JP2585994B2 - 塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、基材に対する付着性が良く、防食性且つ安
定性に優れた塩化ビニル樹脂組成物に関し、更に詳しく
は塩化ビニル樹脂系プラスチゾル組成物、特に塗料とし
て有用な塩化ビニル樹脂系のプラスチゾル組成物に関す
るものである。 (従来の技術とその問題点) 塩化ビニル樹脂は、防錆力及び耐久性に優れ、かつ被
覆用樹脂として優れた特性をもつ樹脂であるが、それ自
体は各種基材に対する付着力が必ずしも良くない。この
ため、他の樹脂の添加によりこれを改良する試みがなさ
れており、例えば、(1)ポリアミド系樹脂(“塩化ビ
ニルペースト化工(中)"P139〜P143、飯田栄一著、ラ
バーダイジェスト社発行、1973),(2)液状エポキシ
樹脂とポリアミド樹脂(“塩化ビニルの総合調査(2)
原料と加工編“P151〜P152、シーエムシー、1968),
(3)ポリオール類と有機ジイソシアネートからのイソ
シアネート基を有するウレタンプレポリマーのブロック
化剤によるブロック化ウレタンプレポリマーと活性アミ
ノ基含有モノもしくはポリアミド系化合物(特公昭59−
52901号),(4)ラクタムブロックポリイソシアネー
トと活性アミノ基含有ポリアミド系化合物(特開昭59−
131669号),(5)有機ジイソシアネート重合体(イソ
シアヌレート型ポリイソシアネート)の長鎖アルキルフ
ェノールブロック体(特開昭62−41278号)やオキシベ
ンゾイックアシドエステルブロック体(特開昭62−1485
83号)等が知られている。 しかしながら、前記(1)のポリアミド樹脂の添加
は、付着性は向上するもののポリアミド樹脂のもつ活性
で水和性のあるアミノ基のために耐水性を含む耐食性と
耐溶剤性が低下し、安定性も悪くなってしまうという欠
点を有する。 前記(2)のエポキシ樹脂とポリアミド樹脂を添加す
る場合、双方とも室温での反応性が高く、かつ安定性も
悪いため作業時に支障をきたす。 前記(3)のポリオール類と有機ジイソシアネートか
らのプロック化ウレタンプレポリマーと活性アミノ基含
有ポリアミド系化合物を添加する場合、必須成分である
ポリオールの性質の影響を受けやすく耐水性を含む耐食
性の低下や、加熱時に生成する有効NCO量(NCO%)に比
べて分子量が大きくなってしまい、夏期高温時の安定性
に問題がある。 前記(4)のラクタムブロックポリイソシアネートと
ポリアミド系化合物を添加する場合、ジイソシアネート
の性質の影響が大きく現われて相溶性が悪く、またラク
タタムもつ極性の強さと大きな原子団のために解離温度
が高く、相溶性による安定性の悪さと同時に性能も良く
ない。 前記(5)のジイソシアネート重合物の長鎖アルキル
フェノールまたはオキシベンゾイックアシッドエステル
のブロック体を付着付与剤として塩化ビニル樹脂に添加
する場合、安定性は良いもののその解離温度がフェノー
ル系のブロック剤のため高くなり、低温短時間(例えば
120℃×30分程度の)加熱では焼付が難かしく、付着性
も悪く、さらに架橋剤を使用しないため耐水性を含む耐
食性や耐溶剤性も良くない欠点がある。 近年、塩化ビニルゾル組成物を用いた被覆材は、薄膜
化の傾向にあり、耐食性と耐溶剤性が重視されており、
この両特性と安定性という相反する性質をバランスさせ
る事が極めて重要な課題となっているが、従来技術では
十分に対応することができない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明者等は、前記した従来技術の問題点を解決すべ
く鋭意検討を重ねた結果、塩化ビニル組成物の構成成分
として活性水素含有アミノ基を有するモノもしくはポリ
アミド系ポリアミン化合物および/又はポリアミンと、
アルキレン,シクロアルキレン,アルアルキレンジイソ
シアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネートの
ブロック化ウレタンプレポリマーとを併用する事によ
り、各種基材に対する付着性に優れ、防食性,耐溶剤性
も良く且つ驚くべき事に安定性にも優れた塩化ビニル樹
脂組成物が得られる事を見出し本発明を完成するに至っ
た。 〔発明の構成〕 (問題点を解決するための手段) 本発明を概説すれば、本発明は 塩化ビニル(共)重合体(A)、可塑剤(B)、活性
水素含有アミノ基を有するモノもしくはポリアミド系ポ
リアミン化合物および/又はポリアミン(C)、アルキ
レン,シクロアルキレン,アルアルキレンジイソシアネ
ートのイソシアヌレート型ポリイソシアネートのブロッ
ク化ウレタンプレポリマー(D)、からなることを特徴
とする塩化ビニル樹脂組成物に関するものである。 以下、本発明の構成を詳しく説明する。 まず、本発明の塩化ビニル樹脂組成物を構成する各成
分から順に説明する。 本発明で使用する塩化ビニル(共]重合体(A)成分
は、塩化ビニルの単独重合体及び/又は共重合体であ
り、通常のものを用いることができる。 塩化ビニル共重合体としては、塩化ビニルとこれと共
重合しうる他のビニル単量体(酢酸ビニル,無水マレイ
ン酸あるいはそのエステル類、ビニルエーテル等)との
共重合体、及び塩素化ポリエチン,塩化ビニル−塩化ビ
ニリデン共重合体等が挙げられる。塩化ビニル重合体も
しくは共重合体の重合度は通常700〜4000,好ましくは10
00〜2000である。塩化ビニル重合体もしくは共重合体の
