JP3557474B2 - 楽音発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、楽音の音高を指定するための音高指定スイッチ群を備えた電子楽器等の機器に搭載される楽音発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子楽器等に搭載される楽音発生装置は、音高指定スイッチ群に対してユーザが行った操作を検出することで、ユーザが操作した指定スイッチに割り当てられた音高で楽音を発音させるためのものである。このような音高指定スイッチ群の代表としては鍵盤があげられる。
【0003】
例えば、音高指定スイッチ群として鍵盤を備えた電子楽器において、テンポが速いといったある程度の演奏技術が要求される楽曲を演奏する場合、一般的なユーザは高度な演奏技術を持っていないことから、このような楽曲の演奏が容易に行えないという不具合があった。
【0004】
このような不具合を解決するものとして、例えば、鍵盤の各鍵に対するユーザの押鍵操作、離鍵操作を検出すると、各操作において各々楽音を発生する楽音発生装置が創案されている。この楽音発生装置を搭載した電子楽器によれば、1つの鍵に対する1回の操作、即ち、押鍵操作、離鍵操作の両方の操作時において各々楽音が発音されるので、容易に高速演奏を行うことができ、前述した不具合を解決することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような電子楽器等に搭載された従来の楽音発生装置は、1つの鍵に対する押鍵操作、離鍵操作により各々楽音を発音させることができるが、ユーザは離鍵操作により発音される楽音を予め指定しなければならないため、1つの鍵の離鍵操作により発音する楽音は固定となることから、幅広い演奏を容易に楽しめないという問題点があった。
【0006】
離鍵操作により発音される楽音を指定するためのキースイッチは、通常、音高指定スイッチ群から離れた位置に設けられているので、この指定を演奏中に変更するには迅速なキー操作が要求されるとともに、面倒であるという問題点がある。また、このキー操作を行わなくてはならないことから、演奏に集中できなくなるという問題点もある。また、ユーザは、演奏中において、場合によっては離鍵操作により楽音を発音させたくないこともある。このときにおいても、そのためのキー操作が必要となるので、上記したことと同様の問題点が発生する。
【0007】
ところで、電子楽器は、エレクトロニクス技術を生かした楽器であるため、アコースティックな楽器と比較すると、幅広い音色と機能選択ができる、新しい音楽の創造がしやすい、手軽に音楽を楽しめるといった長所がある。現代における音楽は、人々の意識の変化や科学技術の進歩と相まって多様化しており、電子楽器においてもこの多様化により、幅広い演奏を容易に行えることが望まれていた。
【0008】
本発明の課題は、高速演奏を含む幅広い演奏を容易に可能とする楽音発生装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の楽音発生装置は、楽音の音高を指定するための音高指定スイッチ群を備えた電子楽器やMIDI機器等に搭載される。
【0010】
このような機器に搭載される本発明の楽音発生装置は、音高指定スイッチ群の各指定スイッチに対する操作状態を検出する操作検出手段と、音高指定スイッチ群を予め設定された区分けに大別して第1の指定スイッチ群、及び第2の指定スイッチ群に振り分け、第1の指定スイッチ群に対するオン操作を操作検出手段が検出したとき、該オン操作を検出した指定スイッチに割当てられている楽音を発音させる楽音発生制御を実行し、また操作検出手段が検出した第1の指定スイッチ群に対する操作タイミングに応答して、操作検出手段が検出した第2の指定スイッチ群に対する操作に応じた楽音を発音させる楽音発生制御を実行する制御手段とを具備している。

【0011】
なお、上記した構成において、操作検出手段は、各指定スイッチに対するオン操作時の操作速度、オン操作している圧力等の操作状態を検出する操作状態検出手段を備えていることが望ましく、また、制御手段は、第2の指定スイッチ群に対して予め設定された機能を任意に割り当てられることが望ましい。
【0012】
【作用】
本発明の楽音発生装置は、音高指定スイッチ群を予め設定された区分けに大別して第1の指定スイッチ群、第2の指定スイッチ群に振り分け、第1の指定スイッチ群の指定スイッチが操作されたタイミングに基づき、第2の指定スイッチ群でオン操作されている指定スイッチに割り当てた機能で楽音を発音させる。
【0013】
第2の指定スイッチ群で指定された楽音は、例えば、第1の指定スイッチ群の指定スイッチがオン操作されたとき消音し、第1の指定スイッチ群の指定スイッチがオフ操作されたとき発音する。これにより、第2の指定スイッチ群の指定スイッチに対するオン操作を維持したままで、この指定スイッチに割り当てた楽音の発音が第1の指定スイッチ群のオン・オフ操作に応じて断続される。
【0014】
また、本発明の楽音発生装置は、第1の指定スイッチ群の指定スイッチに対する操作状態に係わらず、第2の指定スイッチ群の指定スイッチがオン操作されると直ちにこのオン操作された指定スイッチに割り当てた楽音を発音させる。これにより、第2の指定スイッチ群の各指定スイッチに割り当てた楽音で随時発音させることが可能となる。
【0015】
