JP3136735B2 - 効果付加装置 - Google Patents

効果付加装置

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JP3136735B2
JP3136735B2 JP04027180A JP2718092A JP3136735B2 JP 3136735 B2 JP3136735 B2 JP 3136735B2 JP 04027180 A JP04027180 A JP 04027180A JP 2718092 A JP2718092 A JP 2718092A JP 3136735 B2 JP3136735 B2 JP 3136735B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は効果付加装置に関し、詳
細には、音楽性豊かで、違和感のない効果を付加する効
果付加装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子弦楽器(例えば、ギター等)や電子
オルガン及びシンセサイザー等の電子楽器においては、
いかに豊かな音色の楽音を出すかが重要な課題となる。
この豊かな音を出すための手段の1つとして、従来から
音源等で発生された音の電気信号を歪ませるディストー
ション処理(効果付加処理)を施すことが行なわれてい
る。このようなディストーション処理を施す従来の効果
付加装置は、一般に、LSI等を利用したディジタル処
理により、入力信号の波形を所定の一定信号レベルでク
リップし、入力信号の波形を歪ませ、出力信号としてい
る。このような従来の効果付加装置においては、入力信
号をクリップする信号レベルを変化させることにより歪
ませる度合いを変化させているが、変化させる信号レベ
ルは、一連の入力信号に対して効果付加処理が完了する
までは、一定であり、一連の入力信号に対して効果付加
処理が完了した時点で、クリップする信号レベルを変化
させることにより入力信号を歪ませる度合いを変化させ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の効果付加装置にあっては、LSIを利用した
ディジタル処理により入力信号を一定のレベルでクリッ
プして、入力信号を歪ませていたため、入力音響信号が
前記クリップするレベルで、出力信号に歪みが急に付加
されたり、歪みが急に付加されなくなったりする。その
結果、出力信号に、急にディストーションがかかった
り、かからなくなったりして、出力音響に違和感を与え
るという問題があった。そこで、本発明は、入力音響信
号のエンベロープ値やピークホールド値と入力音響信号
の波形との交差を検出し、この交差時点毎に振幅レベル
の異なる出力信号を出力して、入力音響信号のレベルが
小さくなっても、入力音響信号に効果を付加することが
できるようにし、出力信号に効果が急に付加されたり、
付加されなくなることを防止して、違和感のない音楽性
豊かな効果を付加することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、効果付加装置が、デジタル
音響信号のピーク値が記憶されるピークホールド手段
と、 前記ピークホールド手段により記憶されているピー
ク値を時間の経過と共に徐々に減衰させるピークホール
ド減衰手段と、 前記デジタル音響信号が入力される毎
に、前記ピークホールド手段に記憶され前記ピークホー
ルド減衰手段により減衰されたピーク値と新たに入力さ
れたデジタル音響信号とを比較し、いずれか大きい方の
値を新たなピーク値として前記ピークホールド手段に記
憶する動作を繰り返すピーク比較手段と、 前記ピークホ
ールド手段に記憶され、前記ピークホールド減衰手段に
より減衰されたピークホールド値と前記入力デジタル音
響信号との交差を検出して検出信号を出力する検出手段
と、 少なくとも正負の符号の異なる2つの振幅レベルを
有し、前記検出手段からの検出信号が発生する毎に、現
在出力している振幅レベルから他の振幅レベルに変化す
る出力信号を形成して出力する信号生成手段と、を備え
ている。
【0005】
【作用】請求項1記載の発明では、効果付加装置は、ピ
ークホールド手段により、入力される音響信号のピーク
を検出してその値を記憶し、ピークホールド減衰手段に
よりこの記憶されているピーク値を時間の経過と共に徐
々に減衰させる。そして、前記ピークホールド手段に記
憶され、前記ピークホールド減衰手段により減衰された
ピークホールド値と前記入力音響信号との交差を検出手
段により検出して検出信号を出力する。この検出手段が
検出信号を出力すると、少なくとも正負の符号の異なる
2つの振幅レベルを有した出力信号を生成する信号生成
手段が、前記検出手段からの検出信号が発生する毎に、
現在出力している振幅レベルから他の振幅レベルに変化
する出力信号を形成して出力する。 したがって、入力音
響信号のピークホールド値と入力音響信号の波形との交
差を検出し、この交差時点毎に少なくとも正負の符号の
異なる2つの振幅レベルを有する出力信号を出力するこ
とができ、入力音響信号のレベルが小さくなっても、入
力音響信号に効果を付加することができる。その結果、
出力信号に効果が急に付加されたり、付加されなくなる
ことを防止し、違和感のない音楽性豊かな効果を付加す
ることができる。
【0006】
【実施例】以下、実施例に基づいて具体的に説明する。
図1から図18は、本発明の効果付加装置の一実施例を
示す図である。図1は、本発明の効果付加装置を適用し
た電子弦楽器1の概略構成図であり、電子弦楽器1は、
ピックアップ2、オペアンプ3、電子回路部4、コンソ
ール5、トーンコントロール部6、ボリュウム7及びア
ウトプット端子8等を備えている。このアウトプット端