市販品としてはカネビニルPSL−10,PSH−10,PSM−30及
びPCH−12(鐘淵化学工業社製)、ゼオン121及び135J
(日本ゼオン社製)、デンカビニルPA−100,ME−100
(電気化学工業社製)、モンサント70BK(三菱化成ビニ
ル社製)があげられる。これらは2種以上混合して使用
することもできる。 本発明で使用する可塑剤(B)成分は、一般にこの種
の目的で使用されるものはすべて使用することが可能
で、例えばジエチルフタレート,ジブチルフタレート,
ジオクチルフタレート,ジラウリルフタレート,ジステ
アリルフタレート,ジイソノニルフタレート,ジイソデ
シルフタレート等のフタル酸エステル;ジオクチルアジ
ペート等のアジピン酸エステル;ジオクチルセバケート
等のセバシン酸エステル;トリクレジルフォスフェート
等のリン酸エステル;等のエステル系可塑剤、及びこれ
らの二種以上の混合物があげられる。 これらのうち通常よく使用されるものはフタル酸エス
テル類、特にジオクチルフタレート及びジイソノニルフ
タレートである。 次に、本発明で使用する活性水素含有アミノ基を有す
るモノもしくはポリアミド系ポリアミン化合物および/
又はポリアミン(C)成分について説明する。 本発明において使用される活性水素含有アミノ基を有
するモノもしくはポリアミド系ポリアミン化合物として
は、重合脂肪酸及び一塩基酸からなる群の少なくとも1
種とポリアミン類とを縮合反応させて得られるモノアミ
ド系化合物及びポリアミド系化合物(ポリアミド樹脂)
があげられる。 前記した重合脂肪酸としては、天然に存在する油脂類
(大豆油,綿実油,ナタネ油,トール油,米糠油,牛
脂,魚油等)に含まれる不飽和脂肪酸を用いて二量化工
程を経て得られるものがあげられ、この場合二量化反応
で副生する三量体や未反応脂肪酸を若干含有しているも
のが一般的であり、いわゆるダイマー酸と称するものが
用いられる。又これ等の低級アルコールエステルも使用
できる。 前記した一塩基酸としては、炭素数1〜22の飽和酸
(酢酸,バーサティック酸,ラウリン酸,パルミチン
酸,ステアリン酸など),不飽和酸(オレイン酸,リノ
ール酸など),芳香族酸(安息香酸等),脂環式酸(ナ
フテン酸,ロジン等),ヒドロキシ酸(ヒマシ油脂肪酸
など)などのモノカルボン酸があげられ、通常は天然油
脂より得られる不飽和脂肪酸を主体とする脂肪酸が使用
でき、又これ等の低級アルコールエステルも使用でき
る。上記酸及び又は酸の低級アルコールエステルはポリ
アミン類と加熱脱水縮合又は脱アルコール縮合により活
性水素含有アミノ基を有するモノもしくはポリアミド系
ポリアミン化合物が得られる。 前記縮合反応温度は、150〜240℃でよい。モノもしく
はポリアミド系化合物のアミン価は通常90以上、好まし
くは100〜450であり、そのうちとくに好ましいのは150
〜350である。アミン価が90未満では分子量が高くなり
塩化ビニル樹脂組成物用の配合成分としては不適当であ
る。逆に450以上では低分子物が多くなり耐水性が低下
する。なおモノもしくはポリアミド系化合物中には、好
ましくはないが遊離のポリアミン類を含有してもよい。
またモノもしくはポリアミド系化合物としては、分子中
にイミダゾリン環を含ませたり、モノもしくはポリエポ
キシ化合物、あるいは不飽和結合含有単量体(アクリロ
ニトリル,アクリル酸エステル等),フェノールとホル
マリン等で変性した変性ポリアミド系化合物でもよい。 ポリアミンとしては、脂肪族ポリアミン〔アルキレン
ジアミン(エチレンジアミン,プロピレンジアミン
等)、ポリアルキレンポリアミン(ジエチレントリアミ
ン,トリエチレンテトラミン等のポリエチレンポリアミ
ン,ビスアミノプロピルアミン)〕,芳香族ポリアミン
(キシリレンジアミン,トリレンジアミン,フェニレン
ジアミン,ジアミノフェニルメタン等),脂環式ポリア
ミン(シクロヘキシレンジアミン,イソホロンジアミン
等),複素環式ジアミン(ピペラジン,2,4ジメチルピペ
ラジン,メラミン,2,4−ジアミノ−5(アミノエチル)
ピリミジン,2,4,6,トリアミノピリミジン等),ポリエ
ーテルポリアミン(特公昭62−17606号記載)等の中か
ら選ばれた1種又は2種以上のポリアミンがあげられ
る。またモノもしくはポリエポキシ化合物あるいは不飽
和結合含有単量体(アクリロニトリル,アクリル酸エス
テル等)と前記ポリアミンとを反応された変性ポリアミ
ンでも良い。活性水素含有アミノ基を有するモノもしく
はポリアミド系化合物とポリアミンのうちで好ましいも
のは、ポリアミド系化合物である。 次に、本発明で使用するアルキレン,シクロアルキレ
ン,アルアルキレンジイソトアネートのイソシアヌレー
ト型ポリイソシアネートのブロック化ウレタンポリマー
(D)成分について説明する。 前記ブロック化ウレタンプレポリマーは、特開昭60−
181114号記載のアルキレン,シクロアルキレン,アルア
ルキレンジイソシアネートよりなる群から選ばれたジイ
ソシアネート化合物を、同公報記載の各種イソシアヌレ
ート化触媒よりなる群から選ばれるイソシアヌレート化
触媒の存在下に反応せしめてイソシアヌレート環を有す
るイソシアヌレート型ポリイソシアネートを調製し、こ
れを、所望のブロック化剤を用いて無溶剤又は、溶剤及
び/又は希釈剤の存在下でブロック化することにより得
られる。 前記の有機ジイソシアネート化合物としてアルキレ
ン,シクロアルキレン,アルアルキレンジイソシアネー
