JP3660125B2 - 電子楽器の音像定位感制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器の音像定位感制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子楽器は一般的に自然楽器に比べて表現力が不足し、特にピアノなどは生ピアノの持つ表現力と比べると、電子楽器などの表現力はかなり劣るのが現状である。これは音量のダイナミックレンジ、音色の変化の複雑さ、発音ピッチの微妙なずれ等が原因であり、これらを忠実に再現することがなかなか難しい。そのように表現力が絶対的に不足する電子楽器にあって、自然楽器にないような演奏者の心を表現できるパラメータを増やすことにより、電子楽器をより表現力のあるものにしたいという要請があった。
【0003】
しかし従来の電子楽器には、そのような発想に立脚したものがほとんどなく、自然楽器の表現力を分析して各種パラメータを取り出し、それを忠実に再現しようとするものが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者が、今回電子楽器の新たな表現方法の一つとして、キータッチによる音像の定位感、特に音像の距離感を制御できないかとのテーマを得たが、従来技術にはそのようなテーマに則したものは全くなかった。
【0005】
ここで、音像の定位とは、通常音の到来方向(音源の方向、音の聞こえてくる方向)を言うが、音の距離感も人間の耳は聞き分けることができるため、音像の定位の制御を行う場合、距離感を調整できるようにするものもあってしかるべきである。そのような音像の距離感を制御できる構成をあげれば、次のようになる。
【0006】
特開昭54−109402号には、音像が定位した所から直接聴取者に届く音(以下直接音という)の他、直接音より遅延されて音場内の種々の方向より聴取者に伝搬される音(以下間接音という)についても、定位させる構成が示されている。即ち該構成では、遅延回路を含む音像定位装置を、通常の音像定位装置に並列させて設け、1つの入力に対し、直接音を定位させると共に、間接音を上記遅延回路を含む音像定位装置により定位させている。
【0007】
また特公平2−60200号は、複数の入力に対し、夫々が違った残響効果が付加されるように、複数の遅延手段を直列接続し、初段の遅延手段と後段の少なくとも1つの遅延手段に、入力信号を供給する構成としている。それによって聴取者にとって、広がり感や奥行き感のある残響効果を得ている。
【0008】
しかしこれらは、キータッチによる音像の距離感を制御ものではなく、上記要請にそうものではなかった。
【0009】
また前者の構成では、実際に聞こえる状態に近づけようと、どうしても時間的にずれて到達する間接音の数を増やさなければならず、そのために、遅延回路を含む音像定位装置の数を、その間接音の数だけ増やす必要があり、装置が大がかりとなり、コストも増大するという問題がある。
【0010】
さらに後者の構成では、複数の音の定位を考慮したという点ではある程度自然な音像の定位感は得られるが、夫々の音の定位に直接音と間接音を考慮していないため、実際に聞こえる状態の音像の方向感及び距離感が得にくく、不自然な感じを与えることは否めないといった問題があった。
【0011】
本発明は従来技術の以上のような問題に鑑み創案されたもので、自然楽器にはない演奏表現方法として、キータッチにより、発音源が遠くにあったり近くにあったりするように聞こえる効果を得ることが可能であり、これを使用することにより不足気味であった電子楽器の表現力を補おうとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そのため本発明に係る電子楽器の音像定位感制御装置の構成は、
1つのキーオン情報に基づき、複数の楽音発生チャンネルに対して、波形読出アドレスやエンベロープ係数を含む制御パラメータを転送し、発音開始を指示する制御手段と、
任意の楽音波形を記憶する波形記憶手段と、
制御手段から転送され複数の楽音発生チャンネルに割り振られた制御パラメータに基づき、上記波形記憶手段からの楽音波形データの読出を行ってフィルタ処理を行うと共に、この波形データにエンベロープの付与を行って楽音信号を生成する楽音信号生成手段と、
該楽音信号生成手段で楽音発生チャンネル毎に生成された楽音信号に基づいて楽音を発生する楽音発生手段と
を少なくとも有しており、
前記制御手段は、前記1つのキーオン情報に付随するイニシャルタッチ情報に基づき、アサインされた楽音発生チャンネル毎に実質異なるタイミングにて発音が開始されるように、楽音信号生成手段に対する制御パラメータの転送を行うと共に、アサインされた各楽音発生チャンネルの高調波成分を異ならせるように制御する
ことを基本的特徴としている。
【0013】
上記構成では、キーオンディレイ処理とフィルタ処理により、距離の近い遠いによる音像の定位感が得られるようにするものであり、その構成の特徴として、楽音信号生成手段から出力された楽音信号に対して、従来のように遅延回路を通すのではなく、楽音信号生成手段から出力される楽音信号が既に遅延されていることにある。そのような制御を制御手段により行う場合、イニシャルタッチが強くなるにつれ、音像定位がより近くになるように、各楽音発生チャンネルの発音タイミング及びフィルタ係数を設定することで行う。そのうち各楽音発生チャンネルの発音タイミング設定を行う構成については、1つのキーオン情報に付随するイニシャルタッチ情報に基づき、アサインされた楽音発生チャンネル毎に実質異なるタイミングにて発音が開始されるよう、制御手段が制御する。その制御方法としては、制御手段自身がタイマ制御によって夫々のチャンネル毎に発音開始を指示する場合と、楽音信号生成手段に転送する制御パラメータに、発音開始の時間的な指示を含む場合とが考えられる。
