JP3747825B2 - 電子楽器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ダンパーペダル等の演奏操作子を備えた波形メモリ読出方式の電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、鍵盤等の音高指定操作子とは別個に、演奏中において操作されるダンパーペダル等の演奏操作子を備えた電子楽器が実用化されている。例えば、持続音系の楽音の発音中にダンパー操作子を操作すると、発音操作を停止(キーオフやブレスオフ)しても同一の発音レベルで発音が継続する。また、減衰系の楽音の発音中にダンパー操作子を操作すると、発音操作を停止しても減衰発音(残響)が継続する。
【0003】
一方、電子楽器において楽音を合成する一つの方法として、サンプリングされた楽音波形をディジタル化してROMに書き込んでおき、キーオンされたとき、そのキーの音高に対応するテンポクロックに基づいてこのデータを読み出していく波形メモリ読出方式がある。また、ステレオサンプリングの波形メモリも、従来、知られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ステレオサンプリングされた波形をそのまま楽音として出力していたので、高品位な楽音が得られなかった。
【0005】
この発明は、このような事情に鑑み、演奏操作子を備え波形メモリ読出方式が採用される電子楽器において、ステレオサンプリングされた波形を用いて高品位な楽音を得ることができる電子楽器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明による電子楽器(請求項1)は、ステレオサンプリングされた複数の第1の波形データおよびモノラルサンプリングされた第2の波形データを記憶した記憶手段であって、第2の波形データは、第1の波形データより強い音をサンプリングしたデータであるものと、発音すべき音高に応じて上記記憶手段に記憶された複数の第1の波形データおよび第2の波形データを読み出す読出手段と、上記発音すべき音高を指定する音高指定操作子のタッチに応じて、上記読出手段で読み出された第2の波形データを、上記読出手段で読み出された複数の第1の波形データの各々と混合して、複数の楽音信号を発生する楽音発生手段と、上記楽音発生手段から発生された複数の楽音信号の各々に対応する楽音をそれぞれ放音する複数の発音手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この発明の電子楽器における楽音発生手段は、第1の波形データと第2の波形データとをクロスフェードさせるものである(請求項2)。
【0008】
また、この発明の電子楽器における楽音発生手段は、音高指定操作子とは別体に設けられた演奏操作子の操作に応じて複数の楽音信号の楽音特性を制御する制御手段を有する(請求項3)。
【0009】
〔作用および効果〕
この発明による電子楽器(請求項1)によれば、ステレオサンプリングされた複数の第1の波形データ(実施例では「L、Rの波形」が対応)と、これとは別のモノラルサンプリングされた波形データであって、第1の波形データより強い音をサンプリングした第2の波形データ(実施例では「フォルティッシモ波形」が対応)とを記憶手段に記憶しておき、音高指定操作子のタッチに応じて、複数の第1の波形データに対し第2の波形データを混合するように構成しているので、音高指定操作子のタッチに応じて自然な変化をするステレオの楽音を生成し、より高品位な楽音を得ることができる。また、別の波形としてステレオサンプリングされた波形を用いるものに比べて記憶手段の記憶容量を削減することができる。
【0011】
この発明によると、第1の波形データと第2の波形データとをクロスフェードさせる構成(請求項2)により、両波形データによる楽音に自然なつながりを実現することができる。さらに、鍵盤のような音高指定操作子とは別体に設けられたダンパーペダルのような演奏操作子の操作に応じて複数の楽音の特性を制御する構成(請求項3)により、楽音特性を自由に変更することができ、演奏表現力を広げることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施例である電子鍵盤楽器のブロック図である。この電子鍵盤楽器は、いわゆる電子ピアノといわれるピアノ型の電子鍵盤楽器であり、楽音の合成方法は波形メモリ読出方式である。波形メモリ読出方式とは、サンプリングされた楽音波形をディジタル化してROMに書き込んでおき、キーオンされたとき、そのキーの音高に対応するテンポクロックに基づいてこのデータを読み出していく方式である。
【0013】
