JP4612292B2 - 接着性組成物及びその硬化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、接着性組成物及びその硬化方法に関する。
近年、電気電子機器の高密度化・小型化・軽量化が進み、更に使用条件が苛酷な箇所にも使われるようになった。これに伴って、電気電子機器材料は耐熱性と共に低誘電性、絶縁性、密着性の向上が望まれている。
芳香族ジアミンと芳香族ビスマレイミドによる付加型イミド樹脂は、耐熱性にすぐれ、加工性も良好であり、コストパフォーマンスにも優れているが、これらの硬化物は硬く、脆い傾向にある。層間材料としては剥離強度が弱い、銅箔との剥離強度も弱い欠点がある。ビスマレイミドや芳香族ジアミンの種類を変える試みは、ますます成型温度を高くし、加工性に難点がある。不飽和ビスマレイミドと芳香族ジアミンにジアミノマレオニトリルを加えて、接着性の向上をはかった(特許文献1)。
多官能シアン酸エステルにポリイミドを混合して低誘電率化や耐熱性、電気特性の改良が試みられた(特許文献2)。更には、シロキサンを含有する低誘電性熱硬化樹脂(特許文献3及び4)等がある。
特開平3−131628 特開2001−200157 特開平11−92719 特開2001−6427
芳香族ジアミンとビスマレイミド化合物から生成する付加型イミド樹脂接着剤は、その加工工程で2種類の反応が進行する。主反応はマレイミド基とアミノ基との付加反応であり、副反応としてビスマレイミド同士の自己縮合によるマイケル付加である。可撓性の欠陥はこの副反応の生成に起因するため、副反応を抑制するための手段が検討されている。
本発明は、この副反応を抑制すると共に、接着性の向上をはかり、耐熱性、低誘電性の向上をもたらす新規なイミド型接着組成物を提供することを目的とする。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、両端に3-アミノベンゾニトリル単位を有する第1のイミドオリゴマーと、両端にマレイン酸無水物単位を有する第2のイミドオリゴマーと、一端にマレイン酸無水物単位、他端にジアミン単位を有する架橋剤オリゴマーとを含む組成物が、接着性に優れ、耐熱性、低誘電性も優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(1)両端に3-アミノベンゾニトリル単位を有する第1のイミドオリゴマーと、(2)両端にマレイン酸無水物単位を有する第2のイミドオリゴマーと、(3)一端にマレイン酸無水物単位、他端にジアミン単位を有するオリゴマーから成る架橋剤とを含む接着性組成物を提供する。また、本発明は、(1)両端に3-アミノベンゾニトリル単位を有する第1のイミドオリゴマーと、両端にマレイン酸無水物単位を有する第2のイミドオリゴマーとを溶融混合して得られる溶融混合物と、(2)一端にマレイン酸無水物単位、他端にジアミン単位を有するオリゴマーから成る架橋剤とを含む接着性組成物を提供する。さらに、本発明は、液状の形態にある上記本発明の接着性組成物を基体に塗布し、加熱して硬化させることを含む上記接着性組成物の硬化方法を提供する。
本発明の接着性組成物は、優れた接着性、耐熱性及び低誘電性を発揮するので、電気、電子材料に用いられるプリント配線基板、封止剤、オーバーコート剤等に好適に利用することができる。また、ガラス繊維、ケブラー繊維に含浸して構造材料、複合材料として使用することもできる。
上記の通り、本発明の接着性組成物は、両端に3-アミノベンゾニトリル単位を有する第1のイミドオリゴマーと、両端にマレイン酸無水物単位を有する第2のイミドオリゴマーと、一端にマレイン酸無水物単位、他端にジアミン単位を有する架橋剤オリゴマーとを含むか、又は上記第1のイミドオリゴマーと第2のイミドオリゴマーとを溶融混合して得られる溶融混合物と、上記架橋剤オリゴマーを含む。
第1のイミドオリゴマーは、両端に3-アミノベンゾニトリル単位を有するイミドオリゴマーである。イミドオリゴマーは、ジアミン成分(ただし、両端は上記の通り、モノアミンである3-アミノベンゾニトリル単位)とテトラカルボン酸成分とが重縮合してイミド結合により結合したものである。第1のイミドオリゴマーの融点は、150℃以下であることが、低温での施工を可能にする点から好ましい。第1のイミドオリゴマーの重合度は、特に限定されないが、オリゴマーの融点が150℃以下になる重合度であることが好ましく、したがって、通常、重量平均分子量が2000以上7000以下程度、好ましくは3000以上5000以下程度である。なお、第1のイミドオリゴマーは、重合度の異なるオリゴマーの混合物であってもよい。
第1のイミドオリゴマーの好ましい例として、一般式(I)
3BN-BTDA-X-BTDA-3BN (I)
(ただし、3BNは3-アミノベンゾニトリル単位、BTDAはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物単位、Xは1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン単位(APB)、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン単位(mBAPS)又はジアミノシロキサン単位(DAS)を示し、隣接する単位同士は、各単位に含まれるアミノ基とジカルボン酸無水物との重縮合によりイミド結合している)
で表される構造を有するものを挙げることができる。各単位の構造を化学式で示すと以下の通りである。
Figure 0004612292
(ただし、DASの化学式中、nは3〜30の整数を示す)
