JP2630166B2 - 自動演奏装置 - Google Patents

自動演奏装置

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JP2630166B2
JP2630166B2 JP4148988A JP14898892A JP2630166B2 JP 2630166 B2 JP2630166 B2 JP 2630166B2 JP 4148988 A JP4148988 A JP 4148988A JP 14898892 A JP14898892 A JP 14898892A JP 2630166 B2 JP2630166 B2 JP 2630166B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はシーケンサ等の自動演
奏装置あるいは自動リズム演奏装置に係り、特に自動演
奏中に演奏データの内容を任意に変更できるデータ変更
機能を有する自動演奏装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動演奏装置においては、演奏順
序に従って演奏データが記憶されており、その演奏デー
タを順に読出して所定のタイミングで発音するようにし
ている。ところで、人間が演奏する場合は、同じ譜面を
演奏する場合においても、演奏の進行に連れて感情が変
化したり、聴取者の反応にさらに演奏者が反応したりす
ることで、自然と毎回のアクセントに位置や、「た
め」、「つっこみ」といった言葉で言われるような演奏
タイミングが変化し、その表情は豊かなものである。そ
して、それが生演奏の音楽表現の良さでもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
よう従来の自動演奏装置は、いわばレコードを再生する
のと同様で、記録されている内容のものを毎回正確に再
生するのみであるので、生演奏のような、その場での感
情表現ができず、単調な演奏をするのみであった。
【0004】この発明は、このような従来技術の欠点に
鑑みなされたもので、基準となる演奏データとその他に
その基準となる演奏データを変更する変更データを用い
て、生演奏のような感情表現の豊かな自動演奏を行うこ
とができる自動演奏装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】 請求項1に記載の発明
に係る自動演奏装置は、基準となる演奏データを記憶す
る演奏データ記憶手段と、前記基準となる演奏データの
変更内容を示す変更データを複数種記憶する変更データ
記憶手段と、自動演奏の進行に伴って前記記憶手段から
前記基準となる演奏データと前記変更データを読み出す
読出し手段と、前記変更データ記憶手段の複数種の変更
データの中から任意の変更データを選択するデータ選択
手段と、前記読出し手段と選択手段の出力に基づき、前
記選択された変更データによって前記基準となる演奏デ
ータを変更するデータ変更手段と、前記変更データの利
き具合を可変調整するためのものであり、前記選択され
た変更データの値を調整し、調整した変更データによっ
て前記データ変更手段における前記基準となる演奏デー
タの変更を行うようにするデータ調整手段と、変更され
た前記演奏データに基づき自動演奏音を発生する楽音発
生手段とを備えるものである。請求項2に記載の発明に
係る自動演奏装置は、基準となる演奏データを記憶する
演奏データ記憶手段と、前記基準となる演奏データの変
更内容を示す変更データを曲の進行順に記憶するもので
あり、同じ演奏タイミングに対応して複数の異なる前記
変更データを記憶している変更データ記憶手段と、自動
演奏の進行に伴って前記記憶手段から前記基準となる演
奏データと前記変更データを読み出す読出し手段と、同
じ演奏タイミングに対応して前記変更データ記憶手段に
記憶されている複数の前記変更データのうち1つの変更
データを選択する選択手段と、前記読出し手段と選択手
段の出力に基づき、前記選択された変更データによって
前記基準となる演奏データを変更するデータ変更手段
と、変更された前記演奏データに基づき自動演奏音を発
生する楽音発生手段とを備えるものである。
【0006】請求項3に記載の発明に係る自動演奏装置
は、演奏データを基準となる演奏タイミングに対応して
記憶する演奏データ記憶手段と、演奏データの演奏タイ
ミングを変更するためのタイミング変更データを、正負
両方向へのタイミング変更が可能なデータ形式にて、記
憶する変更データ記憶手段と、自動演奏の進行に伴って
前記記憶手段から前記演奏データと前記タイミング変更
データを読み出す読出し手段と、読み出された前記演奏
データの前記基準となる演奏タイミングを前記タイミン
グ変更データによって正又は負方向に変更し、かつ所定
の遅延時間だけずらして該演奏データの演奏タイミング
を設定するタイミング制御手段と、前記タイミング制御
手段によって設定された演奏タイミングで前記演奏デー
タに基づく自動演奏音を発生する楽音発生手段とを備え
るものである。
【0007】
【作用】 請求項1に記載の発明においては、自動演奏
中に操作者はその時の感情に合わせてデータ選択手段を
操作して複数種の変更データの中から任意のものを選択
することができる。選択された変更データに基づいて基
準となる演奏データが変更されることになるが、ここ
で、更に、変更データの利き具合を可変調整するために
データ調整手段が設けられており、選択された変更デー
タの値がこのデータ調整手段による調整内容に応じて可
変調整され、調整した変更データによって前記基準とな
る演奏データの変更が行われる。従って、基準となる演
奏データの他にその演奏データを変更する変更データを
複数種持ち、自動演奏中に操作者が感情の高揚に適合し
