JP2557983Y2 - 抽斗の前後動ガイド用合成樹脂製スライダー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、抽斗の左右両側縁に断
面角形で前後長手のガイド枠を設けて、この左右両ガイ
ド枠を断面コ字状の支持レール内に前後動自在に嵌める
ことにより、抽斗を前後動自在に装架するにおいて、抽
斗の前後動を円滑にするために、前記ガイド枠の後端に
取付けるようにした合成樹脂製のスライダーの改良に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】机天板の下面の箇所に配設した抽斗１
は、一般に、図４〜図７に示すように、側板１ａの上縁
に、背面板１ｂから後方に突出する断面角形のガイド枠
２を設けた形態になっており、このガイド枠２を断面コ
字状の支持レール３内に嵌め入れるようにしている。な
お、図５及び図６に示す符号４は机天板を、符号５は補
強枠を示す。

【０００３】この場合、抽斗１の前後動を円滑にするた
めに、ガイド枠２の後端に、合成樹脂製のスライダー６
を嵌着している。そして、従来におけるスライダー６
は、ガイド枠２の後部に左右外方向から被嵌するよう正
面視コ字状に形成した胴部７と、ガイド枠２の後面を覆
う背面部８とを備え、背面部８を、胴部７における垂直
片７ａの後端縁に一体的に連接し、更に、胴部７におけ
る垂直片７ａの前端縁の内面に、ガイド枠２における外
側板２ａに穿設した角形の係合孔９に前後動不能に嵌ま
る突起１０を形成する一方、背面部８における付け根の
内面に、ガイド枠２における外側板２ａの後端部下面に
係合する係止爪１１を造形した構成になっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】この従来のスライダー
６は、その胴部７をガイド枠２の後部に横方向から被嵌
しつつ、突起１０を係止孔９に差し込んでから全体をガ
イド枠２に向けて押し付けて、背面部８をその弾性に抗
して変形させて、係止爪１１をガイド枠２の外側板２ａ
に係合させると言うワンタッチ的な操作により、ガイド
枠２に装着できると言う利点を有する。

【０００５】しかし、このような利点を有する反面、こ
の従来技術では、抽斗１の前後動に際しての衝撃によ
り、スライダー６がガイド枠２から外れ易いと言う問題
があった。つまり、抽斗１を引き出したり押し込んだり
するに際して、スライダー６には前後方向の外力が作用
する一方、スライダー６の外面と支持レール３の内面と
の間には、かなりの隙間が存在するため、スライダー６
の成形時の収縮や係合孔９の加工誤差等に起因して、係
合孔９に対する突起１０の嵌まり込みが僅かでも緩い
と、抽斗１の前後動に際しての衝撃によってスライダー
６が簡単に外れてしまうのであった。

【０００６】本考案は、この問題を、取り付けの容易性
を損なうことなく解消することを目的とするものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本考案は、抽斗の側面に設けた断面角形で前後長手のガ
イド枠の後部に左右外方向から嵌合する正面視コ字状の
胴部と、前記ガイド枠の後面を覆う背面部とを備え、該
背面部を前記胴部の後端に連接し、前記胴部における垂
直片の内面に、前記ガイド枠における外側板に穿設した
係合孔に前後動不能の状態に嵌まる突起を、当該突起が
ガイド枠における外側板の内面に沿って前記係合孔より
も前方に延びるように設ける一方、前記背面部の内面
に、ガイド枠に対する側方からの押し付けにて前記ガイ
ド枠における外側板の後端縁下面に係合するようにした
係止爪を設ける構成にした。

【０００８】

【考案の作用・効果】このように構成すると、スライダ
ーは、従来と同様に、その胴部をガイド枠の後部に被嵌
しつつ、突起をガイド枠における側面の係合孔に差し込
んで、その状態で全体をガイド枠に向けて押し付けて、
背面部の係止爪を、弾性に抗してガイド枠における外側
板の後端縁内面に係合させることにより、ガイド枠に取
り付けられる。

【０００９】この取り付け状態において、胴部がコ字状
であることにより、スライダーの上下動が阻止され、突
起がガイド枠の係合孔に嵌まっていることにより、スラ
イダーの前後動が阻止される一方、背面部の係止爪がガ
イド枠における外側板の内面に係合していることによ
り、スライダーの後部の横向き移動が阻止される。そし
て、胴部における垂直片に設けた突起が、係合孔の前端
縁よりも前方に延びるように形成されているから、抽斗
の前後動に際して前後方向の外力がスライダーに作用し
ても、スライダーがガイド枠から外れことはないのであ
り、従って、スライダーの成形に際しての収縮やガイド
枠における係合孔の加工誤差のために突起と係合孔との
嵌まり合いが緩くても、スライダーが外れてしまうこと
はない。

