミン化合物、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキ
シフェニル)ヘキサフロロプロパン類、ビス(フェノキ
シ)ベンゼン系ジアミン化合物、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)など
の2,2−ビス〔(フェノキシ)フェニル〕プロパン系ジ
アミン化合物、ビス(フェノキシ)ジフェニルスルホン
系ジアミン化合物類などの『芳香族環(ベンゼン環な
ど)を2個以上、特に2〜5個有する芳香族ジアミン化
合物』を挙げることができ、それらを単独、あるいは混
合物として使用することができる。
前記の高分子量の芳香族ポリイミドの製造用の芳香族
ジアミン成分としては、ジフェニルエーテル系ジアミン
化合物、ジフェニルアルカン系ジアミン化合物、2,2−
ビス(フェノキシ)ジフェニルプロパン系ジアミン化合
物、ビス(フェノキシ)ベンゼン系ジアミン化合物など
の『ベンゼン環を2〜4個有する芳香族ジアミン化合
物』を特に好適に挙げることができる。
この発明の樹脂組成物において使用する末端変性イミ
ドオリゴマーは、例えば、芳香族テトラカルボン酸成分
と、ジアミン成分と、不飽和基を有するモノアミンまた
は不飽和基を有するカルボン酸成分とを、各成分中の酸
無水基(または隣接する一対のカルボキシル基)の総量
とアミン基の総量とが概略等しい当量となるように調整
して使用し、有機極性溶媒中で、100℃以下、特に好ま
しくは0〜60℃の温度下に反応させて『アミド−酸結合
を有するオリゴマー』を生成させ、次いで、そのアミッ
ク酸オリゴマーを、140〜250℃の高温に加熱する製法に
よって得られるものであればよく、そして、そのイミド
オリゴマーの軟化点が100〜300℃、好ましくは100〜250
℃であって、前記の対数粘度が0.01〜0.5、好ましくは
0.01〜0.4、特に好ましくは0.01〜0.3程度であるような
低分子量のオリゴマーであり、末端に不飽和基を有する
と共に分子内にイミド結合を有する末端変性イミドオリ
ゴマーである。
前記の末端変性イミドオリゴマーは、言い換えれば、
一般式IIまたはIII (一般式IIおよびIIIにおいて、Ar1は芳香族テトラカル
ボン酸化合物の4個のカルボキシル基を除去した4価の
芳香族残基であり、Ar2はジアミン化合物の2個のアミ
ノ基を除いた2価の有機残基であり、R1は不飽和基を有
するモノアミン化合物の1個のアミノ基を除去した1価
の有機残基であり、R2は不飽和基を有するジカルボン酸
の2個のカルボキシル基を除去した2価の有機残基であ
り、さらに、nは1〜50、特に1〜30程度の整数であ
る。)で示される末端変性イミドオリゴマーであること
が好ましい。
前記の末端変性イミドオリゴマーは、赤外吸収スペク
トル分析法において、オリゴマーのアミド−酸結合に係
わる吸収ピークが実質的に見出されず、イミド環結合に
係わる吸収ピークのみが見られるような高いイミド化率
であることが好ましい。
前記の末端変性イミドオリゴマーの製法で使用される
『芳香族テトラカルボン酸成分』、および『ジアミン成
分』は、高分子量の芳香族ポリイミドの製法においてす
でに例示した芳香族テトラカルボン酸類および芳香族ジ
アミン類を使用することができる。
末端変性イミドオリゴマーの製法では、芳香族テトラ
カルボン酸成分として、特に2,3,3′,4′−ビフェニル
テトラカルボン酸、3,3.4,4′−ビフェニルテトラカル
ボン酸、またはそれらの酸二無水物、あるいは、それら
の酸エステル化物などのビフェニルテトラカルボン酸類
を好適な代表例として使用することができ、さらに、前
述のベンゾフェノンテトラカルボン酸類、ビフェニルエ
ーテルテトラカルボン酸類、ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)ベンゼン類、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)プロパン類、ピロメリット酸類、特に好まし
くはそれらの酸二無水物などの『芳香族テトラカルボン
酸類』を好適に使用することができ、また、それらの単
