JPH08123410A - 電子楽器の音響効果付加装置 - Google Patents

電子楽器の音響効果付加装置

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JPH08123410A
JPH08123410A JP6281564A JP28156494A JPH08123410A JP H08123410 A JPH08123410 A JP H08123410A JP 6281564 A JP6281564 A JP 6281564A JP 28156494 A JP28156494 A JP 28156494A JP H08123410 A JPH08123410 A JP H08123410A
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JP
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localization
feeling
tone
sound
frequency band
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Application number
JP6281564A
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Inventor
Hiroshi Kitagawa
弘志 北川
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、一音色のみ発音した場合であって
も自然な定位感と拡がり感を表現できる電子楽器の音響
効果付加装置を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、周波数分割方式の電子楽器におい
て、各周波数帯域別に楽音信号を発生する楽音信号発生
手段と、発生した各音色の周波数帯域別の楽音信号を、
各周波数帯域の左右チャンネル別に合成する合成手段A
と、合成された左右の各周波数帯域ごとの楽音信号に定
位感を付加する定位付加手段と、定位感を付加された楽
音信号を、左右の出力先ごとの楽音信号に合成する合成
手段Bとで構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のデジタルコント
ロールオシレータ(以下DCOという)を有する周波数
分割方式の電子楽器において、各周波数帯域ごとに左右
の音量バランスを制御して自然な定位感と拡がり感を表
現できる電子楽器の音響効果付加装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は左右のスピーカから発音される音
量と定位感の関係を説明する図である。以下図面を参照
しながら説明する。
【0003】図6(a)は、キーのノート位置に応じた
定位感を表現するために制御されるノート位置と左右の
スピーカから放音される音量との関係を説明する図であ
る。
【0004】図において実線は、押鍵されたキーのノー
ト位置に応じて左側スピーカから発音される音量を示
し、破線は右側スピーカから発音される音量を示してい
る。
【0005】例えば、低音側のキーを押下した場合は左
側スピーカからより多くの音量を放音し、右側のスピー
カからの音量は少なくなるように制御される。
【0006】一方、高音側のキーを押下した場合は逆に
右側スピーカから多く発音され、左側スピーカからは少
なく発音されるように制御される。
【0007】これにより、図6(b)に示すように音源
の定位感は、低音側のキーを押下した場合は音源が左側
に、高音側を押下した場合は音源が右側にあるように聴
こえる。
【0008】図7は、タッチの強さに基づき周波数帯域
別に発音される音量を制御して音色の変化を表現する従
来の制御方式を説明する図である。
【0009】例えば強打の場合は図の実線で示すように
各音域とも同じ音量で発音させるのに対して、弱打の場
合は、図の破線で示すように、打鍵の強さに応じて高域
になるほど発音される音量が強く制御される。
【0010】これにより、音域の高い部分はフィルタが
かけられたように聴こえ、タッチに応じた微妙な音色の
変化が表現可能となっている。しかしながら、この制御
方式はタッチに応じて音色が変化し、音の定位感は各ノ
ートに応じて定位するものの画一的であり表現力に欠け
るという欠点がある。