【0014】
上記イニシャルタッチ情報に基づく発音開始タイミングの制御に関しては、そのイニシャルタッチが強ければ、直接音を発生させるチャンネルでは早く発音が開始され(ディレイは短い)、またそれが弱ければ、逆に該直接音発生チャンネルでは遅く発音が開始される(その分ディレイが長くなる)ように制御する。一方、反射音である間接音に関しては、主に音場となるホールの形状や大きさによって決まるものであるため、該間接音を発生させるチャンネルにおける発音タイミングは、イニシャルタッチに左右されることはほとんどない。従って、間接音に関しては、イニシャルタッチに応じて発音タイミングをずらす必要はほとんどない。もちろん間接音も変化をつけるためにずらしても良い。
【0015】
また上記イニシャルタッチが強い場合、発音される楽音には高調波が多く含まれ、また逆にそれが弱い場合は、楽音に含まれる高調波は少なくなる。従って、本構成では、1つのキーオン情報に付随するイニシャルタッチ情報に基づき、制御手段により、楽音信号生成手段におけるアサインされた楽音発生チャンネル毎に高調波成分を異ならせるように制御することとした。すなわち、イニシャルタッチが弱いほど、楽音信号生成手段におけるフィルタ処理で高い周波数成分をカットすることになる。これは、直接音を発生させる楽音発生チャンネルでも、間接音を発生させる1乃至複数の楽音発生チャンネルでも、同じであり、夫々のチャンネルでイニシャルタッチ情報に応じてフィルタ係数を変更し、これらのフィルタ特性を制御して、そのような調整を行えばよい。
【0016】
さらに本構成は、ステレオ出力ができる構成、たとえばL/Rステレオ出力ができる構成とし、L/R夫々複数の楽音発生チャンネルを使用して夫々異なる時間ずれを持たせることで、より臨場感のある楽音を発生させるようにすることもできる。そのような構成を実現しようとする場合、前記制御手段は出力系列を指定する制御パラメータを含み、少なくとも2つ以上の出力系列に夫々2つ以上の楽音発生チャンネルを使用して発音開始を指示するようにすれば良い。
【0017】
なお、CPUなどで構成される制御手段自身がタイマ制御によって夫々のチャンネル毎に発音開始を指示することも可能であるが、その場合は負荷が大きくなって、他の処理に支障を来すことがある。その負荷を軽減するための構成としては、制御手段自身によるタイマ制御ではなく、楽音信号生成手段に転送する制御パラメータに、発音開始の時間的な指示を含むような構成とすればよい。そのような構成としては、制御手段が、複数の楽音発生チャンネルに、制御パラメータを転送する際に、複数チャンネルに同時に転送を行い、且つ制御パラメータとして、エンベロープ値を略0とすることが可能なフェイズを有するエンベロープを形成できるエンベロープ係数と、当該エンベロープフェイズと同等の時間に相当する分だけ本来の読出波形のトップから遡ったアドレスをスタートアドレスとする波形読出アドレスとを、楽音発生チャンネル毎に楽音信号生成手段に転送する構成とするのがよい。
【0018】
上記構成では、制御手段により、楽音発生チャンネル毎に楽音信号生成手段にエンベロープ係数が転送され、それによって生成されるエンベロープのフェイズを従来より1つ増やすことで、pre read phaseを設ける。そのpre read phaseのエンベロープ値を略0とするようにすれば、その間に読み出された波形データは、上記エンベロープ値(略0)と乗算された結果、略0として出力されることになる。またpre read phaseの間は、ちょうどディレイタイムに相当するので、そのエンベロープ値が乗算される楽音波形についても、当該エンベロープフェイズと同等の時間に相当する分だけ本来の読出波形のトップから遡ったアドレスをスタートアドレスとして波形を読出すことで、pre read phaseの間に読み出される楽音波形データはどんなものであっても上記乗算によって略0として出力され、楽音波形にディレイタイムが設定できるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を添付図面に基づき説明する。図1は本発明の音像定位感制御装置の一実施形態の構成が適用された電子楽器のブロック図であり、この電子楽器は選択した音色に応じて所定の波形データを読み出して発音するようにした波形メモリ読出方式の電子楽器である。
【0020】
本構成は、制御手段1と、波形記憶手段2と、楽音信号生成手段3と、楽音発生手段4とを有する構成であり、これらの構成はバス100に接続され、上記電子楽器の構成として組み込まれている。さらにこのバス100には、上記電子楽器の構成として必要な構成が接続されている。すなわち、鍵盤インターフェース101aを介して鍵盤101が、パネルインターフェース102aを介してパネルスイッチ102が、さらにRAM103とROM104が当該バス100に接続されている。その他、該バス100には、MIDIインターフェース105とディスクドライブ106とが接続されている。
【0021】
鍵盤インターフェース101aは、鍵盤101を走査することにより押鍵(キーオン)と離鍵(キーオフ)の各イベントを検出し、イベントのあった鍵のキーコードを出力する。また本構成では、そのキーオン情報に、イニシャルタッチ情報が含まれる。