また、本発明の楽音発生装置は、第1の指定スイッチ群でオン操作されている指定スイッチがあるとき、第1の指定スイッチ群における他の指定スイッチに対するオフ操作の有無に係わらず、第2の指定スイッチ群でオン操作されている指定スイッチに割り当てた機能での発音を禁止する。これにより、ユーザは、第2の指定スイッチ群で指定した楽音の発音を任意、且つ容易に行うことが可能となる。
【0016】
また、本発明の楽音発生装置は、操作検出手段が操作状態検出手段を備え、第1の指定スイッチ群の指定スイッチが操作されたタイミングに基づき、この操作状態検出手段が検出した第2の指定スイッチ群のオン操作されている指定スイッチの操作状態に応じて、第2の指定スイッチ群により指定された楽音を発音する。これにより、ユーザは、第2の指定スイッチ群で指定した楽音の発音を随時、任意に変更することが可能となる。
【0017】
また、本発明の楽音発生装置は、第2の指定スイッチ群に対して楽音の音高を始め、音響効果の付加、音色の変更といった予め設定された機能を割り当て、第1の指定スイッチ群の指定スイッチが操作されたタイミングに基づき、第2の指定スイッチ群でオン操作されている指定スイッチに割り当てた機能で楽音を発音する。これにより、高速演奏、トレモロ演奏、所望の音響効果の付加が容易となるとともに、演奏の幅がより拡大され、音楽表現力がさらに向上される。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、実施例1、実施例2、実施例3の順序で図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、実施例1による楽音発生装置が適用された電子楽器100の構成を示すブロック図であり、図2は、その電子楽器100の平面外観を示す説明図である。
【0019】
図2に示す如く、電子楽器100は、ユーザにより操作される鍵盤101と、本体のケース201上に設けられたPモードスイッチ202、及びLED(Light Emitting Diode)203とを備えている。
【0020】
Pモードスイッチ202は、鍵盤101のアッパー鍵域204の鍵が離鍵されたときにロワー鍵域205の押鍵された鍵に応じて楽音を発生させるモード(Pモード:詳細は後述する)を設定するためのものであり、LED203はこのPモードが設定されているとき点灯することでユーザにその設定状態を通知するためのものである。このアッパー鍵域204とロワー鍵域205は、デフォルトとして予め設定されたものであるが、アッパー鍵域204、ロワー鍵域205の区分けは、特に図示しないスイッチによりユーザが任意に指定できるようになっている。
【0021】
また、図2には特に図示していないが、ケース201上にはPモードスイッチ202の他にも音色、リズム、モード等を選択するための各種スイッチ、及び各種モードの設定状態等を表示する表示器が設けられている。
【0022】
図1に戻り、その構成について説明する。図1に示す如く、電子楽器100は、前述した鍵盤101と、Pモードスイッチ202を含む各種スイッチ、及びLED203を含む各種表示器を備えた操作パネル102と、楽器全体の制御を実行するCPU(Central Processing Unit)103と、各種制御用プログラム、楽音生成用の各種データ等を格納したROM(Read Only Memory)104と、主に作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)105と、CPU103の各種指示に従って楽音波形(信号)を生成する音源106と、音源106が出力した楽音信号により放音するサウンドシステム107とから構成されている。
【0023】
以上の構成において、その概略動作を説明する。CPU103は、鍵盤101、及び操作パネル102を走査(スキャン)することでそれらの操作状態を検出し、ユーザが指定した音色、モード等に従い、押下された鍵に応じて楽音を放音するための楽音情報を生成する。このスキャンによりPモードスイッチ202がオンされていると検出すると、CPU103はPモードを設定すると共にLED203を点灯させ、反対にPモードスイッチ202がオフされていると検出すると、Pモードの設定を解除すると共にLED203を消灯させる。Pモードの設定時における詳細な動作は後述する。
【0024】
鍵盤101は、イニシャルタッチレスポンス及びアフタタッチレスポンスの2つのタッチレスポンス機能を備えており、CPU103は、この機能により得たユーザの操作状態も合わせて取り入れる。また、CPU103は、Pモードが設定されている場合、図2に示す如く、鍵盤101をアッパー鍵域204とロワー鍵域205とに振り分けており、アッパー鍵域204の鍵の操作タイミングによりロワー鍵域205の押鍵された鍵で指定された楽音を放音するための楽音情報を生成する。
【0025】
音源106は、例えばPCM音源であり、CPU103が生成した楽音情報に基づき、特には図示していない波形ROMに格納された波形データを読み出し、この読み出した波形データを楽音情報に従って加工することで楽音波形を生成し、これを楽音信号としてサウンドシステム107に出力する。この楽音信号は、デジタル信号で音源106から出力される。
【0026】
サウンドシステム107は、音源106が出力した楽音信号をアナログ信号に変換した後これを増幅し、この増幅した楽音信号をスピーカに入力することで楽音を放音する。
【0027】
以上が電子楽器100の概略動作である。次に、図3〜図8を参照して、その処理動作について詳細に説明する。
