JP2003253200A - 水性一液コーティング剤及びそれを用いたコーティング方法 - Google Patents

水性一液コーティング剤及びそれを用いたコーティング方法

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JP2003253200A JP2002053034A JP2002053034A JP2003253200A JP 2003253200 A JP2003253200 A JP 2003253200A JP 2002053034 A JP2002053034 A JP 2002053034A JP 2002053034 A JP2002053034 A JP 2002053034A JP 2003253200 A JP2003253200 A JP 2003253200A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性に優れ、環境に配慮して安全であ
り、短時間で基材への密着性が発現し、良好な被膜外観
を有する水性一液コーティング剤、及び作業性に優れた
コーティング方法を提供する。 【解決手段】 シランカップリング剤で変性した有機ポ
リイソシアネートの遊離イソシアネートの一部をブロッ
ク剤にて封鎖した部分ブロックイソシアネートを水に分
散させて、又はシランカップリング剤構造を有する水性
樹脂エマルジョンに部分ブロックソシアネートを分散さ
せて、イソシアネート基と水を実質的に遊離イソシアネ
ート基が存在しなくなるまで反応させて得られ、かつ実
質的に遊離のイソシアネート基を有さない一液熱硬化性
水性樹脂エマルションを含有することを特徴とする水性
一液コーティング剤、及び前記水性一液コーティング剤
を、80℃未満で基材に塗布した後、100〜300℃
で熱硬化させること、を特徴とするコーティング方法に
より解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性一液コーティ
ング剤及びそれを用いたコーティング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機溶剤を多く含有するコーティング剤
は、人体への悪影響、爆発火災等の安全衛生上の問題、
また、大気汚染等の公害問題を有する。そこで、これら
の問題点を改善するため、近年水性システム開発が活発
に行われている。一方、ウレタン系コーティング剤は、
様々な基材に対して良好な密着性を示す。そこで、ウレ
タン系コーティング剤の水性化の検討がなされている。
【0003】しかしながら、イソシアネート基は水との
反応性が高いため、水性化したウレタン系コーティング
剤は、貯蔵安定性に欠けるものとなりやすい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、貯蔵安定性
に優れ、環境に配慮して安全であり、短時間で基材への
密着性が発現し、良好な被膜特性を有する水性一液コー
ティング剤、及び作業性に優れたコーティング方法を提
供することを目的とする。
【0005】本発明者等は鋭意検討した結果、特定の水
分散体を用いた水性一液コーティング剤が、前記課題を
解決することを見いだし、本発明を完成させるに至っ
た。
【0006】すなわち本発明は、以下の(1)〜(6)
に示されるものである。 (1)少なくとも有機ジイソシアネートとイソシアネー
ト反応性基を有するシランカップリング剤を用いて、イ
ソシアネート基とイソシアネート反応性基を直接的に反
応させて得られる有機ポリイソシアネートの遊離イソシ
アネート基の一部をブロック剤により封鎖して得られた
部分ブロックイソシアネートを水に分散させて、イソシ
アネート基と水を実質的に遊離イソシアネート基が存在
しなくなるまで反応させて得られ、かつ実質的に遊離イ
ソシアネート基を有しない一液熱硬化性樹脂エマルショ
ンを含有すること、を特徴とする水性一液コーティング
剤。
【0007】(2)少なくとも有機ジイソシアネートと
イソシアネート基を有するシランカップリング剤を用い
て、イソシアネート基間を直接的又は間接的に反応させ
て得られる有機ポリイソシアネートの遊離イソシアネー
ト基の一部をブロック剤により封鎖して得られた部分ブ
ロックイソシアネートを水に分散させて、イソシアネー
ト基と水を実質的に遊離イソシアネート基が存在しなく
なるまで反応させて得られ、かつ実質的に遊離イソシア
ネート基を有しない一液熱硬化性樹脂エマルションを含
有すること、を特徴とする水性一液コーティング剤。
【0008】(3)有機ポリイソシアネートの遊離イソ
シアネート基の一部をブロック剤により封鎖して得られ
た部分ブロックイソシアネートとイソシアネート基を有
するシランカップリング剤を混合してから水に分散させ
て、イソシアネート基と水を実質的に遊離イソシアネー
ト基が存在しなくなるまで反応させて得られ、かつ実質
的に遊離イソシアネート基を有さない一液熱硬化性水性
樹脂エマルションを含有すること、を特徴とする水性一
液コーティング剤。
【0009】(4)シランカップリング剤を分子骨格に
導入した水性樹脂エマルジョンに有機ポリイソシアネー
トの遊離イソシアネート基の一部をブロック剤により封
鎖して得られた部分ブロックイソシアネートを分散させ
て、イソシアネート基と水を実質的に遊離イソシアネー
ト基が存在しなくなるまで反応させて得られ、かつ実質
的に遊離イソシアネート基を有さない一液熱硬化性水性
樹脂エマルションを含有すること、を特徴とする水性一
液コーティング剤。
【0010】(5)有機ポリイソシアネートが自己乳化
性ポリイソシアネートであること、を特徴とする前記
(1)〜(4)の水性一液コーティング剤。
【0011】(6)前記(1)〜(5)の水性一液コー
ティング剤を、80℃未満で基材に塗布した後、100
〜300℃で熱硬化させること、を特徴とするコーティ
ング方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の水性一液コーティング剤は、部分ブロッ
クイソシアネート、シランカップリング剤成分、水から
得られるもので、実質的に遊離のイソシアネート基を有
さない一液熱硬化性水性樹脂エマルションを含有するこ
とを特徴とする。なお「一液熱硬化性」とは、硬化剤や
架橋剤を用いることなくそれ単独で加熱することで硬化
するということである。また「硬化」とは、被膜にした
場合に少なくとも耐溶剤性を有する被膜になるというこ
とである。
【0013】本発明に用いられる有機ポリイソシアネー
トは水分散前の段階で、(イ)分子骨格内にシランカッ
プリング剤構造を有するもの、(ロ)分子骨格内にシラ
ンカップリング剤構造を有さないもの、に分類される。
【0014】前記(イ)の有機ポリイソシアネートは、
(イ−1)有機ジイソシアネートとイソシアネート反応
性基を有するシランカップリング剤を直接的に反応させ
て得られるもの、(イ−2)有機ジイソシアネートとイ
ソシアネート基を有するシランカップリング剤を直接的
又は間接的に反応させて得られるものがある。ここで
「直接的」とは、仲立ちとなる化合物を介することなく
という意味であり、「間接的」仲立ちとなる化合物を介
してという意味である。具体的には下記式に示すような
ことである。
【化1】
【化2】
【化3】 (R1、R2は2価の炭化水素基を示し、R3は1価の炭
化水素基を示し、R4は3価の炭化水素基を示しす。)
【0015】すなわち、式(1)、(2)の場合は、仲
立ちする化合物の存在なく「直接的」に有機ジイソシア
ネートとシランカップリング剤が反応していることにな
る。式(3)の場合は、仲立ちする化合物を介して「間
接的」に有機ジイソシアネートとシランカップリング剤
が反応していることになる。
【0016】前記(ロ)の有機ポリイソシアネートは、
当初は分子骨格内にシランカップリング剤構造を有して
いないが、水分散・反応後は分子骨格内にシランカップ
リング剤構造を有することになる。
【0017】本発明に用いられる有機ポリイソシアネー
トのイソシアネート含量は、1〜30質量%が好まし
く、特に1〜25質量%が好ましい。また、25℃にお
ける粘度は、5,000mPa・s以下が好ましく、特
に4,500mPa・s以下が好ましい。また、平均官
能基数は2〜5が好ましく、2〜4が特に好ましい。
【0018】前記有機ポリイソシアネートは、イソシア
ネート化合物、イソシアネート化合物に水、ポリカルボ
ン酸、ポリオール、ポリアミン、アミノアルコール等の
活性水素基含有化合物を反応させてウレア化、ウレタン
化、アミド化等させて得られるイソシアネート基含有変
性体、又はこれらの反応と同時、反応前、反応後のいず
れかにイソシアネート基を二量化(ウレトジオン結合、
カルボジイミド結合の生成)、三量化(イソシアヌレー
ト結合の生成)、高重合化(ウレトンイミン結合等の生
成)等させて得られるイソシアネート基含有変性体等が
挙げられ、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−
