JP2679443B2 - 電子楽器のタッチレスポンス装置 - Google Patents

電子楽器のタッチレスポンス装置

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JP2679443B2
JP2679443B2 JP3113874A JP11387491A JP2679443B2 JP 2679443 B2 JP2679443 B2 JP 2679443B2 JP 3113874 A JP3113874 A JP 3113874A JP 11387491 A JP11387491 A JP 11387491A JP 2679443 B2 JP2679443 B2 JP 2679443B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電子楽器のタッチレス
ポンス装置に関し、特に鍵盤楽器の鍵等の演奏操作手段
の演奏中の操作タッチに応じて楽音の音色、音高、音量
等を制御するタッチ制御方式に改良を加えたものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子楽器のタッチレスポンス制御には、
鍵の押し下げ速度に応じて楽音の音色、音高、音量等を
制御するイニシャルタッチ制御と、鍵押圧持続時におけ
る鍵押圧力を検出し、それに応じて楽音の音色等を制御
するアフタタッチ制御とがある。このタッチレスポンス
制御に関する従来技術としては、特公昭61−1451
8号公報及び特開平1−200289号公報等に示され
たものがある。特公昭61−14518号公報には、鍵
の押し下げ速度に応じた2接点間の作動時間差を検出す
ることによりイニシャルタッチデータを形成すると共に
圧電素子構成の押圧力検出装置を各鍵毎に設け、この押
圧力検出器からの検出信号に応じてアフタタッチデータ
を形成し、タッチレスポンス制御するものが記載されて
いる。また、特開平1−200289号公報には、鍵の
押圧力に応じて互いに異なる出力応答特性の第1及び第
2の検出信号を出力する押圧力検出装置を各鍵毎に設
け、第1の検出信号をイニシャルタッチ信号として、第
2の検出信号をアフタタッチ信号としてタッチレスポン
ス制御するものが記載されている。この他にタッチレス
ポンス制御に関する従来技術として、特開昭59−10
5692号公報や特公昭52−46088号公報等に示
されたものがある。
【0003】また、特公昭63−42268号公報にお
いては、アフタタッチ検出信号の立上りが遅れていて
も、押鍵直後からタッチレスポンス制御ができるように
するために、押鍵直後から所定期間の間はイニシャルタ
ッチ信号を目標値として順次変化する楽音制御信号を形
成し、その後はアフタタッチ信号に追従して変化する楽
音制御信号を形成し、これらの楽音制御信号によって楽
音を制御することが示されている。その場合、一旦イニ
シャルタッチ信号に対応する目標値まで到達した楽音制
御信号がアフタタッチ信号に追従するようにするため
に、楽音制御信号の現在値がアフタタッチ信号の現在値
より大きいか小さいかに応じて2つの追従係数が選択的
に使用されるようになっている。すなわち、楽音制御信
号の現在値がアフタタッチ信号の現在値より大きい場合
は負の傾きをもつ第1の追従係数を使用し、小さい場合
は正の傾きをもつ第2の追従係数を使用する。従って、
楽音制御信号の現在値がアフタタッチ信号の現在値より
大きい場合は第1の追従係数に対応する一定の負の傾き
で楽音制御信号が変化し、その後楽音制御信号の現在値
がアフタタッチ信号の現在値より小さくなると今度は第
2の追従係数に対応する一定の正の傾きで楽音制御信号
が変化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術に記載
されたアフタタッチ制御はいずれも、押圧力検出装置に
対する押圧力がゼロの状態(アフタタッチ信号が出力さ
れていない状態)を基準とし、このアフタタッチ信号の
絶対的な出力値の大きさに応じて楽音の音量、音高、音
色、効果等をその出力値に対して正の方向(アフタタッ
チ制御されない場合の通常の出力値よりも大きい方向)
で増加減少させるか、又は負の方向(アフタタッチ制御
されない場合の通常の出力値よりも小さい方向)で増加
減少させていた。即ち発音される楽音の音量、音高、音
色、効果等の通常の出力値を境界とした正負いずれか一
方向側でのみアフタタッチ制御を行っていた。従って、
例えばヴァイオリン等の自然楽器では発音後の音量や音
高を演奏者の意思によって、その正負(上下)いずれの
方向にも自由に増加減少することができるのに対して、
上述した従来の電子楽器では、一方向側でしかアフタタ
ッチ制御を行うことができないため、自然楽器のように
音量、音高等を自由に上げ下げすることができず、演奏
表現力が劣るという問題があった。
【0005】また、上記特公昭63−42268号に示
されたもの場合、楽音制御信号の現在値とアフタタッチ
信号の現在値の大小関係が切り換わる時点で追従係数が
急激に切り替わり、そのため楽音制御信号が不連続的に
変化し、結果として楽音制御が不自然になってしまう、
という問題があった。
【0006】この発明は上述の点に鑑みてなされたもの
であり、タッチ制御を正負いずれの方向にでも利かすこ
とができるようにすると共に、その場合のタッチ感度を
タッチ感度パラメータによって自由に変更できる電子楽
器のタッチレスポンス装置を提供することを第1の目的
とする。また、この発明は、最初は或る値に設定された
楽音制御信号をその後アフタタッチ信号に追従する信号
に変更し、この楽音制御信号に基づき楽音制御を行う場
合において、急激な楽音制御信号の変化を防ぎ、不自然
感さを感じさせないタッチレスポンス制御を行うことが
できるようにした電子楽器のタッチレスポンス装置を提
供することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】 第1の目的の達成のた
めに、この発明に従う電子楽器のタッチレスポンス装置
は、楽音の演奏操作を行うための操作手段と、前記操作
手段の操作中に加えられる操作タッチを検出し、検出し
た操作タッチに基づきタッチデータを発生するタッチデ
