JP2555278Y2 - 作業車の操向伝動構造 - Google Patents

作業車の操向伝動構造

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JP2555278Y2
JP2555278Y2 JP1531392U JP1531392U JP2555278Y2 JP 2555278 Y2 JP2555278 Y2 JP 2555278Y2 JP 1531392 U JP1531392 U JP 1531392U JP 1531392 U JP1531392 U JP 1531392U JP 2555278 Y2 JP2555278 Y2 JP 2555278Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、クローラ型式や多輪型
式の走行装置を左右一対備えた作業車の操向伝動構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】前述のような作業車の一例に、クローラ
型式の走行装置を左右一対装備した農用のコンバインが
ある。このようなコンバインにおいて機体の向きを変え
て旋回を行う為の操向伝動構造として、一方の走行装置
を他方よりも低速で同方向に駆動して旋回を行う緩旋回
構造、一方の走行装置に制動を掛けて旋回を行う信地旋
回構造、並びに、一方の走行装置を他方とは逆方向に駆
動して旋回を行う超信地旋回構造の3種類がある。この
場合、上手側の変速装置からの低速の正転動力を受け取
り及び遮断操作する油圧操作式の緩旋回クラッチ(緩旋
回構造用)、油圧操作式のサイドブレーキ(信地旋回構
造用)、上手側の変速装置からの逆転動力を受け取り及
び遮断操作する油圧操作式の逆転クラッチ(超信地旋回
構造用)が各操向伝動構造の主要な構成となる。そし
て、これらに加えて緩旋回クラッチ、サイドブレーキ並
びに逆転クラッチのうちのいずれかを、選択された一方
の走行装置に連係及び連係遮断操作する操向切換手段を
備える。これにより、例えば操向切換手段により緩旋回
クラッチを右側の走行装置に連係させてこの緩旋回クラ
ッチを伝動側に操作すると、右側の走行装置が低速で正
転駆動されて機体は緩やかに右に旋回して行くのであ
る。
【0003】そして、この3種類の操向伝動構造のうち
の2組を選択し、走行用のミッションケース内に組み込
んでコンバインを生産することが考えられており、操向
伝動構造の選択によって異なる旋回パターンを持つコン
バインの生産が可能になる。この場合、3種類の操向伝
動構造のうち緩旋回構造を常に装備し、この緩旋回構造
に信地旋回構造を組み合わせるか、又は超信地旋回構造
を組み合わせる構成が一般に多く用いられる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】前述のように、3種類
の操向伝動構造のうちの2組を選択して多種類の作業車
を単純に生産するとなると、異なる旋回パターンを持つ
もの毎に緩旋回構造等の配置、並びに走行用のミッショ
ンケースの形状を異なるもの設計しなければならないこ
とになる。これでは部品点数の増加による生産性の低
下、及び金型の増加による生産コストの上昇を伴ってし
まう。本考案は、以上のような3種類の操向伝動構造の
うちから2組を選択して異なる旋回パターンを持つ作業
車を生産する場合に、構造の共通化を図って部品点数及
び金型の増加を抑えることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案の特徴は、以上の
ように左右一対の走行装置を備えた作業車の操向伝動構
造において、次のような構成を備えることにある。つま
り、上手側の変速装置からの低速の正転動力を受け取り
及び遮断操作する油圧操作式の緩旋回クラッチと、上手