この電子楽器は、左側(L)、右側(R)2チャンネルのステレオサンプリングされた波形メモリを有しており、ステレオ発音することができる。さらに、この電子楽器は、モノラルサンプリングされたフォルティッシモ(ff)波形の波形メモリを有しており、キーオンのタッチに応じて、左右チャンネルにこのフォルティッシモ波形でクロスフェードをかけるようにしている。
【0014】
この電子楽器は、同時に16音を発音可能であり、L、R、ffの各チャンネルにはこの16音を独立して形成するため、クロックで同期した16の時分割チャンネルが設定される。また、自然楽器のピアノ同様ダンパーペダルを有しており、このペダルの踏み具合に応じて上記3系列の楽音のチューニングを微妙にずらす動作(デチューン)を行い、ダンパーペダルを踏み込んだときの楽音の独特の広がり感を出すようにしている。さらに、トレモロやビブラート等の自然楽器にない効果を付加する機能も有しており、これらの機能が指定された時にはLFO(低周波発振器)によって各時分割チャンネル毎にFナンバを変調することによってこれらの効果を与えるようにしている。
【0015】
図1のブロック図において、鍵盤1は88鍵のキーを有しており、各キーはキーオン/キーオフとともに少なくともイニシャルタッチを検出できるような構成になっている。イニシャルタッチを検出する機構は、例えばオンする深さが異なる2つのスイッチを設け、これらのスイッチのオンの時間差に基づいて押鍵の速度を検出する機構等が考えられる。その他種々の方式がすでに提案されているが、押鍵の速度や圧力を検出できるものであればどのような方式のものでもよい。鍵盤1はタッチ検出回路2および押鍵検出発音割当回路3に接続されている。
【0016】
タッチ検出回路2は、オンされたキーのイニシャルタッチ信号TDを検出し、時分割タイミングに同期させて出力する回路である。押鍵検出発音割当回路3は、鍵盤1の各キーを常時スキャンすることによって、現在押されているキーを判定する。この押鍵検出発音割当回路3が新たな押鍵を検出したとき、オンされたキーに対応するキーコードKCの楽音を発音する時分割チャンネルを割り当てる。発音割当は、該当する時分割チャンネルのタイミングにキーコードKCおよびキーオン信号KONを出力する動作として行われる。上述のTDが出力されるタイミングもこれと同期している。
【0017】
ダンパーペダル5は、電子鍵盤楽器の脚部、演奏者の足元に設けられており、演奏者が手で鍵盤1を操作しているとき、足(通常は右足)で踏み込むことによって操作される。ダンパーペダル5が操作されるとダンパーペダル踏込信号DPが出力され、この信号は、後述の楽音合成回路15(15L,15R,15f)に対してデチューンを指示するほか、エンベロープ形状を制御する等の機能を有している。なお、ダンパーペダル5は、その踏み込み度合に応じて0〜7のデータ(3ビット)を出力する。また、この電子鍵盤楽器の操作パネル上には音色切換スイッチ14およびビブラート指示操作子16が設けられている。これらのスイッチ、操作子の出力信号TS,LFは、後述する楽音合成回路15に出力される。
【0018】
この電子鍵盤楽器には、楽音合成回路15として、左チャンネル用楽音合成回路15L、右チャンネル用楽音合成回路15Rおよびフォルティッシモ用楽音合成回路15fの3個が設けられており、各楽音合成回路には前記TS、LFおよびTD、DPが入力されるとともに、押鍵検出発音割当回路3からキーコードKCおよびキーオン信号KONが入力される。楽音合成回路15は、これら入力された信号に基づいて所定の楽音波形を出力アキュムレータ10に出力する。
【0019】
アキュムレータ10は、エンベロープ処理を施された時分割の楽音信号EWD(楽音合成回路15から出力される楽音信号)をアキュムレートし、時分割状態を解除し、L/Rの信号を対応チャンネルに振り分け、SL、SRとして出力する。アキュムレートはL、R、ff3系列の楽音のクロスフェードと、各時分割チャンネルの楽音の合成との双方が行われる。合成された楽音SL、SRは左右両チャンネルの効果回路11(11l,11r)に出力される。この効果回路11はダンパーペダル踏込信号DPに応じて、楽音にリバーブ等の効果を付与する回路である。ダンパーペダルの踏込状態に応じてリバーブの減衰比率を調整する。以上の動作はディジタル信号処理(補間されていない信号)の処理として行われる。
【0020】
サウンドシステム12(12l,12r)は、入力された楽音信号のD/A変換およびアナログ変換された信号の増幅等を行う。増幅時のゲインは図示しないボリューム等によって設定される。サウンドシステム12によって増幅された楽音信号はスピーカー13(13l,13r)から音響として出力される。
【0021】