なお、上記の通り、一般式(I)中の隣接する単位同士は、各単位に含まれるアミノ基とジカルボン酸無水物との重縮合によりイミド結合しているので、例えば一般式(I)のXがBTDAである場合の構造は次の構造式で示される。
Figure 0004612292
(この構造式は、スペースの都合上2行で表されているが、1行目の右端と2行目の左端がつながっている)。
第2のイミドオリゴマーは、両端にマレイン酸無水物単位を有するイミドオリゴマーである。イミドオリゴマーは、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分(ただし、両端は上記の通りジカルボン酸無水物であるマレイン酸無水物単位)とが重縮合してイミド結合により結合したものである。第2のイミドオリゴマーの融点は、150℃以下であることが、低温での施工を可能にする点から好ましい。第2のイミドオリゴマーの重合度は、特に限定されないが、オリゴマーの融点が150℃以下になる重合度であることが好ましく、したがって、通常、重量平均分子量が2000以上8000以下、好ましくは3000以上6000以下である。なお、第2のイミドオリゴマーは、重合度の異なるオリゴマーの混合物であってもよい。
第2のイミドオリゴマーの好ましい例として、一般式(II)
MA-mBAPS-Y-mBAPS-MA (II)
(ただし、MAはマレイン酸無水物単位、mBAPSは上記と同じく4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン単位、YはBTDA(上記)、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物単位(BPDA)、ピロメリット酸ジ無水物単位(PMDA)、1,4-ビス(ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物単位(ODPA)又はビシクロ(2,2,2)オクト-7-エン-1,2,3,6-テトラカルボン酸ジ無水物単位(BCD)を示し、隣接する単位同士は、各単位に含まれるアミノ基とジカルボン酸無水物との重縮合によりイミド結合している)
で表される構造を有する。各単位の構造を化学式で示すと以下の通りである。
Figure 0004612292
なお、上記の通り、一般式(II)中の隣接する単位同士は、各単位に含まれるアミノ基とジカルボン酸無水物との重縮合によりイミド結合しているので、例えば一般式(II)のYがBTDAである場合の構造は次の構造式で示される。
Figure 0004612292
(この構造式は、スペースの都合上2行で表されているが、1行目の右端と2行目の左端がつながっている)。
本発明の接着性組成物中には、前記第1のイミドオリゴマーと第2のイミドオリゴマーがそれぞれ独立した状態で含まれていてもよいし、第1のイミドオリゴマーと第2のイミドオリゴマーとを溶融混合して得られる溶融混合物を含んでいてもよい。第1及び第2のイミドオリゴマーは、いずれも好ましくは150℃以下の融点を有するので、その場合には溶融混合は150℃以下の温度でも150℃を超え、好ましくは200℃以下の温度下でも行うことができる。溶融混合を150℃以下で行なった場合には、反応は起きず、第1のイミドオリゴマーと第2のイミドオリゴマーの均一な混合物が得られる。150℃を超え、200℃以下の温度、好ましくは約180℃程度で溶融混合を行なうと、第1のイミドオリゴマーのベンゾニトリル構造と第2のイミドオリゴマーのマレイミド構造が反応して、ピリミジン系の化合物が生成する。すなわち、2モルの第1のイミドオリゴマーと、1モルの第2のイミドオリゴマーが反応してピリミジン系の化合物を生成する。この反応の概略を以下の反応式(i)に示す。
Figure 0004612292
反応式(i)
なお、この反応式(i)中(本明細書に記載する他の反応式においても同様)、「式(I)部分」とは、上記式(I)中の一部分であって、この反応式にその構造が構造式により明示されていない部分の構造を示す略記であり、同様に、「式(II)部分」とは、上記式(II)中の一部分であって、この反応式にその構造が構造式により明示されていない部分の構造を示す略記である。
また、3モルの第1のイミドオリゴマーから、以下の反応式(ii)に従ってトリアジン化合物も一部生成し、溶融温度が高くなるほど増える傾向がある。
Figure 0004612292
反応式(ii)
本発明の接着組成物中には、第1のイミドオリゴマーと第2のイミドオリゴマーを溶融混合して得られる、上記反応式(i)に示されるピリミジン系化合物や上記反応式(ii)に示されるトリアジン系化合物を少なくとも部分的に含む溶融混合物を含めることが好ましく、特に、溶融混合を150℃ないし200℃の温度で行ない、少なくとも部分的に上記ピリジン系化合物やトリアジン系化合物を生成させた溶融混合物を含めることが好ましい。この場合、溶融混合の時間は、30分間〜180分間程度が好ましい。もっとも、第1のイミドオリゴマーと第2のイミドオリゴマーとの上記反応は、架橋剤の存在下で硬化反応を行なう際にも部分的に起き、満足できる硬化物を得ることができるので、第1のイミドオリゴマーと第2のイミドオリゴマーは必ずしも溶融混合する必要はなく、また、150℃以下の低温下で溶融混合を行なって得られる未反応状態の溶融混合物を含ませてもよい。なお、「溶融混合物」は、各イミドオリゴマーを溶融状態で混合して得られる混合物であり、組成物中で溶融状態にある必要はなく、溶融状態の混合物を冷却固化した固形物を粉砕して得られる粉末を好ましく利用することができる。
