JP2559508B2 - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents

トナー用樹脂組成物及びトナー

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JP2559508B2 JP1340468A JP34046889A JP2559508B2 JP 2559508 B2 JP2559508 B2 JP 2559508B2 JP 1340468 A JP1340468 A JP 1340468A JP 34046889 A JP34046889 A JP 34046889A JP 2559508 B2 JP2559508 B2 JP 2559508B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子写真等において、静電荷像の現像に使
用するトナー用樹脂組成物及びこの樹脂組成物を用いた
トナーに関する。
(従来の技術) 電子写真等において、静電荷像を現像する方式とし
て、乾式現像方式が多用されている。この乾式現像方式
では、樹脂にカーボンブラック等の着色剤を分散含有さ
せたトナーと呼ばれる摩擦帯電性の微粉末現像剤が用い
られる。
通常、摩擦によって帯電したトナーは、電気的引力に
より感光体上の静電潜像に付着してトナー像が形成さ
れ、次いでこのトナー像が用紙上に転写され、トナーに
対して離型性を有する加熱ローラーで定着される。
このようなトナーには、耐オフセット性(加熱ローラ
ーにトナーが付着しないこと)、定着性(トナーが用紙
に強固に付着すること)、耐ブロッキング性(トナー粒
子が凝集しないこと)等の諸性能が要求される。特に、
広い定着温度範囲に亘って耐オフセット性が優れたトナ
ーが要求される。
従来、この種のトナー用樹脂組成物及びトナーとし
て、スチレン系単量体又は/及び(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体を構成単位とする(共)重合体からなる
樹脂が広く使用されている。また、かかる(共)重合体
にカルボキシル基を導入し、これを多価金属化合物と反
応させて、(共)重合体を金属イオンで架橋することに
より改質した樹脂を使用することが提案されている(例
えば、特開昭57−178250号公報及び特開昭61−110155公
報参照)。
(発明が解決しようとする課題) このような金属イオン架橋樹脂を用いた従来トナー用
樹脂組成物及びトナーは、上記した諸性能が比較的良好
である。しかし、特に広い定着温度範囲での耐オフセッ
ト性がまだ不充分である。
なお、耐オフセット性を改善するために、多価金属化
合物の添加量を増やしたり、高い分子量の重合体を用い
ると、定着性が低下する。
本発明は、上記の問題を解決するものであり、その目
的とするところは、広い定着温度範囲での耐オフセット
性に優れ、しかも良好な耐ブロッキング性を有するトナ
ー用樹脂組成物及びトナーを提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明のトナー用樹脂組成物は、スチレン系単量体又
は/及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体と酸基を
有するビニル系単量体との共重合体に多価金属化合物及
び有機スルホン酸化合物が添加されている樹脂、主要樹
脂成分として含有することを特徴とする。
また、本発明のトナーは、上記トナー用樹脂組成物を
含有することを特徴とする。
本発明において、共重合体の構成単位となるスチレン
系単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルス
チレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4
−ジクロロスチレン等が挙げられる。これ等の中でも、
スチレンが好ましい。
また、共重合体の構成単位となる(メタ)アクリル酸
エステル系単量体としては、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アク
リル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、
(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエ
チル、α−クロロアクリル酸メチル等が挙げられる。こ
れ等の中でも、メタアクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルが好ま
しい。
また、共重合体の構成単位となる酸基を有するビニル
系単量体の酸基としては、カルボン酸、スルホン酸、ス
ルフィン酸、ホスホン酸、ホウ酸などを構成する基の一