子8には、プラグが差し込まれ、プラグを介して外部装
置に出力される。
【0007】電子弦楽器1は、ピックアップ2で弦振動
を検出し、ピックアップ2の検出した弦振動は、オペア
ンプ3で増幅されてアナログの入力楽音信号(入力音響
信号)として電子回路部4に入力される。電子回路部4
は、入力される弦振動の楽音信号に、後述するように、
効果付加処理、特に、ディストーション処理を行なって
出力信号としてトーンコントロール部6に出力する。こ
の出力信号は、トーンコントロール部6でトーン制御さ
れ、ボリュウム7でレベル調整された後、アウトプット
端子8を介して出力される。
【0008】コンソール5は、電子弦楽器1を演奏操作
する際に使用する各種スイッチやボリュウム等を備え、
特に、電子回路部4におけるディストーション処理での
歪レベル等を調整するボリュウム等を備えている。
【0009】トーンコントロール部6は、コンデンサ1
0と可変抵抗11により構成されており、可変抵抗11
を調整することによりトーン制御を行なう。
【0010】電子回路部4は、図2に示すように、A/
D変換器21、DSP(ディジタル信号処理プロセッ
サ:Digital Signal Processor)22、D/A変換器2
3、CPU(Central Processing Unit)24、ROM
(Read Only Memory)25及びRAM(Random Access M
emory)26等を備えており、CPU24に前記コンソー
ル5が接続されている。
【0011】A/D変換器21には、上記ピックアップ
2で検出した弦振動信号(アナログ入力音響信号)がオ
ペアンプ3を介して入力され、A/D変換器21は、ア
ナログの入力楽音信号をディジタル変換してディジタル
の入力楽音信号WINとしてDSP22に出力する。
【0012】DSP22は、その入力端子にA/D変換
器21から入力楽音信号WINが入力され、信号処理し
て、その出力端子からD/A変換器23にディジタルの
出力信号を出力する。
【0013】D/A変換器23は、DSP22からのデ
ィジタル信号をアナログ変換し、アナログ信号として図
1のトーンコントロール部6に出力する。
【0014】ROM25には、処理プログラム、特に、
DSP22に転送するディストーション回路としてのプ
ログラムやその他必要なデータや係数等が格納されてお
り、RAM26は、ワークエリアとして利用される。な
お、ROM25内に記憶しているディストーション処理
に必要な各種係数やデータは、RAM26に記憶するよ
うにしてもよい。
【0015】CPU24は、ROM25内のプログラム
に従って電子回路部4の各部を制御して効果付加装置と
しての処理を実行する。特に、CPU24は、ROM2
5内のプログラムをDSP22に転送して、DSP22
に効果付加処理を行なわせる。
【0016】上記DSP22は、図3に示すように回路
構成されている。すなわち、DSP22は、プログラム
メモリ31、制御回路32、入力レジスタ(PI)3
3、係数メモリ(P)34、ワークメモリ(W)35、
フラグレジスタ(SF0)36、出力レジスタ(OR)
37、乗算部100及び加減算部200等を有してい
る。上記DSP22の各部は、内部バス38により接続
されている。
【0017】プログラムメモリ31には、効果付加装置
としてのプログラムが格納され、このプログラムは、図
2に示すCPU24から書き込まれる。プログラムメモ
リ31には、図示しないアドレスカウンタが接続されて
おり、プログラムメモリ31は、このアドレスカウンタ
のアドレス指定により順次プログラムの内容を制御回路
32に供給する。
【0018】制御回路32は、プログラムメモリ31内
のプログラムに従ってDSP22の各部を制御して、効
果付加処理を実行するが、その詳細な処理内容について
は後述する。
【0019】入力レジスタ(PI)33には、入力端子
を介して図2のA/D変換器21からの入力楽音信号W
INが入力され、入力レジスタ(PI)33は、この入力
楽音信号WINを一旦格納した後、内部バス38を介して
ワークメモリ(W)35に転送する。
【0020】係数メモリ(P)34は、DSP22にお
いて効果付加処理を行なうために必要な各種係数を格納
するためのレジスタである。これら各種係数は、図2の
ROM25に記憶されており、CPU24が、ROM2
5から係数を読み出して係数メモリ(P)34に書き込
む。係数メモリ(P)34にセットされる係数として
は、図4に係数メモリ(P)34のメモリマップとして
示すように、そのアドレス0に、データ名PFL0として
フィルタ係数(例えば、4000H)が、そのアドレス
1に、データ名PFL1としてフィルタ係数(例えば、4
000H)が、そのアドレス2に、データ名PDEC0とし
て正減衰係数が、そのアドレス3に、データ名PDEC1
して負減衰係数が、設定される。
【0021】ワークメモリ(W)35は、入力レジスタ
(PI)33を介して入力された入力楽音信号WINや後
述する乗算部100および加減算部200での演算結果
のデータおよび出力楽音信号WOUT等を一時的に格納す
るワーク用メモリである。このワークメモリ(W)35
に格納されるデータとしては、例えば、図5にワークメ
モリ(W)35のメモリマップとして示すように、その
アドレス0に、データ名WINとして入力楽音信号が、そ
のアドレス1に、データ名WEN0として正エンベロープ
出力信号が、そのアドレス2に、データ名WEN1として
負エンベロープ出力信号が、そのアドレス3に、データ
名WDSTとしてクリップ信号が、そのアドレス4に、デ
ータ名WDELとしてフィルタ用の遅延レジスタ信号が、
そのアドレス5に、データ名WOUTとして出力楽音信号
が、そのアドレス6に、データ名WPHFとして定数(4
00000H)が、そのアドレス7に、データ名WNHF