ータ発生手段と、所定の基準値データを発生する基準値
発生手段と、前記基準値データと前記タッチデータの差
を演算し、該基準値データに対する該タッチデータの大
小に応じて正及び負の値をとる差分データを出力する演
算手段と、前記演算手段により求めた差分データを任意
のタッチ感度パラメータによって変更制御し、該タッチ
感度パラメータによって増減制御されてなる正及び負の
値をとる差分データを出力する変更手段と、前記変更手
段から出力される差分データに応じて楽音を制御する楽
音制御手段とを具えたものである。
【0008】第2の目的の達成のために、この発明に従
う電子楽器のタッチレスポンス装置は、楽音演奏時に操
作される演奏操作手段と、この演奏操作手段の操作中に
加えられる操作タッチを検出し、この操作タッチに応答
して変化するデータを第1の制御データとして出力する
制御データ発生手段と、基準データを発生する基準デー
タ発生手段と、楽音制御に使用するデータを前記基準デ
ータから前記第1の制御データへと移行させることを指
示する移行指示手段と、前記移行が指示されたときに、
前記基準データから前記第1の制御データへと追従補間
させ、この補間により得られるデータを第2の制御デー
タとして出力する補間制御手段と、前記追従補間の係数
を変化させることにより、前記第2の制御データが滑ら
かに変化するようにする係数変更制御手段と、前記第2
の制御データに基づき楽音を制御する楽音制御手段とを
具えたものである。
【0009】
【作用】 まず、第1の目的に関する発明につき説明す
る。上記所定の基準値データはタッチデータの大きさの
基準となるものであり、追って説明する実施例ではこの
基準値データに相当するものとしてオフセット値という
用語が使用されている。演算手段において、この基準値
データとタッチデータの差が演算され、該基準値データ
に対する該タッチデータの大小に応じて正及び負の値を
とる差分データが出力される。さらに、この差分データ
を任意のタッチ感度パラメータによって変更制御し、該
タッチ感度パラメータによって増減制御されてなる正及
び負の値をとる差分データを出力し、これによって楽音
を制御する、すなわち、楽音に対するタッチレスポンス
制御を行なう。例えば、タッチデータが基準値データつ
まりオフセット値よりも大きい場合は、差分データが正
であり、その大きさに応じて音量、音高、音色、効果等
の楽音要素が正の方向に増加又は減少制御される。逆
に、タッチデータが基準値つまりオフセット値よりも小
さい場合は、差分データが負であり、その大きさに応じ
て音量、音高、音色、効果等の楽音要素が負の方向に減
少又は増加制御される。従って、この発明によれば、音
量、音高、音色、効果等の楽音要素を正負いずれの方向
にでも増加又は減少させることのできるタッチレスポン
ス制御が行える。さらに、この発明では、演算手段で求
めた差分データを音高、音色等に応じたタッチ感度パラ
メータによって変更制御するようにしているので、音色
やキースケーリング等によりタッチ感度を微妙に変更で
き、初心者でも表現力豊かな演奏ができる。
【0010】次に、第2の目的に関する発明につき説明
すると、第1の制御データは、演奏操作手段の操作中に
加えられる操作タッチ、つまりアフタタッチ、に応答し
て変化する。楽音制御に使用するデータを基準データか
ら第1の制御データへと移行させることが指示される
と、補間制御手段により追従補間が行われ、基準データ
から第1の制御データへと徐々に変化するデータが第2
の制御データとして出力される。その際の追従補間の係
数は従来のように一定値ではなく、係数変更制御手段に
より、該係数が変化され、これにより、第2の制御デー
タが基準データから第1の制御データへと滑らかに変化
するように制御される。追従補間によって得られる第2
の制御データに基づき楽音が制御される。従って、第2
の制御データすなわち楽音制御信号は基準データから第
1の制御データへと滑らかに変化することになり、こう
して急激な楽音制御信号の変化を防ぎ、不自然感さを感
じさせないタッチレスポンス制御を行うことができるよ
うになる。
【0011】
【実施例】以下、添付図面を参照してこの発明の実施例
につき詳細に説明する。図1の実施例において、鍵盤2
0は発音すべき楽音の音高を選択するための複数の鍵を
備えたものであり、各鍵に対応してキースイッチ及び押
圧力検出装置を有している。押鍵検出回路21は鍵盤2
0の状態(押鍵された鍵があるかどうか)、すなわち鍵
盤20内の各キースイッチのオン・オフを検出するもの
であり、例えば各キースイッチを順番に走査する走査回
路と、その走査結果をエンコードする回路とを含んで構
成されている。発音割当て回路22は、押鍵検出回路2
1で検出された押圧鍵に対応する楽音の発音を所定数n
の発音チャンネルのどれに割り当てるかの処理を行なう
ものであり、各チャンネルに割り当てた鍵のキーコード
KCDとキーオン信号KONをチャンネル時分割で出力
する。出力されたキーコードKCDは楽音信号発生回路
25及びアフタタッチ制御回路26に与えられ、キーオ
ン信号KONはエンベロープ発生回路(EG)27及び
アフタタッチ制御回路26に与えられる。
【0012】タッチ検出回路23は鍵盤20で押圧され
た鍵のタッチを検出し、検出されたタッチに対応するタ
ッチ情報を出力する。タッチ検出回路23はキースイッ
チからの出力に基づいて押し下げ時の押鍵操作速度を判
別してイニシャルタッチデータITを出力するイニシャ
ルタッチ検出回路23Iと、鍵押圧持続時における押圧
力検出装置の出力から押圧力を検出してアフタタッチ検
出データATを出力するアフタタッチ検出回路23Aと
で構成される。イニシャルタッチ検出回路23Iのイニ
シャルタッチデータITは、エンベロープ発生回路27
及び楽音信号発生回路25に取り込まれ、アフタタッチ
検出回路23Aのアフタタッチ検出データATはアフタ
タッチ制御回路26に取り込まれる。アフタタッチ制御
回路26はキーオン信号KON、アフタタッチ検出デー
タAT、音色選択信号TC及びキーコードKCDを入力
し、これらの信号に基づきアフタタッチデータATDを
作成し、加算器28及び楽音信号発生回路25に与え
る。このアフタタッチ制御回路26の詳細については後
述する。