側の変速装置からの逆転動力を受け取り及び遮断操作す
る油圧操作式の逆転クラッチを取り付ける為の取付部
と、一方の端部と緩旋回クラッチとに亘る緩旋回クラッ
チ操作用の油路と、一方の端部と取付部とに亘る逆転ク
ラッチ操作用の油路を設ける為の油路開孔予定部分とを
備え、且つ、一方の端部にサイドブレーキ用の摩擦板を
支持する為のスプライン部を備えた単一の伝動軸。伝動
軸の端部と略同内径でこの端部が挿入される第1凹部
と、伝動軸のスプライン部よりも大きい内径でこのスプ
ライン部を取り囲み、サイドブレーキ用の摩擦板及びピ
ストンを内装支持する為の第2凹部とを備えると共に、
操向操作用の切換弁からの配管を、伝動軸の油路におけ
る第1凹部側の端部に接続する油路と、前記操向操作用
の切換弁からの配管を、伝動軸における油路開孔予定部
分の第1凹部側の端部に接続させる油路を設ける為の第
1油路開孔予定部分と、操向操作用の切換弁からの配管
を、ピストンに供給する油路を設ける為の第2油路開孔
予定部分とを備えたサイドブレーキ用の支持ブロック。
走行装置のうち選択された一方に、伝動軸を伝動連係及
び遮断操作自在な操向切換手段。
【0006】
【作用】前述のように構成すると、緩旋回用の緩旋回ク
ラッチ12に超信地旋回用の逆転クラッチ30を組み合
わせる場合には、例えば図1及び図3に示すように、伝
動軸27の油路開孔予定部分27eに油路27fを開孔
すると共に、伝動軸27の取付部27cに逆転クラッチ
30を取り付ける。そして、支持ブロック5において
は、第1油路開孔予定部分5dに油路5eを開孔する。
これによって、操向操作用の切換弁35からの配管43
が支持ブロック5の油路5c、伝動軸27の油路27d
を介して緩旋回クラッチ12に接続される。そして、切
換弁35からの配管44が支持ブロック5の油路5e
(第1油路開孔予定部分5d)、伝動軸27の油路27
f(油路開孔予定部分27e)を介して逆転クラッチ3
0に接続される。従って、切換弁35による作動油の給
排操作により、緩旋回クラッチ12の伝動及び伝動遮断
操作、並びに、逆転クラッチ30の伝動及び伝動遮断操
作が行える。
【0007】以上の構造により、操向切換手段によって
例えば右側の走行装置を伝動軸27に連係させたとす
る。この状態で緩旋回クラッチ12を伝動側に操作する
と、上手側の変速装置からの低速の正転動力が、緩旋回
クラッチ12及び伝動軸27を介して右側の走行装置に
伝達される。これにより、右側の走行装置が左側よりも
低速で同じ方向に駆動されて、左右の走行装置の速度差
により機体は右に緩旋回していく。そして、前述の状態
で逆転クラッチ30を伝動側に操作すると、上手側の変
速装置からの逆転動力が、逆転クラッチ30及び伝動軸
27を介して右側の走行装置に伝達される。これによ
り、右側の走行装置が逆転駆動されて機体は右に超信地
旋回していくのである。
【0008】次に、緩旋回用の緩旋回クラッチ12に信
地旋回用のサイドブレーキ28を組み合わせる場合につ
いて説明する。この場合には例えば図4及び図5に示す
ように、前述と同じ伝動軸27においてその油路開孔予
定部分27eに前述の油路27fを開孔せず、逆転クラ
ッチ30を伝動軸27に取り付けない。又、前述の同じ
支持ブロック5において、第1油路開孔予定部分5dに
前述の油路5eを開孔せず、第2油路開孔予定部分5f
に油路5gを開孔する。そして、伝動軸27のスプライ
ン部27bと支持ブロック5の第2凹部5b内に亘り、
摩擦板28aを取り付けて、支持ブロック5の第2凹部
5b内にピストン28bを配置して、支持ブロック5の
第2凹部5b内にサイドブレーキ28を設ける。これに
よって、操向操作用の切換弁35からの配管43が、前
述と同様に支持ブロック5の油路5c、伝動軸27の油
路27dを介して緩旋回クラッチ12に接続される。そ