【0011】図8は上記の方式を用いた従来の電子楽器
の全体構成図である。以下図面を参照しながら従来技術
について説明する。なお各部の基本構成及び機能は本発
明とほぼ同じであるので、細部については本発明の実施
例と同一番号を付し、本発明の実施例で詳述する。
【0012】図8に示すように、従来の周波数分割方式
の電子楽器は、各周波数帯域別の楽音信号発生部9a,
9b,9cで発生された楽音信号は、左右の加算器10
R,10Lで左右別々の楽音信号に合成される。
【0013】続いて、左右の乗算器11R,11Lで左
右別々にパン効果PAN−R,PAN−Lが加えられ
る。しかしながら、折角周波数帯域別に生成された楽音
信号も、パン効果を加える段階では楽音信号の周波数帯
域に関係なく加算された後に単一の効果が付加されるこ
とになる。
【0014】このため、例えば1音を発した場合は、周
波数帯域に関係なく全て同じ位置から発音されたように
聴こえてしまい拡がり感が得られない。
【0015】また、拡がり感を付加する場合も同様であ
る。即ち、左右の乗算器11R,11Lで左右別々にパ
ン効果を付加された楽音信号に拡がり感付加回路12に
より生成された拡がり感が左右別々に付加される。
【0016】しかしながら、この場合も上記と同様に音
源の周波数帯域に関係なく同一の拡がり感が付加される
ため、1音を発音した場合は周波数帯域に関係なく同じ
拡がり感しか聴こえてこない。
【0017】しかしながら、生の楽器、例えばアコース
ティクピアノの場合は、鍵が押下されると対応する打鍵
された弦が振動して音を発するとともに響板も共鳴して
音を発している。
【0018】従って、高い周波数の音は高音側で多く鳴
り、低い周波数の音は低音側で多く鳴るが、音はピアノ
全体から聴こえてくる。しかも、その鳴り方は周波数帯
域に応じて異なるので、定位感が変化して微妙な拡がり
感が表現される。
【0019】このため、もっと生の楽器に近い自然な定
位感や拡がり感を表現できる楽器が求められている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたもので、一音色のみ発音した場合であっても
自然な定位感と拡がり感を表現できる電子楽器の音響効
果付加装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、周波数分
割方式の電子楽器において、各周波数帯域別に楽音信号
を発生する楽音信号発生手段9a,9b,9cと、前記
楽音信号発生手段9a,9b,9cの発生した各音色の
周波数帯域別の楽音信号を、各周波数帯域の左右チャン
ネル別に合成する合成手段A10Ra,10Rb,10
Rc,10La,10Lb,10Lcと、前記合成手段
A10Ra,10Rb,10Rc,10La,10L
b,10Lcが合成した左右の各周波数帯域ごとの楽音
信号に定位感を付加する定位付加手段11Ra,11R
b,11Rc,11La,11Lb,11Lcと、前記
定位付加手段11Ra,11Rb,11Rc,11L
a,11Lb,11Lcにより定位感を付加された楽音
信号を、左右の出力先ごとの楽音信号に合成する合成手
段B13R,13Lとで構成される。
【0022】第2の発明は上記第1の発明において、前
記定位付加手段11Ra,11Rb,11Rc,11L
a,11Lb,11Lcにより付加される定位信号は、
各周波数帯域別に設けられた定位決定テーブルを参照し
て決定されるように構成される。
【0023】第3の発明は上記第1の発明において、前
記定位付加手段11Ra,11Rb,11Rc,11L
a,11Lb,11Lcにより付加される定位は、各周
波数帯域別に設けられた定位決定関数により決定される
ように構成される。
【0024】第4の発明は上記第1乃至第3の発明にお
いて、前記定位付加手段11Ra,11Rb,11R
c,11La,11Lb,11Lcにより定位が付加さ
れた楽音信号に、さらに、各周波数帯域別に音の拡がり
感を付加する拡がり感付加手段12a,12b,12c
を具備して構成される。
【0025】第5の発明は上記第1乃至第4の発明にお
いて、前記定位付加手段11Ra,11Rb,11R
c,11La,11Lb,11Lc、拡がり感付加手段
12a,12b,12cにより付加される定位感や拡が
り感は、音色、タッチの強さ、音域により制御されるよ
うに構成される。
【0026】
【作用】第1の発明は、例えば電子ピアノで行われてい
る3DCOの波形(周波数分割)の合成による音源にお
