JP2593302Y2 - 巻取機の張力制御装置 - Google Patents

巻取機の張力制御装置

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JP2593302Y2
JP2593302Y2 JP1993056447U JP5644793U JP2593302Y2 JP 2593302 Y2 JP2593302 Y2 JP 2593302Y2 JP 1993056447 U JP1993056447 U JP 1993056447U JP 5644793 U JP5644793 U JP 5644793U JP 2593302 Y2 JP2593302 Y2 JP 2593302Y2
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一 中村
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神鋼電機株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、巻き取り量の増加に
つれて巻き取り張力を漸小させて、ウエブの品質低下を
防止することが可能な巻取機の張力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、フィルムや、巻線、製紙など
のウエブをローラに巻取る巻取機が知られている。この
とき、巻取り張力をローラの巻取径に応じて制御すれ
ば、巻取られたウエブにストレスを発生するのを防止で
き、これによってウエブの品質を高く保つことができ
る。
【0003】図3は、このような巻取機の張力制御装置
の構成を示すブロック図である。この図において、1は
巻取りローラであり、クラッチ2を介したモータ3の駆
動によって、ウエブ4を巻取るようになっている。ここ
で、クラッチ2は、伝達媒体として磁性微粒子を用いて
いるものであり、コイル2aによる電磁力でモータ3か
ら巻取りローラ1への巻取りトルクを制御できるように
なっている。また、5はセンサであり、ローラ回転軸に
設置されたマグネット5aの磁気を検出して、例えば巻
取りローラ1の1回転に要する時間Tを検出する。
【0004】一方、ウエブ4は、図示せぬ送出部から矢
印Y方向へ繰り出され、搬送ローラ6,7,および8を
順次介して、巻取りローラ1によって巻取られる。搬送
ローラ6,8の回転軸は、装置に対して固定される一
方、搬送ローラ7の回転軸は、揺動自在となっている。
したがって、搬送ローラ7の、図において左右方向の弾
力を検出することによって、ウエブ4の張力を検出する
ことができる。これを行なって、ウエブ4の張力Ft
検出するのが、張力検出器9である。また、搬送ローラ
6には、ロータリ型のエンコーダ10が直結されてお
り、搬送ローラ6の回転量、すなわち、ウエブ4の送り
量に応じてパルスPが発生するようになっている。
【0005】次に、11は巻取径算出器であり、センサ
5により検出された巻取りローラ1の1回転に要する時
間Tと、エンコーダ10によるパルスPの数とによっ
て、巻取りローラ1における巻取径Dを算出する。すな
わち、巻取径Dは、巻取りローラ1の1回転においてど
れだけのウエブ4が巻取られるかによって算出される。
巻取径検出器11により算出された巻取径Dは、設定さ
れたテーパ率Rと乗算器12によって乗算され、この演
算結果Mが加算器13の減算入力端に供給される。ここ
で、テーパ率Rとは、巻取径Dの増加に対する張力の減
少率を示すものである。一方、加算器13の加算入力端
には、張力の指令値Fが入力されている。これにより、
加算器13では、張力の指令値Fから演算結果Mが減算
されて、補正された張力F0 が出力される。
【0006】加算器14の加算入力端には、この指令値
0 が入力される一方、同減算の入力端には、張力検出
器9により検出されたウエブ4の張力Ft が入力され
る。これにより、加算器14では、補正された張力F0
から巻取張力Ft が減算され、偏差信号として出力され
る。この偏差信号は、PI増幅器15により比例・積分
処理の後、増幅されて、パルス幅変調回路16に供給さ
れる。PWM変調回路16は、例えば、その内部で発振
させた鋸波(あるいは三角波)とPI増幅器15の出力
信号とを比較し、PI増幅器15の出力レベルが鋸波の
レベルよりも大なるとき、そのレベルが“H”なるパル
スを出力する。これにより、PWM変調回路16は、P
I増幅器15の出力レベルおよび極性に応じたデューテ
ィ比を有するパルス幅変調信号を出力することなる。一
方、コイル2aの一端には、電源電圧+Vccが接続さ