して、切換弁35からの配管44が支持ブロック5の油
路5g(第2油路開孔予定部分5f)を介して、サイド
ブレーキ28のピストン28bに接続される。従って、
切換弁35による作動油の給排操作により、緩旋回クラ
ッチ12の伝動及び伝動遮断操作、並びに、サイドブレ
ーキ28の制動操作が行える。
【0009】以上の構造により、操向切換手段により例
えば右側の走行装置を伝動軸27に連係させたとする。
この状態で緩旋回クラッチ12を伝動側に操作すると前
述と同様に、上手側の変速装置からの低速の正転動力
が、緩旋回クラッチ12及び伝動軸27を介して右側の
走行装置に伝達される。これにより、右側の走行装置が
左側よりも低速で同じ方向に駆動されて、左右の走行装
置の速度差により機体は右側に緩旋回していく。そし
て、前述の状態でサイドブレーキ28を制動側に操作す
ると、伝動軸27を介して右側の走行装置に制動が掛か
る。これにより、機体は右に信地旋回していくのであ
る。
【0010】従って、緩旋回クラッチ及び逆転クラッチ
を備えた型式と、緩旋回クラッチ及びサイドブレーキを
備えた型式とにおいて、油圧配管用の支持ブロックと伝
動軸とが共通のものになると共に、支持ブロック及び伝
動軸においてどの位置に油路を開孔するかによって、前
述の両型式を作り分けることができるのである。
【0011】
【考案の効果】以上のように、緩旋回クラッチ(緩旋回
用)及び逆転クラッチ(超信地旋回用)を備えた型式
と、緩旋回クラッチ(緩旋回用)及びサイドブレーキ
(信地旋回用)を備えた型式とを生産する場合に、油圧
配管用の支持ブロックと伝動軸とを共通のものにするこ
とが可能となった。従って、共通化により部品点数を抑
えて生産性の向上を図り、共通化により金型の数も抑え
て生産コストを抑えることができるようになった。
【0012】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は作業車の一例であるコンバインにおいて、
走行系のミッションケース8内の構造を示しており、エ
ンジン(図外)からの動力がテンションクラッチを備え
たベルト伝動機構(図示せず)を介して、静油圧式無段
変速装置1の入力プーリー2に伝達されると共に、静油
圧式無段変速装置1の出力軸3からの動力が第1伝動軸
4を介して、機体前部の刈取部(図示せず)に伝達され
る。
【0013】第1伝動軸4からの動力は、第1ギヤ9及
び第2ギヤ10を介して第2伝動軸11に伝達される。
この第2伝動軸11にはシフトギヤ14がスプライン構
造にてスライド自在に外嵌されており、これに対する第
3伝動軸15には高速ギヤ16、中速ギヤ17及び低速
ギヤ6が固定されている。以上の構造によりシフトギヤ
14をスライド操作して、高速ギヤ16に咬合する高速
ギヤ7、中速ギヤ17又は低速ギヤ6に咬合させること
により、直進用の正転動力を高中低の3段に変速できる
のであり、この正転動力は中速ギヤ17に咬合する第1
伝動ギヤ19に伝達される。以上のようにして、シフト
ギヤ14及び高速ギヤ7等により、ギヤ変速装置13
(上手側の変速装置に相当)を構成している。
【0014】第1伝動ギヤ19を支持する支持軸20に
は右のサイドギヤ21R及び左のサイドギヤ21Lが相
対回転自在に外嵌されており、左右の車軸22の入力ギ
ヤ23が左右のサイドギヤ21R,21Lに常時咬合し
ている。これにより、右又は左のサイドギヤ21R,2
1Lを第1伝動ギヤ19に対しスライド操作し咬合・離
間させて、クローラ式の走行装置24に対して動力の伝
動及び伝動遮断操作を行うのであり、第1伝動ギヤ19
と左右のサイドギヤ21R,21Lとの間でサイドクラ
ッチ25R,25Lが構成されている。
【0015】次に、本考案の特徴である第4伝動軸27
(単一の伝動軸に相当)について説明する。図1に示す