【0022】
パネルスイッチ102は、複数種類の音色から所望の音色を選択するための音色選択スイッチとその他のスイッチを備えており、パネルインターフェース102aはパネルスイッチ102の各スイッチ操作のイベントを検出する。
【0023】
RAM103は、プログラムを実行する時に必要なデータを一時的に記憶し、ワーキングメモリとしての役割を果たしている。
【0024】
ROM104は、楽音信号生成手段3に音色を指定するための音色データ、波形データの読出アドレスを指定するアドレス情報、エンベロープ波形生成用のエンベロープ係数、及び制御プログラムなどが記憶されており、制御手段1は、バス100を介して各種情報のやりとりを行い、RAM103内に設定されたレジスタ等を用いながらROM103の制御プログラムに基づいて電子楽器全体の動作を制御する。
【0025】
制御手段1は、全体の制御と演算処理を行うCPUで構成されており、特に本構成では、常にキーオンディレイアサイナモードで立ち上がり、キーオンディレイ効果を付加するよう機能して、1つのキーオン情報に基づき、64の楽音発生チャンネルに対して、波形読出アドレスやエンベロープ係数を含む制御パラメータを、同時に転送する機能を果たしている。
【0026】
波形記憶手段2は、ROMで構成されており、図2に示すように、楽音波形をサンプリングして得た時系列な振幅情報からなる波形データが、複数種類の楽音について一続きに連続して記憶されている。図2は、波形ROMの記憶内容と読出アドレスとの関係を示しており、そこに例示されたものには、ストリングス、オルガン、ピアノなどがあるが、これらの波形形状は、ヘッド部分とループ部分とから成り立っている。そしてA、B、Cは読出スタートアドレスを、またLTはループトップアドレス、LEはループエンドアドレスを各示している。
【0027】
楽音信号生成手段3は、時分割多重化処理により64音同時発音可能な音源LSIで構成され、制御手段1からバスを介して64チャンネル分のアサインメントメモリ30に転送され、64の楽音発生チャンネルに割り振られた制御パラメータに基づき、上記波形記憶手段2からの楽音波形データの読出を行ってサンプリング補間及びフィルタ処理を行うと共に、この波形データにエンベロープの付与を行ってデジタル楽音信号を生成する。その詳細な構成については、後述する。
【0028】
楽音発生手段4は、デジタル・アナログコンバータ40とアンプ及びスピーカなどよりなるサウンド装置41で構成されており、楽音信号生成手段3から出力されたデジタル楽音信号がデジタル・アナログコンバータ40でD/A変換されて、サウンド装置41で楽音が発生させられる。
【0029】
本構成では、上記楽音信号生成手段3と楽音発生手段4の間に、デジタルシグナルプロセッサDSP5が設けられており、前記制御手段1により送られた係数等を基に、デジタル楽音信号に対し、リバーブなどの各種サウンドイフェクトがかけられるようになっている。
【0030】
上記楽音信号生成手段3は、図3に示すように、64チャンネル分のアサイメントメモリ30と、時分割処理を行う際に必要なクロックを供給するためのタイミングジェネレータ31と、波形データ読出しのための波形読出アドレスを発生するFナンバ累算器32と、波形記憶手段2から読み出された波形データの補間処理及び高調波成分の調整のためのフィルタ処理を行うサンプリング補間フィルタ33と、複数のフェーズからなるエンベロープを発生するエンベロープ累算器34と、補間処理及びフィルタ処理の行われた読出波形にエンベロープを乗算する第1の乗算器35と、エンベロープの乗算された読出波形にさらに2の補数を乗算する第2の乗算器36と、出力された64チャンネル分の楽音信号をL/Rいずれかの系列に分類しながら累算する系列累算器37とを有している。
【0031】
上記構成で前記Fナンバ累算器32は、波形記憶手段2に格納されている波形データを読み出すために、スタートアドレスに対して、Fナンバ加算値(N)の累算の結果得られるフリークゥエンシィアキュムレート値(FACC)を加算して波形読出アドレスを決定し、これらをさらに64チャンネル分時分割で発生する。この波形読出アドレスのうち、その整数部を波形記憶手段2に供給し、またその小数部をサンプリング補間フィルタ33に出力する。サンプリング補間フィルタ33は、波形記憶手段2から読み出された波形データに基づいて、波形アドレスの小数部に対応した波形サンプリング値を補間演算により算出し、さらに高調波成分の調整のためのフィルタ処理を行い、出力する。エンベロープ累算器34は、スピードデータ(SPD)を累算(加算・減算の場合を含む)して得られるエンベロープアキュムレート値(EACC)とフェーズ終了値データ(PEP)及びエンベロープが上昇するのか減衰するのかを決定する−/+フラグデータ(−/+)から64チャンネル分の振幅エンベロープ信号を時分割で発生する。これらのSPDデータ、PEPデータ或いは−/+フラグデータは、ROM104から制御手段1に読み出されて与えられるエンベロープ波形生成用のエンベロープ係数等の制御パラメータである。第1の乗算器35は、サンプリング補間フィルタ33の出力する波形サンプル値と振幅エンベロープ信号とを乗算する。さらに第2の累算器36は、アサイメントメモリ30から送出された2の補数をエンベロープの乗算された読出波形にさらに乗算し、180°位相をずらして波形出力を開始することができるようにすることで、相対的な振幅の大きさは小さくても(大きなダイナミックレンジを必要とせずに)、所定のラウドネスが得られるようにしている。系列累算器36は、時分割出力される64チャンネル分の楽音信号をL/Rフラグに基づきいずれかの系列に分類しながら累算し、全チャンネルの出力をL/Rの2系列に合成する。