【0013】音色選択回路24は、ピアノ、オルガン、
バイオリン、金管楽器、ギター等の各種自然楽器に対応
する音色やその他各種の音色を選択するためのものであ
り、選択された音色を示す音色選択信号TCを楽音信号
発生回路25、アフタタッチ制御回路26及びエンベロ
ープ発生回路27に出力する。エンベロープ発生回路2
7は音色選択信号TC、キーオン信号KON、キーオフ
信号KOF及びイニシャルタッチデータITを入力し、
これらの信号に応じたエンベロープ波形信号をキーオン
信号KONのタイミングで発生し、加算器28に出力す
る。加算器28はエンベロープ波形信号に対してアフタ
タッチデータATDを加算して楽音信号発生回路25に
出力する。
【0014】楽音信号発生回路25は、複数nのチャン
ネルで楽音信号の同時発生が可能であり、データ及びア
ドレスバスを経由して与えられる各チャンネルに割り当
てられた鍵のキーコードKC、キーオン信号KON、キ
ーオフ信号KOF、イニシャルタッチデータITD、ア
フタタッチデータATD、音色選択信号TC及びその他
のデータを入力し、これらの各種データに基づき楽音信
号を発生する。この実施例では同時発音可能なチャンネ
ル数nは16として説明する。
【0015】後述するように、アフタタッチデータAT
Dは、オフセット値を基準にして正負方向に変動し得る
ものであり、加算器28においては、エンベロープ波形
信号のレベルがこのアフタタッチデータATDに応じて
増減修正される。増減修正されたエンベロープ波形信号
は楽音信号発生回路25において例えば発生楽音の音量
制御に使用される。また、楽音信号発生回路25に直接
入力されたアフタタッチデータATDは、発生楽音の音
高を微妙にプラス/マイナス変更したり、発生楽音の音
色を選択された音色の基準音色から微妙に正負方向に修
正変更したり、各種効果の制御因子を微妙に正負方向に
修正変更したりするために、適宜使用される。
【0016】楽音信号発生回路25における楽音信号発
生方式はいかなるものを用いてもよい。例えば、発生す
べき楽音の音高に対応して変化するアドレスデータに応
じて波形メモリに記憶した楽音波形サンプル値データを
順次読み出すメモリ読み出し方式、又は上記アドレスデ
ータを位相角パラメータデータとして所定の周波数変調
演算を実行して楽音波形サンプル値データを求めるFM
方式、あるいは上記アドレスデータを位相角パラメータ
データとして所定の振幅変調演算を実行して楽音波形サ
ンプル値データを求めるAM方式等、その他公知の方式
を適宜採用してよい。楽音信号発生回路25から発生さ
れたデジタル楽音信号は図示していないデジタル/アナ
ログ変換器によって、アナログの楽音信号に変換され、
サウンドシステム29に出力される。サウンドシステム
29はスピーカ及び増幅器等で構成され、楽音信号発生
回路25からのアナログの楽音信号に応じた楽音を発生
する。
【0017】アフタタッチ制御回路26の詳細例は図2
に示されている。この図2の詳細説明に先立って、アフ
タタッチ制御回路26の動作概念につき図3(a)及び
(b)に基づいて説明する。図3(a)及び(b)は、
任意の鍵の押圧中のアフタタッチ検出データの出力波形
と、オフセット値との関係を示す図である。図におい
て、鍵の押し始めの時点を0とする。図3(a)は、キ
ーオン開始時から一定時間Tc経過した時点で、アフタ
タッチ検出データAT1がオフセット値OFよりも大き
い場合を示し、図3(b)はアフタタッチ検出データA
T2がオフセット値OFよりも小さい場合を示す。
【0018】例えば、図3(b)のようにキーオン開始
時から一定時間Tcが経過するまでの間で、アフタタッ
チ検出データAT2がオフセット値OFよりも小さい場
合は、アフタタッチデータを求めるための差分演算は行
わない。即ち、一定時間Tcを経過するまではアフタタ
ッチ制御は行わない。一般に、この一定時間Tcは鍵が
下まで押し下げられるまでの短い時間であり、アフタタ
ッチ検出回路23Aから真のアフタタッチ検出出力が得
られるまでの短い時間待機することを意味する。しか
し、図3(a)のように、アフタタッチ検出データAT
1が一定時間Tc経過前にオフセット値OFよりも大き
くなった場合には、一定時間Tc経過前でも、その時点
からアフタタッチ検出データAT1とオフセット値OF
との差分値(AT−OF)を演算し、これをアフタタッ
チデータATDとして加算器28及び楽音信号発生回路
25に出力するようにしてもよい。これは、一定時間経
過前にアフタタッチデータAT1がオフセット値OFを
越えた場合は既に真のアフタタッチ検出出力が得られた
と考えられるからである。
【0019】そして、キーオン開始時から一定時間Tc
が経過した後は、アフタタッチ検出データAT1とオフ
セット値OFとの差分値(AT−OF)を演算し、これ
をタッチ感度パラメータによって適宜タッチ感度調整し
た後、アフタタッチデータATDとして加算器28及び
楽音信号発生回路25に出力する。アフタタッチ検出デ
ータATがオフセット値OFよりも大きい部分では、そ
の差分値は正の値として出力され、アフタタッチ検出デ
ータATがオフセット値OFよりも小さい部分では、そ
の差分値は負の値として出力される。従って、図1の加
算器28では、その正又は負の差分値がエンベロープ発
生回路27のエンベロープ波形に加算される。これによ
って、このエンベロープ波形を入力した楽音信号発生回
路25は楽音の音量、音高、音色、効果等を通常の出力
値の正方向又は負方向のいずれにでも増加減少制御でき
る。
【0020】なお、図3(b)のように、一定時間Tc
を経過した時点で、アフタタッチデータATD2がオフ
セット値OFよりも小さい場合に、この実施例では上記
差分値(AT−OF)を直ちにアフタタッチデータAT
Dとして出力せずに、アフタタッチデータATDが徐々
に真の差分値(AT−OF)に近づくようにする。
【0021】図2のアフタタッチ制御回路26におい
て、オフセット値発生回路10は任意のオフセット値O
Fを発生するものであり、例えば操作子によって任意の
オフセット値を設定可能にしてもよいし、あるいは音色
選択操作等に連動してオフセット値が決定されるように
なっていてもよい。発生されたオフセット値OFは比較
回路12、セレクタ17及び加算器18に与えられる。