独使用およびそれらの少なくとも二種類の酸化合物の併
用のいずれをも採用することができる。
また、末端変性イミドオリゴマーの製法では、ジアミ
ン成分として、特にジフェニルエーテル系ジアミン化合
物、ジフェニルアルカン系ジアミン化合物、2,2−ビス
(フェノキシ)ジフェニルプロパン系ジアミン化合物、
ビフェニル系ジアミン化合物、ビス(フェノキシ)ベン
ゼン系ジアミン化合物などの『ベンゼン環を2〜4個有
する芳香族ジアミン化合物』を好適に挙げることがで
き、さらに、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパ
ン、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタ
ン、ジアミノペンタンなどの『脂肪族ジアミン化合物』
も使用することができ、また、それらの単独あるいは混
合物として使用することもできる。
さらに、末端変性イミドオリゴマーの製法では不飽和
基を有するモノアミンとして、例えば、(イ)プロパギ
ルアミン(PA)、3−アミノブチン、4−アミノブチ
ン、5−アミノペンチン、4−アミノペンチン、6−ア
ミノヘキシン、7−アミノヘプチン、4−アミノ−3−
メチルブチン、アリルアミンなどの『不飽和基を有する
脂肪族モノアミン化合物』 あるいは、 (ロ)m−またはp−アミノスチレン、m−アミノ−α
−メチルスチレン、1−イソプロペニル−3−(2−ア
ミノイソプロピル)ベンゼン、3−アミノフェニルアセ
チレン、4−アミノフェニルアセチレンなどの『不飽和
基を有する芳香族モノアミン化合物』を挙げることがで
き、 さらに、不飽和基を有するカルボン酸成分としては、
例えば、 (イ)マレイン酸、またはその酸無水物(無水マレイン
酸:MA)、その酸エステル化物など、 (ロ)ナジック酸、またはその酸無水物(無水ナジック
酸:NA)、その酸エステル化物など、 (ハ)イタコン酸、またはその酸無水物(無水イタコン
酸)、その酸エステル化物など、 (ニ)テトラヒドロフタル酸、またはその酸無水物(無
水テトラヒドロフタル酸;HA)、その酸エステル化物な
どの『2個のカルボン酸を隣接して有する不飽和ジカル
ボン酸』を好適に挙げることができる。
末端変性イミドオリゴマーの製法において使用する有
機極性溶媒としては、高分子量の芳香族ポリイミドの製
法において使用される有機極性溶媒と同じ溶媒を使用す
ることができ、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピ
ロリドンなどのアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、
ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルス
ルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなどの硫黄原子を
含有する溶媒、クレゾール、フェノール、キシレノール
などのフェノール系溶媒、アセトン、メタノール、エチ
レングリコール、ジオキサン、テトラドロフランなどの
酸素原子を分子内に有する溶媒、ピリジン、テトラメチ
ル尿素などのその他の溶媒を挙げることができ、さらに
必要であれば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素系の溶媒、ソルベントナフサ、ベンジルニ
トリルのような他の種類の有機溶媒を併用することも可
能である。
この発明の樹脂組成物において使用する不飽和イミド
化合物は、例えば、芳香族テトラカルボン酸成分と、不
飽和基を有するモノアミン成分とを、各成分中の酸無水
基(または隣接する一対のカルボキシル基)とアミン基
とが概略等しい当量となるように調整して使用して、有
機極性溶媒中で、100℃以下、特に好ましくは0〜60℃
の温度下に反応させて『アミド−酸結合を有する化合
物』を生成させ、次いで、そのアミド−酸化合物を、14
0〜250℃の高温に加熱する製法によって得られるもので
あればよく、そして、その不飽和イミド化合物の軟化点
が100〜300℃、好ましくは100〜250℃であり、不飽和基