として定数(C00000H)が、格納される。
【0022】フラグレジスタ(SF0)36は、後述す
る加減算部200からのフラグF(AR)がセットさ
れ、セットされるフラグF(AR)をワークメモリ
(W)35に出力する。ワークメモリ(W)35は、こ
のフラグレジスタ(SF0)36に基づいて後述するよ
うに、ワークメモリ(W)35へのデータの書込の禁止
及び解除が行なわれる。すなわち、「0」のフラグF
(AR)がフラグレジスタ(SF0)36にセットされ
ると、フラグレジスタ(SF0)36は、ワークメモリ
(W)35へのデータの書き込みを禁止する。
【0023】乗算部100は、ゲート101、102、
レジスタ(M0)103、(M1)104、ゲート10
5、乗算器106及びレジスタ(MR)107を有して
おり、ゲート101、102には、上記係数メモリ
(P)34やワークメモリ(W)35からの出力が入力
される。
【0024】ゲート101、102は、上記制御回路3
2によりその動作が制御され、入力されるどのデータを
レジスタ(M0)103及びレジスタ(M1)104に
出力するかを制御している。レジスタ(M0)103
は、ゲート101を介して入力されるデータを一時格納
し、乗算器106に出力するとともに、ゲート101に
フィードバックする。レジスタ(M1)104は、ゲー
ト102を介して入力されるデータを一時格納し、ゲー
ト105を介して乗算器106に出力するとともに、ゲ
ート102にフィードバックする。ゲート105には、
後述する加減算部200からのデータも入力されてお
り、ゲート105は、制御回路32の制御下で作動し
て、レジスタ(M1)104及び加減算部200からの
データを選択して乗算器106に出力する。乗算器10
6は、レジスタ(M0)103及びレジスタ(M1)1
04から入力されるデータを乗算処理し、その演算結果
をレジスタ(MR)107に出力する。レジスタ(M
R)107は、乗算器106の乗算結果を一時格納した
後、ゲート102及び加減算部200に出力する。
【0025】加減算部200は、ゲート201、20
2、レジスタ(A0)203、レジスタ(A1)20
4、ゲート205、206、加減算器207、レジスタ
(AR)208、クリッパー209及びレジスタ(S
R)210等を有しており、ゲート201、202に
は、上記係数メモリ(P)34やワークメモリ(W)3
5からの出力が入力される。
【0026】ゲート201、202は、上記制御回路3
2によりその動作が制御され、入力されるどのデータを
レジスタ(A0)203及びレジスタ(A1)204に
出力するかを制御している。レジスタ(A0)203
は、ゲート201を介して入力されるデータを一時格納
し、ゲート205に出力するとともに、ゲート201に
フィードバックする。レジスタ(A1)204は、ゲー
ト202を介して入力されるデータを一時格納し、ゲー
ト206に出力するとともに、ゲート202にフィード
バックする。ゲート205には、上記乗算部100のレ
ジスタ(MR)107からのデータも入力されており、
ゲート205は、制御回路32の制御下で作動して、レ
ジスタ(A0)203及び乗算部100からのデータを
選択して加減算器207に出力する。ゲート206に
は、レジスタ(A1)204からのデータの他に、加減
算器207の演算結果のデータがレジスタ(AR)20
8を介して入力されており、ゲート206は、制御回路
32の制御下で作動して、入力データを選択して加減算
器207に出力する。
【0027】加減算器207は、入力データに加算処理
あるいは減算処理を行ない、演算結果を、レジスタ(A
R)208に出力する。レジスタ(AR)208は、加
減算器207の演算結果をクリッパー209及びゲート
206に出力するとともに、演算結果の最大ビットを符
号情報を示す符号フラグF(AR)としてフラグレジス
タ(SF0)36に出力する。クリッパー209は、デ
ータのオーバーフローを防止するためのものであり、ク
リッパー209を通過したデータは、レジスタ(SR)
210に供給される。レジスタ(SR)210の出力
は、乗算部100のゲート105に出力されるととも
に、ある1音についての処理の演算結果として内部バス
38を介してワークメモリ(W)35に供給される。
【0028】これら乗算部100及び加減算部200で
の演算結果は、加減算部200からバス38を介してワ
ークメモリ(W)35に出力され、すべての演算処理の
終了したデータは、ワークメモリ(W)35から出力レ
ジスタ(OR)37に出力される。
【0029】出力レジスタ(OR)37は、入力された
データを出力端子を介して出力信号WOUTとして図2に
示すD/A変換器23に出力する。
【0030】このDSP22は、CPU24からのプロ
グラムや係数に基づいて、図6に示す疑似ディストーシ
ョン処理回路を形成することにより、効果付加処理とし
てのディストーション処理を行なう。
【0031】DSP22により効果付加処理としてのデ
ィストーション処理を行なうためには、まず、目的とす
るディストーション処理を行なうのに必要なプログラム
や係数及びデータをワークメモリ(W)35に設定する
必要がある。
【0032】そこで、CPU24は、必要なプログラム
や係数及びデータをROM25から読み出して、係数メ
モリ(P)34及びワークメモリ(W)35に設定す
る。係数メモリ(P)34には、上記図4に示したデー
タ名の各データがセットされ、ワークメモリ(W)35
には、上記図5に示したデータ名のデータがセットされ
る。
【0033】DSP22は、CPU24から与えられた
プログラム及び係数により、図6に示す疑似ディストー
ション処理回路300を形成し、ディストーション処理
を行なう。疑似ディストーション処理回路300は、正
