JP2560428B2 - 効果装置 - Google Patents

効果装置

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JP2560428B2 JP63155152A JP15515288A JP2560428B2 JP 2560428 B2 JP2560428 B2 JP 2560428B2 JP 63155152 A JP63155152 A JP 63155152A JP 15515288 A JP15515288 A JP 15515288A JP 2560428 B2 JP2560428 B2 JP 2560428B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電子楽器などにおいて使用される効果装
置に関し、特に、楽音信号を遅延することに基づき所定
の効果を付与するものにおいて、遅延長を切り換えたと
きに生ずるクリックノイズを除去するようにしたことに
関する。
〔従来の技術〕
電子楽器などにおいて使用される効果装置において
は、ディジタル遅延装置を用いて「ディレイ」、「リバ
ーブ」、「フェイザー」、「ビブラート」、「トレモ
ロ」等の変調効果を付与するようにしたものがある(例
えば、特開昭58−14191号、特開昭58−14898号、特開昭
58−50595号、特開昭58−108583号など)。
〔発明が解決しようとする課題〕
ディジタル遅延装置における遅延長は、楽音信号を処
理している最中に、演奏者の操作に応じてあるいはプロ
グラム等に応じて自動的に変更されることがあるが、そ
のような場合、変更前の遅延出力信号と変更後の遅延出
力信号の位相が不連続になることによって、切り替わり
部分でクリックノイズが発生するという不都合があっ
た。特に、リバーブのように、遅延出力信号が遅延装置
の入力側に帰還する効果の場合は、そのようなクリック
ノイズが循環してしまうので、問題が大きい。
この発明はそのようなクリックノイズを除去すること
ができるようにした効果装置を提供しようとするもので
ある。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、入力した楽音信号を遅延出力し、この遅
延長を切り替えることができる可変遅延手段を具え、こ
の遅延に基づく効果を該楽音信号に対して付与する効果
装置において、この可変遅延手段の遅延長を変更すべき
ことが指示されたとき、変更前の遅延長に対応する前記
可変遅延手段の出力信号に対して減衰エンベロープを付
与することを指示する第1の指示手段と、前記第1の指
示手段による指示の後、或る時間が経過したとき前記可
変遅延手段の遅延長を変更することを指示すると共に、
変更後の遅延長に対応する前記可変遅延手段の出力信号
に対して立上りエンベロープを付与することを指示する
第2の指示手段と、前記第1の指示手段による指示に応
答して前記変更前の遅延長に対応する前記可変遅延手段
の出力信号に対して減衰エンベロープを付与し、また、
前記第2の指示手段による指示に応答して前記変更後の
遅延長に対応する前記可変遅延手段の出力信号に対して
立上りエンベロープを付与するエンベロープ付与手段と
を具え、遅延長を変更するときに生じるクリックノイズ
を除去したことを特徴とするものである。
後述する実施例との対応を示すと、可変遅延手段はデ
イジタルメモリ12に、第1の指示手段は変化検出回路32
及びその出力S1に、第2の指示手段は遅延タイマ33及び
その出力S2に、エンベロープ付与手段は制御信号発生回
路34及び乗算器18に、夫々概ね対応する。
前記第2の指示手段は、前記第1の指示手段による指
示の後、前記減衰エンベロープに基づく信号のレベルが
所定レベル以下となったことを検出し、該所定レベル以
下となったことが検出されたことに基づいて前記可変遅
延手段の遅延長を変更することを指示すると共に、変更
後の遅延長に対応する前記可変遅延手段の出力信号に対
して立上りエンベロープを付与することを指示するよう
にしたものであってもよい。その場合は、第2の指示手
段は実施例における所定レベル以下検出回路35及び立上
り微分回路36及びその出力S2′の部分に概ね対応してい
る。
〔作用〕
遅延長を変更すべきとき、変更前の遅延長に対応する
可変遅延手段の出力信号に対して減衰エンベロープが付
与され、その後、変更後の遅延長に対応する可変遅延手
段の出力信号に対して立上りエンベロープが付与され
る。従って、変更前の遅延長に対応する可変遅延手段の
出力信号が徐々に減衰し、それから可変遅延手段の出力
が変更後の遅延長に対応する信号に切り替わって徐々に
立ち上がる。これより、変更前の遅延長に対応する可変
遅延手段の出力信号の位相と変更後の遅延長に対応する
可変遅延手段の出力信号の位相とが合っていなかったと
