JP3149459B2 - ディストーション回路 - Google Patents

ディストーション回路

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JP3149459B2
JP3149459B2 JP16009891A JP16009891A JP3149459B2 JP 3149459 B2 JP3149459 B2 JP 3149459B2 JP 16009891 A JP16009891 A JP 16009891A JP 16009891 A JP16009891 A JP 16009891A JP 3149459 B2 JP3149459 B2 JP 3149459B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願各発明はディストーション回
路に関し、詳細には、入力楽音波形を歪ませて多くの倍
音成分を含ませることにより豊かな音質の出力楽音信号
を得るディストーション回路に関する。
【0002】
【従来の技術】電子弦楽器(例えば、ギター等)や電子
オルガン及びシンセサイザー等の電子楽器、さらには他
の音源で発生された音を加工して出力する楽音出力装置
等の音を取り扱う装置においては、いかに豊かな音色の
楽音を出すかが重要な課題となる。この豊かな音を出す
ための手段として、従来から音源等で発生された音の電
気信号に多くの倍音成分を含ませるディストーション処
理を施すことが行なわれている。
【0003】このような従来のディストーション回路と
しては、例えば、図16に示すように、ディストーション
回路1を、フィルタ回路2、歪発生回路3及びローパス
フィルタ回路4を備えている。この従来のディストーシ
ョン回路1は、入力楽音信号に含まれるノイズを歪発生
回路3の前段に設けられたフィルタ回路2により除去
し、該入力楽音信号の波形を歪発生回路3で所定信号レ
ベルでクリップして歪ませる。この歪発生回路3で歪ま
せた楽音信号を、歪発生回路3の後段に設けられたロー
パスフィルタ回路4に出力し、ローパスフィルタ回路4
は、歪回路3から入力される歪の加わった楽音波形の不
要な高調波成分をある程度除去して、音に丸みを付けて
出力楽音信号として出力する。したがって、出力楽音信
号は、ローパスフィルタ回路4により不要な高調波成分
を除去することにより、柔らかい温かみのある音として
楽音発生装置等から出力することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のディストーション回路にあっては、歪発生回
路の後段にローパスフィルタ回路を設けていたため、電
子弦楽器等の楽音の音量を絞って生音に近い状態で演奏
させたい場合、歪発生回路は、信号レベルが低いことか
ら入力楽音信号に歪を加えることなく出力するが、歪発
生回路の後段に設けられたローパスフィルタ回路による
フィルタリング処理は施されるため、生音とは異なる
音、例えば、生音よりもこもった音が演奏されることに
なる。その結果、生音に近い状態で演奏することができ
ないという問題があった。
【0005】そこで、本願各発明は、入力楽音信号に歪
を加えるとともにフィルタリング処理を施した楽音信号
による音楽正豊かな演奏を可能とするとともに、入力楽
音信号の音量が絞られたときには、生音に近い音の演奏
を可能とすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
入力する楽音信号の信号レベルを検出するレベル検出手
段と、入力する楽音信号の波形を歪ませる歪発生手段
と、前記歪発生手段の出力する楽音信号に所定のフィル
タリング処理を施すフィルタリング手段と、前記レベル
検出手段により検出された信号レベルが減少するに伴っ
て値が減少する第1の混合比率係数と、前記レベル検出
手段により検出された信号レベルが減少するに伴って値
が増加する第2の混合比率係数とを設定する混合比率設
定手段と、 前記入力楽音信号に前記第2の混合比率係数
を乗算するとともに前記フィルタリング手段の出力する
楽音信号に前記第2の混合比率係数を乗算し、当該乗算
された2つの楽音信号を混合して出力する混合手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0007】
【作用】請求項1記載の発明においては、 入力楽音信号
は、レベル検出手段に入力され、レベル検出手段は、入
力楽音信号の信号レベルを検出する。また入力楽音信号
は、歪発生手段に入力され、歪発生手段は、入力楽音信
号の波形を歪ませてフィルタリング手段に出力する。フ
ィルタリング手段は、歪発生手段の出力する楽音信号に
所定のフィルタリング処理を施し、混合手段に出力す
る。ここにおいて混合比率設定手段が、レベル検出手段
により検出された信号レベルが減少するに伴って値が減
少する第1の混合比率係数と、レベル検出手段により検
出された信号レベルが減少するに伴って値が増加する第
2の混合比率係数とを設定する。そして、混合手段は入
力楽音信号に第2の混合比率係数を乗算するとともにフ
ィルタリング手段の出力する楽音信号に第2の混合比率
係数を乗算し、当該乗算された2つの楽音信号を混合し
て出力する。 したがって、入力音響信号に歪を含ませる
とともにフィルタリング処理を施して、音楽性豊かな楽
音の演奏を可能とすることができ、かつ入力楽音信号の
レベルが絞られたときには、入力楽音信号のレベルに基
づいて入力信号の混合比率を多くすることにより、生音
に近い音の演奏を可能とすることができる。
【0008】
【実施例】以下、実施例に基づいて具体的に説明する。
図1から図15は、請求項1記載の発明のディストーショ
ン回路の一実施例を示す図である。
【0009】図1は、請求項1記載の発明のディストー
ション回路10の回路構成図であり、ディストーション回
路10は、A/D変換器11、DSP(ディジタル信号処理
プロセッサ:Digital Signal Processor)12、D/A変
換器13、CPU(Central Processing Unit)14、ROM
(Read OnlyMemory)15及びRAM(Random Access Memo
ry) 16等を備えている。
【0010】A/D変換器11には、ギター等の電子弦楽
器等から出力される楽音波形を所定のサンプリング間隔
でサンプリングしたアナログの入力楽音信号が入力さ
れ、A/D変換器11は、アナログの入力楽音信号をディ
ジタル変換してディジタルの入力楽音信号をDSP12に
