JPH08194474A - 楽音制御装置 - Google Patents

楽音制御装置

Info

Publication number
JPH08194474A
JPH08194474A JP7003903A JP390395A JPH08194474A JP H08194474 A JPH08194474 A JP H08194474A JP 7003903 A JP7003903 A JP 7003903A JP 390395 A JP390395 A JP 390395A JP H08194474 A JPH08194474 A JP H08194474A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mode
register
value
maximum value
minimum value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7003903A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Okamoto
徹夫 岡本
Naota Katada
直太 片田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP7003903A priority Critical patent/JPH08194474A/ja
Publication of JPH08194474A publication Critical patent/JPH08194474A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 関節部の曲げ角度を検出するセンサ11〜1
3を備え、これらによって検出された当該関節部の曲げ
角度にしたがって楽音信号を制御する楽音制御装置にお
いて、簡単な操作によってセンサの設定を行なうととも
に、当該関節の曲げ可能な範囲に基づいてセンサの出力
特性の設定を行なう。 【構成】 カスタマイズ・モードにおいて、センサ11
〜13により検出された各関節部の曲げ角度のうちの最
小値および最大値を記憶する。一方、この角度範囲を基
準にして、楽音信号を制御するモードでは、センサ1
1、13により検出された各関節部の曲げ角度を正規化
する一方、センサ12によりにより検出された各関節部
の曲げ角度が当該角度範囲のどの領域に属するかを判別
するためのしきい値を、所定の演算により設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、演奏者の態様(ポー
ズ)を検出し、この検出結果に応じて楽音の発生を制御
したり、発生した楽音の音量、効果等を制御する楽音制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、演奏者の関節部や種々の部位
等に角度センサや、距離センサ、圧力センサ等を装着
し、これらセンサの出力値に基づいて演奏者の態様(ポ
ーズ)を検出して、これにしたがって楽音信号を制御す
る楽音制御装置が知られている(例えば、特開平1−2
50997号公報参照)。かかる楽音制御装置は、例え
ば、センサの出力値としきい値とを比較し、この比較結
果に基づいて発生すべき楽音の音高を規定したり、発音
/消音の指令をしたりする。また、センサの出力値に応
じて、発生すべき楽音の音量や、音色、効果規定したり
もする。
【0003】ところで、上記公報に記載された技術にお
いては、センサの出力値を、その第6図に示されるよう
に、レジスタ(符号61、62)により一旦取り込ん
で、これをしきい値として用いるようになっており、さ
らに、このしきい値を任意に設定することができるよう
になっていた。例えば、角度センサを関節部に装着した
場合にあっては、当該関節部を所望の角度で曲げ、この
際の曲げ角度をしきい値として設定することができるよ
うになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の技術では、各センサに設定されるしきい値を
1つずつ順番に設定する構成のため、多数のセンサを装
着する場合にあっては、個々のセンサに対して、設定に
必要な数だけのしきい値設定を行なわなければならず、
このため、設定動作が極めて煩雑という問題があった。
【0005】また、従来の楽音制御装置では、センサの
出力値をセンサ毎に最適化することについては考えられ
ていなかった。このため、演奏者の態様は、ある程度限
定されるにも拘わらず、それ以上の態様を検出するよう
に設定されてしまう場合があった。これについて、肘部
の曲げ角度を検出するセンサについて例にとって説明す
る。肘部の曲げ角度は、伸ばした状態から最も屈曲した
状態までの0〜約180度検出することができれば十分
であるが、センサが0〜360度まで検出するように設
定された状態において、当該肘部の曲げ角度を検出する
には、検出領域の約半分は不要となる。このため、当該
肘部の曲げ角度を検出するのに、その分、精度が悪化す
るのである。
【0006】この発明は、上述した問題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、第1に、簡単な操
作によってセンサの設定を行なうことが可能な、第2
に、演奏者の態様に対し適切にセンサの感度を設定する
ことが可能な楽音制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1に記載の発明にあっては、演奏者の態様
を検出する検出手段を備え、この検出手段によって検出
された態様にしたがって楽音信号を制御する楽音制御装
置において、前記検出手段によって検出された態様の第
1組の最小値および最大値を、楽音信号を制御するモー
ドとは別の所定のモードにて採取する採取手段と、前記
採取手段によって採取された第1組の最小値から最大値
までの範囲を、楽音信号を制御するモードでの検出領域
として設定する設定手段とを具備することを特徴として
いる。請求項2に記載の発明にあっては、請求項1に記
載の発明において、前記検出手段によって検出された態
様を、前記設定手段により設定された検出領域に対して
正規化する正規化手段を具備することを特徴としてい
る。請求項3に記載の発明にあっては、請求項1に記載
の発明において、前記設定手段は、前記採取手段によっ
て採取された第1組の最小値および最大値に基づいて、
当該範囲を分割するためのしきい値を、所定の演算によ
り求めて設定することを特徴としている。請求項4に記
載の発明にあっては、請求項1に記載の発明において、
前記採取手段は、前記所定のモードにおいて第1組とは
異なる第2組の最小値および最大値をも採取し、前記設
定手段は、第2組の最小値から最大値までの範囲を、前
記第1組の最小値から最大値までの範囲内に設定すると
ともに、第2組による範囲での前記検出手段の検出特性
を、他の範囲での検出特性とは、異なるように設定する
ことを特徴としている。
【0008】請求項5に記載の発明にあっては、請求項
1に記載の発明において、前記検出手段により検出され
た態様が、前記第1組の最小値から最大値までの範囲内
であるか否かを判別する判別手段と、前記判別手段によ
る判別結果を表示する表示手段とを具備することを特徴
としている。請求項6に記載の発明にあっては、請求項
3に記載の発明において、前記検出手段により検出され
た態様が、前記第1組の最小値および最大値に基づいて
求められたしきい値と一致するか否かを判別する判別手
段と、前記判別手段による判別結果を表示する表示手段
とを具備することを特徴としている。請求項7に記載の
発明にあっては、請求項4に記載の発明において、前記
検出手段により検出された態様が、前記第2組の最小値
から最大値までの範囲内であるか否かを判別する判別手
段と、前記判別手段による判別結果を表示する表示手段
とを具備することを特徴としている。
【0009】請求項8に記載の発明にあっては、請求項
1に記載の発明において、前記検出手段は、演奏者の部
位の動作を検出するセンサを複数有するものであり、前
記設定手段は、前記所定のモードにおいて演奏者が動か
した部位に対応するセンサについて検出領域を設定しな
おすことを特徴としている。
【0010】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、所定のモード
にて採取された第1組の最小値から最大値までの範囲
が、楽音信号を制御するモードでの検出領域として設定
される。演奏者は、所定のモードで動かした態様の範囲
内については感覚的に覚えことができるので、楽音信号
を制御するモードでの検出領域と所定のモードでの態様
範囲との対応関係を容易に把握することができる。請求
項2に記載の発明によれば、検出手段によって検出され
た態様が、設定手段により設定された検出領域に対して
正規化される。検出領域は、設定手段によって、第1組
の最小値から最大値までの範囲内に設定されているの
で、結局、検出手段によって検出される態様は、第1組
の最小値から最大値までの範囲内において正規化され
る。請求項3に記載の発明によれば、採取手段によって
採取された第1組の最小値から最大値までの範囲を分割
するためのしきい値が、所定の演算により求めて設定さ
れる。この際の演算を、演奏者にとってわかりやすく設
定することにより、しきい値の設定を、所定のモードに
