JPH06149260A - 楽音発生装置 - Google Patents

楽音発生装置

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JPH06149260A
JPH06149260A JP4321424A JP32142492A JPH06149260A JP H06149260 A JPH06149260 A JP H06149260A JP 4321424 A JP4321424 A JP 4321424A JP 32142492 A JP32142492 A JP 32142492A JP H06149260 A JPH06149260 A JP H06149260A
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Hiroshi Kitagawa
弘志 北川
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はステレオ演奏のための楽音信号を発
生する楽音発生装置に関し、少ない楽音波形データでモ
ノラル及びステレオ演奏を可能ならしめると共に、モノ
ラル演奏時に多くのポリフォニック数を確保できる楽音
発生装置を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、右チャネルで発音すべき楽音と左
チャネルで発音すべき楽音との和でなる楽音の波形デー
タを記憶する第1の記憶手段20aと、右チャネルで発
音すべき楽音と左チャネルで発音すべき楽音との差でな
る楽音の波形データを記憶する第2の記憶手段20b
と、前記第1の記憶手段20aに記憶された波形データ
に基づき和楽音信号を生成し、前記第2の記憶手段20
bに記憶された波形データに基づき差楽音信号を生成す
る楽音信号生成手段21と、該楽音信号生成手段21で
生成された前記和楽音信号と前記差楽音信号との和を求
める加算手段23aと、前記楽音信号生成手段21で生
成された前記和楽音信号と前記差楽音信号との差を求め
る減算手段23b、とにより構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば電子楽器等に適
用されてステレオ演奏のための楽音信号を発生する楽音
発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子ピアノ、電子オルガン或いは
シンセサイザ等といった電子楽器が開発され、広く普及
されるに至っている。かかる電子楽器は、例えば鍵盤や
操作パネルを操作することにより生成される楽音データ
を電子楽器内部に設けられた楽音発生装置に与えること
により、楽音発生装置で楽音データに応じた楽音信号を
発生し、これをスピーカで音響に変換することにより楽
音を発生する。
【0003】図4は、かかる従来の楽音発生装置の概略
構成を示すブロック図である。図4は楽音をモノラルで
演奏するための構成例を示している。図4において、5
0は当該楽音発生装置が適用される電子楽器のシステム
バスであり、図示しない中央処理装置(以下、「CP
U」という)から出力される楽音データを楽音発生装置
51に供給するために用いられる。
【0004】楽音発生装置51は、波形メモリ60、音
源61及びD/A変換器62から構成される。
【0005】波形メモリ60は、例えばリードオンリメ
モリ(以下、「ROM」という)で構成されるものであ
り、複数の音色を実現するための、複数のモノラル演奏
用楽音波形データが記憶される。即ち、波形メモリ60
に記憶される楽音波形データは、右チャネル用の楽音と
左チャネル用の楽音とが加算された楽音、即ちモノラル
楽音の波形データ(R+L)である。
【0006】音源61は、CPU10から送られてくる
楽音データに応じて、波形メモリ60から楽音波形デー
タ(R+L)を読み出し、これにエンベロープを付加し
てモノラルのデジタル楽音信号Mdを生成する。このデ
ジタル楽音信号Mdは、D/A変換器62に送られる。
【0007】D/A変換器62は、音源61から供給さ
れたデジタル楽音信号Mdをアナログ楽音信号Maに変
換する。このD/A変換器62で変換されたアナログ楽
音信号Maが、楽音発生装置51の出力信号として外部
