JP3360853B2

JP3360853B2 - 小型プランジャ

Info

Publication number: JP3360853B2
Application number: JP28506492A
Authority: JP
Inventors: 信一大友
Original assignee: エヌイーシートーキン株式会社
Priority date: 1992-09-29
Filing date: 1992-09-29
Publication date: 2003-01-07
Anticipated expiration: 2018-01-07
Also published as: JPH06112039A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は小型精密カメラや携帯用
家電製品等の内部に組み込まれる小型プランジャに関係
し、そのボビンとヨークの結合構造に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、小型プランジャのボビンとヨーク
の結合は、図７に示すように、ヨーク１の足部をコイル
が巻線されたボビン２の筒部に通し、端子４の植設され
たボビンの内側鍔部１０や筒部とヨーク１を接着やねじ
により固定していた。従来の構造では接着やねじ止めの
作業のため組立作業時間を短縮できず、又組立て工程が
煩雑なため、コイルの断線が多発し、又接着やねじ止め
の不完全な作業により、動作中ヨークとボビンが外れる
等の問題があった。又ボビンの筒部をヨークに圧入して
固定する方法も提案されているが、ボビンの筒部に巻か
れた巻線に余分な力がかかり断線等の品質低下の原因と
なり問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、これ
らの欠点を除去して、ボビン又は延出部に使用される樹
脂等の弾性を利用し、簡単に組立てられる構造で、更に
ヨークとボビン内部にクリアランスをもたせて、係合し
たとき、コイルの断線を避けられる構造とし、動作中に
ヨークとボビンがはずれる等のトラブルのない、即ち、
ヨークとボビンの組立が簡単で、しかも信頼性の高い結
合構造を持つ小型プランジャを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、ボビンの内側
鍔部に設けた樹脂等の弾性材料からなる延出部を設け、
該延出部の先端の突起（又は凹部）とヨークのセンター
足部の根元の両側に設けた凹部（又は突起）を係合させ
て結合したことを特徴とするものである。

【０００５】即ち、本発明は、略Ｗ字型で、外側足部
と、センター足部と、該センター足部の根元に設けられ
たマグネット固定部とを備えたヨークと、巻線が施され
た筒部と、該筒部の一端に設けられ、端子が植設された
内側鍔部とを備えた樹脂製のボビンとから構成され、前
記センター足部を前記筒部に前記内側鍔部側から挿入し
てなる小型プランジャであって、前記マグネット固定部
と前記外側足部の間に切り欠き部を設け、該切り欠き部
内に凹部又は突起を形成するとともに、前記内側鍔部に
前記マグネット固定部に沿うように延出部を形成し、該
延出部の先端に前記凹部に対応する係合突起又は前記突
起に対応する係合凹部を形成し、前記係合突起又は係合
凹部を前記凹部又は突起に係合してなることを特徴とす
る小型プランジャである。また、本発明は、上記の小型
プランジャにおいて、前記略Ｗ字型のヨークの代わり
に、前記外側足部が設けられていない略Ｔ字型のヨーク
を用いたことを特徴とする小型プランジャである。ま
た、本発明は、上記の小型プランジャにおいて、前記ヨ
ークにマグネットを配置しない通電型の構造としたこと
を特徴とする小型プランジャである。

【０００６】

【作用】ボビンの内側鍔部の両端を延出させ、その先端
に設けた突起（又は凹部）を、このボビンに嵌合するヨ
ークのセンター足部の根元の両側に設けた切り欠き部の
凹部（又は突起）に前記ボビンやボビンの延出部を構成
する材料の弾性を用いて係合するため、ヨークにボビン
を押し込むだけで結合固定できる。従って組立作業は簡
単で汚れもなく、又ボビンの筒部とヨークの寸法も十分
なクリアランスが確保され、ボビン上のコイルに必要以
上の張力を加える必要もなく信頼性が保たれる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。図１は、本発明の実施例１の小型プラン
ジャを示し、図１（ａ）は平面断面図で、図１は（ｂ）
は側面図である。図２は、本発明の他の実施例２の小型
プランジャを示し、図２（ａ）は平面断面図で、図２
（ｂ）は側面図である。図３は、本発明の他の実施例３
の小型プランジャを示し、図３（ａ）は平面断面図で、
図３（ｂ）は側面図である。図４は、本発明の他の実施
例４の小型プランジャを示し、図４（ａ）は平面断面図
で、図４（ｂ）は側面図である。図５は、図１に示す実
施例１の小型プランジャのボビンとヨークの結合作業途
中の状態を示す平面断面図である。図６は、図３に示す
実施例３の小型プランジャのボビンとヨークの結合作業
途中の状態を示す側面断面図である。

