JP2003055427A - 自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents
自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法Info
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Abstract
もかかわらず高官能を達成し、また、水分散後のポット
ライフが改善された自己乳化型アロファネート変性ポリ
イソシアネートの製造方法を提供する。 【解決手段】 以下の工程からなる自己乳化型アロファ
ネート変性ポリイソシアネートの製造方法により解決す
る。 第一工程:平均官能基数2以上、数平均分子量300〜
3,000のポリオール(a)と有機ジイソシアネート
(b)を、カルボン酸ジルコニウム塩からなるアロファ
ネート化触媒(c)の存在下で反応させる工程。 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを除去する工
程。 第四工程:第三工程から得られたポリイソシアネート
と、下記式で示されるノニオン性親水基含有一官能アル
コール(e)を反応させる工程。 【化1】
Description
ァネート変性ポリイソシアネートの製造方法に関するも
のである。
シアネートの製造方法は、従来より種々知られている。
例えば、特開2000−34439号公報、特開平11
−349805号公報、特開平11−100426号公
報等に示されている。
ロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法のほと
んどは、アロファネート基の生成を目的としているにも
かかわらず、副反応として自己付加反応や自己重合反応
が進行し、副生成物が生じるいう問題がある。前記副生
成物としては、例えば、熱的に不安定なウレトジオン基
を含む二量体や最終生成物の粘度を飛躍的に増大させ、
かつ非極性溶剤への溶解性や高分子ポリエステル等の樹
脂との相溶性を低下させるイソシアヌレート基を含む三
量体が挙げられる。また、最終生成物に変色や濁りを生
じさせるという問題がある。更には、高官能ポリイソシ
アネートを製造する際、ゲル化のおそれが多分にある。
みてなされたものであり、実質的に二量体や三量体を含
有していないにもかかわらず高官能を達成し、また、水
分散後のポットライフが改善された自己乳化型アロファ
ネート変性ポリイソシアネートの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
属塩をアロファネート化触媒に用いることにより、前記
課題を解決することを見いだし、本発明を完成させるに
至った。
の(1)〜(3)に示されるものである。 (1) 以下の工程からなる自己乳化型アロファネート
変性ポリイソシアネートの製造方法。 第一工程:平均官能基数2以上、数平均分子量300〜
3,000のポリオール(a)と有機ジイソシアネート
(b)を、カルボン酸ジルコニウム塩からなるアロファ
ネート化触媒(c)の存在下で反応させる工程。 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを除去する工
程。 第四工程:第三工程から得られたポリイソシアネート
と、下記式で示されるノニオン性親水基含有一官能アル
コール(e)を反応させる工程。
ヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とす
る前記(1)の製造方法。
が、最終的に得られるポリイソシアネートに対して2〜
20質量%であることを特徴とする、前記(1)又は
(2)の製造方法。
説明する。本発明に用いられる、平均官能基数2以上、
数平均分子量300〜3,000のポリオール(a)
は、いわゆる高分子ポリオールと呼ばれるもので、ポリ
エステルポリオール、ポリエステル−アミドポリオー
ル、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ール、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。これ
らは単独又は2種類以上の混合物であってもよい。本発
明では、得られる自己乳化型アロファネート変性ポリイ
ソシアネートの粘度を考慮すると、ポリエーテルポリオ
ールが好ましい。
アミドポリオールは、公知の方法で得られるものであ
り、後述するポリカルボン酸、酸エステル、又は酸無水
物等の1種以上と、後述する低分子ポリオール、低分子
ポリアミン、低分子アミノアルコールの1種以上との反
応で得られる。
ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等が
挙げられる。
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,
5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタン
ジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリ
コール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジ
オール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジ
オール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−
n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコール、2−
n−エイコサン−1,2−エチレングリコール、2−n
−オクタコサン−1,2−エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレ
ングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シ
クロヘキサン−1,4−ジメタノール、水素添加ビスフ
ェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、
あるいはビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプ
ロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、
グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
ミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、
ジフェニルメタンジアミン、水素添加ジフェニルメタン
ジアミン、ジエチレントリアミン等が挙げられる。
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、モノプロパノールアミン、N,N−ジプロパノ
ールアニリン等が挙げられる。
ン、低分子アミノアルコールを開始剤として、ε−カプ
ロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラ
クトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリ
エステルポリオールも好適に使用できる。
られ、前述の低分子ポリオール、低分子ポリアミン、低
分子アミノアルコール、アンモニアの1種以上の化合物
を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド等のアルキレンオキサイドや、テトラヒドロフラ
ン等の環状エーテルを開環付加させて得られる。
述の低分子ポリオールと、ジエチレンカーボネート、ジ
メチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニ
ルカーボネート等との脱アルコール反応、脱フェノール
反応等で得られる。
は2.5〜6である。平均官能基数が下限未満の場合
は、得られるポリイソシアネートの平均官能基数が低下
するため、架橋効果が少なくなり、塗膜強度が不十分と
なりやすい。
0であり、好ましくは300〜2,500である。数平
均分子量が下限未満の場合は、アロファネート化反応後
に得られるポリイソシアネートの高粘度となるため、作
業性が悪くなりやすい。一方上限を越える場合は、塗膜
強度が不十分となりやすい。
官能基数調整等の目的で、(a)の一部を一官能アルコ
ールに置き換えることもできる。
(b)としては、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソ
シアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソ
シアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′
−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメ
タン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチ
レン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5
−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル
−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネ
ート;ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレ
ンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−
ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシ
エチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネー
ト;キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレ
ン−1,3−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレ
ンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソ
シアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素
添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テト
ラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシ
アネート等が挙げられる。これらの有機ジイソシアネー
トは、単独あるいは2種以上の混合物のいずれの形態で
用いてもよい。本発明では得られるアロファネート変性
ポリイソシアネートの耐候性等の点を考慮すると、無黄
変ジイソシアネートが好ましく、特にヘキサメチレンジ
イソシアネートが最適である。
(c)は、カルボン酸ジルコニウム塩を用いる。カルボ
ン酸ジルコニウム塩を用いることにより、助触媒等を使
用することなく、実質的に着色のない(自己乳化型)ア
ロファネート変性ポリイソシアネートが比較的容易に得
られる。ここで使用されるカルボン酸としては、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、オクチル酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2
−エチルヘキサン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、シクロ
ヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸等の飽
和単環カルボン酸、ビシクロ(4.4.0)デカン−2
−カルボン酸等の飽和複環カルボン酸、ナフテン酸等の
上記したカルボン酸の混合物、オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸等の不