タイマ回路11は一定時間Tcを計測するためのもので
あり、図1の発音割当て回路22から与えられるキーオ
ン信号KONの立ち上がり時から一定時間Tcを計時
し、Tc経過した時点でハイレベル“1”を比較回路1
2及びオア回路14に出力する。
【0022】比較回路12はオフセット値発生回路10
からのオフセット値OFと図1のアフタタッチ検出回路
23Aからのアフタタッチ検出データATとを入力し、
両者の大きさを比較し、アフタタッチ検出データATが
オフセット値OFよりも大きくなった時点でハイレベル
“1”をオア回路14に出力する。フリップフロップ1
3はキーオン信号KONをそのセット端子Sに入力し、
オア回路14の論理和出力をそのリセット端子Rに入力
する。従って、フリップフロップ13は、キーオン信号
KONを入力してからタイマ回路11が一定時間Tcを
計測するか、又はアフタタッチデータATがオフセット
値OFよりも大きくなるか、いずれかの条件が満足され
るまでの間、ハイレベル“1”をセレクタ17に出力し
続ける。
【0023】乗算器16aはアフタタッチ検出データA
Tを入力し、それに所定の追従係数K0 を乗じて加算器
16bに出力する。加算器16bは乗算器16a及び1
6dの出力を加算し、セレクタ17の端子Aに出力す
る。遅延回路16cはセレクタ17の出力を入力し、n
チャンネル分遅延させ、乗算器16dに出力する。乗算
器16dは遅延回路16cの出力に所定の追従係数1−
K0を乗じて加算器16bに出力する。即ち、セレクタ
17の出力は加算器18に出力されると共に、遅延回路
16cにも出力される。遅延回路16cを通過した信号
は1サンプリング周期だけ遅れ、乗算器16dによって
追従係数1−K0が乗ぜられ加算器16bに入力され
る。同時に、加算器16bにはアフタタッチ検出データ
ATに追従係数K0 の乗ぜられたデータが入力され、両
者の信号は加算され、セレクタ17から出力される。こ
れら乗算器16a及び16d、加算器16b及び遅延回
路16cからなるフィードバックループは、ローパスフ
ィルタとして動作し、A入力選択時においてセレクタ1
7から出力される信号が急激に変化しないようにしてい
る。このローパスフィルタの働きによって、セレクタ1
7から出力されるアフタタッチ検出データは、図3
(b)のようにオフセット値OFから真のアフタタッチ
データATD2に徐々に近づくようになる。
【0024】追従係数発生回路15は上記ローパスフィ
ルタの特性を決定するための乗算器16a及び16dに
所定の追従係数K0 及び1−K0 を与えるものである。
この追従係数K0 は1>K0 >0であり、任意の値に固
定してもよいが、可変としてもよい。セレクタ17は加
算器16bの出力を入力Aに、オフセット値発生回路1
0からのオフセット値OFを入力Bにそれぞれ入力し、
フリップフロップ13の出力に応じてどちらの信号を出
力するかを選択する。フリップフロップ13の出力がハ
イレベル“1”の場合は、入力Bのオフセット値OFを
選択出力し、ローレベル“0”の場合は、入力Aのデー
タを選択出力する。
【0025】加算器18はセレクタ17の出力を正入力
に入力し、オフセット値OFを負入力に入力する。即
ち、加算器18はセレクタ17の出力からオフセット値
OFを減算して両者の差分値を演算するものであり、こ
の差分値は乗算器19bに与えられる。従って、セレク
タ17で入力Bが選択されている場合は、加算器18の
出力はゼロとなり、アフタタッチ制御は行われない。一
方、入力Aが選択されている場合は、加算器18からは
オフセット値OFを基準とする正又は負の差分値(AT
−OF)が出力される。
【0026】乗算器19bは、係数発生回路19aから
発生される係数すなわちタッチ感度パラメータを加算器
18から出力される差分値に乗算することによりこの差
分値の感度調整を行い、最終的なアフタタッチデータA
TDとして図1の加算器28に出力する。このアフタタ
ッチデータATDは各チャンネル毎に時分割で形成さ
れ、時分割的に出力される。係数発生回路19aはキー
コードKCD及び音色選択信号TCを入力し、これらの
値に応じたタッチ感度パラメータすなわち係数を出力す
る。係数発生回路19aでは、例えば各種音色毎に上記
係数のキースケーリングテーブルを記憶しており、音色
選択信号Tcにより選択された音色に応じたキースケー
リングテーブルを選択し、この選択されたテーブルにお
けるキーコードKCDに応じた係数(即ち感度パラメー
タ)を読み出し、乗算器19bに与える。これにより、
音色及び音高に応じたタッチ感度の調整を行なうことが
できる。
【0027】次に、この実施例の動作について説明す
る。鍵盤20が押鍵され、キーオン信号KONがタイマ
回路11に入力すると、タイマ回路11はリセットさ
れ、経過時間の計測を始める。これと同時にフリップフ
ロップ13のセット端子Sにもキーオン信号KONが入
力されるので、フリップフロップ13の出力端Qからは
ハイレベル“1”が出て、セレクタ17は入力Bを選択
する。従って、加算器18は同じ値のオフセット値OF
を正負入力に入力することになるので、差分値0であ
り、事実上アフタタッチデータATDとしてはゼロの値
が出力されることになる。
【0028】タイマ回路11により一定時間Tcの計時
が終了するか、又はその計時終了前にアフタタッチ検出
データATがオフセット値OFよりも大きくなった場合
に、オア回路14を介してハイレベル“1”がフリップ
フロップ13のリセット入力Rに入力する。これによっ
てフリップフロップ13の出力端Qからはローレベル
“0”が出力し、セレクタ17の入力Aを選択するよう
になる。この時に、図3(a)のようにアフタタッチ検
出データATがオフセット値OFよりも大きくなった場
合は、入出力差がないためローパスフィルタの効果は少
ないが、図3(b)のように一定時間Tcの計時が終了
した時点でアフタタッチ検出データATとオフセット値
OFとが異なる場合に、ローパスフィルタが有効に働く
ことにより、セレクタ17の出力は直ちにアフタタッチ
検出データATに切換わらずに、オフセット値OFから
アフタタッチ検出データATに向けて滑らかに変化す
る。加算器18からはセレクタ17の出力すなわちアフ