【０００８】実施例１。図１及び図５に示すように、小
型プランジャに用いるヨークとして、略Ｗ字型のヨーク
１で、外側足部２１が設けられ、センター足部１１の根
元にマグネット３が埋設された構造のヨーク１を用い
る。該ヨーク１のセンター足部１１根元のマグネット固
定部５の両側には切り欠き部１４が設けられている。こ
の切り欠き部１４のセンター足部１１側の面には各々凹
部７（又は突起、本実施例では凹部）が設けられてい
る。又ボビン２の中央の筒部は、角筒状で、その外側に
はコイルが巻線され、筒部の内径はヨーク１のセンター
足部１１が滑らかに入る程度にセンター足部１１より若
干大きく設定されている。組立時にヨーク１側となるボ
ビン２の内側鍔部１０には端子４が植設されている。ボ
ビンには、ボビン２を構成する絶縁性樹脂と同質材料に
より、内側鍔部１０の端部より板状の延出部６が、組み
合せられるヨーク１のセンタ足部１１根元のマグネット
固定部５の両側に沿う配置で設けてある。該延出部６の
先端の内側の面には、組み合せられるヨーク１のセンタ
足部１１根元のマグネット固定部５の両側に設けた凹部
７に嵌合する大きさの係合突起９が設けてある。ヨーク
１にボビン２を組み立てる状態を説明する図５に示すよ
うに、矢印８の方向へボビン２を押し込むことにより、
ボビン２の延出部６は樹脂の弾性により一度マグネット
固定部５で広げられ、更に押し込むとボビン２の延出部
６の係合突起９がヨーク１の切り欠き部１４の凹部７に
嵌め込まれて、図１に示すようにヨーク１とボビン２は
各々の凹部７と係合突起９の係合により接合固定し、小
型プランジャを組み立てた。

【０００９】実施例２。図１に示す実施例１の小型プラ
ンジャにおいて、略Ｗ字型のヨーク１の代わりに、図２
に示すように、外側足部が設けられていない略Ｔ字型の
ヨーク１を用い、このヨーク１のマグネット固定部５の
両側部を切り欠き、さらにマグネット固定部５側にへこ
んだ凹部７を設け、実施例１と同様に、先端に係合突起
９を形成した延出部が加工されたボビンを用いて、ヨー
クとボビンを接合して小型プランジャを組み立てた。

【００１０】実施例３。図３及び図６に示すように、略
Ｗ字型のヨーク１で、外側足部２１が設けられ、センタ
ー足部１１の根元にマグネット３が埋設された構造のヨ
ーク１を用いる。該ヨーク１のセンター足部１１の根元
のマグネット固定部５の両側には切り欠き部１４がヨー
クの厚さ方向に約半分の深さで階段状に加工してある。
この切り欠き部１４の残された部分を切り欠き台部１５
とし、この切り欠き台部１５の中央には、凹部７（又は
突起、本実施例では凹部）が設けられている。又、ボビ
ン２の中央の筒部は、角筒状で、その外側にはコイルが
巻線され、筒部の内径はヨーク１のセンター足部１１が
滑らかに入る程度にセンター足部１１より若干大きく設
定されている。組立時にヨーク１側となるボビン２の内
側鍔部１０には端子４が植設されている。ボビン２を構
成する絶縁性樹脂と同質材料により、内側鍔部１０の両
端部より板状の延出部６を、組み合せられるヨーク１の
センター足部１１の根元の両側の切り欠き部１４に対応
して設けてある。該延出部６には前記ヨーク１の切り欠
き部１４に嵌め合いとなるようにヨーク１の厚さ方向に
対して、同じ面側に延在している。該延出部６の先端部
で、ヨーク１に接する側の面には、組み合せられるヨー
ク１のセンタ足部１１の根元のマグネット固定部５の両
側に設けた切り欠き台部１５の凹部７に嵌合する大きさ
の係合突起９が設けてある。図６の矢印８の方向へボビ
ン２を押し込むことにより、ボビン２の延出部６は樹脂
の弾性により一度ヨーク１の切り欠き台部１５で上方に
押し上げられ、更に押し込むとボビン２の延出部６の係
合突起９がヨーク１の切り欠き台部１５の凹部７に嵌め
込まれて、図６に示すようにヨーク１とボビン２は各々
の凹部７と係合突起９の係合により接合固定し、小型プ
ランジャを組み立てた。