側波形処理回路310、負側波形処理回路320及び出
力波形処理回路330で構成されている。
【0034】図6の疑似ディストーション処理回路30
0の正側波形処理回路310は、ゲート311、31
2、符号検出器313、遅延回路314、加算器315
及び乗算器316で構成され、入力楽音信号WINがゲー
ト311及び加算器315に入力される。ゲート311
及びゲート312は、符号検出器313によりその開閉
動作が制御され、符号検出器313には、加算器315
の加算結果が入力されている。加算器315には、上記
入力楽音信号WIN及び遅延回路314の出力が入力さ
れ、加算器315は、遅延回路314の出力から入力楽
音信号WINを減算して、符号検出器313に出力する。
符号検出器313は、この加算器315の加算結果(減
算結果)の符号を検出し、加算結果が正のときには、ゲ
ート312にゲート312を開成する駆動信号を、加算
結果が負のときには、ゲート311にゲート311を開
成する駆動信号を、出力する。ゲート312には、遅延
回路314の出力が入力され、ゲート312は、符号検
出器313により開成されているときに、遅延回路31
4から入力される信号を乗算器316に出力する。乗算
器316は、ゲート312からの入力信号に正減衰係数
DEC0を乗算し、遅延回路314に出力する。遅延回路
314は、上記ゲート311あるいは乗算器316を介
してゲート312から入力される信号を1サンプリング
サイクル分遅延させて加算器315に出力する。この加
算器315の加算結果が上記符号検出器313に出力さ
れる。したがって、符号検出器313は、ゲート311
を開成して、1サンプリングサイクル前の入力楽音信号
INから現在の入力楽音信号WINを減算した符号が正と
なることを検出することにより入力楽音信号WINのピー
ク値を検出し、ピーク値を検出すると、ゲート312を
開成して、検出したピーク値をホールドするとともに、
乗算器316で正減衰係数PDEC0を乗算して減衰させた
ピーク値から入力楽音信号WINを加算器315で減算し
た符号が負となることを検出することによりピーク値と
入力楽音信号WINとの交差を検出している。そして、符
号検出器313は、ピーク値と入力楽音信号WINとが交
差すると、この検出結果を出力波形処理回路330に出
力する。
【0035】図6の疑似ディストーション処理回路30
0の負側波形処理回路320は、正側波形処理回路31
0と同様に、ゲート321、322、符号検出器32
3、遅延回路324、加算器325及び乗算器326で
構成され、入力楽音信号WINがゲート321及び加算器
325に入力されている。負側波形処理回路320は、
上記正側波形処理回路310と同様に、符号検出器32
3が、ゲート321を開成して、現在の入力楽音信号W
INから1サンプリングサイクル前の入力楽音信号WIN
減算した符号が正となることを検出することにより入力
楽音信号WINの負側のピーク値を検出し、負側のピーク
値を検出すると、ゲート322を開成して、検出したピ
ーク値をホールドするとともに、乗算器326で入力楽
音信号WINから負減衰係数PDEC1を乗算して減衰させた
ピーク値を加算器325で減算した符号が負となること
を検出することによりピーク値と入力楽音信号WINとの
交差を検出している。そして、符号検出器323は、ピ
ーク値と入力楽音信号WINとが交差すると、この検出結
果を出力波形処理回路330に出力する。
【0036】図6の疑似ディストーション処理回路30
0の出力波形処理回路330は、ラッチ331、乗算器
332、333、加算器334及び遅延回路335で構
成され、ラッチ331に上記正側波形処理回路310の
符号検出器313の負検出信号及び上記負側波形処理回
路320の符号検出器323の負検出信号が入力されて
いる。また、ラッチ331には、予め設定された2つの
定数、すなわち正の定数WPHF(例えば、400000
H)および負の定数WNHF(例えば、C00000H)
が入力されており、ラッチ331は、正側波形処理回路
310から負検出信号が入力されると、定数WPHFを、
また負側波形処理回路320から負検出信号が入力され
ると、定数WNHFを、ラッチしてクリップ信号として乗
算器332に出力する。乗算器332は、ラッチ331
から入力されるクリップ信号にフィルタ係数PFL0(例
えば、4000H)を乗算して、加算器334に出力
し、加算器334には、乗算器333からの信号が入力
されている。加算器334は、乗算器332からの入力
信号と乗算器333からの入力信号とを加算して、出力
楽音信号WOUTとして出力する。この出力楽音信号WOUT
は、遅延回路335に入力され、遅延回路335は、入
力信号を1サンプリングサイクル分遅延させて乗算器3
33に出力する。乗算器333は、遅延回路335から
入力される信号(出力楽音信号WOUT)にフィルタ係数
FL1(例えば、4000H)を乗算して、加算器33
4に出力する。したがって、ラッチ331は、入力楽音
信号WINがピーク値と交差する毎に、振幅レベルの異な
る信号として定数WPHF及び定数WPHFを出力楽音信号W
OUTとして出力し、この出力楽音信号WOUTにローパスフ
ィルタを構成する乗算器332、333、加算器334
及び遅延回路335によりフィルタ処理を施して、丸み
を持たせている。
【0037】次に、作用を説明する。電子弦楽器1は、
電源が投入されると、図7に示すように、まず、イニシ
ャライズ処理を行ない、各種レジスタ等の初期化を行な
う(ステップP1)。イニシャライズ処理が完了する
と、CPU24がROM25からプログラム及び係数を
読み出して、DSP22に転送し、DSP22のプログ
ラムメモリ31、係数メモリ(P)34及びワークメモ
リ(W)35にセットする。このときセットする係数
