JP4506147B2 - 演奏再生装置及び演奏再生制御プログラム - Google Patents
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Description
(1)実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係る自動演奏装置(演奏再生装置)100の構成を示すブロック図である。
CPU110は、テンポクロック等を発生するタイマ110aを備えており、RAM130の記憶領域をワークエリアとして利用し、ROM120に格納された各種制御プログラムを実行することにより、自動演奏装置100の各部を中枢的に制御する。
操作子140は、曲名などを用いて演奏データを選択するための演奏データ選択スイッチや、ユーザが鍵盤160を用いて演奏を行う通常演奏モードとユーザが選択した演奏データを自動演奏する自動演奏モードとの間で切り換えを行う演奏モード切換スイッチなどを備えている。第1の検出回路150は、操作子140を構成する各スイッチ等の操作状態を検出し、検出結果をCPU110に出力する。
再生情報は、自動演奏される楽曲の再生内容を表す情報であり、メロディパートや伴奏パートといった各パート毎のタイミングデータとイベントデータの組みが再生進行順に並べられた情報である。
一方、各パート毎のイベントデータは、発音(ノートオン)や消音(ノートオフ)など、楽曲を再生するための各種イベントの内容を表すデータである。
以上が本実施形態に係る自動演奏装置100の詳細構成である。以下、自動演奏装置100を利用してニュアンス制御を行う場合の動作について説明する。
図3は、ニュアンス制御アサインキーが押下された場合の動作を説明するための図である。なお、以下の説明では、一定の演奏テンポで自動演奏が行われている場合を想定する。図3のAに示すように、一定の演奏テンポで自動演奏が行われている状態において、ある拍タイミングでユーザがニュアンス制御アサインキーを押下すると、第2の検出回路170からCPU110に供給されるキー操作信号は、キーオフを示すキーオフ信号からキーオンを示すキーオン信号に切り換わる(図3のB参照)。
CPU110は、この発音比率関数fを用いてニュアンス割合に応じた発音比率を求めると、求めた発音比率に応じて各楽音のニュアンス制御前の発音時間長(つまり、標準発音時間長情報に示される発音時間長)を適宜変更する。具体的には、CPU110は、ニュアンス割合がスタッカート基準値20%を下回っている場合、発音比率変換関数fからこのニュアンス割合に対応する発音比率「0.3」〜「1.0」を読み取り、各楽音の発音時間長がそれぞれのニュアンス制御前の発音時間長の発音比率倍になるように制御することで、より短い発音時間長に変更する。
CPU(生成手段)110は、図5の(a)に示す第1音符m1に対応する拍タイミングで、第2の検出回路170から供給されるキー操作信号の変化を検知すると、該キー操作信号の変化(制御アサインキーの押下操作時間)に基づいてニュアンス割合を求める(ステップS1→ステップS2)。
CPU110は、例えば求めたニュアンス割合が15%であり、スタッカート基準値(第1の閾値)を下回っていることからスタッカートを付与すべきと判断すると、図4に示す発音比率変換関数fを用いて該ニュアンス割合に応じたスタッカートレート(ニュアンス制御情報)を求める(ステップS3→ステップS4a)。
その後、CPU110(生成手段)110は、図5の(a)に示す第4音符m4に対応する拍タイミングで、第2の検出回路170から供給されるキー操作信号の変化を検知すると、上記と同様にニュアンス割合を求める(ステップS1→ステップS2)。
CPU110は、例えば求めたニュアンス割合が90%であり、テヌート基準値(第2の閾値)を上回っていることからテヌートを付与すべきと判断すると、発音比率変換関数fを用いて該ニュアンス割合に応じたテヌートレート(ニュアンス制御情報)を求める(ステップS3→ステップS4b)。
その後、CPU110(生成手段)110は、図5の(a)に示す第6音符m6に対応する拍タイミングで、第2の検出回路170から供給されるキー操作信号の変化を検知すると、上記と同様にニュアンス割合を求める(ステップS1→ステップS2)。