1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソ
シアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−
ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,
2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネー
ト、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイ
ソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−
フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジ
イソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネー
ト、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイ
ソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ポリフェニ
レンポリメチレンポリイソシアネート、クルードトリレ
ンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、テ
トラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、デカメチレンジイソシアネート、リジンジ
イソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネー
ト、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレン
ジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、前記イ
ソシアネートのビウレット変性体、ウレトジオン変性
体、カルボジイミド変性体、イソシアヌレート変性体、
ウレトンイミン変性体、これらの混合変性体等の変性ポ
リイソシアネートが挙げられる。
【0019】また、上記ポリイソシアネートと活性水素
基含有化合物を反応させたイソシアネート基末端プレポ
リマー、このプレポリマーを更にビウレット変性、ウレ
トジオン変性、カルボジイミド変性、イソシアヌレート
変性、ウレトンイミン変性、これらの混合変性させて得
られるポリイソシアネートも好適に使用することができ
る。
【0020】活性水素基含有化合物としては、具体的に
は水、(数平均)分子量62から500未満の低分子ポ
リオール、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコー
ル、数平均分子量500〜10,000の高分子ポリオ
ール等が挙げられる。これらの活性水素基含有化合物は
いずれも単独であるいは2種以上混合して使用すること
ができる。
【0021】低分子ポリオールとしては、エチレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,
5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタン
ジオール、1,9−ノナンジオール、デカメチレングリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2
−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−n−
ヘキサデカン−1,2−エチレングリコール、2−n−
エイコサン−1,2−エチレングリコール、2−n−オ
クタコサン−1,2−エチレングリコール、シクロヘキ
サン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジ
メタノール、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピ
ル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネー
ト、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、水素添加
ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサ
イド又はプロピレンオキサイド付加物、水素添加ビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサ
イド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘ
キサントリオール、クオドロール、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール等のイオン 性基を有さない低分子ポ
リオール類、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,
2−ジメチロールブタン酸等の−COOH含有低分子ポ
リオール類、−COOH含有低分子ポリオール類とアン
モニア、有機アミン、アルカリ金属、アルカリ土類金属
等との塩、2−スルホ−1,3−プロパンジオール、2
−スルホ−1,4−ブタンジオール等のスルホン酸基含
有低分子ポリオール類、スルホン酸基含有低分子ポリオ
ール類とアンモニア、有機アミン、アルカリ金属、アル
カリ土類金属等との塩等が挙げられる。
【0022】低分子ポリアミンとしては、エチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、
メンセンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、メタキシ
レンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。
【0023】低分子アミノアルコールとしては、モノエ
タノールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノー
ルアミン、ジプロパノールアミン等のモノアルカノール
アミン、ジアルカノールアミンが挙げられる。
【0024】高分子ポリオールとしては、ポリエステル
ポリオール、ポリアミドエステルポリオール、ポリカー
ボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエ
ーテルエステルポリオール、ポリオレフィンポリオー
ル、動植物系ポリオール等が挙げられる。
【0025】ポリエステルポリオールとしては、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、コハク酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキ
シルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイド
ロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,
β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸等のカチオン性基を有さな
いポリカルボン酸類、5−スルホ−イソフタル酸等のス
ルホン酸基含有ポリカルボン酸類やこのスルホン酸基含
有ポリカルボン酸とアンモニア、有機アミン、アルカリ
金属、アルカリ土類金属等との塩類、これらの酸無水
物、酸ハライド、ジアルキルエステル等の1種類以上
と、前述の低分子ポリオールとの反応によって得られる
もの等が挙げられる。更に、前述の低分子ポリオールを
開始剤として、ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−
カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ
−バレロラクトン等の環状エステル(いわゆるラクト
ン)モノマーを開環重合させて得られるラクトン系ポリ
エステルポリオール等が挙げられる。また更に、低分子
ポリオールの一部に替えてヘキサメチレンジアミン、イ
ソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ポ
リアミンや低分子アミノアルコールを用いて得られるポ
リアミドエステルポリオールが挙げられる。
【0026】ポリカーボネートポリオールとしては、前
述の低分子ポリオールの1種類以上と、エチレンカーボ
ネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネー
トとの脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られ
るものが挙げられる。