飽和脂肪族カルボン酸、ジフェニル酢酸等の芳香脂肪族
カルボン酸、安息香酸、トルイル酸等の芳香族カルボン
酸等のモノカルボン酸類、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石
酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−
ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル
−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン
酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸等のポリカルボン酸類が挙げられる。これらのカ
ルボン酸ジルコニウム塩は、単独あるいは2種以上の混
合物のいずれの形態で用いてもよい。本発明で好ましい
(c)は、炭素数10以下のモノカルボン酸ジルコニウ
ム塩である。
は、リン酸、塩酸等の無機酸、スルホン酸基、スルファ
ミン酸基等を有する有機酸及びこれらのエステル類、ア
シルハライド等公知の物が挙げられる。
(e)は、以下の式で示されるノニオン性親水基を含有
するものである。
の一官能アルコールを開始剤として、エチレンオキサイ
ドを30モル%以上含有するアルキレンオキサイドを開
環付加させることで得られるものである。ここで使用さ
れる開始剤としては、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、
iso−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノ
ール、フェノール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、アニリン、トリメチロールプロパン、グリセ
リン等が挙げられる。これらのうちで、メタノール、エ
タノール、エチレングリコール、プロピレングリコール
等の炭素数5以下の化合物が、得られる自己乳化型アロ
ファネート変性ポリイソシアネートの水分散性が良好と
なるので好ましい。
れるポリイソシアネートの水分散性を考慮すると、最終
的に得られるポリイソシアネートに対して2〜20質量
%であることが好ましい。(e)の導入量が下限未満の
場合は、得られるポリイソシアネートが水に分散しない
おそれがある。上限を越える場合は、ポリイソシアネー
トの平均官能基数が低くなり、塗膜強度が不十分となり
やすい。
アルコールを使用してもよい。(e)以外の他の一官能
アルコールとしては、前述の(e)の開始剤としての低
分子一官能アルコール類、炭素数6以上の高級モノアル
コール類、ヒドロキシモノカルボン酸エステル類、
(e)以外のポリ(オキシアルキレン)モノオール等が
挙げられる。更に具体的には、メタノール、エタノー
ル、オクタノール、ステアリルアルコール、リシノール
酸アルキルエステル等が挙げられる。
本発明は、以下の工程からなる。 第一工程:ポリエーテルポリオール(a)と有機ジイソ
シアネート(b)をアロファネート化触媒(c)の存在
下で反応させる工程。 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを除去する工
程。 第四工程:第三工程から得られたポリイソシアネート
と、一官能アルコール(e)を反応させる工程。
ート化反応からなる。具体的な手順は、ポリエーテルポ
リオール(a)及び有機ジイソシアネート(b)をイソ
シアネート基を水酸基に対して過剰となる量を仕込ん
で、20〜100℃でウレタン化反応させた後、70〜
150℃にてアロファネート化触媒(c)の存在下でウ
レタン基が実質的に存在しなくなるまでアロファネート
化反応させる、という手順である。
て過剰となる量」とは、原料仕込みの際、イソシアネー
ト基を水酸基に対して過剰となるという意味であり、イ
ソシアネート基と水酸基のモル比がイソシアネート基/
水酸基=8以上が好ましく、10〜50が特に好まし
い。
℃であり、好ましくは50〜100℃である。なお、ウ
レタン化反応の際、公知のいわゆるウレタン化触媒を用
いることができる。具体的には、ジブチルチンジラウレ
ート、ジオクチルチンジラウレート等の有機金属化合物
や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機
アミンやその塩等が挙げられる。
や種類、反応温度により異なるが、一般には10時間以
内、好ましくは1〜5時間である。
ート化反応を行う。アロファネート化反応は、前述のア
ロファネート化触媒(c)を添加し、反応温度を70〜
150℃、好ましくは80〜130℃にして行う。反応
温度が低すぎる場合は、アロファネート基があまり生成
せず、得られるポリイソシアネートの平均官能基数が低
下することになる。このようなポリイソシアネートを塗
料用硬化剤に用いると、塗膜物性が不十分となりやす
い。反応温度が高すぎる場合は、得られるポリイソシア
ネートを不必要に加熱することになり、ポリイソシアネ
ートが着色する原因になることがある。なお、ポリイソ
シアネートの平均官能基数とは、1分子中に存在するイ
ソシアネート基の平均数である。
とアロファネート化反応を同時に行うこともできる。こ
の場合は、ポリエーテルポリオール(a)及び有機ジイ
ソシアネート(b)をイソシアネート基を水酸基に対し
て過剰となる量を仕込んで、70〜150℃にてアロフ
ァネート化触媒(c)の存在下でウレタン化反応及びア
ロファネート化反応を同時に行う。
の種類により異なるが、上記(a)と(b)の総和量に
対して、0.0005〜1質量%が好ましく、0.00
1〜0.1質量%がより好ましい。触媒使用量が0.0
005質量%未満の場合は、反応が遅くなって長時間を
要し、熱履歴による着色が起こる場合がある。一方触媒
使用量が1質量%を超える場合は、反応制御が難しな
り、副反応である二量化反応(ウレトジオン化反応)や
三量化反応(イソシアヌレート化反応)が起こる場合が
あり、また得られたポリイソシアネートを二液型塗料の
硬化剤として用いた場合、塗料のポットライフが短くな
る等の問題が生じることがある。
度により異なるが、通常10時間以内が好ましく、特に