ように、第4伝動軸27の紙面左側の端部27a(一方
の端部に相当)側に、後述するサイドブレーキ28の摩
擦板28aを支持する為のスプライン部27bが設けら
れており、第4伝動軸27の中程に緩旋回用の緩旋回ク
ラッチ12(スプライン構造より第4伝動軸27に連
結)、並びに、超信地旋回用の逆転クラッチ30を取り
付ける為のスプライン状の取付部27cが設けられてい
る(図1に示す状態では、取付部27cに既に逆転クラ
ッチ30が取り付けられている)。そして、端部27a
と緩旋回クラッチ12とに亘り、緩旋回クラッチ12操
作用の油路27d、及び、端部27aと取付部27cと
に亘る油路開孔予定部分27e(図1に示す状態では、
油路開孔予定部分27eに既に油路27fが開孔されて
いる)が、第4伝動軸27に備えられている。
【0016】以上の状態が第4伝動軸27の最初の状態
であり、その端部27aがミッションケース8の左側面
から大きく突出した状態で、第4伝動軸27がミッショ
ンケース8の左右両側面に亘りベアリング支持されてい
る。図1,2,3に示す状態では、第4伝動軸27の端
部27aにサイドブレーキ28を装備してはおらず、取
付部27cに逆転クラッチ30を装備している状態であ
る。つまり、端部27aと取付部27cとに亘る油路開
孔予定部分27eに、逆転クラッチ30操作用の油路2
7fを開孔している状態である。
【0017】次に、緩旋回クラッチ12付近の構造につ
いて説明する。図1及び図2に示すように、第1伝動ギ
ヤ19のボス部に小径の出力ギヤ38が固定されると共
に、第4伝動軸27に大径の第3伝動ギヤ40が相対回
転自在に外嵌され、第3伝動ギヤ40が出力ギヤ38に
咬合している。そして、第3伝動ギヤ40と第4伝動軸
27との間に、前述の緩旋回クラッチ12が設けられて
いる。
【0018】緩旋回クラッチ12は油圧多板式であり、
第4伝動軸27の油路27dに作動油を供給してピスト
ンにより摩擦板を押圧することによって、緩旋回クラッ
チ12を伝動側に操作する。そして、ピストンはバネに
より摩擦板から離れる側、つまり伝動遮断側に付勢され
ている。さらに、第4伝動軸27の両端に第4伝動ギヤ
29が固定され、支持軸20の両端に第2伝動ギヤ26
R,26Lが相対回転自在にベアリング支持されてお
り、第4伝動ギヤ29と左右の第2伝動ギヤ26R,2
6Lとが咬合している。
【0019】これにより、右又は左のサイドギヤ21
R,21Lを右又は左の第2伝動ギヤ26R,26Lに
咬合させた状態で緩旋回クラッチ12を伝動側に操作す
ると、第1伝動ギヤ19に伝達されてくる直進用の正転
動力が出力ギヤ38、第3伝動ギヤ40、緩旋回クラッ
チ12、第4伝動軸27、第4伝動ギヤ29及び右又は
左の第2伝動ギヤ26R,26Lを介して、十分に減速
された正転動力として一方の走行装置24に伝達されて
行く。そして、これが緩旋回状態である。
【0020】次に、逆転クラッチ30付近の構造につい
て説明する。図1及び図2に示すように、第3伝動軸1
5の高速ギヤ16に咬合する第3ギヤ37が第4伝動軸
27に相対回転自在に外嵌されると共に、第3ギヤ37
と第4伝動軸27の取付部27cとの間に逆転クラッチ
30が設けられている。逆転クラッチ30は油圧多板式
であり、第4伝動軸27の油路27fに作動油を供給し
てピストンにより摩擦板を押圧することによって、逆転
クラッチ30を伝動側に操作する。そして、ピストンは
バネにより摩擦板から離れる側、つまり伝動遮断側に付
勢されている。
【0021】これにより、右のサイドギヤ21R又は左
のサイドギヤ21Lを、前述のように右又は左の第2伝
動ギヤ26R,26Lに咬合させた状態で逆転クラッチ
30を伝動側に操作すると、高速ギヤ16からの動力が
逆転状態で、且つ、1/2に減速されて一方の走行装置