おいて所望の範囲内で態様をとることのみよって簡単に
行なえるとともに、検出領域でのしきい値が、どの付近
で設定されているのかも容易に把握することが可能であ
る。請求項4に記載の発明によれば、所定のモードにお
いて、さらに第2組の最小値および最大値が採取され、
これらにより定まる範囲が、第1組の最小値から最大値
までの範囲内に設定されるとともに、第2組による範囲
での検出手段の検出特性は、他の範囲での検出特性と
は、異なるように設定される。例えば、第2組の範囲で
は、出力がゼロとなるような検出特性に設定しておくこ
とにより、この範囲内で態様をとっても、出力は変化を
受けないようにすることができる。このため、多少の態
様変化では効果等の制御変更を行なわない不感帯を設定
することが可能となる。しかも、この設定は極めて容易
に行なえる。
【0011】請求項5に記載の発明によれば、検出手段
により検出された態様が、第1組の最小値から最大値ま
での範囲内であるか否かが判別手段によって判別され、
この判別結果が表示手段により表示される。このため、
現時点における態様が、第1組の最小値から最大値まで
の範囲内であるか否かを容易に確認することが可能とな
る。請求項6に記載の発明によれば、検出手段により検
出された態様が、第1組の最小値および最大値から求め
られたしきい値と一致するか否かが判別手段によって判
別され、この判別結果が表示手段により表示される。こ
のため、設定されたしきい値が、どの付近で設定されて
いるのかを容易に確認することが可能となる。請求項7
に記載の発明によれば、検出手段により検出された態様
が、第2組の最小値から最大値までの範囲内であるか否
かが判別手段によって判別され、この判別結果が表示手
段により表示される。このため、現時点における態様
が、第2組の最小値から最大値までの範囲内であるかを
容易に確認することが可能である。
【0012】請求項8に記載の発明によれば、検出手段
は、複数のセンサにより構成され、各センサは、それぞ
れが演奏者の異なる部位の動作を検出する。そして、所
定のモードにおいて動かされた部位に対応するセンサの
みの検出領域が設定しなおされる。逆に言えば、検出領
域の設定を望まないセンサについては、演奏者は、当該
部位を動かさないようにすれば良い。
【0013】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して説明する。この実施例は、演奏者の肩、肘および
手首の曲げ角度を検出し、これら検出結果にしたがって
楽音信号の制御を行なうものであるので、この実施例に
おける演奏者の態様すなわちポーズとは、肩、肘および
手首等の人体の関節部における屈伸・屈曲運動を意味す
る。 1:実施例の構成 図1は、この実施例である楽音制御装置10の構成を示
す図である。この図に示すように、演奏者の左(右)の
肩部、左(右)の肘部、および左(右)の手首部には、
それぞれセンサ11L(R)〜13L(R)が装着さ
れ、当該関節部の曲げ角度を検出する。以下説明の便宜
上、符号L(R)という表記は、左右のそれぞれに対応
していることを示すものとする。これらセンサの出力
は、楽音制御装置10に供給され、それぞれ検出回路2
1L(R)〜23L(R)によって、信号処理をするの
に適切な形式に変換され、バスを介してCPU31に供
給されるようになっている。
【0014】なお、この楽音制御装置10は、例えば、
演奏者のベルト部分に設けられて、携帯されるようにな
っている。また、センサ11L(R)〜13L(R)
は、一般には、曲げ角度にしたがってその抵抗値が変化
する歪みゲージから構成される。この場合、検出回路2
1L(R)〜23L(R)は、センサの出力たる抵抗値
を電圧値に変換し、さらにA/D変換することによっ
て、当該関節部の曲げ角度をディジタル・データとして
扱うことができる。
【0015】符号15L、15Rは、それぞれ演奏者の
左手、右手によって把持されるグリップであり、一種の
楽音制御装置である。グリップ15L、15Rの各操作
面には、演奏者の指で操作される操作子が複数設けられ
るが、詳細については後述する。これらグリップ15
L、15Rの出力も、それぞれ検出回路25L、25R
により信号処理をするのに適切な形式に変換されて、バ
スを介してCPU31に供給される。次に、符号26
は、操作モードを後述するカスタマイズ・モードに移行
するためのモード切換スイッチである。符号27はCP
U31の制御の下、各種表示を行なう表示部である。
【0016】CPU31は、ROM32に記憶された制
御プログラムにしたがって各種処理を行なうものであ
り、この際、各種レジスタやフラグをRAM33に設定
する。符号34は音源レジスタであり、発生すべき楽音
を規定するパラメータや、発生楽音の効果を規定するパ
ラメータ等を一時的に記憶するとともに、これらパラメ
ータを外部に設けられる音源システム41にワイヤレス
で送信する。ここで、かかるパラメータのうち、発生す
べき楽音を規定するものには、例えば、音色や、音高、
音量などがあり、また、発生楽音の効果を規定するパラ
メータには、例えば、ベンド量や、定位量などがある。
実際には、音源レジスタ34には、これらパラメータを
示すレジスタがセットされることとなる。そして、音源
システム41は、これらレジスタで規定される楽音を生
成するとともに効果を付与する。音源システム41の出
力信号は、アンプやスピーカ等から構成されるサウンド
システム42によって実際に発音される。
【0017】1−1:楽音・効果の規定 ここで、センサ11L(R)〜13L(R)の出力によ
って、いかなる楽音および効果が規定されるかについて
説明する。まず、楽音について説明する。検出回路22
L(R)は、センサ12L(R)により検出された肘部
の曲げ角度を、角度データに変換して出力する。発音に
際しては、図2(a)に示すように、角度データで示さ
れる曲げ角度が、2つのしきい値ET1、ET2(ただ
しET1<ET2)により分割された3つの領域〜
のいずれに属するかが判別され、さらに、図2(b)に
示すように、左右肘部の曲げ角度がそれぞれ属する範囲
の組合せにより音名が決定される。なお、この音名は、
ハ長調音階の音名である(例えば、Cは「ド」を意味す
る)。さらに、音高に際してのオクターブおよび半音シ
フト(シャープ)の指定が、次に説明するグリップ15
L、15Rによって行なわれる。
【0018】1−1−1:グリップ 次に、グリップ15L(R)における各種操作子の役割
について、右手に把持されるグリップ15Rを例にとっ
て説明する。図3に示すように、グリップ15Rの上面
には操作子151が設けられ、正面には操作子153〜
160が設けられる。これら操作子151、153〜1
60は単純なプッシュオンスイッチにより構成される。
演奏者は、このグリップを、図3において背面に掌にあ
て第2指(人差指)〜第5指(小指)をナチュラル側か
ら正面に回して右手で握り、第1指(親指)を上端面に
当接させる。
【0019】第2指〜第5指には、それぞれに2個の操
作子が対応している。これらの操作子は、楽音のオクタ
ーブ、シャープを指定するとともに、楽音の発音/消音
を指定するスイッチである。第2指に対応する操作子1
53、154は、+2オクターブ(C5から始まるオク
ターブ)の楽音を発音させるためのスイッチである。こ
こで、ナチュラル側の操作子153をオンとすると、左
右肘部の曲げ角度の組合せで規定されるハ長調の音階音
がC5〜C6のオクターブで発音する一方、シャープ側
の操作子154をオンとすると、ハ長調の音階音よりも
半音高い音で発音する。
【0020】同様に、第3指に対応する操作子155、
156は+1オクターブ(C4から始まるオクターブ)
の楽音を発音させるための、また、第4指に対応する操
作子157、158は0オクターブ(C3から始まるオ
クターブ)の楽音を発音させるための、そして、第5指
に対応する操作子159、160は−1オクターブ(C
2から始まるオクターブ)の楽音を発音させるための、
それぞれスイッチである。このように、操作子153〜
160をいずれか1つをオンとしたときには、左右肘部
の曲げ角度の組合せで規定されるハ長調の音階音が、オ
ンによって指定されたオクターブ/シャープで発音する
ようになっている。なお、第1指に対応する操作子15
1、第3指に対応する操作子155、156、および第
5指に対応する操作子159、160は、カスマイズモ
ードにおいては特別な意味を有するが、これについては
後述する。
【0021】次に、発生楽音に付与する効果の規定につ
いては、演奏者の左肩部の曲げ角度により変調度が規定
され、右肩部の曲げ角度により音量が規定され、左手首
の曲げ角度により左右(ステレオ)の定位が規定され、
右肩部の曲げ角度によりベンド量が規定される。いずれ
も、検出回路21L、21R、23L、23Rがセンサ
11L、11R、13L、13Rによる出力を角度デー
タに変換し、CPU31が後述するセンサ処理によりレ
ジスタにセットして、同じく後述するグリップ処理によ
って実際に発音制御を行なうようになっている。また、
操作子151には効果制御等が割り当てられ、例えば、
オンする毎に発生楽音の音色が切り替わるようになって
いる。
【0022】1−2:各種レジスタ ここで、RAM33に設定される各種レジスタ、フラグ
のうち、この実施例において重要なものについて説明す
る。・レジスタSDは、センサ11により検出された演