に出力され、図示しない増幅器で増幅され、更にスピー
カで音響に変換されて放音されることになる。
【0008】以上はモノラルで楽音を発生する電子楽器
に適用される従来の楽音発生装置の例であるが、近年、
演奏される楽音に臨場感を持たせるために、ステレオ演
奏機能を有する電子楽器が開発され、実用に供されてい
る。
【0009】かかるステレオ演奏によれば、例えば、電
子楽器をピアノの音色で演奏する場合は、アコースティ
ックピアノにおける打弦位置が音高に応じて変化する様
子をステレオ再生で模擬することにより、よりリアルな
演奏が可能となる。
【0010】また、自動伴奏機能を有する電子楽器で
は、例えば、コード、ベース、ドラム等の各音色の伴奏
音をバックに、キーボードを用いて例えばピアノ等の音
色でメロディを弾くことが可能であるが、かかる電子楽
器にステレオ再生を適用すれば、各楽器音の音像定位を
制御することが可能となり、より臨場感に溢れる演奏が
可能となる。
【0011】このようなステレオ演奏を実現するため
に、従来は、図5に示すような楽音発生装置を用いてい
た。図5において、70は当該楽音発生装置が適用され
る電子楽器のシステムバスであり、図示しないCPUか
ら出力される楽音データを楽音発生装置71に供給する
ために用いられる。
【0012】楽音発生装置71は、波形メモリ80a及
び80b、音源81、D/A変換器82a及び82b並
びに加算器83から構成される。
【0013】波形メモリ80a及び80bは、例えばR
OMで構成されるものであり、複数の音色を実現するた
めの、複数のステレオ演奏用楽音波形データが記憶され
ている。即ち、波形メモリ80aには、ステレオ演奏時
の右チャネル用楽音波形データ(R)が記憶されてる。
波形メモリ80bには、ステレオ演奏時の左チャネル用
楽音波形データ(L)が記憶されている。
【0014】音源81は、CPU10から送られてくる
楽音データに応じて、波形メモリ81a及び81bから
交互に時分割で楽音波形データ(R)及び(L)を読み
出し、これらにエンベロープを付加して、それぞれ右チ
ャネル用のデジタル楽音信号SRd及び左チャネル用の
デジタル楽音信号SLdを生成する。生成されたデジタ
ル楽音信号SRdはD/A変換器82aに、デジタル楽
音信号SLdはD/A変換器82bにそれぞれ送られ
る。
【0015】D/A変換器82a及び82bは、音源8
1から供給されたデジタル楽音信号SRd及びSLd
を、それぞれアナログ楽音信号SRa及びSLaに変換
する。このD/A変換器82a及び82bで変換された
アナログ楽音信号SRa及びSLaが、楽音発生装置7
1の出力信号として外部に出力される。このアナログ楽
音信号SRa及びSLaは、それぞれ図示しない増幅器
で増幅され、更にスピーカで音響に変換されてステレオ
効果を有する楽音が放音される。
【0016】一方、かかるステレオ演奏用の楽音波形デ
ータが備えられてステレオ演奏が可能な電子楽器であっ
ても、モノラル演奏が要求される場合がある。かかる要
求に応えるために、D/A変換器82aの出力信号とD
/A変換器82bの出力信号とを加算する加算器83を
設け、この加算器83で加算された信号(R+L)をモ
ノラルのアナログ楽音信号Maとする方法が採られてい
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、図4に示した音源61が16個のオシレータを有
し、ポリフォニック数(同時発音数)が「16」である
とすれば、図5に示した構成で同じ音源を用いた場合に
は、1つの音を発音するために右チャネル及び左チャネ
ル用の2つのオシレータを使用するので、ポリフォニッ
ク数は「8」と半減する。この場合、モノラル出力(R
+L)もポリフォニック数は「8」となってしまう。
【0018】このことは、上記構成で同じポリフォニッ
ク数を確保しようとすれば、2倍のオシレータを有する
音源が必要になることを意味し、ハードウエアの増加及
び複雑化を招きコストが上昇するという問題がある。
【0019】また、図5に示した構成で「16」ポリフ
ォニック数を確保するためには、右又は左チャネルの片
方のみの楽音波形データに基づき再生する構成も考えら
れるが、この場合、片チャネル用の楽音がモノラル再生