を有すると共に分子内にイミド結合を有する不飽和イミ
ド化合物である。
前記の不飽和イミド化合物は、一般式IV (一般式IVにおいて、Ar1およびR1は、前記の一般式II
と同じである。)で示される化合物である。
前記の不飽和イミド化合物の製造において使用される
テトラカルボン酸成分および不飽和基を有するモノアミ
ン成分としては、末端変性イミドオリゴマーの製造で使
用される芳香族テトラカルボン酸類、および不飽和基を
有するモノアミン化合物をいずれも使用することがで
き、特に、芳香族テトラカルボン酸類として、2,3,3′,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ビフ
ェニルテトラカルボン酸、あるいは、それらの酸二無水
物、または、それらの酸エステル化物などのビフェニル
テトラカルボン酸類を最も好適な代表例として挙げるこ
とができ、また、不飽和基を有するモノアミンとして、
プロパギルアミンなどの『不飽和基を有する脂肪族モノ
アミン化合物』を最も好適な代表例として挙げることが
できる。
この発明の熱硬化性樹脂組成物は、 (A)前述の芳香族ポリイミド100重量部及び (B)(a)前述の末端変性イミドオリゴマー又は、 (b)前述の不飽和イミド化合物5〜2000重量部、好ま
しくは10〜1000重量部、さらに好ましくは30〜300重量
部 からなる樹脂成分が、主成分として(好ましくは90重量
%以上、特に好ましくは、95〜100重量%)含有されて
いる熱硬化性樹脂組成物である。
この発明の樹脂組成物において、末端変性イミドオリ
ゴマーまたは不飽和イミド化合物の配合割合が余りに小
さくなり過ぎると、接着性などが低下するので適当では
なく、また、前記の配合割合が余りに大きくなり過ぎる
と、機械的物性が低下するので適当ではない。
この発明の熱硬化性樹脂溶液組成物は、前述の芳香族
ポリイミド100重量部と、前述の末端変性イミドオリゴ
マー又は不飽和イミド化合物5〜2000重量部とからなる
樹脂成分が、3〜50重量%、好ましくは5〜40重量%の
濃度で、有機極性溶媒に均一に溶解している熱硬化性樹
脂溶液組成物である。
樹脂溶液組成物に使用される前記の有機極性溶媒とし
ては、末端変性イミドオリゴマーの製造に使用された有
機極性溶媒をそのまま使用することができ、特に、例え
ば、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの酸素原子を
分子内に有する有機極性溶媒を好適に使用することがで
きる。
この発明の溶液組成物は、約30℃の溶液粘度(回転粘
度)が、約0.1〜20000ポイズ、特に0.1〜10000ポイズ程
度であることが好ましい。
この発明のドライフィルムは、前述の熱硬化性樹脂組
成物が、好ましくは厚さ0.1〜100μm、特に好ましくは
0.5〜50μmの自己支持性のフィルム状に形成されてお
り、しかも、該フィルムの軟化点が100〜300℃、好まし
くは120〜280℃であって、好ましくは約150〜400℃、特
に好ましくは180〜350℃の硬化温度に加熱することによ
って熱硬化しうるドライフィルムである。
この発明のドライフィルムは、加熱硬化することによ
って、耐熱性が高い硬化フィルムとすることができ、種
々の金属箔、耐熱性フィルム材料などの間に挟み込ん
で、それらを一体に強固に接着させて、耐熱性の高い複
合材料を製造することができる。
前記のドライフィルムは、前述の熱硬化性樹脂溶液組
成物を、平滑な支持体上に流延して、前記溶液組成物の
薄膜を形成し、常圧又は減圧下、約200℃以下、特に好
ましくは60〜180℃の乾燥温度で、有機極性溶媒を、約
1〜240分間、特に1.5〜180分間、蒸発して除去するこ
とによって、自己支持性のフィルムとして形成する方法
によって製造することができる。
〔実施例〕
以下、実施例を示し、この発明をさらに詳しく説明す
る。
以下の実施例において、対数粘度(ηinh)は、樹脂
成分濃度が0.5g/100ml溶媒となるように、樹脂成分をN
−メチル−2−ピロリドンに均一に溶解して樹脂溶液を
調製し、その溶液の溶液粘度および溶媒のみの溶液粘度