最初に、全体制御処理について説明する。この全体制御処理は、図示しないインタラプト制御部から割り込みが掛かっていない状態においてCPU103が実行する処理である。図3は、全体制御処理を示すフローチャートであり、同図を参照してその一連の処理を説明する。
【0028】
図示しない電源スイッチがオンされると、先ず、CPU103はその内部のRAMの内容等を初期設定(イニシャライズ)する(S301)。このイニシャライズが終了すると、次に操作パネル102上に設けられたPモードスイッチ202を含む各種スイッチの操作状態を検出し、その操作状態に応じた各種設定を行うスイッチ(SW)処理(詳細は後述する)を実行する(S302)。
【0029】
スイッチ処理が終了すると、次に、鍵盤101の各鍵の操作状態を検出し、その操作状態に応じて楽音を放音するための鍵盤処理(詳細は後述する)を実行する(S303)。鍵盤処理が終了すると、この鍵盤処理において押鍵されたと識別した鍵のキー番号を内部の発音チャネル領域に格納する処理、離鍵された鍵のキー番号に対応する発音チャネル領域内の楽音情報を消音させるための楽音情報に変更するといった処理や、発音させる楽音のピッチにエンベロープを付加し、対応する発音チャネル領域にピッチデータを新たに設定する処理等を実行し(S304)、ステップS302の処理に戻る。
【0030】
この全体制御処理が実行されることにより、ユーザが指定した音色、モードで楽音が発音されることになる。
次に、上記したステップS302のスイッチ処理の詳細について説明する。図4は、スイッチ処理を示すフローチャートであり、同図を参照して、その一連の処理を説明する。
【0031】
このスイッチ処理においては、先ず、操作パネル102上の各種スイッチを走査し(S401)、この走査が終了すると、次にPモードスイッチ202がオンされているか否か判断する。Pモードスイッチ202がオンされていると判断すると、RAM105内部のレジスタPに1をセットすることでPモードを設定し(S403)、反対にPモードスイッチ202がオフされていると判断すると、レジスタPに0をセットする(S404)。
【0032】
このように、Pモードスイッチ202の操作状態によりPモードの設定が行われると、他のスイッチに対しても同様の処理が実行されて(S405)、一連の処理が終了する。なお、ステップS403の処理において、レジスタPに1がセットされると、これによりLED203が点灯し、ユーザにPモードが設定されていることが通知される。
【0033】
次に、図3に示したステップS303の鍵盤処理の詳細について説明する。鍵盤処理は、鍵盤101に対するユーザの操作を検出し、該検出結果に従って楽音を発音するための処理であるので、これは実施例1による楽音発生装置が実行する処理に対応するものである。図5は、実施例1の鍵盤処理を示すフローチャートであり、同図を参照して、その一連の処理を説明する。
【0034】
この鍵盤処理においては、先ず、レジスタPの値が1か否か、即ち、Pモードが設定されているか否か判断する(S501)。レジスタPの値が1ではないと判断すると、鍵盤101を走査し、この走査で押鍵と検出された鍵に割り当てられた音高で楽音を放音する通常演奏処理を実行して(S502)、一連の処理を終了する。
【0035】
ステップS501において、レジスタPの値が1と判断、即ちPモードが設定されていると判断すると、次に現在におけるロワー鍵域205の押鍵された鍵の状態を表すデータを格納する処理であるメモリL処理(詳細は後述する)を実行し(S503)、続けて発音、消音する楽音を決定する処理である発音・消音処理(詳細は後述する)を実行して(S504)、一連の処理が終了する。
【0036】
このように、鍵盤処理においては、Pモードが設定されているか否かにより別の処理が行われる。
次に、メモリL処理について詳細に説明する。メモリL処理は、前述したように、ロワー鍵域205の鍵の押鍵状態を表すデータをRAM105の所定の領域(メモリL)に格納する処理であり、この領域に格納されたデータは、アッパー鍵域204の鍵が離鍵されたときに発音する楽音を指定するものとして扱われる。図6は、実施例1のメモリL処理を示すフローチャートであり、同図を参照して、その一連の処理を説明する。
【0037】
このメモリL処理においては、先ず、ロワー鍵域205を走査する(S601)。ロワー鍵域205の走査が終了すると、次に前回のロワー鍵域205に対する走査結果(現在メモリLに格納されている)と比較することで、ロワー鍵域205でオンイベントが発生したか否か、即ち、ロワー鍵域205で新たに押鍵された鍵が有るか否か判断する(S602)。オンイベントが発生しなかったと判断すると、後述するステップS604の処理に移行し、反対にオンイベントが発生したと判断すると、この鍵に割り当てた音高、及びタッチレスポンス機能により得たこの鍵を叩いたときのベロシティ(押鍵速度)を操作情報としてメモリLに書き込む(S603)。
【0038】
メモリLに操作情報を書き込むと、次にロワー鍵域205でオフイベントが発生したか否か即ち、ロワー鍵域205で離鍵が新たに発生したか否か判断する(S604)。オフイベントが発生しなかったと判断すると、ここで、一連の処理を終了し、反対にオフイベントが発生したと判断すると、メモリLに書き込んである記憶情報からこのオフイベントが発生した鍵に対応するデータを消去して(S605)、一連の処理を終了する。
【0039】