されることになるので奇妙な音になる可能性が高く、実
用的ではない。
【0020】また、ステレオ用の楽音波形データ(R)
及び(L)とは別にモノラル用楽音波形データ(R+
L)を備える構成も考えられるが、使用するメモリが増
加すると共に、楽音波形データを別途作成しなければ成
らないので手間がかかるという問題がある。
【0021】更に、従来の楽音発生装置では、ステレオ
の広がり感は楽音波形データに依存して固定的であるの
で、一旦楽音波形データを作成してしまえばステレオの
広がり感を制御することは困難であるという問題もあっ
た。
【0022】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、少ない楽音波形データでモノ
ラル及びステレオ演奏を可能ならしめると共に、モノラ
ル演奏時に多くのポリフォニック数を確保できる楽音発
生装置を提供することにある。
【0023】また、本発明の第2の目的は、簡単な構成
でステレオの広がり感を制御できる楽音発生装置を提供
することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1に記載された発明の楽音発生装置
は、右チャネルで発音すべき楽音と左チャネルで発音す
べき楽音との和でなる楽音の波形データを記憶する第1
の記憶手段と、右チャネルで発音すべき楽音と左チャネ
ルで発音すべき楽音との差でなる楽音の波形データを記
憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶さ
れた波形データに基づき和楽音信号を生成し、前記第2
の記憶手段に記憶された波形データに基づき差楽音信号
を生成する楽音信号生成手段と、該楽音信号生成手段で
生成された前記和楽音信号と前記差楽音信号との和を求
める加算手段と、前記楽音信号生成手段で生成された前
記和楽音信号と前記差楽音信号との差を求める減算手
段、とを具備したことを特徴とする。
【0025】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項2に記載された発明の楽音発生装置は、右チャネ
ルで発音すべき楽音と左チャネルで発音すべき楽音との
和でなる楽音の波形データを記憶する第1の記憶手段
と、右チャネルで発音すべき楽音と左チャネルで発音す
べき楽音との差でなる楽音の波形データを記憶する第2
の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された波形デ
ータに基づき和楽音信号を生成し、前記第2の記憶手段
に記憶された波形データに基づき差楽音信号を生成する
楽音信号生成手段と、該楽音信号生成手段で生成された
前記差楽音信号を、所定の制御信号に応じて加工する加
工手段と、該加工手段の出力信号と前記楽音信号生成手
段で生成された前記和楽音信号との和を求める加算手段
と、前記加工手段の出力信号と前記楽音信号生成手段で
生成された前記和楽音信号との差を求める減算手段、と
を具備したことを特徴とする。
【0026】
【作用】請求項1に記載の発明においては、第1の記憶
手段には左右両チャネルで発音すべき楽音の和をとった
楽音の波形データ(R+L)を記憶せしめ、第2の記憶
手段には左右両チャネルで発音すべき楽音の差をとった
波形データ(R−L)を記憶せしめておく。
【0027】そして、楽音信号生成手段において、第1
の記憶手段に記憶された楽音波形データに基づいて和楽
音信号(R+L)を生成し、第2の記憶手段に記憶され
た波形データに基づいて差楽音信号(R−L)を生成す
る。
【0028】ステレオ演奏の場合は、上記和楽音信号
(R+L)と差楽音信号(R−L)とを加算手段で加算
した信号[(R+L)+(R−L)=2R]を右チャネ
ルの楽音信号とする。また、和楽音信号(R+L)と差
楽音信号(R−L)とを減算手段で減算した信号[(R
+L)−(R−L)=2L]を左チャネルの楽音信号と
して用いる。
【0029】また、モノラル演奏の場合は、上記楽音信
号生成手段が出力する和楽音信号(R+L)をそのまま
モノラルの楽音信号として用いる。
【0030】これにより、従来と同じ楽音波形データの
量でステレオ演奏及びモノラル演奏が実現できると共