を30℃の温度で測定して下記の計算式で算出された値で
ある。
また、接着強度は、インテスコ社製の引張り試験機を
用いて、剥離速度50mm/分でT型剥離試験を行って測定
した結果である。
さらに、ドライフィルムの軟化点は熱板上で同一フィ
ルウ同士を無荷重で重ね合わせたときに接着するかどう
かを調べた。
実施例1 〔末端変性イミドオリゴマーの製造〕 容量300mlのガラス製フラスコに、 (a)2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(a−BPDA)14.71g(0.05モル) (b)1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(T
PE−R)29.23g(0.1モル) (c)ジメチルアセトアミド(DMAc)175.76gを仕込
み、 窒素気流中、50℃で1時間攪拌して、アミック酸オリゴ
マーを生成させ、次いで、その反応液を約165℃に昇温
し、その温度で3時間攪拌して、末端にアミノ基を有す
るイミドオリゴマーを生成させた。
その反応液を50℃まで冷却した後、無水マレイン酸1
1.77g(0.12モル)およびキシレン35gを添加し、その反
応液を160℃に昇温し、キシレンを発生する水と共に除
去しながら4時間攪拌して、末端に不飽和基を有するイ
ミドオリゴマーを生成し、最後に、その反応液を室温
(約20℃)に冷却した後、水中に投じて粉末状のイミド
オリゴマー粉末を濾別した後、25℃のメタノールで2回
洗浄し、減圧状態で乾燥して、末端変性イミドオリゴマ
ーを製造した。
この末端変性イミドオリゴマーは、イミド化率が95%
以上であり、その対数粘度が、0.04であった。
〔芳香族ポリイミドの製造〕
容量300mlのガラス製フラスコに、 (a)2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(a−BPDA)29.42g(0.1モル) (b)2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン(BAPP)41.07g(0.1モル) (c)N−メチル−2−ピロリドン(NMP)300gを仕込
み、 窒素気流中、50℃で1時間攪拌して、ポリアミック酸を
生成し、その反応液を約190℃に昇温し、その温度で5
時間攪拌して芳香族ポリイミドを生成した。
その反応液を室温(約20℃)で繊維状に押し出して、
室温以下の水中に投じる湿式紡糸法により繊維を形成
し、その繊維を25℃のメタノールで2回洗浄した後、減
圧下に乾燥して芳香族ポリイミド製繊維(径:200μm)
を製造した。
前記の芳香族ポリイミドは、イミド化率が95%以上で
あり、対数粘度が0.41であった。
〔熱硬化性樹脂組成物の調製〕
容量300mlのフラスコに、前述の末端変性イミドオリ
ゴマー5g、芳香族ポリイミド製繊維5g、および1,4−ジ
オキサン40gを仕込み、室温(25℃)で約2時間攪拌し
て均一な熱硬化性樹脂溶液組成物を調製した。
この溶液組成物は、室温に1週間放置しても均一な溶
液の状態を保持していた。
〔ドライフィルムの製造〕
前記の溶液組成物を、ガラス板上に流延して薄膜を形
成した後、90℃で30分間および140℃で30分間加熱して
乾燥し、ガラス板から引き剥がして、熱硬化性を有する
厚さ20μmのドライフィルムを製造した。
前記のドライフィルムの軟化温度を第1表にそれぞれ
示す。
〔ドライフィルムの熱硬化物の製造〕
前記のドライフィルムを、循環式熱風乾燥機中で、25
0℃で2時間加熱して、熱硬化させ、耐熱性フィルムを
製造した。
この熱硬化された耐熱性フィルムについて、機械的物
性(引張強度、弾性率、伸び率)、および、耐熱性(5
重量%熱分解温度)を測定し、その結果を第1表にそれ
ぞれ示す。
〔熱硬化性組成物の接着性試験〕
前記の熱硬化性樹脂溶液組成物を厚さ30μmの銅箔上
に流延した後、90℃で30分間および120℃で30分間加熱
して乾燥し、銅箔上に乾燥された熱硬化性樹脂組成物の
薄膜(厚さ:20μm)を形成した。
前記の銅箔上に設けられた熱硬化性樹脂組成物の薄膜
上に、厚さ25μmのポリイミドフィルム〔宇部興産