しても、その切り替わり部分の信号レベルが減衰特性と
それに引き続く立上り特性とによって抑制されるので、
クリックノイズが除去される。
〔実施例〕
以下、添付図面を参照してこの発明の実施例につき詳
細に説明しよう。
第1図においては、電子楽器のリバーブ効果装置に適
用した実施例が示されている。鍵盤10で押圧された鍵に
対応する楽音信号がディジタルで楽音信号発生回路11か
ら発生される。
RAMからなるディジタルメモリ12は、可変遅延装置に
相当するものであり、楽音信号発生回路11から発生され
たディジタル楽音信号DGSが加算器13及び乗算器14を経
由して該ディジタルメモリ12のデータ入力INに与えられ
る。ディジタルメモリ12の出力OUTが可変遅延装置の遅
延出力に相当し、この遅延出力は乗算器18,15を経由し
て加算器13に与えられ、可変遅延装置の入力側に帰還さ
れる。また、遅延出力は乗算器18,乗算器16を経由して
加算器19に与えられ、乗算器17を経由して該加算器19に
与えられる入力楽音信号と加算される。この加算器19の
出力が出力レジスタ20にラッチされ、リバーブ効果の付
与されたディジタル楽音信号として更にディジタル/ア
ナログ変換器21に入力され、アナログ変換された後、サ
ウンドシステム22に至る。乗算器14〜17の係数入力には
リバーブ効果を設定するのためのパラメータC1〜C4が与
えられる。乗算器18の係数入力には、この発明に従って
エンベロープを付与するためのエンベロープ信号CEが与
えられる。このエンベロープ信号CEは通常時は係数1に
相当する一定値であり、ディジタルメモリ12の読出し出
力信号は該乗算器18を通過する。
タイミング信号発生回路23は、ディジタルメモリ12の
読み書きを制御する信号R/WSを発生する。ディジタル楽
音信号DGSのサンプリング周期に同期してサンプリング
クロックパルスSCKが、楽音信号発生回路11から発生さ
れ、タイミング信号発生回路23に与えられる。タイミン
グ信号発生回路23では、このサンプリングクロックパル
スSCKとシステムクロックパルスφに基づき、サンプリ
ング周期の前半期間で書込みを指示し、後半期間で読み
出しを指示する読み書き制御信号R/WSを発生する。ま
た、サンプリング周期の最後の1/4期間で取り込み信号S
Lを発生する。これらのパルスのタイミングチャートの
一例は第2図に示されている。
読み書き制御信号R/WSはディジタルメモリ12の読み書
き制御入力R/Wに与えられ、前述のように、ディジタル
楽音信号DGSの1サンプリング周期の前半期間でデータ
入力INに加わる該ディジタル楽音信号サンプル値データ
を書込み、後半期間で読出しを行う。書込みアドレスと
読出しアドレスはセレクタ24からディジタルメモリ12の
アドレス入力ADに与えられるデータによって指定され
る。取り込み信号SLは出力レジスタ20の取り込み制御入
力に与えられ、加算器19から与えられる効果演算済みの
1サンプル点分のディジタル楽音信号データを該出力レ
ジスタ20に取り込む。
アドレスカウンタ25は、サンプリングクロックパルス
SCKを順次カウントすることにより、書込みアドレスデ
ータを作成する。このアドレスカウンタ25のカウント出
力がセレクタ24のA入力に与えられ、読み書き制御信号
R/WSが“0"のとき、つまりサンプリング周期の前半期間
の書込みモードのとき、該セレクタ24で選択されてディ
ジタルメモリ12のアドレス入力ADに書込みアドレス指定
データとして与えられる。従って、入力されたディジタ
ル楽音信号のサンプル値データは、その時間順序に従っ
て、ディジタルメモリ12の順次アドレスに順番に書き込
まれる。
ディジタルメモリ12においては、こうして順次アドレ
スに順番に書き込んだディジタル楽音信号の読出しアド
レスを、書込みアドレスからずらす(オフセットする)
ことにより、そのオフセットアドレス量に応じた遅延を
行う。そのためのオフセットデータはオフセットデータ
発生回路26から発生される。
効果セレクタ27はリバーブ効果を選択するためのもの
であり、ここで選択されたリバーブ効果に応じて係数発
生回路28では係数C1〜C4を発生し、前記乗算器14〜17に
与える。また、選択されたリバーブ効果に応じて遅延長
設定部29では遅延長を指示するデータを発生する。オフ
セットデータ発生回路26は、この遅延長設定部29で指示
された遅延長に応じたオフセットデータを発生する。な
お、遅延長設定部29は、効果セレクタ27に連動していな
い、手動操作型の遅延長設定器であってもよい。
このオフセットデータはラッチ回路30でラッチされ、
演算器31に与えられる。演算器31の他の入力には、アド
レスカウンタ25のカウントデータが入力されており、例
えばこのカウントデータからオフセットデータを引算す