好ましくは1〜5時間である。
いることができる。この有機溶剤としては、n−ヘキサ
ン、オクタン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系有
機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル
等のエステル系有機溶剤、エチレングリコールエチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテ
ルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテ
ート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコ
ールエーテルエステル系有機溶剤、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系有機溶
剤、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化
炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタン等
のハロゲン化脂肪族炭化水素系有機溶剤、N−メチルピ
ロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルア
ミド等の極性非プロトン溶剤等が挙げられる。前記溶剤
は1種又は2種以上使用することができる。
媒毒(d)を添加してアロファネート化反応を停止させ
る工程である。触媒毒(d)の添加時期は、アロファネ
ート化反応後であれば特に制限はないが、第三工程にお
ける、遊離の有機ジイソシアネートを除去する方法に薄
膜蒸留を行う場合は、アロファネート反応後かつ薄膜蒸
留前に触媒毒(d)の添加を行うのが好ましい。これ
は、薄膜蒸留時の熱により、副反応が起こるのを防止す
るためである。
種類により異なるが、触媒の0.5〜2当量となる量が
好ましく、0.8〜1.5当量が特に好ましい。触媒毒
が少なすぎる場合は、得られるポリイソシアネートの貯
蔵安定性が低下しやすい。多すぎる場合は、得られるポ
リイソシアネートが着色する場合がある。
(b)を除去する工程である。本発明においては、基本
的にはアロファネート化反応後の生成物には、遊離の有
機ジイソシアネートが存在している。この遊離の有機ジ
イソシアネートは、臭気や経時変化した場合に濁りの原
因となるため、遊離の有機ジイソシアネート含有量が1
質量%以下となるまで未反応の有機ジイソシアネート
(b)を除去するのが好ましい。
法としては、蒸留、再沈、抽出等公知の方法が挙げら
れ、蒸留法、特に薄膜蒸留法を使用すると、溶剤等を用
いる必要がないので好ましい。また、好ましい薄膜蒸留
の条件としては、圧力:0.1kPa以下、温度:10
0〜200℃であり、特に好ましい条件は圧力:0.0
5kPa以下、温度:120〜180℃である。
ポリイソシアネートと、一官能アルコール(e)を反応
させる工程である。反応条件は、反応温度:20〜12
0℃、好ましくは50〜100℃、反応時間:10時間
以内、好ましくは1〜5時間である。なお、反応の際
に、公知のいわゆるウレタン化触媒を用いることができ
る。
ァネート変性ポリイソシアネートの好ましい粘度(25
℃、固形分=100%換算)は200〜10,000m
Pa・sあり、特に好ましくは300〜8,500mP
a・sである。イソシアネート含量(固形分=100%
換算)は5〜20質量%が好ましく、特に好ましくは8
〜18質量%である。平均官能基数は6以上、好ましく
は6.5〜10である。なお、平均官能基数は、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーによる数平均分子量
とイソシアネート含量から算出される。
ァネート変性ポリイソシアネートには、必要に応じて、
例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール等の酸化防止剤や、紫外線吸収剤、顔料、染料、
溶剤、難燃剤、加水分解防止剤、潤滑剤、可塑剤、充填
剤、貯蔵安定剤等の添加剤を適宜配合することができ
る。
詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。なお、実施例、比較例において「%」
は「質量%」を意味する。
の製造〕 合成実施例1 攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容
量:100Lの反応器に、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートを90.0kg、ポリオール−1を10.0kg仕
込み、90℃で2時間ウレタン化反応を行った。反応生
成物をFT−IRにて分析したところ、水酸基は消失し
ていた。次に2−エチルヘキサン酸ジルコニウムを0.
02kg仕込み、110℃にて4時間反応させた。反応
生成物をFT−IR及び13C−NMRにて分析したとこ
ろ、ウレタン基は消失していた。次いで、リン酸を0.
01kg仕込み50℃で1時間停止反応を行った。停止
反応後の反応生成物のイソシアネート含量は41.9%
であった。この反応生成物を130℃×0.04kPa
にて薄膜蒸留を行い、アロファネート変性ポリイソシア
ネートNCO−1を得た。NCO−1のイソシアネート
含量は16.0%、25℃の粘度は6,830mPa・
s、平均官能基数は8.76、遊離のヘキサメチレンジ
イソシアネート含有量は0.1%であった。また、NC
O−1をFT−IR及び13C−NMRにて分析したとこ
ろ、ウレタン基は確認されず、アロファネート基の存在
が確認された。また、ウレトジオン基及びイソシアヌレ
ート基は痕跡程度であった。結果を表1に示す。
ロファネート変性ポリイソシアネートの製造を行った。
結果を表1に示す。なお、NCO−5(合成比較例1)
は、合成の際にゲル化した。
おいて ポリオール−1:グリセリンを開始剤に用いて、プロピ
レンオキサイドを開環付加させたポリエーテルポリオー
ル 数平均分子量=400 ポリオール−2:グリセリンを開始剤に用いて、プロピ