いて、パンポットによりステレオ感を得るときに、各D
CO毎のパンポットバランスを制御して自然なステレオ
感のある楽音を得るものである。
【0027】このため、楽音信号発生手段9a,9b,
9cにより発生された各音色の楽音信号を、合成手段A
10Ra,10Rb,10Rc,10La,10Lb,
10Lcにより左右の各周波数帯域別に累積加算する。
【0028】次いで定位付加手段11Ra,11Rb,
11Rc,11La,11Lb,11Lcにより定位を
決定する制御値を決定しこれを付加し、前記加算された
楽音信号の左右チャネル間の音量バランスを制御して定
位感を付加する。
【0029】さらに、合成手段B13R,13Lにより
左右の各周波数帯域別の楽音信号を、左右の出力先別の
楽音信号に合成して出力するものである。
【0030】これにより、単一の発音でも周波数帯域ご
とに異なった定位感が付加されるので、拡がり感のある
音の表現が可能となる。
【0031】第2の発明は、前記第1の発明において、
前記定位付加手段11Ra,11Rb,11Rc,11
La,11Lb,11Lcにより付加される定位信号
は、定位決定テーブルを参照して決定するものである。
このため、定位決定用テーブルがROM上に各周波数帯
域別に設けられている。
【0032】第3の発明は上記第1の発明において、前
記定位付加手段11Ra,11Rb,11Rc,11L
a,11Lb,11Lcにより付加される定位感の制御
値はは、各周波数帯域別に設けられた定位決定関数を演
算することによりにより求められる。
【0033】これにより、第2の発明のように各ポイン
トごとの定位決定用のデータをテーブルにして持つ必要
はなく、メモリの節減が可能となる。また、データの変
更修正は関数式を訂正するだけでよいので、変更修正が
容易となる。
【0034】第4の発明は、上記第1乃至第3の発明に
おいて、前記定位付加手段11Ra,11Rb,11R
c,11La,11Lb,11Lcにより定位が付加さ
れた楽音信号に、各周波数帯域別に音の拡がり感を付加
する拡がり感付加手段12a,12b,12cを具備し
たものである。
【0035】これにより、上記第1乃至第3の発明にお
いて付加された周波数帯域別の定位信号に、音源の定位
感を曖昧にした楽音信号が、左右の各周波数帯域別に加
えられるので、定位の定まらぬ微妙な拡がり感が各周波
数帯域別に付加され、音の拡がり感はさらに増大する。
【0036】第5の発明は上記第1乃至第4の発明にお
いて、前記定位付加手段11Ra,11Rb,11R
c,11La,11Lb,11Lcや拡がり感付加手段
12a,12b,12cにより付加される制御値は、音
色、タッチの強さ、音域により制御される。
【0037】これにより、音色、タッチの強さ、音域等
の要因による音像の定位の表現が可能になるので、演奏
目的や演奏者の感覚に適応した音像の定位感や拡がり感
の制御が可能となり、融通性のある電子楽器の音響効果
付加装置が提供できる。
【0038】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例の電子楽器の全
体構成図である。以下、本発明の実施例につき、図面を
参照しながら説明する。
【0039】図において、CPU1は、ROM6のプロ
グラムメモリ部に記憶された制御プログラムを、アドレ
スバス及びデータバスを介して順次読み出して実行する
ことにより、この電子楽器の各部を制御するものであ
る。
【0040】即ち、CPU1はタッチセンサ3で得られ
たキータッチや、パネルスキャン5で得られた音色等の
パラメータを、発音開始指令、発音終了指令又は音色変
更指令等に変換し、インタフェース回路を介して楽音信
号発生部9a,9b,9cに与え発音を制御する。
【0041】なお、この発明の特徴である各周波数帯域
の左右チャンネルごとの音量バランスの制御は該CPU
1が行う。
【0042】キーボード2は、演奏者の押鍵・離鍵動作
をCPU1に伝えるキーおよびキースイッチの集合体で
あり、複数のキーと、これらのキーの押鍵・離鍵動作に
連動して開閉するキースイッチと、これらキースイッチ
の開閉状態を検出するキースキャン回路等を含んでい
る。
【0043】タッチセンサ3はキーボード2に対してス
キャン信号を送出し、前記キーボード2は、このスキャ
ン信号に応答してキースイッチの開閉状態を示す信号を
タッチセンサ3に返送する。
【0044】キーボード2からの信号を受けたタッチセ
ンサ3は、キースイッチの開閉状態を示す信号から、押
