JPH067503Y2 - ヘッドキヤリッジ移動機構の軸受装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、フロッピーディスク装置（以下「ＦＤＤ」
と略す）に於けるヘッドキャリッジの移動機構に関する
ものであり、特に、送りねじの軸受へ鋼球を固定させて
スラスト方向の動きを阻止させた軸受装置に関するもの
である。

〔従来の技術及び考案が解決しようとする問題点〕

従来のＦＤＤのヘッドキャリッジ移動機構に於ける送り
ねじを、別紙添付の第３図及び第４図に示す。モータ
(1)によって駆動される送りねじ(2)へヘッドキャリッジ
の係合片(3)が螺入されており、前記モータ(1)の駆動に
より送りねじ(2)が回転し、該係合片(3)が図中左右何れ
かの方向へ移動してヘッドキャリッジ（図示せず）を移
動させるのである。そして、前記送りねじ(2)はシャー
シに設けた軸受によって枢支されているが、第３図に示
すように、該送りねじ(2)の先端部にメタル軸受(4)を枢
設するほかに、スラスト方向の動きを阻止する為にモー
タ(1)側にボールベアリング(5)を嵌着して枢支してい
る。又、第４図に示すように、送りねじ(2)のモータ側
(1)にメタル軸受(4)を枢設し、軸受(6)へ固定板(7)を嵌
着し鋼球(8)を装入後に、該軸受(6)を前記送りねじ(2)
へ圧入している。

然し、第３図に示した従来型の場合は固定のボールベア
リング(5)が必要であり、コストアップとなっていた。
又、第４図に示したものは先ず固定板(7)を入れた後、
前記軸受(6)を送りねじ(2)へ圧入する為、該送りねじ
(2)が前記軸受(6)を貫通して枢支されていない為、軸受
内径を均一にするサイジング加工が技術的に困難であっ
た。而も、該軸受(6)に固定板(7)を嵌着する為部品点数
が増加し、且つ、軸受の精度も悪いという欠陥があっ
た。そこで、之等の欠陥を克服する為に解決せらるべき
技術的問題点が生じてくるのである。

〔問題点を解決する為の手段〕

この考案は、上記問題点に鑑み、これを解決せんとして
提案せられたものであり、フロッピーディスク装置の磁
気ヘッドを搭載しているヘッドキャリッジの移動機構で
あって、該ヘッドキャリッジの一側部に固設された係合
片に送りねじを螺入し、この送りねじをシャーシ上面に
設けた軸受へ枢支すると共に、該送りねじの根元部をモ
ータへ連結したヘッドキャリッジの移動機構に於て、前
記送りねじの両端部をメタル軸受にて支承し、この送り
ねじの先端部は前記メタル軸受の挿入孔にその略中間部
位まで挿入すると共に、該挿入孔に連通してメタル軸受
外側面に向って大径に開穿された圧入孔を設け、更に、
この圧入孔へ鋼球を圧入して前記送りねじの先端部の移
動を阻止したことを特徴とするヘッドキャリッジ移動機
構の軸受装置を提供せんとするものである。

〔作用〕

この考案は、ＦＤＤのヘッドキャリッジ移動装置に於
て、送りねじの先端部を軸受へ圧入後、該軸受内径を均
一にする為サイジング加工を行ない芯合せをした後に、
該軸受の外側より鋼球を圧入して固定している。依っ
て、前記送りねじの先端面は鋼球で圧接されており、該
送りねじがスラスト方向へ動かないように阻止されてい
る。又、前記軸受の外側の圧入孔を軸挿入孔より大径に
したことにより、鋼球を圧入するときの位置決めが容易
であり、一定位置まで圧入すれば該送りねじの先端部に
当接して位置が定まる。更に、従来型で必要であった固
定板が不要となり、部品点数を低減することが可能とな
る。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を別紙添付の図面に従って詳
述する。第１図はＦＤＤを示したものであり、ケース
(9)内部のシャーシ(10)の略中央部にヘッドキャリッジ
(11)が配設されている。該ヘッドキャリッジ(11)に取付
けられたアーム(12)の先端部には磁気ヘッド(13)が設け
られており、且つ、該ヘッドキャリッジ(11)の両側はガ
イドロッド(14)(14)によって支架され、該ヘッドキャリ
ッジ(11)を前後方向（図中では左右方向）へ摺動可能に
形成してある。尚、ガイドロッド(14)(14)は夫々の両端
をストッパ片(15)(15)で固定している。又、該ヘッドキ
ャリッジ(11)の一側部に係合片(16)が固設され、ステッ
ピングモータ(17)に軸着した送りねじ(18)へ前記係合片
(16)が螺入されている。