架橋剤としては、一端にマレイン酸無水物単位、他端にジアミン単位を有するオリゴマーが用いられる。マレイン酸無水物単位(MA)は上記の通りである。ジアミン単位は、アミノ基(-NH2)を2個有する単位である。マレイン酸無水物単位とジアミン単位は、重縮合してイミドオリゴマー(この場合にはダイマー)(マレイミド)を形成しているもの(例えば後述の式(III))が好ましい。この場合、ジアミン単位の2個のアミノ基のうち、1個は重縮合に用いられてイミド結合を形成し、他方のアミノ基はフリーの状態で残る。従って、本発明で用いられる架橋剤は、一端にマレイミド基、他端側の単位にフリーのアミノ基を有するものである。ジアミン単位としては、芳香族ジアミンが好ましく、特に上記mBAPS、ジアニリノメタン、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)、2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)が好ましい。マレイミド中の二重結合は、アミノ基と反応して結合するので、上記イミドダイマーは自己重合してオリゴマーになっていてもよく、ダイマーと、テトラマー以上のオリゴマーの混合物になっていてもよい。架橋剤の融点は、150℃以下であることが、低温での施工を可能にする点から好ましい。なお、架橋剤オリゴマーは、重合度の異なるオリゴマーの混合物であってもよい。上記各芳香族ジアミンの構造を化学式で示すと次のとおりである。
Figure 0004612292
上記架橋剤オリゴマーは、式(III)
MA-mBAPS (III)
(ただし、MA及びmBAPSは、上記一般式(II) における定義と同義)
で示される構造を有することが好ましい。なお、上記の通り、式(III)で示されるダイマーのマレイミド中の二重結合とmBAPS中のフリーのアミノ基が結合する(詳しくは後述)ので、ダイマーが自己重合したテトラマー以上のオリゴマーが含まれていてもよい。
式(III)中の隣接する単位同士は、各単位に含まれるアミノ基とジカルボン酸無水物との重縮合によりイミド結合しているので、式(III)の構造は次の構造式で示される。
Figure 0004612292
また、架橋剤としては、一端にマレイン酸無水物単位、他端にジアミン単位を有するオリゴマー生成する成分の混合物を用いることもできる。好ましくは、下記一般式(IV)で示されるイミドオリゴマーと、芳香族ジアミンとの混合物を用いることができる。
MA-mBAPS-MA (IV)
(ただし、MA及びmBAPSは、上記一般式(II) における定義と同義)
芳香族ジアミンの好ましい例としては、上記と同様mBAPS、ジアニリノメタン、DADE、BAPPを挙げることができる。式(IV)のイミドオリゴマーの一端のマレイミドの二重結合が、芳香族ジアミンの一方のアミノ基と結合するので、塗工時には一端に無水マレイン酸単位、他端に芳香族ジアミン単位を有するオリゴマーがその場で生成され、これが架橋剤として機能する。
上記のとおり、架橋剤オリゴマーは、一端にマレイミド構造を有し、他端側にフリーのアミノ基を有している。後で詳述するように、マレイミド構造は、第1のイミドオリゴマーの末端のベンゾニトリルと反応して結合し、一方、フリーのアミノ基は、第2のイミドオリゴマーの末端のマレイミド構造と反応して結合するので、架橋剤オリゴマーは、架橋剤として機能する。
上記した第1のイミドオリゴマー、第2のイミドオリゴマー及び架橋剤オリゴマーの混合比率は、特に限定されないが、モル比で1〜4:0.5〜2:2〜8が好ましい。
本発明の接着性組成物は、上記成分に加え、さらに、架橋反応を促進する触媒を含むことが好ましい。触媒としては、架橋反応を促進でき、本発明の効果に悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、トリフェニルホスフィン、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズ及びナフテン酸コバルトから選ばれる少なくとも1種が好ましく、特にトリフェニルホスフィンが好ましい。これらの触媒の組成物中の含量は、特に限定されないが、上記第1及び第2のイミドオリゴマー並びに架橋剤オリゴマーの合計量に対して0.1重量%〜5重量%程度が適当である。
本発明の接着性組成物を塗工する際には、組成物が液状であることが好ましい。液状にするためには、組成物を加熱溶融してもよいし、溶媒を含めて溶液の形態にしてもよい。溶媒を用いる場合、塗工時に容易に蒸発する低沸点溶媒が好ましく、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジオキソラン等を好ましい例として挙げることができる。溶媒の使用量は、全成分を溶解できる量であれば特に限定されず、通常、全組成物中の50〜80重量%程度である。
上記した各成分は、公知の方法により製造することができる。以下に、各成分の好ましい製造方法を具体的に説明するが、他の製造方法も採用できることは言うまでもない。
第1のイミドオリゴマーとして、上記式(I)中、XがmBAPSであるイミドオリゴマーの製造方法を説明する。酸触媒の存在下に、極性溶媒中で直接イミド化反応を行い、生成物は水または水−メタノール中に加えて沈殿させ、ろ過、回収して粉末とする。一例として、2モルBTDA、1モルmBAPSとを加えて極性溶媒中180℃、2時間反応し、ついで、2.2モル(3BN)を添加して、180℃、2時間反応して、式(I)の化合物3BN−BTDA−X−BTDA−3BNを生成する。同様にして、X=APB、ジアミノシロキサン、ジアミノジフェニルエーテル、BAPP、m−TPE等を合成することができる。