【００１０】従って本考案によれば、スライダーを、取
り付けの容易性を損なうことなく、脱落不能の状態に取
り付けることができる効果を有する。

【００１１】

【実施例】次に、本考案の実施例を図面（図１〜図３）
に基づいて説明する。本考案におけるスライダー２０
は、基本的な構造は従来と同じであり、ガイド枠２の後
部に側方から嵌合する正面視コ字状の胴部２１と、該胴
部２０における垂直片２１ａの後端に連接した背面部２
２とを備えている。

【００１２】そして、胴部２１における垂直片２１ａの
前端部内面に、ガイド枠２の外側板２ａに穿設した係合
孔９に前後動不能に嵌まる突起２３を形成するにおい
て、該突起２３に、ガイド枠２における外側板２ａの内
面に密着した状態で前記係合孔９寄りも前方に延びる延
長部２３ａを形成する。突起２３の付け根の外面は、図
２に示すように、係合孔９への突起２３の挿入を容易に
するため平面視で円弧状に形成している。

【００１３】胴部２１の外周面には、支持レール３との
接触面積を小さくして摩擦抵抗を提言するため、断面凸
状に形成している。前記背面部２２における付け根の内
面には、ガイド枠２における外側板２ａの後端縁内面に
係合する側面視三角形の係止爪２４を形成している。な
お、背面部２１の先端縁内面に、図２に一点鎖線で示す
ように、ガイド枠２における内側板２ｂの内面に接当す
る係止片２５を設けても良い。

【００１４】以上の構成において、スライダー２０をガ
イド枠２に装着するには、図２（ａ）に示すように、突
起２３を係合孔９に差し込みつつ胴部２１をガイド枠２
に側方から被嵌して、スライダー２０を、突起２３を支
点にした状態で水平回動するようにしてガイド枠２に対
して押し当てれば良い。すると、胴部２１がガイド枠２
に嵌合する過程で、背面部２２がその弾性に抗して変形
し、胴部２１がガイド枠２に密着するのと同時に、係止
爪２４がガイド枠２における外側板２ａの内面に係合す
る。

【００１５】この装着状態で、突起２３が、ガイド枠２
における外側板２ａに密着した状態で係合孔９よりも前
方に延びているため、突起２３と係合孔９との嵌まり合
いが緩くても、抽斗１の前後動に際しての外力によって
スライダー２０がガイド枠２から外れることはないので
ある。上記の実施例は、背面部２２を胴部２１における
垂直片２１ａの後端に連接した場合であったが、背面部
は、胴部２１における上下水平片２１ｂ，２１ｃに対し
ても連接するようにしても良いのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）はスライダーをガイド枠から分離した状
態での斜視図、（ｂ）はスライダーをひっくり返した状
態での斜視図である。

【図２】（ａ）はスライダーの取り付け手順を示す平断
面図、（ｂ）は取り付けた状態での平断面図である。

【図３】図２のIII − III視断面図である。

【図４】（ａ）は抽斗の斜視図、（ｂ）はガイド枠の後
端部の斜視図である。

【図５】従来品を使用して抽斗をガイドする状態を示す
正断面図である。

【図６】図５のVI−VI視側断面図である。

【図７】図５のＶII−ＶII視平断面図である。

【符号の説明】

１ 抽斗 ２ ガイド枠 ２ａ 外側板 ３ 支持レール ９ 係合孔 ２０ スライダー ２１ 胴部 ２２ 背面部 ２３ 突起 ２４ 係止爪

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】抽斗の側面に設けた断面角形で前後長手の
   ガイド枠の後部に左右外方向から嵌合する正面視コ字状
   の胴部と、前記ガイド枠の後面を覆う背面部とを備え、
   該背面部を前記胴部の後端に連接し、前記胴部における
   垂直片の内面に、前記ガイド枠における外側板に穿設し
   た係合孔に前後動不能の状態に嵌まる突起を、当該突起
   がガイド枠における外側板の内面に沿って前記係合孔よ
   りも前方に延びるように設ける一方、前記背面部の内面
   に、ガイド枠に対する側方からの押し付けにて前記ガイ
   ド枠における外側板の後端縁下面に係合するようにした
   係止爪を設けたことを特徴とする抽斗の前後動ガイド用
   合成樹脂製スライダー。