このように、メモリL処理を実行することで、メモリLには常にロワー鍵域205における最新の操作状態を表すデータが書き込まれることになる。
次に、図5に示したステップS504の発音・消音処理について詳細に説明する。図7は、実施例1の発音・消音処理を示すフローチャートであり、同図を参照して、その一連の動作を説明する。ここで、後述するタイマTは、RAM105(図1参照)に確保される変数であり、アッパー鍵域204の鍵が離鍵されてから経過した時間を計測するためのものである。このタイマTの値は、所定時間毎に実行されるタイマインタラプト処理により更新されるものである。
【0040】
先ず、アッパー鍵域204を走査する(S701)。アッパー鍵域204の走査を終了すると、次にアッパー鍵域204でオンイベントが発生したか否か、即ちアッパー鍵域204で新たな押鍵があったか否か判断し(S702)、オンイベントが発生したと判断すると、次にこのオンイベントが発生した鍵に割り当てた音高で楽音を発音させる通常の発音処理を実行する(S703)。この発音処理により、図示しないCPU103の内部RAMの発音チャネル領域には新たにデータが書き込まれることになる。
【0041】
アッパー鍵域204の通常の発音処理が終了すると、次にロワー鍵域205の鍵により指定された音高で楽音が発音中であればこれを全て消音し(S704)、タイマTをストップさせるとともにリセットして(S705)、ステップS706の処理に移行する。
【0042】
ステップS702において、アッパー鍵域204でオンイベントが発生しなかったと判断すると、即ちアッパー鍵域204で新たな押鍵がなかったと判断すると、次にアッパー鍵域204でオフイベントが発生したか否か、即ちアッパー鍵域204で新たに離鍵された鍵があったか否か判断する(S706)。アッパー鍵域204でオフイベントが発生しなかったと判断すると、後述するステップS712の処理に移行し、反対にオフイベントが発生したと判断すると、次に、このオフイベントが発生した鍵に対応した楽音を消音させる通常の消音処理を実行する(S707)。この消音処理により、発音チャネル領域からオフイベントが発生した鍵に対応するデータが消去されることになる。
【0043】
上記消音処理が終了すると、次にタイマTをスタートさせ(S708)、続いてロワー鍵域205を走査する(S709)。ロワー鍵域205の走査が終了すると、次にロワー鍵域205でオフイベントが発生したか否か、即ちロワー鍵域205で新たに離鍵された鍵が有るか否か判断し(S710)、オフイベントが発生しなかったと判断すると、ここで一連の処理を終了し、反対にオフイベントが発生したと判断すると、オフイベントが発生した鍵に対応した楽音が発音中であればこれを消音する消音処理を実行して(S711)、一連の処理を終了する。
【0044】
メモリLに格納された内容は、現在、ロワー鍵域205で押鍵された鍵を示すデータが格納されているだけなので、メモリLの内容で発音が行われても新たに離鍵された鍵に対応する楽音は発音中のままである。この新たに離鍵された鍵に対応する楽音の消音は、このステップS711の処理により行われる。
【0045】
ステップS706において、アッパー鍵域204でオフイベントが発生していない、即ちアッパー鍵域204で新たに離鍵された鍵がないと判断すると、次にタイマTの値が所定値Mよりも大きいか否か判断する(S712)。タイマTの値が所定値M以下であると判断すると、ステップS709の処理に移行し、反対にタイマTの値が所定値Mよりも大きいと判断すると、タイマTをストップさせるとともにリセットし(S713)、メモリLに格納された内容(押鍵速度を含む)で楽音を発音させる発音処理を実行して(S714)、ステップS709の処理に移行する。
【0046】
実施例1では、上記したように、アッパー鍵域204でオフイベント(離鍵)が発生してから所定値Mに対応する時間が経過するまでメモリLの内容による発音処理を行わないようにしている。これは、以下の理由によるものである。
【0047】
例えば、アッパー鍵域204で連続した演奏操作をユーザが行うと、通常、1つの鍵の離鍵から次の鍵の押鍵までの時間は殆どないか、あっても極僅かな時間である。従って、離鍵毎に直ちにロワー鍵域205で指定された楽音を発音させた場合、その楽音は極僅かな時間だけしか発音されないことになる。このことから、連続した演奏操作を行ったときのユーザは、ロワー鍵域205で指定した楽音の発音を望んでいないことが多いと考えられる。
【0048】
一方、ロワー鍵域205で指定した楽音を発音させないためには、ロワー鍵域205を押鍵していなければ良いが、例えば連続した演奏操作が部分的に行われる場合、その度毎にロワー鍵域205の押鍵、離鍵を行わなければならなくなり、ロワー鍵域205に対するユーザの操作の負担が大きくなる。このようなことから、ユーザの負担を軽減するうえでアッパー鍵域204の鍵が離鍵されてもある期間はロワー鍵域205で指定された楽音は発音させないこととしたものである。
【0049】
所定値Mは、アッパー鍵域204で離鍵が発生してからロワー鍵域205で指定された楽音を発音させるまでの時間に対応するものであるが、その適正な値はユーザの力量、演奏する楽曲のテンポ等により異なる。このため、具体的に挙げることは難しいが、32分音符程度の時間長がMの値として妥当と思われる。なお、このMの値は、その適正な値が状況により異なってくることから、ユーザが任意に設定できるようにするのが望ましい。
【0050】
ここで、上記した発音・消音処理のその概要を簡単に説明すると、以下のようになる。