【0032】
上記エンベロープ累算器34は、フェーズ分割方式のエンベロープ発生器であり、本構成では、これによって生成されるエンベロープを、キーオン時にph0〜ph3の4フェーズ、キーオフ時にph4〜ph7の同じく4フェーズに分割している。図4に示すように、上述のアサイメントメモリ30は、各チャンネル毎に、波形記憶手段2の波形データ読出用の領域と、エンベロープ制御用の領域と、ラウドネス用の領域と、FACCクリア、phクリア、EACCクリアなどの制御用フラグ、L/Rフラグ及びフィルタ係数等の記憶領域に区分けされる。
【0033】
そのうち波形データ読出用の領域は、波形データ読出のためのスタートアドレス(STa、STb、STc)、Fナンバ加算値(N)、ループトップアドレス(LT)、ループエンドアドレス(LE)が記憶される。またエンベロープ制御用の領域には、キーオン時のph0〜ph3と、キーオフ時のph4〜ph7のそれぞれのフェーズにおいて、前述のスピードデータ(SPD)とフェーズ終了値データ(PEP)及び−/+フラグデータ(−/+)が記憶される。ラウドネス用の領域は、エンベロープのラウドネスをどの程度かけるのかを示す値が2の補数で記憶されている。本構成では、この2の補数を用いることにより、逆位相の波形を含めることができるようにし、それによりダイナミックレンジを大きくしなくてもラウドネスをかせげるようにしている。またFACCクリア、phクリア、EACCクリアは、制御手段1により、その値を1とすることで、楽音信号生成手段3がそれを認識すると、それまでFACC、フェーズ、EACCを記憶していたレジスタはクリアされ、FACCやEACCは0に、またフェーズはph0となる。さらにL/Rフラグは、出力系列をL側にするかR側にするかを指示するもので、たとえば0であればL側、1であればR側に出力される。
【0034】
ここでは、上記エンベロープ制御用の領域に記憶された各フェーズにおける、スピードデータ(SPD)とフェーズ終了値データ(PEP)及びエンベロープが上昇する(+で示される)のか減衰する(−で示される)のかを決定する−/+フラグデータ(−/+)、さらにSPDの累算値であるエンベロープアキュムレート値(EACC)との関係からどのようにエンベロープ波形が生成されるかについて以下に説明する。
【0035】
図5(a)は、これらの関係を示す説明図であり、エンベロープ累算器34内の演算は浮動小数点に則って行われており、エンベロープのフェーズデータは、指数部4ビット、仮数部12ビットからなる。SPDデータは仮数部8ビットからなり、上記−/+信号に従い加減算される。EACCデータは、指数部4ビット、仮数部12ビットからなり、−/+信号が0の時、すなわち”+”の時、各チャンネル毎に時分割されたタイムスロットで、このEACCデータにSPDデータが加算されていく。PEPデータは、上記のEACCデータの上位から7ビットに対応し、指数部4ビット、仮数部3ビットよりなり、EACCデータの上位7ビット(指数部4ビット、仮数部3ビット)と比較される。比較した結果、EACCデータ≧PEPデータとなっていれば、現在のフェーズから次のフェーズに移行する。以上は、−/+信号が”0”すなわち”+”の場合であるが、−/+信号が”1”すなわち”−”の時は、EACCデータからSPDデータが減算されると共に、EACCデータとPEPデータが比較され、比較した結果、EACCデータ≦PEPデータとなっていれば、現在のフェーズから次のフェーズに移行する。そしてこのフェーズの移行によりエンベロープ波形が形成される。また−/+信号が”1”の時リニア軸上で指数関数的形状になるように、−/+信号が”0”の時直線的形状になるように、SPDデータを左シフトする。これにより、図5(b)のような形状となる。
【0036】
これらのエンベロープパラメータは、キーオン時のph0〜3の4つのフェーズと、キーオフ時のph4〜7の4つのフェーズからなり、エンベロープ累算器34では各チャンネルのアサイメントメモリ30中のphクリアが1になると、上述したように、それまでのフェーズレジスタはクリアされ、ph=0となり、ph0又はph4のパラメータが採用される。各チャンネルのフェーズレジスタは、制御手段1によりphクリア=1に設定することにより、キーオン時によってもクリアされるが、キーオフ時にもph0〜3の内容をキーオフフェーズであるph4〜7の値に書き換えた後にクリアされて、ph0に対応するエリアに記憶されたph4のパラメータが採用されることになる。
【0037】
本構成では、エンベロープのフェイズを従来より1つ増やすことで、ph0のpre read phaseを設け、さらにそのpre read phaseによって、実質的にディレイタイムを創出させるため、そのエンベロープ値を略0とするようにする。その場合、エンベロープのフェーズデータは、Power(指数)は2P-16で、またMantissa(仮数)は1+M/212で表わされるため、このpre read phaseのエンベロープ値を略0とするためには、pre read phaseのPEPのPowerは、同時に発音を開始させるべき複数のチャンネルのいずれでも、P≦8にしておけばよい。Mantissaの値を一応0として、P=8の時のエンベロープ値は、下式数1に示されるようになる。
【0038】
【数1】
【0039】