出力する。したがって、DSP12には、所定サンプリン
グ間隔でサンプリングされディジタル変換された入力楽
音信号が入力される。DSP12は、A/D変換器11から
入力される入力楽音信号に本発明のディストーション処
理を施してD/A変換器13に出力する。
【0011】D/A変換器13は、DSP12からの楽音信
号をアナログに変換し、出力楽音信号として図外の楽音
発生装置等に出力する。ROM15には、プログラム、特
に本発明のディストーション回路としてのプログラムや
その他必要なデータや係数等が格納されており、RAM
16は、ワークエリアとして利用される。
【0012】CPU14は、ROM15のプログラムをDS
P12に転送して、DSP12にディストーション処理を行
なわせたり、ディストーション回路10の各部を制御し
て、ディストーション回路10としての処理を実行する。
DSP12は、レベル検出処理(エンベロープ抽出処
理)、歪発生処理(クリップ処理)、フィルタリング処
理及び混合処理を行ない、DSP12の疑似的な処理ブロ
ックの構成は、図2のように示すことができる。すなわ
ち、DSP12は、その疑似的な処理ブロックとして、レ
ベル検出処理部(エンベロープ抽出処理部)20、歪発生
処理部(クリップ処理部)21、フィルタリング処理部22
及び混合処理部23を備えている。
【0013】レベル検出処理部(レベル検出手段)20に
は、入力楽音信号WINが入力され、レベル検出処理部20
は、ゲート31、32、乗算器33、加算器34、遅延素子35、
符号検出器36を備えている。ゲート31には、入力楽音信
号WINが入力されており、ゲート31は、符号検出器36の
制御下で作動して、ゲートの開閉を行なう。乗算器33
は、ゲート31あるいはゲート32の出力に所定の減衰係数
DEC を乗算してエンベロープ出力信号WENVとして混
合処理部23に出力するとともに、遅延素子35に出力す
る。遅延素子35は、1入力楽音信号WIN分だけ乗算器33
の出力を遅延させて加算器34に出力し、加算器34には、
この遅延素子35からの信号データと入力楽音信号WIN
入力されている。加算器34は、遅延素子35からのデータ
と入力楽音信号WINとを加算処理して符号検出器36に出
力するが、いま、入力楽音信号WINがマイナス入力であ
るので、加算器34は、入力楽音信号WINと遅延素子35か
らのデータの減算処理を行ない、符号検出器36に出力す
る。符号検出器36は、加算器34の演算結果が、正である
か、負であるかを検出し、その検出結果によりゲート31
及びゲート32の開閉制御を行なう。すなわち、符号検出
器36は、加算器34の演算結果が正のとき(すなわち、遅
延素子35からの入力の方が入力楽音信号WINよりも大き
いとき)には、ゲート32を開き、加算器34の演算結果が
負のとき(すなわち、入力楽音信号WINの方が遅延素子
35からの入力よりも大きいとき)には、ゲート31を開
く。
【0014】歪発生処理部(歪発生手段)21は、入力楽
音信号WINに加算処理及びシフト処理を施すことにより
DSP12のレジスタの最大ビットをオーバーフローさせ
て、レジスタの最大ビットで入力楽音信号WINをクリッ
プし、入力楽音信号WINに歪を付加させている。すなわ
ち、歪発生処理部21は、加算器41、42、43、44、45、4
6、乗算器47、48、49、51を備えている。加算器41、4
2、43、44、45、46は、それぞれ入力信号を加算し、乗
算器47、48、49、51は、入力信号に乗算係数として入力
される「2」を乗算する。したがって、歪発生処理部21
は、加算器41、42、43、44、45及び乗算器47、48、49、
51で加算処理と乗算処理を繰り返した後、最後に加算器
46で加算処理を行なって、入力楽音信号WINを2048
倍している。通常、入力楽音信号WINを2048倍する
と、DSP12内のレジスタがオーバーフローし、入力楽
音信号WINをクリップ処理することができる。このよう
に、入力楽音信号WINを大きくしてDSP12のレジスタ
をオーバーフローさせることにより入力楽音信号WIN
クリップ処理を行なうのは、入力楽音信号WINがギター
等から発生されたものであると、最初の入力楽音信号W
INの波形が非常に大きく、以降の波形が非常に小さくな
るため、入力楽音信号WINを1000〜2000倍近く
に大きくしないと、最初の波形だけにしかディストーシ
ョン処理、すなわち、歪が付加されないためである。こ
のように入力楽音信号WINを2048倍してDSP12の
レジスタをオーバーフローさせることによりディストー
ション処理を行なうと、ギター等のように、最初に入力
される入力楽音信号WINとそれ以降に入力される入力楽
音信号WINとの差が大きい入力楽音信号WINに対しても
適切にディストーション処理、すなわち歪を付加させる
ことができる。歪発生処理部21は、入力楽音信号WIN
歪を付加し、クリップ信号WDST としてフィルタリング
処理部22に出力する。
【0015】フィルタリング処理部(フィルタリング手
段)22は、通常の一次ローパスフィルタであり、乗算器
61、62、加算器63及び遅延素子64を備えている。乗算器
61は、歪発生処理部21からのクリップ信号WDST にフィ
ルタ係数PFI0 を乗算して加算器63に出力し、加算器63
は、乗算器61からの信号に乗算器62からのデータを乗算
して、フィルタ信号WFIL として混合処理部23に出力す
るとともに、遅延素子64に出力する。遅延素子64は、入
力されるフィルタ信号WFIL を1入力楽音信号W IN分だ
け遅延させて乗算器62に出力する。乗算器62には、さら
にフィルタ係数PFI1 が入力されており、乗算器62は、
遅延素子64により1入力楽音信号WIN分遅延されたフィ
ルタ信号WFIL にフィルタ係数PFI1 を乗算して、加
算器63に出力する。加算器63は、この乗算器62の出力と
乗算器61の出力とを加算してフィルタ信号WFIL として
出力する。
【0016】混合処理部(混合手段)23は、次式(1)
に示す演算処理を行なって混合処理を行ない、混合結果
を出力信号出力楽音信号WOUT として出力する。 WOUT =WENV ×WFIL ×Pa +(1−WENV )×WIN×Pb ……(1) すなわち、混合処理部23は、乗算器71、72、73、74及び
加算器75、76を備えている。加算器75には、レベル検出
処理部20からのエンベロープ出力信号WENV が入力され
ているとともに、加算定数として「1」が入力されてお