種又はそれ以上が挙げられ、これ等の中でも酸の強度及
び共重合の容易から、カルボキシル基が好適である。
かかるカルボキシル基を有するビニル系単量体として
は、(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロ
トン酸、イソクロトン酸、β−メチルクロトン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸、及び下記の一般式で示
される半エステル化合物等が挙げられる。
(ただし、(1)式中、Lは分子鎖中にエステル結合を
有する炭素数3以上の2価の結合基を表し、R1は水素原
子又はメチル基を表す。) 上記の半エステル化合物は、水酸基を有する(メタ)
アクリル酸の誘導体と、琥珀酸、マロン酸、グルタル酸
等の脂肪族ジカルボン酸もしくはフタル酸等の芳香族ジ
カルボン酸とのエステル化反応によって得られる。な
お、上記ジカルボン酸は、ハロゲン原子、低級アルキル
基、アルコキシ基等によって水素原子が置換されていて
もよく、酸無水物であってもよい。
このような半エステル化合物としては、琥珀酸モノ
(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、琥珀酸モ
ノ(メタ)アクリロイルオキシプロピルエステル、グル
タル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステ
ル、フタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエ
ステル、フタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルエステル等が挙げられる。
上記のスチレン系単量体又は/及び(メタ)アクリル
酸エステル系単量体と酸基を有するビニル系単量体との
共重合体は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合及び塊状重
合など従来公知の一段階の重合方法又は二段階の重合方
法により得ることができる。
本発明においては、スチレン系単量体成分の含有率が
40〜95重量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体成
分の含有率が4〜40重量%であって、酸基を有するビニ
ル系単量体の含有率は、共重合体の酸価が3〜100とな
るように設定するのが好ましい。ここで、酸価とは、多
価金属化合物及び有機スルホン酸化合物による改質前の
共重合体1g中に含まれている酸基を中和するに要する水
酸化カリウムをmg数で表した値である。
スチレン系単量体成分の含有率が40重量%よりも少な
くなると、トナーの粉砕性が悪化することがある。ま
た、(メタ)アクリル酸エステル系単量体成分の含有率
が4重量%よりも少なくなると、トナーの定着性が悪化
することがある。また、酸基を有するビニル系単量体成
分の含有率が酸価で3未満では、多価金属化合物及び有
機スルホン酸化合物の作用による改質が充分でなく、ト
ナーの耐オフセット性の改善効果が発現しないことがあ
る。逆に、酸基を有するビニル系単量体成分の含有率が
酸価で100を越えると、トナーの耐ブロッキング性や流
動性が悪化することがある。
上記共重合体に添加して反応させる多価金属化合物の
金属としては、Cu、Ag、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、
Al、Ti、Ge、Sn、V、Cr、Mo、Mn、Fe、Co及びNi等が挙
げられる。これ等の金属の中でもアルカリ土類金属及び
亜鉛族金属が好ましく、特にMg及びZnが好ましい。
これ等の多価金属化合物としては、弗化物、塩化物、
塩素酸塩、臭化物、沃化物、酸化物、水酸化物、硫化
物、亜硫酸塩、硫酸塩、セレン化物、テルル化物、窒化
物、硝酸塩、燐化物、ホスフィン酸塩、燐酸塩、炭酸
塩、オルト珪酸塩、酢酸塩、修酸塩、メチル化物やエチ
ル化物などの低級アルキル金属化合物等が挙げられる。
これ等の中でも酢酸塩及び酸化物が好ましい。
また、上記共重合体に添加して作用させる有機スルホ
ン酸化合物としては、トルエンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、ナフタリンスルホン酸などの芳香族スルホン
酸及びその金属塩化物;メタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸、n−ブタンスルホン酸、イソブタンスルホン
酸、オクタンスルホン酸などのアルキルスルホン酸及び
その金属塩化物;アミノエタンスルホン酸、タウリン、
スルファニル酸、ナフチルスルホン酸、スルホ安息香酸
などの置換体が挙げられる。
前記共重合体に上記の多価金属化合物を反応させ、ま
