JP2607224Y2 - 張力制御装置 - Google Patents

張力制御装置

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JP2607224Y2
JP2607224Y2 JP1993056448U JP5644893U JP2607224Y2 JP 2607224 Y2 JP2607224 Y2 JP 2607224Y2 JP 1993056448 U JP1993056448 U JP 1993056448U JP 5644893 U JP5644893 U JP 5644893U JP 2607224 Y2 JP2607224 Y2 JP 2607224Y2
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一 中村
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神鋼電機株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、被巻回物であるウエ
ブの巻取・巻出操作を簡略化し、高精度に張力の制御が
可能な張力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、フィルムや、巻線、製紙など
のウエブを所定の張力でローラに巻取る、あるいはロー
ラから巻出す装置の張力制御装置が知られている。図4
は、従来の、この種の張力制御装置の構成を示すブロッ
ク図である。この図において、1はローラであり、クラ
ッチ2をブレーキとして用いて、ウエブ3を繰り出すよ
うにになっている。ここで、クラッチ2は、コイル2a
による電磁力でローラ1へのブレーキ力を制御できるよ
うになっている。
【0003】一方、ウエブ3は、図示せぬ搬送装置によ
って、搬送ローラ4,5,および6を順次介し、矢印Y
方向へ巻出される。搬送ローラ4,6の回転軸は、装置
に対して固定される一方、搬送ローラ5の回転軸は、図
中上下方向に揺動自在であり、例えば図示せぬスプリン
グの反発力によって図における上方向に押しつけられて
いる。したがって、搬送ローラ5の、図における上下方
向の変位を検出することによって、ウエブ3の張力を検
出することができる。この変位を検出し、この検出結果
に対応する信号を出力を検出するのが、張力検出器7で
あり、搬送ローラ5を支持するピローブロック7aを含
む構成となっている。
【0004】張力検出器7の出力信号には、零点設定器
8によりオフセット電圧が加えられる。なお、このオフ
セット電圧は、図示せぬ操作盤により調節できるように
なっている。そして、零点設定器8の出力は抵抗9を介
して、増幅器10の負入力端に供給される。増幅器10
の正入力端は、抵抗11を介して接地されている。増幅
器10の出力信号は、加算器13の減算入力端に供給さ
れるとともに、可変抵抗器12を介して、増幅器10の
正入力端に帰還される。この構成により増幅器10にお
いて、零点設定器8の出力が可変抵抗器12の抵抗値で
定めるゲインだけ増幅されるようになっており、ここ
で、増幅器10の出力信号は、後述の初期設定によって
ウエブ3の張力を示すものとなる。
【0005】一方、加算器13の加算入力端には、設定
値を示す張力F0 が入力される。この張力F0 は、例え
ば図に示すように、可変抵抗器14により電源電圧を所
望の値に降下させたものが用いられる。このようにし
て、加算器13では、設定値を示す張力F0 からウエブ
3の張力が減じられて偏差信号として出力される。この
偏差信号は、PI増幅器15により比例・積分処理の
後、増幅されて、パルス幅変調回路16に供給される。
【0006】PWM回路16は、例えば、その内部で発
振させた鋸波(あるいは三角波)とPI増幅器15の出
力信号とを比較し、PI増幅器15の出力レベルが鋸波
のレベルよりも大なるとき、そのレベルが“H”なるパ
ルスを出力する。これにより、PWM回路16は、PI
増幅器15の出力レベルおよび極性に応じたデューティ
比を有するパルス幅変調信号を出力することなる。一
方、コイル2aの一端には、電源電圧が接続され、他端
にはトランジスタ17のコレクタに接続される。トラン
ジスタ17のベースには、PWM回路16によるパルス
幅変調信号が供給され、トランジスタ17のエミッタは
接地される。すなわち、トランジスタ17は、パルス幅
変調信号によってコイル2aを駆動する。
【0007】かかる構成によれば、加算器13より出力
される偏差信号が零となるように、PWM回路16によ
るパルス幅変調信号に応じて、コイル2aのオン・オフ