り、加算器75は、エンベロープ出力信号WENV に加算定
数1を加算して乗算器73に出力する。いまエンベロープ
出力信号WENV は、加算器75にマイナス入力として入力
されているため、加算器75は、結果として1からエンベ
ロープ出力信号WENV を減算して乗算器73に出力する。
乗算器73には、フィルタ定数Pb が入力されており、乗
算器73は、加算器75の出力にフィルタ定数Pb を乗算し
て乗算器74に出力する。このフィルタ定数Pb として
は、いま「1」が採用されている。乗算器74には、入力
楽音信号WINが入力されており、乗算器74は、乗算器73
の出力に入力楽音信号W INを乗算して加算器76に出力す
る。
【0017】一方、乗算器71には、レベル検出処理部20
からのエンベロープ出力信号WENVが入力されるととも
に、フィルタ定数Pa が入力されており、乗算器71は、
エンベロープ出力信号WENV にフィルタ定数Pa を乗算
して、乗算結果を乗算器72に出力する。乗算器72には、
さらにフィルタリング処理部22からのフィルタ信号W
FIL が入力されており、乗算器72は、乗算器71の乗算結
果にフィルタ信号WFILを乗算して加算器76に出力す
る。
【0018】加算器76は、この乗算器72の乗算結果と乗
算器74の乗算結果を加算し、その加算結果を出力楽音信
号WOUT として出力する。したがって、混合処理部23
は、上記(1)式による混合処理を行なって、入力楽音
信号WINとフィルタ信号WFIL とをエンベロープ値に応
じて混合して、出力楽音信号WOUT として出力する。
【0019】図3は、DSP12の具体的な回路構成図で
あり、DSP12は、プログラムメモリ81、制御回路82、
入力レジスタ(PI)83、係数メモリ(P)84、ワーク
メモリ(W)85、フラグレジスタ(SF0)86、乗算部
87、加減算部88及び出力レジスタ(OR)89等を有して
いる。
【0020】プログラムメモリ81には、本願各発明のデ
ィストーション回路としてのプログラムが格納され、こ
のプログラムは、図1に示すCPU14から書き込まれ
る。プログラムメモリ81には、図示しないアドレスカウ
ンタが接続されており、プログラムメモリ81は、このア
ドレスカウンタのアドレス指定により順次プログラム内
容を制御回路82に供給する。
【0021】制御回路82は、プログラムメモリ81内のプ
ログラムに従ってDSP12の各部を制御して、本願各発
明のディストーション処理を実行し、その詳細な処理内
容については後述する。
【0022】入力レジスタ(PI)83には、入力楽音信
号WINが入力され、入力レジスタ(PI)83は、この入
力楽音信号WINを一旦格納した後、内部バス90を介して
DSP12の各部に転送する。この入力楽音信号WINは、
図1のA/D変換器11から入力される信号であり、所定
サンプリング間隔でサンプリングされたものである。
【0023】係数メモリ(P)84は、DSP12によりデ
ィストーション処理を行なうために必要な各種係数を格
納するためのレジスタである。これら各種係数は、図1
のROM15に記憶されており、CPU14が、ROM15か
ら係数を読み出して係数メモリ(P)84に書き込む。係
数メモリ(P)84にセットされる係数としては、図4に
係数メモリ(P)84のメモリマップとして示すように、
そのアドレス0に、データ名PDEC としてエンベロープ
の減衰係数(0.5)が、そのアドレス1に、データ名
FI0 としてフィルタ係数(4000H)が、そのアド
レス2に、データ名PFI1 としてフィルタ係数(400
0H)が、そのアドレス3に、またデータ名Pa として
フィルタ定数(a=1)が、さらにそのアドレス4に、
データ名Pb としてフィルタ定数(b=1)が、設定さ
れる。
【0024】ワークメモリ(W)85は、入力レジスタ
(PI)83を介して入力された入力楽音信号WINや後述
する乗算部87および加減算部88での演算結果のデータお
よび出力楽音信号WOUT 等を一時的に格納するワーク用
メモリである。このワークメモリ(W)85に格納される
データとしては、例えば、図5にワークメモリ(W)85
のメモリマップとして示すように、そのアドレス0に、
データ名WINとして入力楽音信号が、そのアドレス1
に、データ名WENV としてエンベロープ出力信号が、そ
のアドレス2に、データ名WDST としてクリップ信号
が、そのアドレス3に、データ名WFIL としてフィルタ
信号が、そのアドレス4に、データ名WOUT として出力
楽音信号が、そのアドレス5に、データ名WONE として
定数(7FFFH=1)が、格納される。
【0025】フラグレジスタ(SF0)86は、後述する
加減算部88からのフラグF(AR)がセットされ、セッ
トされるフラグF(AR)をワークメモリ(W)85に出
力する。ワークメモリ(W)85は、このフラグレジスタ
(SF0)86に基づいて後述するように、ワークメモリ
(W)85へのデータの書込の禁止及び解除が行なわれ
る。すなわち、「0」のフラグF(AR)がフラグレジ
スタ(SF0)86にセットされると、フラグレジスタ
(SF0)86は、ワークメモリ(W)85へのデータの書
込を禁止する。
【0026】乗算部87は、ゲート91、92、レジスタ(M
0)93、(M1)94、ゲート95、乗算器96およびレジス
タ(MR)97を有しており、ゲート91、92には、上記係
数メモリ(P)84やワークメモリ(W)85および入力レ
ジスタ(PI)83からの出力が入力される。ゲート91、
92は、上記制御回路82によりその動作が制御され、入力
されるどのデータをレジスタ(M0)93及びレジスタ
(M1)94に出力するかを制御している。レジスタ(M
0)93は、ゲート91を介して入力されるデータを一時格
納し、乗算器96に出力するとともに、ゲート91にフィー
ドバックする。レジスタ(M1)94は、ゲート92を介し
て入力されるデータを一時格納し、ゲート95を介して乗
算器96に出力するとともに、ゲート92にフィードバック
する。ゲート95には、後述する加減算部88からのデータ
も入力されており、ゲート95は、制御回路82の制御下で
作動して、レジスタ(M1)94および加減算部88からの
データを選択して乗算器96に出力する。
【0027】乗算器96は、レジスタ(M0)93およびレ
ジスタ(M1)94から入力されるデータを乗算処理し、
その演算結果をレジスタ(MR)97に出力する。レジス
タ(MR)97は、乗算器96の乗算結果を一時格納した
後、ゲート92および加減算部88に出力する。加減算部88