トに限定した理由は、芳香族ジイソシアネート,例えば
トリレンジイソシアネート,ジフェニルメタンジイソシ
アネート,ナフチレンジイソシアネート等は焼付時に黄
変しやすく、また塩化ビニルゾル用として使用の際に相
溶性の悪いこと、及び芳香族ジイソシアネートは反応性
が良いためかミクロゲルを生じやすく安定性も悪いこと
による。但し一部併用は可能でありその併用率は1〜30
%である。特に前記の有機ジイソシアネートとして好ま
しいものは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート,1,
3または1,4ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサ
ン,3−イソシアネートメチル−3,5,5,−トリメチルシク
ロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネー
ト),ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネ
ート,キシリレンジイソシアネート等、及びこれらの混
合物が挙げられる。このようにしてアルキレン,シクロ
アルキレン,アルアルキレンジイソシアネートよりなる
群から選ばれるジイソシアネート化合物をイソシアヌレ
ート化触媒の存在下に反応せしめてイソシアヌレート環
を有するポリイソシアネートを合成することができる。
しかし本発明は必ずしも前記したポリイソシアネートに
限定されるものでなく、前記アルキレン,シクロアルキ
レンおよびアルアルキレンジイソシアネートよりなる群
から選ばれるジイソシアネート化合物と少なくとも1分
子中に3個以上の炭化水素置換基を有する分子量100〜1
000のジオールをイソシアヌレート化触媒の存在下に反
応せしめて得られるイソシアヌレート環を有するポリイ
ソシアネートを用いても良い。また逆にアルキレン,シ
クロアルキレン,及びアルアルキレンジイソシアネート
よりなる群から選ばれるジイソシアネート化合物より得
られたイソシアヌレート環を含有するポリイソシアネー
トと少なくとも1分子中に3個以上の炭化水素置換基を
有する分子量100〜1000のジオールを反応させて得られ
るポリイソシアネートであっても良い。 本発明において使用し得る前記1分子中に3個以上の
炭化水素置換基を有する分子量100〜1000のジオールの
例としては、特開昭60−181114号記載の1,2,2−トリメ
チル−1,3−プロパンジオール(2,2−ジメチル−1,3−
ブタンジオール),2,2−ジメチル−3−イソプロピル−
1,3−プロパンジオール(2,2,4−トリメチル−1,3−ペ
ンタンジオール)などのジオールの他に、長鎖アルキル
ジオール,ポリエーテルジオール,ポリエステルジオー
ル,ポリブタジエングリコール,及びこれらの二種以上
の混合物があげられる。 長鎖アルキルジオールの例としては、プロピレングリ
コール,1,4ブタンジオール,1,6ヘキサンジオール,ドデ
カンジオール,1,2ヒドロキシステアリルアルコール,ポ
リブタンジエングリコールなどがあり、特に炭素数8個
以上のジオールが望ましい。 ポリエーテルジオールの例としては、ポリプロピレン
グリコール,ポリテトラメチレングリコール,ポリブチ
レングリコール等があるが、ポリテトラメチレングリコ
ールが望ましい。 ポリエステルジオールとしては、ジカルボン酸及び/
又はその無水物やエステル、酸ハライドと上記のジオー
ルとを重縮合させることにより得られるポリエステルジ
オールがあげられる。ジカルボン酸としては、脂肪族ジ
カルボン酸(マレイン酸,アジピン酸,セバシン酸,ダ
イマー酸等),芳香族ジカルボン酸(フタル酸,イソフ
タル酸,テレフタル酸等),脂環族ジカルボン酸(テト
ラヒドロフタル酸,ヘキサヒドロフタル酸等)およびそ
れらの無水物があげられる。これらのうちで好ましいも
のは脂肪族ジカルボン酸で炭素数4以上のものが良い。
またラクトン類(εカプロラクトン,γブチロラクトン
等)を前記のジオールの存在下開環重合させて得られる
ポリラクトンポリオールも使用できる。 前記したポリブタジエングリコールの例としては、1,
2タイプ,1,4タイプ等とポリブタジエンの両末端に水酸
基を有するものがあり、ポリブタンジエングリコールG
−1000(日本曹達(株)製)等があげられる。 いずれにしても、前記した態様によりアルキレン,シ
クロアルキレン及びアルアルキレンジイソシアネートよ
りなる群から選ばれるジイソシアネート化合物を必須成
分としたイソシアヌレート環を含有するポリイソシアネ
ートが得られる。 本発明においてブロック化ウレタンプレポリマーを得
るために使用させるブロック化剤としては、活性メチレ
ン化合物としてマロン酸ジエステル(マロン酸ジエチル
等),アセト酢酸エステル(アセト酢酸エチル),アセ
チルアセトン等があり、オキシム化合物としてはアセト
オキシム,ケトオキシム(例えばメチルエチルケトオキ
シム(ブタノンオキシム)),フェノール化合物として
フェノール,クレゾール等、ラクタム化合物としてεカ
プロラクタム等、イミダゾール化合物として2−メチル
イミダゾール等があげられる。ブロック剤としては必ず
しも一種である必要はなく混合しても使用できる。これ
らのうちで好ましいものはイソシアネートの種類,及び
塩化ビニル樹脂組成物の使用時の焼付温度により好なる
が、一般にイソシアネートの解離温度と焼付温度よりみ