奏者の肩部の曲げ角度を示すデータがセットされるもの
である。そして、このレジスタにあっては、後述するカ
スタマイズ・モードにおいて、親指により操作子151
がオンされている間の角度の最小値、最大値がレジスタ
EB1、EB2にセットされる。・レジスタEDは、セ
ンサ12により検出された肘部の曲げ角度を示すデータ
がセットされるものである。そして、このレジスタにあ
っては、後述するカスタマイズ・モードにおいて、親指
により操作子151がオンされている間の角度の最小
値、最大値がレジスタSB1、SB2にセットされる。
・レジスタWDは、センサ13により検出された手首部
の曲げ角度のデータがセットされるものである。そし
て、このレジスタにあっては、後述するカスタマイズ・
モードにおいて、親指により操作子151がオンされて
いる間の角度の最小値、最大値がレジスタWB1、WB
2にセットされ、また、小指に対応する操作子159
(160)オンされている間の角度の最小値、最大値が
レジスタWB3、WB4にセットされるようになってい
る。
【0023】なお、これらレジスタSD、ED、WD
は、演奏者の左右の肩、肘、手首に対応して設けられる
ので、それぞれ実質的には左右に対応して2つ存在す
る。そこで、説明の便宜上、区別して説明する場合に
は、それぞれ左右を示す添字LRを付すこととする。例
えば、左肩の曲げ角度を示す角度データがセットされる
レジスタを、レジスタSDL と表記する。レジスタS
D、ED、WDが左右に対応して2つ存在するので、レ
ジスタSB1、SB2、EB1、EB2、WB1〜WB
4もそれぞれ左右に対応して2つ存在する。また、これ
らのレジスタについて添字LRを省略して説明する場合
には、実際には、左右のそれぞれについて対象としてい
るものとする。
【0024】2:実施例の動作 次に、かかる実施例の動作について説明する。 2−1:メインルーチン まず、図5を参照して、この実施例の基本動作となるメ
インルーチンの処理について説明する。はじめに、この
実施例の電源が投入されると、ステップSa1において
初期設定が行なわれ、前述した各種レジスタ等のクリア
や初期値セットが行なわれる。次に、ステップSa2に
おいて各センサ処理が行なわれて、センサ11L(R)
〜13L(R)で検出された当該関節部の曲げ角度に応
じて各種設定が行なわれる。ステップSa3では、グリ
ップ処理が行なわれ、グリップ15L、15Rにおける
各操作子151、153〜160の操作状態に応じた処
理が行なわれる。そして、ステップSa4において、モ
ード切換SW処理が行なわれる。以降は電源が遮断され
るまで、ステップSa2〜Sa4のループ処理が所定時
間(センサのサンプリング周期と同義)毎に実行され
る。また、CPU31は、グリップ15L、15Rの操
作子151、153〜160や、モード切換スイッチ2
6の状態(イベント)を、このループ処理の1巡毎に記
憶しており、何らかのイベント変化が検出したならば、
各ステップにおいて当該イベント変化に対応する種々の
処理が行なわれるようになっている。
【0025】次に、ステップSa2〜Sa4の各処理に
ついて詳細に説明する。 2−2:モード切換SW処理(ステップSa4) まず、説明の便宜上、ステップSa4において実行され
るモード切換SW処理について、図6を参照して説明す
る。処理が、上述したメインルーチンにおけるステップ
Sa4に至った場合において、モード切換スイッチ26
のオンイベントが検出されると、図6に示すモード切換
SW処理が実行される。まず、ステップSb1におい
て、操作モードがカスタマイズ・モードへ移行したこと
を示すフラグCMに「1」がセットされて、後述するカ
スタマイズ処理の実行が許可される。そして、ステップ
Sb2において、動作モードがカスタマイズ・モードで
ある旨が表示部27に表示されて、このモード切換SW
処理は終了する。したがって、メインルーチンでは再び
ステップSa1に戻り、次の各センサ処理が行なわれる
ことなる。
【0026】2−3:各センサ処理(ステップSa2) 次に、上述したメインルーチンの処理がステップSa2
に至ると、図7に示す各センサ処理が実行される。はじ
めに、ステップSc1において、センサ11L(R)〜
13L(R)により検出された曲げ角度を示すデータが
各レジスタにセットされる。詳細には、演奏者の左
(右)肩部の曲げ角度がレジスタSDL(R)に、左(右)
肘部の曲げ角度がレジスタEDL(R)に、左(右)の手首
部の曲げ角度がレジスタWDL(R)にそれぞれセットされ
る。次のステップSc2では、フラグCMが「1」であ
るか否かが、すなわち、カスタマイズ処理が許可されて
いるか否かが判別される。この判別結果が「Yes」な
らば、ステップSc8において後述するカスタマイズ処
理が実行される一方、判別結果が「No」ならば、次の
ステップSc3〜Sc7の処理によって、各センサによ
り検出された曲げ角度が、楽音の生成・効果に必要なパ
ラメータへと変換される。
【0027】まず、ステップSc3において、レジスタ
EDL(R)にセットされたデータを、後述するしきい値E
T1L(R)、ET2L(R)とそれぞれ比較して、左右の肘部
の曲げ角度がそれぞれどの領域〜(図2(a)参
照)に属するかが判別され、次のステップSc4におい
て、左右の肘部の曲げ角度が属する領域の組合せ(図2
(b)参照)から発音すべき楽音の音名が決定される。
次に、ステップSc5において、レジスタSDL(R)にセ
ットされた左(右)の肩部の曲げ角度を示すデータか
ら、 (SDL(R)−SLL(R))/(SHL(R)−SLL(R)) が計算されて、レジスタNSDL(R)にセットされる。こ
こで、SLL(R)およびSHL(R)は、それぞれ後述するカ
スタマイズ処理により設定された左(右)肩部の下限角
度および上限角度である。したがって、この際にレジス
タNSDにセットされるデータは、現時点における肩部
の曲げ角度が下限角度SLから上限角度SHまでの角度
範囲のうちどの地点に位置するかを、下限角度SLを
「0」、上限角度SHを「1」として正規化したものと
なる。
【0028】さらに、ステップSc6において、レジス
タWDL(R)にセットされたデータを判別して、次のよう
なデータがレジスタNWDL(R)にセットされる。すなわ
ち、NWDL(R)には、レジスタWDL(R)にセットされた
左(右)の手首部の曲げ角度がWDL(R)<WT1L(R)
あるならば、−(WT1L(R)−WDL(R))/(WT1
L(R)−WLL(R))がセットされ、WT1L(R)≦WDL(R)
<WT2L(R)であるならば、±0がセットされ、WT2
L(R)≦WDL(R)であるならば、(WDL(R)−WT
L(R))/(WHL(R)−WT2L(R))がセットされる。
この関係を図4を用いて説明する。センサ13L(R)
により検出されて、レジスタWDL(R)にセットされた角
度データがL1であったとすると、レジスタNWDL(R)
には、角度データL1をL2に変換したものがセットさ
れる。このL2は、規定値WT1およびWT2間でその
出力がゼロとなる不感帯を有する。ここで、WLL(R)
よびWHL(R)は、それぞれ左(右)手首部の下限角度お
よび上限角度であり、不感帯の規定値WT1L(R)、WT
L(R)とともに、後述するカスタマイズ処理により設定
されるものである。
【0029】次に、ステップSc7において、レジスタ
NSDL、NSDR、NWDL、NWDRにセットされたデ
ータが、それぞれ音源レジスタ34(図1参照)に供給
される。音源システム41は、発音中の楽音に次のよう
な効果を付与する。すなわち、この効果は、レジスタN
SDLにセットされたデータに基づいて変調度が規定さ
れ、レジスタNSDRにセットされたデータに基づいて
音量が規定され、レジスタNWDLにセットされたデー
タに基づいて定位が規定され、レジスタNWDRにセッ
トされたデータに基づいてベンド量が規定される。
【0030】このように、各センサ処理では、楽音への
効果を規定するパラメータが、センサ11L(R)〜1
3L(R)により検出された当該関節部の曲げ角度から
判別および演算によって求められて、音源レジスタ34
に供給される。なお、実際の楽音生成は、次に説明する
グリップ処理のうちの、操作子153〜160のオンイ
ベント処理にて行なわれる。
【0031】2−4:グリップ処理(Sa3) 次にグリップ処理について説明する。このグリップ処理
は、メインルーチンにおけるステップSa3に至った場
合であって、グリップ型制御装置15L、15Rにおけ
る操作子151、153〜160のイベント(状態変
化)があった場合に起動されるものである。このグリッ
プ処理は、どの指に対応する操作子のイベントであった
か、さらに、そのイベントがオンイベントであったかオ
フイベントであったかによって分類される。
【0032】2−4−1:操作子153〜160のオン
イベント処理 まず、第2指〜第5指に対応する操作153〜160ま
での操作子のイベントが検出され、そのイベントがオン
イベントであった場合の処理について図8を参照して説
明する。これらの操作子のオンは、カスタマイズ・モー
ドでない場合にあっては、前述したように発音の指令で
あり、カスタマイズ・モードである場合には、後述する
ように第4指および第5指に対応する操作子157〜1
60のみが特別な意味を有する。
【0033】ステップSc1では、オンイベントのあっ
