JP2578218B2 - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents

トナー用樹脂組成物及びトナー

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JP2578218B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子写真等において、静電荷像の現像に使
用するトナー用樹脂組成物及びこの樹脂組成物を用いた
トナーに関する。
(従来の技術) 電子写真等において、静電荷像を現像する方式とし
て、乾式現像方式が多用されている。この乾式現像方式
では、樹脂にカーボンブラック等の着色剤を分散含有さ
せてトナーと呼ばれる摩擦帯電性の微粉末現像剤が用い
られる。
通常、摩擦によって帯電したトナーは、電気的引力に
より感光体上の静電潜像に付着してトナー像が形成さ
れ、次いでこのトナー像が用紙上に転写され、トナーに
対して離型性を有する加熱ローラーで定着される。
このようなトナーには、定着温度範囲が広く、耐オフ
セット性(加熱ローラーその他クリーニングローラーに
トナーが付着しないこと)、定着性(トナーが用紙に強
固に付着すること)、耐ブロッキング性(トナー粒子が
凝集しないこと)等の諸性能が要求される。
従来、この種のトナー用樹脂組成物及びトナーとし
て、例えば特開昭63−214760号公報には、カルボキシル
基を有する比較的低分子量の重合体成分と比較的高分子
量の重合体成分とからなり、上記低分子量の重合体成分
に多価金属化合物を反応させてなる金属イオン架橋樹脂
を用いる技術が開示されている。
(発明が解決しようとする課題) かかる従来のトナー用樹脂組成物及びトナーは、上記
した諸性能が比較的良好であるが、特に広い定着温度範
囲での耐オフセット性がまだ不充分である。
本発明は、上記の問題を解決するものであり、その目
的とするところは、広い定着温度範囲での耐オフセット
性に優れ、しかも良好な定着性や耐ブロッキング性を有
するトナー用樹脂組成物及びトナーを提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明のトナー用樹脂組成物は、スチレン系単量体と
(メタ)アクリル酸エステル系単量体とカルボキシル基
を有するビニル系単量体との共重合体に多価金属化合物
を反応させて得られ、残存カルボキシル基を有する樹脂
(A)と、グリシジル基又はβ−メチルグリシジル基を
有するビニル系単量体とその他のビニル系単量体との共
重合体からなる樹脂(B)との混合物を低分子量体と
し、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系
単量体との共重合体からなる樹脂(C)を高分子量体と
してなる主要樹脂成分として含有し、上記樹脂(A)と
樹脂(B)との混合物の分子量分布の最大ピーク分子量
が0.3万〜8万、樹脂(C)の分子量分布の最大ピーク
分子量が10万〜200万であることを特徴とする。
また、本発明のトナーは、上記トナー用樹脂組成物を
含有することを特徴とする。
本発明において、樹脂(A)に用いるスチレン系単量
体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p
−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、
p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン,p−
n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フ
ェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロ
スチレン等が挙げられる。これ等の中でもスチレンが好
ましい。
また、(メタ)アクリル酸エステル系単量体として
は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデ
シル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、α−クロロアク
リル酸メチル等が挙げられる。これ等の中でも、メタア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシルが好ましい。