鍵又は離鍵されたキーの鍵番号及び押鍵又は離鍵の速度
を示すタッチデータを生成し、得られたベロシティデー
タをCPU1に送出する。
【0045】なお、タッチセンサ3からCPU1へのデ
ータ転送は、該タッチセンサ3がCPU1に対し、キー
ボード2のイベントがあった旨の割り込みをかけること
により行われる。
【0046】4は操作パネル部であり、モード選択スイ
ッチや各種楽器に対応する音色を選択する音色選択スイ
ッチ、音量コントロールスイッチ等の各種スイッチ、及
び当該電子楽器の状態を表示するLED表示器等が設け
られている(いずれも図示しない)。
【0047】前記操作パネル部4に内蔵されたパネルス
キャン回路5は、上記操作パネル部4に設けられた各ス
イッチのセット/リセット状態を調べ、オン(ON)状
態になっているパネルスイッチデータを検出してCPU
1の制御の下にRAM7に記憶させる。
【0048】ROM6は、上述したように、CPU1の
制御プログラムが格納される他、音色データ等CPU1
が使用する種々の固定データが記憶される。このROM
6には、楽音信号発生部9a,9b,9cの内部のオシ
レータが読み出す楽音波形データも記憶されている。
【0049】さらに、該ROM6には各オシレータが発
生する楽音の左右のバランスを制御するパンポットデー
タ21が各周波数帯域別に記憶されている。
【0050】RAM7は、CPU1が取り扱うデータを
一時的に記憶するものであり、当該電子楽器を制御する
ための各種レジスタ、カウンタ、フラグ等が定義されて
いる。また、CPU1が使用するワークエリア、ステー
タス情報、制御情報を記憶するレジスタ等が割り当てら
れている。
【0051】なお、このRAM7には、発音に必要な音
色データ、楽音信号発生部9a,9b,9cの内部のオ
シレータが所定のタイミングになると読み出す楽音波形
データを一時記憶する領域が設けられている。
【0052】波形メモリ8a,8b,8cはROM6の
一部であり、音色や音域に対応した複数種類の楽音波形
データを各周波数帯域別に記憶するものである。各音色
ごとの楽音波形データは、波形の読出開始アドレス、繰
り返し先頭アドレス及び繰り返し終了アドレスで特定さ
れる。
【0053】楽音信号発生部9a,9b,9cは、CP
U1からの発音開始指令を受けて楽音波形データ及びエ
ンベロープデータを波形メモリ8a,8b,8cから読
み出し、読み出した楽音波形データにエンベロープを付
加して楽音信号として出力する。
【0054】また、CPU1からの発音終了指令を受け
て、楽音波形データ及びエンベロープデータの波形メモ
リ8a,8b,8cからの読み出しを停止する。このた
め、楽音信号発生部9a,9b,9cには波形データや
エンベロープデータを記憶する波形メモリ8a,8b,
8cが各周波数帯域別に接続されている。
【0055】なお、該楽音信号発生部9a,9b,9c
は、CPU1の制御のもとに楽音信号を発生するための
オシレータが左右の各周波数帯域別に複数個収められて
おり、時分割に楽音を発生し、この楽音信号を加算器1
0Ra,10Rb,10Rc,10La,10Lb,1
0Lc に供給する。
【0056】加算器10Ra,10Rb,10Rc,1
0La,10Lb,10Lc は、各周波数帯域別の複
数のオシレータより、各チャネルごとに時分割で与えら
れた音色別の波形データを、各周波数帯域の左右のチャ
ンネル別に累積加算して、周波数帯域別に左右一組の楽
音波形を得るものである。
【0057】このため、該加算器10Ra,10Rb,
10Rc,10La,10Lb,10Lc は、各周波
数帯域及び左右別々に用意されている。
【0058】乗算器11Ra,11Rb,11Rc,1
1La,11Lb,11Lc は、前記各加算器10R
a,10Rb,10Rc,10La,10Lb,10L
cで、各周波数帯域の左右のチャンネル別に累積加算さ
れた楽音信号にパン効果を乗算することにより、周波数
帯域別に音量バランスの変化を与えるものである。
【0059】なお、該乗算器11Ra,11Rb,11
Rc,11La,11Lb,11Lcに与えられるパン
効果の乗算係数PAN−Ra,PAN−Rb,PAN−
Rc,PAN−La,PAN−Lb,PAN−Lcにつ
いては図3で説明する。
【0060】加算器13R,13Lは、前記乗算器11
Ra,11Rb,11Rc,11La,11Lb,11
Lc でパン効果が与えられた左右の周波数帯域別の楽