は、ゲート101 、102 、レジスタ(A0)103 、レジス
タ(A1)104 、ゲート105 、106 、加減算器107 、レ
ジスタ(AR)108 、クリッパー109 およびレジスタ
(SR)110 等を有しており、ゲート101 、102 には、
上記係数メモリ(P)84やワークメモリ(W)85および
入力レジスタ(PI)83からの出力が入力される。ゲー
ト101 、102 は、上記制御回路82によりその動作が制御
され、入力されるどのデータをレジスタ(A0)103 及
びレジスタ(A1)104に出力するかを制御している。
レジスタ(A0)103 は、ゲート101 を介して入力され
るデータを一時格納し、ゲート105 に出力するととも
に、ゲート101 にフィードバックする。レジスタ(A
1)104 は、ゲート102 を介して入力されるデータを一
時格納し、ゲート106 に出力するとともに、ゲート102
にフィードバックする。ゲート105 には、上記乗算部87
のレジスタ(MR)97からのデータも入力されており、
ゲート105 は、制御回路82の制御下で作動して、レジス
タ(A0)103 および乗算部87からのデータを選択して
加減算器107 に出力する。ゲート106 には、レジスタ
(A1)104 からのデータの他に、加減算器107 の演算
結果のデータがレジスタ(AR)108 を介して入力され
ており、ゲート106 は、制御回路82の制御下で作動し
て、入力データを選択して加減算器107 に出力する。
【0028】加減算器107 は、入力データに加算処理あ
るいは減算処理を行ない、演算結果を、クリッパー109
およびゲート106 に出力するとともに、演算結果の最大
ビットを符号情報を示すフラグデータF(AR)として
フラグレジスタ(SF0)86に出力する。クリッパー10
9 は、データのオーバーフローを防止するためのもので
あり、クリッパー109 を通過したデータは、レジスタ
(SR)110 に供給される。また、このクリッパー109
は、ビットシフタを内蔵しており、入力されるデータを
1ビットシフトしてデータを2倍処理した値とすること
ができる。レジスタ(SR)110 の出力は、乗算部87の
ゲート95に出力されるとともに、ある1音についての処
理の演算結果として内部バス90を介してワークメモリ
(W)85に供給される。
【0029】これら乗算部87および加減算部88での演算
結果は、加減算部88からバス90を介してワークメモリ
(W)85に出力され、すべての演算処理の終了したデー
タは、ワークメモリ(W)85から出力レジスタ(OR)
89に出力され、出力レジスタ(OR)89は、入力された
データを楽音出力装置等に出力する。
【0030】次に作用について説明する。請求項1記載
の発明は、入力楽音信号WINの信号レベルに応じて入力
楽音信号WINにディストーション処理を施した信号と入
力楽音信号WINとの混合割合を変化させて出力し、信号
レベルの低い入力楽音信号WINを生音に近い音として出
力するところにその特徴がある。
【0031】ディストーション回路10は、そのDSP12
により各処理を行ない、図6に示すように、入力楽音信
号WINの入力処理(ステップS1)、エンベロープの抽
出処理(ステップS2)、入力楽音信号WINのクリップ
(歪付加)処理(ステップS3)、フィルタリング処理
(ステップS4)、混合処理(ステップS5)及び出力
処理(ステップS6)の手順に従って処理を実行する。
【0032】ディストーション回路10は、DSP12にこ
れら各処理を行なわせるため、まず、CPU14がDSP1
2へプログラムの設定処理及び各種データの設定処理を
行なう。すなわち、DSP12により請求項1記載のディ
ストーション処理を行なうためには、まず、目的とする
ディストーション処理を行なうのに必要なプログラムと
そのプログラムの実行に使用するデータをプログラムメ
モリ81、係数メモリ(P)84およびワークメモリ(W)
85に設定する必要がある。
【0033】そこで、CPU14は、必要なプログラムと
データをROM15から読み出して、プログラムメモリ8
1、係数メモリ(P)84及びワークメモリ(W)85に設
定する。係数メモリ(P)84には、図4に示したよう
に、減衰係数PDEC 、フィルタ係数PFI0 、フィルタ係
数PFI1 、フィルタ定数Pa 及びフィルタ定数Pb
セットされ、ワークメモリ(W)85には、図5に示すよ
うに、定数WONE がセットされる。
【0034】以下、DSP12での各処理について順次説
明する。入力処理 入力処理は、入力楽音信号WINをDSP12のワークメモ
リ(W)85内に取り込む処理であり、入力楽音信号WIN
は、入力レジスタ(PI)83を介してワークメモリ
(W)85に取り込まれる。すなわち、図7に示すよう
に、入力レジスタ(PI)83に入力された入力楽音信号
INをワークメモリ(W)85のアドレス0に入力楽音信
号WINとして取り込む(ステップS101)。この入力
楽音信号WINは、上述のように、アナログの音の信号を
所定サンプリングタイミングでサンプリングし、図1の
A/D変換器11でディジタル変換したものである。
【0035】エンベロープ抽出処理 ワークメモリ(W)85に入力楽音信号WINが格納される
と、入力楽音信号WINに対するエンベロープ抽出処理を
行なう。すなわち、入力楽音信号WINをワークメモリ
(W)85から読み出し、ゲート101 を介してレジスタ
(A0)103 に転送してセットする(ステップS20
1)。次いで、エンベロープ出力信号WENV をワークメ
モリ(W)85から読み出し、ゲート102 を介してレジス
タ(A1)104 にセットする(ステップS201)。レ
ジスタ(A0)103 及びレジスタ(A1)104 にデータ
がセットされると、ゲート105 、106 を介してレジスタ
(A0)103 及びレジスタ(A1)104 の入力楽音信号
IN及びエンベロープ出力信号WENV を加減算器107 に
転送し、エンベロープ出力信号WENV から入力楽音信号
INを減算する減算処理(WENV −WIN)を実行して、
その減算結果をレジスタ(AR)108 にセットする(ス
テップS202)。次に、このレジスタ(AR)108 の
最上位ビット、すなわち符号を示すデータを符号フラグ
F(AR)としてフラグレジスタ(SF0)86に転送し
てセットし、ステップS201でレジスタ(A0)103
にセットされた入力楽音信号WINを加減算器107 を通過
させてレジスタ(AR)108 に転送する(ステップS2