タタッチ検出データATとオフセット値OFとの差分値
が出力される。さらに、乗算器19bからは、係数発生
回路19aからの係数に応じてタッチ感度調整された上
記差分値がアフタタッチデータATDとして出力され
る。
【0029】以上のように、アフタタッチ制御回路26
は、キーオン信号KON出力後一定時間Tcが経過する
か、又はその経過前にアフタタッチ検出データATがオ
フセット値OFよりも大きくなるまでの間は、アフタタ
ッチデータATDをゼロとし、それ以降はアフタタッチ
検出データATとオフセット値OFとの差分値をとり、
その差分値に適宜のタッチ感度パラメータ係数を乗じた
ものをアフタタッチデータATDとして出力するように
なっている。また、一定時間Tc経過後にアフタタッチ
検出データATとオフセット値OFとの差があまりにも
大き過ぎて、乗算器19bから出力されるアフタタッチ
データATDが急激に変化するのを防止するために、ロ
ーパスフィルタを通過させ、滑らかに変化させるように
している。
【0030】なお、上記実施例では、楽音信号発生回路
25において、音量、音色等の各楽音要素をアフタタッ
チ制御するために、共通のアフタタッチデータATDを
使用しているが、音量、音色、音高等の各アフタタッチ
制御対象楽音要素毎に独立にアフタタッチデータATD
を作成してもよい。その場合、オフセット値OFは共通
として、タッチ感度パラメータつまり係数を異ならせる
ことにより各制御対象楽音要素毎に独立のアフタタッチ
データATDを作成してもよいし、また、オフセット値
OFも各制御対象楽音要素毎に異ならせるようにしても
よい。係数発生回路19aにおいて、タッチ感度パラメ
ータはテーブルに記憶したものを使用する場合について
説明したが、これに限定されるものではなく、適宜の演
算処理によって求めるようにしてもよいし、演奏者が任
意に設定するようにしてもよい。また、タッチ感度パラ
メータによる差分値の変更制御は乗算器19bに限らず
他の手段によって行ってもよい。
【0031】図3(a)の実施例では、一定時間Tc経
過前であっても、アフタタッチ検出データATがオフセ
ット値OFより大きくなった場合はアフタタッチ制御に
移行するようにしたが、図3(c)のように一定時間T
cを経過するまではアフタタッチ制御に移行させない
で、経過した時点からアフタタッチ制御に移行させるよ
うにしてもよい。また、図3(b)の実施例では一定時
間Tc経過後の出力を徐々に変化させアフタタッチデー
タに滑らかつながるようにしているが、図3(c)のよ
うに直線的に補間するようにしてもよいし、又は補間し
ないで一定時間Tc経過と共にアフタタッチ検出データ
に移行するようにしてもよい。
【0032】更には、一定時間Tcの計時を特に行わず
に、楽音信号発生回路25における(例えば楽音の発音
等)のタイミングに合わせてこの発明を実施してもよ
い。また、上記実施例ではアフタタッチ検出データがオ
フセット値よりも大きい場合に正方向の制御行い、小さ
い場合に負方向の制御を行っているが、この逆であって
もよい。
【0033】上記実施例において、追従補間における係
数K0,1−K0は固定でもよいし、可変でもよいと述べ
た。追従補間の最中にこの係数K0,1−K0を徐々に変
化させると滑らかな追従補間が可能になるので好まし
い。これに関連して、この係数K0,1−K0を変化させ
る別の実施例について以下説明する。この別の実施例に
係る電子楽器においては、その全体構成は図1と同様の
ものを使用してよく、図1におけるアフタタッチ制御回
路26の部分を図4に示すような構成に変更して使用す
る。図4において、図2と同一符号は同一機能の回路で
ある。図2と異なる点は、図4の追従係数発生回路15
Aが図2の追従係数発生回路15とは異なっている点で
あり、また、フリップフロップ13の出力がライン30
及びインバータ31を介して追従係数発生回路15Aに
入力されている点であり、他は図2と同様である。
【0034】まず、この実施例について、概念的に説明
すると、次の通りである。括弧内は実施例における対応
部分を示している。この発明の別の実施例に係る電子楽
器のタッチレスポンス装置は、楽音演奏時に操作される
演奏操作手段(鍵盤20)と;この演奏操作手段(鍵盤
20)の操作中に加えられる操作タッチを検出し、この
操作タッチに応答して変化するデータ(アフタタッチ検
出データAT)を第1の制御データとして出力する制御
データ発生手段(アフタタッチ検出回路23A)と;基
準データ(オフセット値OF)を発生する基準データ発
生手段(オフセット値発生回路10)と;楽音制御に使
用するデータを前記基準データ(オフセット値OF)か
ら前記第1の制御データ(アフタタッチ検出データA
T)へと移行させることを指示する移行指示手段(回路
11,12,13,14)と;前記移行が指示されたと
きに、前記基準データ(オフセット値OF)から前記第
1の制御データ(アフタタッチ検出データAT)へと追
従補間させ、この補間により得られるデータを第2の制
御データとして出力する補間制御手段(回路16a,1
6b,16c,16d,17)と;前記追従補間の係数
を変化させることにより、前記第2の制御データが滑ら
かに変化するようにする係数変更制御手段(追従係数発
生回路15A)と;前記第2の制御データに基づき楽音
を制御する楽音制御手段(回路18,19a,19bか
ら加算器28を経由してまたは経由しないで楽音信号発
生回路25に至る回路部分全体)とを具えている。
【0035】次に変更されている箇所の詳細説明を行
う。この実施例では、追従係数発生回路15Aは時間経
過に依存して徐々に変化する追従補間係数K0 及び1−
K0 を発生する。前述の通り、押鍵開始時から所定時間
Tcが経過したとき、または所定時間Tcの経過前にア
フタタッチ検出データATがオフセット値OFよりも大
きくなったとき、フリップフロップ13がリセットさ
れ、その出力端Qからはローレベル信号“0”が出力さ
れる。この信号“0”はライン30を介してインバータ
31に加わり、ハイレベル信号“1”に反転され、追従
係数発生回路15Aに入力される。追従係数発生回路1
5Aでは、インバータ31から与えられる信号が“0”
から“1”に変わったことをトリガとして係数K0及び