音信号を、左右の出力別の楽音信号に合成するものであ
る。該加算器13R,13Lで加算された音は、左右そ
れぞれのデジタル/アナログ変換器(以下DACとい
う)14R,14Lに送られる。
【0061】DAC14R,14Lは、入力された左右
両チャネル用のデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に
変換するものである。このDAC14R,14Lで変換
された左右両チャネル用のアナログ楽音信号は、図示し
ない左右の増幅器を通じて左右のスピーカに送られ放音
される。
【0062】かかる構成により、周波数帯域別に楽音信
号発生部9a,9b,9cにより生成された各音色ごと
の楽音信号は、左右の各周波数帯域別に設けられた加算
器10Ra,10Rb,10Rc,10La,10L
b,10Lc に送られ、左右の各周波数帯域ごとの信
号に合成される。
【0063】合成された楽音信号は、乗算器11Ra,
11Rb,11Rc,11La,11Lb,11Lcで
左右の各周波数帯域別にパン効果PAN−Ra,PAN
−Rb,PAN−Rc,PAN−La,PAN−Lb,
PAN−Lcが与えられる。
【0064】これにより、各周波数帯域ごとに異なった
音量バランスが与えられ、さらに、各周波数帯域ごとの
楽音信号は加算器13R,13Lで左右の出力に合成さ
れることになる。
【0065】これにより、各音域ごとに異なった基準で
音量バランスが制御されるので、自然で拡がり感のある
音が生成される。従って、1音の発音でも周波数帯域別
に異なった音量バランスが与えられるので、微妙な拡が
り感のある表現が可能となる。
【0066】図2は図1における楽音信号発生部9a,
9b,9cにおいて1音色を生成するオシレータの構成
例を示すものである。楽音信号発生部9a,9b,9c
は、この種オシレータを各周波数帯域ごとに所定数備え
ている。
【0067】オシレータは、各周波数帯域の各音色ごと
に図2に例示するように構成される。即ち、波形アドレ
スジェネレータ41、波形メモリ42、エンベロープジ
ェネレータ43及び乗算器44で構成されている。
【0068】波形アドレスジェネレータ41は、CPU
1から発音周波数に比例したデータである「周波数ナン
バ」その他のデータを受け取り、これら各データに基づ
き、楽音波形データを読み出すための波形アドレスを生
成するものである。
【0069】この波形アドレスジェネレータ41が出力
する波形アドレスは波形メモリ42に供給される。
【0070】波形メモリ42はROM6で構成され、各
周波数帯域別に音色や音域に対応した複数種類の楽音波
形データ及びエンベロープデータが記憶されており、楽
音信号発生部9a,9b,9cによりアクセスされる。
【0071】各音色毎の楽音波形データは、波形の読出
開始アドレス、繰り返し先頭アドレス及び繰り返し終了
アドレスで特定される。この波形メモリ42から読み出
された波形は、乗算器44の一方の入力に供給される。
【0072】エンベロープジェネレータ43は、CPU
1から送られてくるエンベロープの目標値、漸近速度等
のデータに基づき、上記波形メモリ42から読み出され
た楽音波形データにエンベロープを付与するためのエン
ベロープデータを発生するものである。
【0073】このエンベロープジェネレータ43の出力
は、乗算器44の他方の入力に供給される。なお、上記
エンベロープジェネレータ43の一方の入力はエンベロ
ープの漸近速度やエンベロープの目標値であり、他方の
入力はタッチデータである。
【0074】このタッチデータにより周波数帯域ごとに
出力される音量のバランスが制御される。例えばタッチ
データのタッチの強さに応じて、高、中、低周波数帯域
の音の音量を制御するボリュームの係数を決定する。
【0075】即ち、図7に例示するように、強打の場合
は、高、中、低周波数帯域に配分する係数は、1 :1 :1
、中打の場合は、1 :0.8 :0.5 というように決定す
る。
【0076】これにより、タッチの強さに応じて各周波
数帯域から出力される音量バランスに変化が与えられ、
音像が変化し、あたかもタッチの強さに応じたフィルタ
をかけられたような効果が得られる。
【0077】乗算器44は、上記波形メモリ42から出
力される楽音波形データと、上記エンベロープジェネレ
ータ43から出力されるエンベロープデータとを乗算す
ることにより楽音波形データにエンベロープを付加し、
デジタル楽音信号として出力するものである。