に、モノラル演奏の場合は、音源が有する全オシレータ
をモノラルの発音に割り当てることができるので、オシ
レータの数に対応したポリフォニック数を確保でき、ポ
リフォニック数が半減するという欠点を除去できるもの
となっている。
【0031】また、請求項2に記載の発明は、上記差楽
音信号(R−L)はステレオ効果の広がり成分を担うと
いう特性に着目してなされたものである。即ち、請求項
2に記載の発明においては、上記請求項1記載の発明と
同様の構成において、楽音信号生成手段が出力する差楽
音信号(R−L)に、加工手段で所定の加工を施して加
算手段及び減算手段に供給するようにしている。
【0032】加工手段としては、例えば乗算器を用いる
ことができる。加工手段は、差楽音信号(R−L)と所
定の制御信号とを例えば乗算することにより、差楽音信
号(R−L)の大きさを変える。
【0033】これにより、例えば上記所定の制御信号の
大小を操作パネルから制御できるようにすれば、ステレ
オ効果の広がり感を任意に調整できる楽音発生装置を実
現できる。
【0034】また、加工手段として、例えば遅延回路を
用いることができる。加工手段は、差楽音信号(R−
L)を、所定の制御信号に応じて遅延させることによ
り、差楽音信号(R−L)の位相を変える。
【0035】これにより、例えば上記所定の制御信号の
大小を操作パネルから制御して遅延時間を変更できるよ
うにすれば、ステレオ効果の広がり感は一定であるが、
音の奥行き感を任意に調整できる楽音発生装置を実現で
きる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の楽音発生装置の実施例につき
図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、
ステレオ/モノラル演奏機能に関する構成及び動作を主
体に説明する。
【0037】図1は、本発明に係る楽音発生装置が適用
された電子楽器の概略構成を示すブロック図である。本
電子楽器を構成する、CPU10、ROM11、ランダ
ムアクセスメモリ(以下、「RAM」という)12、パ
ネルスキャン回路13、キースキャン回路15及び楽音
発生装置17の各要素は、アドレスバス及びデータバス
でなるシステムバス18を介して相互に接続されてい
る。
【0038】CPU10は、ROM11に格納されてい
る制御プログラムに従って、当該電子楽器の全体を制御
するものである。例えば、CPU10は、キーボード1
6のキーの押下に伴って発音チャネルを割り当てるアサ
イナー処理、楽音発生装置17の音源21に対するアク
セス処理等を実行する。
【0039】ROM11には、上述したCPU10を動
作させるための制御プログラムが記憶される他、CPU
10が各種処理に用いる種々の固定データが記憶され
る。このROM11の記憶内容は、システムバス18を
介してCPU10によりアクセスされる。即ち、CPU
10は、システムバス18を用いてROM11から制御
プログラム(命令)を読み出して解釈・実行すると共
に、所定の固定データを読み出して演算処理に使用す
る。
【0040】RAM12は、制御プログラムの実行に必
要な種々のデータを一時記憶するものであり、例えばデ
ータバッファ、レジスタ、フラグ等の各領域が定義され
る。後述するキーボード16からキースキャン回路15
を経由して取り込んだキーデータや、操作パネル14か
らパネルスキャン回路13を経由して取り込んだパネル
スイッチデータ等もこのRAM12に一時的に記憶され
る。このRAM12の記憶内容も、システムバス18を
介してCPU10によりアクセスされる。
【0041】操作パネル14は、本電子楽器に各種動作
を指示するスイッチ類、設定すべき数値を入力する数値
入力装置及び所定の情報を表示する表示器(何れも図示
しない)等から構成されている。上記スイッチ類には、
音色を切り換える音色切換スイッチ、音量を変更するボ
リュームスイッチ、ステレオ効果の広がり程度を制御す
るステレオ効果スイッチ等が含まれる。
【0042】また、数値入力装置は、電子楽器に設定す
べき各種パラメータを数値で入力するために使用される
ものであり、例えばダイヤルやテンキーで実現される。
表示器は、例えばLCDで構成されるものであり、CP