図2は前記楽音合成回路15のブロック図である。この図は、15L、15R、15fの3個設けられている楽音合成回路のうち一つの回路構成を示す。他の楽音合成回路の回路構成もこれと同様である。この楽音構成回路は、周波数ナンバ発生回路151、デチューンテーブル152、LFO153、アキュムレータ154、波形メモリ155、波形選択回路156、フィルタ157、乗算回路158およびエンベロープ信号発生回路159からなっている。
【0022】
押鍵検出発音割当回路3から入力されたキーコードKCは周波数ナンバ発生回路151およびデチューンテーブル152に入力される。周波数ナンバ発生回路151は、入力されたキーコードKCをデコードしてアドレスを合成し、そのアドレスによって周波数ナンバ発生回路中のROMから対応する周波数ナンバ(Fナンバ)を出力する。このFナンバが後述の波形メモリ読出用アドレス信号の変化速度を決定する。デチューンテーブル152も、周波数ナンバ発生回路151と略同様の構成を有しており、ダンパーペダル押下信号DPに基づいてデチューン信号(微少周波数補正信号)を回路中に出力する。このデチューンテーブル152においてはダンパーペダルの踏み込み度合を考慮せず、踏み込まれているか否かによって信号出力の有無を決定する。
【0023】
LFO153は、Fナンバに変調をかけるための低周波信号を出力する回路である。Fナンバに変調をかけることによって、発音される楽音にビブラートやトレモロ等の効果を生じさせることができる。なお、この実施例では、Lチャンネル、RチャンネルのみにLFOの変調をかけて、ffチャンネルにはLFOの変調をかけないようにしている。即ち、図1における楽音合成回路15fは、このLFO153を持たない構成になっている。LFO153は、各時分割チャンネル毎に独立して動作し、各々の時分割チャンネルにおいてKONの立ち上がり時点で、初期位相がL=0゜、R=90゜にセットされ、LFOの周期に合わせて位相が回転してゆく。ただし、ビブラート指示操作子16の出力LF=0の場合にはL=0゜、R=0゜に設定される。これは、効果を全くかけない場合にはLR両系統の位相を合わせるためである。
【0024】
アキュムレータ154は、上記のように、デチューン信号、LFOの効果信号で補正されたFナンバを、各時分割チャンネル別に受け付け、各時分割チャンネル毎に累算して、波形メモリ155をアクセスするためのアドレス信号ADを演算する機能を有している。波形メモリ155には楽音波形の立ち上がりから消滅までのサンプリングタイミング毎の瞬時値がディジタルで記憶されており、この瞬時値を前記アドレス信号ADに基づいて順次読み出していくことにより楽音波形を形成することができる。この読出速度を変化させることにより形成される楽音の音高を変化させることができる。
【0025】
また、音高により音色が微妙に変化する自然楽器の特性をより良く表現するため、複数の音高の楽音をサンプリングしておき、発音すべき音高に合わせてこれらのサンプリングデータを混合(クロスフェード)して楽音を形成するようにしている。更に、複数の楽器の音色を発音することができる電子楽器の場合にはそれらの音色に対応したサンプリング波形の組を持っている。
【0026】
波形メモリ155には、バンク選択信号WSを出力する波形選択回路156が接続されている。波形選択回路156にはキーコードKC、音色切換信号TS、タッチ検出信号TDが入力されており、これらのデータに対応して読み出すべき波形を決定する。すなわち、波形メモリ155には、音高により音色が微妙に変化する自然楽器の特性をより良く表現するため、複数の音高の楽音がサンプリング・記憶されており、キーコードKCに合わせてこれらのサンプリングデータを混合(クロスフェード)するようにしている。また、波形メモリ155には音色切換スイッチ14で指定できる音色毎に波形が記憶されており、波形選択回路156は音色切換信号TSに基づいて対応する音色のバンクに切り換える。バンク選択信号WSを出力するバンク選択信号WSは、ある波形信号の先頭アドレスを示す信号であり、このアドレスをスタートとして前記アキュムレータが出力するADに従ってメモリを読んでいけば、指定される楽音波形が形成されることになる。
【0027】
フィルタ157は、例えばローパスフィルタ(LPF)である。自然楽器においては、発音レベルが小さいと高次倍音が少なく、発音が大きいほど高次倍音の占める比率が高いという特徴がある。これを電子楽器においてシミュレーションするため、鍵盤1のタッチデータTDに基づいて高域をカットするフィルタがここに挿入されている。したがって、このフィルタはTDに基づいて通過特性が変化するアクティブフィルタである。
【0028】
