JP2589483Y2

JP2589483Y2 - 小型トランス

Info

Publication number: JP2589483Y2
Application number: JP1990014445U
Authority: JP
Inventors: 幸平岡野; 実野口
Original assignee: Tamura Corp
Current assignee: Tamura Corp
Priority date: 1990-02-16
Filing date: 1990-02-16
Publication date: 1999-01-27
Anticipated expiration: 2005-02-16
Also published as: JPH03106713U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はスイッチング電源用、モデム等の信号変換に
用いられるライントランス等の如き民生用または産業用
の電気機器に用いられる小型トランスに関する。

（従来の技術）この種のトランスはフランジの内側に絶縁性を有する
スペーサが設けられ、巻線中においてこのスペーサのズ
レを防止した先行例として、本願出願人によって既に提
出された実願平１−45219号が存在する。

（考案が解決しようとする課題）しかしながら、上記先行例において、スペーサは、通
常、小さく、かつ単一の一部を切欠いた略矩形の成形品
からなり、ボビン胴部に取付ける場合、押し広げて嵌め
込むようにしていたため、嵌め込みにくく、また、取付
後、ゆるみが生じてしまう、という課題があった。

本考案はこのようなことに鑑み提案されたもので、そ
の目的とするところは、スペーサの取付の作業性が良
く、また、スペーサを確実に取付・固定し得る小型トラ
ンスを提供することにある。

（課題を解決するための手段）本考案は、フランジ4bの内側に、下巻線と上巻線間の
沿面距離を確保すべく絶縁性のスペーサ１を下巻線上に
取付けるピン端子タイプの小型トランスにおいて、前記
スペーサ１は略コ字状をなす２分割構造の一対のスペー
サ片2,3からなり、これらスペーサ片2,3のうち一方のス
ペーサ片２の一端部2aには他方のスペーサ片３の一端部
3aと連結するための先端が抜脱防止用に略円形に膨設さ
れた係合突起2bが形成されるとともに、一方のスペーサ
片２の他端部には係合凹部2dが形成され、かつ他方のス
ペーサ片３の一端部3aには前記一方のスペーサ片２の一
端部2aに形成した係合突起2bを受容するための対応した
形状をなす係合凹部3bが形成されるとともに、他端部に
は前記一方のスペーサ片２の係合凹部2dに挿入・係合さ
せるための先端が略円形に膨設された係合突起3dが形成
され、これら一対のスペーサ片2,3を互いに向かい合わ
せて結合して成り、かつ前記フランジ4bの上部および下
部に切溝4cを形成するとともに、前記スペーサ１に前記
切溝4cと係合するストッパー3eをそれぞれ設けた構成と
し、上記目的を達成している。

（作用）上記のように、本考案ではスペーサ１を２分割し、そ
れを対向配置して、突き合わせて結合し、これによって
下巻線上に取付けるようにしたため、別段押し広げなく
とも容易に取付けることができるようにしている。

また、押し広げたりしないので、ゆるみも生ずること
もない。

また、スペーサ片2,3相互は、先端が抜脱防止用に略
円形に膨設された係合突起を、それを受容する係合凹部
に挿入・係合させるようにしているため、ボビンに装着
した場合、確実に結合させることができ、離脱すること
がないので組立性が良い。

（実施例）第１図は本考案に用いられる絶縁性を有するスペーサ
１の斜視図を示すもので、このスペーサ１は、適度な弾
性を有する合成樹脂やシリコンゴム等の材質で形成さ
れ、かつ略コ字状をなす一対のスペーサ片2,3からな
り、この２分割構造のものを一体に結合するようにして
いる。

すなわち、一方のスペーサ片２（図中上側のもの）の
一端部2aには他方のスペーサ片３の一端部3aと連結する
ための係合突起2bが形成され、かつ他端部2cには逆に係
合凹部2dが形成されている。なお、係合突起2bの先端は
抜け止め用として略円形に膨設されている。

また、他方のスペーサ片３（図中下側のもの）の一端
部3aには上記一方のスペーサ片２の一端部2aに形成した
係合突起2bを受容するための対応した形状をなす係合凹
部3bが形成され、かつ他端部には一方のスペーサ片２の
係合凹部2dに挿入・係合させるための係合突起3dが形成
され、これらを嵌め合わせて結合した場合、略矩形の枠
状をなすように構成されている。