1−K0の発生を開始するようになっており、ここで、
係数K0は、最初は最小値(例えば0)であり、時間経
過に依存して徐々に増加していき、最大値(例えば1)
に達するまで変化するものである。勿論、K0は前述と
同様に小数であるが、前述のように1>K0 >0に限ら
ず、1≧K0 ≧0であってもよい。また、K0と同時に
追従係数発生回路15Aから発生される係数1−K0
は、K0とは逆に最大値(例えば1)から最小値(例え
ば0)に向けて徐々に変化するのは勿論である。なお、
このように時間経過に依存して徐々に増加する数値デー
タを発生する回路の具体的構成それ自体は公知のエンベ
ロープ発生器等で使用される時間関数発生回路技術を使
用すればよいので、追従係数発生回路15Aの内部詳細
回路例については説明を省略する。
【0036】次に、この実施例の動作につき説明する。
前述の実施例と同様に、鍵盤で或る鍵が押圧操作される
と、キーオン信号KONがハイレベル“1”となり、そ
の一方で、該押圧鍵の押圧操作中に加えられる押圧操作
タッチがアフタタッチ検出回路23Aで検出され、この
押圧操作タッチに応答して変化するアフタタッチ検出デ
ータATが発生される。押鍵開始に応答してフリップフ
ロップ13がセットされ、セレクタ17でオフセット値
OFのデータが選択され、加算器18に与えられる。こ
の場合、楽音制御用のデータとしてオフセット値OFの
データがセレクタ17から出力されるが、この実施例で
は加算器18でOF−OF=0なる差分演算が行われの
で、楽音信号発生回路25に与えられるアフタタッチデ
ータATDは押鍵開始当初は0である。
【0037】押鍵開始時から所定時間Tcが経過したと
き、または所定時間Tcの経過前にアフタタッチ検出デ
ータATがオフセット値OFよりも大きくなったとき、
フリップフロップ13がリセットされ、ライン30及び
インバータ31を介して追従係数発生回路15Aにトリ
ガ信号(オフセット値OFからアフタタッチ検出データ
ATへの移行を指示する信号)が与えられる。これに応
じて、追従係数発生回路15Aでは、最小値0から最大
値1まで時間経過に依存して徐々に増加する追従補間係
数K0と、その逆に最大値1から最小値0まで時間経過
に依存して徐々に減少する追従補間係数1−K0の発生
を開始する。また、セレクタ17はA入力に加わる加算
器16bの出力をセレクトするようになる。
【0038】最初は、K0=0,1−K0=1であるか
ら、アフタタッチ検出データATは乗算器16aで0に
減衰されるの対して、遅延回路16cを介して与えられ
るセレクタ17の出力つまりオフセット値OFのデータ
は乗算器16dを介してフルレベルで加算器16bに正
帰還する。従って、最初はオフセット値OFのデータが
加算器16bから出力され。ここで、K0及び1−K0
は、フィードバックデータ(前回セレクタ出力)と目標
値(アフタタッチ検出データAT)との混合比を示して
おり、K0が小さいほどフィードバックデータの比率が
多くなり目標値に対する追従性は遅くなる。この実施例
では、時間経過に伴って、係数K0が徐々に増加し、1
−K0が徐々に減少するので、乗算器16aによるアフ
タタッチ検出データATの追従性(到達率)が徐々に高
まり、それに反比例して、乗算器16dによるオフセッ
ト値OFの残存率が徐々に低下する。その結果、オフセ
ット値OFからアフタタッチ検出データATに向かう追
従補間が行われ、しかも、上述のような追従性の時間変
化により、オフセット値OFからアフタタッチ検出デー
タATへと滑らかに変化するようになる。つまり、オフ
セット値OFからアフタタッチ検出データATへと変化
する過程で、最初は変化の傾きが緩やかであり、徐々に
傾きが増し、目標値であるアフタタッチ検出データAT
に近づくにつれて再び傾きが緩やかになる。
【0039】係数K0及び1−K0を用いた回路16a〜
16d,17からなるローパスフィルタループ形式の追
従補間制御回路部の特性により、目標値(アフタタッチ
検出データAT)に近づくにつれて補間出力信号(セレ
クタ17の出力)の変化の傾きが緩やかになり、滑らか
に目標値(アフタタッチ検出データAT)に到達するこ
とは先の実施例において述べた通りである。図4の実施
例ではその特性に加えて、係数K0及び1−K0を時間的
に徐々に変化させることにより、補間スタート値(オフ
セット値OF)からの変化の傾きつまり立ち上がりを緩
やかにすることができるのである。
【0040】なお、係数K0の変化の最終値すなわち最
大値を1に設定した場合は、その後のセレクタ17の出
力はアフタタッチ検出データATに一致するものとな
る。これに対して、係数K0の変化の最終値すなわち最
大値を1未満の適当な値に設定した場合は、その後も目
標値(アフタタッチ検出データAT)に絶えず追従する
ように補間が続行され、セレクタ17の出力はアフタタ
ッチ検出データATに完全に一致してはいないが滑らか
に追従するようになる。そのどちらのやり方もが本発明
の範囲に含まれる。
【0041】図3(a)〜(c)に対応する設例におい
て、図4の実施例によって実現される追従補間の一例を
図5(a)〜(c)に示す。図5(a)〜(c)はいず
れもオフセット値OFからアフタタッチ検出データAT
へと移行する部分の波形を拡大して示している。符号A
TDを付した波形が図4の実施例によって得られる追従
補間出力である。
【0042】次に、図4の実施例と同様の目的を達成す
るものであるが、係数K0の変化のさせ方を変更した例
を図6に示す。図6は図4と同様にアフタタッチ制御回
路26の変更例を示しており、図4と同一符号は同一機
能の回路である。図4と異なる点は、図6の追従係数発
生回路15Bが、図4の追従係数発生回路15Aのよう
に時間関数としての係数K0,1−K0を発生するのでは
なく、加算器32の出力に応じて変化する係数K0,1
−K0を発生する点である。図6において、加算器32
は、セレクタ17の出力(つまり回路16a〜16d,
17からなるローパスフィルタループ形式の追従補間制
御回路部の出力データすなわち追従補間の結果得られる
第2の制御データの現在値)とアフタタッチ検出データ
AT(つまり追従補間の目標値すなわち第1の制御デー
タの値)との差を求めるものである。
【0043】追従係数発生回路15Bでは、加算器32