れ、他端にはトランジスタ17のコレクタに接続され
る。トランジスタ17のベースには、パルス幅変調回路
16によるパルス幅変調信号が供給され、トランジスタ
17のエミッタは接地される。すなわち、トランジスタ
17は、パルス幅変調信号によってコイル2aを駆動す
る。
【0007】かかる構成によれば、加算器14より出力
される偏差信号が零となるように、パルス幅変調回路1
6によるパルス幅変調信号に応じて、コイル2aのオン
・オフが制御される。この結果、加算器13により算出
された張力F0 と、張力検出器9により検出された実際
のウエブ4の張力Ft とが一致するように、ウエブ4が
巻取りローラ1に巻取られる。
【0008】ここで、加算器13により算出された張力
0 は、張力の指令値Fから演算結果Mを減じたもので
ある。演算結果Mは巻取径Dに比例して大となるので、
張力の指令値Fを巻取径Dに対して一定とすると、加算
器13の出力である張力F0は、巻取径Dに対し、張力
の指令値Fから一定比率で減少することになる。このよ
うな張力F0 にしたがってウエブ4が巻取られるので、
巻取量の増加につれて、巻取張力を漸小させることがで
きる。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た構成では、巻取りローラ1の巻取径Dを求めるのに、
ウエブ4の送り量を検出するエンコーダ10、巻取りロ
ーラ1の回転を検出するセンサ5、および専用の巻取径
算出器11が必要となるだけでなく、これらを生産ライ
ン上に適切に配置しなければならないので、装置全体の
機構が複雑となる、という欠点があった。
【0010】この考案は、この欠点に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、巻取量に応じた巻取張
力でウエブを巻取る巻取機の張力制御装置を、装置全体
の機構を簡略化して提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この考案は、上述した問
題を解決するために、巻取りローラに巻回される被巻取
物の巻取張力を検出し、これによって検出された巻取張
力と予め設定された張力の指令値とが一致するように、
前記巻取ローラの巻取りトルクを制御する巻取機の張力
制御装置において、前記巻取ローラの巻取りトルクを検
出するトルク検出手段と、このトルク検出手段により検
出された巻取りトルクに応じて前記張力の指令値を減じ
る減算手段とを具備することを特徴としている。
【0012】
【作用】この構成によれば、巻取りローラの巻取りトル
クが、被巻取物が巻回されるにしたがって大きくなるの
を利用して、張力の指令値を減じている。したがって、
この構成においても、張力の指令値は、巻取りトルクに
応じて減じられて、巻取り径に対応して漸小することに
なる。
【0013】
【実施例】以下、この考案の一実施例について図面を参
照して説明する。図1は、この実施例の構成を示すブロ
ック図であり、図3と同一の部分には、同一の符号を付
与し、その説明を省略する。そして、図1に示す構成
が、図3に示す構成と相違する点は、図1におけるセン
サ5と、エンコーダ10と、巻取径算出器11と、乗算
器12とを排除する一方、コイル2aと駆動回路17と
の間に抵抗Rを介挿し、この抵抗Rにおける電圧降下を
検出し、これに所定の増幅を行なった後に、加算器13
の減算入力端に供給させる増幅器20を備えた点にあ
る。
【0014】そこで、この点について説明する。抵抗R
の両端には、コイル2aに流れる電流値に比例して電圧
降下が発生し、この電圧降下は、増幅器20によって所
定の積分増幅をされて、加算器13の減算入力端に供給
される。ここで、抵抗Rにおける電圧効果は、コイル2
aに流れる電流に比例し、モータ3から巻取りローラ1
への巻取りトルクを示すものなので、この実施例におけ
る加算器13の算出される張力F0 は、張力の指令値F
から巻取りトルクに相当する分を減じたものとなる。
【0015】次に、この実施例の動作について説明す
る。まず、従来と同様に、この実施例においても、加算
器14により出力される偏差信号が零となるように、巻
取りローラ1の巻取りトルクが制御される。
【0016】ここで、巻取径と巻取張力との積が巻取り
トルクであることを考えると、図2(b)に示すよう
に、巻取りトルクは巻取径に比例する。また、同一の巻
取張力でウエブ4を巻取る際に、巻取りローラ1の巻取
径が小さいときには、巻取径が大であるときも、巻取り
トルクが小さくて済む。したがって、抵抗Rでの電圧降
下は、巻取径の大きさに相当するので、張力の指令値F