CPU110は、例えば求めたニュアンス割合が50%であり、スタッカート基準値以上テヌート基準値以下であることからスタッカート、テヌートのいずれも付与しない(すなわち、ノーマル)と判断すると、発音比率変換関数fを用いてノーマルレート(ニュアンス制御情報)を求め、求めたノーマルレートを消音時間比としてRAM130に格納する(ステップS3→ステップS4c→ステップS5)。
<変形例1>
上述した本実施形態では、楽音の発音時間長に関するニュアンスとしてスタッカートやテヌートを例示したが、例えばレガートやリタルダンドなどにも適用可能である。また、本実施形態では、ある拍タイミングでニュアンス制御アサインキーが押下操作されたとき、当該時点において発音される楽音ではなく、その次の楽音にニュアンスが付与される場合について説明したが、例えば当該時点において発音される楽音にニュアンスが付与されるようにしても良い。また、上述した本実施形態では、ニュアンス制御アサインキーが押下されてから再びニュアンス制御アサインキーが押下されるまでの間、その間に存在する全ての楽音に同じニュアンスが付与される場合について説明したが、同じニュアンスが付与される範囲(例えば曲調の変わり目など)をどのように決定するかは、自動演奏装置100の設計等に応じて適宜変更可能である。また、ニュアンス付与に関して所定時間の遅れを許容するようにすれば、よりスムーズなニュアンス付与が可能となる。具体的には、該所定時間内でニュアンス制御アサインキーが2回操作されたとき、最初の操作に対応して検出されたニュアンスレートから次の操作に対応して検出されたニュアンスレートへ直線補間させること等により、ニュアンスレートを時間的に徐々に変化させる。これにより、ニュアンス付与がスムーズになされる。
また、上述した本実施形態では、全パート(チャネル)の楽音を対象にニュアンス制御を行う場合について説明したが、ニュアンス制御を行うパート(チャネル)を予め指定しておくようにしても良い。例えば、ニュアンス制御を行うパートとしてメロディパート(例えば、発音チャネル3等)を予め指定し、このパートの楽音についてのみニュアンス制御を行う。CPU110は、操作部を介してニュアンス制御を行うパートの指定操作を受けとると、このパートに対応するノートスケジュール表TAのみを変更可能とする。このように、ニュアンス制御を行うパートを予め指定できるようにしても良い。
また、上述した本実施形態では、ニュアンス制御アサインキーを押下してもニュアンスを付与しないと判断する不感帯を設けた場合について説明したが、かかる不感帯を設けないようにしても良い。また、不感帯の長さは、ニュアンス割合が20%以上80%以下に限定する趣旨ではなく、自動演奏装置100の設計等に応じて適宜変更可能である。また、この不感帯の長さは、全パート(発音チャネル)について同一である必要はなく、パート毎に異なるように設定しても良い。例えば、メロディパートなどニュアンスを大きく変えたいパートについては、該不感帯を短く設定する一方、伴奏パートなどニュアンスを大きく変えたくないパートについては、該不感帯を長く設定する。かかる構成によれば、ユーザが所望するニュアンスをより忠実に再現することが可能となる。また、上述した本実施形態では、スタッカート若しくはテヌートを付与する場合の発音比率がニュアンス割合に応じて単調に増加する発音比率変換関数f(図4参照)を例示したが、該発音比率変換関数fの傾き、切片等をどのように設定するかは自動演奏装置100の設計等に応じて適宜変更可能である。
また、本実施形態では、各楽音の発音時間長を制御するための操作子として、ニュアンス制御アサインキーを例示したが、例えば操作子140等に設けられているピッチベンド・ホイールやスライダ等を利用しても良い。かかる操作子としてピッチベンド・ホイールPH(図8参照)を利用する場合には、該ホイールの回転方向、回転量等に応じてスタッカートやテヌートを付与すれば良い。詳述すると、CPU110は、該ホイールPHが時計回り(図8に示すa方向)に回転したことを検出すると、スタッカートであると判断する一方、該ホイールが反時計回り(図8に示すb方向)に回転したことを検出すると、テヌートであると判断する。