24に伝達されて行く。そして、これが超信地旋回状態
である。
【0022】次に、左右のサイドギヤ21R,21Lの
スライド操作を行う油圧シリンダ31R,31L、緩旋
回及び逆転クラッチ12,30への作動油供給構造につ
いて説明する。図3に示すように、ポンプ32からの作
動油が第1切換弁33を介して、左右のサイドギヤ21
R,21Lに対する油圧シリンダ31R,31Lに供給
されると共に、油圧シリンダ31R,31Lの側面から
の油路34が、緩旋回及び逆転クラッチ12,30に対
する第2切換弁35(操向操作用の切換弁に相当)に接
続されている。さらに油路34には、緩旋回及び逆転油
圧クラッチ12,30に対する可変リリーフ弁36が接
続されている。
【0023】次に、第1切換弁33、第2切換弁35及
び可変リリーフ弁36の操作について説明する。図3に
示すように、第2切換弁35は緩旋回クラッチ12に作
動油を供給する緩旋回位置35a,逆転クラッチ30に
作動油を供給する急旋回位置35bの2位置切換式であ
り、操縦部に備えられた切換レバー18により第2切換
弁35の切換操作を行う。そして、操作レバー39と第
1切換弁33及び可変リリーフ弁36とが、第1連係機
構41及び第2連係機構42を介して機械的に連係され
ている。
【0024】次に、本考案の特徴であり、第2切換弁3
5と緩旋回及び逆転クラッチ12,30とを接続する支
持ブロック5について説明する。支持ブロック5は図1
及び図3に示すように、第4伝動軸27の端部27aと
略同内径でこの端部27aが挿入される第1凹部5a
と、第4伝動軸27のスプライン部27bよりも大きい
内径でこのスプライン部27bを取り囲む第2凹部5b
とを備えている。
【0025】支持ブロック5の上端と第1凹部5aとに
亘り油路5cが開孔されており、第2切換弁35からの
配管43が油路5cに接続されている。これにより、第
2切換弁35及び配管43からの作動油が、油路5c及
び第4伝動軸27の油路27dを介して緩旋回クラッチ
12に供給される。そして、支持ブロック5の上端と第
1凹部5aとに亘る第1油路開孔予定部分5d(図1に
示す状態では、この第1油路開孔予定部分5dに油路5
eが既に開孔されている)、及び、支持ブロック5の上
端と第2凹部5bとに亘る第2油路開孔予定部分5f
が、支持ブロック5に備えられている。
【0026】以上の状態が支持ブロック5の最初の状態
であり、第1凹部5a内に第4伝動軸27の端部27a
が入り込むように、支持ブロック5がミッションケース
8の側面にボルト連結される。図1及び図3に示す状態
では、前述のように第4伝動軸27の端部27a、つま
り、第2凹部5b内にサイドブレーキ28を装備してい
ない状態である。この場合には、支持ブロック5の上端
と第1凹部5aとに亘る第1油路開孔予定部分5dに油
路5eを開孔して、第2切換弁35からの配管44を油
路5eに接続している。これにより、第2切換弁35及
び配管44からの作動油が、油路5e及び第4伝動軸2
7の油路27fを介して逆転クラッチ30に供給され
る。
【0027】次に、操作レバー39を操作しての操向操
作について説明する。先ず図3に示すように、切換レバ
ー18により第2切換弁35を緩旋回位置35aに操作
していたとする。この状態において、操作レバー39を
中立位置Nに操作していると、第1切換弁33も中立位
置に操作され左右の油圧シリンダ31R,31Lが収縮
して、左右のサイドギヤ21R,21Lが第1伝動ギヤ
19に咬合している。これにより、第1伝動ギヤ19に
伝達されてくる正転動力が左右の走行装置24に伝達さ
れ、左右の走行装置24が同速度で駆動されて機体は直
進する。
【0028】次に、操作レバー39を中立位置Nから右
の第1旋回位置R1又は左の第1旋回位置L1に操作す