即ち、アッパー鍵域204の鍵が離鍵される度に、ロワー鍵域205の鍵で指定された単音やコードがその鍵の押鍵時の速度でもって発音され、アッパー鍵域204に新たな押鍵が発生するとその発音が直ちに終了する。また、ロワー鍵域205の鍵の楽音がこのようにして発音中に、ある任意の鍵を離鍵すると、その離鍵された鍵に対応する楽音が消音される。
【0051】
このように、アッパー鍵域204の鍵の離鍵により楽音を発音させることができるが、この発音させる楽音はロワー鍵域205の鍵により任意に指定できるため、ユーザは高速演奏を始めとする各種演奏を幅広く楽しむことができる。高速演奏以外の演奏としては、例えばアッパー鍵域204における離鍵操作が行われる毎にロワー鍵域204で指定された楽音は発音されることから、所謂裏リズムとして用いる演奏がある。
【0052】
また、ロワー鍵域205の鍵で指定された楽音は、その鍵の押鍵速度に応じて音色、音量が変更されて発音されるため、ユーザはより幅広い演奏を楽しむことができる。
【0053】
ロワー鍵域205の鍵による楽音の指定は、アッパー鍵域204の鍵が離鍵される迄に行えば良く、また、ロワー鍵域205の鍵を押鍵したままでも良いので、ユーザはロワー鍵域205の操作を余裕を持って容易に行うことができる。このため、ユーザは、高速演奏を含む幅広い演奏を容易に行うことができる。
【0054】
図8は、実施例1による実際の発音例を示す説明図であり、鍵盤101に対して同じ操作を行った場合において、通常モードとPモードでこの操作により実際に発音される音高を楽譜で表したものである。図8において、ト音記号を有する五線譜に記譜される音符はアッパー鍵域204に、ヘ音記号を有する五線譜に記譜される音符はロワー鍵域205に各々対応している。
【0055】
通常モードは、押鍵した鍵に割り当てた音高で楽音を発音するモードであるので、図8における通常モードでの発音は、鍵盤101に対する操作にそのまま対応している。図8から明らかなように、Pモード時は通常モードと異なり、アッパー鍵域204の鍵が離鍵されたとき(これは、ト音記号を有する五線譜において休符記号が記譜された位置に対応する)、ロワー鍵域205で押鍵された鍵の音高が発音されているのがわかる。
【0056】
なお、実施例1において、ロワー鍵域205の鍵により指定される音高はその鍵に対して予め割り当てた音高としているが、例えば、この鍵に割り当てた音高を全体的に1オクターブ上げるといったように、Pモード設定時において音高の割り当てを変更できるようにしても良い。
【0057】
また、アッパー鍵域204の鍵の離鍵時において発音される音量は、ロワー鍵域205の鍵に対して押鍵している圧力で可変するようにしても良い。これにより、ビブラートやトレモロ等の音響効果を随時付加することができる。また、実施例1では、タイマTの値はハード的にインクリメントされるが、自動伴奏とともにユーザが演奏を行うような場合においてはその伴奏のテンポに応じてインクリメントさせるようにしても良い。
【0058】
次に、実施例2について説明する。実施例2は、図1及び図2に示した電子楽器100に適用させたものである。このため、電子楽器100に付与した符号をそのまま用いることとし、異なる部分のみ説明する。
【0059】
実施例1の発音・消音処理では、アッパー鍵域204の鍵が離鍵されたときだけロワー鍵域205で指定された楽音が発音されることから、ロワー鍵域205の鍵により任意に発音できないという不具合がある。実施例2は、この不具合を回避したものである。
【0060】
図9は、実施例2の発音・消音処理を示すフローチャートであり、同図を参照して、その一連の処理を説明する。実施例2の発音・消音処理では、タイマTとともにタイマT’がその処理で用いられている。このタイマT’は、タイマTと同じものであり、ロワー鍵域205の鍵が押鍵されてから経過した時間を計測するものである。
【0061】
先ず、アッパー鍵域204を走査し(S901)、アッパー鍵域204の走査を終了すると、次にアッパー鍵域204でオンイベントが発生したか否か、即ちアッパー鍵域204で新たな押鍵があったか否か判断する(S902)。アッパー鍵域204でオンイベントが発生したと判断すると、次に後述するステップS915の処理を実行し、反対にアッパー鍵域204でオンイベントが発生しなかったと判断すると、即ちアッパー鍵域204で新たな押鍵がなかったと判断すると、次にアッパー鍵域204でオフイベントが発生したか否か、即ちアッパー鍵域204で新たに離鍵された鍵があったか否か判断する(S903)。
【0062】
アッパー鍵域204でオフイベントが発生しなかったと判断すると、後述するステップS912の処理に移行し、反対にオフイベントが発生したと判断すると、次にステップS904の処理に移行する。
【0063】
ステップS904では、アッパー鍵域204でオフイベント(離鍵)が発生した鍵の楽音を消音させる通常の消音処理を実行し、この消音処理が終了すると、タイマTをスタートさせる(S905)。このタイマTのスタートにより、アッパー鍵域204の鍵が離鍵されてから経過した時間の計測が行われる。
【0064】