た上記の有機スルホン酸化合物を作用させて改質するに
は、例えば次のような方法が採用される。
(1)共重合体に有機スルホン酸化合物及び多価金属
化合物を添加し適当な温度で混練する方法、(2)前記
単量体を溶液重合法等により共重合させた後、この系中
に有機スルホン酸化合物及び、必要に応じて有機溶媒に
分散させた、多価金属化合物を添加し適当な温度に加熱
する方法が採用される。
また、(3)前記単量体に予め有機スルホン酸化合
物、多価金属化合物の何れか一方を溶解又は分散させて
おいて溶液重合法等により単量体を共重合させ、その後
この系中に残りの有機スルホン酸化合物又は多価金属化
合物を添加し適当な温度に加熱する方法、(4)前記単
量体に予め有機スルホン酸化合物、多価金属化合物の何
れか一方を溶解又は分散させておいて溶液重合法等によ
り単量体を共重合体させ、その後溶剤を留去して得られ
た共重合体Aに残りの有機スルホン酸化合物又は多価金
属化合物を配合し適当な温度で混練する方法も採用され
る。
勿論、(5)前記共重合体Aを溶剤に再溶解し、残り
の有機スルホン酸化合物又は多価金属化合物を添加し加
熱する方法も採用され得る。
この場合、多価金属化合物は、酸基を有するビニル系
単量体成分に対するモル比が0.05〜1となる量を使用す
るのが好ましい。多価金属化合物のモル比が0.05よりも
少なくなると、酸基を有するビニル系単量体成分との反
応が不充分となりトナーの耐オフセット性の改善効果が
発現しないことがある。逆に多価金属化合物のモル比が
1よりも多くなると、トナーの定着性が低下することが
ある。
また、有機スルホン酸化合物は、酸基を有するビニル
系単量体成分に対するモル比が10以下、特に1×10-5
1となる量を使用するのが好ましい。また、改質するた
めの処理温度は、一般に100〜200℃が好ましい。
上記の処理により得られる共重合体の樹脂は、処理し
ない共重合体の樹脂に比べ、その分子量及び溶融粘度が
増大しており、そのことから共重合体が改質されている
ことが判る。改質された樹脂は、そのガラス転移温度が
40℃以上であるのが好ましい。ガラス転移温度が40℃よ
りも低い場合は、トナーの耐ブロッキッグ性や流動性が
悪化することがある。また、改質された樹脂の数平均分
子量は、0.3万〜30万の範囲が好ましい。かくして、本
発明のトナー用樹脂組成物が製造される。
なお、本発明のトナー用樹脂組成物には、本発明の目
的を達成し得る範囲内で、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド樹脂、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ス
チレン−ブタジエン共重合樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂
その他の添加剤が混合されてもよい。
本発明のトナー用樹脂組成物を用いて、トナーを製造
するには、例えば、上記樹脂組成物にカーボンブラック
などの着色剤その他必要に応じて従来公知のトナー用添
加剤をリボンブレンダー、ヘンセルミキサー等で混合
し、これをロールミル、ニーダー、押出機等を用いて、
例えば、100〜200℃の温度で溶融混練し、冷却して微粉
砕する方法、或いは前記した(1)〜(5)の改質方法
において、多価金属化合物又は有機スルホン酸化合物の
添加の際にカーボンブラック等の着色剤その他のトナー
添加剤を混合し、得られた組成物を溶融混練し、冷却し
て微粉砕する方法が主に採用される。かくして、本発明
のトナーが製造される。
(作用) 本発明によれば、スチレン系単量体又は/及び(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体と酸基を有するビニル
系単量体との共重合体が、多価金属化合物との反応及び
有機スルホン酸化合物の作用の両方により改質(架橋)
され、改質していない共重合体に比べその分子量及び溶
融粘度が適度に増大する。
このように共重合体が改質される作用機構のうち、有
機スルホン酸化合物の作用機構は未だ充分には明らかで
はないが、多価金属化合物が共重合体の酸基部分と反応
して金属イオン架橋が生じ、また有機スルホン酸化合物
が触媒的に作用し、共重合体の酸基部分、或いは酸基部
分とエステル結合部分で架橋が生じ、この両方の架橋結
合が相俟って、トナーに良好な耐オフセット性及び耐ブ
ロッキング性が発現するものと推察される。
(実施例) 以下、本発明の実施例及び比較例を示す。
実施例1 スチレン85重量部、アクリル酸n−ブチル10重量部、
琥珀酸メタクロイルオキシエチルエステル5重量部、及
び重合開始剤として過酸化ベンゾイル(BPO)3重量部
を溶解し、さらにp−トルエンスルホン酸0.1重量部を
溶解した混合物を、トルエン50重量部中で還流下で、2.