た操作子を示すSW(操作子)番号がレジスタSNにセ
ットされ、次のステップSd2では、フラグCMが
「1」であるか否かを判別して、カスタマイズ・モード
であるか否かが判別される。まず、カスタマイズ・モー
ドでないと判別された場合について説明する。この場合
は、上述したように、そのときの左右の肘部の曲げ角度
の組合せで定まる音名(図2(a)および(b)参照)
を、当該操作子で指定されるオクターブ(および半音)
で発音する旨の指令である。したがって、ステップSd
3において、既に定められている音名(ステップSc4
参照)を、レジスタSNにセットされた(オンイベント
のあった操作子を示す)番号に応じてノートシフトし
て、発生すべき楽音の音高を示すノートナンバNNが生
成される。
【0034】次に、ステップSd4において、当該ノー
トナンバNNのほか、変調度を示すデータ、音量を示す
データ、定位を示すデータ、ベンド量を示すデータが、
それぞれ対応するレジスタNSDL、NSDR、NW
L、NWDRから音源レジスタ34を介して音源システ
ム41に送出される。そして、ステップSd5におい
て、楽音の発生を指令するノートオンも、音源レジスタ
34を介し、音源システム41に送出される。これによ
り、左右の肘部の角度の組合せに対応する音名が、オン
イベントのあった操作子に対応するオクターブ(あるい
はシャープ)で、左右の肩部および手首の曲げ角度に対
応する効果が付与されて発音される。この後、操作子1
53〜160のオンイベント処理は終了する。なお、既
述したステップSc7でも効果を規定するデータが送出
されるが、ステップSc7は、ステップSc5により発
生した楽音に対する効果を変更制御するものであって、
発音開始を指令をするものではない。発音開始の指令
は、あくまでもステップSd5において行なわれる。
【0035】一方、ステップSd2においてカスタマイ
ズ・モードである判別された場合について説明する。カ
スタマイズ・モードにおいて、第1指(親指)、第4指
(薬指)および第5指(小指)に対応する操作子15
1、157〜160のオン操作は、特別な意味を有す
る。このため、ステップSd6において、第1指に対応
する操作子151がオンされていることを示すフラグT
Sが「1」に立ち上がっているかが判別される。立ち上
がっていなければ、さらに、第4指あるいは第5指に対
応する操作子157〜160がオンされているか否かが
判別される。そして、ステップSd6およびステップS
d7により、操作子151、157〜160のいずれか
がオンされていると判別されたならば、直ちに、このル
ーチンは終了する一方、これら操作子のいずれもオンさ
れていない(第2指あるいは第3指に対応する操作子の
オンである)と判別されたならば、カスタマイズ・モー
ドの終了を意味するので、ステップSd8において、当
該モードであるか否かを示すフラグCMに「0」がセッ
トされ、動作モードがカスタマイズ・モードでない旨が
表示部27に表示された後、このルーチンは終了する。
【0036】2−4−2:操作子151のオンイベント
処理 次に、第1指(親指)に対応する操作子151のイベン
トが検出され、そのイベントがオンイベントであった場
合の処理について図9を参照して説明する。この操作子
151のオンは、カスタマイズ・モードでない場合にあ
っては、前述のように効果制御の指令であり、カスタマ
イズ・モードの場合では、特別な意味を有する。
【0037】まず、ステップSe1において、操作子1
51がオンされているか否かを示すフラグTSに「1」
がセットされる。なお、このフラグTSは左右に対応し
ており、左手のグリップ15Lに対応する操作子151
がオンされたならばフラグTSLに、右手のグリップ1
5Rに対応する操作子151がオンされたならばフラグ
TSRに、それぞれ「1」がセットされる。次に、フラ
グCMが「1」であるか否かが判別され、カスタマイズ
・モードであるか否かが判別される。カスタマイズ・モ
ードでなければ、ステップSe3において通常の処理、
すなわち、操作子151に割り当てられている効果のオ
ン制御が行なわれ、これを示すデータが音源レジスタ3
4に供給される。
【0038】一方、カスタマイズ・モードであれば、ス
テップSe4において、現時点での肘部の曲げ角度を示
すレジスタEDが、レジスタEB1およびEB2にセッ
トされる。同様に、肩部の曲げ角度を示すレジスタSD
がレジスタSB1およびSB2に、また、手首の曲げ角
度を示すレジスタWDがレジスタWB1およびWB2
に、それぞれセットされる。このステップSe4でのセ
ットは、左手親指に対応する操作子151がオンされた
ならば、左系統の曲げ角度が左系統のレジスタのみにセ
ットされる一方、右手親指に対応する操作子151がオ
ンされたならば、右系統の曲げ角度が右系統のレジスタ
のみにセットされるようになっている。このように、操
作子151のオンイベント処理では、カスタマイズ・モ
ードでなければ、操作子151のオンイベントにしたが
って効果制御処理等が実行される一方、カスタマイズ・
モードであれば、後述するカスタマイズ処理に向けて、
オン操作された側の系統のレジスタ*DL(R)が、処理用
のバッファたる*B1L( R)、*B2L(R)にそれぞれセッ
トされる。なお、記号「*」はE、SおよびWを総称す
るものであり、肘、肩および手首部を一括する。
【0039】2−4−3:操作子151のオフイベント
処理 次に、親指に対応する操作子151のイベントが検出さ
れ、そのイベントがオフイベントであった場合の処理に
ついて図10を参照して説明する。この操作子151の
オフは、カスタマイズ・モードでない場合にあっては、
前述のように効果制御の指令であり、カスタマイズ・モ
ードの場合では、特別な意味を有する。
【0040】まず、ステップSf1において、操作子1
51がオフされたことを示すべく、フラグTSに「0」
がセットされる。なお、このフラグTSは左右の系統に
それぞれ設けられるものであるから、ここでは、オフさ
れた系統に対応してフラグTSLあるいはTSRに「0」
がセットされる。次に、ステップSf2において、フラ
グCMが「1」であるか否かが判別され、カスタマイズ
・モードであるか否かが判別される。カスタマイズ・モ
ードでなければ、ステップSf3において通常の処理、
すなわち、操作子151に割り当てられている効果のオ
フ制御が行なわれ、これを示すデータが音源レジスタ3
4に供給される。
【0041】一方、カスタマイズ・モードであれば、次
のような処理が行なわれる。なお、以下のステップSf
4〜Sf9では、オフされた操作子151側の系統のみ
に対して処理が行なわれる。まず、ステップSf4にお
いて、レジスタEB1およびEB2にセットされたデー
タの差が限度値EXよりも大きいか否かが判別される。
ここで、レジスタEB1およびEB2の各々には、後述
するカスタマイズ処理において、親指に対応する操作子
151がオンされていた間の肘部の曲げ角度の最小値お
よび最大値がセットされている。また、限度値EXは、
予め設定された角度範囲を示す値であって、この値以下
ではしきい値の設定が不可能であることを意味する値で
ある。厳密に言えば、この限度値EXも左右系統に対応
してそれぞれ設定されるべきものであるが、定数なので
兼用される。つまり、ステップSf4では、親指に対応
する操作子151がオンされていた間であって、オンさ
れた系統側で動かされた肘部における曲げ角度の範囲
が、限度値EXの範囲よりも大きいか否かが判別され、
ステップSf5におけるしきい値設定が可能であるか否
かが判別される。そして、しきい値設定可能であれば、
ステップSf5において、以下のような計算がなされ
て、オンされた系統側のしきい値ET1、ET2が設定
される。 ET1=0.4・EB2+0.6・EB1……(1) ET2=0.8・EB2+0.2・EB1……(2) ここで、式(1)の意味について説明する。レジスタE
B1からEB2までの曲げ角度の範囲を、レジスタEB
1が示す曲げ角度(最も伸ばした角度)を0%とし、レ
ジスタEB2が示す曲げ角度(最も曲げた角度)を10
0%とすると、しきい値ET1は40%、ET2は80
%の曲げ角度を示すことになる。
【0042】次に、ステップSf4の判別結果が「N
o」である場合、あるいはステップSf5における処理
が終了した場合では、次のステップSf6により、基準
値SXがレジスタSB1およびSB2の範囲内であるか
否かが判別される。ここで、レジスタSB1およびSB
2の各々には、後述するカスタマイズ処理において、そ
れぞれ親指がオンされていた間の肩部の曲げ角度の最小
値および最大値がセットされている。また、基準値SX
は、予め設定されている値であって、この値から外れな
ければ肩部の曲げ角度に応じて変調度あるいは音量を示
すデータを出力することが不可能であることを意味する
値である。厳密に言えば、この基準値SXも左右系統に
対応して設定されるべきものであるが、定数なので兼用
される。つまり、ステップSf6では、親指に対応する
操作子151がオンされていた間であって、オンされた
系統側で動かされた肩部における曲げ角度の最小値が基
準値SXよりも小さく、かつオンされた系統側で動かさ
れた肩部における曲げ角度の最大値が基準値SXよりも
大きくて、データを出力することが可能であるか否かが
判別される。そして、データの出力が可能であれば、ス
テップSf7において、肩部の下限角度SLはレジスタ