ると、第1切換弁33のみが操作されて油圧シリンダ3
1R又は31Lにより、右又は左の操作部46R,46
Lを介して、第1伝動ギヤ19に咬合していた右又は左
のサイドギヤ21R,21Lが、第1伝動ギヤ19から
離されて右又は左の第2伝動ギヤ26R,26Lに咬合
する。
【0029】この場合、可変リリーフ弁36は全開状態
に在り緩旋回クラッチ12が伝動遮断状態となっている
為、右又は左の走行装置24への伝動が断たれた状態
(サイドクラッチ25R又は25Lの伝動遮断状態)と
なり、機体は右又は左に緩やかに向きを変えていく。そ
して、油路34に設けられているシーケンス弁47は、
右又は左のサイドギヤ21R,21Lが右又は左の第2
伝動ギヤ26R,26Lに完全に咬合するのに必要な圧
力を、油圧シリンダ31R,31Lに確保する為のもの
である。
【0030】次に、操作レバー39を右又は左の第1旋
回位置R1,L1から右又は左の第2旋回位置R2,L
2に操作して行くと、右又は左のサイドギヤ21R,2
1Lが右又は左の第2伝動ギヤ26R,26Lに咬合
し、且つ、第2切換弁35が緩旋回位置35aに操作さ
れた状態で、可変リリーフ弁36が全開状態から徐々に
閉側に操作されて行く。これにより、緩旋回クラッチ1
2が作用し始めて右又は左の走行装置24が徐々に低速
で正転駆動されて行き、機体は右又は左に緩旋回して行
く。そして、操作レバー39の右又は左の第2旋回位置
R2,L2において、緩旋回速度が最大となる(以上、
操向切換手段に相当)。
【0031】次に、切換レバー18により第2切換弁3
5を急旋回位置35bに操作したとする。この状態で、
操作レバー39を中立位置Nに操作していると前述と同
様に直進状態となるのであり、操作レバー39を中立位
置Nから右又は左の第1旋回位置R1,L1に操作する
と、前述と同様に右又は左のサイドクラッチ25R,2
5Lの伝動遮断状態が現出する。
【0032】次に、操作レバー39を右又は左の第1旋
回位置R1,L1から右又は左の第2旋回位置R2,L
2に操作して行くと、右又は左のサイドギヤ21R,2
1Lが右又は左の第2伝動ギヤ26R,26Lに咬合
し、且つ、第2切換弁35が急旋回位置35bに操作さ
れた状態で、前述と同様に可変リリーフ弁36が全開状
態から徐々に閉側に操作されて行く。これにより、逆転
クラッチ30が作用し始めて右又は左の走行装置24が
徐々に逆転駆動されて行き、機体は右又は左に超信地旋
回して行く。そして、操作レバー39の右又は左の第2
旋回位置R2,L2において、逆転速度が最大となる
(以上、操向切換手段に相当)。
【0033】以上のように、緩旋回用の緩旋回クラッチ
12に超信地旋回用の逆転クラッチ30を組み合わせる
場合には、図1及び図3に示すように、第4伝動軸27
の油路開孔予定部分27eに油路27fを開孔すると共
に、第4伝動軸27の取付部27cに逆転クラッチ30
を取り付ける。そして、支持ブロック5においては、第
1油路開孔予定部分5dに油路5eを開孔するのであ
る。
【0034】次に、緩旋回用の緩旋回クラッチ12に信
地旋回用のサイドブレーキ28を組み合わせる場合につ
いて説明する。図4及び図5に示すように、第4伝動軸
27の油路開孔予定部分27eに油路27f(図1参
照)を開孔せず、図1に示す第3ギヤ37及び逆転クラ
ッチ30を、第4伝動軸27に取り付けない。支持ブロ
ック5においては、第1油路開孔予定部分5dに油路5
e(図1参照)を開孔せず、第2油路開孔予定部分5f
に油路5gを開孔する。そして、第4伝動軸27のスプ
ライン部27bと支持ブロック5の第2凹部5b内に亘
り、摩擦板28aを取り付け、支持ブロック5の第2凹
部5b内にピストン28bを配置して、支持ブロック5
の第2凹部5b内にサイドブレーキ28を設ける。
【0035】この場合の油圧回路は、図4及び図5に示