この値はかなり小さな値であり、エンベロープの立ち上がり時には気にならないレベルである。但しもし発音する音色がフルート音のように高調波をほとんど含まず、立ち上がりもあまり早くない場合は、pre read phaseのPEPのPowerは、P≦6とすれば、どんな場合にもまったく問題はない。
【0040】
前述のように、pre read phaseの間は、ちょうどディレイタイムに相当するので、そのエンベロープ値が乗算される楽音波形についても、当該エンベロープフェイズと同等の時間に相当する分だけ本来の読出波形のトップから遡ったアドレスをスタートアドレスとして波形を読出すようにする(以下その間に読み出された波形をpre read 波形という)。それによって、pre read phaseの間に読み出される楽音波形データはどんなものであっても、pre read phaseの間のほぼ0のエンベロープ値の乗算によって、略0として出力されようになり、楽音波形にディレイタイムが設定できるようになる。
【0041】
すなわちディレイタイムは、上記pre read phaseのSPDデータとPEPデータによって決定される(SPDデータが累算されたEACCデータがPEPデータ以上又は以下になった時点でフェーズが変わるため)が、同時に、図2に示すように、押鍵に基づく波形の読み出しスピード、すなわちFナンバ加算値(N)とpre read 波形の長さ、すなわちスタートアドレス(STa、STb、STc)〜ループトップアドレス(LT)によっても決まることになり、本構成では、これらは等しくなければならない。
【0042】
例えばディレイタイムが10msであり、エンベロープ累算器34のシステムクロック周波数が40KHz、すなわち1チャンネル当たりの演算周期が25μsとすると、10msかけてph0のEACCデータがそのPEPデータに到達するためには、下式数2から、400回の演算を必要とするように設定する必要がある。
【0043】
【数2】
10×103μs÷25μs=400(回)
【0044】
前記図5を参照して、PEPデータのPower=6、Mantissa=0、−/+=0(+)とするならば、EACC=6×212でフェーズ転換点となるため、SPDデータとしては、下式数3のように、その値を上記演算回数400で割った値となる。
【0045】
【数3】
SPD=6×212÷400
【0046】
このような値にしておけば、ph0の演算はほぼ10msで終了し、その後ph1に移行し、正規のアタックフェーズを開始するので、エンベロープ値も急速に立ち上がり、補間の行われた読出波形にエンベロープを乗算する第1の乗算器35による乗算結果の波形レベルも大きくなる。
【0047】
他方、上述のように、波形データの読み出しに関しては、Fナンバ加算値(N)とpre read 波形の長さを考慮して、ディレイタイム分、本来の読出波形のトップから遡ったアドレスをスタートアドレスとして波形を読出さねばならない。その場合、波形ROMの記憶内容と読出アドレスとの関係を示す前記図2を参照して、図6に示されるピアノの音色で、キータッチの強弱の違いにより奥行き感の違いを表現できる音像定位の制御の一例を、説明する。
【0048】
図6は、1つのキーオン情報に基づき、制御手段1が、3つの楽音発生チャンネルに対して、波形読出アドレスやエンベロープ係数を含む制御パラメータを同時に転送し、楽音信号生成手段3が、各楽音発生チャンネルに割り振られた制御パラメータに基づき、波形記憶手段2からの楽音波形データの読出を行った状態と、この波形データに乗算するエンベロープ波形の生成を行った状態と、これらの乗算により生成された楽音波形の状態を時系列的に示す波形データの推移説明図である。図面の一番上の(a)には、演奏者の鍵盤操作によるキーオン及びキーオフのタイミングが示されている。次の(b)は、楽音発生チャンネルTGch1における、(c)は、楽音発生チャンネルTGch2における、さらに(d)は、楽音発生チャンネルTGch3における、夫々ピアノの読出波形、エンベロープ波形、第1の乗算器35による波形出力の推移が示されている。(a)のキーオン・オフタイミングは、どのチャンネルも共通であり、制御手段1の負荷を軽くしている。
【0049】
TGch1では、Delay0のディレイタイムはほぼ0であり、従って、ピアノの波形データの読み出しは図2のアドレスAから行われる。またそのエンベロープ波形を構成するph0のpre read phase(エンベロープ値ほぼ0)の占有時間もほぼ0であり、従ってキーオンとほぼ同時にph1のアタックフェーズに移行する。またキーオフでph4のリリースフェーズに移行する。上記読み出し波形とエンベロープ波形の乗算出力は、図面に示すようになり、キーオンと同時に楽音が生成される。本構成では、キータッチを強くした場合の直接音の生成に、このように楽音発生チャンネルでディレイタイムをほぼ0とするやり方を用いている。
【0050】
TGch2では、Delay1のディレイタイムがあり、従って、ピアノの波形データの読み出しは図2のアドレスBから行われる。またそのエンベロープ波形を構成するph0のpre read phase(エンベロープ値ほぼ0)の占有時間もDelay1のディレイタイムと同一となり、従ってキーオンからこのディレイタイムだけ経過してph1のアタックフェーズに移行する。またキーオフと同時にph4のリリースフェーズに移行する。上記読み出し波形とエンベロープ波形の乗算出力は、図面に示すようになり、キーオンから上記ディレイタイム分遅れて楽音が生成される。