て100〜140℃の範囲内の場合、活性メチレン化合物とオ
キシム化合物、とくにアセト酢酸エチル及びメチルエチ
ルケトオキシムが良好である。 ブロック化剤の添加量は、ポリイソシアネート中のイ
ソシアネート基に対して1当量以上、1.5当量未満であ
り、好ましくは1.0〜1.2当量である。 ブロック化剤を反応させる温度は、通常40〜140℃で
ある。反応に際し公知のウレタン化触媒、例えば有機ス
ズ系化合物,三級アミン,金属アルコラートを添加して
反応を促進することも可能である。反応は通常、無溶剤
でも可能であるが、取出し時の作業性等より、溶剤及び
又は希釈剤中で行う方が良い。以上のようにして得られ
るブロック化ウレタンプレポリマーは、通常分子量が50
0〜5000,好ましくは600〜3000である。分子量が600未満
の場合は塩化ビニルゾル用として使用の際に、硬くもろ
くなり物理的性質は低下する。5000を超える場合には基
材に対する付着性が低下する。 本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、本発明の目的を損
なわない範囲で種々の他の添加物,たとえば安定剤や充
填剤,滑剤,顔料,解離促進剤,希釈剤等を含むことが
できる。 安定剤としては金属石けん類(ステアリン酸カルシウ
ム,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸アルミニウム
等),無機酸塩類(二塩基性亜リン酸塩,二塩基性硫酸
塩等),有機金属化合物(有機錫系安定剤としてのブチ
ルスズマレート,ジオクチルスズマレート,ジオクチル
スズビス(2−エチルヘキシルマレート等),エポキシ
化大豆油等があげられる。 充填剤としては、無機系充填剤(含水珪酸,炭酸カル
シウム,タルク,ケイ藻土,カオリンクレー,沈降性硫
酸バリウム等)及び有機系充填剤(セルロース系,ポリ
エチレンテレフタレート系,アクリル系,ゴム系,ウレ
タン系,等の熱可塑性樹脂)があげられる。また滑剤と
しては、金属石鹸類等の他に、各種パラフィンやワック
ス類,脂肪酸アマイドや脂肪酸エステル類,弗素炭化水
素類,有機シリコン類などがあり、顔料は着色する目的
に合うものなら何でも良く各種顔料(たとえば酸化チタ
ン,弁柄等の無機顔料や、カーボンブラック,フタロシ
アニンブルー等の有機顔料等)が単一又は混合して用い
られる。 また本発明の塩化ビニル樹脂組成物の加熱時の反応を
促進することにより、実用時の加熱処理温度を低下又は
時間を短縮する目的で、ブロック化ウレタンプレポリマ
ーの解離促進のために通常用いられる触媒(オクチル酸
亜鉛,オクチル酸スズ,ブチルスズジラウレート,ジブ
チルスズアセテート等の有機金属化合物,トリエチレン
ジアミン,トリエチルアミン,1,8−ジアザジシクロウン
デセン−7の塩等)を解離促進剤として使用することも
可能である。また希釈剤として沸点が70〜240℃(1気
圧)の脂肪族系溶剤(C6以上のパラフィン系炭化水素溶
剤、例えばヘキサン,ヘプタン,オクタン,ノナン,デ
カン等),ナフテン系炭化水素溶剤(シクロヘキサン,
メチルシクロヘキサン,ジメチルシクロヘキサン,ジエ
チルシクロヘキサン,トリメチルシクロヘキサン等),
及び上記の溶剤の混合溶剤,芳香族系溶剤(たとえばト
ルエン,キシレン,エチルベンゼン,ミスチレン,ソル
ベッソ#100(エッソ化学(株)製)ソルベッソ#150
(エッソ化学(株)製)等),も使用することができ、
また脂肪族系溶剤と芳香族系溶剤の混合系であるミネラ
ルスピリット(例えばラウス,ハウス(シェル化学
(株)製))も使用することができる。さらに、溶剤成
分の一部として、沸点が極度に高い、例えば液状高沸点
芳香族炭化水素化合物SAS−296,SAS−LH(日本石油化学
(株)製)や、ダイマー酸等も使用することができる。 本発明の塩化ビニル樹脂組成物において前記(C)成
分と(D)成分の配合比率は、重量比で、通常1:0.2〜2
0,好ましくは1:0.4〜10である。(D)が0.2未満又は20
より大きい場合には最終的な塩化ビニルゾル用として使
用の際にカチオン型電着塗膜またはアクリル塗膜及び金
属下地への付着性はいずれも低下する。 本発明の塩化ビニル樹脂組成物において、前記各成分
(A)〜(D)の配合割合はほぼ下記の通りである。
(%は重量%である。) 本発明において、添加剤として安定剤を使用する場合
には通常0〜5%(好ましくは0.1〜3%),希釈剤を
使用する場合には通常0〜7%(好ましくは1〜5
%),解離促進剤等を使用する場合には通常0〜1%
(好ましくは0〜0.3%)が配合使用される。 本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、通常の方法で混練
して製造することができる。 本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、各種金属素地面,
及び金属(特に鋼材)面に塗られた各種塗装面に適用で
きるが、とくにカチオン型電着塗装面及びアクリル樹脂
塗装面,金属面に有利に適用できる。前記のコチオン型
電着塗装は、例えばポリアミン系樹脂(分子中にアミノ
基を有するエポキシ樹脂と含有アミノ基又は水酸基と反
応するブロックイソシアネートをフィルム形成成分と
し、これを低級有機酸などで中和せしめて水溶液又は水
分散液としたもの)を塗料とした場合、フィルム形成成