この送りねじ(18)は、第２図に示す如く、ステッピング
モータ(17)近傍の根元部(18a)はメタル軸受(19)で枢支
されており、該送りねじ(18)の先端部(18b)はメタル軸
受(20)の挿入孔(20a)にその中間部位まで挿入後、夫々
のメタル軸受(19)(20)の内径を均一にする為、サイジン
グ加工を行なって芯合せをする。そして、前記メタル軸
受(20)の挿入口(20a)に連通して、送りねじ(18)の先端
部(18b)の径よりやや大径の圧入孔(20b)を設け、該圧入
孔(20b)へ鋼球(21)を圧入して固定する。この鋼球(21)
の固定手段は、特に、之に限定されるべきではない。

而して、本実施例に於ては、前記送りねじ(18)の先端部
(18b)の端面は、鋼球(21)で圧接されており、該送りね
じ(18)がスラスト方向へ移動しないように阻止すること
ができる。そして、スラスト方向の応力は小であるの
で、前記メタル軸受(20)に圧入された鋼球(21)が妄脱す
ることはない。

〔考案の効果〕

この考案は、上記一実施例に詳述したように、送りねじ
のスラスト方向への移動を阻止する為に、軸受へ鋼球を
圧入して固定している。この鋼球は軸受のサイジングを
行なった後に圧入するので、サイジングが容易であり、
又、作業工程を短縮することができる。而も、前記軸受
の外側部分の圧入孔を大径にしたことにより、鋼球を圧
入するときの位置決めが容易となる。そして、従来型に
使用されていたボールベアリングや固定板等が不要とな
り、部品点数を減少することができ、コストダウンに寄
与できる等諸種の実用的価値ある考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すものであ
り、第１図はＦＤＤの一部切欠平面図、第２図は送りね
じの要部拡大図である。第３図及び第４図は夫々従来型
の送りねじを示す要部拡大図である。 符号説明 (10)……シャーシ、(11)……ヘッドキャリッジ (13)……磁気ヘッド、(16)……係合片 (17)……ステッピングモータ、(18)……送りねじ (18a)……根元部、(18b)……先端部 (19)(20)……メタル軸受、(21)……鋼球

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 峨家 浩樹 神奈川県厚木市船子509−７ コーポヒロ 102 (56)参考文献 特開 昭61−177686（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フロッピーディスク装置の磁気ヘッドを搭
   載しているヘッドキャリッジの移動機構であって、該ヘ
   ッドキャリッジの一側部に固設された係合片に送りねじ
   を螺入し、この送りねじをシャーシ上面に設けた軸受へ
   枢支すると共に、該送りねじの根元部をモータへ連結し
   たヘッドキャリッジの移動機構に於て、前記送りねじの
   両端部をメタル軸受にて支承し、この送りねじの先端部
   は前記メタル軸受の挿入孔にその略中間部位まで挿入す
   ると共に、該挿入孔に連通してメタル軸受外側面に向っ
   て大径に開穿された圧入孔を設け、更に、この圧入孔へ
   鋼球を圧入して前記送りねじの先端部の移動を阻止した
   ことを特徴とするヘッドキャリッジ移動機構の軸受装
   置。