ることにより、その演算結果として読出しアドレスデー
タを作成する。演算器31から出力される読出しアドレス
データはセレクタ24のB入力に与えられ、読み書き制御
信号R/WSが“1"のとき、つまりサンプリング周期の後半
期間の読出しモードのとき、該セレクタ24で選択されて
ディジタルメモリ12のアドレス入力ADに読出しアドレス
指定データとして与えられる。
変化検出回路32は、ディジタルメモリ12における遅延
長を変更すべきであることが指示されていることを検出
するためのものである。すなわち、遅延長設定部29の出
力データが変化したことを検出することにより、遅延長
を変更すべきであることを検出する。変化検出回路32で
変化が検出されると、パルスS1が出力され、これが遅延
タイマ回路33と制御信号発生回路34に入力される。
制御信号発生回路34では、第3図に例示するように、
パルスS1の入力に応じて減衰エンベロープ波形を発生
し、これをエンベロープ信号CEとして出力する。この減
衰エンベロープ特性のエンベロープ信号CEにより、乗算
器18において、ディジタルメモリ12から出力される遅延
出力信号に対して減衰エンベロープが付与され、該遅延
出力信号の音量が減衰する。
遅延タイマ回路33は入力されたパルスS1を所定時間T
だけ遅延してパルスS2として出力する。このパルスS2は
ラッチ回路30の取り込み制御入力と制御信号発生回路34
に入力される。
ラッチ回路30では、パルスS2に応じてオフセットデー
タ発生回路26からのオフセットデータつまり変更後の遅
延長を設定するオフセットデータをラッチする。
制御信号発生回路34では、第3図に例示するように、
パルスS2の入力に応じて立上りエンベロープ波形を発生
し、これをエンベロープ信号CEとして出力する。この立
上りエンベロープ特性のエンベロープ信号CEにより、乗
算器18において、ディジタルメモリ12から出力される遅
延出力信号に対して立上りエンベロープが付与され、該
遅延出力信号の音量が徐々に増大する。
こうして、ディジタルメモリ12における遅延長を変更
すべきであることが指示されても、変更後の遅延長を設
定する新たなオフセットデータはラッチ回路30に直ちに
はラッチされず、遅延タイマ回路33の遅延時間Tの分だ
け遅らされる。その間に、変更前の遅延長に対応する遅
延出力信号に対して減衰エンベロープが付与され、該遅
延出力信号が徐々に減衰する。その後、新たなオフセッ
トデータがラッチ回路30にラッチされ、変更後の遅延長
に対応する遅延出力信号がディジタルメモリ12から出力
されるようになると、該変更後の遅延長に対応する遅延
出力信号に対して立上りエンベロープが付与され、該遅
延出力信号の音量が徐々に立ち上がる。これにより、変
更前の遅延長に対応する遅延出力信号の位相と変更後の
遅延長に対応する遅延出力信号の位相とが合っていなか
ったとしても、その切り替わり部分の信号レベルが減衰
特性とそれに引き続く立上り特性とによって滑らかに抑
制されるので、クリックノイズを除去することができ
る。
なお、パルスS1とS2の時間差つまり遅延タイマ回路33
の遅延時間Tは、変更前の遅延長に対応する遅延出力信
号の音量が減衰するのに十分な時間に設定する。例え
ば、30〜50ms程度である。
上記実施例では、変更前の遅延長に対応する遅延出力
信号に対して所定時間Tの間減衰エンベロープを付与す
るようにしているが、これに限らず、所定レベル以下に
減衰するまで減衰エンベロープを付与するようにしても
よい。
そのためには、第1図における遅延タイマ回路33と制
御信号発生回路34の関連部分を第4図のように変更すれ
ばよい。第4図の例では、第1図における遅延タイマ回
路33が省略されており、所定レベル以下検出回路35と立
上り微分回路36が設けられている。制御信号発生回路34
から出力されるエンベロープ信号CEが所定レベル以下検
出回路35に与えられ、そのレベルが十分な減衰を示す所
定レベル以下になったとき、そのことが検出される。こ
の所定レベル以下検出回路35の検出出力に応じて立上り
微分回路36からパルスS2′を発生し、前記パルスS2の代
わりに、ラッチ回路30の取り込み制御入力と制御信号発
生回路34に入力する。
なお、変化検出回路32では、単に遅延長の変更を検出
するだけでなく、変更量の大小を検出し、遅延長の変更
量があまり大きくない場合は、この発明による制御を行
わないようにしてもよい。
上記実施例において、可変遅延装置としてRAM(ラン
ダムアクセスメモリ)が用いられているが、その他のデ
ィジタル遅延回路例えばシフトレジスタなどを用いても
よい。
また、可変遅延装置の構成は、演算回路とRAMとを組
み合わせてマイクロプログラミングにより信号処理を行
うことにより多機能効果を実現するようにしたDSP(デ
ィジタル・シグナル・プロセッサ)方式のものであって