SB1に、上限角度SHはレジスタSB2に、それぞれ
設定される。
【0043】次に、ステップSf6の判別結果が「N
o」である場合、あるいはステップSf7における処理
が終了した場合では、次のステップSf8により、レジ
スタWB1およびWB2の差が限度値WXよりも大きい
か否かが判別される。ここで、レジスタWB1およびW
B2の各々には、後述するカスタマイズ処理において、
それぞれ親指がオンされていた間の手首の曲げ角度の最
小値および最大値がセットされている。また、限度値W
Xは、予め設定された角度範囲を示す値であって、この
値以下では不感帯の設定が不可能であることを意味する
値である。厳密に言えば、この限度値WXも左右系統に
対応して設定されるべきものであるが、定数なので兼用
される。つまり、ステップSf8では、親指に対応する
操作子151がオンされていた間であって、オンされた
系統側で動かされた手首部における曲げ角度の範囲が、
限度値WXの範囲よりも大きいか否かが判別される。そ
して、この判別結果が「Yes」ならば、ステップSf
9において、手首の下限角度WLはレジスタWB1に、
上限角度WHはレジスタSB2に、それぞれ設定され
る。このような条件分岐たるステップSf4、Sf6、
Sf8の働きにより、各しきい値や、上限・下限角度に
不適切な値が設定されるのを防止するだけでなく、肘、
肩、手首のうち、設定を変更したいセンサの部位のみ
を、第1指(親指)に対応する操作子151をオンして
いる間に動かせば、他のセンサの設定を変更せずに、動
かした部位に対応するセンサの設定のみを変更すること
ができる。
【0044】ステップSf3もしくはSf9の処理の終
了した場合、またはステップSf8の判別結果が「N
o」である場合には、このルーチンは終了する。このよ
うに、操作子151のオフイベント処理では、図7に示
した各センサ処理において必要なしきい値や、上限角度
・下限角度の設定が、オフされた操作子151の系統側
のレジスタに対して行なわれる。なお、不感帯の規定値
WT1およびWT2については、不感帯処理において後
述する。
【0045】2−4−4:操作子159、160のオフ
イベント処理 次に、第5指(子指)に対応する操作子159、160
のイベントが検出され、そのイベントがオフイベントで
あった場合の処理について図11を参照して説明する。
これらの操作子のオフは、カスタマイズ・モードでない
場合にあっては、前述のように消音の指令であり、カス
タマイズ・モードの場合では、特別な意味を有する。
【0046】このため、まず、ステップSg1において
フラグCMが「1」であるか否かによりカスタマイズ・
モードである否かが判別される。この判別結果が「N
o」ならば、ステップSg2において、通常の処理、こ
の場合は、オフイベントであるから当該操作子のオンに
よって発生した楽音を消音させるためのノートオフが音
源レジスタ34に送出される。一方、カスタマイズ・モ
ードであれば、ステップSg3において、不感帯の規定
値WT1およびWT2は、それぞれレジスタWB3およ
びWB4に設定される。ここで、レジスタWB3および
WB4には、後述するカスタマイズ処理のうちの不感帯
処理にあって、小指に対応する操作子159(160)
がオンされていた間に動かされた手首部における曲げ角
度のうち、最小値および最大値に対応する角度データが
セットされている。したがって、ステップSg3におい
ては、小指に対応する操作子159、160がオンされ
ている間に動かされた手首の曲げ角度の範囲を不感帯と
する設定が行なわれることとなる。そして、ステップS
g2またはSg3の処理の後には、このルーチンは終了
する。
【0047】2−4−5:他の操作子のオフイベント処
理 次に、第1指および第5指以外に対応する操作子153
〜158のイベントが検出された場合であって、そのイ
ベントがオフイベントである場合の処理について説明す
る。これら操作子のオフは、カスタマイズ・モードでな
い場合にあっては、前述のように消音の指令であり、カ
スタマイズ・モードの場合では、意味を有しない(ただ
し、第4指については後述する)。このため、当該操作
子のオンによって発生した楽音を消音させるためのノー
トオフが、フラグCMを判別することなく、直ちに音源
レジスタ34に送出されるようになっている。
【0048】このようにして、グリップにおける各操作
子のイベントに応じた処理がなされる。そして、グリッ
プ処理の後には、メインルーチンでは次のステップSa
4においてモード切換SW処理が行なわれることなる。
【0049】2−5(3)−1:カスタマイズ処理 次に、図7に示した各センサ処理のステップSc8にお
いて行なわれるカスタマイズ処理について、図12およ
び図13を参照して説明する。まず、ステップSh1に
おいて、フラグTSが「1」であるか否かが判別され、
第1指に対応する操作子151がオンされているか否か
が判別される。なお、すでに述べているように、このフ
ラグTSは、左右を総称しているものであって、実際に
は、グリップ15L、15Rの各操作子151、151
の各々に対応して2つ存在するので、図12および図1
3の処理は、フラグTSLについては左系統のレジスタ
*DLに対する処理が、フラグTSRについては右系統の
レジスタ*DRに対する処理が、それぞれ独立して実行
されるものである。また、この実施例においては、カス
タマイズ・モードであって、当該操作子151がオンさ
れていない場合には、現時点での各部における曲げ角度
が、すでに設定されたしきい値あるいは上限・下限角度
と、いかなる関係であるかを確認するためのモードとな
る。したがって、この場合、次のステップSh2〜Sh
4においてそのための処理が行なわれる。
【0050】まず、ステップSh2において、現時点に
おいてレジスタEDにセットされている(ステップSc
1でセットされた)データと、しきい値ET1あるいは
ET2とを比較し、両者が一致したならば、その旨の表
示が表示部27によってなされる。例えば、レジスタE
Lにセットされているデータ、すなわち、現時点にお
ける左肘部の曲げ角度が、すでに設定されたしきい値E
T2Lと一致したならば、「左肘:しきい値2と一致」
のごとき表示がなされる。
【0051】次に、ステップSh3において、現時点に
おいてレジスタSDにセットされている(ステップSc
1でセットされた)データと、下限角度SLあるいは上
限角度SHとを比較し、前者が後者よりも小さいあるい
は大きいならば、その旨の表示が表示部27によってな
される。例えば、レジスタSDLにセットされているデ
ータが、すなわち、現時点における左肩部の曲げ角度
が、すでに設定された上限角度SHLよりも大きいなら
ば、「左肩:OVER」のごとき表示がなされる。
【0052】そして、ステップSh4において、同様な
操作が手首部についても行なわれる。すなわち、現時点
においてレジスタWDにセットされている(ステップS
c1でセットされた)値と、下限角度WLあるいは上限
角度WHとを比較し、前者が後者よりも小さいあるいは
大きいならば、その旨の表示が表示部27によってなさ
れる。例えば、レジスタWDLにセットされているデー
タが、すなわち、現時点における左手首部の曲げ角度
が、すでに設定された下限角度WLLよりも小さいなら
ば、「左手首:UNDER」のごとき表示がなされる。
このようにして、ステップSh2〜Sh4では、現時点
での各部における曲げ角度が、すでに設定されたしきい
値あるいは上限・下限角度といかなる関係であるかが表
示部27により表示されるようになっている。これらの
処理の後には、ステップSh5において後述するリスト
不感帯設定処理が実行される。
【0053】一方、この実施例においては、カスタマイ
ズ・モードであって、第1指に対応する操作子151が
オンされている場合には、前述したように、各部の曲げ
角度を示すレジスタ*Dの最小値および最大値が、それ
ぞれレジスタ*B1および*B2にセットされる。した
がって、次のステップSh6〜Sh8においてそのため
の処理が行なわれる。まず、ステップSh6において、
現時点においてレジスタEDにセットされている(ステ
ップSc1でセットされた)データと、レジスタEB1
およびEB2にすでにセットされたデータとが比較さ
れ、レジスタEDのデータがレジスタEB1のデータよ
りも小さければ、レジスタEB1の内容が当該レジスタ
EDの内容に更新され、また、レジスタEDのデータが
レジスタEB2のデータよりも大きければ、レジスタE
B2の内容が当該レジスタEDの内容に更新される。
【0054】同様に、ステップSh7において、現時点
においてレジスタSDにセットされている(ステップS
c1でセットされた)データと、レジスタSB1および
SB2にすでにセットされたデータとが比較され、レジ
スタSDのデータがレジスタSB1のデータよりも小さ
ければ、レジスタSB1の内容が当該レジスタSDの内
容に更新され、また、レジスタSDのデータがレジスタ
SB2のデータよりも大きければ、レジスタSB2の内
容が当該レジスタSDの内容に更新される。同様に、ス
テップSh8において、現時点においてレジスタWDに
セットされている(ステップSc1でセットされた)デ
ータと、レジスタWB1およびWB2にすでにセットさ
れたデータとが比較され、レジスタWDのデータがレジ
スタWB1のデータよりも小さければ、レジスタWB1
の内容が当該レジスタWDの内容に更新され、また、レ