た任意の変更データを選択して用いることで、人間によ
る生演奏のような感情表現豊かな自動演奏を行うことが
できる、という利点を有することに加えて、変更データ
を予め複数種記憶して用意してあることにより、基準と
なる演奏データに基づく自動演奏の所定のバリエーショ
ンを、音楽的知識や演奏力に乏しい初心者でも比較的容
易に実現することができる、という利点を有する。ま
た、変更データの選択の仕方によって自動演奏曲の感じ
を自由に変更することができるので、基準となる演奏デ
ータに基づく曲は1つの曲であっても、何通りものバリ
エーションを容易に選択して自動演奏させることができ
る、という利点を有する。加えて、データ調整手段によ
って変更データの利き具合を可変調整するようにしたこ
とにより、同じ変更データを用いた場合であってその利
き具合の調整によって微妙に演奏内容を変化させること
ができ、更に好ましい自動演奏を相対的に少ないデータ
記憶量で実現することができる。請求項2に記載の発明
においても、上記と同様に、自動演奏中に操作者はその
時の感情に合わせてデータ選択手段を操作して複数の変
更データの中から任意のものを選択することができるの
で、上記と同様の利点を有する。特に、変更データは曲
の進行順に記憶されていて、同じ演奏タイミングに対応
して複数の異なる変更データが記憶されるので、データ
選択手段の操作量に一義的に依存した内容の変更データ
が選択されるのではなく、自動演奏中におけるデータ選
択手段の各操作タイミングにも依存して最適の内容の変
更データを選択することができる、という利点を有す
る。従って、基準となる演奏データに基づく自動演奏の
所定のバリエーションを、音楽的知識や演奏力に乏しい
初心者でも、より一層容易に実現することができる。
【0008】請求項3に記載の発明においては、変更デ
ータとして演奏タイミングを変更するデータを用いる場
合に、個別の自動演奏音の発音タイミングを遅らせる方
向のみならず、進める方向にも変更することができるこ
とを特徴としている。すなわち、タイミング変更データ
は、正負両方向へのタイミング変更が可能なデータ形式
にて、記憶されているものであり、演奏データに基づく
基準となる演奏タイミングを、このタイミング変更デー
タによって正又は負方向に変更する場合において、所定
の遅延時間だけ一律にずらして該演奏データの演奏タイ
ミングを設定するようにしたことを特徴としている。こ
れによって、自動演奏タイミングが所定の遅延時間だけ
一律にずらされることにより、基準となる演奏タイミン
グをタイミング変更データによって負方向に変更する
(つまり発音タイミングを進める方向に変更する)場合
であっても、該所定の遅延時間内で進めるように制御す
ることができ、リアルタイムの自動演奏でありながら、
個別の自動演奏音の発音タイミングを遅らせる方向のみ
ならず、進める方向にも変更制御することができる、と
いう利点を有する。
【0009】
【実施例】以下、添付図面を参照してこの発明の一実施
例を詳細に説明する。図1はこの発明に係る自動演奏装
置を適用した電子楽器の一実施例のハードウェア構成を
示すブロック図である。この実施例においては、CPU
10、プログラムROM11、データ及びワーキングR
AM12を含むマイクロコンピュータの制御の下に各種
の処理が実行されるようになっている。この実施例では
1つのCPU10によって押鍵検出処理や自動演奏処理
等を行う電子楽器について説明する。
【0010】マイクロプロセッサユニット(CPU)1
0は、この電子楽器全体の動作を制御するものである。
このCPU10に対して、データ及びアドレスバス24
を介してプログラム及びパターンデータROM11、デ
ータ及びワーキングRAM12、押鍵検出回路13、ス
イッチ検出回路14、アナログ−デジタル変換器(AD
C)15、ダイヤル16、音源回路17、タイマ18及
びフロッピディスクドライブ25が接続されている。
【0011】プログラム及びパターンデータROM11
はCPU10のシステムプログラムや自動演奏パターン
データや楽音に関する各種パラメータや各種データが格
納されているものであり、リードオンリーメモリ(RO
M)で構成されている。データ及びワーキングRAM1
2は、演奏データやCPU10がプログラムを実行する
際に発生する各種データや各種フラグを一時的に記憶す
るものであり、ランダムアクセスメモリ(RAM)の所
定のアドレス領域がそれぞれ割り当てられ、レジスタや
フラグ等として利用される。
【0012】鍵盤19は、発音すべき楽音の音高を選択
するための複数の鍵を備えており、各鍵に対応したキー
スイッチを有しており、また必要に応じて押圧力検出装
置等のタッチ検出手段を有している。鍵盤19は音楽演
奏のための基本的な操作子であり、これ以外の演奏操作
子でもよいことはいうまでもない。押鍵検出回路13
は、発生すべき楽音の音高を指定する鍵盤19のそれぞ
れの鍵に対応して設けられたキースイッチ回路を含むも
のである。この押鍵検出回路13は、鍵盤19の離鍵状
態から押鍵状態への変化を検出してキーオンイベントを
出力し、押鍵状態から離鍵状態への変化を検出してキー
オフイベントを出力すると共にそれぞれのキーオンイベ
ント及びキーオフイベントに関する鍵の音高を示すキー
コード(ノートナンバ)を出力する。押鍵検出回路13
は、この他にも鍵押し下げ時の押鍵操作速度や押圧力等
を検出してベロシティデータやアフタタッチデータとし
て出力する。
【0013】スイッチ検出回路14は、パネルスイッチ
20に設けられた各々の操作子(スイッチ)に対応して
設けられており、各々の操作子の操作状況に応じた操作
データをイベント情報として出力する。パネルスイッチ
20は、発生すべき楽音の音色、音量、音高、効果等を
