JP2591892Y2 - 弾性クローラ - Google Patents

弾性クローラ

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JP2591892Y2
JP2591892Y2 JP1990058719U JP5871990U JP2591892Y2 JP 2591892 Y2 JP2591892 Y2 JP 2591892Y2 JP 1990058719 U JP1990058719 U JP 1990058719U JP 5871990 U JP5871990 U JP 5871990U JP 2591892 Y2 JP2591892 Y2 JP 2591892Y2
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照幸 片山
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オーツタイヤ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、農業機械、各種運搬車、雪上車等で用いら
れる主としてゴム等の弾性材料からなる無限帯状の弾性
クローラに関するものである。
(従来の技術) この種のクローラとしては、米国特許第4613006号等
に開示されたものがある。このクローラは、雪上車用
で、弾性体製帯状本体の外周面に周方向一定間隔おきに
ラグを一体成形したものであり、幅方向中央には駆動輪
と係合する係合孔が周方向に一定間隔おきに設けられて
いる。そして、ラグの接地面には、周方向に延びる突条
が平行に多数突設され、横滑り防止が図られている。
また、クローラのラグ形状としては、第9図〜第12図
に示すものがある。第9図のラグaは、本体bの幅方向
に互いに平行に設けられ、根元幅Wが同一で圧接面C
(前面)の勾配θが背面dの勾配θよりも緩やかに
なっている(第10図参照)。第11図のラグaは、根元幅
Wが本体bの幅方向中央部から外方に向かって順次広く
されている。そして、第12図のラグaは、根元幅Wが同
一で、かつ本体bの幅方向の中央部がクローラ移動方向
(図示矢印イで示す)に向かって突出するように弯曲状
に形成されている。
(考案が解決しようとする課題) ところで、前記米国特許第4613006号のクローラは、
ラグ接地面に突条を備えているため、横滑り防止が可能
であるが、バンク或いは荒地走行時等における本体幅方
向の両外側翼部の耐屈曲疲労性が低く、クラックが発生
し易いほか、駆動輪とクローラ間に石等を噛み込むと、
ラグの中央部にクラックが発生するという問題がある。
また、第9図〜第12図に示すラグ形状のクローラにあ
っても、バンク或いは荒地走行時における本体翼部の耐
屈曲疲労性が低く、クラックが発生し易いほか、駆動輪
とクローラ間に石等を噛み込むと、ラグの中央部にクラ
ックが発生し易く、さらには、トラクションロスがある
などの問題があった。
本考案は、上述のような実状に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、本体幅方向の両外側翼部
の耐屈曲疲労性の向上、横滑り防止によるトラクション
ロスの低減、並びに駆動輪とクローラ間に石等を噛み込
んだ際の伸長性の高揚、クラック発生の抑制等を図りう
る弾性クローラを提供するにある。
(課題を解決するための手段) 本考案では、上記目的を達成するために、次の技術的
手段を講じた。
すなわち、第1に、弾性材料からなる無端帯状本体2
の中央部2aに、駆動輪9と係合する係合部4を周方向の
間隔をおいて配設し、本体2の外周面6に前面13、後面
12及び頂面Pを有しかつ本体幅方向に長い突起状のラグ
7を周方向に間隔をおいて一体成形し、このラグ7の本
体幅方向中央部分7a及び両翼部分7bのそれぞれに略周方
向に沿った凹陥溝16を本体幅方向に間隔をおいて複数設
け、この各凹陥溝16の底をラグ7の前面13、後面12及び
頂面Pの各面に対して略沿わせていることを特徴として
いる。