第2のイミドオリゴマー化合物は、上記と同様にして合成することができる。上記式(II)(ただし、YがBTDAの場合)のイミドオリゴマーの合成法の一例を示す。2モルのmBAPSと1モルのBTDAとを極性溶媒中180℃、2時間反応させ、ついで、2.2モルMAを加えて、160℃、2時間反応させ、生成物を水又は水−メタノール中に加えて沈殿し、ろ過,乾燥して粉体とする。
架橋剤オリゴマーも上記と同様にして合成することができる。上記式(III)のマレイミドの合成法の一例を説明する。1モルの(MA)と1モルのmBAPSとを極性溶媒中、酸触媒の存在下に180℃、2時間反応する。生成する水はトルエンとの共沸によって系外に除かれる。生成物は水、水−メタノール中に加えて沈殿させ、ろ過,乾燥して粉体とする。
次に、本発明の接着性組成物の好ましい調製方法及び使用方法について説明する。先ず、第1のイミドオリゴマーと第2のイミドオリゴマーを、上記の好ましいモル比、特に好ましくは2:1のモル比で混合し、よく撹拌する。次いで、金属製の容器に移し、金属製の容器に移し、ホットプレート又はオイルバス中で100〜150℃に加熱して溶融する。ついで、空冷して粉砕する。得られた粉体に上記架橋剤オリゴマー及び上記触媒を加えて混合撹拌して、接着剤等として用いる。粉体接着剤を溶融して被着体上に流延し、加熱する。あるいは、粉体上の接着剤を低沸点溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサン、ジオキソラン等)に溶解して被着体上に塗布し、溶媒を加熱、除去した後、加熱、溶融して加工することもできる。フィルム、金属箔等には塗布して用いる。ガラス繊維や炭素繊維等には含浸して構造物として利用する。硬化温度は150〜200℃、積層する場合は好ましくは1〜50kg/cmに加熱、圧縮する。硬化時間は3分〜10時間程度が適当である。なお、工程を簡略化したい場合には、第1のイミドオリゴマーと第2のイミドオリゴマーの溶融混合を省略して、第1及び第2のイミドオリゴマーをそのまま組成物中に含めておき、使用時に加熱してもよい。この場合でも、上記反応式(i)及び(ii)に示した反応は少なくとも部分的に起きるので、実用上使用可能である。
反応式(i)に従って生成するピリミジン系化合物や反応式(ii)に従って生成するトリアジン化合物は、1分子中に複数のベンゾニトリル基を有する。架橋剤オリゴマーの一端側にあるマレイミド基は、2個のベンゾニトリル基と下記反応式(iii)に示すように反応して結合する。また、この結合反応は、未反応の第1のイミドオリゴマー分子2個と架橋剤オリゴマーのマレイミド基の間でも起きる。
Figure 0004612292
一方、上記反応式(i)で生成されるピリミジン系化合物に存在するマレイミド基や、未反応の第2のイミドオリゴマーの両端にあるマレイミド基は、架橋剤オリゴマーの一端側にあるフリーのアミノ基と下記反応式(iv)のように反応し、結合する(反応式(iv)にはベンズアミノ基の場合を例示)。
Figure 0004612292
このように、架橋剤オリゴマーは、マレイミド基及び2個のベンゾニトリル基のいずれとも反応するので、反応式(i)及び(ii)で示される第1及び第2のイミドオリゴマーの溶融反応生成物や、未反応の第1及び/又は第2のイミドオリゴマーと結合し、架橋が起きる。なお、架橋剤オリゴマー自体がマレイミド基とフリーのアミノ基を有しているので、架橋剤オリゴマー同士が自己結合する反応も起き、この反応をはじめ、上記した反応以外の反応も部分的に起き得るが、ともかく、上記架橋反応が起きることによって組成物中の各成分が架橋され、組成物は硬化され、基体と接着される。
上記した本発明の接着性組成物は、そのままで接着剤等として用いることができるが、柔軟性、耐熱性、低誘電率、密着性の向上のために、ポリイミド樹脂を含有させることが望ましい。使用するポリイミドとしては、融点又は軟化点が200℃以下、好ましくは150〜100℃の低融点ポリイミドが好ましい。
低融点のポリイミドには、通常、上記ジアミノシロキサン単位(DAS)を含むポリイミドが用いられる。DASを含有する好ましい低融点ポリイミドの例として以下のものを例示することができる。なお、括弧内の温度は融点又は軟化点である。
(3BPDA+DAS)(m-DADE+BAPP) [105℃]
(BPDA+2DAS)(2BTDA+mBAPS) [135〜155℃]
(2BPDA+DAS(分子量1600))(BTDA+2mBAPS) [180〜190℃]
3BPDA+2DAS+mBAPS [105〜110℃]
3BPDA+2DAS+0.5mBAPS+0.5DABz [90〜100℃](DABzは3,5-ジアミノ安息香酸)
(7BPDA+3DAS)(6mBAPS+2DABz) [110〜115℃]
(4BPDA+DAS)(4BCD+7APB) [190℃]
(融点はポリイミドの分子量の変化で変わる。一般に高分子量になると融点が高くなる。)
なお、上記の表記において、例えば、冒頭の「(3BPDA+DAS)(m-DADE+BAPP) 」は、先ず、3モル部のBPDAと1モル部のDASを縮合させ、次いで、この反応生成物に1モル部のm-DADEと1モル部のBAPPを添加し、さらに縮合させて得られるブロック共重合体を示す。