ジスタWDのデータがレジスタWB2のデータよりも大
きければ、レジスタWB2の内容が当該レジスタWDの
内容に更新される。このようにして、ステップSh6〜
Sh8では、オンされた系統側の曲げ角度が、いままで
のデータと比較されて小あるいは大であれば、レジスタ
*B1あるいは*B2に逐次セットされるので、最終的
にレジスタ*B1および*B2には、オンされている間
での曲げ角度の最小値・最大値がそれぞれセットされる
こととなる。そして、ステップSh5あるいはステップ
Sh8の処理後には、カスタマイズ処理(図7における
ステップSc8)の終了を意味するので、メインルーチ
ンでは次のステップSa3においてグリップ処理が行な
われることなる。
【0055】2−5(3)−1−1:リスト不感帯設定
処理 次に、ステップSh5において実行されるリスト不感帯
設定処理について、図13を参照して説明する。まず、
ステップSi1では、(第1指に対応する操作子151
はオンされていないが)第5指に対応する操作子15
9、160がオンされているか否かが判別される。オン
されていれば、ステップSi3において、現時点にレジ
スタWDにセットされている(ステップSc1でセット
された)データと、レジスタWB3あるいはWB4にす
でにセットされたデータとが比較され、レジスタWDの
データがレジスタWB3のデータよりも小さければ、レ
ジスタWB3の内容が、当該レジスタWDの内容に更新
され、また、レジスタWDのデータがレジスタWB4の
データよりも大きければ、レジスタWB4の内容が、当
該レジスタWDの内容に更新される。ここで、レジスタ
WB3およびWB4には、第5指に対応する操作子15
9、160がオフからオンに変化した際に、その時点で
のレジスタWDの値すなわち手首の曲げ角度が初期値と
して設定されているものとする。
【0056】したがって、ステップSi3においては、
カスタマイズ・モードであって、第5指に対応する操作
子159、160のみがオンされている場合には、オン
された系統側の手首部の曲げ角度が、いままでのデータ
と比較されて小あるいは大であれば、レジスタWB3あ
るいはWB4に逐次セットされるので、最終的にレジス
タWB3およびWB4には、操作子159、160がオ
ンされている間での手首部の曲げ角度の最小値・最大値
がそれぞれセットされることとなる。そして、この操作
子159、160のオンが終了してオフされると、前述
したSg3において、当該レジスタWB3およびWB4
にセットされたデータが、それぞれ不感帯の規定値WT
1およびWT2となる。
【0057】一方、第5指に対応する操作子159、1
60がオンされておらず、ステップSi1の判別結果が
「No」となったならば、さらに、ステップSi2にお
いて、第4指に対応する操作子157、158がオンさ
れているか否かが判別される。オンされていれば、現時
点においてレジスタWDにセットされている(ステップ
Sc1でセットされた)データと、規定値WT1および
WT2とを比較し、前者が後者よりも小さいあるいは大
きいならば、その旨の表示が表示部27によってなされ
る。例えば、レジスタWDLにセットされているデータ
が、すなわち、現時点における左手首部の曲げ角度が、
すでに設定された不感帯の規定値WT1Lよりも小さい
ならば、「左手首:UNDER」のごとき表示がなされ
る。そして、ステップSi2あるいはステップSi4の
処理後には、このリスト不感帯設定処理が終了する。
【0058】3:具体的動作 次に、上述した実施例の具体的動作について説明する。 3−1:検出領域の設定 まず、カスタマイズ・モードにおける関節部の角度範囲
が、いかにして設定されるかについて、左肩部を例にと
って説明する。メインルーチン(図5参照)では、ステ
ップSa2〜Sa4のループ処理が、所定時間間隔毎に
実行されるため、ステップSa2の各センサ処理(図7
参照)において、毎回、センサ11Lにより検出された
左肩部の曲げ角度がレジスタSDL にセットされる(ス
テップSc1)。ここで、モード切換スイッチ26によ
りカスタマイズ・モードへ移行が指示されると、メイン
ルーチンのステップSa4(図6参照)においてフラグ
CMが「1」に立ち上がる。さらに、左手で把持される
グリップ15Lにあって、親指に対応する操作子151
がオンされると、ループ処理の循環により、ステップS
a3のグリップ処理のうち、操作子151のオンイベン
ト処理(図9参照)が実行される。これにより、レジス
タSB1L、SB2Lがクリアされた後、とりあえず両者
にレジスタSDの内容がセットされる(ステップSe
4)。
【0059】この状態において、ループ処理が循環する
と、各センサ処理(図7参照)では、処理がステップS
c8に分岐し、カスタマイズ処理(図12参照)が実行
される。この際、ステップSh7において、その時点で
の左肩部の曲げ角度がレジスタSB1LあるいはSB2L
にセットされた値よりも小さいあるいは大きいならば、
当該曲げ角度がレジスタSB1LあるいはSB2Lにセッ
トされて更新される。ステップSh7は、左手親指に対
応する操作子151がオンされている間、ループ処理が
循環する毎に実行されるので、この期間で動かされた左
肩部の曲げ角度の最小値および最大値が、それぞれレジ
スタSB1LおよびSB2Lにセットされることとなる。
【0060】次に、左手親指に対応する操作子151が
オフにされると、ループ処理の次の循環により、ステッ
プSa3のグリップ処理のうち、操作子151のオフイ
ベント処理(図10参照)が実行される。この際、ステ
ップSf7において、レジスタSB1LおよびSB2L
セットされている値が、それぞれ下限角度SLLおよび
上限角度SHLに設定される。
【0061】そして、この後、親指、小指、薬指以外の
操作子がオンされれば、ループ処理の次の循環におい
て、ステップSa3のグリップ処理のうち、操作子15
3〜160のオンイベント処理(図8参照)が実行され
る。この際、ステップSd8においてフラグCMが
「0」となるので、カスタマイズ・モードは終了する。
このようにして、カスタマイズ・モードであって、左手
親指に対応する操作子151がオンの間で動かされた右
肩部の曲げ角度のうちの最小値および最大値が、次に説
明する正規化や、後述する検出領域の確認等で用いられ
る下限角度SLLおよび上限角度SHLにそれぞれ設定さ
れる。なお、ここでは、左肩部を例にとって説明した
が、右肩部についても、さらに左右の手首部、左右の肘
部についても、同様である。また、この際、操作子15
1がオンされている間に、左肩以外、すなわち左肘およ
び左手首をあまり動かさないようにすると、前述したオ
フイベント処理(図10参照)におけるステップSf
4、Sf8の判別結果がともに「No」となるので、左
肘のしきい値ET1L、ET2Lおよび左手首の下限角度
WLL、上限角度WHLの設定を変更せずに、左肩の下限
角度SLLおよび上限角度SHLのみの設定を変更するこ
とができるようになっている。
【0062】3−2:正規化 次に、正規化について説明する。ここでいう正規化と
は、例えば、左肩部を例にとって説明すると、カスタマ
イズ・モードへの移行により設定された下限角度SLL
および上限角度SHLによって、センサ11Lにより検
出された左肩部の曲げ角度を正規化して出力することを
いう。メインルーチン(図5参照)では、ステップSa
2〜Sa4のループ処理が、所定時間間隔毎に実行され
るため、ステップSa2の各センサ処理(図7参照)に
おいて、毎回、センサ11Lにより検出された曲げ角度
が、レジスタSDL にセットされる(ステップSc
1)。この際、カスタマイズ・モードでなければ、ステ
ップSc5において、(SDL−SLL)/(SHL−S
L)が計算されて、この値がレジスタNSDLにセット
される。この式の意味については、上述した通りであ
る。すなわち、この際に計算される値は、現時点におい
てレジスタSDLにセットされた右肩部の曲げ角度が下
限角度SLLから上限角度SHLまでの角度範囲において
どの地点に位置するかを、下限角度SLLを「0」、上
限角度SHLを「1」として正規化した値である。この
ため、検出領域イコール出力領域となって、センサの感
度を最適にすることができるのである。そして、このレ
ジスタNSDLにセットされた値は、ステップSc7に
おいて、発生楽音の変調度を規定するデータとして音源
レジスタ34に送出される。これにより音源システム4
1において、発生楽音に対して付与する効果のうちの変
調度については、レジスタNSDL にセットされた計算
結果にしたがって制御される。なお、ここでも、左肩部
を例にとって説明したが、右肩部についても、さらに左
右の手首部についても(不感帯を除く)同様である。
【0063】3−3:しきい値の設定 次に、しきい値設定について説明する。この実施例で
は、カスタマイズ・モードにおいて、肘部の曲げ角度の
最小値から最大値までの角度範囲を、3つに分割するた
めの2つしきい値が設定される。ここでは、しきい値設
定の動作を左肘部を例にとって説明すると、上述した検
出領域の設定動作とは、左手親指に対応する操作子15
1のオフイベント処理(図10参照)以外については、
「SD」、「SB」とあるのを、「ED」、「EB」と
それぞれ読み替える。相違点であるステップSf5にお
いて、上述した式(1)、(2)によりしきい値ET1
L、ET2Lが設定されるのである。なお、ここでは、左