タイマTをスタートさせると、次にロワー鍵域205を走査し(S906)、ロワー鍵域205の走査が終了すると、続いてロワー鍵域205でオンイベントが発生したか否か、即ちロワー鍵域205で新たに押鍵された鍵が有るか否か判断する(S907)。オンイベントが発生しなかったと判断すると、次にステップS910の処理に移行し、反対にオンイベントが発生したと判断すると、オンイベントが発生した鍵に割り当てた音高で楽音を発音させる通常の発音処理を実行し(S908)、その後、タイマT’をスタートさせる(S909)。このタイマT’をスタートさせることにより、ロワー鍵域205の鍵が押鍵されてから経過した時間の計測が行われる。
【0065】
タイマT’をスタートさせると、次にロワー鍵域205でオフイベントが発生したか否か、即ちロワー鍵域205で新たに離鍵された鍵が有るか否か判断する(S910)。ロワー鍵域205でオフイベントが発生しなかったと判断すると、ここで一連の処理を終了し、反対にロワー鍵域205でオフイベントが発生したと判断すると、即ち新たに離鍵された鍵が有ると判断すると、この離鍵された鍵で発音中の楽音を消音させる消音処理を実行して(S911)、一連の処理を終了する。
【0066】
ステップS903において、アッパー鍵域204でオフイベントが発生しなかったと判断、即ち新たに離鍵された鍵がないと判断すると、次にタイマTの値が所定値Mよりも大きいか否か判断する(S912)。タイマTの値が所定値M以下であると判断すると、ステップS906の処理に移行し、反対にタイマTの値が所定値Mよりも大きいと判断すると、タイマTをストップさせるとともにリセットし(S913)、メモリLに格納された内容(押鍵速度を含む)で楽音を発音させる発音処理を実行して(S914)、ステップS906の処理に移行する。
【0067】
ステップS902において、アッパー鍵域204でオンイベントが発生したと判断、即ち新たに押鍵された鍵が有ると判断すると、次にこのオンイベントが発生したアッパー鍵域204の鍵に割り当てた音高で楽音を発音させる通常の発音処理を実行する(S915)。アッパー鍵域204の通常の発音処理が終了すると、次にタイマT’の値が0であるか否か、或いはタイマT’の値が所定値Nよりも大きいか否か判断する(S916)。後述するように、タイマT’の値が0のときはタイマT’がストップされたとき、或いはロワー鍵域205で新たな押鍵が行われていないときであり、タイマT’の値が所定値Nよりも大きいときは新たな押鍵があってから所定期間経過したときである。
【0068】
タイマT’の値が0ではなく、且つタイマT’の値が所定値N以下と判断すると、次にステップS919の処理に移行し、反対にタイマT’の値が0、或いはタイマT’の値が所定値Nよりも大きいと判断すると、次にタイマT’をストップするとともにリセットする(S917)。タイマT’をストップすると、次にロワー鍵域205の鍵により指定された音高で楽音が発音中であればこれを全て消音し(S918)、タイマTをストップさせるとともにリセットして(S919)、ステップS903の処理に移行する。
【0069】
このように、実施例2においては、ロワー鍵域205の鍵が新たに押鍵されたとき、その鍵に割り当てた音高で楽音を発音させるので、実施例1と比較すると、さらに幅広い演奏を楽しむことができる。
【0070】
ところで、ロワー鍵域205に対する押鍵は、アッパー鍵域204に対する押鍵と同時に行われる場合が想定される。この場合において、ロワー鍵域205に対する押鍵が僅かにアッパー鍵域204に対する押鍵よりも早く行われると、ロワー鍵域205で指定された楽音は殆ど発音されないことになる。実施例2では、この不具合を回避するため、ロワー鍵域205の鍵が新たに押鍵された場合、その鍵で指定された楽音の発音をある期間だけは行うようにしている。
【0071】
即ち、ロワー鍵域205で新たな押鍵を判断し、タイマT’をスタートさせてからそのタイマT’の値が所定値Nよりも大きいと判断されるまでの期間、ロワー鍵域205で指定された楽音は消音されないようにしている。このため、ユーザは、ロワー鍵域205の鍵を新たに押鍵することで指定した楽音を随時発音させることができ、さらに演奏の幅を広げることができる。
【0072】
このNの値としては、演奏する楽曲で用いられる最も短い音符でテンポに対応させるのが望ましく、楽曲毎にこれは異なることからユーザが設定できるようにすることが望ましい。Nの具体的な値としては、楽曲における発音時間が短い音符に対応させるとすると、例えば16分音符程度の時間長に対応させた値が適当であると考えられる。
【0073】
図10は、実施例2による実際の発音例を示す説明図であり、図8と同様に、通常モードとPモードとで鍵盤101に対して同じ操作を行った際に実際に発音される音高を楽譜で表したものである。
【0074】
図10に示す如く、実施例2では、通常モード及びPモードとも各小節の先頭でロワー鍵域205の鍵で指定された音高の楽音が発音されている。これからも実施例2は、実施例1と比較して幅広い演奏を楽しめることがわかる。
【0075】
次に、実施例3について説明する。実施例3は、実施例2と同じく、図1及び図2に示した電子楽器100に適用させたものである。このため、電子楽器100に付与した符号をそのまま用いることとし、異なる部分のみ説明する。
【0076】
実施例1の発音・消音処理では、アッパー鍵域204の鍵が離鍵される度にロワー鍵域205で押鍵された鍵の音高が発音されるが、アッパー鍵域204でまだ押鍵された鍵があるときにロワー鍵域205で指定している楽音を発音させたくないとユーザが思う場合が考えられる。このような場合において、アッパー鍵域204の鍵が離鍵される度にロワー鍵域205で指定した楽音が発音されると、この発音が煩わしい、アッパー鍵域204を離鍵したときにロワー鍵域205で指定した楽音が発音しないように操作するのが面倒といった不具合が発生することになる。