【0027】ポリエーテルポリオールとしては、前述の
低分子ポリオール、低分子ポリアミンや低分子アミノア
ルコールを開始剤として、エチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド等のアルキレンオキサイド、テトラヒド
ロフラン等の環状エーテルの単品又は混合物を開環重合
させて得られるもの等が挙げられる。
【0028】ポリエーテルエステルポリオールとして
は、前述のポリエーテルポリオールと前述のジカルボン
酸等から得られるコポリオール等が挙げられる。また、
前述のポリエステルやポリカーボネートと、アルキレン
オキサイドや環状エーテルとの反応で得られるものが挙
げられる。
【0029】ポリオレフィンポリオールとしては、水酸
基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタ
ジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン、こ
れらの塩素化物等が挙げられる。
【0030】動植物系ポリオールとしては、ヒマシ油系
ポリオール、絹フィブロイン等が挙げられる。
【0031】また、数平均分子量が500以上で、か
つ、1分子中に活性水素基を平均1個以上有するもので
あれば、ダイマー酸系ポリオール、水素添加ダイマー酸
系ポリオールの他に、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、ポ
リビニルアルコール等の活性水素基含有樹脂も使用でき
る。
【0032】イソシアネート反応性基を有するシランカ
ップリング剤としては、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン化合
物や、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β
−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン等のアミノシラン化合物や、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン化合物等
が挙げられる。
【0033】なお、エチレン性不飽和結合及び活性水素
基含有化合物を用いると、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビ
ニルシラン化合物を用いることができる。
【0034】イソシアネート基と活性水素基との反応に
おける温度は、0〜100℃が好ましく、更には20〜
80℃が好ましい。また、このときのイソシアネート基
と活性水素基のモル比は、イソシアネート基/活性水素
基=1.1/1〜2/1が好ましい。
【0035】イソシアネート基と活性水素基との反応に
おける温度は、0〜100℃が好ましく、更には20〜
80℃が好ましい。また、このときのイソシアネート基
と活性水素基のモル比は、イソシアネート基/活性水素
基=1.1/1〜100/1が好ましい。反応を早く進
めるため、触媒として、ポリウレタンやポリウレアの製
造において常用されるジブチル錫ジラウレート等の金属
触媒やトリエチルアミン等の三級アミン触媒を用いても
よい。
【0036】更に、その後反応を進めてアロファネート
化やビウレット化させてもよい。このときの反応温度は
80〜150℃が好ましい。このときの触媒としては、
カルボン酸の金属塩が挙げられる。
【0037】有機ジイソシアネート又はイソシアネート
基末端プレポリマーのカルボジイミド化(ウレトンイミ
ン化)変性は、公知のカルボジイミド化触媒の存在下で
反応温度を100〜200℃にして行う。また、これら
のウレトジオン化変性、イソシアヌレート化変性は、公
知のウレトジオン化触媒、イソシアヌレート化触媒のい
存在下、反応温度を0〜100℃にして行う。このとき
公知の助触媒を用いてもよい。
【0038】このときの反応装置としては、上記の反応
が達成できればいかなる装置でも良く、例えば、攪拌装
置の付いた反応釜やニーダー、一軸又は多軸押し出し反
応機等の混合混練装置が挙げられる。
【0039】本発明において、好ましい有機ポリイソシ
アネートは、被膜の密着性や耐久性の点から、イソシア
ヌレート・ウレタン変性ポリイソシアネートが好まし
い。自己乳化性を有さないポリイソシアネートは、水へ
の分散・イソシアネート基と水との反応の際に界面活性
剤を使用することで、一液熱硬化性水性樹脂エマルショ
ンを製造できるので使用可能である。この場合の界面活
性剤の量は非自己乳化性ポリイソシアネートに対して1
〜20質量%となる量が好ましい。なお「自己乳化性」
とは、界面活性剤や乳化剤を用いることなく自己単独で
水に分散する性質を有するということである。
【0040】本発明では、有機ポリイソシアネートは、
界面活性剤を必要としない自己乳化性ポリイソシアネー
トが好ましい。これは、被膜から界面活性剤がブリード
して外観不良や被膜強度低下するおそれが考えられるか
らである。
【0041】更に、特に好ましい有機ポリイソシアネー
トは、被膜の密着性や耐久性の点から、イソシアヌレー
ト・ウレタン変性ポリイソシアネートを親水性極性基及
び活性水素基を有する化合物(親水性変性剤)で変性さ
せて得られる自己乳化性ポリイソシアネートである。
【0042】上記親水性変性剤における親水性極性基
は、カチオン性親水性極性基、アニオン性親水性極性
基、ノニオン性親水性極性基のどれでもよいが、自己乳
化性ポリイソシアネートそのものの貯蔵安定性等を考慮
するとノニオン性親水性極性基が好ましい。特に好まし
い変性剤は、炭素数1〜10のモノオールを開始剤とし
て、アルキレンオキサイドを開環付加させて得られ、オ
キシエチレン基を50質量%以上含有し、かつ、数平均
分子量が200〜10,000である、ポリエーテルモ
ノオールである。
【0043】上記自己乳化性ポリイソシアネートにおい
て、ノニオン性変性剤の含有量は、0.1〜50質量%
が好ましく、0.5〜40質量%が特に好ましい。これ
は、ノニオン性変性剤が多すぎる場合は、被膜の機械的
強度や耐久性等が不十分となりやすい。また少なすぎる
場合は、得られるポリイソシアネートが、自己乳化しに
くくなりやすいためである。
【0044】また、自己乳化性ポリイソシアネートに
は、被膜の密着性等を考慮して、疎水性かつ1官能性の
活性水素基含有化合物を反応させることができる。この
活性水素基含有化合物としては、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブ
タノール、iso−ブタノール、t−ブタノール、ペン
タノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノー
ル、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、シ
クロヘキサノール、アルキレングリコールモノアルキル
エーテル等の低分子モノオール類、エチルアミン、ブチ
ルアミン、アニリン等の低分子1級モノアミン類、ジエ
チルアミン、ジブチルアミン、メチルアニリン等の低分
子2級モノアミン類、活性水素基含有ポリエステル、エ
チレンオキサイドユニットが50モル%未満の活性水素
基含有ポリエーテル、活性水素基含有ポリカーボネー
ト、活性水素基含有ポリオレフィン、リシノール酸等の
ような炭素数6以上のヒドロキシ高級脂肪酸やそのエス
テル等が挙げられる。
【0045】本発明において、好ましい有機ポリイソシ
アネートは、被膜の耐候性、耐熱性、密着性等を考慮す
ると、ヘキサメチレンジイソシアネートと低分子ポリオ
ールから得られるイソシアヌレート・ウレタン変性ポリ
イソシアネート(ウレタン化とイソシアヌレート化は同
時でも逐次でもよい)に、炭素数1〜5のモノオールを
開始剤として得られる、数平均分子量300〜2,00
0(特に好ましくは350〜800)のアルコキシポリ
エチレングリコールを反応させて得られる自己乳化性ポ
リイソシアネートである。
【0046】また、シランカップリング剤構造を導入す
るに際し、シランカップリング剤を分子骨格に導入した
水性樹脂エマルジョンに有機ポリイソシアネートを分散
させて、イソシアネート基と水を実質的に遊離イソシア
ネート基が存在しなくなるまで反応させて得られ、かつ
実質的に遊離イソシアネート基を有さない一液熱硬化性
水性樹脂エマルションを用いてもよい。この場合も結果
的には、得られる被膜内部において、有機ポリイソシア
ネートにシランカップリング剤が導入されることにな
る。
【0047】ここで、「シランカップリング剤構造を有
する水性樹脂エマルジョン」とは、水性樹脂エマルジョ
ンを製造する際、原料に前述のシランカップリング剤を
用いて得られるもので、シランカップリング剤構造を有
する水性アクリルエマルジョン、シランカップリング剤
構造を有する水性ポリウレタンエマルジョン、シランカ
ップリング剤構造を有する水性ポリエステルエマルジョ
ン等が挙げられる。
【0048】シランカップリング剤は樹脂固形分の0.