【0051】
TGch3では、Delay2のディレイタイムがあり、従って、ピアノの波形データの読み出しは図2のアドレスCから行われる。またそのエンベロープ波形を構成するph0のpre read phase(エンベロープ値ほぼ0)の占有時間もDelay2のディレイタイムと同一となり、従ってキーオンからこのディレイタイムだけ経過してph1のアタックフェーズに移行する。またキーオフと同時にph4のリリースフェーズに移行する。上記読み出し波形とエンベロープ波形の乗算出力は、図面に示すようになり、キーオンから上記ディレイタイム分遅れて楽音が生成される。
【0052】
本構成では、後述するように、キータッチを弱くした場合の直接音の生成や間接音の生成に、このように楽音発生チャンネルでDelay1やDelay2のディレイタイムを設定するやり方を用いている。
【0053】
以上のような波形データの推移とするためには、ph0のpre read phaseのSPDデータがTGch1〜TGch3の楽音発生チャンネルの間で異なっていなければならない。またph0のpre read phaseの目標値であるPEPにつき、当該フェイズのエンベロープ値を略0とすることができる値にしておく必要がある。本構成では、PEPのPOWERの値を前述のように、8以下に設定している。
【0054】
図7(a)(b)は、キータッチを強くした時に生成されるL系列(左側出力ch0〜ch10の偶数チャンネル)とR系列(右側出力ch1〜ch11の奇数チャンネル)の楽音発生チャンネルにおけるキーオンディレイの実質タイミングとラウドネスレベルとの関係を示すタイムチャートである。X軸方向は経過時間tを示しており、キーオンディレイにより、L系列ではch0から始まってch2,ch4,…ch10と発音が開始され、このうちch0は直接音の発音タイミングを、その他は間接音の発音タイミングを各示している。同様にR系列でも、ch1から始まってch3,ch5,…ch11と発音が開始され、このうちch1は直接音の発音タイミングを、その他は間接音の発音タイミングを各示している。またY軸方向はラウドネスレベルを示しており、上下では180゜位相がずれている。なお、L系列とR系列の楽音発生タイミングは夫々わずかな違いを持たせ、ステレオ感(臨場感)を出せるようにしている。
【0055】
図8(a)(b)は、キータッチを弱くした時に生成されるL系列とR系列の楽音発生チャンネルにおけるキーオンディレイの実質タイミングとラウドネスレベルとの関係を示すタイムチャートである。図7(a)と図8(a)のL系列の場合を比べると、大きな違いは、キータッチが弱い場合、直接音のディレイが顕著になっていることである。これは、生の楽器の場合、図9に示すように、キータッチが弱ければ、直接音の到達時間が遅くなるからである。それに対して、間接音はキータッチの強弱にほとんど左右されない。これは、生の楽器の場合、間接音は音場となるホールの形状や大きさに左右されるのみで、キータッチによる影響はほとんどなく、直接音とその到達時間は変わらないからである。なお、ラウドネスレベルが図7と図8で違うのは、上記キータッチの強弱に対応しているからである。
【0056】
他方、本構成では、1つのキーオン情報に付随するイニシャルタッチ情報に基づき、制御手段により、楽音信号生成手段におけるアサインされた楽音発生チャンネル毎に高調波成分を異ならせるように制御することとした。図10(a)(b)(c)及び図11(a)(b)(c)は、キータッチを強くした時と弱くした時の夫々の場合における楽音信号にかけられるチャンネル別のフィルタ特性を示す説明図である。キータッチが強い場合、発音される楽音には高調波が多く含まれ、また逆にそれが弱い場合は、楽音に含まれる高調波は少なくなる。従って、キータッチが弱いほど、楽音信号生成手段3におけるフィルタ処理で高い周波数成分をカットすることになる。これは、直接音を発生させる楽音発生チャンネルでも、間接音を発生させる1乃至複数の楽音発生チャンネルでも、同じであり、夫々のチャンネルでイニシャルタッチ情報に応じてフィルタ係数を変更し、これらのフィルタ特性を制御して、そのような調整を行っている。
【0057】
図12及び図13は、本構成による処理が行われる場合の制御手段1による処理フローを示すフローチャートである。電源スイッチがONされると、バス100に接続されている制御手段1、楽音信号生成手段3、楽音発生手段4、鍵盤インターフェース101a、パネルインターフェース102a、RAM103の初期化が行われる(ステップS101)。この時、全アサイメントメモリ30をクリアし、またDSP5にプログラム及び必要な係数の転送も行われる。
【0058】
次に上記キーオンディレイアサイナが起動される(ステップS102;ASN=Key On Delay)。そしてパネルスイッチのONイベントが検出され(ステップS103)、そのパネルスイッチに対応した処理がなされる(ステップS104)。そしてアサイメントメモリ30の対応チャンネルエリアをクリアする(ステップS105)。
【0059】