U10の制御により、各種メッセージや当該電子楽器の
状態を表示するために使用される。
【0043】この操作パネル14は、パネルスキャン回
路13を介してシステムバス18に接続される。
【0044】パネルスキャン回路13は、上記操作パネ
ル14の各スイッチのオン/オフ状態をスキャンし、パ
ネルスイッチデータとしてシステムバス18を介してC
PU10に送出する。パネルスキャン回路13で検出さ
れたパネルスイッチデータは、CPU10の制御の下、
RAM12に記憶され、各種処理のトリガーに使用され
る。
【0045】キーボード16は、演奏者が楽音の音程を
指示するキー、及びこのキーに連動して開閉するキース
イッチにより構成される。このキーボード16はキース
キャン回路15に接続される。
【0046】キースキャン回路15は、キーボード16
のキースイッチの状態をスキャンし、オン又はオフにさ
れたキーのキーナンバを出力すると共に、当該キーの押
下の強さ(押下速度)を検出してタッチデータとして出
力する。このキーナンバ及びタッチデータは、システム
バス18を介してCPU10に送られ、CPU10の制
御の下にRAM12に記憶される。
【0047】このRAM12に記憶されたキーナンバ及
びタッチデータは、所定のタイミングで楽音発生回路1
7に与えられ、キーオン/キーオフに伴う発音処理等に
用いられる。
【0048】楽音発生装置17の第1の実施例は、図1
に示すように、第1の記憶手段としての波形メモリ20
a、第2の記憶手段としての波形メモリ20b、楽音信
号生成手段としての音源21、D/A変換器22a及び
22b、加算手段としての加算器23a並びに減算手段
としての加算器23bから構成される。
【0049】波形メモリ20a及び20bは、例えばR
OMで構成されるものであり、パルスコード変調(PC
M)された楽音波形データが記憶されるものである。こ
の波形メモリ20a及び20bには、複数の音色を実現
するべく、各音色に対応した複数種類の楽音波形データ
が記憶されている。
【0050】波形メモリ20aには、左チャネルで発音
すべき音と右チャネルで発音すべき音との和をとった楽
音、つまりモノラルの楽音に対応する楽音波形データ
(R+L)が記憶されている。波形メモリ20bには、
左チャネルで発音すべき音と右チャネルで発音すべき音
との差をとった楽音の楽音波形データ(R−L)が記憶
されている。
【0051】音源21は、例えば16個のオシレータを
備えており、CPU10から送られてきた音程を示すキ
ーナンバや音量を指示するタッチデータ等の楽音データ
に基づいて、各オシレータが時分割で動作してデジタル
楽音信号を発生するものである。
【0052】即ち、操作パネル14の音色切換スイッチ
により選択された音色に対応する音色番号がCPU10
から送られてくるので、この音色番号に対応する波形メ
モリ20a及び20b中の所定の楽音波形データを選択
する。
【0053】そして、上記波形メモリ20a及び20b
中の選択された楽音波形データ(R+L)及び楽音波形
データ(R−L)を、CPUから送られてくるキーナン
バに応じた速度で交互に時分割で読み出す。そして、読
み出された楽音波形データに所定のフィルタ処理を施
し、更にCPU10から送られてくるタッチデータに基
づいてエンベロープを付加し、それぞれ和楽音信号とし
てのデジタル楽音信号Md及び差楽音信号としてのデジ
タル楽音信号Sdを出力する。
【0054】音源21で生成されたデジタル楽音信号M
dはD/A変換器22aに、デジタル楽音信号SdはD
/A変換器22bにそれぞれ供給される。
【0055】D/A変換器22a及び22bは、音源2
1から供給されたデジタル楽音信号Md及びSdを、そ
れぞれアナログ楽音信号Ma及びSaに変換する。そし
て、D/A変換器22aが出力するアナログ楽音信号M
aは加算器23a及び加算器23bの各一方の入力に供
給される。
【0056】このD/A変換器22aが出力するアナロ
グ楽音信号Maは、左右両チャネルで発音すべき楽音の
和をとった楽音信号(R+L)、換言すればモノラルの
楽音信号である。従って、このアナログ楽音信号Ma
は、モノラル楽音信号としてそのままこの楽音発生装置
17から出力される。