選択、設定、制御するための各種の操作子を含むもので
ある。
【0014】フットペダル21は操作者の足によって操
作される操作子の一種であり、図2のように可動部材2
1aと固定部材21bとから成り、可動部材21aと固
定部材21bの成す操作角度に応じたアナログの角度信
号Pを出力する。アナログ−デジタル変換器15はフッ
トペダル21から出力されるアナログの角度信号を0〜
1の値を示すデジタルのペダル信号Pに変換して出力す
る。フットプダル21の踏み込み量が最大の場合に大き
さ『1』のペダル信号Pが、踏み込み量が最小、すなわ
ち操作されていない場合に大きさ『0』のペダル信号P
が、踏み込み量が中間に位置する場合には0〜1の範囲
の大きさのペダル信号Pがアナログ−デジタル変換器1
5から出力される。ダイヤル16は操作者によって操作
される操作子の一種であり、操作に応じたデジタルのダ
イヤル番号『I』、『II』、『III』・・・を出力す
る。
【0015】音源回路17は、複数のチャンネルで楽音
信号の同時発生が可能であり、データ及びアドレスバス
24を経由して与えられた演奏データ(MIDI規格に
準拠したデータ)を入力し、この演奏データに基づき楽
音信号を発生する。音源回路17における楽音信号発生
方式はいかなるものを用いてもよい。例えば、発生すべ
き楽音の音高に対応して変化するアドレスデータに応じ
て波形メモリに記憶した楽音波形サンプル値データを順
次読み出すメモリ読み出し方式、又は上記アドレスデー
タを位相角パラメータデータとして所定の周波数変調演
算を実行して楽音波形サンプル値データを求めるFM方
式、あるいは上記アドレスデータを位相角パラメータデ
ータとして所定の振幅変調演算を実行して楽音波形サン
プル値データを求めるAM方式等の公知の方式を適宜採
用してもよい。
【0016】音源回路17から発生される楽音信号は、
デジタル−アナログ変換器(DAC)22及びサウンド
システム23(アンプ及びスピーカからなる)を介して
発音される。タイマ18は時間間隔を計数したり、自動
演奏のテンポを設定したりするためのテンポクロックパ
ルスを発生するものであり、このテンポクロックパルス
の周波数はパネルスイッチ20上のテンポスイッチ(図
示していない)によって調整される。発生したテンポク
ロックパルスはCPU10に対してインタラプト命令と
して与えられ、CPU10はインタラプト処理により自
動演奏の各種処理を実行する。
【0017】図3はプログラム及びパターンデータRO
M11に記憶されている演奏データパターンPD及び変
更データパターンCDの内容を示す図である。演奏デー
タパターンPDは全部で1小節分のデータを格納してお
り、1小節内の各タイミング毎にアドレス(この実施例
では96アドレス)ADRが割り振られている。演奏デ
ータパターンPDの1アドレス分の演奏データは、イベ
ントの内容を格納するイベント部と、そのイベントに関
連したデータを格納するデータ部と、イベントがキーオ
ンの場合にそのベロシティVELを格納するベロシティ
部とから構成されている。
【0018】例えば、演奏データパターンPDのアドレ
ス『1』にはキーオンを示すイベントデータ『KON』
と、そのノートナンバを示すデータ『37』と、そのベ
ロシティVELを示すデータ『106』とが格納されて
いる。通常の演奏処理では、このアドレス『1』のデー
タが読み出されると、その読出タイミングから所定時間
(4分の1拍に対応する時間)D0が経過した後にノー
トナンバ『37』及びベロシティ『106』に対応する
楽音の発音処理が行われる。同様に、演奏データパター
ンPDのアドレス『3』にはキーオンを示すデータ『K
ON』と、そのノートナンバを示すデータ『42』と、
そのベロシティVELを示すデータ『98』とが格納さ
れている。このアドレス『3』のデータが読み出される
と、その読出タイミングから所定時間D0経過後にノー
トナンバ『42』及びベロシティ『98』に対応する楽
音の発音処理が行われる。
【0019】演奏データパターンPDのアドレス『4』
には、キーオフを示すデータ『KOF』と、そのノート
ナンバを示すデータ『37』とが格納されている。ノー
トナンバ『37』に対応する楽音の発音処理は、このア
ドレス『4』のデータが読み出されることによって所定
時間D0経過後に消音処理へと変更される。演奏データ
パターンPDのアドレス『5』には、ピッチベンドを示
すイベントデータ『PB』と、そのベンド幅を示すデー
タ『+8』とが格納されている。このアドレス『5』の
データが読み出されると、そのベンド幅データに応じて
発音中の楽音のピッチが変更制御される。
【0020】変更データパターンCDは1小節分のデー
タを格納しており、演奏データパターンPDと同様に、
1小節内の各タイミング毎に96のアドレスが割り振ら
れている。変更データパターンCDの1アドレス分の変
更データは、発音タイミングの変更を示すタイミング変
更値TMを格納するタイミング部と、ベロシティオフセ
ット値VOFを格納するベロシティオフセット部とから
構成されている。
【0021】例えば、変更データパターンCDのアドレ
ス『0』にはタイミング変更値として『0』が、ベロシ
ティオフセット値VOFとして『12』が格納されてい
る。この変更データパターンCDのアドレス『0』のデ
ータによって、発音タイミングの変更は行われないが、
ベロシティVELの変更処理は行われる。但し、図3の
実施例では演奏データパターンのアドレス『0』には演
奏データが存在しないので、変更データパターンCDか
ら読み出されたアドレス『0』のデータは意味をなさな
いこととなる。
【0022】変更データパターンCDのアドレス『1』
には、タイミング変更値として『2』が、ベロシティオ
フセット値VOFとして『10』が格納されている。こ