レンオキサイドを開環付加させたポリエーテルポリオー
ル 数平均分子量=700 ポリオール−3:グリセリンを開始剤に用いて、プロピ
レンオキサイドを開環付加させたポリエーテルポリオー
ル 数平均分子量=1,000 ポリオール−4:メタノールを開始剤に用いて、エチレ
ンオキサイドを開環付加させたポリエーテルポリオール 数平均分子量=400 ポリオール−5:トリメチロールプロパン(TMP)を
開始剤に用いて、ε−カプロラクトンを開環付加させた
ポリエステルポリオール 数平均分子量=400 ポリオール−6:数平均分子量=1,000のポリ(ヘ
キサメチレンカーボネート)ジオール(HD−PCD)
とTMPとをエステル交換させたポリカーボネートポリ
オール 但し、HD−PCD/TMP=1/1(モル比) 数平均分子量=570 HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート Zr−2EH :2−エチルヘキサン酸ジルコニウム Pb−2EH :2−エチルヘキサン酸鉛
り、副反応がほぼ抑えることが可能で、かつ、高官能の
アロファネート変性ポリイソシアネートが得られた。一
方、従来の触媒系(鉛系)では、高官能のアロファネー
ト変性ポリイソシアネートを得ることはできなかった。
1を901g、モノオール−1を99g、ジオクチルチ
ンジラウレートを0.05g仕込み、80℃で4時間反
応させて、自己乳化型アロファネート変性ポリイソシア
ネートP−1を得た。P−1のイソシアネート含量は1
3.4%、25℃の粘度は10,000mPa・s、平
均官能基数は8.13であった。結果を表2に示す。
己乳化型ポリイソシアネートの製造を行った。結果を表
2、3に示す。
おいて コロネートHX:日本ポリウレタン工業製ポリイソシア
ネート ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変
性ポリイソシアネート イソシアネート含量=21.3% 25℃の粘度=2,400mPa・s 数平均分子量=400 OH−1 :メタノールを開始剤に用いて、エチレ
ンオキサイドを開環付加させたポリエーテルモノオール 数平均分子量=400 OH−2 :リシノール酸メチルエステル DOTDL :ジオクチルチンジラウレート
評価を行った。
容器に、ポリイソシアネート/水=20g/180gの
割合で配合した後、ホモミキサーで2,000rpm×
30秒攪拌・分散させた。その後、室温下に静置して1
時間毎にイソシアネート含量を測定し、イソシアネート
含量が0%となったところをポットライフ時間とした。
結果を表4、5に示す。
に、以下に示す水性アクリルエマルジョン100g、ポ
リイソシアネートを3g仕込み、ホモミキサーで2,0
00rpm×30秒攪拌して、クリヤー塗料を調整し
た。このクリヤー塗料をアルミ板にアプリケーターに
て、乾燥膜厚20μmになるように塗布した後、50℃
にて20時間硬化させて塗装サンプルを得た。この塗装
サンプルに、キシレンをしみ込ませた脱脂綿を擦り付
け、塗膜表面の荒れが生じる回数を測定した。
機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた容量:2,
000mlの反応器に、イオン交換水を170g、レベ
ノールWZ(アニオン性乳化剤、花王製)を4g、ノイ
ゲンEA−170(ノニオン性乳化剤、第一工業製薬
製)を1g仕込み、80℃まで加熱した。次いでメタク
リル酸メチルが300g、アクリル酸ブチルが180
g、アクリル酸が4g、ダイアセトンアクリルアミドが
5g、イオン交換水が330g、ノイゲンEA−170
が5g、過酸化カリウム(開始剤)が1gからなる混合
液を、反応液中の温度を80℃に保ちながら3時間かけ
て滴下し、その後、80℃で3時間反応させた。反応終
了後室温まで冷却し、25%アンモニア水溶液にてpH
8に調製し、固形分49.5%の水性アクリルエマルジ
ョンを得た。
己乳化型ポリイソシアネートは、水分散後のポットライ
フが長く、また高官能性であるので、少ない配合量で良
好な架橋物性を示した。
ファネート変性ポリイソシアネートは、従来の自己乳化
型ポリイソシアネートと比較して、高官能基数であり、
また、水分散後のポットライフが長いという特徴を有す
るものである。
ァネート変性水性ポリイソシアネートは、水性塗料の硬
化剤に最適である。また、水性塗料の主剤や、水性の接
着剤、シール材、インキ、繊維・ガラスファイバー処理
剤、サイジング剤、目止め剤、プライマー、固結剤、ア
ンカーコート剤、各種バインダー等の主剤や硬化剤とし
て使用することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 以下の工程からなる自己乳化型アロファ
ネート変性ポリイソシアネートの製造方法。 第一工程:平均官能基数2以上、数平均分子量300〜
3,000のポリオール(a)と有機ジイソシアネート
(b)を、カルボン酸ジルコニウム塩からなるアロファ
ネート化触媒(c)の存在下で反応させる工程。 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを除去する工
程。 第四工程:第三工程から得られたポリイソシアネート
と、下記式で示されるノニオン性親水基含有一官能アル
コール(e)を反応させる工程。 【化1】 - 【請求項2】 有機ジイソシアネート(a)が、ヘキサ
メチレンジイソシアネートであることを特徴とする、請
求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 一官能アルコール(e)の使用量が、最
終的に得られるポリイソシアネートに対して1〜30質
量%であることを特徴とする、請求項1又は2記載の製
造方法。
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- 2001-08-21 JP JP2001250635A patent/JP3861281B2/ja not_active Expired - Fee Related
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