【0057】また、D/A変換器22bが出力するアナ
ログ楽音信号Saは、加算器23a及び加算器23bの
各他方の入力に供給される。
【0058】加算器23aは、上記D/A変換器22a
が出力するアナログ楽音信号MaとD/A変換器22b
が出力するアナログ楽音信号Saとを加算する加算器で
ある。従って、この加算器23aの出力信号SRaは、
楽音波形データ(R+L)と楽音波形データ(R−L)
とを加算した楽音波形データ[(R+L)+(R−L)
=2R]、つまり右チャネル用の楽音波形データ(R)
に基づき生成されるアナログ楽音信号に等しい。このア
ナログ楽音信号SRaは、右チャネルのステレオ楽音信
号としてこの楽音発生装置17から出力される。
【0059】加算器23bは、上記D/A変換器22a
が出力するアナログ楽音信号MaからD/A変換器22
bが出力するアナログ楽音信号Saを減算するための加
算器である。従って、この加算器23bの出力信号SL
aは、楽音波形データ(R+L)から楽音波形データ
(R−L)を減算した楽音波形データ[(R+L)−
(R−L)=2L]、つまり左チャネル用の楽音波形デ
ータ(L)に基づき生成されるアナログ楽音信号に等し
い。このアナログ楽音信号SLaは、左チャネルのステ
レオ楽音信号としてこの楽音発生装置17から出力され
る。
【0060】この楽音発生装置17から出力されるステ
レオ楽音信号SRa及びSLa、並びにモノラル楽音信
号Maは、図示しない増幅器に供給されて所定の増幅率
で増幅され、図示しないスピーカに供給される。そし
て、電気信号としてのアナログ楽音信号SRa、SL
a、又はMaは音響に変換される。これにより、キーボ
ード16のキー操作に対応した楽音が放音されることに
なる。
【0061】かかる構成では、ステレオ演奏時はポリフ
ォニック数は「8」であるが、モノラル演奏時はポリフ
ォニック数を「16」とすることができるので、従来の
ようにモノラル演奏時にポリフォニック数が「8」に半
減する事態を回避でき、より多くの音を使用した豊かな
演奏ができるものとなる。
【0062】楽音発生装置17の第2の実施例は、図2
に示すように、第1の記憶手段としての波形メモリ20
a、第2の記憶手段としての波形メモリ20b、楽音信
号生成手段としての音源21、D/A変換器22a及び
22b、加算手段としての加算器23a、減算手段とし
ての加算器23b並びに加工手段としての乗算器24か
ら構成される。
【0063】この実施例は、D/A変換器22bの出力
側に乗算器24を設けた点を除けば上記第1の実施例と
同一の構成である。従って、同一部分には同一符号を付
して説明は省略し、相違する部分についてのみ説明す
る。
【0064】乗算器24は、D/A変換器22bの出力
を一方の入力とし、外部から供給される所定の制御信号
としての広がり制御信号を他方の入力として乗算を行う
ものである。この乗算器24の出力信号Sa’は、上記
第1の実施例の場合と同様に、加算器23a及び23b
のそれぞれ他方の入力に供給される。
【0065】上記広がり制御信号は、例えば操作パネル
14のステレオ効果スイッチに連動してその値が変動す
るように構成される。かかる構成は、換言すれば楽音波
形データ(R−L)の大きさを、ステレオ効果スイッチ
に応じて制御して加算器23a及び23bに与えること
を意味する。
【0066】ところで、上記楽音波形データ(R−L)
に基づき生成される楽音信号は、左右両チャネルの楽音
の差、つまりステレオの広がり感を与える要素を含む信
号として、例えばステレオ放送の分野等で知られてい
る。即ち、この信号値が大きければステレオの広がり感
が大きくなり、逆に小さければステレオの広がり感が小
さくなる。
【0067】従って、この第2の実施例によれば、楽音
波形データ(R−L)に基づき生成される楽音信号のみ
を、例えば操作パネル14に設けられたステレオ効果ス
イッチで制御するという簡単な構成であるにも拘わら
ず、演奏者の好みに応じたステレオの広がり感を任意に
設定できるので、臨場感のある演奏を実現できるものと
なっている。
【0068】この第2の実施例では、乗算器24をD/
A変換器22bの出力段に設け、D/A変換器22bが
出力するアナログ信号Saと広がり制御信号(アナログ