は、予め設定されている初期値である。そこで、次に、
コンソール5を走査して、各種スイッチが操作されたか
どうかチェックする(ステップP2)。スイッチが操作
されると、当該操作に対応する係数をROM25から読
み出して、DSP22に転送し、DSP22の係数メモ
リ(P)34やワークメモリ(W)35の内容を書き換
える(ステップP3)。コンソール5のスイッチが操作
されていないときには、DSP22への係数の再設定を
行なわずにそのまま処理を終了する。
【0038】このようにしてDSP22にプログラムと
係数がセットされると、DSP22による処理を開始す
る。
【0039】DSP22は、図8に示すメイン処理に従
って、入力処理(ステップS10)、正エンベロープ抽
出処理(ステップS20)、正クリップ波作成処理(ス
テップS30)、負エンベロープ抽出処理(ステップS
40)、負クリップ波作成処理(ステップS50)、フ
ィルタ処理(ステップS60)、正ピークホールド減衰
処理(ステップS70)及び負ピークホールド減衰処理
(ステップS80)を順次行なって、最後に出力処理
(ステップS90)を行なう。
【0040】以下、これら各処理について詳細なフロー
チャートに基づいて説明する。まず、入力処理について
説明する。入力処理は、図9に示すように、DSP22
の入力レジスタ(PI)33に入力されてきた入力楽音
信号WINをワークメモリ(W)35に転送し、ワークメ
モリ(W)35に書き込む(ステップP11)。この入
力楽音信号WINは、上述のように、図1に示すピックア
ップ2で検出した弦振動をアンプ3で増幅した後、図2
に示すA/D変換器21でディジタル変換し、所定のサ
ンプリングタイミング毎にサンプリングして、DSP2
2に入力されたものである。
【0041】次に、入力処理が完了すると、正エンベロ
ープ抽出処理を行なう。正エンベロープ抽出処理は、図
6の正側波形処理回路310による処理であり、図10
に示すように処理が行なわれる。
【0042】すなわち、正エンベロープ抽出処理は、図
10に示すように、まず、ワークメモリ(W)35から
正エンベロープ出力信号WEN0を読み出して、レジスタ
(A1)204に転送し(ステップS21)、ワークメ
モリ(W)35から入力楽音信号WINを読み出してレジ
スタ(A0)203に転送する(ステップS22)。な
お、最初の処理サイクルにおいてレジスタ(A1)20
4にセットされる正エンベロープ出力信号WEN0は、最
初に入力される入力楽音信号WINである。このレジスタ
(A1)204の正エンベロープ出力信号WEN0及びレ
ジスタ(A0)203の入力楽音信号WINを加減算器2
07に転送して、加減算器207で正エンベロープ出力
信号WEN0から入力楽音信号WINを減算し、この減算結
果(WEN0−WIN)をレジスタ(AR)208に転送す
る(ステップS23)。次に、レジスタ(AR)208
の最上位ビットを符号フラグF(AR)としてフラグレ
ジスタ(SF0)36に出力し(ステップS24)、ワ
ークメモリ(W)35から入力楽音信号WINを読み出し
て、レジスタ(A0)203に転送する(ステップS2
5)。この入力楽音信号WINを、さらに、レジスタ(A
R)208を介してレジスタ(SR)210に転送する
(ステップS27)。
【0043】ここで、上記フラグレジスタ(SF0)3
6の内容が「1」かどうかチェックし(ステップS2
8)、フラグレジスタ(SF0)36の内容が「0」の
とき、すなわちフラグレジスタ(SF0)36の内容が
正を示しているときには、正エンベロープ出力信号W
EN0としての入力楽音信号WINがピーク値に達していな
いか、後述する正エンベロープ出力信号WEN0としての
入力楽音信号WINの減衰信号が入力楽音信号WINよりも
大きいと判断し、正エンベロープ出力信号WEN0の書き
換えを行なわずにそのまま処理を終了する。また、ステ
ップS28で、フラグレジスタ(SF0)36の内容が
「1」のときには、正エンベロープ出力信号WEN0とし
ての入力楽音信号WINがピーク値に達したか、後述する
正エンベロープ出力信号WEN0としての入力楽音信号W
INの減衰信号が入力楽音信号WINと交差したと判断し、
レジスタ(SR)210の入力楽音信号WINをワークメ
モリ(W)35に転送して、正エンベロープ出力信号W
EN0として書き込む(ステップS29)。
【0044】いま、最初の処理サイクルであるので、入
力楽音信号WINの波形は徐々に上昇していると考えるこ
とができ、ステップS23での減算結果(WEN0
IN)は、負となり、このとき、フラグレジスタ(SF
0)36の内容は、「1」となる。したがって、ステッ
プS29に移行して、入力楽音信号WINを正エンベロー
プ出力信号WEN0としてワークメモリ(W)35にセッ
トする。この状態は、入力楽音信号WINのピーク値を検
出するまで行なわれ、ピーク値を検出すると、フラグレ
ジスタ(SF0)36の内容が「0」となり、正エンベ
ロープ出力信号WEN0の書き換えは行なわれず、後述す
る正ピークホールド減衰処理により正エンベロープ出力
信号WEN0の減衰処理が行なわれる。
【0045】正エンベロープ抽出処理が完了すると、次
に正クリップ波作成処理を行なう。この正クリップ波作
成処理は、図6の出力波形処理回路330による処理で
あり、図11に示すように、処理される。
【0046】すなわち、正クリップ波作成処理では、ま
ず、定数WPHFをワークメモリ(W)35から読み出し
て、レジスタ(A0)203にセットし(ステップS3
1)、この定数WPHFをレジスタ(AR)208を介し
てレジスタ(SR)210に転送する(ステップS3
2、S33)。次に、上記正エンベロープ抽出処理でセ
ットしたフラグレジスタ(SF0)36の内容が「1」
かどうかチェックし(ステップS34)、「1」でない