1〜10質量%が好ましく、特に0.5〜5質量%が好
ましい。これは、シランカップリング剤が多すぎる場合
は、被膜の機械的強度や耐久性等が不十分となりやす
い。また少なすぎる場合は、被膜の密着性が不十分とな
りやすいためである。
【0049】本発明に用いられるブロック剤は、特に制
限されず、公知のものから適宜1種以上を選択して使用
することができる。該ブロック剤としては、例えば、フ
ェノール系、アルコール系、活性メチレン系、メルカプ
タン系、酸アミド系、ラクタム系、酸イミド系、イミダ
ゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系化合物等が使
用できる。
【0050】より具体的には例えば、上記ブロック剤と
して、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブ
チルフェノール等のフェノール系化合物;2−ヒドロキ
シピリジン、ブチルセロソルブ、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルア
ルコール、メタノール、エタノール、n−ブタノール、
イソブタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコー
ル系化合物;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、ア
セト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン
等の活性メチレン系化合物;ブチルメルカプタン、ドデ
シルメルカプタン等のメルカプタン系化合物;アセトア
ニリド、酢酸アミド等の酸アミド系化合物、ε−カプロ
ラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等
のラクタム系化合物;コハク酸イミド、マレイン酸イミ
ド等の酸イミド系化合物、イミダゾール、2−メチルイ
ミダゾール等のイミダゾール系化合物;尿素、チオ尿
素、エチレン尿素等の尿素系化合物;ホルムアルドオキ
シム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチ
ルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシ
ム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系化合物;
ジフェニルアニリン、アニリン、カルバゾール、エチレ
ンイミン、ポリエチレンイミン等のアミン系化合物;ジ
メチルピラゾール、トリアゾール、N,N′−ジフェニ
ルホルムアミジン等が挙げられる。
【0051】上記したブロック剤の中でも、汎用性、製
造の簡易さ、作業性の点からは、メチルエチルケトオキ
シム、ε−カプロラクタム、2−エチルヘキサノールが
特に好ましい。
【0052】本発明では、有機ポリイソシアネートの遊
離のイソシアネート基の一部をブロック剤で封鎖するこ
とが肝要である。遊離のイソシアネート基の全部を封鎖
してしまうと、完全ブロックイソシアネートでは、水に
分散させたときに水と反応する部位がないことになる。
この分散液を一液コーティングに用いた場合、被膜物性
が低下することになる。有機ポリイソシアネートとブロ
ック剤との反応は、20〜200℃の通常のブロック化
反応条件に従って行うことができる。このときブロック
剤の仕込量は、遊離のイソシアネート基に対して0.1
〜0.5倍モル量が好ましい。ブロック剤が少なすぎる
と、被膜としたときに溶出物が多くなりやすい。またブ
ロック剤が多い場合は得られる部分ブロックイソシアネ
ートの粘度が高くなり、水分散工程が困難になりやす
い。また、被膜強度が低下する場合がある。このブロッ
ク化反応は、溶剤の存在の有無にかかわらず行うことが
できるが、必要に応じて、ウレタン工業で公知ないし常
用の不活性溶剤、触媒等を使用することもできる。
【0053】このようにして得られた自己乳化性部分ブ
ロックイソシアネートの粘度は、1,000〜500,
000mPa・sが好ましく、1,000〜200,0
00mPa・sが特に好ましい。また、イソシアネート
含量は5〜20質量%が好ましく、8〜18質量%が特
に好ましい。
【0054】次に具体的なコーティング剤の製造工程に
ついて述べる。まず、撹拌機のついた反応器に、水及び
有機ポリイソシアネートを仕込み、攪拌して乳化分散さ
せる。反応器は密閉しないことが肝要である。密閉型の
反応器を用いると、発生する炭酸ガスにより内圧が上昇
し、反応器そのものが破損するおそれがあるからであ
る。用いられる有機ポリイソシアネートが非自己乳化性
の場合は、界面活性剤を用いて水に乳化分散させる。分
散の途中から、イソシアネート基と水との反応が徐々に
進行する。このとき、攪拌は停止しないことが重要であ
る。攪拌を停止すると、粒子が凝集してしまうため、均
一な分散液にはならないからである。分散液内の粒子の
平均粒径は、攪拌速度、自己乳化性ポリイソシアネート
を用いる場合は導入される親水性極性基の導入量や種
類、非自己乳化性ポリイソシアネートを用いる場合は界
面活性剤の導入量や種類等で制御できる。なお、攪拌速
度は、毎分200回以上が好ましい。反応の終了は、イ
ソシアネート基が残存しなくなったところである。この
ときの反応温度は0〜100℃が好ましく、特に好まし
くは10〜80℃である。また、反応系における固形分
は10〜90質量%になるようにするのが好ましく、特
に20〜80質量%になるようにするのが好ましい。
【0055】このようにして得られた一液熱硬化性樹脂
エマルションの平均粒径は10〜1,000nmが好ま
しく、20〜500nmが特に好ましい。平均粒径が小
さすぎる場合は、エマルションを形成せず、粘度が大き
くなる場合がある。平均粒径が大きすぎる場合は、経時
で粒子が沈降する場合がある。なお、本発明における平
均粒径とは、動的光散乱法にて測定した値をキュムラン
ト法にて解析した値である。
【0056】本発明においては、前述のエマルションと
他樹脂系のエマルションをブレンドして使用できる。例
えば、ポリウレタンエマルション、アクリルエマルショ
ン、ポリエステルエマルション、ポリオレフィンエマル
ション、酢酸ビニルエマルション、ポリ塩化ビニルエマ
ルション、エチレン−酢酸ビニル系エマルション、塩化
ビニリデン系エマルション、ラテックス等である。
【0057】また、得られたエマルションには、必要に
応じて添加剤及び助剤を配合することができる。添加剤
及び助剤としては、顔料、染料、粘度調節剤、レベリン
グ剤、ゲル化防止剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、耐熱性向上剤、無機及び有機充填剤、可塑剤、滑
剤、帯電防止剤、補強材、触媒、揺変剤、界面活性剤、
乳化剤等が挙げられる。
【0058】このようにして得られた水性一液コーティ
ング剤には、遊離のイソシアネート基が実質的に存在し
ないものである。実質的に遊離のイソシアネート基が存
在する場合は、得られる被膜に「ふくれ」、「泡」、
「剥離」等が発生し、外観が悪いものとなりやすい。ま
た、貯蔵時にイソシアネート基と水との反応により炭酸
ガスが発生するため、容器の内圧が上昇し、容器が破損
しやすい。
【0059】次に具体的なコーティング手順について説
明する。コーティング剤の基材への塗布温度は、タレや
水の急激な蒸発を防ぐため、100℃未満好ましくは常
温である。コーティング剤の塗布量は、固形分100質
量%換算で、1〜100g/m2 、好ましくは2〜80
g/m2 である。塗布方法としては、刷毛、バーコータ
ー、ドクターブレード、リバースロール、グラビアロー
ル、スピンナーコート、エクストルーダ等公知の方法が
用いられる。
【0060】本発明のコーティング方法における基材
は、コーティング剤の塗布後に加熱することから、耐熱
性があることが必要である。本発明のコーティング方法
に最適な基材は金属系の基材である。
【0061】コーティング剤を塗布した後、100〜3
00℃、好ましくは120〜280℃で加熱硬化させ
る。また、加熱時間は30秒間〜120分間であること
が好ましく、特に5〜60分間が好ましい。本発明は短
時間で物性の優れた被膜を得ることが可能であるため、
長すぎる加熱時間は、エネルギーの浪費であるばかり
か、被膜に不必要な熱履歴を与えることになる。なお、
加熱硬化させる前に、100℃未満好ましくは80℃以
下で5〜60分間、水を蒸発させておくのが好ましい。
【0062】本発明において水性一液コーティング剤の
硬化機構は不明であるが、例えば、アミノ基とウレタン
基間、アミノ基とウレア基間、ウレア基同士、ウレタン
基同士、ウレタン基とウレア基間の交換反応により硬化
していると考えられる。また、ブロック剤が解離して発
生したイソシアネート基も硬化反応に関与していると考
えられ、例えば、ウレタン化反応、ウレア化反応、アロ
ファネート化反応、ビウレット化反応、ウレトジオン化
反応、イソシアヌレート化反応等が起こると考えられ
る。
【0063】本発明のコーティング方法においては、実
質的にイソシアネート基を有しない一液熱硬化性樹脂エ
マルションを含有する水性一液コーティング剤を単独で
使用するので、二液タイプの水性コーティング剤に比較
して、作業性が良好であるという利点を有する。
【0064】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
以下の実施例において、特に断らない限り、「%」は質
量%を意味する。
【0065】〔自己乳化性部分ブロックイソシアネート
の製造〕 製造例1 撹拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた容量:
2,000mlの反応器内を窒素置換した後、ヘキサメ
チレンジイソシアネート(HDI)を1,200.0
g、1,3−ブタンジオール(1,3−BD)を9.6
gを仕込み、撹拌しながら80℃で2時間ウレタン化反
応させた。反応液のイソシアネート含量を測定したとこ
ろ、48.8%であった。次に、触媒としてカプリン酸
カリウム0.24g、助触媒としてフェノール1.2g
を加え、60℃で4.5時間イソシアヌレート化反応を
行った。この反応液に停止剤としてリン酸を0.17g
加え、60℃で1時間撹拌後、遊離HDIを薄膜蒸留
(条件:120℃、1.3Pa)により除去して、ポリ
イソシアネート前駆体A−1を得た。A−1は、イソシ
アヌレート・ウレタン変性ポリイソシアネートA−1で
あり、淡黄色透明液体で、イソシアネート含量:21.