上記低融点ポリイミドは、公知の方法により製造することができる。低融点ポリイミドは、極性溶媒(例えば、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、スルホラン等)中、酸触媒として、p-トルエンスルホン酸又はバレロラクトンとピリジン混合物を用いて、160〜200℃、好ましくは180℃の加熱によって直接イミド化される。生成する水は溶媒として用いるトルエンとの共沸によって系外に除かれる。イミド化反応が終了すると、水又は水−メタノール中に注いでポリイミド粉体として、ろ過、回収、乾燥する。粉体はそのまま使用することもできるが、低沸点溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサン、ジオキソラン)等に溶解させて使用することもできる。低沸点溶媒に溶解させて使用する場合には、該低沸点溶媒中に第1及び第2のイミドオリゴマー並びに架橋剤オリゴマーも溶解される。低融点ポリイミドの添加量は、目的に応じて適宜設定できるが、通常、接着性組成物の固形成分全量に対し20〜80重量%、好ましくは30〜60重量%程度である。
イミド系接着剤に低融点ポリイミドを混合して用いた接着剤は、400℃では一部分解して接着力を著しく減少する。従って、400℃以下の環境での使用が好ましい。
より高温の環境での使用を目的とする場合には、ガラス転移温度が高く、分解温度が450℃以上の耐熱性ポリイミドと共に使用される。これらのポリイミドは、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジオキソラン等には難溶である。NMP、DMF、スルホラン等の極性溶媒中で合成される溶剤可溶のポリイミドが用いられる。
これらのポリイミドは多数知られている。反応に関与する触媒が反応後にも残留しないポリイミド溶液にするため、従来のp-トルエンスルホン酸のように触媒として残留する触媒は使用しないことが好ましい。バレロラクトンとピリジン又はメチルモルホリンを触媒として使用する。NMP等の極性溶媒中180℃で反応し、直接イミド化を行う。生成する水はトルエンと共沸によって系外に除かれる。逐次反応を利用することによってブロック共重合ポリイミドを合成する。この方法は、公知であり、例えばWO99/19771、米国特許第5,502,143等に記載されている。
接着剤の耐熱性を高めるため、溶剤可溶のポリイミドであって、カルボン酸基、フェノール基、アミノ基、二重結合をもったポリイミドが有効である。GPC測定による分子量としては、重量平均分子量が3万〜40万のポリイミドが好ましい。かかるポリイミドは、ガラス転位温度が250℃以上の例が多い。このような溶剤可溶の耐熱性ポリイミドの好ましい例として、次のものを挙げることができる。
(BTDA+2p-DADE)(2BPDA+m-DADE),(BTDA+2m-DADE)(2BTDA+p-DADE),(BPDA+2m-DADE)(3BPDA+HO-AB+p-DADE),(2BPDA+BAPP)(m-TPE),(2BTDA+BAPP)(BPDA+m-DADE-p-DADE),(2BCD+DABz)(BTDA+HO-AB+mBAPS),(2PMDA+Si)(2BPDA+HO-AB+2m-DADE),(2BTDA+DAT)(BPDA+BAPS+DABz),(PMDA+2DAT)(2BTDA+BAPS)(ただし、HO-ABは3,3'-ジヒドロキシ-ベンチジン、m-TPEは1,4-ビス(4-アミノフェノキシベンゼン)、DATは2,4-ジアミノトルエン)
耐熱性の溶剤可溶ポリイミドを用いる場合には、該ポリイミドをNMP等の極性溶媒中に溶解したポリイミド溶液が用いられる。この場合には、該極性溶媒中に第1及び第2のイミドオリゴマー並びに架橋剤オリゴマーも溶解される。耐熱性の溶剤可溶ポリイミドの添加量は、目的に応じて適宜設定できるが、通常、接着性組成物の固形成分全量に対し20〜80重量%、好ましくは30〜60重量%程度である。耐熱性の溶剤可溶ポリイミドを含有する組成物の場合には、硬化温度を上記した温度範囲よりも高温の200℃〜300℃にすることもできる。
本発明の接着性組成物には、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリマーアロイ等、比較的高温の状態で利用される樹脂を添加することができる。また、導電性、耐水性、耐候性の改良のために、無機フィラー、有機フィラー、シリコンフィラー等を添加することもできる。これらの添加剤の添加量は、本発明の効果に悪影響を与えない程度であれば特に限定されないが、通常、固形成分全量に対し20〜60重量%、好ましくは25〜50重量%程度である。
本発明の接着性組成物は、耐熱性、屈曲性、密着性、低誘電性の特性を示し、各種電気電子材料、例えばプリント配線基板等における接着剤として用いられる他、封止剤、オーバーコート剤等として利用できる。また、ガラス繊維、ケブラー繊維に含浸させて、構造材料、複合材料として使用することができる。
以下、合成例及び実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
1. 各成分の合成
合成例1;式(I) (X=APB)の合成
1L容量の三つ口セパラブルフラスコに、ステンレス製碇型撹拌器、窒素導入管及びストップコックのついたトラップの上に玉付冷却管をつけた還流冷却器をとりつけ、窒素気流中で反応した。3,4,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)96.66g(300ミリモル)、ビス(3-アミノフェノキシ)-1,3-ベンゼン(APB)43.8g(150ミリモル)、バレロラクトン3.0g(30ミリモル)、ピリジン4.8g(60ミリモル)、N-メチルピロリドン(NMP)350g、トルエン60gを三つ口フラスコに入れた。窒素を通しながらシリコン浴で170℃、175rpm回転撹拌、85分間加熱した。反応温度はシリコン浴の温度である。三つ口フラスコを30分間空冷し、3-アミノベンゾニトリル(3BN)37.17g(315ミリモル)、NMP43gを加え,170℃、170rpmで2時間加熱撹拌した。反応液を水中に滴下し、撹拌すると沈殿が析出した。デカントした。更に温水を加えてデカントを2回繰り返した。吸引ろ過し、残った粉末をメタノール洗浄し乾燥した。収量85%以上、融点130〜155℃。GPCによる分子量測定を行った。最多分子量(Mm)3840、数平均分子量(Mn)2340、重量平均分子量(Mw)3750、Z平均分子量(Mz)5350、Mw/Mn1.60。図1にGPC曲線を示す。4つの異性体のピークが認められる。