もよい。
上記実施例はリバーブ効果装置においてこの発明を適
用した例であるが、これに限らず、「ディレイ」、「フ
ェイザー」、「ビブラート」、「トレモロ」効果等の可
変遅延装置を使用する効果装置においてこの発明を適用
することができる。
また、この発明の効果装置は、電子楽器組み込み型に
限らず、単体装置であってもよい。
〔発明の効果〕
以上の通り、この発明によれば、遅延長を変更すべき
とき、変更前の遅延長に対応する遅延出力信号を徐々に
減衰し、その後変更後の遅延長に対応する遅延出力信号
に切り替えて該遅延出力信号を徐々に立ち上げるように
したので、切り替わり部分の信号レベルが減衰特性とそ
れに引き続く立上り特性とによって抑制され、その部分
で生ずるクリックノイズを除去することができる、とい
う優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る効果装置を適用した電子楽器の
一実施例を示すブロック図、 第2図は第1図におけるディジタルメモリの読み書き制
御タイミングの一例を示すタイミングチャート、 第3図は第1図のディジタルメモリの遅延長の変更時に
おいて変更後の遅延出力信号に対して付与するエンベロ
ープの一例を示す図、 第4図は第1図の変更例を示すブロック図、である。 10……鍵盤、11……楽音信号発生回路、12……ディジタ
ルメモリ、14〜18……乗算器、29……遅延長設定部、32
……変化検出回路、33……遅延タイマ回路、34……制御
信号発生回路、35……所定レベル以下検出回路。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力した楽音信号を遅延出力し、この遅延
    長を切り替えることができる可変遅延手段を具え、この
    遅延に基づく効果を該楽音信号に対して付与する効果装
    置において、 この可変遅延手段の遅延長を変更すべきことが指示され
    たとき、変更前の遅延長に対応する前記可変遅延手段の
    出力信号に対して減衰エンベロープを付与することを指
    示する第1の指示手段と、 前記第1の指示手段による指示の後、或る時間が経過し
    たとき前記可変遅延手段の遅延長を変更することを指示
    すると共に、変更後の遅延長に対応する前記可変遅延手
    段の出力信号に対して立上りエンベロープを付与するこ
    とを指示する第2の指示手段と、 前記第1の指示手段による指示に応答して前記変更前の
    遅延長に対応する前記可変遅延手段の出力信号に対して
    減衰エンベロープを付与し、また、前記第2の指示手段
    による指示に応答して前記変更後の遅延長に対応する前
    記可変遅延手段の出力信号に対して立上りエンベロープ
    を付与するエンベロープ付与手段と を具え、遅延長を変更するときに生じるクリックノイズ
    を除去したことを特徴とする効果装置。
  2. 【請求項2】前記第2の指示手段は、前記可変遅延手段
    の遅延長を変更すべきことが指示されたときから所定時
    間の経過を測定する手段を含み、該所定時間の経過に基
    づいて前記遅延長の変更と立上りエンベロープの付与を
    行うよう指示するものである請求項1の効果装置。
  3. 【請求項3】入力した楽音信号を遅延出力し、この遅延
    長を切り替えることができる可変遅延手段を具え、この
    遅延に基づく効果を該楽音信号に対して付与する効果装
    置において、 この可変遅延手段の遅延長を変更すべきことが指示され
    たとき、変更前の遅延長に対応する前記可変遅延手段の
    出力信号に対して減衰エンベロープを付与することを指
    示する第1の指示手段と、 前記第1の指示手段による指示の後、前記減衰エンベロ
    ープに基づく信号のレベルが所定レベル以下となったこ
    とを検出し、該所定レベル以下となったことが検出され
    たことに基づいて前記可変遅延手段の遅延長を変更する
    ことを指示すると共に、変更後の遅延長に対応する前記
    可変遅延手段の出力信号に対して立上りエンベロープを
    付与することを指示する第2の指示手段と、 前記第1の指示手段による指示に応答して前記変更前の
    遅延長に対応する前記可変遅延手段の出力信号に対して
    減衰エンベロープを付与し、また、前記第2の指示手段
    による指示に応答して前記変更後の遅延長に対応する前
    記可変遅延手段の出力信号に対して立上りエンベロープ
    を付与するエンベロープ付与手段と、 を具え、遅延長を変更するときに生じるクリックノイズ
    を除去したことを特徴とする効果装置。
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