第2に、前記凹陥溝16の本体幅方向の間隔を、ラグ7
の中央部分7aよりも両翼部分7bで密に設定していること
を特徴としている。
(作用) 本考案によれば、駆動輪9の駆動力は、本体2の中央
部に設けた係合部4を介してクローラ1の本体2に伝達
される。そして、平坦路面走行時は、本体2の幅方向全
幅及びそのラグ7が作用し、直進走行性能を発揮する。
そして、ラグ7の圧接面12から前面13にわたって設けら
れた複数条の凹陥溝16によって、エッジ効果が生じかつ
接地面摩擦力が増大し、横滑りが抑制され、トラクショ
ンロスが低減される。また、前記凹陥溝16により、ラグ
7の幅方向屈曲伸長性が良好となり、本体2の翼部2bが
バンク走行時にバンク形状に沿い易く、屈曲によるクラ
ック発性が抑制される。さらに、駆動輪9とクローラ1
間に石等を噛み込んでも、前記凹陥溝16によりラグ中央
部7aの幅方向屈曲伸長性が良好であり、ラグ中央部分7a
にクラックが発生するのを防止することができる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。
第1図〜第4図は本考案の第1実施例を示し、クロー
ラ1はゴム、合成樹脂等の弾性材料で成形された無端帯
状本体2の内周面3に、突起状の係合部4(以下係合突
起という)と補強リブ5とが一体的に設けられ、接地側
すなわち外周面6にラグ7が設けられている。
前記本体2は、全体が同一肉厚で、幅方向中央部2aの
左右両側に翼部2bが形成され、内部には、複数層の抗張
体8が埋設されている。なお、抗張体8は、中央のポリ
エステル又はスチール等で形成されたコード層と、内・
外周側のポリアミド等で形成された厚織層の3層構造に
なっている。
また、本体2の内周面3には、駆動輪9、従動輪及び
転動輪(図示省略)が転動可能とされ、中央部2aと翼部
2bの境界部分に位置して、左右一対の前記係合突起4
が、周方向に一定間隔おきに突設されており、各係合突
起4の外周面と左右各翼部2bの内周面の間には前記補強
リブ5が互いに平行に形成されている。そして、補強リ
ブ5は、翼部2bの外側端に向かって順次高さが低くさ
れ、バンク走行時におけるバンク形状に沿って弯曲変形
したときの復元性、並びにトラクションの向上が図られ
ている。なお、補強リブ5の周方向肉厚は、係合突起4
より薄くなっているが、係合突起4と同一又は図示例よ
りも更に薄くてもよく、係合突起4から翼部2bの左右方
向中間部分まで形成してもよい。
前記駆動輪9は、第1、3、4図に2点鎖線で示すよ
うに、2枚のディスク10の外周部にピン11を周方向に等
間隔で配設したものであり、ディスク10から外側方へ突
出しているピン11の両端部が、左右一対の係合突起4に
係合して、回転動力を伝達するようになっている。
前記ラグ7は、本体2の外周面6に、周方向に一定間
隔でかつ係合突起4に対応して突設され、本体2の幅方
向中央部分7aすなわち左右の係合突起4間に相当する部
分は幅方向と平行であり、本体2の翼部2bに形成される
両外側翼部分7bは、車輌の後進方向(すなわち駆動輪9
の回転方向ロ)に向かって順次傾斜している。そして、
各ラグ7の中央部分7aは、圧接面12aの勾配すなわち傾
斜角θが大きく、かつ反対側の前面13aの勾配すなわ
ち傾斜角θが小さく(約45°以下)されており、両外
側翼部分7bは、圧接面12bの傾斜角θが小さく(約45
°以下)、かつ反対側の前面13bの傾斜角θが大きく
されている。
なお、クローラ1の接地圧の分布は、第8図(a)
(抗張体埋設の場合)及び第8図(b)(抗張体無埋設
の場合)に示しているように、駆動輪9のピン11外端面
間部分Eが高く、両外側翼部分Fの端部に向かって順次
低くなっている。
したがって、前記ラグ7の圧接面12a,12bの傾斜角θ
,θは、接地圧が高い部分で大きく、接地圧が低い
部分では小さく(45°以下に)なっている。
すなわち、本体幅方向中央部分7aの圧接面12a勾配は
大きく(急)、両外側翼部分7bの圧接面12b勾配は小さ
く(緩やかに)なっている。