1%、25℃の粘度:2,200mPa・s、遊離HD
I含有量:0.4%、平均官能基数:3.7であり、F
T−IR及び13C−NMRからイソシアネート基、イソ
シアヌレート基及びウレタン基の存在が確認された。撹
拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた容量:
1,000mlの反応器内を窒素置換した後、A−1を
500.0g、数平均分子量400のメトキシポリエチ
レングリコール(MPEG−400、商品名:メトキシ
PEG#400、東邦千葉化学製)を80.0g仕込
み、75℃で3時間反応させて、イソシアネート含量:
16.9%、25℃の粘度:2,410mPa・s、遊
離HDI含有量:0.2%、平均官能基数:3.5の淡
黄色透明液体の自己乳化性ポリイソシアネートNCO−
Aを得た。前記反応器と同様な別の反応器内を窒素置換
した後、NCO−Aを441.0g、メチルエチルケト
ンオキシム(MEKO)を54.0g仕込み、80℃で
3時間反応させて、ブロック化率:35モル%、ブロッ
ク化後のイソシアネート含量:9.8%、25℃の粘
度:15,700mPa・sの自己乳化性部分ブロック
イソシアネートHB−1を得た。なお、「ブロック化後
のイソシアネート含量」とは、ブロックされているイソ
シアネート基、すなわち潜在的なイソシアネート基を含
まない値であり、以後の製造例においても同様である。
【0066】製造例2 製造例1と同様な容量:1,000mlの反応器に、H
DIを600.0g、2−n−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオール(DMH)を23.8g、M
PEG−400を24.0g、リシノレイン酸メチルを
8.0g加え、反応器内を窒素置換して、撹拌しながら
75℃で3時間ウレタン化反応させた。この反応液のイ
ソシアネート含量を測定したところ、43.2%であっ
た。次に、触媒としてプロピオン酸カリウム0.12
g、フェノール0.6g用いて60℃で4.5時間イソ
シアヌレート化反応を行った。この反応液に停止剤とし
てリン酸を0.084g加え、反応温度で1時間撹拌
後、遊離HDIを薄膜蒸留(条件:120℃、1.3P
a)により除去して、ポリイソシアネート前駆体B−1
を得た。B−1は、イソシアヌレート・ウレタン変性ポ
リイソシアネートであり、イソシアネート含量:20.
9%、25℃の粘度650mPa・s、遊離HDI含有
量:0.4%、平均官能基数:2.9の淡黄色透明液体
であり、FT−IR及び13C−NMR測定したところ、
イソシアネート基、イソシアヌレート基及びウレタン基
の存在が確認された。前記反応器と同様な別の反応器内
を窒素置換した後、B−1を495.0g、γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン(商品名:A−18
9、日本ユニカー製)を5.0g仕込み、75℃で3時
間反応させて、イソシアネート含量:20.5%、25
℃の粘度:660mPa・s、遊離HDI含有量:0.
2%、平均官能基数:2.9の淡黄色透明液体の自己乳
化性ポリイソシアネートNCO−Bを得た。前記反応器
と同様な別の反応器内を窒素置換した後、NCO−Bを
419.8g、MEKOを80.2g仕込み、80℃で
3時間反応させて、ブロック化率:45モル%、ブロッ
ク化後のイソシアネート含量:9.5%、25℃の粘
度:63,600mPa・sの自己乳化性部分ブロック
イソシアネートHB−2を得た。
【0067】製造例3 製造例2と同様な反応器内を窒素置換した後、A−1を
500.0g、界面活性剤としてポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテルリン酸エステル(商品名:ニュー
コール565−PS、日本乳化剤製の酸性リン酸エステ
ル)のトリエチルアミン中和塩を80.0g仕込み、7
5℃で1時間混合させて、イソシアネート含量:14.
3%、25℃の粘度2,820mPa・s、遊離HDI
含有量:0.1%、平均官能基数:3.5の淡黄色透明
の自己乳化性ポリイソシアネートNCO−Cを得た。前
記反応器と同様な別の反応器内を窒素置換した後、NC
O−Cを434.9g、MEKOを45.1g仕込み、
80℃で3時間反応させて、ブロック化率:35モル
%、ブロック化後のイソシアネート含量:8.4%、2
5℃の粘度:12,200mPa・sの自己乳化性部分
ブロックイソシアネートHB−3を得た。
【0068】製造例4 製造例2と同様な反応器内を窒素置換した後、HDIを
600.0g、DMHを4.6gを仕込み、撹拌しなが
ら70℃で3時間反応させた。このときの反応液のイソ
シアネート含量を測定したところ、49.1%であっ
た。次にγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
(商品名:A−187、日本ユニカー製)を4.0g仕
込み、更に触媒としてヨウ化テトラメチルアンモニウム
1.0gを加え、150℃で3時間オキサゾリドン化反
応を行い、60℃に冷却して8時間イソシアヌレート化
反応を行った。この反応液にパラトルエンスルホン酸メ
チルを0.66g加え、反応を停止させた後、遊離HD
Iを薄膜蒸留(条件:120℃、1.3Pa)により除
去して、ポリイソシアネート前駆体D−1を得た。D−
1は、イソシアヌレート・オキサゾリドン・ウレタン変
性ポリイソシアネートであり、イソシアネート含量:2
2.3%、25℃の粘度:100.0mPa・s、遊離
HDI含有量:0.4%、平均官能基数:2.3の淡黄
色透明液体であり、FT−IR及び13C−NMR測定し
たところ、イソシアネート基、イソシアヌレート基、オ
キサゾリドン基、及びウレタン基の存在が確認された。
前記反応器と同様な別の反応器内を窒素置換した後、D
−1を350.0g、イソホロンジイソシアネートのイ
ソシアヌレート変性ポリイソシアネート(商品名:ヴェ
スタナット T−1890、NCO含量17.0%、ヒ
ュルス製)を150.0g、MPEG−400を80.