信号)とをアナログ乗算して出力する構成としたが、乗
算器を音源21とD/A変換器22bの間に設けてデジ
タル乗算を行うように構成しても良い。
【0069】楽音発生装置17の第3の実施例は、図3
に示すように、第1の記憶手段としての波形メモリ20
a、第2の記憶手段としての波形メモリ20b、楽音信
号生成手段としての音源21、D/A変換器22a及び
22b、加算手段としての加算器23a、減算手段とし
ての加算器23b並びに加工手段としての遅延回路25
から構成される。
【0070】この実施例は、D/A変換器22bの出力
側に遅延回路25を設けた点を除けば上記第1の実施例
と同一の構成である。従って、同一部分には同一符号を
付して説明は省略し、相違する部分についてのみ説明す
る。
【0071】遅延回路25は、外部から供給される所定
の制御信号としての広がり制御信号を遅延時間を指定す
る信号として用い、D/A変換器22bの出力信号Sa
を上記広がり制御信号で指定された時間だけ遅延せしめ
て出力するものである。この遅延回路25の出力信号S
a”は、上記第1の実施例の場合と同様に、加算器23
a及び23bのそれぞれ他方の入力に供給される。
【0072】上記広がり制御信号は、例えば操作パネル
14の所定のスイッチに連動してその値が変動するよう
に構成される。かかる構成は、換言すれば楽音波形デー
タ(R−L)の位相を、所定のスイッチに応じて制御し
て加算器23a及び23bに与えることを意味する。
【0073】従って、この第3の実施例によれば、ステ
レオ効果の広がり感は一定であるが、楽音波形データ
(R−L)に基づいて生成される楽音信号を、例えば操
作パネル14に設けられた所定のスイッチで制御すると
いう簡単な構成で、演奏者の好みに応じて楽音の奥行き
感を任意に設定できるので、臨場感のある演奏を実現で
きるものとなっている。
【0074】この第3の実施例では、遅延回路25をD
/A変換器22bの出力段に設け、D/A変換器22b
が出力するアナログ信号Saを、広がり制御信号(アナ
ログ信号)に応じて遅延せしめて出力する構成とした
が、遅延回路を音源21とD/A変換器22bとの間に
設けてデジタル信号を遅延させるように構成しても良
い。
【0075】なお、上記第1〜第3の実施例では、波形
メモリ20bに記憶する楽音波形データを、右チャネル
用の楽音波形データ(R)から左チャネル用の楽音波形
データ(L)を減算した楽音波形データ(R−L)を記
憶する構成としたが、左チャネル用の楽音波形データ
(L)から右チャネル用の楽音波形データ(R)を減算
した楽音波形データ(L−R)を記憶する構成としても
良い。
【0076】この場合、加算器23aから左チャネル用
のステレオ楽音信号が出力され、加算器23bから右チ
ャネル用のステレオ楽音信号が出力されることになる
が、同一のステレオ効果を実現することができる。
【0077】また、上記第1〜第3の実施例では、D/
A変換器22a及び22bでアナログ信号に変換された
後の楽音信号を、それぞれ加算及び減算する構成とした
が、音源21の出力側にデジタル信号処理装置(DS
P)を設け、このデジタル信号処理装置において加算及
び減算処理を行うように構成しても良い。
【0078】即ち、デジタル信号処理装置は、音源21
が出力するデジタル楽音信号MdとSdの加算を行って
右チャネル用のデジタル楽音信号を生成し、減算を行っ
て左チャネル用のデジタル楽音信号を生成する。そし
て、これらをD/A変換器でアナログ信号に変換して、
それぞれ右チャネル用のステレオ楽音信号SRa、左チ
ャネル用のステレオ楽音信号SLaとして出力するよう
に構成しても良い。
【0079】更に、上記第1〜第3の実施例では、音源
21で楽音波形データ(R+L)及び楽音波形データ
(R−L)に付加するエンベロープは、タッチデータに
基づく同一のエンベロ−プとしたが、それぞれ異なるエ
ンベロ−プを付加するように構成しても良い。
【0080】かかる構成とすることにより、付加された
エンベロ−プの時間的な変化に応じて広がりの変化が異
なる楽音を得ることができるという効果がある。この場
合、エンベロ−プの特性は、キータッチの強弱、発音す
べき楽音の音域、発音すべき音の音色等に応じて決定す
るように構成することができる。