合成例2 式(I) (X=ジアミノシロキサン、分子量860)の合成
合成例1と同様に反応した。3,4,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)32.2g(100ミリモル)、ジアミノシロキサン43g(50ミリモル)、バレロラクトン1.0g、ピリジン1.6g、NMP150g、トルエン40gを加え、160℃、1時間反応した。空冷して、3-アミノベンゾニトリル13g(110ミリモル)、NMP104gを加え,170℃、3時間30分反応した。合成例1と同様に処理して、粉末70gをえた。融点95〜115℃。GPCによる分子量測定の結果、Mm1510、Mn2150、Mw3430、Mz5280、Mw/Mn1.59。図2に示すオリゴマーである。
合成例3 式(I) (X=mBAPS)の合成
合成例1に準ずる。BTDA96.68g(300ミリモル)、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)-ジフェニルスルホン(mBAPS)64.85g(150ミリモル)、バレロラクトン3.0g、ピリジン4.8g、NMP332g、トルエン50gを加えた。170℃、1時間反応し、3-アミノベンゾニトリル39g(330ミリモル)、NMP100g、トルエン30gを加えて、170℃、2時間反応した。合成例1と同様に処理して、粉末をえた。融点85〜95℃。GPCによる分子量測定で3種の異性体の平均重量を示す。Mm5032、Mn3000、Mw4860、Mz7060、Mw/Mn1.62。
合成例4 式(II)で示されるビス-マレイミドオリゴマーの合成
BTDA64.44g(200ミリモル)、mBAPS173g(400ミリモル)、p−トルエンスルホン酸・1水塩7.6g(40ミリモル)、NMP480g、トルエン60gを加えた。180℃、1時間反応して空冷した。ついで、マレイン酸無水物(MA)49.04g(500ミリモル)、NMP56g、トルエン20gを、150℃、3時間30分反応した。合成例1と同様に処理した。粉末を60〜70℃で真空乾燥した。254g得た。融点85〜95℃。GPCによる分子量測定の結果を図3に示す。Mm5030、Mn2300、Mw4860、Mz7060、Mw/Mn1.62。
合成例5 式(III)の架橋剤オリゴマーの合成
合成例1に準ずる。マレイン酸無水物(MA)19.6g(20ミリモル)、mBAPS86g(20ミリモル)、p−トルエンスルホン酸・1水塩4g(2ミリモル)、NMP212g、トルエン40gを加え、165℃、3時間15分加熱撹拌した。合成例1と同様に処理した。白色粉末。融点95〜105℃。
2. 3-アミノベンゾニトリルイミドオリゴマー及びビス-マレイミドオリゴマーの混融化合物の合成
(イ)上記の通り合成した式(I) (X=APB、有効分子量1101)11.0g、式(II)(有効分子量1444)7.2gをステンレスの容器にとり、ホットプレート上で10分間加熱撹拌した(容器内150℃)。溶融した後、空冷して固化した。固体を粉砕した。GPC測定によると、Mm4270、Mn4480、Mw4780、Mz6150、Mw/Mn1.93
(ロ)上記の通り合成した式(I) (X=ジアミノシロキサン、有効分子量1773)17.7gと式(II)(有効分子量1444)14.4gを混し、ホットプレート上で10分間加熱撹拌し、150℃で溶融させた。空冷すると固化した。粉砕した。オリゴマー混合物で、Mn2330、Mw7160。
(ハ)上記の通り合成した式(I) (X=mBAPS、有効分子量1313)13.0gと式(II)(有効分子量1444)7.2gとを混合して、ホットプレート上で10分間150℃で溶融した。空冷して固化し、粉砕した。オリゴマーであった。Mn2800、Mw4980。
銅箔−銅箔の接着。(35μmの三井金属株式会社の銅箔を使用した。)
(イ) 低融点を示すポリイミド(2.5BTDA+mBAPS+0.5DABz)(DAS)の合成。
合成例1に準ずる。BTDA80.55g(250ミリモル)、mBAPS43.3g(100ミリモル)、3.5−ジアミノ安息香酸7.61g(50ミリモル)、バレロラクトン2.5g、ピリジン4.0g、NMP277g、トルエン30gを三つ口フラスコに入れた。窒素を流しながら、180℃、170rpmで1時間加熱撹拌した。生成する水はトルエンとの共沸で系外に除かれた。1時間空冷して、ジアミノシロキサン(アミン価430)86.0g(100ミリモル)、トルエン70g、ついでNMP200gを加えて、室温で撹拌し、ついで180℃、170rpmで2時間25分間加熱撹拌した。30%ポリイミド溶液であった。メタノール中に注いで沈殿、ろ過、メタノール洗浄して乾燥した。Mm22,900、Mn14,700、Mw23,400、Mz34,800、Mw/Mn1.59。