(株)製、商品名:UPILEX(登録商標)Sタイプ〕、重
ね合わせて、200℃の加熱下に20kg/cm2の圧力で5分間
プレスして、圧着させた後、その積層体を循環式熱風乾
燥機中で、200℃で6時間加熱して、熱硬化性樹脂組成
物層を熱硬化させ、積層体を製造した。
得られた積層体について、接着強度を測定したがその
結果を第1表に示す。
実施例2〜3 前述の末端変性イミドオリゴマー7gおよび芳香族ポリ
イミド製繊維3g(実施例2)とするか、あるいは、前述
の末端変性イミドオリゴマー3gおよび芳香族ポリイミド
製繊維7g(実施例3)としたほかは、実施例1と同様に
して、熱硬化性樹脂溶液組成物、ドライフィルムを製造
した。
実施例1と同様の『それらに関する試験結果』を第1
表に示す。
実施例4 容量300mlのガラス製フラスコに、 (a)2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(a−BPDA)14.71g(0.05モル) (b)ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
スルホン(BAPS)43.25g(0.1モル) (c)ジメチルアセトアミド(DAMc)175.76gを仕込
み、 窒素気流中、50℃で1時間攪拌して、アミック酸オリゴ
マーを生成させ、次いで、その反応液を約165℃に昇温
し、その温度で3時間攪拌して、末端にアミノ基を有す
るイミドオリゴマーを生成させた。
その反応液を50℃まで冷却した後、無水マレイン酸1
1.77g(0.12モル)およびキシレン35gを添加し、その反
応液を160℃に昇温し、キシレンを発生する水と共に除
去しながら4時間攪拌して、末端に不飽和基を有するイ
ミドオリゴマーを生成した。
その反応液を室温(約20℃)に冷却した後、水中に投
じて粉末状のイミドオリゴマーを析出させ、その析出し
たイミドオリゴマー粉末を濾別した後、25℃のメタノー
ルで2回洗浄し、減圧状態で乾燥して、末端変性イミド
オリゴマーを製造した。
この末端変性イミドオリゴマーは、イミド化率が95%
以上であり、その対数粘度が、0.04であった。
前述のようにして製造した末端変性イミドオリゴマー
を使用したほかは、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂
溶液組成物、ドライフィルムを製造した。
実施例と同様の『それらに関する試験結果』を第1表
に示す。
実施例5 実施例1で製造した末端変性イミドオリゴマー2.5gと
芳香族ポリイミド7.5gとを1,4−ジオキサン40gに溶解し
て熱硬化性樹脂溶液組成物を調製し、その溶液組成物を
ガラス板上に流延し、オーブン中、90℃で30分間および
140℃で30分間加熱して乾燥することによって厚さ20μ
mのドライフィルムを製造した。
このドライフィルムの軟化点は200℃であった。
また、前記のドライフィルムを6枚重ね合わせて20kg
/cm2の圧力を加えながら、240℃で1時間、および、270
℃で20分間加熱硬化することによって、厚さ100μmの
可撓性のあるシート状積層体を製造した。
この積層体の熱的特性は、ガラス転移温度(Tg)が25
0℃であり、5重量%熱分解温度が、480℃であった。
実施例6 容量300mlのガラス製フラスコに、 (a)2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(a−BPDA)29.42g(0.1モル) (b)1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(T
PE−R)14.62g(0.05モル) (c)N−メチル−2−ピロリドン(NMP)180gを仕込
み、 窒素気流中、50℃で1時間攪拌して、アミック酸オリゴ
マーを生成させ、次いで、その反応液を約165℃に昇温
し、その温度で3時間攪拌して、末端にカルボキシル基
を有するイミドオリゴマーを生成させた。
その反応液を50℃まで冷却した後、プロパルギルアル
コール5.51g(0.1モル)を添加し、その反応液を50℃で
1時間攪拌して、次いで、その反応液を200℃まで昇温