上記ステップS105の後、キーボードデータとMIDIデータがキー入力バッファに格納される(ステップS106)。そして鍵盤101のキーオンイベントを検出し(ステップS107)、このキーオンイベントが検出された場合(ステップS107;Yes)、L系列及びR系列の夫々1つずつの楽音発生チャンネルを決定し(TGch0、TGch1)、それらのチャンネル対応のアサイメントメモリ30に、図4に示されたスタートアドレスSTa及びSTb、Fナンバ加算値(N)、ループトップアドレス(LT)、ループエンドアドレス(LE)、ph0〜ph3までのスピードデータ(SPD)、フェーズ終了値データ(PEP)及び−/+フラグデータ(−/+)、さらにFACCクリア=1、phクリア=1、EACCクリア=1などの制御用フラグ、L/Rフラグ及びフィルタ係数等を書き込む(ステップS108)。この図面には詳細に記載されていないが、エンベロープph0のSPDデータとスタートアドレスSTa及びSTb(これらは直接音の発音タイミングに関係)、さらにラウドネスレベル、加えてフィルタ係数(これは高調波成分の調整に関係)の各値は、キーオン情報に付随するイニシャルタッチ情報に基づいて、それに対応した値が書き込まれる。
【0060】
さらに上記チャンネル(TGch0、TGch1)以外の10の楽音発生チャンネルを決定し(TGch2〜TGch11)、それらのチャンネルの対応するアサイメントメモリ30に、スタートアドレスSTa及びSTb、エンベロープph0のSPDデータ、ラウドネスレベル、L/Rフラグ、フィルタ係数以外の上記パラメータをコピーすると共に、TGch2にはスタートアドレスSTc、エンベロープph0のSPDデータ、ラウドネスレベル、L/Rフラグ、フィルタ係数を、またTGch3にはスタートアドレスSTd、エンベロープph0のSPDデータ、ラウドネスレベル、L/Rフラグ、フィルタ係数を、……、TGch11にはスタートアドレスSTl、エンベロープph0のSPDデータ、ラウドネスレベル、L/Rフラグ、フィルタ係数を、夫々演算によって求め、書き込む(ステップS109)。この図面にも詳細な記載はないが、ラウドネスとフィルタ係数の各値は、キーオン情報に付随するイニシャルタッチ情報に基づいて、それに対応した値が書き込まれる。他方、エンベロープph0のSPDデータとスタートアドレスSTc〜STlは、間接音の発音タイミングに関係し、これらは、本構成において、上記イニシャルタッチによる影響を受けないため、可変とされることはない。
【0061】
他方前述のキーオンイベントが検出されなかった場合(ステップS107;No)、鍵盤101のキーオフイベントを検出する(ステップS110)。このキーオフイベントが検出された場合(ステップS110;Yes)、対応する楽音発生チャンネルのアサイメントメモリ30に、図4に示されたキーオフフェーズph4〜ph7までのスピードデータ(SPD)、フェーズ終了値データ(PEP)及び−/+フラグデータ(−/+)、さらにphクリア=1を書き込む(ステップS111)。
【0062】
さらに上記チャンネル(TGch0、TGch1)以外の10の楽音発生チャンネルを検出して(TGch2〜TGch11)、それらのチャンネルの対応するアサイメントメモリ30に、キーオフフェーズph4〜ph7までのスピードデータ(SPD)、フェーズ終了値データ(PEP)及び−/+フラグデータ(−/+)、さらにphクリア=1を書き込む(ステップS112)。
【0063】
加えてS110のキーオフイベントの検出で、キーオフイベントが検出されなかった場合(ステップS110;No)、ステップS109やステップS112の書き込みの後、FDインターフェース制御に移行し(ステップS113)、最後に上記ステップS103に復帰する。
【0064】
以上の本実施形態構成では、キーオンディレイ処理とフィルタ処理により、距離の近い遠いによる音像の定位感が得られるようになる。即ち、1つのキーオン情報に付随するイニシャルタッチ情報に基づき、該イニシャルタッチが強くなれば、音像定位がより近くになるように、直接音を発生させるチャンネルでは早く発音が開始され(ディレイは短い)、反対にイニシャルタッチが弱くなれば、音像定位が遠くになるように、直接音発生チャンネルでは遅く発音が開始される(その分ディレイが長くなる)ように制御されている。他方、反射音である間接音に関しては、主に音場となるホールの形状や大きさによって決まるものであるため、イニシャルタッチに左右されることなく、発生させている。
【0065】
また本構成では、直接音・間接音の違いに拘わらず、制御手段1により、楽音信号生成手段3におけるアサインされた楽音発生チャンネル毎に、イニシャルタッチ情報に応じてフィルタ係数を変更し、イニシャルタッチが弱いほど、楽音信号生成手段3におけるフィルタ処理で高い周波数成分をカットしており、より遠近感の違いを浮き立たせることが可能となった。
【0066】
上記構成では、制御手段1により、楽音発生チャンネル毎に楽音信号生成手段3にエンベロープ係数が転送され、それによって生成されるエンベロープのフェイズを従来より1つ多い、pre read phaseが設けられており、そのpre read phaseのエンベロープ値を略0となるようにしているので、その間に読み出された波形データは、上記エンベロープ値(略0)と乗算された結果、略0として出力されることになる。またpre read phaseの間が、ディレイタイムに相当しており、そのエンベロープ値が乗算される楽音波形についても、当該エンベロープフェイズと同等の時間に相当する分だけ本来の読出波形のトップから遡ったアドレスをスタートアドレスとして波形を読出している。それによって、pre read phaseの間に読み出される楽音波形データはどんなものであっても上記乗算によって略0として出力され、特開平5−216479号のようにディレイタイムに対応する読出波形にゼロを記憶させなくても、楽音波形にディレイタイムが設定できるようになる。またこのように制御手段1が楽音信号生成手段3に転送する制御パラメータに、発音開始の時間的な指示を含む構成としたので、制御手段1で、ディレイタイムを設定する必要がなくなり、その分だけ負荷が少なくなる。