(ロ)上記ポリイミド5gをシクロヘキサノン20gに溶解した。これに実施例(1−2(イ))の粉末1.25gを暖めて溶解した。これに式(III)の化合物(実施例1−合成例5)0.59gを溶かした。更にトリフェニルホスフィン0.15gを加えて溶液にした。銅箔の表面にこの液を塗布し、90℃、5分間加熱撹拌した(銅箔上のイミド接着剤10〜20μm)。銅箔のコートした面同志をクリップでとめて、30分間180℃オーブン中で加熱すると、銅箔は強く接着することを見出した。
(ハ)上記接着液を35μmの銅箔にも塗布し、90℃10分間、180℃5分間加熱して、銅面の塗布面同志を合わせて200℃、50kg、30分間(試料は5x5cm)圧着した。1.2kg/cmの接着強さを示す。塗布した銅箔を90℃10分間ついで180℃60分間加熱して乾燥して銅面の接着を同様に試みたが、接着は殆どみとめられなかった。
ガラスエポキシと銅箔の接着。
ホットプレスによる接着は、100kg、180℃30分間で行った。試料は6.5cmx8cm=52cmであった。従って、2kg/cmの圧力がかかる。
(イ)(実施例2−イ)の低融点ポリイミド11.8gをシクロヘキサノン20gに撹拌溶解した(48%ポリイミド濃度)。これに実施例(1−2(イ))粉末2.8gを溶解し、式(III)の粉末3.8g及びトリフェニルホスフィン0.1gを加えて溶液にした。ガラスエポキシ面を紙ヤスリでぬぐった。35μmの厚みの銅箔上に上記接着性混合溶液を塗布した。90℃で30分間乾燥し、ガラスエポキシ面と銅箔の接着剤面を合わせた。180℃、100kg、30分間ホットプレスで圧着した。接着強さは2.2kg/cmであった(180℃ピール強度)。
(ロ)ポリイミド粉末として、(2BPDA+Si)(2BTDA+2mBAPS+DABz)を用いた。Mm36,600、Mn23,000、Mw42,800、Mz71,400、Mw/Mn1.86。 この粉末5.9gをシクロヘキサノン10.0gにとかし、(実施例1−2(イ))粉末1.4gをとかし、MA−mBAPS(架橋剤)1.9g、ついでトリフェニルホスフィン0.05gを加えて溶解した。銅面に上記接着溶液を塗布し、90℃30分間乾燥し、この面にガラス−エポキシをはりあわせてホットプレスで接着した。180℃、100kg、30分間圧着した。180℃ピールの接着強さは2.2kg/cm。接着力曲線を図4に示す。また、測定値を下記表1に示す。
Figure 0004612292
(ニ)上記接着液をガラス繊維に含浸させ、90℃30分間乾燥した。銅箔を合わせて、180℃、100kg、30分間乾燥した。接着力(180℃ピール)は2.0kg/cmであった。積層品を得た。
「高温用接着実験」
(イ)(BTDA+2p-DADE)(2BPDA+m-DADE)の10%NMP中のポリイミドを用いた。Mm38,100、Mn18,100、Mw50,600、Mz101,200、Mw/Mn2.8。 ポリイミド溶液122g(ポリイミド含量は12.2g)に(実施例1−2(ロ))粉末3.2gを加えて溶解した。これに架橋剤オリゴマー(式(III))2.0gを加え、ついでトリフェニルホスフィン0.1gを溶解して接着組成物の溶液を調整した。35μm厚みの銅箔上に接着組成物の溶液を塗布し、赤外線炉の中で90℃1時間、ついで180℃2時間加熱して、ポリイミド塗布した銅箔を得た。180°角度面折れ曲げに合格、囲碁板目の切り目をつけて剥離は認められなかった。400℃のオーブン中1時間加熱して接着層の変化はなかった。
(ロ)(BPDA+2m-DADE)(3BPDA+HO-AB+p-DADE) の15%NMP溶液の81gを採取する(ポリイミド含量は12.2g)。Mm44,300、Mn26,200、Mw45,900、Mz70,000、Mw/Mn1.75。上記と同様に、(実施例1−2(ロ))粉末3.2g、架橋剤(MA-mBAPS)2.0gを溶解し、トリフェニルホスフィン0.1gを加えてポリイミド接着溶液とした。銅箔上に塗布し、赤外線炉で90℃1時間、180℃1時間加熱して、15μmのポリイミド銅の二層基板を得た。180°角度折れ曲げテストに合格。囲碁板目テストの接着に合格。400℃のオーブン中1時間加熱したが、ポリイミド膜の劣化は認められなかった。
本発明の接着性組成物を加熱して得られる加熱硬化接着物は、接着性、耐熱性、電気絶縁性、低誘電率にすぐれていて、接着剤、プリント配線基板、封止剤、積層品及び構造材料等に使用することができる。
合成例1の生成物のGPC曲線を示す。 合成例2の生成物のGPC曲線を示す。 合成例4の生成物のGPC曲線を示す。 実施例3の熱硬化物の接着力曲線を示す。

Claims (20)

  1. (1)両端に3-アミノベンゾニトリル単位を有する第1のイミドオリゴマーと、(2)両端にマレイン酸無水物単位を有する第2のイミドオリゴマーと、(3)一端にマレイン酸無水物単位、他端にジアミン単位を有するオリゴマーから成る架橋剤とを含む接着性組成物。
  2. (1)両端に3-アミノベンゾニトリル単位を有する第1のイミドオリゴマーと、両端にマレイン酸無水物単位を有する第2のイミドオリゴマーとを溶融混合して得られる溶融混合物と、(2)一端にマレイン酸無水物単位、他端にジアミン単位を有するオリゴマーから成る架橋剤とを含む接着性組成物。
  3. 前記溶融混合を150℃〜200℃の温度下で行なう請求項2記載の組成物。
  4. 前記第1及び第2のイミドオリゴマー並びに前記架橋剤の融点が150℃以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記第1のイミドオリゴマーが一般式(I)
    3BN-BTDA-X-BTDA-3BN (I)