03)。さらに、このレジスタ(AR)108 の入力楽音
信号WINを、レジスタ(SR)110 にセットする(ステ
ップS204)。
【0036】次に、ステップS203でフラグレジスタ
(SF0)86にセットした符号フラグF(AR)が1か
どうか、すなわち負であるか正であるか(符号フラグF
(AR)が1のとき負、符号フラグF(AR)が0のと
き正)をチェックし(ステップS205)、符号フラグ
F(AR)が1のとき、すなわちステップS202での
減算結果が正のときには、ステップS204でレジスタ
(SR)110 にセットした入力楽音信号WINをワークメ
モリ(W)85のアドレス1にエンベロープ出力信号W
ENV としてセットする(ステップS206)。一方、ス
テップS205で、フラグレジスタ(SF0)86にセッ
トした符号フラグF(AR)が1でないとき、すなわち
ステップS202での減算結果(WEN V −WIN)が負の
とき、すなわち、エンベロープ波形よりも入力波形の方
が小さいときには、レジスタ(SR)110 からワークメ
モリ(W)への書き込みを行なわず、そのままステップ
S207に移行する。
【0037】ステップS207において、係数メモリ
(P)84の減衰係数PDEC をレジスタ(M0)93に転送
してセットし、ワークメモリ(W)85のエンベロープ出
力信号WENV をレジスタ(M1)94に転送してセットす
る。次に、このレジスタ(M0)93の減衰係数PDEC
レジスタ(M1)のエンベロープ出力信号WENV とを乗
算部96に転送して、乗算処理(PDEC ×WENV )し、そ
の乗算結果をレジスタ(MR)97を介して加減算部88の
レジスタ(A0)103 にセットする(ステップS20
8)。
【0038】次に、このレジスタ(A0)103 のデータ
を、レジスタ(AR)108 及びレジスタ(SR)110 を
介してワークメモリ(W)のアドレス1にエンベロープ
出力信号WENV としてセットする(ステップS209、
S210、S211)。以上の処理により1サンプリン
グ入力楽音信号WINに対するDSP12でのエンベロープ
抽出処理、すなわちレベル検出処理が完了したことにな
り、この処理を順次繰り返し行なうことにより、順次サ
ンプリングタイミングで入力される入力楽音信号WIN
対するエンベロープ抽出処理を行なうことができる。す
なわち、エンベロープ波形よりも入力波形の方が小さい
とき、すなわち(WENV −WIN)<0のときには、エン
ベロープ出力信号WENV に減衰係数PDEC を乗算して、
エンベロープ出力信号WENVを減衰させている。したが
って、図9に示すように、入力楽音信号WINが徐々に減
衰していくような場合でも、エンベロープ出力を適切に
確保することができる。
【0039】クリップ処理 このクリップ処理は、図2の歪発生処理部21における歪
発生処理であり、歪発生処理部21での説明で述べたよう
に、入力楽音信号WINに加算処理と乗算処理を繰り返し
行なうことによりDSP12のレジスタの最大ビットをオ
ーバーフローさせて入力楽音信号WINをレジスタの最大
ビットでクリップしている。すなわち、具体的には、D
SP12は、図10に示すように、ワークメモリ(W)85の
アドレス0の入力楽音信号WINをレジスタ(A0)103
及びレジスタ(A1)104 にセットし(ステップS30
1)、レジスタ(A0)103 及びレジスタ(A1)104
にセットした入力楽音信号WINを次に説明する加減算部
88での乗算処理を5回繰り返し実行する(ステップS3
02、S303、S304、S305、S306)。
【0040】この乗算処理は、図11に示すように、レジ
スタ(A0)103 及びレジスタ(A1)104 にセットし
た入力楽音信号WINを、まず加減算器107 に転送し、加
減算器107 で入力楽音信号WIN同士を加算処理して、加
算結果をレジスタ(AR)108 に転送する(ステップS
310)。このレジスタ(AR)108 の加算データをク
リッパー109 に転送し、クリッパー109 で、加算データ
をビットシフトすることにより2倍処理して、この2倍
処理したデータをレジスタ(SR)110 に転送する(ス
テップS311)。このようにして加算処理及び乗算処
理を行なったデータを、再度レジスタ(A0)103及び
レジスタ(A1)104 に転送し、同様の処理を5回繰り
返して行なうことにより、上記図10の乗算処理を5回行
なう。このようにして乗算処理を完了すると、再び図10
において、レジスタ(A0)103 及びレジスタ(A1)
104 にセットしたデータを加減算器107 に転送して、加
減算器107 で加算し、上述のように、入力楽音信号WIN
を2048倍して、その加算結果をレジスタ(AR)10
8 に転送する(ステップS307)。この2048倍し
た入力楽音信号WINをレジスタ(AR)108 からレジス
タ(SR)110を介してワークメモリ(W)85に転送
し、ワークメモリ(W)85のアドレス2にクリップ信号
DST としてセットする(ステップS308、S30
9)。
【0041】このワークメモリ(W)85にセットされた
クリップ信号WDST は、DSP12のレジスタによりオー
バーフローし、レジスタの最大ビットでクリップされた
信号となっている。したがって、入力楽音信号WINを所
定値(レジスタの最大ビット)でクリップすることによ
り、入力楽音信号WINに歪を付加することができる。以
上の処理を順次繰り返して実行することにより、サンプ
リングタイミング毎に入力される入力楽音信号WINに対
してクリップ処理(歪発生処理)を行なうことができ
る。
【0042】フィルタリング処理 このフィルタリング処理は、図2のフィルタリング処理
部22での処理であり、具体的には、DSP12により実行
される。すなわち、DSP12は、図12に示すように、ま
ず、ワークメモリ(W)85内のクリップ信号WDST を乗
算部87のレジスタ(M1)に転送し、係数メモリ(P)
84内のフィルタ係数PFI0 をレジスタ(M0)93に転送
する(ステップS401)。このレジスタ(M0)93及
びレジスタ(M1)94のデータを乗算器96に転送し、乗
算器96で乗算処理(WDST ×PFI0 )して、その乗算結
果を加減算部88のレジスタ(A0)103 に転送する(ス
テップS402)。この乗算結果のレジスタ(A0)10
3 への転送は、乗算部87のレジスタ(MR)97から加減
算部88のゲート105 に転送し、ゲート105 から加減算器