また、本実施形態では、各楽音の発音時間長を、生成されるスタッカートレートやテヌートレート、ノーマルレートに基づいて制御する場合について説明したが、次のようにして各楽音の発音時間長を制御するようにしても良い。例えば全ての楽音にスタッカートが付与された楽音波形、全ての楽音にテヌートが付与された楽音波形など、ニュアンス別の波形を予めRAM130等に格納しておく。CPU110は、操作子140を介して入力されるニュアンス切り換え指示に従って再生する波形を適宜切り換える。このように、再生する波形を適宜切り換えることで各楽音の発音時間長を制御するようにしても良い。また、本実施形態では、スタッカート及びテヌートの両方のニュアンスを付与する場合について説明したが、いずれか一方のニュアンスを付与するようにしても良い。
図10は第2の実施形態に係る自動演奏システム500の構成を示す図である。自動演奏システム500は、自動演奏装置300と、受信装置2と、操作端末400とによって構成されている。なお、自動演奏システム500は、本来複数の操作端末400を備えているが、便宜上、単体の操作端末400を例に説明する。
操作端末400は、図11に示すように操作者Aが手に持って自由に動かすことができる棒状の形状をしている。この操作端末400には、該操作端末400の操作状態(例えば振り上げ、振り下ろし操作等)を検出するための加速度センサが内蔵されている。操作端末400は、操作された瞬間の加速度速度センサの出力信号の変化に応じたピーク信号(すなわち、操作端末400の操作状況に応じた操作信号)を出力するようになっている。
USB(Universal Serial Bus)インターフェイス310は、操作端末400から受信装置2を介して送信されるセンサ情報SIをCPU110に供給する。
CPU110は、USBインタフェース310から供給されるセンサ情報SIに基づき、外部記憶装置180に格納されている演奏データの各楽音パラメータ(音量、演奏テンポ等)の制御値を変更するほか、該センサ情報SIに基づいて上述したニュアンス制御を行う。
なお、以上説明した各実施形態等に係るCPUの諸機能は、ROM等のプログラムによって実現されるため、かかるプログラムについてCD−ROM等の記録媒体に記録して頒布したり、インターネット等の通信ネットワークを介して頒布しても良い。もちろん、上記諸機能を実現するCPU、ROM等を組み込んだ専用装置として構成することも可能である。
Claims (4)
- 所定の演奏テンポで演奏したときの各楽音の発音時間長をあらわす標準発音時間長情報を含む演奏データを記憶する記憶手段と、
前記各楽音の発音時間長を制御するための操作子と、前記各楽音一拍における前記操作子の操作時間の割合を検出し、検出結果に応じてニュアンス制御情報を生成する生成手段とを含むニュアンス入力手段と、
前記演奏テンポに従って前記演奏データを再生する再生手段と、
前記標準発音時間長情報に示される各楽音の発音時間長を、生成される前記ニュアンス制御情報に基づいて制御する発音時間長制御手段と
を具備することを特徴とする演奏再生装置。 - 前記生成手段は、
前記操作子の操作時間を検出し、前記操作時間が第1の閾値を下回る場合には、前記各楽音の発音時間長を前記標準発音時間長情報に示される発音時間長よりも短い発音時間長とするニュアンス制御情報を生成する一方、前記操作時間が前記第1の閾値よりも大きな第2の閾値を上回る場合には、前記各楽音の発音時間長を前記標準発音時間長情報に示される発音時間長よりも長い発音時間長とするニュアンス制御情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の演奏再生装置。 - 前記生成手段は、
前記操作時間が前記第1の閾値以上前記第2の閾値以下の場合には、前記各楽音の発音時間長を前記標準発音時間長情報に示される発音時間長のままで変更なしとするニュアンス制御情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の演奏再生装置。 - 所定の演奏テンポで演奏したときの各楽音の発音時間長をあらわす標準発音時間長情報を含む演奏データを記憶する記憶手段を備えたコンピュータを、
前記各楽音の発音時間長を制御するための操作子の前記各楽音一拍における操作時間の割合を検出し、検出結果に応じてニュアンス制御情報を生成するニュアンス生成手段と、
前記演奏テンポに従って前記演奏データを再生する再生手段と、
前記標準発音時間長情報に示される各楽音の発音時間長を、生成される前記ニュアンス制御情報に基づいて制御する発音時間長制御手段として機能させるための演奏再生制御プログラム。
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