肘部を例にとって説明したが、右肘部についても同様で
ある。
【0064】3−4:不感帯の設定 次に、カスタマイズ・モードにおいて、不感帯の設定が
いかにしてなされるかついて、左手首部を例にとって説
明する。メインルーチン(図5参照)では、ステップS
a2〜Sa4のループ処理が、所定時間間隔毎に実行さ
れるため、ステップSa2の各センサ処理(図7参照)
において、毎回、センサ13Lにより検出された曲げ角
度が、レジスタWDL にセットされる(ステップSc
1)。ここで、モード切換スイッチ26によりカスタマ
イズ・モードへ移行が指示されると、メインルーチンの
ステップSa4(図6参照)においてフラグCMが
「1」に立ち上がる。この状態において、左手で把持さ
れるグリップ15Lにあって、小指に対応する操作子1
59、160がオンされると、ループ処理の循環によ
り、ステップSa3のグリップ処理のうち、操作子15
3〜160のオンイベント処理(図8参照)が実行され
る。しかしながら、ステップSd2の判別結果が「1」
→ステップSd6の判別結果が「0」→ステップSd7
の判別結果が「Yes」という経路を辿るので、前述し
たようにレジスタWDLにおいて現時点において設定さ
れている値がレジスタWB3LおよびWB4Lに初期値と
して設定される以外、ここでは設定がなんら行なわれな
い。
【0065】さらに、ループ処理が循環すると、各セン
サ処理(図7参照)におけるステップSc5では、処理
がステップSc8に分岐してカスタマイズ処理(図12
参照)が実行され、ステップSh5においてさらにリス
ト不感帯設定処理(図13参照)が実行される。この
際、ステップSi3において、その時点での左手首部の
曲げ角度がレジスタWB3LあるいはWB4Lにセットさ
れた値よりも小さいあるいは大きいならば、当該曲げ角
度がレジスタWB3LあるいはWB4Lにセットされて更
新される。ステップSi3は、小指に対応する操作子1
59、160のみがオンされている間、メインルーチン
のループ処理が循環する毎に実行されるので、この期間
で動かされた左手首部の曲げ角度の最小値および最大値
が、それぞれレジスタWB3LおよびWB4Lにセットさ
れることとなる。
【0066】次に、操作子159、160がオフにされ
ると、ループ処理の次の循環により、ステップSa3の
グリップ処理のうち、操作子159、160のオフイベ
ント処理(図11参照)が実行される。この際、ステッ
プSg3において、レジスタWB3LおよびWB4Lにセ
ットされている値が、それぞれ不感帯の規定値WT1L
およびWT2Lに設定される。
【0067】そして、この後、親指、小指、薬指以外の
操作子がオンされれば、ループ処理の次の循環におい
て、ステップSa3のグリップ処理のうち、操作子15
3〜160のオンイベント処理(図8参照)が実行され
る。この際、ステップSd8においてフラグCMが
「0」となるので、カスタマイズ・モードは終了する。
このようにして、カスタマイズ・モードであって、左手
小指に対応する操作子159、160がオンされた間で
動かされた左手首部の曲げ角度のうちの最小値および最
大値が、それぞれ不感帯の規定値WT1LおよびWT2L
に設定される。なお、ここでは、左手首部を例にとって
説明したが、右手首部についても同様である。
【0068】3−5:検出領域の確認 この実施例では、カスタマイズ・モードにおいて、肩部
および手首の曲げ角度が、すでに定めた当該角度範囲内
であるか否かの確認を行なうことができる。そこで、か
かる検出領域の確認について左肩部を例にとって説明す
ると、上述した検出領域の設定において、フラグCMが
「1」に立ち上がるところまでは同一である。この状態
において、グリップ15Lにおける操作子のいずれもが
操作されないと、次のループ処理の実行において、ステ
ップSa2の各センサ処理(図7参照)では、処理がス
テップSc8に分岐して、カスタマイズ処理(図12参
照)が実行される。この際、ステップSh3において、
レジスタSDLにセットされたデータ、すなわち左肩部
の曲げ角度が、すでに設定された下限角度SLLから上
限角度SHLまでの角度範囲内であるかが判別され、下
限角度SLLよりも下回っていればあるいは上限角度S
Lよりも上回っていれば、その旨の表示が表示部27
によりなされるのは、上述の通りである。この際、リス
ト不感帯設定処理(図13参照)が実行されるが、操作
子のいずれもがオンされていないので、実際にはなにも
設定が行なわれない。
【0069】そして、この後、親指、小指、薬指以外に
対応する操作子がオンされれば、ループ処理の次の循環
において、ステップSa3のグリップ処理のうち、操作
子153〜160のオンイベント処理(図8参照)が実
行される。この際、ステップSd8においてフラグCM
が「0」となるので、カスタマイズ・モードは終了す
る。このようにして、カスタマイズ・モードにおいて、
現時点での左肩部の曲げ角度が、すでに定めた下限角度
SLから上限角度SHまでの角度範囲内であるか否かの
確認を行なうことができるようになっている。なお、こ
こでは、左肩部を例にとって説明したが、右肩部につい
ても、さらに左右の手首部についても、同様である。
【0070】3−6:しきい値の確認 この実施例では、カスタマイズ・モードにおいて、肘部
の曲げ角度が、当該角度範囲を3つに分割するためのし
きい値と一致するか否かの確認を行なうことができる。
そこで、かかるしきい値の確認について左肘部を例にと
って説明すると、上述した検出領域の確認動作とは、対
応するレジスタを読み替えれば、ステップSh2におい
て行なわれる点以外は同一である。このため、説明は省
略する。
【0071】3−7:不感帯の確認 この実施例では、カスタマイズ・モードにおいて、手首
部の曲げ角度が、すでに定めた不感帯の範囲内であるか
否かの確認を行なうことができる。そこで、かかる不感
帯の確認について左手首部を例にとって説明すると、上
述した検出領域の設定において、フラグCMが「1」に
立ち上がるところまでは同一である。この状態におい
て、左手で把持されるグリップ15Lにあって、薬指に
対応する操作子157、158がオンされると、ループ
処理の循環により、ステップSa3のグリップ処理のう
ち、操作子153〜160のオンイベント処理(図8参
照)が実行されるが、ステップSd2の判別結果が
「1」→ステップSd6の判別結果が「0」→ステップ
Sd7の判別結果が「Yes」という経路を辿るので、
ここでは設定がなんら行なわれない。
【0072】さらに、ループ処理が循環すると、各セン
サ処理(図7参照)におけるステップSc5では、処理
がステップSc8に分岐してカスタマイズ処理(図12
参照)が実行され、ステップSh5においてさらにリス
ト不感帯設定処理(図13参照)が実行される。この
際、ステップSi4において、レジスタWDLにセット
されたデータ、すなわち左肩部の曲げ角度が、規定値W
T1LからWT2Lまでの不感帯内であるかが判別され、
規定値WT1Lよりも下回っていればあるいは規定値W
T2Lよりも上回っていれば、その旨の表示が表示部2
7によりなされるのは、上述の通りである。
【0073】そして、この後、親指、小指、薬指以外に
対応する操作子がオンされれば、ループ処理の次の循環
において、ステップSa3のグリップ処理の内、操作子
153〜160のオンイベント処理(図8参照)が実行
される。この際、ステップSd8においてフラグCMが
「0」となるので、カスタマイズ・モードは終了する。
このようにして、カスタマイズ・モードにおいて、現時
点での左手首の曲げ角度が、すでに定めた不感帯内であ
るか否かの確認を行なうことができるようになってい
る。なお、ここでは、左手首部を例にとって説明した
が、右手首部についても、同様である。
【0074】なお、肩部、肘部、手首の曲げ角度につい
ては、上述した実施例のように拘泥されるわけではな
く、本来的に自由に割り当てられるべきものである。ま
た、しきい値の設定については、式(1)および式
(2)に拘泥されるものではなく、内分比を変更しても
かまわない。さらに、しきい値を増やしても、分割領域
を増加してもかまわない。また、上述した実施例では、
演奏者の態様(ポーズ)として、肩部、肘部、手首の曲
げを例にとり、これら曲げ角度を検出する角度センサの
出力値の処理について説明したが、本願は、これに限定
されるべきものではなく、演奏者の態様を検出するあら
ゆるセンサについて適用可能である。例えば、ある2点
間の距離を測定する距離センサや、特定部位の運動を検
出する速度・加速度センサなど出力に対しても適用可能
である。
【0075】
【発明の効果】以上説明したこの発明によれば、次のよ
うな効果がある。比較的簡単な操作で検出手段の設定を
行なうことが可能となり、しかも、その設定において、
検出手段の検出領域がどの範囲であるかも比較的容易に
把握することが可能となる(請求項1)。検出手段によ
り検出される態様は、第1組の最小値から最大値までの
範囲を基準にして正規化されるので、検出手段の出力
を、検出領域に対し最適にして出力することが可能とな
る(請求項2)。しきい値の設定を簡単に行なえるとと
もに、検出領域でのしきい値が、どの付近で設定されて
いるのかも容易に把握することが可能である(請求項
3)。例えば、第2組の範囲では、出力がゼロとなるよ
うな検出特性に設定しておくことにより、この範囲内で
態様をとっても、出力は影響を受けない。このため、多