また、カルボキシル基を有するビニル系単量体として
は、(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロ
トン酸、イソクロトン酸、β−メチルクロトン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸、及び、下記の一般式で
示される半エステル化合物等が挙げられる。
(ただし、(1)式中、Lは分子鎖中にエステル結合を
有する炭素数3以上の2価の結合基を表し、R1は水素原
子又はメチル基を表す。) 上記の半エステル化合物は、水酸基を有する(メタ)
アクリル酸の誘導体と、琥珀酸、マロン酸、グルタル酸
等の脂肪族ジカルボン酸もしくはフタル酸等の芳香族ジ
カルボン酸とのエステル化反応によって得らえる。な
お、上記ジカルボン酸は、ハロゲン原子、低級アルキル
基、アルコキシ基等によって水素原子が置換されていて
もよく、また酸無水物であってもよい。
このような半エステル化合物としては、琥珀酸モノ
(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、琥珀酸モ
ノ(メタ)アクリロイルオキシプロピルエステル、グル
タル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステ
ル、フタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエ
ステル、フタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルエステル等が挙げられる。
また、多価金属化合物の金属としては、Cu、Ag、Be、
Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Al、Ti、Ge、Sn、V、Cr、M
o、Mn、Fe、Co、Ni等が挙げられる。これ等の金属の中
でも、アルカリ土類金属及び亜鉛族金属が好ましく、特
にMg及びZnが好ましい。
これ等の多価金属化合物としては、弗化物、塩化物、
塩素酸塩、臭化物、沃化物、酸化物、水酸化物、硫化
物、亜硫酸塩、硫酸塩、セレン化物、テルル化物、窒化
物、硝酸塩、燐化物、ホスフィン酸塩、燐酸塩、炭酸
塩、オルト珪酸塩、酢酸塩、修酸塩、メチル化物やエチ
ル化物などの低級アルキル金属化合物等が挙げられる。
この等の中でも、酢酸塩及び酸化物が好ましい。
樹脂(A)において、スチレン系単量体(メタ)アク
リル酸エステル系単量体とカルボキシル基を有するビニ
ル系単量体との共重合体は、溶液重合、懸濁重合、乳化
重合及び塊状重合など従来公知の一段階の重合方法又は
二段階の重合方法により得ることができる。この場合、
一般にスチレン系単量体成分の含有率40〜95重量%、好
ましくは60〜90重量%、(メタ)アクリル酸エステル系
単量体成分の含有率4〜40重量%、好ましくは10〜40重
量%、カルボキシル基を有するビニル系単量体成分の含
有率が1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%となるよ
うに共重合する。
スチレン系単量体成分の含有率が40重量%よりも少な
くなると、トナーの粉砕性が悪化することがある。ま
た、(メタ)アクリル酸エステル系単量体成分の含有率
が4重量%よりも少なくなると、トナーの定着性が悪化
することがある。また、カルボキシル基を有するビニル
系単量体成分の含有率が1重量%よりも少なくなると、
多価金属化合物及び樹脂(B)との反応が不充分で、ト
ナーの耐オフセット性の改善効果が発現しないことがあ
る。
上記共重合体に多価金属化合物を反応させるには、好
ましくは共重合体を溶液重合させた後、必要に応じて有
機溶剤中に分散させた多価金属化合物を系内に投入し、
適当な温度で反応を行う。そして、その後溶剤を留去し
樹脂(A)を製造する。場合によっては、共重合体の重
合反応を開始する前に多価金属化合物を有機溶剤ととも
に系内に分散させておいてもよい。また、共重合体を溶
液重合させた後溶剤を留去して得られた共重合体に多価
金属化合物を混合し、ロールミル、ニーダー、押出機等
を用いて適当な温度で溶融混練して樹脂(A)を製造し
てもよい。