の変更データパターンCDのアドレス『1』の変更デー
タによって、演奏データパターンPDのアドレス『1』
の演奏データは通常処理より最大でタイミング変更値
『2』に相当する時間だけ遅れて処理され、さらに演奏
データパターンPDのアドレス『1』のベロシティ『1
06』も最大で『10』だけ増加され、『116』とな
る。なお、最大でと記したのは、後述する処理でペダル
の踏込量に応じて変更値のきき具合を制御するためであ
るが詳しくは後述する。演奏データパターンPD及び変
更データパターンCDからアドレス『1』のデータが読
み出されると、その読出タイミングから所定時間D0経
過後、さらにペダル21の踏込具合に応じて最大でタイ
ミング変更値『2』に相当する時間だけ遅れてノートナ
ンバ『37』の音高の楽音の発音処理がペダル21の踏
込具合に応じて『106』〜『116』のベロシティに
対応して行われるようになる。
【0023】同様に、変更データパターンCDのアドレ
ス『2』には、タイミング変更値として『5』が、ベロ
シティオフセット値VOFとして『5』が格納されてい
る。この変更データパターンCDのアドレス『2』の変
更データによって、演奏データパターンPDのアドレス
『2』の演奏データは通常処理より最大でタイミング変
更値『5』に相当する時間だけ遅れて処理され、ベロシ
ティVELも最大で『10』だけ増加される。但し、こ
の実施例では演奏データパターンPDのアドレス『2』
には演奏データが存在しないので、アドレス『2』の変
更データパターンCDは意味をなさないこととなる。
【0024】次に、変更データパターンCDのアドレス
『3』には、タイミング変更値として『11』が、ベロ
シティオフセット値VOFとして『−10』が格納され
ている。この変更データパターンCDのアドレス『3』
の変更データによって、演奏データパターンPDのアド
レス『3』の演奏データは通常処理より最大でタイミン
グ変更値『11』に相当する時間だけ遅れて処理され、
さらにベロシティ『98』も最大で『10』だけ減少さ
れ、『88』となる。すなわち、演奏データパターンP
D及び変更データパターンCDからアドレス『3』のデ
ータが読み出されると、その読出タイミングから所定時
間D0経過後、さらにペダル21の踏込具合に応じて最
大でタイミング変更値『11』に相当する時間だけ遅れ
たタイミングでノートナンバ『42』の音高の楽音の発
音処理がペダル21の踏込具合に応じて『98』〜『8
8』のベロシティに対応して行われるようになる。
【0025】同様に、変更データパターンCDのアドレ
ス『4』には、タイミング変更値として『6』が、ベロ
シティオフセット値VOFとして『−6』が格納されて
いる。この変更データパターンCDのアドレス『4』の
変更データによって、演奏データパターンPDのアドレ
ス『4』の演奏データは通常処理より最大でタイミング
変更値『6』に相当する時間だけ遅れて処理され、さら
にベロシティVELも最大で『6』まで減少される。す
なわち、演奏データパターンPD及び変更データパター
ンCDからアドレス『4』のデータが読み出されると、
その読出タイミングから所定時間D0経過後、さらにペ
ダル21の踏込具合に対応して最大でタイミング変更値
『6』に相当する時間だけ遅れたタイミングでノートナ
ンバ『37』に対応する楽音の消音処理が行われる。こ
こでは、変更データのベロシティ変更値『−6』は意味
をなさないこととなる。
【0026】次に、変更データパターンCDのアドレス
『5』には、タイミング変更値として『−1』が、ベロ
シティオフセット値VOFとして『2』が格納されてい
る。変更データパターンCDのアドレス『5』の変更デ
ータによって、演奏データパターンPDのアドレス
『5』の処理タイミングは通常処理より最大でタイミン
グ変更値『1』に相当する時間だけ進んで処理され、ベ
ロシティVELも最大で『2』だけ増加される。すなわ
ち、演奏データパターンPD及び変更データパターンC
Dからアドレス『5』のデータが読み出されると、その
読出タイミングから所定時間D0経過後からペダル21
の踏込具合に応じて最大でタイミング変更値『1』に相
当する時間だけ差引いた時間タイミングでピッチベンド
処理が行われる。ここでは、変更データのベロシティ変
更値『−6』は意味をなさないこととなる。
【0027】変更データパターンCDのアドレス6〜9
4にも同様の内容の変更データが格納されている。変更
データパターンCDは、演奏データパターンPDと異な
り、全てのアドレス位置にタイミング変更値TM及びベ
ロシティオフセット値VOFを示すデータが格納されて
いる。これは、どのような構成の演奏データパターンP
Dに対しても適切な変更制御を行えるようにするためで
ある。上述の例では、ピッチベンドデータPBの処理タ
イミングについて変更データがマイナスの場合を示した
が、キーオン、キーオフ等の処理タイミングについても
変更データがマイナスの場合には、同様にして所定時間
D0より短い待ち時間で処理されるのうは言うまでもな
い。
【0028】図4は、変更データパターンCDパターン
の内容をイメージ的に認識可能なように示す図であり、
図3のアドレスADRを横軸に、そのアドレスにおける
タイミング変更値TM及びベロシティオフセット値VO
Fを縦軸に割り当てて示してある。図において、タイミ
ング変更データパターンイメージT1,T2〜TNはタ
イミング変更値TMの変化のようすを示すものであり、
ベロシティ変更データパターンイメージV1,V2〜V
Nはベロシティオフセット値VOFの変化のようすを示
すものである。
【0029】なお、図4は4分の4拍子における変化パ
ターンを示すので、最初のアドレス『0』がパターン先
頭(1拍目)に、アドレス『24』が2拍目に、アドレ