    (ただし、3BNは3-アミノベンゾニトリル単位、BTDAはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物単位、Xは1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン単位、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン単位又はジアミノシロキサン単位を示し、隣接する単位同士は、各単位に含まれるアミノ基とジカルボン酸無水物との重縮合によりイミド結合している)
    で表される構造を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記第2のイミドオリゴマーが一般式(II)
    MA-mBAPS-Y-mBAPS-MA (II)
    (ただし、MAはマレイン酸無水物単位、mBAPSは4,4'-ビス(3-アミノフェノキシフェニル)ジフェニルスルホン単位、Yはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物単位、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物単位、ピロメリット酸ジ無水物単位、4,4'-ビス(ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物単位又はビシクロ(2,2,2)オクト-7-エン-1,2,3,6-テトラカルボン酸ジ無水物単位を示し、隣接する単位同士は、各単位に含まれるアミノ基とジカルボン酸無水物との重縮合によりイミド結合している)
    で表される構造を有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記架橋剤が式(III)
    MA-mBAPS (III)
    (ただし、MA及びmBAPSは、上記一般式(II) における定義と同義)
    で示される構造を有するイミドオリゴマー及び/又はこれが重合したイミドオリゴマーである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. (1)両端に3-アミノベンゾニトリル単位を有する第1のイミドオリゴマーと、(2)両端にマレイン酸無水物単位を有する第2のイミドオリゴマーと、(3)一端にマレイン酸無水物単位、他端にジアミン単位を有するオリゴマー又は該オリゴマーを生成する成分の混合物から成る架橋剤とを含む接着性組成物であって、前記架橋剤が、式(IV)
    MA-mBAPS-MA (IV)
    (ただし、MA及びmBAPSは、上記一般式(II) における定義と同義)
    で示されるイミドオリゴマーと、芳香族ジアミンの混合物である、接着性組成物。
  9. (1)両端に3-アミノベンゾニトリル単位を有する第1のイミドオリゴマーと、両端にマレイン酸無水物単位を有する第2のイミドオリゴマーとを溶融混合して得られる溶融混合物と、(2)一端にマレイン酸無水物単位、他端にジアミン単位を有するオリゴマー又は該オリゴマーを生成する成分の混合物から成る架橋剤とを含む接着性組成物であって、前記架橋剤が、式(IV)
    MA-mBAPS-MA (IV)
    (ただし、MA及びmBAPSは、上記一般式(II) における定義と同義)
    で示されるイミドオリゴマーと、芳香族ジアミンの混合物である、接着性組成物。
  10. 組成物中の前記第1のイミドオリゴマー、第2のイミドオリゴマー、架橋剤のモル比が1〜4:0.5〜2:2〜8である請求項1ないしのいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記架橋剤による架橋反応を促進する触媒をさらに含む請求項1ないし10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 前記触媒が、トリフェニルホスフィン、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズ及びナフテン酸コバルトから成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項11記載の組成物。
  13. 前記触媒が、トリフェニルホスフィンである請求項12記載の組成物。
  14. 融点又は軟化点が200℃以下のポリイミドをさらに含む請求項1ないし13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. ガラス転移温度が250℃以上の溶剤可溶のポリイミドをさらに含む請求項1ないし13のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 前記溶剤可溶ポリイミドが、二重結合、カルボキシル基又はアミノ基を有し、GPC測定による重量平均分子量が3万ないし30万である請求項15記載の組成物。
  17. 溶媒を含み、溶液の形態にある請求項1ないし16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 液状の形態にある請求項1ないし17のいずれか1項に記載の接着性組成物を基体に塗布し、加熱して硬化させることを含む、前記接着性組成物の硬化方法。
  19. 加熱温度が150℃〜200℃である請求項18記載の方法。
  20. 請求項18ないし19のいずれか1項に記載の方法により硬化して得られた硬化物。
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