すとおりとなる。つまり、第2切換弁35及び配管43
からの作動油が、油路5c及び第4伝動軸27の油路2
7dを介して緩旋回クラッチ12に供給されると共に、
第2切換弁35及び配管44からの作動油が、支持ブロ
ック5の油路5gを介してサイドブレーキ28のピスト
ン28bに供給されるのである。
【0036】以上の構造により、右のサイドギヤ21R
又は左のサイドギヤ21Lを第1伝動ギヤ19より離間
させ右又は左の第2伝動ギヤ26R,26Lに咬合させ
ると共に、サイドブレーキ28のピストン28bに作動
油を供給してピストン28bにより摩擦板28aを押圧
することによって、一方の走行装置24に制動を掛ける
ことができる。そして、これが信地旋回状態である。
【0037】これにより、切換レバー18により第2切
換弁35を緩旋回位置35aに操作していれば、操作レ
バー39を中立位置Nから右又は左の第1旋回位置R
1,L1に操作すると、前述と同様に右又は左のサイド
クラッチ25R,25Lの伝動遮断状態が現出する。そ
して、操作レバー39を右又は左の第2旋回位置R2,
L2に操作すると、前述のように緩旋回クラッチ12が
伝動側に操作されて緩旋回が行える(以上、操向切換手
段に相当)。
【0038】次に、切換レバー18により第2切換弁3
5を急旋回位置35bに操作する。この状態で、操作レ
バー39を中立位置Nに操作していると前述と同様に直
進状態となるのであり、操作レバー39を中立位置Nか
ら右又は左の第1旋回位置R1,L1に操作すると、前
述と同様に右又は左のサイドクラッチ25R,25Lの
伝動遮断状態が現出する。
【0039】次に、操作レバー39を右又は左の第1旋
回位置R1,L1から右又は左の第2旋回位置R2,L
2に操作して行くと、右又は左のサイドギヤ21R,2
1Lが右又は左の第2伝動ギヤ26R,26Lに咬合
し、且つ、第2切換弁35が急地旋回位置35bに操作
された状態において、前述と同様に可変リリーフ弁36
が全開状態から徐々に閉側に操作されて行く。これによ
り、サイドブレーキ28のピストン28bが摩擦板28
aを押圧し始めて右又は左の走行装置24に徐々に制動
が掛かって行き、機体は右又は左に信地旋回して行く。
そして、操作レバー39の右又は左の第2旋回位置R
2,L2においてサイドブレーキ28の制動力は最大と
なる(以上、操向切換手段に相当)。
【0040】〔別実施例〕 図1又は図4の構成において緩旋回クラッチ12を装備
せずに、逆転クラッチ30(図1の構造)、又はサイド
ブレーキ28(図4の構造)のみを装備する型式に構成
することも可能である。この場合には、第4伝動軸27
において油路27d、及び支持ブロック5の油路5cを
プラグ等により塞いでおく。図1又は図4の構成におい
て緩旋回クラッチ12のみを装備し、逆転クラッチ30
及びサイドブレーキ28(図4の構造)を装備しない型
式に構成することも可能である。この場合には、第4伝
動軸27において油路開孔予定部分27eに油路27f
を開孔せず、支持ブロック5の第1及び第2油路開孔予
定部分5d,5fに油路5e,5gを開孔しないでお
く。
【0041】尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面と
の対照を便利にする為に符号を記すが、該記入により本
考案は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第4伝動軸に緩旋回クラッチと逆転クラッチを
装備し、支持ブロックにはサイドブレーキを装備してい
ない状態でのミッションケースの縦断正面図
【図2】第4伝動軸に緩旋回クラッチと逆転クラッチを
装備し、支持ブロックにはサイドブレーキを装備してい
ない状態でのミッションケース内の伝動構造を示す概略
【図3】第4伝動軸に緩旋回クラッチと逆転クラッチを