【００１１】実施例４。図３に示す実施例３の小型プラ
ンジャにおいて、略Ｗ字型のヨーク１の代わりに、図４
に示すように、外側足部が設けられていない略Ｔ字型の
ヨーク１のマグネット固定部５の両側部を階段状に切り
欠き、この切り残された切り欠き台部１５の中央に凹部
７を設け、実施例３と同様に、先端に係合突起９を形成
した延出部６が加工されたボビン２を用いて、ヨーク１
とボビン２を接合して小型プランジャを組み立てた。

【００１２】実施例５。上記の各実施例ではマグネット
を内蔵した自己保持型の小型プランジャについて説明し
たが、上記の各実施例において、ヨークにマグネットを
もたない通電型の小型プランジャとして、上記の各実施
例と同様に、マグネットを内蔵しない略Ｗ字型及び略Ｔ
字型のヨークで、凹部を加工したヨークと、係合突起の
付いた延出部を加工したボビンを準備し、このヨークと
ボビンを用いて、小型プランジャを組み立てた。

【００１３】実施例１、実施例２、実施例３、実施例４
及び実施例５で示す結合構造で小型プランジャを組立
て、可動ヨークと組合せ、実装したところ、組立性がよ
く、組立作業工数を節減でき、又ヨークとボビンの外れ
や断線の事故もなく、信頼性の高い小型プランジャが安
価に得られた。

【００１４】

【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によれば、作
業性がよく、組立は少ない工数で出来、安価に組立ら
れ、ヨークとボビンの分離やコイルの断線のない、信頼
性の高い小型プランジャの提供が可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１の小型プランジャを示し、図
１（ａ）は平面断面図、図１は（ｂ）は側面図。

【図２】本発明の他の実施例２の小型プランジャを示
し、図２（ａ）は平面断面図、図２（ｂ）は側面図。

【図３】本発明の他の実施例３の小型プランジャを示
し、図３（ａ）は平面断面図、図３（ｂ）は側面図。

【図４】本発明の他の実施例４の小型プランジャを示
し、図４（ａ）は平面断面図、図４（ｂ）は側面図。

【図５】図１に示す実施例の小型プランジャのボビンと
ヨークの結合作業途中の状態を示す平面断面図。

【図６】図３に示す実施例の小型プランジャのボビンと
ヨークの結合作業途中の状態を示す側面断面図。

【図７】従来の小型プランジャの一例を示す平面断面
図。

【符号の説明】

１ヨーク２ボビン３マグネット４端子５マグネット固定部６延出部７凹部８矢印９係合突起１０（ボビンの）内側鍔部１１センター足部１２接着箇所１３取り付け穴１４切り欠き部１５切り欠き台部２１外側足部

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】略Ｗ字型で、外側足部と、センター足部
と、該センター足部の根元に設けられたマグネット固定
部とを備えたヨークと、巻線が施された筒部と、該筒部
の一端に設けられ、端子が植設された内側鍔部とを備え
た樹脂製のボビンとから構成され、前記センター足部を
前記筒部に前記内側鍔部側から挿入してなる小型プラン
ジャであって、前記マグネット固定部と前記外側足部の
間に切り欠き部を設け、該切り欠き部内に凹部又は突起
を形成するとともに、前記内側鍔部に前記マグネット固
定部に沿うように延出部を形成し、該延出部の先端に前
記凹部に対応する係合突起又は前記突起に対応する係合
凹部を形成し、前記係合突起又は係合凹部を前記凹部又
は突起に係合してなることを特徴とする小型プランジ
ャ。
【請求項２】請求項１記載の小型プランジャにおい
て、前記略Ｗ字型のヨークの代わりに、前記外側足部が
設けられていない略Ｔ字型のヨークを用いたことを特徴
とする小型プランジャ。
【請求項３】請求項１又は請求項２に記載の小型プラ
ンジャにおいて、前記ヨークにマグネットを配置しない
通電型の構造としたことを特徴とする小型プランジャ。