の出力信号を入力し、追従補間の現在値と目標値の差に
応じて変化する追従補間係数K0及び1−K0を発生す
る。前述と同様に、フリップフロップ13の出力端Qの
信号がライン30及びインバータ31を介してこの追従
係数発生回路15Bに入力され、この信号が“0”から
“1”に変わったことをトリガとして係数K0及び1−
K0の発生を開始するようになっている。前述と同様
に、最初は、係数K0は最小値であり、1−K0は最大値
である。加算器32から出力される追従補間の現在値と
目標値の差(差の絶対値でよい)に応じて、この差が小
さくになるに従って、K0の値を徐々に増加していき、
反対に1−K0の値は徐々に減少してゆく。追従補間の
現在値は最初はオフセット値OFであり、目標値ATと
の差は最大である。追従補間が進むにつれてこの差が小
さくなってゆく。この追従係数発生回路15Bは、具体
的には、加算器32から与えられる差データに応じてK
0及び1−K0を読み出すテーブル等によって適宜構成す
ればよいので、その内部詳細回路例については説明を省
略する。図6の実施例は、図4の実施例と同様に動作す
るので、その動作説明は省略する。
【0044】なお、図4〜図6の実施例では、セレクタ
17から得られた制御データに基づき楽音の制御を行う
にあたって、最終的に楽音制御信号として使用するの
は、図1〜図3の実施例と同様に、加算器18で求めた
つまりセレクタ17の出力データとオフセット値OFと
の差分データである。しかし、これに限らず、図4〜図
6の実施例に示された発明思想は、他の楽音制御形態に
おいても応用できる。例えば、図4〜図6の実施例にお
いて、加算器18を省略して、セレクタ17の出力をそ
のまま若しくは適宜の感度調整回路等を経由して楽音信
号発生回路25に与えるようにしてもよい。
【0045】また、図4〜図6の実施例における基準デ
ータとしてはオフセット値OFに限らず、イニシャルタ
ッチ検出回路23Iから発生されるイニシャルタッチ検
出データITを使用してもよい。その場合において、加
算器18をそのまま設けておき、セレクタ17の出力デ
ータと基準データつまりイニシャルタッチ検出データI
Tとの差分データに基づき楽音制御を行うようにしても
よい。あるいは加算器18を省略して、セレクタ17の
出力をそのまま若しくは適宜の感度調整回路等を経由し
て楽音信号発生回路25に与えるようにしてもよい。ま
た、図4と図6の追従係数発生回路15A,15Bの機
能を組合せて、追従係数K0,1−K0が、時間経過及び
現在値と目標値の差の両方に応じて徐々に変化するよう
にしてもよい。
【0046】なお、図2,図4,図6において、回路1
6a〜16d,17からなるローパスフィルタループ形
式の追従補間制御回路部は、1次補間(1次フィルタ)
の構成であるが、これに限らず、図7に示すような2次
補間(2次フィルタ)の構成としてもよい。図7におい
て、遅延回路16c1,16c2では夫々1サンプルタ
イム(nチャンネル時分割タイム)分の信号遅延を行
い、それぞれの出力に対して乗算器16d1,16d2
で係数K1,K2を乗算し、その積を加算器16b2で加
算する。乗算器16aでは前述のようにアフタタッチ検
出データATに追従係数K0を乗算し、その積と加算器
16b2の出力とを加算器16b1で加算し、その和を
セレクタ17に入力する。この場合、係数は、K1=1
−K0−K2なる関係となるようにすれば追従補間が行え
る。更に多次補間(多次フィルタ)も可能である。
【0047】なお、上述の各実施例では、専用のハード
ウェア回路により装置を構成しているが、同等の機能を
ソフトウェア処理で実現してもよい。また、音量、音
高、音色、効果等の楽音要素のうちいずれか1つだけを
アフタタッチデータATDに基づく制御の対象としても
よい。また、上記実施例では、チャンネル数n=16の
場合について説明したが、これに限定されることはな
く、単音でもこれ以外のチャンネル数でもよい。また、
時分割処理でなくパラレル処理であってもよい。アフタ
タッチを検出するセンサは、各キーに独立して設けられ
たものであっても、複数キーに共通に設けられたもので
もよい。
【0048】上記実施例では、鍵盤によって所望楽音を
指定する電子楽器について説明したが、これに限定され
ることはなく、音高指定用の演奏操作手段は鍵盤以外の
ものであってもよく、また、鍵盤のない音源モジュール
ユニット等にも同様に適用することは可能である。この
発明において、鍵とは鍵盤の鍵に限らず、その他の楽音
指定操作手段をも含む。また、楽音音高指定用の操作手
段は別にタッチレスポンス用の演奏操作手段を設け、こ
の演奏操作手段に加わるアフタタッチを検出するもので
あってもよい。また、オフセット値を一定とせずに、時
間の関数として時間経過によって変動させてもよい。同
様にタッチ感度パラメータ係数も時間変化させてもよ
い。
【0049】この発明の実施態様のいくつかを示すと次
のようである。 (a)前記基準値発生手段は、発生すべき楽音の音色に
対応して前記基準値を発生するものである請求項1に記
載の電子楽器のタッチレスポンス装置。 (b)前記基準値発生手段は、前記音色に対応する前記
基準値を、発生すべき楽音の音高に対応して変更するも
のであるa項に記載の電子楽器のタッチレスポンス装
置。 (c)制御開始時に、前記基準値から前記タッチデータ
の現在値に向けて追従補間を行い、前記基準値を開始値
としてタッチデータの現在値に向かって連続的に変化す
る第2のタッチデータを発生する追従補間制御手段を更
に具備し、前記演算手段は、前記追従補間制御手段で追
従補間を行っている最中は、前記基準値と前記第2のタ
ッチデータの差を求めるものである請求項1に記載の電
子楽器のタッチレスポンス装置。 (d)前記変更制御手段は、前記追従補間の係数を、時
間経過に依存して徐々に変化させるものである請求項2
に記載の電子楽器のタッチレスポンス装置。 (e)前記変更制御手段は、前記追従補間の係数を、前
記第1の制御データの値と前記第2の制御データの現在
値との差に応じて変化させるものである請求項2に記載
の電子楽器のタッチレスポンス装置。 (f)前記基準データ発生手段は、所望のオフセット値
を示すデータを前記基準データとして出力するものであ