多価金属化合物は、カルボキシル基を有するビニル系
単量体に対するモル比が0.1〜1となるように使用する
のが好ましい。また、反応温度は、一般に100〜200℃が
好ましい。
本発明において、樹脂(B)に用いるグリシジル基又
はβ−メチルグリシジル基を有するビニル系単量体とし
ては、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリ
ル酸β−メチルグリシジル、アリルグリシジルエーテル
等が挙げられる。
また、上記グリシジル基又はβ−メチルグリシジル基
を有するビニル系単量体と共重合させるその他のビニル
系単量体としては、前記樹脂(A)に用いるスチレン系
単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、その他
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、エチレ
ン、プロピレン等が挙げられる。これ等の中でも、スチ
レ系単量体もしくはスチレン系単量体と(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体との両方を使用するのが好まし
い。
樹脂(B)において、グリシジル基又はβ−メチルグ
リシジル基を有するビニル系単量体とその他のビニル系
単量体との共重合体は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合
及び塊状重合など従来公知の一段階の重合方法又は二段
階の重合方法により得ることができる。この場合、グリ
シジル基又はβ−メチルグリシジル基を有するビニル系
単量体成分の含有率が少ないとも10重量%以上となるよ
うに共重合するのが好ましい。グリシジル基又はβ−メ
チルグリシジル基を有するビニル系単量体成分の含有率
が10重量%よりも少なくなると、樹脂(A)との反応が
不充分で、トナーの耐オフセット性の改善効果が発現し
ないとことがある。
上記方法により得られる樹脂(A)と樹脂(B)と
は、ガラス転移温度がいずれも40℃以上であるのが好ま
しい。ガラス転移温度がいずれも40℃よりも低い場合
は、トナーの耐ブロッキング性や流動性が悪化すること
がある。また、樹脂(A)と樹脂(B)との混合物の分
子量分布の最大ピーク分子量は、0.3万〜8万の範囲と
される。最大ピーク分子量が0.3万より小さい場合は、
トナーの耐ブロッキング性や流動性が悪化することがあ
る。一方、最大ピーク分子量が8万より大きい場合は、
トナーの定着性が悪化することがあるからである。
さらに、本発明において、樹脂(C)に用いるスチレ
ン系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体と
しては、前記樹脂(A)に用いたものと同様な単量体が
用いられる。その中でも、スチレン系単量体としてはス
チレンが好ましく、(メタ)アクリル酸エステル系単量
体としては、メタアクリル酸メチル、(メタ)アルリル
酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルが好まし
い。
樹脂(C)において、スチレン系単量体と(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体との共重合体は、溶液重合、
懸濁重合、乳化重合など従来公知の一段階の重合方法又
は二段階の重合方法により得ることができる。この場
合、スチレン系単量体成分の含有率が40〜95重量%、好
ましくは60〜95重量%、(メタ)アクリル酸エステル系
単量体成分の含有率が5〜60重量%、好ましくは10〜40
重量%となるように共重合するのが好ましい。
スチレン系単量体成分の含有率が40重量%よりも少な
くなると、トナーの耐ブロッキング性が悪化することが
ある。また、(メタ)アクリル酸エステル系単量体成分
の含有率が5重量%より少なくなると、トナーの定着性
が悪化することがある。
上記方法により得られる樹脂(C)は、ガラス転移温
度が40℃以上であるのが好ましい。ガラス転移温度が40
℃よりも低い場合は、トナーの耐ブロッキング性や流動
性が悪化することがある。また、樹脂(C)の分子量分
布の最大ピーク分子量が、10万〜200万の範囲とされ
る。最大ピーク分子量が10万より小さいと、トナーの耐
オフセット性が悪化することがある。一方、最大ピーク