分は陽イオンとして存在し、被塗物(鋼板等)を陰極と
して直流通電により被塗物の表面に塗料を析出させる塗
装方法である。また、前記のアクリル樹脂塗装に使用さ
れるアクリル樹脂塗料としては、熱可塑タイプのもの及
び熱硬化タイプのものがあげられる。熱可塑タイプのも
のはアクリル(コ)ポリマーを繊維素誘導体(硝化線,
セルロースアセテートプチレート等),可塑剤等と併用
して主に常温乾燥用としたものである。熱硬化型のもの
はアクリル(コ)ポリマー中に官能基をもちそのものの
単独又は架橋剤との反応で加熱することで架橋された塗
膜を形成するようにしたものである。本発明の塩化ビニ
ル樹脂組成物の上記塗装面に対する塗布量は、通常150
〜3000g/m2であり、塗布膜厚は通常0.15〜3mmである。
また塗布後、焼付が行われるが、その場合の焼付温度は
通常110〜150℃,時間は通常20〜40分である。塗装方法
も通常の方法たとえばスプレー塗布,ハケ塗り,浸漬,
流しこみ,注入,エアレススプレー,等の方法を用いる
ことができる。なお、本発明の塩化ビニル樹脂組成物の
一般的な塗装方法として、前記したもの以外に静電塗
装,ベタツケ塗装等があげられる。 本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、前記したように多
くの基材とたえばカチオン電着塗装面,アクリル塗装
面,金属面に対して低温短時間の焼付(120〜130℃×20
〜30分間)で強固に付着すると同時に、従来のものより
はるかに安定性がすぐれており、45℃×3週間という厳
しい条件下でも粘度上昇が少ない。 本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、焼付タイプの塗
料,接着剤,シーラント,コーキング用等として各種工
業用途に応用できるが、自動車用、特に下塗りに各種塗
料が施されたり、あるいは塗られていない車体のボデー
シーラーやアンダーコート用塗料として特に優れてい
る。 〔実施例〕 以下、本発明を実施例,比較例及び応用例によりさら
に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。 〈合成例〉(〔1〕〜〔12〕) (アルキレン,シクロアルキレン,アルアルキレンジイ
ソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート
の合成) 〔1〕.ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌ
レート型ポリイソシアネートの合成例。 撹拌器,窒素ガス導入管,空冷管,温度計を備えた容
量2のガラス製四つ口フラスコに窒素ガス雰囲気下で
ヘキサメチレンジイソシアネート(略号;HMDI,分子量16
8.2)1400gを仕込む。フラスコに油浴を付し撹拌下55℃
に昇温し1時間保持の後、イソシアヌレート化触媒とし
てβ−メチルコリンオクトエート(略号;CO,分子量261.
4)の16%濃度のブチルセロソルブ溶液を3.9g(2.39m m
ol)加えて反応させた。反応の開始と共に発熱が認めら
れ、反応器内の温度は62℃迄上昇した。発熱がおさまっ
た後、反応器内の温度を60℃に保ち引き続いて合計4.5
時間反応せしめた後、触媒の失効剤としてモノクロル酢
酸(分子量94.5)の5.8%濃度のキシレン溶液3.9g(2.3
9m mol)を反応器中に添加して反応を終了した。 反応混合物を室温に冷却後、1000gを分子蒸溜にか
け、ポリイソシアネート338g(転化率33.8%)と留出物
662g(回収率66.2%)を得た。得られたポリイソシアネ
ートは室温で流動性を有する液状物質であり、酢酸エチ
ルにて不揮発分75.0%に希釈した場合、ガードナー色数
1以下,ガードナー粘度AZ−A1であり、また生成物はイ
ソシアネート含有率16.4%、イソシアヌレート環を含む
ことが確認され、分子量は619であった。一方分子蒸溜
の際の留出物を分析した結果、この物は実質上純粋なHM
DIであることが確認された。確認された。 〔2〕.1,3−ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘ
キサン(略号;H6XDI分子量194.2)のイソシアヌレート
型ポリイソシアネートの合成例。 合成例〔1〕と同様の方法により1,3−ビス(イソシ
アネートメチル)−シクロヘキサン1400gをイソシアヌ
レート化触媒として16%濃度のCOブチルセロソルブ溶液
5.5g(3.37m mol)を用いて反応を行った。所定の反応
時間後、触媒の失効剤としてモノクロル酢酸の5.8%濃
度のキシレン溶液5.5g(3.37m mol)を転化して反応を
終了した。反応混合物を分子蒸溜した結果、反応の転化
率は37.8%であり、得られたポリイソシアヌレート型ポ
リイソシアネートの性状及び分析結果は酢酸エチルで不
揮発分75%に希釈した場合、色数が1以下,ガードーナ
ー粘度I2−J,イソシアネート含有率14.9%であり、分子
量が637を呈した。又分子蒸溜の際の留出物についての
分析の結果、この物は実質上純粋なH6XDIであった。 〔3〕.HMDI,H6XDI混合物のイソシアヌレート型ポリイ
ソシアネートの合成例。 合成例〔1〕と同様の方法によりHMDI980g,H6XDI420g
をイソシアヌレート化触媒として16%濃度のCOブチルセ
ロソルブ溶液4.5g(2.75m mol)を用いて反応を行っ