が制御される。この結果、設定値を示す張力F0 と、零
点設定器8、増幅器10を介した張力検出器9により検
出された張力とが一致するように、ウエブ3がローラ1
から巻出される。なお、説明のため、構成を巻出装置と
して説明したが、巻取装置とする場合には、ローラ1は
クラッチを介し、例えば、ACサーボモータと接続され
る。この場合に、ACサーボモータの回転トルクは、コ
イル2aの電磁力で制御することができる。
【0008】ところで、この構成における張力検出器9
では、たとえウエブ3に張力が発生していなくても、そ
の自重、搬送ローラ5およびピローブロック7aの重さ
によって、図において下方に変位して、検出信号を出力
する。そして、現地据付調整あるいは点検作業におい
て、操作者は、ウエブ3の巻出し操作をする前に次のよ
うな初期設定を行なう。すなわち、まず操作者は、ウエ
ブ3を繰り出す前に(すなわち、ウエブ3の無張力時
に)、張力検出信号を零とするように、零点設定器8の
オフセット電圧を調節する。次に、操作者は、搬送ロー
ラ5に対し基準となる負荷を与え、増幅器10の出力レ
ベルが、該負荷に対応するレベルとなるように、可変抵
抗器12を調節して、増幅器10におけるゲインを調節
する。これによって、加算器13の減算入力端に供給さ
れる信号は、フィードバック信号として適切にウエブ3
の張力に対応することになる。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構成では、経年変化等の要因で検出出力が変
化する毎に上述した初期設定動作を行なう必要が生じる
ので、操作が煩雑となる、という問題があった。しか
も、このような初期設定を厳密に行なおうとすると、高
精度の計測器が必要となる。また、仮に、このような初
期設定を厳密に行なうことができても、動作中の環境変
化、あるいは素子自体の発熱によって、零点設定器8で
のオフセット電圧、あるいは増幅器10でのゲインが、
初期設定時から徐々に変化する結果、ウエブ3は、張力
に誤差が生じたまま繰り出されてしまう、という問題が
あった。
【0010】この考案は、上述した問題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、初期設定を簡略化
するとともに、高精度にウエブを巻取・巻出を行なうこ
とができる張力制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、この考案は、被巻回物をローラに巻取り、ある
いはローラから巻出しするときの張力測定装置であっ
て、各部の制御とデータ処理を行うCPUと、各データ
を記憶するメモリと、巻取りまたは巻出しの張力を検出
する張力検出器と、検出された前記張力の測定値を所定
間隔毎にサンプリングしてディジタル変換するA/D変
換器と、該A/D変換器の出力信号と巻取りまたは巻出
し動作開始前の前記A/D変換器の出力であるオフセッ
ト値とを加算する加算手段と、該加算手段の出力信号と
予め設定された換算係数である乗算係数とを乗算する乗
算手段と、予め設定された張力データから前記乗算手段
の演算結果を減算する減算手段とを具備し、この減算手
段による演算結果が零となるように前記被巻回物の張力
を制御することを特徴としている。
【0012】
【作用】前述した構成によれば、オフセット値を示すデ
ータと乗算係数を示すデータとが、例えば、記憶装置に
記憶され、初期設定時にこれらデータが読み出されて、
張力検出手段により出力されたディジタル信号と演算が
施される。したがって、初期設定の操作が簡略化される
とともに、演算がディジタル的に行なわれるので、温度
誤差や経年変化が発生することなく、高精度に制御を行
なうことができる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本考案の一実施例につ
いて説明する。
【0014】図1は、この実施例の構成を示すブロック
図であり、図4と同一の部分には、同一の符号を付与
し、その説明を省略する。この実施例では、張力検出器
7の検出信号は、A/D変換器22により所定間隔毎に
サンプリングされて、ディジタル信号に変換される。こ
の図において、30はCPUであり、各部を制御した
り、供給されたデータに対し後述する演算や、メモリ2
3へのアドレッシング等を行なう。メモリ23には、後
述するオフセット値や乗算係数が記憶される。24は、
例えば3桁の7セグメントLEDからなる表示器であ
り、CPU23から供給されたデータを数値にて表示す
る。そして、図示せぬ操作盤により設定されたデータ等
が、I/Oポート25を介してCPU30に供給される