乗算器158は、フィルタ157を通過した波形データWDに対してエンベロープ信号EDを付加する回路である。エンベロープ信号EDはエンベロープ信号発生回路159によって形成される。この回路は、キーコードKC、キーオン信号KON、タッチデータTDおよびダンパーペダル踏込信号DPに応じて、時分割で各チャンネル毎にエンベロープ信号EDを出力する。エンベロープ信号は、一般的に、キーオン直後のアタック部、徐々に減衰する持続音のディケイ部およびダンパーペダルを踏み込まないでキーオフされた時のリリース部からなっており、キーオン、キーオフからのタイミングに応じてこれらの波形が生成される。また、この回路159は、キーオン中にダンパーペダルが踏み込まれた場合には、キーオフしてもダンパーペダルが踏み込まれている間はキーオン中と同様のエンベロープ信号を発生し、そしてダンパーペダルの踏み込みが解除されると、リリース部のエンベロープ信号を発生する。乗算回路からはエンベロープをかされた波形信号EWDが出力されアキュムレータ10に入力される。
【0029】
上記電子鍵盤楽器でダンパーペダル5を踏み込むと、キーオフしても発音中の楽音の発音が継続するとともに、周波数(ピッチ)が微妙にずれて楽音に広がりを持たせることができる。
【0030】
図3および図4は、この発明の他の実施例である電子鍵盤楽器のブロック図である。この電子鍵盤楽器は、図1に示す電子鍵盤楽器が3個の楽音合成回路を備え、Lチャンネル、Rチャンネルおよびffチャンネルの3チャンネルを平行して処理しているのに対し、この3チャンネルの各発音チャンネル(16×3)を全て時分割にシリアルに処理している点で異なっている。前記図1に示した電子鍵盤楽器と構成において同一の部分は同一番号を付してその説明を省略する。
【0031】
アドレス信号発生回路4は、KC、KONおよびダンパーペダル踏込信号DPに応じて時分割でアドレス信号ADを出力する。ここで、この実施例においては、各キーに対し、L、R、ffの3つの波形を生成するため、アドレスを3つ出力しなければならない。したがって、アドレス信号ADはキーコードの時分割タイミング(16の発音チャンネル毎のタイミング)を更に3分割してL、R、ffそれぞれに対して出力されている。即ち、一つのキーコードに対して3つのアドレスが時分割で出力される。また、ダンパーペダルの踏み込みに応じてL、R、ffの各系列間のデチューンを行うため、L、Rチャンネルのピッチをダンパーペダルの踏み込み量に応じて高くまたは低くずらすような構成になっている。具体的な回路構成は、図2に示すようなデチューンテーブルを用いる方式でもよく、また実公昭63−6796号公報に示されるようなアドレス信号ADの歩進速度を各系列毎に微妙にずらす方式でもよい。このアドレス信号発生回路4には、ダンパーペダル5からDP信号が入力されるとともに、押鍵検出発音割当回路3からキーコードKCおよびキーオン信号KONが入力されている。アドレス信号発生回路4はアドレス信号ADを出力し、このアドレス信号ADは波形メモリ6に入力される。
【0032】
波形メモリ6は、図2に示す波形メモリ155と同様の構成であり、波形選択回路7はバンク切換信号WSをこの波形メモリ6に入力する回路であり、図2に示す波形選択回路156と同様の構成になっている。但し、この波形メモリ6および波形選択回路7は、L、R、ffの3チャンネルの波形に対して時分割で順次処理する機能を有しており、アドレス信号発生回路4等と同期してクロック信号に基づいて動作する。
【0033】
乗算器8は波形のエンベロープを制御する。また、ここでは各系列の混合度合の制御もエンベロープの振幅という形で行っている。本実施例では、メゾフォルテ程度の音をサンプリングしたL、Rの信号と、フォルティッシモでサンプリングしたffの信号とをタッチに応じてクロスフェードすることによりタッチ方向の自然なつながりを実現している。エンベロープ信号発生回路9はキーコードKC、キーオン信号KON、タッチデータTDおよびダンパーペダル踏込信号DPに応じて時分割でエンベロープ信号BDを変化させて出力する回路である。アキュムレータ10はエンベロープ処理を施された時分割の楽音信号EWDをアキュムレートし、時分割状態を解除してL信号とR信号とを生成し、対応するチャンネルに振り分ける機能を有している。
【0034】
この実施例の時分割動作状態を図5に示す。AD信号のL、R、ffの3個のタイミングが1つのキーコードに対応している。信号A1は、各時分割チャンネルにおけるL、R系統の波形値とff系統の波形値を演算(クロスフェード)した時分割チャンネルのステレオ信号が得られるタイミングである。このタイミング(A1)が、ADとA1は1キーコードサイクルだけずれているのは、L、R、ffの各信号がアキュムレータ10内に取り込まれなければ計算ができないためである。信号SLとSRは、A1のタイミングで得られる全時分割チャンネルのL、R信号を加算することによって得ることができる。
【0035】
なお、この実施例ではハードウェアによる回路構成を主に説明したが、鍵盤その他からのデータの入力および楽音を合成するためのデータの出力までをCPUが行うソフトウェアによる構成も可能である。また、ダンパーペダルによって各系列のデチューンを行うのみでなく、その他の操作子によってデチューンを行うようにしてもよい。