5時間かけて滴下しながら溶液重合を行った。滴下終了
後、さらにトルエンの還流下において撹拌しながら酸化
亜鉛0.5部を添加し、その後1時間熟成した。
その後、系の温度を180℃まで徐々に上げながら、減
圧下でトルエンを除去して樹脂を得た。この樹脂を冷却
して粉砕し、フレーク状のトナー用樹脂組成物を製造し
た。このトナー用樹脂組成物の数平均分子量は14,300、
ガラス転移温度は78℃であった。なお、改質前の共重合
体(別途、p−トルエンスルホン酸及び酸化亜鉛を添加
しないで重合した共重合体)の酸価は11であった。
このトナー用樹脂組成物100重量部とカーボンブラッ
ク(ダイヤブラックSH:三菱化成社製)5重量部とを170
℃で10分間ロール混練し、冷却後粗粉砕し、さらにジェ
ットミルで微粉砕して平均粒度を13〜15μとし、これに
疎水性シリカ微粉砕0.5重量部を混合してトナーを製造
した。
このトナー10gを100mlのビーカーに取り、60℃の恒温
槽中に24時間放置し、粒子の合着の有無によって耐ブロ
ッキング性を評価した。その結果、耐ブロッキング性は
良好であった。
このトナー4重量部を平均粒度50〜80μの鉄粉キャリ
アー96重量部と混合して微粉末現像剤を作り、この微粉
末現像剤を、電子写真複写機(コニカ社製U−Bix250
0)の改造機に装着して定着温度範囲を測定した。この
定着温度範囲は、定着用の加熱ローラーの設定温度を変
えて、オフセットを起こさずに良好に定着する設定温度
で示した。その結果、定着温度範囲は165〜220℃で広い
温度範囲で良好な定着が可能であった。また、トナー粒
子の荷電状態は安定であり、複写物の画像はかぶりが一
切なく鮮明であった。
実施例2 スチレン65重量部、メタクリル酸メチル15重量部、ア
クリル酸n−ブチル17重量部、琥珀酸メタクリロイルオ
キシエチルエステル3重量部及び重合開始剤として過酸
化ベンゾイル(BPO)10重量部を溶解した混合物を、ト
ルエン50重量部中で還流下で、2.5時間かけて滴下しな
がら溶液重合を行った。滴下終了後、これにp−トルエ
ンスルホン酸1.5重量部と酢酸マグネシウム1.8重量部を
添加し、さらにトルエンの沸騰する温度で撹拌しながら
1時間熟成した。以後は実施例1と同様に行った。
この場合、トナー用樹脂組成物の数平均分子量は5,30
0、ガラス転移温度は84℃であった。なお、改質前の共
重合体(別途、p−トルエンスルホン酸及び酢酸マグネ
シウムを添加しないで重合した共重合体)の酸価は5で
あった。
また、トナーの耐ブロッキング性は良好で、微粉末現
像剤による定着温度範囲は、170〜215℃で広い温度範囲
で良好な定着が可能であった。また、トナー粒子の荷電
状態は安定であり、複写物の画像はかぶりが一切なく鮮
明であった。
実施例3 スチレン60重量部、メタクリル酸メチル20重量部、メ
タクリル酸n−ブチル10重量部、アクリル酸10重量部及
び重合開始剤として過酸化ベンゾイル(BPO)2重量部
を溶解し、さらにp−トルエンスルホン酸0.05重量部を
溶解した混合物を、トルエン50重量部中で還流下で、2.