し、その温度で2時間攪拌して、末端に不飽和基を有す
るイミドオリゴマーを生成し、最後に、その反応液を室
温に冷却した後、水中に投じて粉末状のイミドオリゴマ
ーを析出させ、その析出したイミドオリゴマー粉末を濾
別した後、25℃のメタノールで2回洗浄し、減圧状態で
乾燥して、末端変性イミドオリゴマーの粉末を製造し
た。
この末端変性イミドオリゴマーは、イミド化率が95%
以上であり、その対数粘度が、0.05であった。
前述のようにして製造した末端変性イミドオリゴマー
を使用したほかは、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂
溶液組成物、ドライフィルムを製造した。
前記の熱硬化性樹脂溶液組成物を厚さ30μmの銅箔上
に流延した後、160で30分間加熱して乾燥し、銅箔上に
乾燥された熱硬化性樹脂組成物の薄膜(厚さ:20μm)
を形成した。
前記の銅箔上に設けられた熱硬化性樹脂組成物の薄膜
上に、厚さ25μmのポリイミドフィルム〔宇部興産
(株)製、商品名:UPILEX(登録商標)Rタイプ〕を、
重ね合わせて、220℃の加熱下に20kg/cm2の圧力で5分
間プレスして、圧着させた後、その積層体を循環式熱風
乾燥機中で、300℃で6時間加熱して、熱硬化性樹脂組
成物層を熱硬化させ、積層体を製造した。
得られた積層体は、接着強度が、790g/cm(室温)で
あった。
実施例7 容量300mlのガラス製フラスコに、 (a)2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(a−BPDA)29.42g(0.1モル) (b)プロパルギルアミンル11.02g(0.2モル) (c)N−メチル−2−ピロリドン(NMP)180gを仕込
み、 窒素気流中、50℃で1時間攪拌して、次いで、その反応
液を約200℃まで昇温し、その温度で2時間攪拌して、
不飽和基を有するイミド化合物を生成し、そして、その
反応液を室温に冷却した後、25℃のメタノールに投入
し、不飽和イミド化合物の粉末を生成し、その粉末を水
で2回洗浄し、減圧状態で乾燥して、末端変性イミド化
合物の粉末を製造した。
前記の不飽和イミド化合物は、赤外吸収スペクトル分
析によれば、イミド環に係わるピークを有していた。
前述のようにして製造した不飽和イミド化合物を使用
したほかは、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂溶液組
成物、ドライフィルムを製造した。
前記の熱硬化性樹脂溶液組成物を厚さ30μmの銅箔上
に流延した後、160で30分間加熱して乾燥し、銅箔上に
乾燥された熱硬化性樹脂組成物の薄膜(厚さ:20μm)
を形成した。
前記の銅箔上に設けられた熱硬化性樹脂組成物の薄膜
上に、厚さ25μmのポリイミドフィルム〔宇部興産
(株)製、商品名:UPILEX(登録商標)Rタイプ〕を、
重ね合わせて、220℃の加熱下に20kg/cm2の圧力で5分
間プレスして、圧着させた後、その積層体を循環式熱風
乾燥機中で、300℃で6時間加熱して、熱硬化性樹脂組
成物層を熱硬化させ、積層体を製造した。
得られた積層体は、接着強度が、860g/cm(室温)で
あった。
比較例1 実施例1で製造した芳香族ポリイミド10gのみを用い
て樹脂溶液組成物を調製し、その樹脂溶液組成物を使用
したほかは、実施例1と同様にして、銅箔と芳香族ポリ
イミドフィルムとの積層体を製造した。その積層体の接
着強度は、0.05kg/cm(20℃)であった。
比較例2 実施例1で製造した末端変性イミドオリゴマー10gの
みを使用して樹脂溶液組成物を調製し、その樹脂溶液組
成物を使用したほかは、実施例1と同様にして、銅箔と
芳香族ポリイミドフィルムとの積層体を製造した。
得られた積層体は、折り曲げると、前記末端変性イミ
ドオリゴマーからなる接着剤層に多数のクラックが生
じ、実用的なものではなかった。
比較例3 テトラカルボン酸成分として、3,3′,4,4′−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物を使用使用したほか
は、実施例1と同様にして、芳香族ポリイミド(対数粘