ス『48』か3拍目に、アドレス『72』が4拍目に、
そして最後のアドレス『95』がパターン終端(4拍目
の終端)に相当する。
【0030】タイミング変更データパターンイメージT
1,T2〜TNで正のタイミング変更値TMは、通常処
理よりも遅延した処理を行うことを意味し、曲の感じと
して『ため』感を与え、負のタイミング変更値TMは通
常処理よりも進んだ処理を行うことを意味し、曲の感じ
として『つっこみ』感を与える。ベロシティ変更データ
パターンイメージV1,V2〜VNで正のベロシティオ
フセット値VOFはベロシティVELを大きくすること
を意味し、負のベロシティオフセット値VOFはベロシ
ティVELを小さくすることを意味する。
【0031】ここで、例えば、図4のタイミング変更デ
ータパターンT1によれば、1拍目付近の演奏データは
タイミングの変更は行わないが、2拍目付近の演奏デー
タは「つっこみ」ぎみに変更し、3拍目付近の演奏デー
タは「ため」ぎみに変更し、4拍目付近の演奏データは
「つっこみ」ぎみに変更する。同様に、ベロシティを、
特に音量に対応させた場合、変更データパターンV2に
よれば、パターン先頭付近から2拍目付近まではベロシ
ティの変更は行わないが、2拍目以降からパターン終端
までのデータについてはベロシティを大きめにしてアク
セントを付けるように変更する。
【0032】図4のようなタイミング変更データパター
ンイメージT1,T2〜TNとベロシティ変更データパ
ターンイメージV1,V2〜VNを適宜組み合わせるこ
とによって、いろいろな変更データパターンCDを作成
することができる。例えば、タイミング変更データパタ
ーンT1とベロシティ変更データパターンV1との組合
せを変更データパターンCD11とし、タイミング変更
データパターンT2とベロシティ変更データパターンV
2との組合せを変更データパターンをCD22とし、タ
イミング変更データパターンTNとベロシティ変更デー
タパターンVNとの組合せを変更データパターンをCD
NNとする。
【0033】図5は、図3のような演奏データパターン
PD及び変更データパターンCDの組合せからなる一曲
分のパターンシーケンスデータの内容を示す図である。
この一曲分のパターンシーケンスデータは、所定の方式
によって操作者が作成しても良いし、予め作成されたパ
ターンシーケンスデータをフロッピディスク26に複数
曲分記憶しておき、適宜データ及びワーキングRAM1
2に転送記憶させるようにしてもよい。図において、演
奏データパターン順の欄には、演奏データパターンの番
号が演奏される順番に格納されている。この実施例で
は、演奏データパターンとして、PD1,PD2,PD
3,PD1,PD1,PD2,PD4,...の順番で
演奏される場合を示す。
【0034】また、変更制御データパターンの欄には、
変更データの内容に応じて図1の操作者によって任意に
操作可能なダイヤル16で適宜選択可能なようにダイヤ
ル番号I,II,III,IV,...に対応したものが演奏順に
格納されている。例えば、ダイヤル番号Iの場合はCD
11,CD12,CD11,CD12,CD12,CD
11,CD11,...が、ダイヤル番号IIの場合はC
D22,CD23,CD22,CD22,CD23,C
D23,CD22,...が、ダイヤル番号IIIの場合
はCD12,CD11,CD23,CD23,CD2
3,CD23,CD12,...が、ダイヤル番号IVの
場合はCD23,CD11,CD22,CD12,CD
23,CD11,CD22,...が、それぞれ変更デ
ータパターンとして演奏データパターンに対応して演奏
順に読み出される。従って、演奏データパターン順で演
奏中にダイヤル16を操作してダイヤル番号を適宜変更
することによって、変更データの内容をリアルタイムに
変更することができ、演奏曲の感じを操作者のダイヤル
操作によって自由に変更することができる。
【0035】次に、マイクロコンピュータ(CPU1
0)によって実行される自動演奏装置の処理の一例を図
6から図8のフローチャートに基づいて説明する。図6
は、マイクロコンピュータが処理するメインルーチンの
一例を示す図である。このメインルーチンはつぎのよう
なステップで順番に実行される。ステップ61:まず、
電源が投入されると、CPU10はプログラム及びパタ
ーンデータROM11に格納されている制御プログラム
に応じた処理を開始する。そして、この「イニシャライ
ズ」処理では、データ及びワーキングRAM12内の各
種レジスタ及びフラグ等を初期化する。
【0036】ステップ62:「スキャン処理」では、ス
イッチ検出回路14、アナログ−デジタル変換器15
(ペダル21)及びダイヤル16をスキャンしてスイッ
チオンイベントの有無やその操作量等のデータを検出す
る。 ステップ63:「各イベント処理」では、スキャンの結
果に応じた各種イベントの処理を実行する。 ステップ64:「その他の処理」では、パネルスイッチ
20におけるその他の操作子の操作に基づく処理や、そ
の他の音量変更や鍵盤19による演奏の処理等の種々の
処理を行う。
【0037】図7は、図3の演奏データパターンPDを
順次読み出すために、4分音符当たり24回の割り込み
に応じて実行されるタイマインタラプト処理を示す図で
ある。以下は、所定のスイッチ操作によって、すでに、
データ及びワーキングRAM12内に図5のような一曲
分のパターンシーケンスデータがフロッピディスクから
転送記憶されているものとして説明する。この処理はつ
ぎのようなステップで順番に実行される。
【0038】ステップ71:小節カウント処理では、現
在何小節目を演奏中であるかをカウントする。すなわ
ち、一小節分の演奏を経過する毎にカウントアップされ
る。このカウント値を小節番号としてデータ及びワーキ