さらに、上部および下部の一方の面には鍵状を呈する
一対のストッパー2e,3eがそれぞれ突設されている。

第２図（ａ），（ｂ）は上記スペーサ１が組み込まれ
るピン端子タイプのコイルボビン４を示す。このコイル
ボビン４は鉄心の脚部（図示せず）が挿通される中空状
であって角筒状の胴部4aを有し、この胴部4aの両側には
それぞれフランジ4bが一体成形されている。そして、こ
のフランジ4bの上方部および下方部にはストッパー2e,3
eと係合する一対の切溝4c,4dがそれぞれ形成されてい
る。

また、フランジ4bの下方部には肉厚部4eが形成され、
この肉厚部4eには適数本のピン端子５が植設されてい
る。ピン端子５は略倒Ｌ字状をなし、フランジ4bの肉厚
部4eの側方から斜め下方に突出している突出部5aには巻
線の巻始め、巻終りの引出線（図示せず）が絡げ付けら
れる。また、肉厚部4eの下方から突出している部分5bは
プリント基板等の取付部材に設けられた取付孔（図示せ
ず）に挿入・実装されるものである。

しかして、下巻線の上に層間テープを巻き、その上部
両側にスペーサ１が取付けられるものであるが、コイル
ボビン４にこのスペーサ１を取付けるには、胴部4aのフ
ランジ4b側の上方部および下方部に一対のスペーサ片2,
3を互いに向かい合わせて配し、各端部の係合突起2b,3d
を対応する係合凹部3b,2dにそれぞれ挿入・係合させれ
ば良い。

また、この場合、各ストッパー2e,3eはフランジ4bの
切溝4c,4d内に挿入して係合させれば良い。

そして、このようにして胴部4aの各フラジン4b側にそ
れぞれスペーサ１を設けた後、スペーサ１間に上巻線６
を巻装すれば良い。第３図はその斜視図を示す。

（考案の効果）以上のように本考案は、スペーサは２分割のものを下
巻線上に対向配置し、かつ突き合わせて相互に嵌め込む
ようにしたため、取付けに際して別段押し広げる必要も
なく、容易に取付けることができる。

また、取付後にゆるみも生じることもない。

また、スペーサを構成するスペーサ片相互の端部に
は、結合させた場合、抜けないように係合突起と対応す
る係合凹部とが形成されているため、ボビンに組込時に
容易に外れることがなく、組立性が良好である。

また、フランジ4bに対してはそこに形成した切溝4c
に、スペーサ１のストッパー3eを係合するようにして取
付けるため、フランジに反りがあっても、その影響をあ
まり受けることなく、かつ上記係合突起、凹部と相俟っ
てゆるみなく確実にボビンに取付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に用いられるスペーサの分解斜視図、第
２図（ａ）は同上のスペーサをボビンに取付けた状態の
正面図、（ｂ）は同上の側面図、第３図は本考案の小型
トランスの斜視図を示す。１……スペーサ、2,3……スペーサ片、2b,3d……係合突
起、2d,3b……係合凹部、2e,3e……ストッパー、４……
コイルボビン、4b……フランジ、4c,4d……切溝、５…
…端子、６……上巻線。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭62−281311（ＪＰ，Ａ) 実開昭51−151946（ＪＰ，Ｕ) 実開昭58−127624（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H01F 27/00

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】フランジ（4b）の内側に、下巻線と上巻線
間の沿面距離を確保すべく絶縁性のスペーサ（１）を下
巻線上に取付けるピン端子タイプの小型トランスにおい
て、前記スペーサ（１）は略コ字状をなす２分割構造の一対
のスペーサ片（２），（３）からなり、これらスペーサ
片（２），（３）のうち一方のスペーサ片（２）の一端
部（2a）には他方のスペーサ片（３）の一端部（3a）と
連結するための先端が抜脱防止用に略円形に膨設された
係合突起（2b）が形成されるとともに、一方のスペーサ
片（２）の他端部には係合凹部（2d）が形成され、かつ
他方のスペーサ片（３）の一端部（3a）には前記一方の
スペーサ片（２）の一端部（2a）に形成した係合突起
（2b）を受容するための対応した形状をなす係合凹部
（3b）が形成されるとともに、他端部には前記一方のス
ペーサ片（２）の係合凹部（2d）に挿入・係合させるた
めの先端が略円形に膨設された係合突起（3d）が形成さ
れ、これら一対のスペーサ片（２），（３）を互いに向
かい合わせて結合して成り、かつ前記フランジ（4b）の
上部および下部に切溝（4c）を形成するとともに、前記
スペーサ（１）に前記切溝（4c）と係合するストッパー
（3e）をそれぞれ設けたことを特徴とする小型トラン
ス。