り、前記楽音制御手段は、前記追従補間の最中は前記第
2の制御データと前記オフセット値との差分に従って楽
音を制御し、その後は前記第1の制御データと前記オフ
セット値との差分に従って楽音を制御するものである請
求項2に記載の電子楽器のタッチレスポンス装置。 (g)前記基準データ発生手段は、前記演奏操作手段に
加えられる初期の操作タッチを検出し、この初期の操作
タッチに対応するデータを前記基準データとして出力す
るものである請求項2に記載の電子楽器のタッチレスポ
ンス装置。 (h)前記移行指示手段は、前記演奏操作手段が操作さ
れたときから所定時間経過後に、前記移行を指示するも
のである請求項2に記載の電子楽器のタッチレスポンス
装置。 (i)前記移行指示手段は、前記所定時間経過前に前記
第1の制御データの値が基準データの値にクロスした場
合は、このクロス時点に応じて前記移行を指示するもの
であるh項に記載の電子楽器のタッチレスポンス装置。
【0050】
【発明の効果】 以上の通り、この発明によれば、所定
の基準値データ(オフセット値)とタッチデータとの差
を演算して該基準値データに対する該タッチデータの大
小に応じて正及び負の値をとる差分データを求め、これ
をタッチデータとして楽音制御に利用するようにしてい
るので、該タッチデータが所定の基準値(オフセット
値)を基準にして正負どちらの方向にも変化し得るよう
になり、音高、音量、音色、効果等の各種楽音要素を正
負いずれの方向にでも増減制御させることのできるタッ
チ制御を行うことができるという効果を奏する共に、音
色やキースケーリング等、適宜のタッチ感度パラメータ
により上記差分データを変更制御することによりタッチ
感度の調整が可能であるため、表現力豊かなタッチレス
ポンス制御を行なうことができるという効果がある。ま
た、この発明によれば、追従補間により基準データから
第1の制御データへと徐々に変化するデータを第2の制
御データとして発生する場合に、追従補間の係数を変化
するようにしたため、これにより、追従補間により得ら
れる第2の制御データが滑らかに変化するものとなる。
従って、急激な楽音制御信号の変化を防ぎ、不自然感さ
を感じさせないタッチレスポンス制御を行うことができ
るようになるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う電子楽器の一実施例を示すブロ
ック図。
【図2】図1におけるアフタタッチ制御回路の詳細例を
示すブロック図。
【図3】図1及び図2に従うこの発明の実施例の動作を
説明するために、アフタタッチデータの出力波形とオフ
セット値との関係の一例を示す図。
【図4】この発明の別の実施例として、図1におけるア
フタタッチ制御回路の別の詳細例を示すブロック図。
【図5】図4に従う実施例の動作を説明するために、ア
フタタッチデータの出力波形とオフセット値との関係の
一例を要部について拡大して示す図。
【図6】図4に示したアフタタッチ制御回路の変更例を
示すブロック図。
【図7】図2,図4,図6における追従補間制御用の回
路部分の変更例を示すブロック図。
【符号の説明】
10…オフセット値発生回路、11…タイマ回路、12
…比較回路、13…フリップフロップ、15…追従係数
発生回路、16a,16d…乗算器、16b…加算器、
16c…遅延回路、17…セレクタ、18…加算器、1
9a…係数発生回路、19b…乗算器、20…鍵盤、2
1…押鍵検出回路、22…発音割当回路、23…タッチ
検出回路、23I…イニシャルタッチ検出回路、23A
…アフタタッチ検出回路、24…音色選択回路、25…
楽音信号発生回路、26…アフタタッチ制御回路、27
…エンベロープ発生回路、28…加算器、29…サウン
ドシステム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 正志 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−188592(JP,A) 特開 昭62−187393(JP,A) 特開 平1−200289(JP,A) 特公 昭61−14518(JP,B2) 特公 昭63−42268(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楽音の演奏操作を行うための操作手段
    と、 前記操作手段の操作中に加えられる操作タッチを検出
    し、検出した操作タッチに基づきタッチデータを発生す
    るタッチデータ発生手段と、所定 の基準値データを発生する基準値発生手段と、 前記基準値データと前記タッチデータの差を演算し、該
    基準値データに対する該タッチデータの大小に応じて正
    及び負の値をとる差分データを出力する演算手段と、 前記演算手段により求めた差分データを任意のタッチ感
    度パラメータによって変更制御し、該タッチ感度パラメ
    ータによって増減制御されてなる正及び負の値をとる差
    分データを出力する変更手段と、 前記変更手段から出力される差分データに応じて楽音を
    制御する楽音制御手段とを具えた電子楽器のタッチレス
    ポンス装置。
  2. 【請求項2】 楽音の演奏操作を行うための操作手段
    と、前記操作手段の操作中に加えられる操作タッチを検
    出し、検出した操作タッチに応答して変化するデータを
    第1の制御データとして出力する制御データ発生手段
    と、基準データを発生する基準データ発生手段と、楽音
    制御に使用するデータを前記基準データから前記第1の
    制御データへと移行させることを指示する移行指示手段
    と、前記移行が指示されたときに、前記基準データから
    前記第1の制御データへと追従補間させ、この補間によ
    り得られるデータを第2の制御データとして出力する補
    間制御手段と、前記追従補間の係数を変化させることに
    より、前記第2の制御データが滑らかに変化するように
    する係数変更制御手段と、前記第2の制御データに基づ
    き楽音を制御する楽音制御手段とを具えた電子楽器のタ
    ッチレスポンス装置。
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