ングRAM12内のパターンシーケンスデータを参照し
て現在演奏中の演奏データパターンが特定される。 ステップ72:ビートカウンタ処理では、1小節内のど
の位置、すなわち図3の演奏データパターンのように9
6分割されたアドレスのどのアドレスを読み出して発音
処理を行うのか、そのアドレスをカウントする。該アド
レスは、タイマインタラプトの度にカウントアップさ
れ、95に達した次は0にもどってカウントを繰り返
す。前記小節カウンタは、このビットカウンタのリセッ
ト時にカウントアップされる。
【0039】ステップ73:演奏データ読み出し処理で
は、プログラム及びパターンデータROM11内に記憶
されているところの小節カウンたで特定された演奏パタ
ーンデータの中からビートカウンタで特定されるアドレ
スに記憶されている演奏データをプログラム及びパター
ンデータROM11から読み出す。 ステップ74:前述したように演奏データパターンには
演奏データを有しないアドレスが存在するので、この演
奏データ読み出し処理で読み出されたデータが演奏デー
タかどうかを判定し、演奏データである場合には次のス
テップ以降を処理するが、そうでない(演奏データでな
い)場合には直ちにリターンする。
【0040】ステップ75:変更データ読み出し処理で
は、小節カウンタと、ダイヤル16のダイヤル番号とに
よってデータ及びワーキングRAM12内のパターンシ
ーケンスデータを参照して特定されるプログラム及びパ
ターンデータROM11内の変更データパターンの中か
らビートカウンタで特定されるアドレスに記憶されてい
る変更データを読み出す。 ステップ76:ペダル値読み込み処理では、前述の図6
に示したメインルーチンのステップ62のスキャン処理
で取り込んであるペダル21の踏み込み量、すなわちペ
ダル値をペダルレジスタPに格納する。
【0041】ステップ77:ペダルレジスタPの値と変
更データのタイミング変更値TMとの積を基準値D0に
加算し、その加算値をディレイレジスタDに格納する。
ここで、ディレイレジスタDは、演奏データの読出タイ
ミングから楽音の発音処理を行うまでの時間を示すレジ
スタである。基準遅延値D0はタイミング変更値TMが
『0』の場合でも演奏データを読み出してから、この基
準遅延値D0に対応する時間、すなわち所定時間D0
(4分の1拍に相当する時間)だけ発音タイミングを遅
らせるための値である。また、ペダルレジスタPの値と
変更データのベロシティオフセットVOFとの積を演奏
データのベロシティVELに加算し、その加算値をベロ
シティレジスタVに格納する。
【0042】図8は、図7の処理で読み出された演奏デ
ータを再生するために、4分音符当たり96回の割り込
みで実行されるタイマインタラプト処理を示す図であ
る。この処理はつぎのようなステップで順番に実行され
る。
【0043】ステップ81:まず、ディレイレジスタD
を1だけデクリメント処理する。 ステップ82:デクリメント処理されたディレイレジス
タDの値が『0』になったかどうかを判定し、『0』の
場合は次のステップに進み、そうでない場合はリターン
し、再度ディレイレジスタDのデクリメント処理と、同
様の判定処理を繰り返し実行する。 ステップ83:デクリメント処理の結果、ディレイレジ
スタDの値が『0』になった場合は、その時点でベロシ
ティレジスタVに格納されている値を音源回路17に送
出し、発音処理を行う。
【0044】次に図7及び図8のフローチャートに従っ
た動作例を説明する。小節カウント処理及びビートカウ
ンタ処理の結果、現在演奏中の演奏データパターンとし
て図3の演奏データパターンPDのアドレス『1』の演
奏データを読み出して発音処理する場合について説明す
る。演奏データパターンPDのアドレス『1』にはキー
オンを示すデータ『KON』と、そのノートナンバを示
すデータ『37』と、そのベロシティVELを示すデー
タ『106』とが格納されているので、演奏データ読み
出し処理では、図3の演奏データパターンPDのアドレ
ス『1』から演奏データを読み出す。
【0045】演奏データパターンPDから読み出された
アドレス『1』のデータは演奏データなので、次に、変
更データパターンCDのアドレス『1』から変更データ
を読み出す。変更データパターンCDのアドレス『1』
には、タイミング変更値TMとして『2』が、ベロシテ
ィオフセット値VOFとして『10』が格納されてい
る。ペダル値読み込み処理では、フットペダル21の操
作量に応じたペダル値をペダルレジスタPに格納する。
ここで、ペダルレジスタPに格納されたペダル値が
『0』の場合、『0.5』の場合、『1』の場合につい
て説明する。
【0046】まず、ペダル値が『0』の場合は、ペダル
レジスタPの値『0』と変更データのタイミング変更値
TM『2』との積は『0』なので、ディレイレジスタD
には基準値D0だけが格納される。ここで、基準値D0
は発音タイミングを4分の1拍に相当する時間だけ遅ら
せるための値であり、1拍の値を『96』としているた
め『24』とする。ペダルレジスタPの値『0』と変更
データのベロシティオフセットVOF『10』との積も
『0』なので、ベロシティレジスタVには演奏データの
ベロシティVEL『106』がそのまま格納される。そ
して、図8の割り込み処理が24回繰り返され、ディレ
イレジスタDが『0』となった時点で、ノートナンバ
『37』及びベロシティ『106』に対応する楽音の発
音処理が行われるようになる。
【0047】ペダル値が『0.5』の場合は、ペダルレ
ジスタPの値『0.5』と変更データのタイミング変更
値TM『2』との積は『1』なので、ディレイレジスタ
Dには基準値D0『24』と『1』との加算値『25』
が格納される。ペダルレジスタPの値『0.5』と変更
データのベロシティオフセットVOF『10』との積は