107 、レジスタ(AR)108、クリッパー109 、レジス
タ(SR)110 及びゲート101 を介してレジスタ(A
0)に転送される。この乗算結果のレジスタ(A0)10
3 への転送が完了すると、ワークメモリ(W)85のフィ
ルタ信号WFIL を読み出して、レジスタ(M1)に転送
し、また係数メモリ(P)84のフィルタ係数PFI1 を読
み出して、レジスタ(M0)93に転送する(ステップS
402)。
【0043】次に、レジスタ(A0)103 のデータをゲ
ート105 及び加減算器107 を介してレジスタ(AR)10
8 に転送し、レジスタ(M0)93のフィルタ係数PFI1
及びレジスタ(M1)94のフィルタ信号WFIL を乗算
器96に転送して、乗算処理(PFI1 ×WFIL )する。
この乗算処理した結果を加減算部88のレジスタ(A0)
103 に転送する(ステップS403)。このレジスタ
(A0)103 の乗算結果とレジスタ(AR)108 のデー
タ(WDST ×PFI0 )を加減算器107 に転送し、加減算
器107 で加算処理(PFI1 ×WFIL +WDST ×P
FI0 )して、その加算結果をレジスタ(AR)108 に転
送する(ステップS404)。レジスタ(AR)108 に
転送された加算結果のデータをレジスタ(SR)110 を
介してワークメモリ(W)85のアドレス3にフィルタ信
号WFIL としてセットする(ステップS405、S40
6)。上記処理を順次繰り返し行なうことにより、クリ
ップ処理されたクリップ信号WDST に対して、フィルタ
リング処理を行なうことができる。
【0044】混合処理 この混合処理は、上記図2の混合処理部23の処理であ
り、上記式(1)の処理を行なう。具体的には、DSP
12で処理される。すなわち、DSP12は、図13に示すよ
うに、ワークメモリ(W)85内のエンベロープ出力信号
ENV を乗算部87のレジスタ(M1)94に転送し、係数
メモリ(P)84内のフィルタ定数Pa を乗算部87のレジ
スタ(M0)93に転送する(ステップS501)。レジ
スタ(M0)93のフィルタ定数Pa 及びレジスタ(M
1)94のエンベロープ出力信号WENV を乗算器96に転送
し、乗算器96で乗算処理(WENV ×Pa )して、その乗
算結果を加減算部88のレジスタ(A0)103 に転送する
(ステップS502)。このレジスタ(A0)103 の乗
算結果(WENV ×Pa)をレジスタ(AR)108 、レジ
スタ(AR)110 を介してレジスタ(M1)94に転送し
(ステップS503、S504、S505)、ワークメ
モリ(W)85のフィルタ信号WFIL を読み出してレジス
タ(M0)93に転送する(ステップS505)。
【0045】このレジスタ(M0)93のフィルタ信号W
FIL 及びレジスタ(M0)94の乗算結果(WENV ×P
a )を乗算器96に転送し、乗算処理して、その乗算結果
(WEN V ×Pa ×WFIL )をレジスタ(A0)103に転
送する(ステップS506)。この乗算結果(WENV ×
a ×WFIL )をレジスタ(A0)103 からレジスタ
(AR)108 を介してレジスタ(A0)110 へ転送し、
さらにレジスタ(SR)からワークメモリ(W)85に転
送してそのアドレス4に出力楽音信号WOUT として書き
込む(ステップS509)。
【0046】次に、ワークメモリ(W)85から定数W
ONE を読み出して加減算部88のレジスタ(A1)104 に
転送し、ワークメモリ(W)85からエンベロープ出力信
号WEN V を読み出して加減算部88のレジスタ(A0)10
3 に転送する(ステップS510)。このレジスタ(A
0)103 のエンベロープ出力信号WENV とレジスタ(A
1)104 の定数WONE とを加減算器107 に転送し、定数
ONE からエンベロープ出力信号WENV を減算(WONE
−WENV )して、その減算結果をレジスタ(AR)108
に転送する(ステップS511)。レジスタ(AR)10
8 の減算結果(WONE −WENV )をレジスタ(SR)11
0 を介して乗算部87のレジスタ(M1)94に転送し(ス
テップS512、S513)、係数メモリ(P)84のフ
ィルタ定数P b を乗算部87のレジスタ(M0)93に転送
する(ステップS513)。レジスタ(M0)93のフィ
ルタ定数Pb とレジスタ(M1)94の減算結果(WONE
−WEN V )を乗算器96に転送し、乗算処理(Pb ×[W
ONE −WENV ])して、その乗算結果を加減算部88のレ
ジスタ(A0)103 に転送する。
【0047】いま、定数WONE としては、7FFFH=
1が設定されているので、上記ステップS511の減算
結果は、(1−WENV )となり、この減算結果にステッ
プS514で、フィルタ定数Pb を乗算している。した
がって、ステップS514での乗算処理は、(1−W
ENV )×Pb を乗算することになる。この乗算結果
([1−WENV ]×Pb )をレジスタ(A0)103 から
レジスタ(AR)108 及びレジスタ(SR)110 を介し
て乗算部87のレジスタ(M1)94に転送し(ステップS
515、S516、S517)、係数メモリ(P)84か
ら入力楽音信号WINを読み出して乗算部87のレジスタ
(M0)93に転送する。このレジスタ(M0)93の入力
楽音信号WINとレジスタ(M1)94の乗算結果を乗算器
96に転送し、乗算処理して、その乗算結果([1−W
ENV ]×Pb ×WIN)を加減算部88のレジスタ(A0)
103 に転送する(ステップS518)。乗算結果のレジ
スタ(A0)103 への転送が完了すると、ワークメモリ
(W)85から出力信号WOUT を読み出し、レジスタ(A
1)104 に転送する(ステップS518)。これらレジ
スタ(A0)103 の乗算結果([1−WENV ]×Pb ×
IN)とレジスタ(A1)104 の出力信号WOUT とを加
減算器107 に転送し、加算処理(WOU T +([1−W
ENV ]×Pb ×WIN)を行なって、その加算結果をレジ
スタ(AR)108 に転送する(ステップS519)。
【0048】いま、ワークメモリ(W)85に格納されて
いる出力信号WOUT は、上記ステップS509で格納し
たもの、すなわち、ステップS506の乗算結果(W
ENV ×Pa ×WFIL )であるので、ステップS519で
の加算結果は、上記(1)乗算器の演算結果、すなわ
ち、WENV ×Pa ×WFIL +(1−WENV )×Pb ×W
INとなる。