ときには、入力楽音信号WINと入力楽音信号WINのピー
ク値とが交差しておらず、クリップ波の切換タイミング
ではないと判断して、そのまま処理を終了する。ステッ
プS34で、フラグレジスタ(SF0)36の内容が
「1」のときには、入力楽音信号WINと入力楽音信号W
INのピーク値とが交差して、クリップ波の切換タイミン
グであると判断し、レジスタ(SR)210にセットし
た定数WPHFをワークメモリ(W)35に転送して、ク
リップ信号WDSTとして書き込み、正クリップ波作成処
理を終了する(ステップS35)。
【0047】正クリップ波作成処理を終了すると、次に
負エンベロープ抽出処理を行なう。負エンベロープ抽出
処理は、図6の負側波形処理回路320による処理であ
り、図12に示すように処理される。
【0048】すなわち、負エンベロープ抽出処理は、ま
ずワークメモリ(W)35から入力楽音信号WIN及び負
エンベロープ出力信号WEN1を読み出し、それぞれレジ
スタ(A1)204及びレジスタ(A0)203にセッ
トする(ステップS41、S42)。次に、レジスタ
(A1)204の入力楽音信号WIN及びレジスタ(A
0)203の負エンベロープ出力信号WEN1を加減算器
207に転送し、入力楽音信号WINから負エンベロープ
出力信号WEN1を減算して、その減算結果(WIN
EN1)をレジスタ(AR)208に転送する(ステッ
プS43)。次に、レジスタ(AR)208の最上位ビ
ットを符号フラグF(AR)としてフラグレジスタ(S
F0)36に出力し(ステップS44)、ワークメモリ
(W)35から入力楽音信号WINを読み出して、レジス
タ(A0)203に転送する(ステップS45)。この
入力楽音信号WINを、さらに、レジスタ(AR)208
を介してレジスタ(SR)210に転送する(ステップ
S47)。
【0049】ここで、上記フラグレジスタ(SF0)3
6の内容が「1」かどうかチェックし(ステップS4
8)、フラグレジスタ(SF0)36の内容が「0」の
とき、すなわちフラグレジスタ(SF0)36の内容が
正を示しているときには、負エンベロープ出力信号W
EN1としての入力楽音信号WINがピーク値に達していな
いか、後述する負エンベロープ出力信号WEN1としての
入力楽音信号WINの減衰信号が入力楽音信号WINよりも
小さいと判断し、負エンベロープ出力信号WEN1の書き
換えを行なわずにそのまま負エンベロープ抽出処理を終
了する。また、ステップS48で、フラグレジスタ(S
F0)36の内容が「1」のときには、負エンベロープ
出力信号WEN1としての入力楽音信号WINがピーク値に
達したか、後述する負エンベロープ出力信号WEN1とし
ての入力楽音信号WINの減衰信号が入力楽音信号WIN
交差したと判断し、レジスタ(SR)210の入力楽音
信号WINをワークメモリ(W)35に転送して、負エン
ベロープ出力信号WEN1として書き込む(ステップS4
9)。
【0050】いま、最初の処理サイクルであるので、入
力楽音信号WINの波形は徐々に下降していると考えるこ
とができ、ステップS43での減算結果(WEN1
IN)は、負となり、このとき、フラグレジスタ(SF
0)36の内容は、「1」となる。したがって、ステッ
プS49に移行して、入力楽音信号WINを負エンベロー
プ出力信号WEN1としてワークメモリ(W)35にセッ
トする。この状態は、入力楽音信号WINの負側のピーク
値を検出するまで行なわれ、ピーク値を検出すると、フ
ラグレジスタ(SF0)36の内容が「0」となり、負
エンベロープ出力信号WEN1の書き換えは行なわれず、
後述する負ピークホールド減衰処理により負エンベロー
プ出力信号WEN1の減衰処理が行なわれる。
【0051】負エンベロープ抽出処理が完了すると、次
に負クリップ波作成処理を行なう。この負クリップ波作
成処理は、図6の出力波形処理回路330による処理で
あり、図13に示すように、処理される。
【0052】すなわち、負クリップ波作成処理では、ま
ず、定数WNHFをワークメモリ(W)35から読み出し
て、レジスタ(A0)203にセットし(ステップS5
1)、この定数WNHFをレジスタ(AR)208を介し
てレジスタ(SR)210に転送する(ステップS5
2、S53)。次に、上記負エンベロープ抽出処理でセ
ットしたフラグレジスタ(SF0)36の内容が「1」
かどうかチェックし(ステップS54)、「1」でない
ときには、入力楽音信号WINと入力楽音信号WINのピー
ク値とが交差しておらず、クリップ波の切換タイミング
ではないと判断して、そのまま処理を終了する。ステッ
プS54で、フラグレジスタ(SF0)36の内容が
「1」のときには、入力楽音信号WINと入力楽音信号W
INのピーク値とが交差して、クリップ波の切換タイミン
グであると判断し、レジスタ(SR)210にセットし
た定数WNHFをワークメモリ(W)35に転送して、ク
リップ信号WDSTとして書き込み、負クリップ波作成処
理を終了する(ステップS55)。
【0053】負クリップ処理を終了すると、次に、フィ
ルタ処理を行なう。フィルタ処理は、図6の出力波形処
理回路330により上記正クリップ波作成処理及び負ク
リップ波作成処理で作成した矩形波に丸みを施す処理で
あり、図14に示すように処理される。
【0054】すなわち、フィルタ処理では、まず、ワー
クメモリ(W)35からクリップ信号を読み出してレジ
スタ(M1)104に転送し、係数メモリ(P)34か
らフィルタ係数PFL0を読み出してレジスタ(M0)1
03に転送する(ステップS61)。これらレジスタ
(M1)104のクリップ信号WDST及びレジスタ(M
1)104のフィルタ係数PFL0を乗算器106に転送
し、クリップ信号WDSTとフィルタ係数PFL0とを乗算し
て、その乗算結果(WDST×PFL0)をレジスタ(MR)