度:0.5)を製造した。この際に、反応液中には、イミド
化に伴い粒子状にポリマーの析出が見られた。
前記芳香族ポリイミドを使用したほかは、実施例1と
同様にして溶液組成物を調製しようとしたが、前記芳香
族ポリイミドが1,4−ジオキサン溶媒に対して低い溶解
性を示し、また、末端変性イミドオリゴマーに対しても
不満足な相溶性を示し、安定で均一な熱硬化性樹脂組成
物を容易に調製することができなかった。
〔本発明の作用効果〕
この発明の熱硬化性樹脂組成物は、約180〜400℃の温
度で加熱硬化が可能であると共に、種々の有機極性溶媒
への溶解性が優れており、容易に、熱硬化性樹脂溶液組
成物を調製することができる。
しかも、この発明の熱硬化性樹脂組成物は、耐熱性接
着剤として使用する場合などに適当な軟化点を有してい
るので、加工性に優れており、また、この熱硬化性樹脂
組成物が高分子量の芳香族ポリイミドを含有していて、
この樹脂組成物から得られた熱硬化物が優れた機械物性
を示すので、優れた性能を有する耐熱性の接着剤、成形
用材料として、種々の複合材料(銅箔、銅線とポリイミ
ドフィルムとの複合材料など)の製造などに好適に使用
することができる。
さらに、この発明のドライフィルムは、熱硬化性を有
していて、硬化された後に高い耐熱性を有しているの
で、このドライフィルム同士を複数層重ね合わせて耐熱
性積層体を製造したり、また、金属箔と耐熱性フィルム
との間に接着性ドライフィルムとして挟み込んで金属箔
−耐熱性フィルム積層体を容易に製造することができる
という優れた性能を有す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン
    酸類を60モル%以上含有するテトラカルボン酸成分と芳
    香族ジアミン成分とから得られた、対数粘度(濃度;0.5
    g/100ml溶媒、溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、測定
    温度;30℃)が0.2〜7であって高分子量であり、有機極
    性溶媒に可溶性である芳香族ポリイミド100重量部、お
    よび、芳香族テトラカルボン酸成分と、ジアミン成分
    と、不飽和基を有するモノアミンまたは不飽和基を有す
    るジカルボン酸成分とを反応させて得られた、硬化点が
    100〜300℃であって、前記対数粘度が0.01〜0.5であ
    る、末端に不飽和基を有すると共に分子内にイミド結合
    を有する末端変性イミドオリゴマ−5〜2000重量部から
    なる樹脂成分が主成分として含有されていることを特徴
    とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項第1項に示された芳香族ポリイミド
    100重量部、および、芳香族テトラカルボン酸成分と、
    不飽和基を有するモノアミン成分とを反応させて得られ
    た、軟化点が100〜300℃であって、不飽和基を有すると
    共に分子内にイミド結合を有する不飽和イミド化合物5
    〜2000重量部からなる樹脂成分が主成分として含有され
    ていることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項第1項及び第2項に示された芳香族
    ポリイミド100重量部と末端変性イミドオリゴマ−5〜2
    000重量部とからなる樹脂成分を主成分として含有する
    熱硬化性樹脂組成物がフィルム状に形成されており、該
    フィルムの軟化点が100〜300℃であることを特徴とする
    熱硬化性ドライフィルム。
  4. 【請求項4】請求項第1項及び第2項に示された芳香族
    ポリイミド100重量部と不飽和イミド化合物5〜2000重
    量部とからなる樹脂成分を主成分として含有する熱硬化
    性樹脂組成物がフィルム状に形成されており、該フィル
    ムの軟化点が100〜300℃であることを特徴とする熱硬化
    性ドライフィルム。
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