5時間かけて滴下しながら溶液重合を行った。滴下終了
後、これに酸化マグネシウム0.6重量部を添加し、さら
にトルエンの還流下において撹拌しながら1時間熟成し
た。以後は実施例1と同様に行った。
得られたトナー用樹脂組成物の数平均分子量は18,00
0、ガラス転移温度は86℃であった。なお、改質前の共
重合体(別途、p−トルエンスルホン酸及び酸化マグネ
シウムを添加しないで重合した共重合体)の酸価は71で
あった。
また、実施例1と同様にして得られたトナーの耐ブロ
ッキング性は良好で、微粉末現像剤による定着温度範囲
は、160〜210℃で広い温度範囲で良好な定着が可能であ
った。また、トナー粒子の荷電状態は安定であり、複写
物の画像はかぶりが一切なく鮮明であった。
実施例4 スチレン65重量部、メタクリル酸メチル12重量部、ア
クリル酸n−ブチル15重量部、メタクリル酸8重量部及
び重合開始剤として過酸化ベンゾイル(BPO)5重量部
を溶解した混合物を、トルエン50重量部中で還流下で、
2.5時間かけて滴下しながら溶液重合を行った。滴下終
了後、これにp−トルエンスルホン酸0.2重量部と酸化
亜鉛0.4重量部を添加し、さらにトルエンの還流下にお
いて撹拌しながら1時間熟成した。以後は実施例1と同
様に行った。
得られたトナー用樹脂組成物の数平均分子量は10,30
0、ガラス転移温度は77℃であった。なお、改質前の共
重合体(別途、p−トルエンスルホン酸及び酸化亜鉛を
添加しないで重合した共重合体)の酸価は48であった。
また、実施例1と同様にして得られたトナーの耐ブロ
ッキング性は良好で、微粉末現像剤による定着温度範囲
は、165〜220℃で広い温度範囲で良好な定着が可能であ
った。また、トナー粒子の荷電状態は安定であり、複写
物の画像はかぶりが一切なく鮮明であった。
比較例1 実施例1において、p−トルエンスルホン酸0.1重量
部を添加しないこと以外は、実施例1と同様に行った。
定着温度範囲は160〜220℃で、実施例1に比べて狭かっ
た。
比較例2 実施例2において、p−トルエンスルホン酸1.5重量
部を添加しないこと以外は、実施例2と同様に行った。
定着温度範囲は、170〜200℃で、実施例2に比べて狭か
った。
(発明の効果) 上述の通り、本発明のトナー用樹脂組成物及びトナー
は、スチレン系単量体又は/及び(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体と酸基を有するビニル系単量体との共重
合体が、多価金属化合物との反応及び有機スルホン酸化
合物の作用の両方により改質されており、それにより広
い定着温度範囲での耐オフセット性に優れ、しかも良好
な耐ブロッキング性を有する。また、トナー粒子の荷電
状態は安定であり、得られた画像はかぶりが一切なく鮮
明である。
したがって、本発明のトナー用樹脂組成物及びトナー
は、低速から高速に亘る加熱ローラー定着方式の電子写
真複写機に好適に使用され得る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系単量体又は/及び(メタ)アク
    リル酸エステル系単量体と酸基を有するビニル系単量体
    との共重合体に多価金属化合物及び有機スルホン酸化合
    物が添加されている樹脂を、主要樹脂成分として含有す
    ることを特徴とするトナー用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】スチレン系単量体又は/及び(メタ)アク
    リル酸エステル系単量体と酸基を有するビニル系単量体
    との共重合体に多価金属化合物及び有機スルホン酸化合
    物が添加されている樹脂を、主要樹脂成分として含有す
    ることを特徴とするトナー。
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