JP2533022Y2 - 送りねじ棒の遊び除去機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は光ピックアップの送り機構に好適な送りね
じ棒の遊び除去機構に係わり、特に、部品点数が少なく
組み立ての容易な送りねじ棒の遊び除去機構に関する。

［従来の技術］ CDプレーヤ等の光ピックアップはディスクに螺旋状に
設けられたピット列をトラッキングするためにディスク
の半径方向に送りねじ棒を用いて送られる。

その場合トラッキングミスを発生させないように送り
ねじ棒は遊びのないように軸支しなければならない。

送りねじ棒の遊びをとるための従来の機構を第３図に
示す。

図において12は送りねじ棒であり、その端部の丸軸12
aはシャーシ10に固定された軸受け部材11の孔11bに嵌挿
されている。軸受け部材11の左側には孔11bと同軸の大
径のカップ受け孔11aが開口しており、丸軸12aはカップ
受け孔11a内に突入している。

カップ受け孔11a内にはカップ13が摺動自在に挿入さ
れており、カップ13とシャーシ10に設けられたばね受け
部10aとの間に挿入されたばね13によりカップ13が付勢
され丸軸12aの端面を右方向に押圧する。

図示していないが、送りねじ棒12の右側の丸軸も軸受
け部材を挿通しその端面がスラスト受けに当接してい
る。

従って、ばねにより送りねじ棒の端面とスラスト受け
が圧接されているので送りねじ棒の軸方向の遊びが除去
される。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、上記した従来のものにおいては、部品として
カップが余分に必要であり、組み立てにおいてもばねを
カップ内におさめるという手間のかかる工程が必要とな
るという欠点があった。

この考案は上記した点に鑑みてなされたものであっ
て、その目的とするところは、組み立てがきわめて容易
であり部品点数も少ない送りねじ棒の遊び除去機構を提
供することにある。

［課題を解決するための手段］ この考案の送りねじ棒の遊び除去機構は、両端が軸受
け部材に嵌挿された送りねじ棒の一端に当接するように
薄肉部を有し弾力の弱い片持板を配置し、該片持板を金
属ばねにより付勢し前記送りねじ棒を点接触により押圧
させ、送りねじ棒の他端の端面をスラスト受けに点接触
となるように圧接させるものである。

［作用］ この考案によればばねにより付勢される片持板は薄肉
部が設けられているので、容易に変形し、ばねの力を送
りねじ棒につたえ、送りねじ棒はスラスト受けに圧接さ
れる。すなわち、送りねじ棒の端面とスラスト受けはつ
ねに接触状態にあるので送りねじ棒の軸方向の遊びが除
去される。

送りねじ棒の端面を例えば球面形状とすれば点接触と
なるので回転摩擦トルクは小さくできる。

［実施例］ この考案の送りねじ棒の遊び除去機構の実施例を第１
および第２図に基づいて説明する。

第１図において、２は送りねじ棒であり、送りねじ棒
２の端部に設けられた丸軸2a,2bは軸受け部材1,5に設け
られた孔1e,5aに嵌挿され、丸軸2aおよび2bの球面状の
端面2cおよび2dは夫々片持板1fおよびスラスト受け６の
スラスト受け面6aに当接している。

スラスト受け６はねじ７によりシャッシに締着されて
いる。

また、片持板1fは樹脂製の軸受け部材１と一体に作ら
れており、その一部に薄肉部1aが形成されている。そし
て、軸受け部材１はその取付け部1dがねじ４によりシャ
ーシに締着されている。

片持板1fと軸受け部材１に設けられたばね掛け爪1bお
よび1cにはばね３が掛けられており、片持板1fが薄肉部
1aで変形して送りねじ棒２をスラスト受け６に圧接して
いる。

図示していない駆動機構により送りねじ棒２は回転駆
動される。

回転駆動される送りねじ棒には、第２図に示すように
ガイドロッド９に案内される光ピックアップボディー８
に設けられたハーフナット8aが螺合し、光ピックアップ
ボディー８は光ディスクの半径方向に送られる。

実施例は以上のように構成されているが考案はこれに
限られず、例えば片持板を付勢するばねは引っ張りコイ
ルばねの代わりに圧縮コイルばねを用いることもでき
る。

［考案の効果］ この考案の送りねじ棒の遊び除去機構によれば組み立
てがきわめて容易であり部品点数も少ないという効果を
得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す平面図、第２図は同実
施例を示す斜視図、第３図は従来技術を示す断面図であ
る。 １……軸受け部材、1a……薄肉部、1b、1c……ばね掛け
爪、1d……取付け部、1e……孔、1f……片持板、２……
送りねじ棒、2a、2b……丸軸、2c,2d……端面、３……
ばね、４……ねじ、５……軸受け部材、5a……孔、６…
…スラスト受け、6a……スラスト受け面、７……ねじ、
８……光ピックアップボディー、8a……ハーヒナット、
９……ガイドロッド、10……シャーシ、11……軸受け部
材、11a……カップ受け孔、12……送りねじ棒、13……
カップ、14……圧縮コイルばね。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】両端が軸受け部材に嵌挿された送りねじ棒
   の一端に当接するように薄肉部を有し弾力の弱い片持板
   を配置し、該片持板を金属ばねにより付勢し前記送りね
   じ棒を点接触により押圧させ、送りねじ棒の他端の端面
   をスラスト受けに点接触となるように圧接させることを
   特徴とする送りねじ棒の遊び除去機構。