【0081】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
楽音波形データ(R+L)と楽音波形データ(R−L)
を備えるだけでモノラル及びステレオ演奏が可能とな
り、また、モノラル演奏時には多くのポリフォニック数
を確保できる楽音発生装置を提供できる。
【0082】また、楽音波形データ(R−L)に基づき
生成される楽音信号のみをを制御するという簡単な構成
でステレオの広がり感を任意に制御できる楽音発生装置
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る楽音発生装置の第1の実施例が適
用された電子楽器の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る楽音発生装置の第2の実施例の構
成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る楽音発生装置の第3の実施例の構
成を示すブロック図である。
【図4】従来のモノラル出力を有する楽音発生装置を説
明するための図である。
【図5】従来のステレオ出力及びモノラル出力を有する
楽音発生装置を説明するための図である。
【符号の説明】
10 CPU 11 ROM 12 RAM 13 パネルスキャン回路 14 操作パネル 15 キースキャン回路 16 キーボード 17 楽音発生装置 18 システムバス 20a、20b 波形メモリ 21 音源 22a、22b D/A変換器 23a、23b 加算器 24 乗算器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 右チャネルで発音すべき楽音と左チャネ
    ルで発音すべき楽音との和でなる楽音の波形データを記
    憶する第1の記憶手段と、 右チャネルで発音すべき楽音と左チャネルで発音すべき
    楽音との差でなる楽音の波形データを記憶する第2の記
    憶手段と、 前記第1の記憶手段に記憶された波形データに基づき和
    楽音信号を生成し、前記第2の記憶手段に記憶された波
    形データに基づき差楽音信号を生成する楽音信号生成手
    段と、 該楽音信号生成手段で生成された前記和楽音信号と前記
    差楽音信号との和を求める加算手段と、 前記楽音信号生成手段で生成された前記和楽音信号と前
    記差楽音信号との差を求める減算手段、 とを具備したことを特徴とする楽音発生装置。
  2. 【請求項2】 右チャネルで発音すべき楽音と左チャネ
    ルで発音すべき楽音との和でなる楽音の波形データを記
    憶する第1の記憶手段と、 右チャネルで発音すべき楽音と左チャネルで発音すべき
    楽音との差でなる楽音の波形データを記憶する第2の記
    憶手段と、 前記第1の記憶手段に記憶された波形データに基づき和
    楽音信号を生成し、前記第2の記憶手段に記憶された波
    形データに基づき差楽音信号を生成する楽音信号生成手
    段と、 該楽音信号生成手段で生成された前記差楽音信号を、所
    定の制御信号に応じて加工する加工手段と、 該加工手段の出力信号と前記楽音信号生成手段で生成さ
    れた前記和楽音信号との和を求める加算手段と、 前記加工手段の出力信号と前記楽音信号生成手段で生成
    された前記和楽音信号との差を求める減算手段、 とを具備したことを特徴とする楽音発生装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100416932B1 (ko) * 1995-09-29 2004-06-12 야마하 가부시키가이샤 악음발생장치,악음발생방법및기억매체
KR100484240B1 (ko) * 1997-01-31 2005-08-17 야마하 가부시키가이샤 악음발생장치및방법

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3101057U (ja) * 2003-10-17 2004-06-03 智次 渡部 植栽ブロック

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