た。所定の反応時間後触媒の失効剤としてモノクロル酢
酸の5.8%濃度のキシレン溶液4.5g(2.75m mol)を添加
して反応を終了した。反応混合物1000gを分子蒸溜した
結果、反応の転化率は43.1%であり、得られたポリイソ
シアヌレート型ポリイソシアネートの性状及び分析結果
は、酢酸エチルで不揮発分75%に希釈した場合、色数が
1以下,ガードナー粘度A〜B,イソシアネート含有率1
5.5であり分子量が637であつた。一方、分子蒸溜の際の
留出物についての分析の結果、この物はほぼHMDI/H6XDI
=7/3よりなる混合物であることが解った。 〔4〕.HMDI,キシレンジイソシアネート(略号;XDI,分
子量188.2)混合物のイソシアヌレート型ポリイソシア
レートの合成例。 合成例〔1〕と同様の方法によりHMDI1316g,XDI84gを
イソシアヌレート化触媒として16%濃度のCOブチルセル
ソルブ溶液4.8gを用いて反応を行った。所定の反応時間
後、触媒の失効剤としてモノクロル酢酸の5.8%濃度の
キシレン溶液4.8gを添加して反応を終了した。反応混合
物1000gを分子蒸溜した結果、反応の転化率は33.2%で
あり、得られたイソシアヌレート型ポリイソシアネート
の性状及び分析結果は酢酸エチルで75%に希釈した場
合、ガードナー色数が1以下,ガードナー粘度B〜C,イ
ソシアネート含有率15.1%であり分子量は697であっ
た。一方、分子蒸溜の際の留出物について分析の結果、
このものは実質上純粋なHMDIであることが解った。 〔5〕.2,2,4−メチル−1,3−ペンタンジオール(略号;
TMPD,分子量146.2)変性HMDIのイソシアヌレート型ポリ
イソシアネートの合成例。 合成例〔1〕と同様の方法により、HMDI1400g(8.32
モル),TMPD50g(0.34モル)を仕込む。フラスコに油浴
を付し、撹拌下55℃に昇温し約1時間保持した後、イソ
シアヌレート化触媒として(16%濃度のCOブチルセロソ
ルブ溶液)を反応器中に分割添加したところ触媒溶液を
合計2.4g(1.47m mol)添加した時点で、反応が開始す
ると共に発熱が認められ、反応器内の温度は62℃迄上昇
した。発熱がおさまった後、反応器内の温度を60℃に保
ち、引き続いて合計4.5時間反応せしめた後、触媒の失
効剤としてモノクロル酢酸の5.8%濃度のキシレン溶液
2.4g(1.47m mol)を反応器中に添加して反応を終了し
た。反応混合物は室温に冷却後、1000gを分子蒸留にか
け、ポリイソシアネート331.3g(転化率33.2%)と留出
物666.7g(回収率66.8%)を得た。得られたポリイソシ
アネートは室温で流動性を有する液状物質であり、酢酸
エチルで75%希釈した場合、ガードナー色数1以下,ガ
ードナー粘度A1〜A,イソシアネート含有率15.0%であ
り、分析の結果イソシアヌレート環を含むことが確認さ
れ、分子量の測定結果は654であった。一方、分子蒸溜
の留出物についての分析の結果、この物は実質上純粋な
HMDIである事が確認された。 〔6〕.1,3−ブタンジオール変性HMDIのイソシアヌレー
ト型ポリイソシアレートの合成例。 合成例〔1〕及び〔5〕と同様な方法で、HMDI1400g
と1,3ブタンジオール(略号;1.3BG,分子量70.12g)50g
(0.55モル)とでイソシアヌレート化触媒として16%濃
度のCOブチルセロソルブ溶液1.1g(0.67m mol)を用い
て反応を行った。所定の反応時間後、触媒の失効剤とし
てモノクロル酢酸の5.8%濃度のキシレン溶液1.1g(0.6
7m mol)を添加して反応を終了した。反応混合物を分子
蒸溜した結果、反応の転化率は36.7%であり、得られた
イソシアヌレート型ポリイソシアネートの性状及び分析
結果は、酢酸エチルで75%に希釈した場合、ガードナー
色数が1以下,ガードナー粘度AZ〜A,イソシアネート含
有率14.8%,分子量655であった。又分子蒸溜の際の留
出物についての分析の結果、この物は実質上純粋なHMDI
であることが確認された。 〔7〕.2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール変
性H6XDIのイソシアヌレート型ポリイソシアレートの合
成例。 合成例〔1〕及び〔5〕と同様の方法により1,3−ビ
ス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサン(略号;H
6XDI)1400g(7.21モル)とTMPD50gを仕込み、イソシア
ヌレート化触媒として16%濃度のCOブチルセロヒブル溶
液4.9g(3.00m mol)を用いて反応を行った。触媒をモ
ノクロル酢酸の5.8%濃度のキシレン溶液を用いて失効
して得られた反応混合物は、室温に冷却の後、1000gを
分子蒸溜にかけ、ポリイソシアネート408.2g(転化率4
0.9%)と蒸溜物589.8g(回収率59.1%)を得た。蒸溜
によって得られたポリイソシアネートの性状及び分析結
果は、酢酸エチルで75%に希釈した場合、カードナー色
数が1以下,ガードーナー粘度I−J,イソシアネート含
有率13,5%であり、イソシアヌレート環を含むことが確
認され、分子量の測定結果は679であった。一方、分子
蒸溜の際の留出物についての分析の結果、この物は実質
上純粋なH6XDIであることが確認された。 〔8〕.TMPDで変性したHMDI,H6XDIのイソシアヌレート