【0077】
実施例3は、この実施例1の不具合を回避し、アッパー鍵域204の鍵が1つでも押鍵されていればロワー鍵域205で指定した楽音を発音しないようにしたものである。図11は、実施例3の発音・消音処理を示すフローチャートであり、同図を参照して、その一連の処理を説明する。
【0078】
先ず、アッパー鍵域204を走査する(S1101)。アッパー鍵域204の走査を終了すると、次にアッパー鍵域204でオンイベントが発生したか否か、即ちアッパー鍵域204で新たな押鍵があったか否か判断し(S1102)、オンイベントが発生したと判断すると、次にこのオンイベントが発生した鍵に割り当てた音高で楽音を発音させる通常の発音処理を実行する(S1103)。
【0079】
アッパー鍵域204の通常の発音処理が終了すると、次にロワー鍵域205の鍵により指定された音高で楽音が発音中であればこれを全て消音し(S1104)、タイマTをストップさせるとともにリセットして(S1105)、ステップS1106の処理に移行する。
【0080】
ステップS1102において、アッパー鍵域204でオンイベントが発生しなかったと判断すると、即ちアッパー鍵域204で新たな押鍵がなかったと判断すると、次にアッパー鍵域204でオフイベントが発生したか否か、即ちアッパー鍵域204で新たに離鍵された鍵があったか否か判断する(S1106)。アッパー鍵域204でオフイベントが発生しなかったと判断すると、後述するステップS1112の処理に移行し、反対にオフイベントが発生したと判断すると、次に、このオフイベントが発生した鍵に対応した楽音を消音させる通常の消音処理を実行する(S1107)。
【0081】
この消音処理が終了すると、次にタイマTをスタートさせ(S1108)、続いて、ロワー鍵域205を走査する(S1109)。ロワー鍵域205の走査が終了すると、ロワー鍵域205でオフイベントが発生したか否か、即ちロワー鍵域205で新たに離鍵された鍵が有るか否か判断し(S1110)、オフイベントが発生しなかったと判断すると、ここで一連の処理を終了し、反対にオフイベントが発生したと判断すると、オフイベントが発生した鍵に対応した楽音が発音中であればこれを消音する消音処理を実行して(S1111)、一連の処理を終了する。
【0082】
ステップS1106において、アッパー鍵域204でオフイベントが発生していない、即ちアッパー鍵域204で新たに離鍵された鍵がないと判断すると、次にアッパー鍵域204でオン中の鍵が有るか否か、即ちアッパー鍵域204で押鍵されている鍵が有るか否か判断する(S1112)。アッパー鍵域204でオン中の鍵があると判断すると、ステップS1109の処理に移行し、反対にアッパー鍵域204でオン中の鍵がないと判断すると、次にタイマTの値が所定値Mよりも大きいか否か、即ちアッパー鍵域204でオフイベントが発生してから所定期間が経過したか否か判断する(S1113)。
【0083】
タイマTの値が所定値M以下であると判断すると、ステップS1109の処理に移行し、反対にタイマTの値が所定値Mよりも大きいと判断すると、タイマTをストップさせるとともにリセットし(S1114)、メモリLに格納された内容(押鍵速度を含む)で楽音を発音させる発音処理を実行して(S1115)、ステップS1109の処理に移行する。
【0084】
このように、実施例3では、アッパー鍵域204でまだ押鍵されている鍵があると判断した場合、メモリLの内容での発音処理は実行されず、ロワー鍵域205で指定された楽音は発音されないので、前述した不具合が回避される。
【0085】
図12は、実施例3による実際の発音例を示す説明図であり、図8と同様に、通常モードとPモードとで鍵盤101に対して同じ操作を行った際に実際に発音される音高を楽譜で表したものである。
【0086】
図12に示す如く、実施例3ではPモード時において、小節の先頭の2分音符の楽音が発音されている間、他のアッパー鍵域204で離鍵が行われてもロワー鍵域105で指定された楽音は発音されないことがわかる。
【0087】
なお、本実施例(実施例1〜3)においては、ロワー鍵域205の鍵での指定は発音する楽音の音高であるが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、実施例2において、ロワー鍵域205の鍵を押鍵した際には音響効果を付加し、ロワー鍵域205の鍵を押鍵したままでアッパー鍵域204の鍵を離鍵させた際には単に指定された音高の楽音を発音させるように、アッパー鍵域204に対する操作が行われたタイミングにより機能を振り分けるようにしても良い。
【0088】
このようにした場合、図9のフローチャートにおいて、ステップS908の処理を変更するだけで実現できる。また、前述した音響効果の替わりに音色を変更させる場合も同様にして実現することができる。これらのことは、換言すれば、ロワー鍵域205に割り当てた機能をアッパー鍵域204の鍵に対する操作タイミングにより振り分けることで実現することができる。
【0089】
このように、本発明は、搭載された機器が有する機能に応じて適用することができるものである。このため、例えば、高音と低音のトレモロ演奏が容易になり、また、左手はロワー鍵域205で任意のコードを押さえたまま右手でメロディを弾けば面白い音響効果が付加されることになる。これ以外にも種々の演奏法が可能であり、ユーザは独自の演奏法を工夫、創造することができ、実際の演奏に応用することができる。