107に転送する(ステップS62)。また、ワークメ
モリ(W)35から遅延レジスタ信号WDELを読み出し
て、レジスタ(M1)104にセットし、係数メモリ
(P)34からフィルタ係数PFL1を読み出して、レジ
スタ(M0)103にセットする(ステップS62)。
レジスタ(MR)107の乗算結果(WDST×PF L0)を
レジスタ(MR)107からレジスタ(AR)208に
転送し(ステップS63)、上記レジスタ(M1)10
4の遅延レジスタ信号WDEL及びレジスタ(M0)10
3のフィルタ係数PFL1を乗算器106に転送して、乗
算する。この乗算結果(WDEL×PFL1)をレジスタ(M
R)107に転送する(ステップS63)。レジスタ
(AR)208に転送した乗算結果(WDST×PFL0)を
レジスタ(SR)210に転送し、レジスタ(MR)1
07の乗算結果(WDEL×PFL1)及びレジスタ(AR)
208の乗算結果(WDST×PFL0)を加減算器207に
転送して、加算する。この加算結果{(WDEL×PFL1
+(WDST×PFL0)}をレジスタ(AR)208に転送
する(ステップS64)。上記レジスタ(SR)210
の乗算結果(WDST×PFL0)をワークメモリ(W)35
に転送して、遅延レジスタ信号WDELとして書き込み、
レジスタ(AR)208の加算結果{(WDEL×PFL1
+(WDST×PFL0)}をレジスタ(SR)210に転送
する(ステップS65)。このレジスタ(SR)210
の加算結果{(WDEL×PFL1)+(WDST×PFL0)}を
ワークメモリ(W)35に転送して、出力楽音信号W
OUTとして書き込み、フィルタ処理を終了する(ステッ
プS66)。
【0055】したがって、正クリップ波作成処理及び負
クリップ波作成処理で作成した矩形波に丸みを施した波
形の信号を出力楽音信号WOUTとしてワークメモリ
(W)35にセットすることができる。
【0056】フィルタ処理が終了すると、次に、正ピー
クホールド減衰処理を行なう。この正ピークホールド減
衰処理は、図6の正側波形処理回路310による処理で
あり、上記正エンベロープ抽出処理で検出した正側入力
楽音信号WINのピーク値を徐々に減衰させる処理であ
る。
【0057】正ピークホールド減衰処理は、図15に示
すように、まず、ワークメモリ(W)35から正エンベ
ロープ出力信号WEN0を読み出して、レジスタ(M1)
104に転送し、係数メモリ(P)34から正減衰係数
DEC0を読み出して、レジスタ(M0)103に転送す
る(ステップS71)。これらレジスタ(M1)104
の正エンベロープ出力信号WEN0及びレジスタ(M0)
103の正減衰係数PDEC0を乗算器106に転送して、
乗算し、その乗算結果(WEN0×PDEC0)をレジスタ
(MR)107に転送する(ステップS72)。このレ
ジスタ(MR)107の乗算結果(WEN0×PDEC0)を
レジスタ(AR)208を介してレジスタ(SR)21
0に転送し(ステップS73、S74)、さらにレジス
タ(SR)210からワークメモリ(W)35に転送し
て、正エンベロープ出力信号WEN0として書き込んで、
正ピークホールド減衰処理を終了する(ステップS7
5)。
【0058】したがって、上記図10の正エンベロープ
抽出処理で、フラグレジスタ(SF0)36の内容が
「1」となって、正エンベロープ出力信号WEN0として
入力楽音信号WINのピーク値がセットされると、このピ
ーク値を上記図15の正ピークホールド減衰処理により
徐々に減衰させることができる。このようにして減衰処
理された正エンベロープ出力信号WEN0を上記図10の
正エンベロープ抽出処理のステップS21でワークメモ
リ(W)35から読み出し、入力楽音信号WINと正エン
ベロープ出力信号WEN0(正のピーク値)との交差を検
出する。
【0059】正ピークホールド減衰処理が終了すると、
次に、負ピークホールド減衰処理を同様に行なう。この
負ピークホールド減衰処理は、図6の負側波形処理回路
320による処理であり、上記正エンベロープ抽出処理
で検出した正側入力楽音信号WINのピーク値を徐々に減
衰させる処理である。
【0060】負ピークホールド減衰処理は、図16に示
すように、まず、ワークメモリ(W)35から負エンベ
ロープ出力信号WEN1を読み出して、レジスタ(M1)
104に転送し、係数メモリ(P)34から負減衰係数
DEC1を読み出して、レジスタ(M0)103に転送す
る(ステップS81)。これらレジスタ(M1)104
の負エンベロープ出力信号WEN1及びレジスタ(M0)
103の負減衰係数PDEC1を乗算器106に転送して、
乗算し、その乗算結果(WEN1×PDEC1)をレジスタ
(MR)107に転送する(ステップS82)。このレ
ジスタ(MR)107の乗算結果(WEN1×PDEC1)を
レジスタ(AR)208を介してレジスタ(SR)21
0に転送し(ステップS83、S84)、さらにレジス
タ(SR)210からワークメモリ(W)35に転送し
て、負エンベロープ出力信号WEN1として書き込んで、
負ピークホールド減衰処理を終了する(ステップS8
5)。
【0061】したがって、上記図12の負エンベロープ
抽出処理で、フラグレジスタ(SF0)36の内容が
「1」となって、負エンベロープ出力信号WEN1として
入力楽音信号WINの負側のピーク値がセットされると、
このピーク値を上記図16の負ピークホールド減衰処理
により徐々に減衰させることができる。このようにして
減衰処理された負エンベロープ出力信号WEN1を上記図
12の負エンベロープ抽出処理のステップS42でワー
クメモリ(W)35から読み出し、入力楽音信号WIN
負エンベロープ出力信号WEN1(負のピーク値)との交
差を検出する。
【0062】負ピークホールド減衰処理が完了すると、