そして、各ラグ7は、中央部分7a及び外側翼部分7bの
根元幅Wが同一とされ、両部分7a,7bの勾配境界部分に
段差部14,15が形成されており、該段差部14,15がクロー
ラ1の横滑り防止機能を発揮するようになっている。な
お、前記段差部14,15は、圧接面12a側を対向内方寄り
に、前面13a側を対向外方寄りに位置させてラップ部を
形成してある。
さらに、ラグ7には、その圧接面12a,12bから前面13
a,13bにわたって、複数条の凹陥溝16が周方向に設けら
れている。即ち、第1図に示すように、ラグ7は本体2
の外周面6に前面13、圧接面(後面)12及び頂面Pを有
する断面略台形突起状であり、凹陥溝16はこのラグ7の
本体幅方向中央部分7a及び両翼部分7bのそれぞれに幅方
向複数形成され、かつ略周方向に沿っており、凹陥溝16
の底はラグ7の前面13、圧接面12及び頂面Pの各面に対
して略沿わされており、従って、ラグ7は凹陥溝16によ
って幅方向に分断されているのではなく、凹陥溝16の底
より内部側で断面略台形突起状ラグ7と相似形部分が残
部として存在している。これによって、ラグ7は分断す
るよりも相似形残存部分よる剛性及び耐久性を高く確保
したまま、凹陥溝16による本体2の幅方向湾曲性能及び
捩じれ変形性能を向上している。
なお、凹陥溝16の条数は、中央部分7aで少なく、翼部
分7bで多くなっており、中央部分7aは、荒地走行時や駆
動輪9とクローラ1との間に石等を噛み込んだ時に、屈
曲伸長性が良好となるように作用し、翼部分7bは、バン
ク走行時にバンク形状に沿い易く屈曲自在性すなわち伸
長性が良好になるように作用して、ラグ7のクラック発
生を抑制する。また、凹陥溝16は、エッジ効果を発揮
し、横滑り防止機能を高めるように作用し、トラクショ
ンロスを低減する。
上記第1実施例において、路面走行時における駆動輪
9の駆動力は、ピン11及び係合突起4を介してクローラ
1の本体2に伝達される。
平坦雪路走行時は、本体2の幅方向全幅及びそのラグ
7の両圧接面12a,12bが作用し、直進走行性能を発揮す
る。そして、圧雪路では、ラグ7の中央部分7aの勾配の
急な圧接面12aによって強力なトラクションが得られ、
凹陥溝16によるエッジ効果、トラクション及び勾配境界
部分段差部14,15とにより横滑りが防止され、安全運転
が確保される。また、本体2は、ラグ7の勾配の緩やか
な根元部分の圧接面12b、前面13aで屈曲するので、耐屈
曲疲労性が向上し、クラック発生が抑制される。
新雪路走行時は、ラグ7の両外側翼部分7bの勾配の緩
やかな圧接面12bにより強力なトラクションが得られ、
十分な走行性能が発揮される。
また、バンク走行時には、本体2の幅方向中央部2aだ
けでなく、翼部2bがバンク形状に沿って作用し、強力な
トラクションが得られ、ラグ7の勾配境界段差部14,15
及び凹陥溝16により横滑りが防止される。なお、翼部2b
の屈曲は、左右一対の係合突起4の外側端で発生する
が、ラグ7も凹陥溝16による伸長性により無理なくバン
ク形状に沿い、かつ補強リブ5により保護され、本体2
と係合突起4の根元部に生じるクラックを防止すると共
に、良好な屈曲復元性を発揮する。
第5図及び第6図は、本考案の第2実施例を示し、ラ
グ7の中央部分7a、前面13aの両端部近傍に、横滑り防
止突起17を設けた点において第1実施例と異なり、その
他については全く同一である。この第2実施例によれ
ば、第1実施例よりも横滑り防止機能がより向上する
が、その他の作用効果は第1実施例と同じであるから、
第1実施例と同一符号を付し、詳細説明を省略する。
第7図は本考案の第3実施例を示し、ラグ7の両外側
翼部分7bが中央部分7aと平行でかつ直線状に形成されて
いる点で異なるが、第1実施例と略同等の作用効果が期
待できるので、第1実施例と同一符号を付し、詳細説明
を省略する。
本考案は、上記各実施例に限定されるものではなく、
種々変形することができる。例えば、本体2の中央部2a
のみをフラット部とし、両外側翼部2bをフラット部の側