【0036】
さらに、この実施例ではフォルティッシモ信号はモノラルサンプリングで行ったが、フォルティッシモ波形もL、Rそれぞれに独立に持つようにしてもよい。また、この実施例では通常の楽音(メゾフォルテ)以外にフォルティッシモ信号をサンプリングしたが、ピアニッシモ信号をもサンプリングしてタッチの強弱に応じてクロスフェードをかけるようにしてもよい。
【0037】
また、この実施例ではダンパーペダル5の踏み込み量に応じてDP信号が0〜7の3ビットの値を有するように構成したが、デチューン量もこの信号に応じてその大きさを変化させるようにしてもよい。また、複数の音色を選択切換できる電子楽器であれば、その音色に応じてデチューン量を自動的に切換制御できるようにしてもよい。
【0038】
また、ビブラートやトレモロの効果を付加するLFOは、L、Rのチャンネルのみに付加したが、ffチャンネルにも付加するようにしてもよい。更に、この実施例では、LFOは常時動作しており、発音が開始された時のLFOの位相からビブラート、トレモロ等の効果の付加が開始されるようになっているが、LFOの初期位相を全ての発音チャンネル(発音タイミング)に亘って一定になるようにすることも可能である。
【0039】
また、複数の音色を同時発音可能な音源に対応する場合、特定の音色には、ダンパーペダルによる効果がかからないような構成にしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、ステレオサンプリングされた複数の第1の波形データ(例えば、L、R波形)と、これとは別のモノラルサンプリングされた波形データであって、第1の波形データより強い音をサンプリングした第2の波形データ(例えば、フォルティッシモ波形)とを記憶手段に記憶しておき、音高指定操作子のタッチに応じて、複数の第1の波形データに対して第2の波形データを混合するようにしているので、音高指定操作子のタッチに応じて自然な変化をするステレオの楽音を生成し、より高品位な楽音を得ることができる。また、別の波形としてステレオサンプリングされた波形を用いるものに比べて記憶手段の記憶容量を削減することができる。
【0041】
この発明によれば、ステレオサンプリングされた波形と別の波形とをクロスフェードさせるようにしているので、両波形による楽音に自然なつながりを実現することができる。さらに、鍵盤のような音高指定操作子とは別設の演奏操作子の操作によって楽音特性を多彩に制御することができ、演奏表現力を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例である電子鍵盤楽器のブロック図である。
【図2】図2は、同電子鍵盤楽器の楽音合成回路のブロック図である。
【図3】図3は、この発明の他の実施例である電子鍵盤楽器のブロック図の一部である。
【図4】図4は、この発明の他の実施例である電子鍵盤楽器のブロック図の他部である。
【図5】図5は、同他の実施例である電子鍵盤楽器の時分割タイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
5 ダンパーペダル、
15(15L,15R,15f) 楽音合成回路、
152 デチューンテーブル。
Claims (3)
- ステレオサンプリングされた複数の第1の波形データおよびモノラルサンプリングされた第2の波形データを記憶した記憶手段であって、第2の波形データは、第1の波形データより強い音をサンプリングしたデータであるものと、
発音すべき音高に応じて上記記憶手段に記憶された複数の第1の波形データおよび第2の波形データを読み出す読出手段と、
上記発音すべき音高を指定する音高指定操作子のタッチに応じて、上記読出手段で読み出された第2の波形データを、上記読出手段で読み出された複数の第1の波形データの各々と混合して、複数の楽音信号を発生する楽音発生手段と、
上記楽音発生手段から発生された複数の楽音信号の各々に対応する楽音をそれぞれ放音する複数の発音手段と
を備えることを特徴とする電子楽器。 - 前記楽音発生手段は、第1の波形データと第2の波形データとをクロスフェードさせるものであることを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
- 前記楽音発生手段は、前記音高指定操作子とは別体に設けられた演奏操作子の操作に応じて前記複数の楽音信号の楽音特性を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子楽器。
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