【0078】前記乗算器44でエンベロープを付加され
た楽音信号は、乗算器11La,11Ra でパン効果、
即ち定位感が付加される。
【0079】図3は乗算器11Ra,11Rb,11R
c,11La,11Lb,11Lcに与えられるパン効
果係数を説明する図である。
【0080】図に例示するように、低音域の音は直線D
CO1に示すように全般に定位感が左寄りに得られるよ
うに制御する。即ち左側スピーカから出力される音量を
大きめに、右側スピーカから出力される音量を少なめに
出力するように制御する。
【0081】一方、高音域の音は直線DCO3に示すよ
うに、全般に定位感が右寄りに得られるように制御す
る。即ち右側スピーカから出力される音量を大きめに、
左側スピーカから出力される音量を少なめに出力するよ
うに制御する。
【0082】中音域の音は直線DCO2に示すように両
者の中間の範囲内で各楽器の特性が表現できるような曲
線で定めればよいが、ノート位置が中央の場合には概ね
定位感が中央に得られるように制御する。
【0083】これにより、各発音の定位感は各周波数帯
域別に、しかも左右の音量バランスをとりながら制御さ
れるので、例えば単一の音でも一点に固定されることな
く、低域成分の音は左寄りに高域成分の音は右寄りに聴
こえるので、アコースティックな楽器に近い自然な音が
得られる。
【0084】このようにして、左右の乗算器11La,
11Ra で付加されるパン効果係数の決定は、第2の発
明においてはROM6上のパンポット21に各周波数帯
域別に記憶されているパンポットテーブルを読み出すこ
とにより行われる。
【0085】該テーブルは各音色ごとに設けられてお
り、タッチの強さ、あるいは音域を制御変数として読み
出される。
【0086】また、第3の発明においては、上記パン効
果を決定する関数が各周波数帯域別にプログラムに記憶
されており、該定位決定用関数を演算することによりパ
ン効果係数が求められる。この際、左右の音量バランス
は、概ねPAN-L =1−PAN-Rになるような関数関係にあ
る係数として与えることにより制御される。
【0087】図4は上記第1の実施例の構成に加えて、
さらに各周波数帯域ごと拡がり感付加回路12a,12
b,12cを加えた第2の実施例の電子楽器の全体構成
図である。
【0088】ここで与える拡がり感とは、各周波数帯域
の音は聴こえるが、例えば位相の反転等により音の定位
感がぼかされる場合をいう。
【0089】本発明によれば、左右の各周波数帯域別に
異なった拡がり感を持った音が付加されるので、さらに
豊かな拡がり感を持つ電子楽器の音響効果付加装置が提
供できる。なお、拡がり感付加回路12a,12b,1
2cについては図5で詳述する。
【0090】図5は各周波数帯域別に設けられる拡がり
感付加回路12a,12b,12cの構成の一例であ
る。
【0091】拡がり感付与回路12a,12b,12c
は、図のように左右の楽音信号を合成する加算器51
と、該加算器51で合成された楽音信号に基づき所望の
遅延を行ない位相を反転する多段ディレイ52が設けら
れている。
【0092】さらに、前記拡がり感付加回路12a,1
2b,12cは、前記多段ディレイ52で位相が反転さ
れた楽音信号を合成する加算器53と、該加算器53で
合成された楽音信号を加算、あるいは減算する加算器5
4、55で構成される。
【0093】このような構成において、前記乗算器11
Ra,11Rb,11Rc,11La,11Lb,11
Lcで定位を与えられた楽音信号と、該加算器53で合
成された楽音信号を加算器54、55で加算、あるいは
減算する。
【0094】これにより、前記乗算器11Ra,11R
b,11Rc,11La,11Lb,11Lcで定位を
与えられた楽音信号は、多段ディレイ52で定位感がぼ
かされた楽音信号が生成される。
【0095】この定位感のぼかされた楽音信号を加算器
54、55で左右の定位感のある楽音信号に加算するこ
とにより、合成された楽音信号は定位感のある音と定位
感のない音が微妙に交じり合い、音の拡がり感が表現可
能となる。
【0096】なお、本実施例では定位付加手段11R
a,11Rb,11Rc,11La,11Lb,11L
cや拡がり感付加手段12a,12b,12cを制御す
る制御変数としてタッチの強さを例に説明しているが、
該制御変数はタッチの強さに限定されるものではなく、
音色や音域等様々な要因を制御変数とすることができ
る。
【0097】従って、演奏目的や演奏者の感性に応じて