次に、出力処理を行なう。この出力処理は、図17に示
すように、ワークメモリ(W)35に書き込まれた出力
楽音信号WOUTを出力レジスタ(OR)37に転送する
(ステップS91)。この出力レジスタ(OR)37に
転送された出力楽音信号WOUTは、DSP22から図2
に示すD/A変換器23に出力され、D/A変換器23
でアナログの出力信号に変換されて、図1に示すトーン
コントロール部6に出力される。
【0063】したがって、図18に示すような入力波形
の入力楽音信号WINが入力されたとき、入力波形のピー
ク値を検出すると、そのピーク値を徐々に減少させ、徐
々に減少するピーク値と入力波形との交差を検出する。
このピーク値と入力波形との交差を検出すると、交差す
る毎に、レベルの異なる2つの信号を交互に出力して出
力信号とすることができ、入力音響信号のレベル、すな
わち入力波形の振幅が小さくなっても、効果を付加する
ことができる。その結果、出力信号に効果が急に付加さ
れたり、付加されなくなることを防止することができ、
違和感のない音楽性豊かな効果を付加することができ
る。
【0064】なお、上記実施例においては、入力楽音信
号WINとピーク値とが交差する毎に、2つの異なるレベ
ルの信号を出力信号として出力しているが、レベルの異
なる信号としては、2つに限るものではない。また、入
力楽音信号WINのピーク値をエンベロープ抽出処理によ
り減少させているが、これに限るものではない。さら
に、上記実施例では、電子弦楽器に適用した場合につい
て説明しているが、これに限るものではなく、入力され
る音響信号に、効果を付加する効果付加装置一般に適用
することができる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、入力音響信号のエンベ
ロープ値やピーク値を取って、このエンベロープ値ある
いはピーク値と入力音響信号の波形との交差を検出し、
この交差時点毎にレベルの異なる出力信号を出力してい
るので、入力音響信号のレベルが小さくなっても、効果
を付加することができる。その結果、出力信号に効果が
急に付加されたり、付加されなくなることを防止しつ
つ、違和感のない音楽性豊かな効果を付加することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による効果付加装置の一実施例を適用し
た電子弦楽器の概略構成図。
【図2】図1の電子回路部の詳細な回路ブロック図。
【図3】DSPの詳細な回路構成図。
【図4】係数メモリ(P)に格納される各種データを示
す図。
【図5】ワークメモリ(W)に格納される各種データを
示す図。
【図6】DSPのディストーション処理を疑似的に示す
疑似回路図。
【図7】電子弦楽器によるDSPへの初期設定処理を示
すフローチャート。
【図8】DSPでの各処理の基本手順を示すメインフロ
ーチャート。
【図9】図8の入力処理の詳細な処理手順を示すフロー
チャート。
【図10】図8の正エンベロープ抽出処理の詳細な処理
手順を示すフローチャート。
【図11】図8の正クリップ波作成処理の詳細な処理手
順を示すフローチャート。
【図12】図8の負エンベロープ抽出処理の詳細な処理
手順を示すフローチャート。
【図13】図8の負クリップ波作成処理の詳細な処理手
順を示すフローチャート。
【図14】図8のフィルタ処理の詳細な処理手順を示す
フローチャート。
【図15】図8の正ピークホールド減衰処理の詳細な処
理手順を示すフローチャート。
【図16】図8の負ピークホールド減衰処理の詳細な処
理手順を示すフローチャート。
【図17】図8の出力処理の詳細な処理手順を示すフロ
ーチャート。
【図18】DSPによるディストーション処理の作用を
説明するための入力波形と出力波形を示す図。
【符号の説明】
1 電子弦楽器 2 ピックアップ 3 オペアンプ 4 電子回路部 5 コンソール 6 トーンコントロール部 7 ボリュウム 8 アウトプット端子 21 A/D変換器 22 DSP 23 D/A変換器 24 CPU 25 ROM 26 RAM 31 プログラムメモリ 32 制御回路 33 入力レジスタ(PI) 34 係数メモリ(P) 35 ワークメモリ(W) 36 フラグレジスタ 37 出力レジスタ(OR) 100 乗算部 200 加減算部 300 疑似ディストーション処理回路 310 正側波形処理回路 320 負側波形処理回路 330 出力波形処理回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル音響信号のピーク値が記憶され
    るピークホールド手段と、 前記ピークホールド手段により記憶されているピーク値
    を時間の経過と共に徐々に減衰させるピークホールド減
    衰手段と、 前記デジタル音響信号が入力される毎に、前記ピークホ
    ールド手段に記憶され前記ピークホールド減衰手段によ
    り減衰されたピーク値と新たに入力されたデジタル音響
    信号とを比較し、いずれか大きい方の値を新たなピーク
    値として前記ピークホールド手段に記憶する動作を繰り
    返すピーク比較手段と、 前記ピークホールド手段に記憶され、前記ピークホール
    ド減衰手段により減衰されたピークホールド値と前記入
    力デジタル音響信号との交差を検出して検出信号を出力
    する検出手段と、 少なくとも正負の符号の異なる2つの振幅レベルを有
    し、前記検出手段からの検出信号が発生する毎に、現在
    出力している振幅レベルから他の振幅レベルに変化する
    出力信号を形成して出力する信号生成手段と、 を備えたことを特徴とする効果付加装置。
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