分子量が200万より大きいと、トナーの定着性が悪化す
ることがあるからである。
本発明においては、上記樹脂(A)と樹脂(B)と樹
脂(C)との(加熱)混合又は(加熱)混練することに
より、トナー用樹脂組成物とすることができる。樹脂
(A)と樹脂(B)と樹脂(C)との配合比は、残存カ
ルボキシル基の量、グリシジル基又はβ−メチルグリシ
ジル基の量によって変わるが、一般に樹脂(A)100重
量部に対して樹脂(B)が1〜100重量部、好ましくは1
0〜50重量部の範囲で、且つ樹脂(C)が1〜100重量
部、好ましくは10〜60重量部の範囲が好ましい。
樹脂(B)の配合量が1重量部よりも少ないと樹脂
(A)との反応が不充分で、トナーの耐オフセット性の
改善効果が発現しないことがある。一方、樹脂(B)の
配合量が100重量部よりも多くなると、トナーの定着性
が悪化することがある。また樹脂(C)の配合量が1重
量部よりも少ないトナーの耐オフセット性が悪化し、10
0重量部よりも多くなるとトナーの定着性が悪化するこ
とがある。
樹脂(A)と樹脂(B)と樹脂(C)とを混合又は混
練するには、樹脂(A)と樹脂(B)と樹脂(C)とを
リボンブレンダー、ヘンセルミキサー等で混合するか、
或いは樹脂(A)と樹脂(B)と樹脂(C)とをロール
ミル、ニーダー、押出機等を用いて、例えば100〜200℃
の温度で溶融混練し、或いは樹脂(A)と樹脂(B)と
樹脂(C)とを低沸点の有機溶剤に溶解して混合した
後、溶剤を蒸発させる方法が採用される。
また、何れか二種類の樹脂を混合又は混練し、これに
残りの樹脂を混合又は混練してもよい。また、何れか二
種類の樹脂を有機溶剤に溶解した系中で、残りの樹脂を
構成する単量体を重合する方法も採用される。
さらに、前記特開昭63−214760号公報の実施例に記載
されているように、先ず、二段階の溶液重合方法によ
り、樹脂(A)成分と樹脂(C)成分とからなる二山に
分子量分布を有する樹脂溶液を作り、この樹脂溶液に樹
脂(B)成分を溶解して混合した後、溶剤を蒸発させる
方法も採用される。かくして、本発明トナー用樹脂組成
物が製造される。
なお、本発明のトナー用樹脂組成物には、本発明の目
的を達成し得る範囲内で、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド樹脂、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ス
チレン−ブタジエン共重合樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂
その他の添加剤が混合されていてもよい。
本発明のトナー用樹脂組成物を用いて、トナーを製造
するには、例えば、上記樹脂(A)と樹脂(B)と樹脂
(C)との微粉砕物に,カーボンブラック等と着色剤そ
の他必要に応じて従来公知のトナー添加剤をリボンブレ
ンダー、ヘンセルミキサー等で混合するか、或いは樹脂
(A)と樹脂(B)と樹脂(C)と混合物に、カーボン
ブラッック等の着色剤その他必要に応じて従来公知のト
ナー添加剤を混合し、これをロールミル、ニーダー、押
出機等を用いて、例えば100〜200℃の温度で溶融混練
し、冷却して微粉砕する。かくして、本発明のトナーが
製造される。
(作用) 本発明のトナー用樹脂組成物及びトナーは、構成成分
として、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体とカルボキシル基を有するビニル系単量体と
の共重合体に多価金属化合物を反応(金属イオン架橋)
させて得られ、残存カルボキシル基を有する比較的分子
量(樹脂(A)と樹脂(B)との混合物の分子量分布の
最大ピーク分子量が0.3万〜8万)の樹脂(A)と、ス
チレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体
との共重合体からなる比較的高分子量(樹脂(C)の分
子量分布の最大ピーク分子量が10万〜200万)の樹脂
(C)とを含有するので、前記従来のトナーと同様に良
好な耐オフセット性、定着性、耐ブロッキング性及び電
荷安定性を有する。
さらに、構成成分として、グリシジル基又はβ−メチ
ルグリシジル基を有するビニル系単量体とその他のビニ
ル系単量体との共重合体からなる比較的低分子量の樹脂