『5』なので、ベロシティレジスタVには演奏データの
ベロシティVELの『106』と『5』との加算値『1
11』が格納される。そして、図8の割り込み処理が2
5回繰り返され、ディレイレジスタDが『0』となった
時点で、ノートナンバ『37』及びベロシティ『11
1』に対応する楽音の発音処理が行われるようになる。
【0048】ペダル値が『1』の場合は、ペダルレジス
タPの値『1』と変更データのタイミング変更値TM
『2』との積は『2』なので、ディレイレジスタDには
基準値D0『24』と『2』との加算値『26』が格納
される。ペダルレジスタPの値『1』と変更データのベ
ナシティオフセットVOF『10』との積は『10』な
ので、ベロシティレジスタVには演奏データのベロシテ
ィVELの『106』と『10』との加算値『116』
が格納される。そして、図8の割り込み処理が26回繰
り返され、ディレイレジスタDが『0』となった時点
で、ノートナンバ『37』及びベロシティ『116』に
対応する楽音の発音処理が行われるようになる。
【0049】そして、次は演奏データパターンPDのア
ドレス『2』の演奏データに対して同様の処理が行われ
るが、この時にダイヤル16が操作され、変更データパ
ターンの内容が変更されると、それに応じて演奏データ
の変更処理が行われるし、また、フットペダル21の操
作量が変化すると、それに応じて演奏データの変更処理
の内容も微妙に変化することとなり、自動演奏の表現力
を向上することができる。なお、ペダル値と変更データ
との乗算の結果が小数に及ぶときは、該小数値を示す下
位ビットを無視、すなわち切り捨てて用いるものとす
る。
【0050】なお、上述の実施例では電子楽器について
説明したが、自動演奏処理を行うシーケンサモジュール
と、押鍵検出回路や音源回路からなる音源モジュールと
がそれぞれ別々に構成され、各モジュール間のデータの
授受を周知のMIDI規格で行うように構成されたもの
にも同様に適用できることは言うまでもない。押鍵検出
回路13及び鍵盤19の代わりにコンピュータ等を接続
し、所望の演奏データを入力するようにしてもよい。
【0051】上述の実施例では、フットペダル21から
は0〜1の範囲の正の値が出力される場合について説明
したが、踏み込み位置が中間の場合に0が出力され、そ
こから前後に移動することによって+1〜−1の値が出
力されるようにしてもよい。また、1より大きな値を出
力するようにしてもよい。実施例では、演奏データのア
ドレスが96の場合について説明したが、これに限定さ
れることはなく、このアドレスよりも大きくても小さく
てもよい。また、演奏データは1小節分のデータを適宜
組み合わせる場合ついて説明したが、数小節分のデータ
を組み合わせてもよい。
【0052】実施例では、どのような演奏データに対し
ても変更データの内容に従ってタイミング変更する場合
について説明したが、これに限らず、演奏データの中の
特定のデータ、例えばキーオンに関する演奏データの場
合のみ変更データを有効とし、これ以外の演奏データに
関しては無効とし、変更処理を行わないようにしてもよ
い。なお、一度実際に演奏しながら行った変更データパ
ターンの切換え変化をそのままメモリ等に記憶し、演奏
時にそれを再生処理できるようにしてもよい。なお、実
施例では、演奏の時刻に対応して、一定の速度でアドレ
スが進行する方式のデータフォーマットの例を示した
が、これに限らず、小節の先頭からの経過時間に対応し
たタイミングデータとともに演奏データを記憶する方式
の場合にもそのタイミングデータやベロシティデータ等
を変更するように構成して、同様の効果を得ることがで
きる。
【0053】
【発明の効果】 以上の通り、請求項1に記載の発明に
よれば、基準となる演奏データの他にその演奏データを
変更する変更データを複数種持ち、自動演奏中に操作者
が感情の高揚に適合した任意の変更データを選択して用
いることで、人間による生演奏のような感情表現豊かな
自動演奏を行うことができる、という効果を奏すること
に加えて、変更データを予め複数種記憶して用意してあ
ることにより、基準となる演奏データに基づく自動演奏
の所定のバリエーションを、音楽的知識や演奏力に乏し
い初心者でも比較的容易に実現することができる、とい
う効果を奏する。また、変更データの選択の仕方によっ
て自動演奏曲の感じを自由に変更することができるの
で、基準となる演奏データに基づく曲は1つの曲であっ
ても、何通りものバリエーションを容易に選択して自動
演奏させることができる、という効果を奏する。加え
て、データ調整手段によって変更データの利き具合を可
変調整するようにしたことにより、同じ変更データを用
いた場合であってその利き具合の調整によって微妙に演
奏内容を変化させることができ、更に好ましい自動演奏
を相対的に少ないデータ記憶量で実現することができ
る、という優れた効果を奏する。また、請求項2に記載
の発明においても、上記と同様に、自動演奏中に操作者
はその時の感情に合わせてデータ選択手段を操作して複
数の変更データの中から任意のものを選択することがで
きるので、上記と同様の効果を奏する。特に、変更デー
タは曲の進行順に記憶されていて、同じ演奏タイミング
に対応して複数の異なる変更データが記憶されるので、
データ選択手段の操作量に一義的に依存した内容の変更
データが選択されるのではなく、自動演奏中におけるデ
ータ選択手段の各操作タイミングにも依存して最適の内
容の変更データを選択することができる、という効果を
奏する。従って、基準となる演奏データに基づく自動演
奏の所定のバリエーションを、音楽的知識や演奏力に乏
しい初心者でも、より一層容易に実現することができ
る、という優れた効果を奏するさらに、請求項3に記載
の発明においては、タイミング変更データは、正負両方