少の態様変化でも出力変化が発生しない不感帯を設定す
ることが可能となる。また、検出特性の設定によっては
検出領域での出力に種々のバリエーションを持たせるこ
とも可能となる。しかも、この設定は極めて容易に設定
される(請求項4)。現時点における態様が、第1組の
最小値から最大値までの範囲内であるかを容易に確認す
ることが可能である(請求項5)。設定されたしきい値
が、どの付近で設定されているのかの確認が容易に行な
うことが可能である(請求項6)。現時点における態様
が、第2組の最小値から最大値までの範囲内であるかを
容易に確認することが可能である(請求項7)。演奏者
は、所定のモードにおいては、検出領域の設定変更を望
むセンサが検出する部位を動かすだけで、当該センサの
検出領域のみを設定変更することが可能となる(請求項
8)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による実施例の構成を示すブロック
図である。
【図2】 (a)は、肘部の曲げ角度に対するしきい値
と3つの領域との関係を説明するための図であり、
(b)は、左右の肘部の曲げ角度の組合せから発生すべ
き音名を示す図である。
【図3】 グリップにおける操作子を説明するための図
である。
【図4】 手首部の曲げ角度における不感帯を説明する
ための図である。
【図5】 手首部の実際の曲げ角度と、それに対応する
レジスタNWDとの対応関係を説明するための図であ
る。
【図6】 同実施例におけるメインルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図7】 同実施例におけるモード切換SW処理を示す
フローチャートである。
【図8】 同実施例において第2指〜第5指に対応する
操作子のオンイベント処理を示すフローチャートであ
る。
【図9】 同実施例において第1指に対応する操作子の
オンイベント処理を示すフローチャートである。
【図10】 同実施例において第1指に対応する操作子
のオフイベント処理を示すフローチャートである。
【図11】 同実施例において第5指に対応する操作子
のオフイベント処理を示すフローチャートである。
【図12】 同実施例においてカスタマイズ処理を示す
フローチャートである。
【図13】 同実施例においてリスト不感帯設定処理を
示すフローチャートである。
【符号の説明】
11L〜13L、11R〜13R……センサ(検出手
段)、 27……表示部(表示手段)、 31……CPU(採取手段、正規化手段、設定手段、判
別手段)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演奏者の態様を検出する検出手段を備
    え、この検出手段によって検出された態様にしたがって
    楽音信号を制御する楽音制御装置において、 前記検出手段によって検出された態様の第1組の最小値
    および最大値を、楽音信号を制御するモードとは別の所
    定のモードにて採取する採取手段と、 前記採取手段によって採取された第1組の最小値から最
    大値までの範囲を、楽音信号を制御するモードでの検出
    領域として設定する設定手段とを具備することを特徴と
    する楽音制御装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段によって検出された態様
    を、前記設定手段により設定された検出領域に対して正
    規化する正規化手段を具備することを特徴とする請求項
    1記載の楽音制御装置。
  3. 【請求項3】 前記設定手段は、前記採取手段によって
    採取された第1組の最小値および最大値に基づいて、当
    該範囲を分割するためのしきい値を、所定の演算により
    求めて設定することを特徴とする請求項1記載の楽音制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記採取手段は、前記所定のモードにお
    いて第1組とは異なる第2組の最小値および最大値をも
    採取し、 前記設定手段は、第2組の最小値から最大値までの範囲
    を、前記第1組の最小値から最大値までの範囲内に設定
    するとともに、第2組による範囲での前記検出手段の検
    出特性を、他の範囲での検出特性とは、異なるように設
    定することを特徴とする請求項1記載の楽音制御装置。
  5. 【請求項5】 前記検出手段により検出された態様が、
    前記第1組の最小値から最大値までの範囲内であるか否
    かを判別する判別手段と、 前記判別手段による判別結果を表示する表示手段とを具
    備することを特徴とする請求項1記載の楽音制御装置。
  6. 【請求項6】 前記検出手段により検出された態様が、
    前記第1組の最小値および最大値に基づいて求められた
    しきい値と一致するか否かを判別する判別手段と、 前記判別手段による判別結果を表示する表示手段とを具
    備することを特徴とする請求項3記載の楽音制御装置。
  7. 【請求項7】 前記検出手段により検出された態様が、
    前記第2組の最小値から最大値までの範囲内であるか否
    かを判別する判別手段と、 前記判別手段による判別結果を表示する表示手段とを具
    備することを特徴とする請求項4記載の楽音制御装置。
  8. 【請求項8】 前記検出手段は、演奏者の部位の動作を
    検出するセンサを複数有するものであり、 前記設定手段は、前記所定のモードにおいて演奏者が動
    かした部位に対応するセンサについて検出領域を設定し
    なおすことを特徴とする請求項1記載の楽音制御装置。
JP7003903A 1995-01-13 1995-01-13 楽音制御装置 Pending JPH08194474A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7003903A JPH08194474A (ja) 1995-01-13 1995-01-13 楽音制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7003903A JPH08194474A (ja) 1995-01-13 1995-01-13 楽音制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08194474A true JPH08194474A (ja) 1996-07-30

Family

ID=11570161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7003903A Pending JPH08194474A (ja) 1995-01-13 1995-01-13 楽音制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08194474A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005128208A (ja) * 2003-10-23 2005-05-19 Yamaha Corp 演奏再生装置及び演奏再生制御プログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005128208A (ja) * 2003-10-23 2005-05-19 Yamaha Corp 演奏再生装置及び演奏再生制御プログラム
JP4506147B2 (ja) * 2003-10-23 2010-07-21 ヤマハ株式会社 演奏再生装置及び演奏再生制御プログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5422956A (en) Sound parameter controller for use with a microphone
JPH05273970A (ja) 電子楽器
JP3367116B2 (ja) 電子楽器
JPH03184095A (ja) 電子楽器
JPH03206493A (ja) 電子楽器
JPH08194474A (ja) 楽音制御装置
JP2591121B2 (ja) 和音設定装置及び電子管楽器
JPH05265455A (ja) 楽音制御装置
JPH01291291A (ja) 楽音制御装置
JP2848174B2 (ja) 電子楽器
KR20170066727A (ko) 장갑 컨트롤러 시스템
JP3398982B2 (ja) 電子楽器
US5430240A (en) Parameter control system for electronic musical instrument
JPH03215895A (ja) 電子楽器
JPH096357A (ja) 楽音制御装置
JP3387332B2 (ja) 演奏制御装置
JP2712892B2 (ja) 楽音制御装置
JP2855968B2 (ja) 楽音制御装置
JPH03161799A (ja) 電子楽器
JPH0594183A (ja) 楽音制御装置
JP2855967B2 (ja) 楽音制御装置
JP2998602B2 (ja) 楽音制御装置
JP3030934B2 (ja) 楽音制御装置
JP2630062B2 (ja) 楽音制御装置
JP2871514B2 (ja) 身振り型楽音制御装置の楽譜表記方法