【0090】
また、本実施例では、鍵盤101をアッパー鍵域204とロワー鍵域205の2つの領域に振り分けただけであるが、ロワー鍵域205を更に複数の領域に振り分け、各領域で異なる機能(音響効果、音色等)を指定できるようにしても良い。このようにした場合においても、アッパー鍵域204の鍵の操作によりロワー鍵域205で指定された機能で楽音が発音されるので、大別すれば2つの領域に振り分けたことになる。
【0091】
また、本実施例は、鍵盤101を備えた電子楽器100に本発明を適用したものであるが、これに限定するものではなく、発音する楽音の音高を指定する指定スイッチを備えたものであれば、本発明を適用することができる。従って、コントロール専用のキーボード等に対しても、容易に本発明の楽音発生装置を搭載させることができる。
【0092】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の楽音発生装置は、音高指定スイッチ群を予め設定された区分けに大別して第1の指定スイッチ群、第2の指定スイッチ群に振り分け、第2の指定スイッチ群で指定された楽音を第1の指定スイッチ群の指定スイッチが操作されたタイミングにより発音させるため、ユーザは高速演奏を含む幅広い演奏を容易に楽しむことができる。
【0093】
また、第2の指定スイッチ群に対し、楽音の音高を始め、音響効果の付加、音色の変更といった機能を任意に割り当てることで、第1の指定スイッチ群に対する操作が行われたタイミングにより種々の楽音が発音されることから、高速演奏、トレモロ演奏、所望の音響効果の付加が容易となり、演奏の幅をさらに拡大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1が適用された電子楽器の構成を示すブロック図である。
【図2】電子楽器の平面外観を示す説明図である。
【図3】全体制御処理を示すフローチャートである。
【図4】スイッチ(SW)処理を示すフローチャートである。
【図5】実施例1の鍵盤処理を示すフローチャートである。
【図6】実施例1のメモリL処理を示すフローチャートである。
【図7】実施例1の発音・消音処理を示すフローチャートである。
【図8】実施例1による実際の発音例を示す説明図である。
【図9】実施例2の発音・消音処理を示すフローチャートである。
【図10】実施例2による実際の発音例を示す説明図である。
【図11】実施例3の発音・消音処理を示すフローチャートである。
【図12】実施例3による実際の発音例を示す説明図である。
【符号の説明】
100 電子楽器
101 鍵盤
102 操作パネル
103 CPU
104 ROM
105 RAM
106 音源
107 サウンドシステム
202 Pモードスイッチ
203 LED
204 アッパー鍵域
205 ロワー鍵域

Claims (6)

  1. 楽音の音高を指定するための音高指定スイッチ群と、
    前記音高指定スイッチ群の各指定スイッチに対する操作状態を検出する操作検出手段と、
    前記音高指定スイッチ群を予め設定された区分けに大別して第1の指定スイッチ群、及び第2の指定スイッチ群に振り分け、前記第1の指定スイッチ群に対するオン操作を前記操作検出手段が検出したとき、該オン操作を検出した指定スイッチに割当てられている楽音を発音させる楽音発生制御を実行し、また前記操作検出手段が検出した前記第1の指定スイッチ群に対する操作タイミングに応答して、前記操作検出手段が検出した前記第2の指定スイッチ群に対する操作に応じた楽音を発音させる楽音発生制御を実行する制御手段と、
    を具備したことを特徴とする楽音発生装置。
  2. 前記制御手段が実行する楽音発生制御は、前記第1の指定スイッチ群の指定スイッチに対するオフ操作を前記操作検出手段が検出したとき、前記第2の指定スイッチ群において前記操作検出手段がオン操作を検出している指定スイッチに割り当てられた楽音を発音させる制御を含むことを特徴とする請求項1記載の楽音発生装置。
  3. 前記制御手段が実行する楽音発生制御は、請求項2に記載した制御に加えて、前記第2の指定スイッチ群の指定スイッチに対するオン操作を前記操作検出手段が検出したとき、該オン操作を検出した指定スイッチに割り当てられた楽音を直ちに発音させる制御を含むことを特徴とする請求項1記載の楽音発生装置。
  4. 前記制御手段が実行する楽音発生制御は、前記操作検出手段が前記第1の指定スイッチ群におけるオフ操作を検出し、且つ前記第1の指定スイッチ群においてオン操作されている指定スイッチを検出しなかったとき、前記第2の指定スイッチ群において前記操作検出手段がオン操作を検出している指定スイッチに割り当てられた楽音を発音させる制御を含むことを特徴とする請求項1記載の楽音発生装置。
  5. 前記操作検出手段は、前記音高指定スイッチ群の各指定スイッチに対してユーザが行った所定の操作状態を検出する操作状態検出手段を備え、前記制御手段が実行する楽音発生制御は、前記操作状態検出手段が検出した操作状態に従って楽音を発音させる制御を含むことを特徴とする請求項1記載の楽音発生装置。
  6. 前記制御手段が実行する楽音発生制御は、前記第2の指定スイッチ群に対して予め設定された機能を割り当て、該機能に従って楽音を発音させる制御を含むことを特徴とする請求項1記載の楽音発生装置。
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