0g仕込み、75℃で3時間反応させて、イソシアネー
ト含量:16.4%、25℃の粘度:810mPa・
s、遊離HDI含有量:0.2%、平均官能基数:2.
4の淡黄色透明液体の自己乳化性ポリイソシアネートN
CO−Dを得た。前記反応器と同様な別の反応器内を窒
素置換した後、NCO−Dを446.9g、MEKOを
53.1g仕込み、80℃で3時間反応させて、ブロッ
ク化率:35モル%、ブロック化後のイソシアネート含
量:9.5%、25℃の粘度:9,910mPa・sの
自己乳化性部分ブロックイソシアネートHB−4を得
た。
【0069】製造例5 製造例2と同様な反応器内を窒素置換した後、γ−イソ
シアネートプロピルトリエトキシシラン(商品名:A−
1310、日本ユニカー製)とグリセリンの反応物(A
−1310/グリセリン=1/3、質量比)を8.0
g、HDIを600.0g仕込み、撹拌しながら80℃
で2時間ウレタン化反応させた。反応液のイソシアネー
ト含量を測定したところ、48.0%であった。次に、
触媒としてカプリン酸カリウム0.12g、助触媒とし
てフェノール0.6gを加え、60℃で4.5時間イソ
シアヌレート化反応を行った。この反応液に停止剤とし
てリン酸を0.084g加え、60℃で1時間撹拌後、
遊離HDIを薄膜蒸留(条件:120℃、1.3Pa)
により除去して、ポリイソシアネート前駆体E−1を得
た。E−1は、イソシアヌレート・ウレタン変性ポリイ
ソシアネートであり、淡黄色透明液体で、イソシアネー
ト含量:21.3%、25℃の粘度:2,400mPa
・s、遊離HDI含有量:0.3%、平均官能基数:
3.9であり、FT−IR及び13C−NMRからイソシ
アネート基、イソシアヌレート基及びウレタン基の存在
が確認された。前記反応器と同様な別の反応器内を窒素
置換した後、E−1を500.0g、MPEG−400
を80.0g仕込み、75℃で3時間反応させて、イソ
シアネート含量:16.9%、25℃の粘度:2,80
0mPa・s、遊離HDI含有量:0.1%、平均官能
基数:3.6の淡黄色透明液体の自己乳化性ポリイソシ
アネートNCO−Eを得た。前記反応器と同様な別の反
応器内を窒素置換した後、NCO−Eを445.4g、
MEKOを54.6g仕込み、80℃で3時間反応させ
て、ブロック化率:35モル%、ブロック化後のイソシ
アネート含量:9.8%、25℃の粘度:13,100
mPa・sの自己乳化性部分ブロックイソシアネートH
B−5を得た。
【0070】製造例6 撹拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた容量:
2,000mlの反応器内を窒素置換した後、HDIを
1200.0g、1,3−BDを9.6g、A−131
0を4.0gを仕込み、撹拌しながら80℃で2時間ウ
レタン化反応させた。反応液のイソシアネート含量を測
定したところ、48.9%であった。次に、触媒として
カプリン酸カリウム0.24g、助触媒としてフェノー
ル1.2gを加え、60℃で4.5時間イソシアヌレー
ト化反応を行った。この反応液に停止剤としてリン酸を
0.17g加え、60℃で1時間撹拌後、遊離HDIを
薄膜蒸留(条件:120℃、1.3Pa)により除去し
て、ポリイソシアネート前駆体F−1を得た。F−1
は、イソシアヌレート・ウレタン変性ポリイソシアネー
トであり、淡黄色透明液体で、イソシアネート含量:2
1.1%、25℃の粘度:2,000mPa・s、遊離
HDI含有量:0.3%、平均官能基数:3.6であ
り、FT−IR及び13C−NMRからイソシアネート
基、イソシアヌレート基及びウレタン基の存在が確認さ
れた。撹拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた
容量:1,000mlの反応器内を窒素置換した後、F
−1を500.0g、MPEG−400を80.0g仕
込み、75℃で3時間反応させて、イソシアネート含
量:17.0%、25℃の粘度:2,150mPa・
s、遊離HDI含有量:0.2%、平均官能基数:3.
4の淡黄色透明液体の自己乳化性ポリイソシアネートN
CO−Fを得た。前記反応器と同様な別の反応器内を窒
素置換した後、NCO−Fを459.5g、MEKOを
40.5g仕込み、80℃で3時間反応させて、ブロッ
ク化率:25モル%、ブロック化後のイソシアネート含
量:11.7%、25℃の粘度:11,800mPa・
sの自己乳化性部分ブロックイソシアネートHB−6を
得た。
【0071】〔自己乳化性ブロックイソシアネートの製
造〕 製造例7 撹拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた容量:
1,000ml反応器内を窒素置換した後、F−1を5
00.0g、MPEG−400を100.0g仕込み、
75℃で3時間反応させて、イソシアネート含量:1
5.9%、25℃の粘度:2,370mPa・s、遊離
HDI含有量:0.2%、平均官能基数:3.3の淡黄
色透明液体の自己乳化性ポリイソシアネートNCO−G
を得た。前記反応器と同様な別の反応器内を窒素置換し
た後、NCO−Gを376.0g、MEKOを124.