は、加算器13において巻取径の増加に対応して減少す
ることになる。
【0017】ウエブ4の巻取り初期であって、図2
(a)に示すように、巻取径Dが充分に小さい場合Pに
は、巻取りトルクが小となり、コイル2aに流れる電流
も比較的小となるので、抵抗Rによる電圧降下も小とな
る。これにより、張力の指令値Fは、加算器13におい
てほとんど減じられることなく、この張力でウエブ4が
巻取りローラ1に巻取られる。なお、この図において、
Dmin は、巻取ローラ1に何も巻取られていない状態に
おける径である。
【0018】これに対し、ウエブ4の巻取りが進行し、
図2(a)に示すように巻取径Dが大きくなった場合Q
では、これに応じて巻取りローラ1の巻取りトルクも大
きくする必要があるので、必然的にコイル2aに流れる
電流も増加し、抵抗Rによる電圧降下も大となる。この
結果、張力の指令値Fは、加算器13において巻取りト
ルクに対応して減じられることになる。
【0019】そして、この実施例では、加算器13によ
り算出された張力F0と、張力検出器9により検出され
た巻取張力Ft とが一致するように、すなわち、ウエブ
4が張力F0 となるように巻取られるので、巻取径の増
大にしたがって、巻取張力を減少させてウエブ4を巻取
ることができる。しかも、この実施例では、従来必要で
あったセンサ5、エンコーダ10、およびこれに伴う巻
取径算出器11を必要としないので、構成を簡略化でき
る。また、増幅器20の増幅率を調節することにより、
従来におけるテーパ率の設定も行なうことができる。
【0020】なお、上述した実施例では、説明のため、
構成各部をアナログ構成としたが、実際には、張力検出
器9により検出された張力Ft と増幅器20の出力と
は、それぞれ図示せぬA/D変換器によりディジタル信
号に変換される一方、図示せぬCPUにより加算器1
3,14の演算が行なわれる。この場合、まず、巻取り
開始の指令直後に、各部の出力信号がサンプリングされ
て記憶される。この記憶された各信号が、巻取り動作の
進行にしたがって所定値変化する毎に、CPUは、加算
器13,14の演算を行なって、巻取径に応じて巻取張
力を下げる制御を行なうようになっている。
【0021】また、この実施例では、張力の指令値Fを
一定としたが、例えば、巻取径に対する張力の特性を予
めメモリ等に記憶しておき、これを増幅器20の出力
(抵抗Rにおける電圧効果は、巻取りトルクだけではな
く、巻取径も示すので)に対応して供給するように構成
としても良い。
【0022】
【考案の効果】以上説明したこの考案によれば、巻取り
ローラの巻取りトルクが、被巻取物の巻回量にしたがっ
て大きくなるのを利用して、張力の指令値を減じている
ので、この構成においても、張力の指令値は、巻取りト
ルクに応じて減じられ、巻取り径に対応して漸小するこ
とになる。したがって、実際に巻取り径を検出するこ
と、および張力の漸小率を逐一設定することが不要とな
るので、構成を簡略化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案による実施例の構成を示すブロック図
である。
【図2】(a)は、同実施例の動作を説明するための、
巻取径と張力との関係を示す図であり、(b)は、同じ
く、巻取径と巻取りトルクとの関係を示す図である。
【図3】従来の、巻取機の張力制御装置の構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1……巻取りローラ R……抵抗、20……増幅器(トルク検出手段) 13……加算器(減算手段) F ……張力の指令値 Ft ……巻取張力

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻取りローラに巻回される被巻取物の巻
    取張力を検出し、これによって検出された巻取張力と予
    め設定された張力の指令値とが一致するように、前記巻
    取ローラの巻取りトルクを制御する巻取機の張力制御装
    置において、 前記巻取ローラの巻取りトルクを検出するトルク検出手
    段と、 このトルク検出手段により検出された巻取りトルクに応
    じて前記張力の指令値を減じる減算手段とを具備するこ
    とを特徴とする巻取機の張力制御装置。
JP1993056447U 1993-10-19 1993-10-19 巻取機の張力制御装置 Expired - Fee Related JP2593302Y2 (ja)

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