(B)を含有しており、この樹脂(B)のグリシジル基
又はβ−メチルグリシジル基は、上記樹脂(A)の残存
カルボキシル基と加熱時に反応(架橋反応)する。それ
ゆえ、トナーの製造過程及びトナーの使用過程で樹脂
(A)と樹脂(B)との架橋反応が進行して樹脂の分子
量が増大するためと推察されるが、前記従来のトナーに
比べ耐オフセット性が改善される。
(実施例) 以下、本発明の実施例及び比較例を示す。
尚、ガラス転移温度は差動走査熱量計(DSC)により
測定した。
又、樹脂の分子量分布の最大ピーク分子量は、以下の
ようにしてゲルパーミエーショルクロマトグラフィー
(GPC)により測定した。
測定条件 温度 :25℃ 試料 :0.2%テトラヒドロフラン溶液 溶媒流量:1.0モル/分 測定機器 カラム :島津製作所 HSGシリーズ 検出器 :IR(屈折率)検出器 検量線 標準ポリスチレン(PST)使用。
上記試料を有する分子量分布が、数種の単分散PST標
準試料により作成された検量線の分子量の対数とカウン
ト数が直線となる範囲内に包含されるようにする。
樹脂(A)の製造例1 スチレン成分75重量部%とメタクリル酸メチル成分10
重量%とアクリル酸ブチル成分11重量%とメタクリル酸
成分4重量%とからなる共重合体100重量部と、酸化亜
鉛0.5重量部とをトルエン還流下で2時間撹拌反応させ
た後、トルエンを留去し、ガラス転移温度65℃の残存カ
ルボキシル基を有する樹脂(A)−1を製造した。
樹脂(A)の製造例2 スチレン成分80重量%とメタクリル酸ブチル成分15重
量%とアクリル酸成分5重量%とからなる共重合体100
重量部と、酸化マグネシウム0.8重量部とを、製造例1
と同様にして反応させ、ガラス転移温度71℃の残存カル
ボキシル基を有する樹脂(A)−2を製造した。
樹脂(A)の製造例3 スチレン成分70重量%とメタクリル酸メチル成分11重
量部%とアクリル酸ブチル成分14重量%とコハク酸モノ
アクリロイルオキシエチルエステル成分5重量%とから
なる共重合体100重量部と、酢酸カルシウム0.7重量部と
を、製造例1と同様にして反応させ、重量平均分子量、
ガラス転移温度67℃の残存カルボキシル基を有する樹脂
(A)−3を製造した。
樹脂(B)の製造例1 メタクリル酸グリシジルとスチレンとメタクリル酸ブ
チルをトルエン還流下にて重合開始剤ベンゾイルパーオ
キサイドの存在下で重合反応させた後、トルエンを留去
し、メタクリル酸グリシジル成分50重量%とスチレン成
分40重量%とメタクリル酸ブチル成分10重量%とからな
る共重合体で、ガラス転移温度56℃のグリシジル基を有
する樹脂(B)−1を製造した。
樹脂(B)の製造例2 メクアクリル酸β−メチルグリシジルとスチレンとア
クリル酸ブチルとを、製造例1と同様にして重合反応さ
せ、メタアクリル酸β−メチルグリシジル成分20重量%
とスチレン成分75重量部とアクリル酸ブチル成分5重量
%とからなる共重合体で、ガラス転移温度59℃のグリシ
ジル基を有する樹脂(B)−2を製造した。
樹脂(B)の製造例3 メタクリル酸グリシジルとスチレンとアクリル酸ブチ
ルとを、製造例1と同様にして重合反応させ、メタクリ
ル酸グリシジル成分60重量%とスチレン成分35重量%と
アクリル酸ブチル成分5重量%とからなる共重合体で、
ガラス転移温度54℃のグリシジル基を有する樹脂(B)
−3を製造した。
樹脂(C)の製造例1 スチレンとアクリル酸ブチルとをトルエン還流下にて
重合開始剤ベンゾイルパーオキサイドの存在下で重合反
応させた後、トルエンを留去し、スチレン成分75重量%
とアクリル酸ブチル成分25重量%とからなる共重合体
で、最大ピーク分子量350,000、ガラス転移温度温度59
℃の樹脂(C)−1を製造した。
樹脂(C)の製造例2 スチレンとメタクリル酸メチルとアクリル酸ブチル
と、製造例1と同様にして重合反応させ、スチレン成分
75重量%とメタクリル酸メチル成分5重量%とアクリル
酸ブチル成分20重量%とからなる共重合体で、最大ピー
ク分子量625,000、ガラス転移温度66℃の樹脂(C)−
2を製造した。
樹脂(C)の製造例3 スチレンとメタクリル酸ブチルとを、製造例1と同様
にして重合反応させ、スチレン成分80重量%とメタクリ
ル酸ブチル成分20重量%とからなる共重合体で、最大ピ
ーク分子量851,000、ガラス転移温度68℃の樹脂(C)