【0049】この乗算結果をレジスタ(AR)108 から
レジスタ(SR)110 を介してワークメモリ(W)85に
転送し(ステップS520、S521)、そのアドレス
4に出力信号WOUT として書き込む(ステップS52
1)。以上の処理により、上記(1)式の演算処理を行
なうことができ、この演算処理により、ディストーショ
ン処理を施された入力楽音信号WIN、すなわちクリップ
処理を施された後フィルタ処理を施された入力楽音信号
INと、生の入力楽音信号WINと、をエンベロープ値に
対応してその混合割合を設定して、混合することができ
る。この混合処理を順次繰り返して実行することによ
り、所定のサンプリングタイミングでサンプリングされ
た入力楽音信号WINの混合処理を行なうことができる。
【0050】したがって、入力楽音信号WINのレベルが
大きいときには、上記(1)式においてエンベロープ出
力信号WENV が大きくなり、ディストーション処理を施
した入力楽音信号WINを出力楽音信号WOUT として選定
することができ、入力楽音信号WINのレベルが小さくな
るにしたがって、上記(1)式においてエンベロープ出
力信号WENV が小さくなり、生音に近い音を出力楽音信
号WOUTとして設定することができる。
【0051】出力処理 出力処理は、上記混合処理により生成されワークメモリ
(W)85にセットされた出力信号WOUT をDSP12から
図1のD/A変換器13を介して出力楽音信号として出力
する処理である。すなわち、DSP12は、図14に示すよ
うに、ワークメモリ(W)85から出力信号WOUT を読み
出し、レジスタ(OR)89に転送し(ステップS60
1)、レジスタ(OR)89から所定のタイミングでD/
A変換器13に出力する。
【0052】上記エンベロープ抽出処理、クリップ処
理、フィルタリング処理及び混合処理を所定のサンプリ
ングタイミングで入力される入力楽音信号WIN毎に繰り
返し実行することにより、ギター等で発生された楽音信
号に対してディストーション処理を行なうことができる
とともに、入力楽音信号WINのエンベロープ値の大きさ
に対応して、クリップ処理及びフィルタリング処理を施
した入力楽音信号WINと、生の入力楽音信号WINとの混
合割合を変化させて出力信号WOUT として出力すること
ができる。したがって、入力楽音信号WINのエンベロー
プ値が小さいとき、すなわち入力楽音信号WINのレベル
が小さいときには、生の入力楽音信号WINの混合割合を
多くした出力信号WOUT を出力することができ、生音に
近い音を出力信号WOUT として出力することができる。
【0053】図15、16は、請求項2記載の発明のディス
トーション回路の一実施例を示す図である。本実施例の
ディストーション回路は、上記実施例のディストーショ
ン回路10と同様のディストーション回路に適用したもの
であり、同一構成部分には、同一符号を付してその説明
を省略する。特に、図6のディストーション回路の基本
処理フローと同一の処理ステップには、同一のステップ
ナンバーを付してその説明を省略する。
【0054】本実施例は、入力楽音信号を所定の基準値
(スレッショルドレベル)と比較して、入力楽音信号が
所定の基準値よりも大きいときには、入力楽音信号にデ
ィストーション処理を施して出力信号とし、入力楽音信
号が該基準値以下のときには、入力楽音信号をそのまま
出力信号として出力するものである。したがって、本実
施例では、この基準値としてのスレッショルドレベルW
THがROM15に格納されており、DSP12の処理にあた
ってCPU14は、ROM15からスレッショルドレベルW
THを読み出してDSP12のワークメモリ(W)85に書き
込む。
【0055】図15は、本実施例のディストーション回路
10の基本処理フローを示すフローチャートであり、本フ
ローチャートのステップS1からステップS4及びステ
ップS6は、上記実施例の図6のステップS1からステ
ップS4及びステップS6と同じ処理である。すなわ
ち、ステップS1からステップS4において、入力楽音
信号WINの取込処理を行ない、まず、取り込んだ入力楽
音信号WINのエンベロープ値の抽出処理を行なって、抽
出したエンベロープ出力信号WENV をワークメモリ
(W)85に書き込む。次に入力楽音信号WINにクリップ
処理を行ない、クリップ処理を行なったクリップ信号W
DST にフィルタリング処理を行なって、フィルタ信号W
FIL として、上記ワークメモリ(W)85に格納する。し
たがって、ワークメモリ(W)85には、入力楽音信号W
IN、エンベロープ出力信号WENV 及びフィルタ信号W
FIL が書き込まれている。
【0056】次に本実施例の特徴である切換処理を行な
って、出力信号WOUT を決定する。この切換処理は、D
SP12で行なわれ、図16に示すように、まず、入力楽音
信号WINをワークメモリ(W)85から読み出して加減算
部88のレジスタ(A0)103 に転送する(ステップT1
01)。レジスタ(A0)103 に転送された入力楽音信
号WINは、さらにレジスタ(AR)108 及びレジスタ
(SR)110 を介してワークメモリ(W)85に転送さ
れ、そのアドレス4に出力信号WOUT として書き込まれ
る(ステップT102、T103、T104)。
【0057】入力楽音信号WINを出力信号WOUT として
ワークメモリ(W)85に書き込むと、次に、ワークメモ
リ(W)85からエンベロープ出力信号WENV を読み出し
てレジスタ(A0)103 に転送し、同様にワークメモリ
(W)85からスレッショルドレベルWTHを読み出してレ
ジスタ(A1)104 に転送する(ステップT105)。
このレジスタ(A0)103 のエンベロープ出力信号W
ENV とレジスタ(A1)104 のスレッショルドレベルW
THとを加減算器107 に転送し、加減算器107 で減算処理
(WTH−WENV )を行なって、減算結果をレジスタ(A
1)108 に転送する(ステップT106)。
【0058】次に、ワークメモリ(W)85からフィルタ
信号WFIL を読み出し、レジスタ(A0)103 に転送す
る(ステップT107)。ステップT106で、減算結
果がレジスタ(AR)108 に転送されており、この減算
結果の最上位ビットを符号フラグF(AR)としてフラ
グレジスタ(SF0)86に転送する(ステップT10
8)。またステップT107でレジスタ(A0)103 に転
送したフィルタ信号WF ILをレジスタ(AR)108 に転
送し(ステップT108)、さらにレジスタ(AR)11