ようになっている。この実施例において、操作盤により
設定されるデータには、例えばウエブ3に与えるべき所
望の設定張力データがある。
【0015】次に、この実施例の動作を説明する。ま
ず、ウエブ3の巻出操作に先だって、操作者は初期設定
指示を行なう。すると、該指示によってCPU30が、
このときの、A/D変換器22のディジタル信号値をオ
フセット値OFFとしてメモリ23に記憶する。ウエブ
3の巻出時には、張力検出器7の検出信号をA/D変換
器22により所定間隔毎にサンプリングしたディジタル
信号が、CPU30に供給される。そして、CPU30
は、メモリ23から前述のオフセット値OFFと乗算係
数SPとを読み出して、図2に示す演算をサンプリング
間隔毎に行なう。
【0016】すなわち、CPU23は、A/D変換器2
2によりディジタル信号に変換されたウエブ3の張力
に、オフセット値OFFを加算し、次に乗算係数SPを
乗算する。この乗算結果Mは、必要があれば表示器24
により表示される。ここで、張力検出器7の出力信号
と、乗算結果Mとの関係を図3に示す。この図における
直線の傾き、すなわち、y1/(x1−OFF) が、乗
算係数SPに相当する。また、乗算係数SPを変化させ
る構成としても良い。この場合でも、張力検出器7の出
力信号と、乗算結果Mとの関係は、図4の波線で示すよ
うに、ウエブ3による張力と、乗算結果Mとは比例関係
となる。、
【0017】そして、CPU30は、前述の設定張力デ
ータから乗算結果Mを減算し、偏差信号としてPI増幅
器15に供給する。この実施例では、PI増幅器では、
比例・積分をディジタル信号で処理するようになってい
る。
【0018】この実施例でも、前述した従来構成と同様
に、偏差信号が零となるように、PWM回路16による
パルス幅変調信号に応じて、コイル2aのオン・オフが
制御される。この結果、所望の設定張力データと、CP
U30による乗算結果とが一致するように、ウエブ3が
ローラ1から巻出される。そして、初期設定時にオフセ
ット値を記憶し、ウエブ3の巻出時にこのオフセット値
と乗算係数とを読み出し、これらと演算することによっ
て張力検出器7の検出結果をフィードバック信号として
適切に処理しているので、初期設定の動作を簡略化で
き、また、ディジタルで演算を処理するので、高精度に
制御を行なうことができる。さらに、温度変化による誤
差も発生しない。
【0019】
【考案の効果】以上説明したこの考案によれば、オフセ
ット値を示すデータと乗算係数を示すデータとが、例え
ば、記憶装置に記憶され、初期設定時にこれらデータが
読み出されて、張力検出手段により出力されたディジタ
ル信号と演算が施される。したがって、初期設定の操作
が簡略化されるとともに、演算がディジタル的に行なわ
れるので、温度誤差や経年変化が発生することなく、高
精度に制御を行なうことが可能、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案による実施例の構成を示すブロック図
である。
【図2】図1におけるCPU30での演算を示すブロッ
ク図である。
【図3】同実施例の動作を説明するための、張力検出器
7の出力信号と乗算結果Mとの対応関係を示す図であ
る。
【図4】従来の張力制御装置の構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1……ローラ 3……ウエブ(被巻回物) 5……搬送ローラ、7……張力検出器、22……A/D
変換器(張力検出手段)30……CPU(演算手段)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被巻回物をローラに巻取り、あるいはロ
    ーラから巻出しするときの張力測定装置であって、 各部の制御とデータ処理を行うCPUと、 各データを記憶するメモリと、 巻取りまたは巻出しの張力を検出する張力検出器と、 検出された前記張力の測定値を所定間隔毎にサンプリン
    グしてディジタル変換するA/D変換器と、 該A/D変換器の出力信号と巻取りまたは巻出し動作開
    始前の前記A/D変換器の出力であるオフセット値とを
    加算する加算手段と、 該加算手段の出力信号と予め設定された換算係数である
    乗算係数とを乗算する乗算手段と、 予め設定された張力データから前記乗算手段の演算結果
    を減算する減算手段と を具備し、 この減算手段による演算結果が零となるように前記被巻
    回物の張力を制御することを特徴とする張力制御装置。
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