端から外側上方に弯曲させて雪上用クローラとすること
ができ、本体2の中央部2aの肉厚を翼部2bよりも厚くす
ることができる。
さらに、係合部は、突起4に代えて方形状の係合孔と
し、駆動輪をスプロケットとすることができ、ラグ7の
凹陥溝16の幅、深さ及び条数は適宜増減することができ
る。
また、本考案は、雪上用のみならず、一般用クローラ
にも採用しうること勿論である。
(考案の効果) 以上詳述した本考案によれば、ラグ7の本体幅方向中
央部分7a及び両翼部分7bのそれぞれに略周方向に沿った
凹陥溝16を本体幅方向に複数設け、この各凹陥溝16の底
をラグ7の前面13、後面12及び頂面Pの各面に対して略
沿わせているので、 凹陥溝16の底で突起条ラグ7と略相似形の残存部分が
あることにより、ラグ7は凹陥溝16の底でその両側部分
の繋がりが確保でき、ラグ7を幅方向に分断繋がりをな
くすような溝を形成する場合よりも、ラグ7の剛性及び
耐久性を確保した状態で、ラグ7の前面13、後面12及び
頂面Pの凹陥溝16によるエッジ長さを長くでき、 これによって、本体2及びラグ7の両外側翼部分2b、
7bは、幅方向エッジ効果が増大して、雪上走行中の旋回
時等でより強力な横滑り防止ができ、屈曲伸長性が向上
してバンク及び荒地走行時で幅方向略全長にわたって幅
方向穏やかに湾曲及び捩じれ変形するのを許容でき、こ
のような湾曲をしても耐屈曲疲労性が向上してクラック
の発生を抑制することができる。
また、凹陥溝16の本体幅方向の間隔を、ラグ7の中央
部分7aよりも両翼部分7bで密に設定しているので、バン
ク及び荒地走行時、雪上走行中の旋回時等に、クローラ
が幅方向中央部でより穏やかに湾曲し、両翼部2bが少し
きつく湾曲可能し、路面形状に追従し易くできる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本考案の第1実施例を示し、第1図は
第2図のA−A線断面図、第2図は接地側(外周側)平
面図、第3図は反接地側(内周側)平面図、第4図は第
3図のB−B線断面図、第5図及び第6図は本考案の第
2実施例を示し、第5図は接地側平面図、第6図は第5
図のC−C線断面図、第7図は本考案の第3実施例を示
す接地側平面図、第8図(a)(b)はそれぞれクロー
ラの接地圧分布図、第9図〜第12図は従来例を示し、第
9図は接地側平面図、第10図は第9図のD−D線断面拡
大図、第11図及び第12図はそれぞれ接地側平面図であ
る。 1……クローラ、2……本体、2a……中央部、4……係
合部、6……外周面、7……ラグ、9……駆動輪、12…
…圧接面、13……前面、16……凹陥溝。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性材料からなる無端帯状本体(2)の中
    央部(2a)に、駆動輪(9)と係合する係合部(4)を
    周方向の間隔をおいて配設し、本体(2)の外周面
    (6)に前面(13)、後面(12)及び頂面(P)を有し
    かつ本体幅方向に長い突起状のラグ(7)を周方向に間
    隔をおいて一体成形し、このラグ(7)の本体幅方向中
    央部分(7a)及び両翼部分(7b)のそれぞれに略周方向
    に沿った凹陥溝(16)を本体幅方向に間隔をおいて複数
    設け、この各凹陥溝(16)の底をラグ(7)の前面(1
    3)、後面(12)及び頂面(P)の各面に対して略沿わ
    せていることを特徴とする弾性クローラ。
  2. 【請求項2】前記凹陥溝(16)の本体幅方向の間隔を、
    ラグ(7)の中央部分(7a)よりも両翼部分(7b)で密
    に設定していることを特徴とする請求項1に記載の弾性
    クローラ。
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JPH0418082U JPH0418082U (ja) 1992-02-14
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