0 に転送する(ステップT109)。
【0059】この状態で符号フラグF(AR)が1で、
この符号フラグF(AR)によりフラグレジスタ(SF
0)86に1がセットされているかどうか、すなわち、減
算結果(WTH−WENV )が負かどうかチェックし(ステ
ップT110)、負のときには、エンベロープ出力信号
ENV 、すなわち入力楽音信号WINのレベルがスレッシ
ョルドレベルWTHよりも大きいと判断し、ステップT10
9でレジスタ(SR)110 にセットされたフィルタ信号
FIL 、すなわちクリップ処理及びフィルタリング処理
の施された信号をワークメモリ(W)85に転送して、そ
のアドレス4に出力楽音信号WOUT として書き込む(ス
テップT111)。一方、ステップT110で、フラグ
レジスタ(SF0)86に1がセットされていないときに
は、入力楽音信号WINのレベルがスレッショルドレベル
THよりも小さいと判断して、そのまま、すなわちステ
ップT104 でワークメモリ(W)85のアドレス4にセッ
トした出力楽音信号WOUT をそのまま出力楽音信号W
OUT としてセットしておく。
【0060】したがって、入力楽音信号WINのエンベロ
ープ値を所定のスレッショルドレベルWTHと比較し、エ
ンベロープ値がスレッショルドレベルWTHよりも大きい
ときには、出力楽音信号WOUTとしてフィルタ信号WFIL
、すなわちクリップ処理及びフィルタリング処理を施
した入力楽音信号WINを設定することができる。また、
入力楽音信号WINのエンベロープ値がスレッショルドレ
ベルWTHよりも小さいときには、出力楽音信号WOUT
して入力楽音信号WINを設定することができる。その結
果、入力楽音信号WINが所定レベルを超えるときには、
入力楽音信号WINにディストーション処理を施して出力
楽音信号WOUT として設定することができ、入力楽音信
号WINが所定レベル以下のときには、入力楽音信号WIN
を出力楽音信号WOUT として設定することができる。
【0061】このようにして設定した出力楽音信号W
OUT を、上記実施例と同様に、出力することができる。
その結果、所定レベルを超える入力楽音信号WINに対し
ては、適切なディストーション処理を施して音楽正豊か
な楽音を出力させることができ、所定レベル以下の入力
楽音信号WINに対しては、生音を出力させることができ
る。 なお、上記各実施例においては、入力楽音信号W
INとディストーション処理を施した入力楽音信号WIN
を混合するか、所定レベルで入力楽音信号WINとディス
トーション処理を施した入力楽音信号WINとを切り換え
て出力するか、の場合について説明したが、これに限る
ものではなく、例えば、入力楽音信号WINの所定レベル
までは、入力楽音信号WINとディストーション処理を施
した入力楽音信号WINとの混合処理を行ない、所定レベ
ル以下になると、入力楽音信号WINをそのまま出力する
ようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、入力する
楽音信号とこの楽音信号を歪ませフィルタリング処理
(ディストーション処理)を施した信号とを前記楽音信
号のレベルに応じて混合して出力楽音信号とすることが
でき、入力楽音信号のレベルが大きいときには、音楽性
豊かな楽音の演奏を可能とすることができるとともに、
入力楽音信号のレベルが絞られたときには、ディストー
ション処理を施した信号に対する入力楽音信号の混合比
率を多くすることができ、生音に近い出力楽音信号を出
力することができる。その結果、入力楽音信号のレベル
が小さいときには、生音に近い音の演奏を行なうことが
できる。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明によるディストーション回
路の一実施例を示す回路ブロック図。
【図2】図1のDSPにでのエンベロープ値抽出処理、
クリップ処理、フィルタリング処理及び混合処理を疑似
的に示す構成図。
【図3】図1のDSPの詳細な回路図。
【図4】図3のDSPの係数メモリの記憶内容を示す
図。
【図5】図3のDSPのワークメモリの記憶内容を示す
図。
【図6】図3のDSPでの基本的な処理を示すフローチ
ャート。
【図7】図6の入力処理の詳細なフローチャート。
【図8】図6のエンベロープ値抽出処理の詳細なフロー
チャート。
【図9】入力楽音信号波形と減衰係数を乗算したときの
エンベロープ波形との関係を示す図。
【図10】図6のクリップ処理の詳細なフローチャート。
【図11】図10の乗算処理の詳細なフローチャート。
【図12】図6のフィルタリング処理の詳細なフローチャ
ート。
【図13】図6の混合処理の詳細なフローチャート。
【図14】図6の出力処理の詳細なフローチャート。
【図15】請求項2記載の発明のDSPによる基本的な処
理を示すフローチャート。
【図16】図15の切換処理の詳細なフローチャート。
【図17】従来のディストーション回路のブロック図。
【符号の説明】
10 ディストーション回路 11 A/D変換器 12 DSP 13 D/A変換器 14 CPU 15 ROM 16 RAM 20 エンベロープ抽出処理部 21 クリップ処理部 22 フィルタリング処理部 23 混合処理部 81 プログラムメモリ 82 制御回路 83 入力レジスタ(PI) 84 係数メモリ(P) 85 ワークメモリ(W) 86 フラグレジスタ(SF0) 87 乗算部 88 加減算部 89 出力レジスタ(OR)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力する楽音信号の信号レベルを検出す
    るレベル検出手段と、 入力する楽音信号の波形を歪ませる歪発生手段と、 前記歪発生手段の出力する楽音信号に所定のフィルタリ
    ング処理を施すフィルタリング手段と、前記レベル検出手段により検出された信号レベルが減少
    するに伴って値が減少する第1の混合比率係数と、前記
    レベル検出手段により検出された信号レベルが減少する
    に伴って値が増加する第2の混合比率係数とを設定する
    混合比率設定手段と、 前記入力楽音信号に前記第2の混合比率係数を乗算する
    とともに前記フィルタリング手段の出力する楽音信号に
    前記に第2の混合比率係数を乗算し、当該乗算された2
    つの楽音信号を混合して出力する混合手段と、 を備えたことを特徴とするディストーション回路。
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