0g仕込み、80℃で3時間反応させて、ブロック化
率:100モル%、25℃の粘度:98,600mPa
・s、淡黄色透明液体の自己乳化性ブロックイソシアネ
ートPB−1を得た。
【0072】〔一液熱硬化性水性樹脂エマルションの製
造、貯蔵安定性〕 実施例1 製造例1と同様な反応器に、部分ブロックイソシアネー
トHB−1を297.0g、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン(商品名:A−1100、日本ユニカー
製)を3.0g、イオン交換水を700.0g仕込み、
2,000rpmで30秒間急速撹拌して、部分ブロッ
クイソシアネートの水分散液とした。その後、撹拌速度
を落として、常温でFT−IRのイソシアネート基の吸
収ピークが確認されなくなるまで反応させて、一液熱硬
化性水性樹脂エマルションEM−1を得た。EM−1の
平均粒径は140nmであった。EM−1を密閉容器に
入れて冷暗所で3ヶ月保管しておいたところ、外観の変
化は認められなかった。
【0073】実施例2 製造例1と同様な反応器に、部分ブロックイソシアネー
トHB−2を200.0g、イオン交換水を800.0
g仕込み、2,000rpmで30秒間急速撹拌して、
部分ブロックイソシアネートの水分散液とした。その
後、撹拌速度を落として、常温でFT−IRのイソシア
ネート基の吸収ピークが確認されなくなるまで反応させ
て、一液熱硬化性水性樹脂エマルションEM−2を得
た。EM−2の平均粒径は130nmであった。EM−
2を密閉容器に入れて冷暗所で3ヶ月保管しておいたと
ころ、外観の変化は認められなかった。
【0074】実施例3 撹拌機、温度計、ガス解放弁、冷却器のついた容量:
2,000mlの反応器に、部分ブロックイソシアネー
トHB−3を96.0g、A−1310を4.0g、イ
オン交換水を900.0g仕込み、2,000rpmで
30秒間急速撹拌して、部分ブロックイソシアネートの
水分散液とした。その後、撹拌速度を落として、常温で
FT−IRのイソシアネート基の吸収ピークが確認され
なくなるまで反応させて、一液熱硬化性水性樹脂エマル
ションEM−3を得た。EM−3の平均粒径は110n
mであった。EM−3を密閉容器に入れて冷暗所で3ヶ
月保管しておいたところ、外観の変化は認められなかっ
た。
【0075】実施例4 製造例1と同様な反応器に、部分ブロックイソシアネー
トHB−4を200.0g、イオン交換水を800.0
g仕込み、2,000rpmで30秒間急速撹拌して、
部分ブロックイソシアネートの水分散液とした。その
後、撹拌速度を落として、常温でFT−IRのイソシア
ネート基の吸収ピークが確認されなくなるまで反応させ
て、一液熱硬化性水性樹脂エマルションEM−4を得
た。EM−4の平均粒径は190nmであった。EM−
4を密閉容器に入れて冷暗所で3ヶ月保管しておいたと
ころ、外観の変化は認められなかった。
【0076】実施例5 製造例1と同様な反応器に、部分ブロックイソシアネー
トHB−5を200.0g、イオン交換水を800.0
g仕込み、2,000rpmで30秒間急速撹拌して、
部分ブロックイソシアネートの水分散液とした。その
後、撹拌速度を落として、常温でFT−IRのイソシア
ネート基の吸収ピークが確認されなくなるまで反応させ
て、一液熱硬化性水性樹脂エマルションEM−5を得
た。EM−5の平均粒径は160nmであった。EM−
5を密閉容器に入れて冷暗所で3ヶ月保管しておいたと
ころ、外観の変化は認められなかった。
【0077】実施例6 製造例1と同様な反応器に、部分ブロックイソシアネー
トHB−6を300.0g、イオン交換水を700.0
g仕込み、2,000rpmで30秒間急速撹拌して、
部分ブロックイソシアネートの水分散液とした。その
後、撹拌速度を落として、常温でFT−IRのイソシア
ネート基の吸収ピークが確認されなくなるまで反応させ
て、一液熱硬化性水性樹脂エマルションEM−6を得
た。EM−6の平均粒径は130nmであった。EM−
6を密閉容器に入れて冷暗所で3ヶ月保管しておいたと
ころ、外観の変化は認められなかった。
【0078】実施例7 製造例1と同様な反応器に、シランカップリング剤構造
を有さない水性アクリルエマルションAE−1(固形
分:50%、25℃の粘度:300mPa・s、商品
名:WA−1015ND、亜細亜工業製)を800.0
g、EM−4を500.0g(NCO−D/水=2/
8)仕込み、常温で1時間混合して、一液熱硬化性水性
樹脂エマルションEM−7を得た。EM−7の平均粒径
は220nmであった。EM−7を密閉容器に入れて冷
暗所で3ヶ月保管しておいたところ、外観の変化は認め
られなかった。
【0079】実施例8 製造例1と同様な反応器に、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムを3.0g、エチレンオキサイド40モル
と反応させたp−ノニルフェノールを20.0g、過硫
酸カリウムを1.0g、イオン交換水542.0gを仕
込み窒素置換した後70℃で撹拌した。同反応器にあら
かじめ調整したアクリル酸ブチル225.0g、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル194.0g、γ−メタク
リロキシプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBE
503、信越化学工業製)10.0g、アクリル酸5.
0gの混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後更に
1.5時間70℃に保持して乳化重合させた後冷却して
水性アクリルエマルジョンAE−2を得た。次に製造例
1と同様な反応器に、部分ブロックイソシアネートHB
−1を225.0g、イオン交換水を275.0g、水
性アクリルエマルジョンAE−2を500.0g仕込
み、2,000rpmで30秒間急速撹拌して、ポリイ
ソシアネートの水分散液とした。その後、撹拌速度を落
として、常温でFT−IRのイソシアネート基の吸収ピ
ークが確認されなくなるまで反応させて、一液熱硬化性
水性樹脂エマルションEM−8を得た。EM−8の平均
粒径は140nmであった。EM−8を密閉容器に入れ
て冷暗所で3ヶ月保管しておいたところ、外観の変化は
認められなかった。
【0080】比較例1 製造例1と同様な反応器に、自己乳化性ポリイソシアネ
ートNCO−Aを300.0g、イオン交換水を70
0.0g仕込み、2,000rpmで30秒間急速撹拌
して、ポリイソシアネートの水分散液とした。その後、
撹拌速度を落として、常温でFT−IRのイソシアネー
ト基の吸収ピークが確認されなくなるまで反応させて、
一液熱硬化性水性樹脂エマルションEM−9を得た。E
M−9の平均粒径は150nmであった。EM−9を密
閉容器に入れて冷暗所で3ヶ月保管しておいたところ、
外観の変化は認められなかった。
【0081】比較例2 製造例1と同様な反応器に、自己乳化性ポリイソシアネ
ートNCO−Bを300.0g、イオン交換水を70
0.0g仕込み、2,000rpmで30秒間急速撹拌
して、ポリイソシアネートの水分散液とした。その後、
撹拌速度を落として、常温でFT−IRのイソシアネー
ト基の吸収ピークが確認されなくなるまで反応させて、
一液熱硬化性水性樹脂エマルションEM−10を得た。
EM−10の平均粒径は160nmであった。EM−1
0を密閉容器に入れて冷暗所で3ヶ月保管しておいたと
ころ、外観の変化は認められなかった。
【0082】比較例3 製造例1と同様な反応器に、自己乳化性ブロックイソシ
アネートPB−1を300.0g、イオン交換水を70
0.0g仕込み、2,000rpmで30秒間急速撹拌
して、ポリイソシアネートの水分散液として、一液熱硬
化性水性樹脂エマルションEM−10を得た。EM−1
1の平均粒径は130nmであった。EM−11を密閉
容器に入れて冷暗所で3ヶ月保管しておいたところ、外
観の変化は認められなかった。
【0083】比較例4 実施例7で用いた水性アクリルエマルションAE−2そ
のものをEM−10とした。EM−11の平均粒径は1
40nmであった。EM−11を密閉容器に入れて冷暗
所で3ヶ月保管しておいたところ、外観の変化は認めら
れなかった。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
【表4】
【0088】
【表5】
【0089】 製造例1〜9、表1〜5において HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート 1,3−BD :1,3−ブタンジオール DMH :2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパン ジオール A−189 :γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン 商品名;A−189 日本ユニカー製 A−187 :γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 商品名;A−187 日本ユニカー製 A−1310 :γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン 商品名;A−1310 日本ユニカー製 MPEG−400 :メトキシポリエチレングリコール 数平均分子量=400 商品名;メトキシPEG#400 東邦千葉化学製 T−1890 :イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート 変性ポリイソシアネート 商品名;ヴェスタナット T−1890 NCO含量=17.0% ヒュルス製 ニューコール565−PS塩:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン 酸エステル(商品名:ニューコール565−PS 日本乳化剤製の酸性リン酸エステル)のトリエチ ルアミン中和塩
【0090】実施例9〜24、比較例5〜8製造直後の
EM−1〜12及び冷暗所で3ヶ月保管したEM−1〜
8をそのまま水性一液コーティング剤として用いて評価
した。コーティング剤をアルミニウム板に塗布し、加熱
硬化により被膜を得た。硬化後、直ちに被膜の性能試験
を行った。結果を表6(製造直後、実施例)、表7(製
造直後、比較例)、及び表8(3ヶ月経時、実施例)に
示す。
【0091】〔塗布、硬化条件〕 基材 :アルミニウム板(50mm×25mm×0.