【0067】
【発明の効果】
以上の本発明に係る電子楽器の音像定位感制御装置の構成によれば、自然楽器にはない演奏表現方法として、キータッチにより、発音源が遠くにあったり近くにあったりするように聞こえる効果を得ることができるようになり、自然楽器にない新たな表現を可能とするパラメータを増やすことにより、電子楽器をより表現力のあるものにすることが可能となる。
また制御手段が楽音信号生成手段に転送する制御パラメータに、発音開始の時間的な指示を含む請求項4のような構成とすることで、該制御手段で、ディレイタイムを設定する必要がなくなり、その分だけ制御手段の負荷が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音像定位感制御装置の一実施形態の構成が適用された電子楽器のブロック図である。
【図2】波形ROMの記憶内容と読出アドレスとの関係を示す説明図である。
【図3】楽音信号生成手段を主に示す本音像定位感制御装置の構成が適用された電子楽器のブロック図である。
【図4】アサイメントメモリの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図5】エンベロープ係数とそれによってどのようなエンベロープ波形が生成されるかの関係を示す説明図である。
【図6】波形記憶手段からの楽音波形データの読出状態と、エンベロープ波形の生成状態と、これらの乗算により生成された楽音波形の状態を時系列的に示す波形データの推移説明図である。
【図7】キータッチを強くした時に生成されるL系列とR系列の楽音発生チャンネルにおけるキーオンディレイの実質タイミングとラウドネスレベルとの関係を示すタイムチャートである。
【図8】キータッチを弱くした時に生成されるL系列とR系列の楽音発生チャンネルにおけるキーオンディレイの実質タイミングとラウドネスレベルとの関係を示すタイムチャートである。
【図9】キータッチによる音像定位の変化を示す説明図である。
【図10】キータッチを強くした場合における楽音信号にかけられるチャンネル別のフィルタ特性を示す説明図である。
【図11】キータッチを弱くした場合における楽音信号にかけられるチャンネル別のフィルタ特性を示す説明図である。
【図12】本構成による処理が行われる場合の制御手段による処理フローを示すフローチャートである。
【図13】制御手段による上記処理フローの続きを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 制御手段
2 波形記憶手段
3 楽音信号生成手段
4 楽音発生手段
5 DSP
30 アサイメントメモリ
31 タイミングジェネレータ
32 Fナンバ累算器
33 サンプリング補間フィルタ
34 エンベロープ累算器
35 第1の乗算器
36 第2の乗算器
37 系列累算器
40 デジタル・アナログコンバータ
41 サウンド装置
100 バス
101 鍵盤
101a 鍵盤インターフェース
102 パネルスイッチ
102a パネルインターフェース
103 RAM
104 ROM
105 MIDIインターフェース
106 ディスクドライブ
Claims (4)
- 1つのキーオン情報に基づき、複数の楽音発生チャンネルに対して、波形読出アドレスやエンベロープ係数を含む制御パラメータを転送し、発音開始を指示する制御手段と、
任意の楽音波形を記憶する波形記憶手段と、
制御手段から転送され複数の楽音発生チャンネルに割り振られた制御パラメータに基づき、上記波形記憶手段からの楽音波形データの読出を行ってフィルタ処理を行うと共に、この波形データにエンベロープの付与を行って楽音信号を生成する楽音信号生成手段と、
該楽音信号生成手段で楽音発生チャンネル毎に生成された楽音信号に基づいて楽音を発生する楽音発生手段と
を少なくとも有しており、
前記制御手段は、前記1つのキーオン情報に付随するイニシャルタッチ情報に基づき、アサインされた楽音発生チャンネル毎に実質異なるタイミングにて発音が開始されるように、楽音信号生成手段に対する制御パラメータの転送を行うと共に、アサインされた各楽音発生チャンネルの高調波成分を異ならせるように制御する
ことを特徴とする電子楽器の音像定位感制御装置。 - 前記制御手段は、イニシャルタッチが強くなるにつれ、音像定位がより近くになるように、各楽音発生チャンネルの発音タイミング及びフィルタ係数を設定することを特徴とする請求項1記載の電子楽器の音像定位感制御装置。
- 前記制御手段は出力系列を指定する制御パラメータを含み、少なくとも2つ以上の出力系列に夫々2つ以上の楽音発生チャンネルを使用して発音開始を指示することを特徴とする請求項1または2記載の電子楽器の音像定位感制御装置。
- 前記制御手段が、複数の楽音発生チャンネルに、制御パラメータを転送する際に、複数チャンネルに同時に転送を行い、且つ制御パラメータとして、エンベロープ値を略0とすることが可能なフェイズを有するエンベロープを形成できるエンベロープ係数と、当該エンベロープフェイズと同等の時間に相当する分だけ本来の読出波形のトップから遡ったアドレスをスタートアドレスとする波形読出アドレスとを、楽音発生チャンネル毎に楽音信号生成手段に転送することを特徴とする請求項1、2または3記載の電子楽器の音像定位感制御装置。
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