向へのタイミング変更が可能なデータ形式にて、記憶さ
れており、演奏データに基づく基準となる演奏タイミン
グを、このタイミング変更データによって正又は負方向
に変更する場合において、所定の遅延時間だけ一律にず
らして該演奏データの演奏タイミングを設定するように
しているので、自動演奏タイミングが所定の遅延時間だ
け一律にずらされることにより、基準となる演奏タイミ
ングをタイミング変更データによって負方向に変更する
(つまり発音タイミングを進める方向に変更する)場合
であっても、該所定の遅延時間内で進めるように制御す
ることができ、リアルタイムの自動演奏でありながら、
個別の自動演奏音の発音タイミングを遅らせる方向のみ
ならず、進める方向にも変更制御することができる、と
いう優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る自動演奏装置を適用した電子
楽器の一実施例を示すハード構成ブロック図である。
【図2】 図1のフットペダルの角度信号出力の概念を
示す図である。
【図3】 図1のプログラム及びパターンデータROM
に記憶されている演奏データパターン及び変更データパ
ターンの内容を示す図である。
【図4】 変更データパターンCDパターンの内容をイ
メージ的に認識可能なように図3のアドレスを横軸に、
そのアドレスにおけるタイミング変更値及びベロシティ
オフセット値を縦軸に割り当てて示した図である。
【図5】 図3の演奏データパターン及び変更データパ
ターンの組合せからなる一曲分のパターンシーケンスデ
ータの内容を示す図である。
【図6】 マイクロコンピュータが処理するメインルー
チンの一例を示す図である。
【図7】 図3の演奏データパターンを順次読み出すた
めに、4分音符当たり24回の割り込みで実行されるタ
イマインタラプト処理を示す図である。
【図8】 図7の処理で読み出された演奏データを再生
するために、4分音符当たり96回の割り込みで実行さ
れるタイマインタラプト処理を示す図である。
【符号の説明】
10…CPU、11…プログラム及びパターンデータR
OM、12…データ及びワーキングRAM、13…押鍵
検出回路、14…スイッチ検出回路、15…アナログ−
デジタル変換器、16…ダイヤル、17…音源回路、1
8…タイマ、19…鍵盤、20…パネルスイッチ、21
…ペダル、22…デジタル−アナログ変換器、23…サ
ウンドシステム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−131292(JP,A) 特開 平3−94297(JP,A) 特開 平2−244187(JP,A) 特開 平4−77792(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準となる演奏データを記憶する演奏デ
    ータ記憶手段と、 前記基準となる演奏データの変更内容を示す変更データ
    を複数種記憶する変更データ記憶手段と、自動演奏の進行に伴って前記記憶手段から前記基準とな
    る演奏データと前記変更データを読み出す読出し手段
    と、 前記変更データ記憶手段の複数種の変更データの中から
    任意の変更データを選択するデータ選択手段と、前記読出し手段と選択手段の出力に基づき、前記 選択さ
    れた変更データによって前記基準となる演奏データを変
    更するデータ変更手段と、前記変更データの利き具合を可変調整するためのもので
    あり、前記選択された変更データの値を調整し、調整し
    た変更データによって前記データ変更手段における前記
    基準となる演奏データの変更を行うようにするデータ調
    整手段と、 変更された前記演奏データに基づき自動演奏音を発生す
    る楽音発生手段とを備える自動演奏装置。
  2. 【請求項2】 基準となる演奏データを記憶する演奏デ
    ータ記憶手段と、 前記基準となる演奏データの変更内容を示す変更データ
    を曲の進行順に記憶するものであり、同じ演奏タイミン
    グに対応して複数の異なる前記変更データを記憶してい
    る変更データ記憶手段と、 自動演奏の進行に伴って前記記憶手段から前記基準とな
    る演奏データと前記変更データを読み出す読出し手段
    と、 同じ演奏タイミングに対応して前記変更データ記憶手段
    に記憶されている複数の前記変更データのうち1つの変
    更データを選択する選択手段と、 前記読出し手段と選択手段の出力に基づき、前記選択さ
    れた変更データによって前記基準となる演奏データを変
    更するデータ変更手段と、 変更された前記演奏データに基づき自動演奏音を発生す
    る楽音発生手段とを備える自動演奏装置。
  3. 【請求項3】 演奏データを基準となる演奏タイミング
    に対応して記憶する演奏データ記憶手段と、 演奏データの演奏タイミングを変更するためのタイミン
    変更データを、正負両方向へのタイミング変更が可能
    なデータ形式にて、記憶する変更データ記憶手段と、自動演奏の進行に伴って前記記憶手段から前記演奏デー
    タと前記タイミング変更データを読み出す読出し手段
    と、 読み出された前記演奏データの前記基準となる演奏タイ
    ミングを前記タイミング変更データによって正又は負方
    向に変更し、かつ所定の遅延時間だけずらして該演奏デ
    ータの演奏タイミングを設定するタイミング制御手段
    前記タイミング制御手段によって設定された演奏タイミ
    ングで前記演奏データに基づく自動演奏音を発生する楽
    音発生手段と を備える自動演奏装置。
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