5mm)コーティング剤塗布面に、メチルエチルケトン
をしみ込ませた脱脂綿にて脱脂。 塗布量 :50g/m2 塗布温度:20℃ 硬化条件: 被膜乾燥条件;70℃×20分間 硬化時間 ;30分 硬化温度 ;180℃ 〔性能試験〕 被膜外観 :被膜表面を目視にて評価。 ラビング試験:被膜にキシレンをしみ込ませた脱脂綿を100回擦り付け、被膜 外観の変化を観察。 耐屈曲性 :JIS K5400に準じて測定。 心棒の直径は2mmのものを使用。 密着性 :JIS K5400、碁盤目テープ法に準じて測定 溶出試験 :厚生省告示第20号(昭和57年)過マンガン酸カリウム消費量 により評価
【0092】
【表6】
【0093】
【表7】
【0094】
【表8】
【0095】〔評価基準〕 外観 ○:被膜に割れや剥がれ等が認められない ×:被膜に割れや剥がれ等が認められる ラビング試験 ○:被膜に傷等がほとんど確認できない △:被膜に傷等が多少確認できる ×:被膜に傷等がかなり確認できる 耐屈曲性 ○:被膜に割れや剥がれ等が認められない ×:被膜に割れや剥がれ等が認められる 密着性 ○:被膜残存率が80%以上 △:被膜残存率が50%以上80%未満 ×:被膜残存率が50%未満 溶出試験 ○:溶出物が5ppm未満 ×:溶出物が5ppm以上
【0096】表6〜8より、自己乳化性イソシアネート
を水に分散させて、イソシアネート基と水を実質的に遊
離イソシアネート基が存在しなくなるまで反応させて得
られ、かつ実質的に遊離イソシアネート基を有しない一
液熱硬化性樹脂エマルションからなる水性一液コーティ
ング剤(EM−9、10)は、特に溶出試験の成績がよ
くなかった。これは、被膜形成段階において、オリゴマ
ー成分が被膜にほとんど取り込まれなかったためと考え
られる。完全ブロックイソシアネートを水に分散させて
得られた水性一液コーティング剤(EM−11)は、水
分散時の分子成長反応がないため、ラビング試験等が多
少劣るものであった。アクリルエマルションのみからな
る水性一液コーティング剤(EM−12)は、架橋反応
をすることがないので、ラビング試験等が劣るものであ
った。
【0097】一方、自己乳化性部分ブロックイソシアネ
ートを水に分散させて、イソシアネート基と水を実質的
に遊離イソシアネート基が存在しなくなるまで反応させ
て得られ、かつ実質的に遊離イソシアネート基を有しな
い一液熱硬化性樹脂エマルションを有する水性一液コー
ティング剤は良好な被膜物性を示した。
【0098】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によりはじめ
て、短時間で密着性が発現して良好な被膜が得られる水
性一液コーティング剤、及び作業性に優れたコーティン
グ方法を提供することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 DG271 DG281 DG301 JC30 KA09 MA08 MA10 NA12 NA23 NA26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも有機ジイソシアネートとイソ
    シアネート反応性基を有するシランカップリング剤を用
    いて、イソシアネート基とイソシアネート反応性基を直
    接的に反応させて得られる有機ポリイソシアネートの遊
    離イソシアネート基の一部をブロック剤により封鎖して
    得られた部分ブロックイソシアネートを水に分散させ
    て、イソシアネート基と水を実質的に遊離イソシアネー
    ト基が存在しなくなるまで反応させて得られ、かつ実質
    的に遊離イソシアネート基を有しない一液熱硬化性樹脂
    エマルションを含有すること、を特徴とする水性一液コ
    ーティング剤。
  2. 【請求項2】 少なくとも有機ジイソシアネートとイソ
    シアネート基を有するシランカップリング剤を用いて、
    イソシアネート基間を直接的又は間接的に反応させて得
    られる有機ポリイソシアネートの遊離イソシアネート基
    の一部をブロック剤により封鎖して得られた部分ブロッ
    クイソシアネートを水に分散させて、イソシアネート基
    と水を実質的に遊離イソシアネート基が存在しなくなる
    まで反応させて得られ、かつ実質的に遊離イソシアネー
    ト基を有しない一液熱硬化性樹脂エマルションを含有す
    ること、を特徴とする水性一液コーティング剤。
  3. 【請求項3】 有機ポリイソシアネートの遊離イソシア
    ネート基の一部をブロック剤により封鎖して得られた部
    分ブロックイソシアネートとイソシアネート基を有する
    シランカップリング剤を混合してから水に分散させて、
    イソシアネート基と水を実質的に遊離イソシアネート基
    が存在しなくなるまで反応させて得られ、かつ実質的に
    遊離イソシアネート基を有さない一液熱硬化性水性樹脂
    エマルションを含有すること、を特徴とする水性一液コ
    ーティング剤。
  4. 【請求項4】 シランカップリング剤を分子骨格に導入
    した水性樹脂エマルジョンに有機ポリイソシアネートの
    遊離イソシアネート基の一部をブロック剤により封鎖し
    て得られた部分ブロックイソシアネートを分散させて、
    イソシアネート基と水を実質的に遊離イソシアネート基
    が存在しなくなるまで反応させて得られ、かつ実質的に
    遊離イソシアネート基を有さない一液熱硬化性水性樹脂
    エマルションを含有すること、を特徴とする水性一液コ
    ーティング剤。
  5. 【請求項5】 有機ポリイソシアネートが自己乳化性ポ
    リイソシアネートであること、を特徴とする請求項1か
    ら4のいずれか1項に記載の水性一液コーティング剤。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項に記載の
    水性一液コーティング剤を、80℃未満で基材に塗布し
    た後、100〜300℃で熱硬化させること、を特徴と
    するコーティング方法。
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