型ポリイソシアネートの合成例。 合成例〔1〕及び〔5〕と同様の方法により、HMDI98
0g(5.83モル),H6XDI420g(2.17モル),TMPD50gをイソ
シアヌレート化触媒として16%濃度のCOプチルセロソル
ブ溶液2.5g(1.53m mol)を用いて反応を行った。処定
の方法にて、触媒を失効して得られた反応混合物は室温
に冷却の後、1000gを分子蒸溜にかけ、ポリイソシアネ
ート474.1g(転化率47.5%)と留出物523.9g(回収率5
2.5%)を得た。蒸溜により得られたポリイソシアネー
トの性状及び分析結果は、酢酸エチルで75%に希釈した
場合、ガードナー色数1以下,ガードナー粘度B,イソシ
アネート含有率14.0%で、かつポリイソシアヌレート環
を有し、分子量は683であった。一方、分子蒸溜の際の
留出物についての分析の結果、この物はほぼHMDI/H6XDI
=7/3よりなる混合物であることが確認された。
〔9〕.TMPD変性HMDI,XDIのイソシアヌレート型ポリイ
ソシアネートの合成例。 合成例〔1〕及び〔5〕と同様な方法でHMDI1316g
(7.83モル),XDI84g(0.45モル),TMPC50gを仕込み、
イソシアヌレート化触媒として16%濃度のCOブチルセロ
ソルブ溶液3.4g(2.1m mol)を用いて反応を行った。触
媒を失効して得られた反応混合物を室温に冷却後、1000
gを分子蒸溜にかけ、ポリイソシアネート304.4g(転化
率30.5%)を留出物693.6gを得た。蒸溜によって得られ
たポリイソシアネートの性状及び分析の結果は、酢酸エ
チルで75%希釈した場合、ガードナー色数4以下,ガー
ドナー粘度B−C,イソシアネート含有率13.8%で、かつ
イソシアヌレート環を有し分子量は725であった。一
方、分子蒸溜の留出物についての分析の結果、このもの
は実質上純粋なHMDIであることが解った。 〔10〕.12ヒドロキシステアリルアルコール変性HMDI,H6
XDIのイソシアヌレート型ポリイソシアネートの合成
例。 合成例〔1〕及び〔5〕と同様な方法でHMDI980g(5.
82モル),H6XDI420g(2.17モル),12ヒドロキシステア
リルアルコール100gを仕込み、イソシアヌレート化触媒
として16%濃度のCOブチルセロソルブ溶液3.4g(2.1m m
ol)を用いて反応を行った。触媒を失効して得られた反
応混合物を室温に冷却後、1000gを分子蒸溜にかけ、ポ
リイソシアネート408(転化率40.9%)と留出物590g
(回収率59.1%)を得た。蒸溜により得られたポリイソ
シアネートの性状及び分析結果は、酢酸エチルで75%に
希釈した場合、ガードナー色数1以下,ガードナー粘度
A1,イソシアネート含有率13.5%で、かつイソシアヌレ
ート環を有し、分子量は698であった。一方、留出物に
ついての分析の結果、この物はほぼHMDI/H6XDI=7/3よ
りなる混合物であることが解った。 〔11〕.ポリブタジエングリコール変性HMDIのイソシア
ヌレート型ポリイソシアネートの合成例。 合成例〔1〕及び〔5〕と同様な方法でHMDI1400gと
ポリブタジエングリコール(日本曹達(株)製,ニッソ
ーポリブタG−1000)(略号;PBG−1000,分子量1000)5
0gとでイソシアヌレート化触媒として16%濃度のCOブチ
ルセロソルブ溶液1.64g(1.0m mol)を添加して反応を
行った。触媒の失活後、反応混合物を分子蒸溜した結
果、反応の添加率は、37%であり、得られたイソシアヌ
レート型ポリイソシアネートの性状及び分析結果は、酢
酸エチルで75%に希釈した場合、ガードナー色数が1以
下,ガードナー粘度A1,イソシアネート含有率14.0%,
分子量850であった。 〔12〕.ブロック化ウレタンプレポリマーの合成例。 上記合成例〔1〕〜〔11〕で得たイソシアヌレート型
ポリイソシアネートを各々撹拌機,温度計及び窒素導入
管を付した2容積の四つ口コルベンに仕込み、活性イ
ソシアネート含有量と等当量の下記第1表に示されるブ
ロック化剤の量とポリイソシアネートの仕込量の総量が
全体の60パーセントになるような量のジオクチルフタレ
ートを加える。窒素気流下、加熱しかきまぜながら、ブ
ロック化剤を徐々に加え、70℃で約1時間反応させる。
赤外線吸収スペクトルによりイソシアネート基の吸収
(2250cm-1)が完全に消滅するか、イソシアネート含有
率が0であることを確認し、常温で液状のイソシアヌレ
ート型ポリイソシアネートのブロック化ウレタンプレポ
リマーのジオクチルフタレート溶液を得る。赤外線吸収
スペクトルまたはイソシアネート含有率よりブロック化
が不完全ならば、若干量のブロック化剤を追加する等に
より最終的にブロック化を完全に行う。 〈比較合成例〉((i)〜(ii)) (i)(アダクト型ポリイソシアネートの製造) :撹拌機,温度計及び窒素導入管を付した2容積の
四つ口コルベンに処定の高分子ポリオール[ポリテトラ
メチレングリコール(略号;PTMG)]及び低分子ポリオ
ール[トリメチロールプロパン(略号;TMP)、ネオペン
チルグリコール(略号;NPG)]及び有機ジイソシアネー
トとしてジフェニルメタンジイソシアネート(略号;MD
I)、溶剤としてキシレンを仕込み、窒素気流下70℃に
加熱しかきまぜながら8時間反応させ、活性イソシアネ
ート含有量が7.4%のアダクト型ポリイソシアネート