制御変数とする要因を選択することにより、演奏曲に様
々な変化を与えることが可能となり、豊かな演奏が可能
な電子楽器の音響効果付加装置が提供できる。
【0098】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば各
周波数帯域ごとに微妙に異なった定位感や拡がり感のあ
る表現の可能な電子楽器を提供することができる。
【0099】さらに、拡がり感付加回路を設け、一部楽
音信号の定位感を除去し、これを定位感のある楽音信号
と合成することにより、一層の拡がり感を表現可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例の全体構成を説明す
る図である。
【図2】第1の実施例のオシレータの構成を説明する図
である。
【図3】各周波数帯域ごとのノート位置と定位との関係
を説明する図である。
【図4】本発明に係る第2の実施例の全体構成を説明す
る図である。
【図5】拡がり感付加回路の構成を説明する図である。
【図6】楽器の発音する音量と定位の関係を説明する図
である。
【図7】タッチの強さに応じて音量を制御する従来の音
量制御を説明する図である。
【図8】従来の電子楽器の全体構成を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 CPU 2 キーボード 3 タッチセンサ 4 操作パネル部 5 パネルスキャン回路 6 ROM 7 RAM 8a,8b,8c 波形メモリ 9a,9b,9c 楽音信号発生部(楽音信号発生手
段) 10Ra,10Rb,10Rc,10La,10Lb,
10Lc,加算器(合成手段A) 11Ra,11Rb,11Rc,11La,11Lb,
11Lc,乗算器(定位付加手段) 12a,12b,12c拡がり感付加回路(拡がり感付
加手段) 13R,13L 加算器(合成手段B) 14R,14L DAC(デジタル/アナログ変換
器) 21 パンポット 41 楽音信号発生部(楽音信号発生手段) 42 波形メモリ 43 エンベロープジェネレータ 44 乗算器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数分割方式の電子楽器において、 各周波数帯域別に楽音信号を発生する楽音信号発生手段
    と、 前記楽音信号発生手段の発生した周波数帯域別の各音色
    の楽音信号を、各周波数帯域の左右チャンネル別に合成
    する合成手段Aと、 前記合成手段Aが合成した左右の各周波数帯域ごとの楽
    音信号に定位感を付加する定位付加手段と、 前記定位付加手段により定位感を付加された楽音信号
    を、左右の出力先ごとの楽音信号に合成する合成手段B
    と、 を具備することを特徴とする電子楽器の音響効果付加装
    置。
  2. 【請求項2】 前記定位付加手段により付加される定位
    は、各周波数帯域別に設けられた定位決定テーブルを参
    照して決定されることを特徴とする請求項1記載の電子
    楽器の音響効果付加装置。
  3. 【請求項3】 前記定位付加手段により付加される定位
    は、各周波数帯域別に設けられた定位決定関数により決
    定されることを特徴とする請求項1記載の電子楽器の音
    響効果付加装置。
  4. 【請求項4】 前記定位付加手段により定位が付加され
    た楽音信号に、各周波数帯域別に音の拡がり感を付加す
    る拡がり感付加手段を具備することを特徴とする請求項
    1乃至3記載の電子楽器の音響効果付加装置。
  5. 【請求項5】 前記定位付加手段、拡がり感付加手段に
    より付加される定位感や拡がり感は、音色、タッチの強
    さ、音域により制御されることを特徴とする請求項1乃
    至4記載の電子楽器の音響効果付加装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10333677A (ja) * 1997-06-04 1998-12-18 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 電子楽器
JP2007049601A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 楽音情報生成装置、方法及びプログラム
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