−3を製造した。
実施例1 樹脂(A)−1、100重量部と樹脂(B)−1、10重
量部と樹脂(C)−1、40重量部とカーボンブラック
(ダイヤブラックSH:三菱化成社製)5重量部とを170℃
で10分間ロールで加熱混練し、冷却後粗粉砕し、さらに
ジェットミルで微粉砕して平均粒度が11μmのトナーを
製造した。なお、上記の樹脂(A)−1、100重量部と
樹脂(B)−1、10重量部との混合物の最大ピーク分子
量は、13,000であった。このトナー10gを100mlビーカー
に取り、60℃の恒温槽中に24時間放置し、粒子の合着の
有無によって耐ブロッキング性を評価した。その結果、
耐ブロッキング性は良好であった。
このトナーを用いた微粉末現像剤を、電子写真複写機
(U−Bix 2500:コニカ社製)の改造機の装着して定着
温度範囲を測定した。この定着温度範囲は、定着用の加
熱ローラーの設定温度を変えて、オフセットを起こさず
に良好に定着する設定温度で示した。その結果、定着温
度範囲は170℃〜240℃で広い温度範囲で良好な定着が可
能であった。
さらに、定着用の加熱ローラーの設定温度を170℃に
設定して得られた画像について、定着性を測定した。こ
の定着性は、画像を堅牢度試験機で擦り、これをマクベ
ス濃度計で画像の残存率で示した。その結果、定着性は
93%で良好であった。また、トナー粒子の荷電状態は安
定であり、得られた画像はかぶりが一切なく鮮明であっ
た。
以上の結果をまとめて第1表に示す。なお、表の樹脂
組成において、多価金属イオン(多価金属化合物)は、
樹脂(A)を構成する共重合体100重量部に対する多価
金属化合物の配合部数で示している。
実施例2 樹脂(A)−2、100重量部と樹脂(B)−2、50重
量部と樹脂(C)−2、60重量部とを用いたこと以外
は、実施例1と同様に行った。その結果を第1表にまと
めて示す。
実施例3 樹脂(A)−3、100重量部と樹脂(B)−3、13重
量部と樹脂(C)−3 25重量部とを用いたこと以外は、
実施例1と同様に行った。その結果を第1表にまとめて
示す。
比較例1 樹脂(A)−2、100重量部と樹脂(C)−2、60重
量部とを用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。
その結果を第1表にまとめて示す。この場合は、定着温
度範囲が実施例1〜3に比べ狭い。
(発明の効果) 上述の通り、本発明のトナー用樹脂組成物及びトナー
は、残存カルボキシル基を有する特定の樹脂(A)とグ
リシジル基又はβ−メチルグリシジルル基を有する特定
の樹脂(B)と特定の樹脂(C)とを主要樹脂成分とし
て含有しており、それにより広い定着温度範囲での耐オ
フセット性に優れ、しかも良好な定着性や耐ブロッキン
グ性を有する。また、トナー粒子の荷電状態は安定であ
り、得られた画像はかぶりが一切なく鮮明である。
したがって、本発明のトナー用樹脂組成物及びトナー
は、低速から高速に亘る加熱ローラー定着方式の電子写
真複写機に好適に使用され得る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エ
    ステル系単量体とカルボキシル基を有するビニル系単量
    体との共重合体に多価金属化合物を反応させて得られ、
    残存カルボキシル基を有する樹脂(A)、 グリシジル基又はβ−メチルグリシジル基を有するビニ
    ル系単量体とその他のビニル系単量体との共重合体から
    なる樹脂(B)、 スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量
    体との共重合体からなる樹脂(C)、 上記樹脂(A)と樹脂(B)との混合物を低分子量体と
    し、樹脂(C)を高分子量体としてなる主要樹脂成分と
    して含有し、樹脂(A)と樹脂(B)との混合物の分子
    量分布の最大ピーク分子量が0.3万〜8万、樹脂(C)
    の分子量分布の最大ピーク分子量が10万〜200万である
    ことを特徴とするトナー用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のトナー用樹脂組成物を含有
    することを特徴とするトナー。
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