(キシレン75%溶液の粘度V〜W)を得る。 :比較合成例と同様な装置に処定の高分子ポリオー
ル,低分子ポリオール,及び有機ジイソシアネートとし
てイソホロンジイソシアネート(略号;IPDI),溶剤と
してキシレンを仕込み、窒素気流下70℃に加熱しかきま
ぜながら8時間反応させ、活性イソシアネート含有量が
8.0%のアダクト型ポリイソシアネート(キシレン75%
溶液の粘度T−U)を得る。 :比較合成例の同様な装置に有機ジイソシアネート
としてHMDI,溶剤として酢酸エチルを仕込み、窒素気流
下撹拌しつつ70℃に加熱し、トリメチロールプロパンを
有機ジイソシアネート3モルに対して1モルの割合の量
を分割して遂次仕込む。3時間程反応させて活性イソシ
アネート含有率が12%粘度M〜Nのアダクト型ポリイソ
シアネートを得る。 (ii)(ブロック化ウレタンプレポリマーの製造) 上記比較合成例〜で得たアダクト型ポリイソシア
ネートを、各々前例〔1〕〜〔11〕のイソシアヌレート
型ポリイソシアネートの場合と同様な装置に仕込み、窒
素気流下加熱しかきまぜながらイソシアネートと等当量
の下記第1表に示されるブロック化剤の量とアダクト型
ポリイソシアネートの固形分の量が全体の60%となるよ
うな溶剤を加えた後、ブロック化剤を徐々に加えて、70
%で約1時間反応させる。赤外線吸収スペクトルにより
イソシアネート基の吸収(2250cm-1)が完全に消滅する
か、イソシアネート含有量が0であることを確認して常
温で液状のアダクト型ポリイソシアネートのブロック化
ウレタンプレポリマーを得る。 ブロック化ウレタンプレポリマーの合成例及び比較例
については下記第1表にまとめる。第1表中、原料ジイ
ソシアネート,変性ポリオール,及びブロック剤につい
ての数字は全てモル数で表示する。 注;1,3BGは1,3−ブチレングリコール、PBGはポリブタジ
エングリコール、MEKはメチルエチルケトンをそれぞれ
表すものとする。 実施例1〜11/比較例1〜3及び4,5 プラスチゾル組成物を下記のようにして調製した。カ
ネビニルPSL−10(鐘淵化学工業(株)製,塩化ビニル
ストレートレジン)70部,カネビニルPCH−12(鐘淵化
学工業(株)製,塩化ビニル共重合レジン)30部,ジオ
クチルフタレート(DOP)100部,NS#100(日東粉化工業
(株)製,炭酸カルシウム)100部,及び二塩基性亜リ
ン酸鉛(ダイホス)3部からなる塩ビペーストとポリア
ミド系ポリアミン化合物(C)及びブロック化ウレタン
プレポリマー(D)(合成例で得られたもの)を擂潰機
にて均一に混練し、下記第2表記載の組成物を調製し
た。 なお、比較例4として(C)を用いずジイソシアネー
ト重合物のオキシベンゾイックアシッドエステルのブロ
ック体を付着付与剤とし、また比較例5として(D)を
用いないものを調製した。 実施例1〜11及び比較例1〜5の塩化ビニル樹脂組成
物を用いて、処定の温度で保存した時の粘度変化の程度
を試験した。次に鋼板,アクリル塗装を施した鋼板,及
びカチオン型電着塗装を施した鋼板に塩化ビニル樹脂組
成物を塗膜厚させ0.25mmになるように塗布し、140℃×2
0分間焼付けて基材との密着性,耐温水性を試験した。
さらにカチオン電着板上に塩化ビニル樹脂組成物が如何
に強固に付着しているかを平面引張りの方法(JAS,特殊
合板規格)に準じて万能引張り試験機にて測定した。上
記の結果を第2表に示すが、実施例のものは、比較例の
ものよりも安定性に優れ、密着性及び温水性,耐食性に
優れていることが判る。 〔発明の効果〕 本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、(i)活性水素含
有アミノ基を有するモノもしくはポリアミド系ポリアミ
ン化合物及び/又はポリアミン成分,(ii)アルキレ
ン,シクロアルキレン,アルアルキレンジイソシアネー
トのイソシアヌレート型ポリイソシアネートのブロック
化ウレタンプレポリマー成分とを併用する点に特徴を有
するものであり、長期の保存安定性に優れるとともに、
各種の基材に対して密着性、耐食性、耐温水性などに優
れた塗膜を形成することができる。従って、本発明の塩
化ビニル樹脂組成物は、特に塗料用として極めて有用な
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 127/06 PFF C09D 127/06 PFF 175/04 PHX 175/04 PHX 177/00 PLS 177/00 PLS 179/02 PLU 179/02 PLU (56)参考文献 特開 昭62−41278(JP,A) 特開 昭59−120651(JP,A) 特開 昭60−106871(JP,A) 特開 昭55−118948(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル(共)重合体(A)、可塑剤
    (B)、活性水素含有アミノ基を有するモノもしくはポ
    リアミド系ポリアミン化合物および/又はポリアミン
    (C)、アルキレン,シクロアルキレン,アルアルキレ
    ンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシア
    ネートのブロック化ウレタンプレポリマー(D)、から
    なることを特徴とする塩化ビニル樹脂組成物。
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