装備し、支持ブロックにはサイドブレーキを装備してい
ない状態での油圧回路図
【図4】第4伝動軸に緩旋回クラッチを装備し逆転クラ
ッチを装備せず、支持ブロックにサイドブレーキを装備
している状態でのミッションケースの縦断正面図
【図5】第4伝動軸に緩旋回クラッチを装備し逆転クラ
ッチを装備せず、支持ブロックにサイドブレーキを装備
している状態での油圧回路図
【符号の説明】
5 支持ブロック 5a 支持ブロックの第1凹部 5b 支持ブロックの第2凹部 5c 支持ブロックの油路 5d 支持ブロックの第1油路開孔予定部分 5e 支持ブロックの油路(第1油路開孔予定部
分) 5f 支持ブロックの第2油路開孔予定部分 5g 支持ブロックの油路(第2油路開孔予定部
分) 12 緩旋回クラッチ 13 上手側の変速装置 24 走行装置 27 伝動軸 27a 伝動軸の端部 27b 伝動軸のスプライン部 27c 伝動軸の取付部 27d 伝動軸の油路 27e 伝動軸の油路開孔予定部分 27f 伝動軸の油路(油路開孔予定部分) 28 サイドブレーキ 28a サイドブレーキの摩擦板 28b サイドブレーキのピストン 30 逆転クラッチ 35 切換弁 43,44 配管

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対の走行装置(24)を備えた作
    業車の操向伝動構造であって、下記の〔ア〕〜〔ウ〕に
    記載の構成を備えている作業車の操向伝動構造。 〔ア〕上手側の変速装置(13)からの低速の正転動力
    を受け取り及び遮断操作する油圧操作式の緩旋回クラッ
    チ(12)と、上手側の変速装置(13)からの逆転動
    力を受け取り及び遮断操作する油圧操作式の逆転クラッ
    チ(30)を取り付ける為の取付部(27c)と、一方
    の端部(27a)と前記緩旋回クラッチ(12)とに亘
    る緩旋回クラッチ(12)操作用の油路(27d)と、
    前記一方の端部(27a)と取付部(27c)とに亘る
    逆転クラッチ(30)操作用の油路(27f)を設ける
    為の油路開孔予定部分(27e)とを備え、且つ、前記
    一方の端部(27a)にサイドブレーキ(28)用の摩
    擦板(28a)を支持する為のスプライン部(27b)
    を備えた単一の伝動軸(27)。 〔イ〕前記伝動軸(27)の端部(27a)と略同内径
    でこの端部(27a)が挿入される第1凹部(5a)
    と、前記伝動軸(27)のスプライン部(27b)より
    も大きい内径でこのスプライン部(27b)を取り囲
    み、前記サイドブレーキ(28)用の摩擦板(28a)
    及びピストン(28b)を内装支持する為の第2凹部
    (5b)とを備えると共に、操向操作用の切換弁(3
    5)からの配管(43)を、前記伝動軸(27)の油路
    (27d)における第1凹部(5a)側の端部に接続す
    る油路(5c)と、前記操向操作用の切換弁(35)か
    らの配管(44)を、前記伝動軸(27)における油路
    開孔予定部分(27e)の第1凹部(5a)側の端部に
    接続させる油路(5e)を設ける為の第1油路開孔予定
    部分(5d)と、前記操向操作用の切換弁(35)から
    の配管(44)を、前記ピストン(28b)に供給する
    油路(5g)を設ける為の第2油路開孔予定部分(5
    f)とを備えたサイドブレーキ(28)用の支持ブロッ
    ク(5)。 〔ウ〕前記走行装置(24)のうち選択された一方に、
    前記伝動軸(27)を伝動連係及び遮断操作自在な操向
    切換手段。
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