JP2530718B2 - 配電基盤用ポリエステルフィルム - Google Patents

配電基盤用ポリエステルフィルム

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JP2530718B2
JP2530718B2 JP1152001A JP15200189A JP2530718B2 JP 2530718 B2 JP2530718 B2 JP 2530718B2 JP 1152001 A JP1152001 A JP 1152001A JP 15200189 A JP15200189 A JP 15200189A JP 2530718 B2 JP2530718 B2 JP 2530718B2
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polyester film
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隆 角谷
英樹 山岸
寛 久保山
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Toray Industries Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は配線基盤用ポリエステルフィルム、更に詳し
くは導電層、抵抗体層、絶縁層、印刷インキ層との接着
性を改良した配線基盤用ポリエステルに関する。
〔従来の技術〕
二軸延伸ポリエステルフィルムは、その優れた電気絶
縁性、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性を生かして、フレ
キシブル配線基板やメンブレンスイッチとして用いられ
てきた。特に近年は、銅を積層しラッチングする方法に
加えて、導電ペースト、導電用インキ、抵抗体用イン
キ、絶縁体用インキ、マーキングインキを印刷するとい
う方法が用いられている。それに伴い各種インキとの接
着性を改良したポリエステル、例えばポリエステル系共
重合体薄膜を設けるという方法(例えば特開昭62−1625
40号公報)あるいはウレタン系樹脂を塗布する方法(例
えば特開昭62−173253号公報)が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記従来のポリエステルフィルムは、依然と
して接着性が不十分である。寸法安定性を付与するため
加熱する際、相互に固着してしまうという欠点があっ
た。
本発明は、導体用、抵抗体用、あるいは絶縁体用のイ
ンキやポリマペーストに対する接着性が良好でかつフィ
ルム相互の固着を起こさない配線基盤用ポリエステルフ
ィルムを提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、 (1)少なくとも一軸方向に延伸された中心線平均粗さ
が0.02〜0.50μmであるポリエステルフィルムと、該ポ
リエステルフィルムの少なくとも片面に積層された配向
度が1.03〜1.5で厚みが0.001〜3.0μmである水溶性ま
たは水分散性樹脂層からなることを特徴とする配電基盤
用ポリエステルフィルム、 (2)水溶性または水分散性樹脂がアクリル系樹脂、ビ
ニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂およ
びそれらのグラフト物からなる群から選ばれた少なくと
も1種であることを特徴とする請求項1項記載の配電基
盤用ポリエステルフィルム、 (3)水溶性または水分散性樹脂層に平均粒径Dが0.08
〜2.2μmの無機粒子が添加されており、かつ水溶性ま
たは水分散性樹脂層厚みdとの間に、 1.1≦D/d≦80 なる関係を満足することを特徴とする請求項1記載の配
電基盤用ポリエステルフィルム、 (4)請求項2記載のポリエステルフィルムの少なくと
も片面に活性線架橋型絶縁レジスト層を設けたことを特
徴とする配電基板、 を要旨とする。
本発明の少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステ
ルフィルムに使用するポリエステルは、エチレンテレフ
タレート、エチレンα,β−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン4,4′−ジカルボキシレート、エチレンα,
β−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシ
レートおよびエチレン2,6−ナフタレートからなる群か
ら選ばれた少なくとも一種以上の構造単位を主要構成成
分とする。またリン系物質を共重合すると難燃性が賦与
されるため更に好ましい。
また、本発明の目的を阻害しない範囲内、好ましくは
10モル%以内であれば、上記以外の他成分が共重合され
ていてもよい。
本発明に使用するポリエステルフィルムは上記組成物
を主成分とするが、本発明の目的を阻害しない範囲内
で、多種ポリマをブレンドしてもよいし、また酸化防止
剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、核生成剤などの無
機または有機添加剤が通常添加される程度添加されてい
てもよい。
本発明のフィルムを構成するポリエステルフィルム
は、常法により、少なくとも一軸配向させたものであ
り、厚みは2〜600μmが好ましく、25〜250μmの範囲
がより好ましく基材ベースとしての実用面での取り扱い
性に優れている。
本発明の少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステ
ルフィルムは、中心線平均粗さが0.02〜0.50μm、好ま
しくは0.30〜0.15μm、更に好ましくは0.05〜0.13μm
の範囲にあることが必要である。中心線平均粗さが小さ
すぎると、加熱によりフィルムが容易に相互に固着して
しまうため好ましくないのである。一方、中心線平均粗
さが大きすぎると、各種インキ、ポリマペーストの塗布
の均一性が悪化し、電気絶縁性が悪化するため好ましく
ない。
上記の中心線平均粗さを有する少なくとも一軸以上に
延伸されてなるポリエステルフィルムは、ポリエステル
に無機粒子を添加して製膜する方法等の公知の方法によ
り製造することができる。
この際使用する無機粒子は特に限定されないが、代表
的なものとして、タルク、カオリン、重質または軽質ま
たは合成の炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、フッ
化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、アルミ
ナ、ジルコニア、リン酸カルシウムなどを挙げることが
できる。
本発明における水溶性または水分散性樹脂は、水に溶
解または分散する樹脂であればよいのであり、熱可塑
性、熱硬化性は特に問わないが、代表例としては、アク
リル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、オ
レフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ビニル系樹脂、塩素系
樹脂、スチレン系樹脂、各種グラフト系樹脂、エポキシ
樹脂、尿素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミド系樹
脂等を挙げることができる。
その中でも好適な水溶性または水分散性樹脂として
は、以下のもの、またはそれらの混合物を挙げることが
できる。ただし、ここでいう水溶性または水分散性と
は、若干量、その量は特に限定されないが通常は20重量
%以下、好ましくは10重量%以下、各種有機溶剤等の水
以外の物質を含んでいてもよい。
(A)アクリル系樹脂 少なくとも40モル%のアクリルおよび/またはメタク
リルモノマと、その他の官能基含有モノマ0.1〜20モル
%と、1種またはそれ以上のハロゲン非含有モノエチレ
ン性不飽和モノマ約0〜49.9モル%とコポリマ、あるい
は少なくとも25モル%のアクリル酸、メタクリル酸また
はアクリル酸もしくはメタクリル酸のアルキルエステル
の中から選ばれたコモノマと1〜50モル%のビニルスル
ホン酸およびp−スチレンスルホン酸ならびにこれらの
酸の塩の中から選ばれたコモノマから導かれる共重合体
を挙げることができる。
(B)ビニル系樹脂 一般式 (ただし、R1およびR2は水素またはアルキル基、M1およ
びM2は水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモ
ニウム(置換アンモニウムも含む)またはアルキル基を
示し、M1とM2は同時にアルキル基ではない。) を挙げることができる。
(C)ウレタン系樹脂 カルボン酸塩基、スルホン酸塩基または硫酸半エステ
ル塩基により水への親和性が高められたポリウレタンを
挙げることができる。ただしカルボン酸塩基、スルホン
酸塩基、硫酸半エステル塩基等の塩基の量は0.5〜15重
量%が好ましく、またポリウレタンの合成に用いるポリ
ヒドロキシ化合物としては、例えばポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・プロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサ
メチレンアジペート、ポリヘキサメチレンセバケート、
ポリテトラメチレンアジペート、ポリテトラメチレンセ
バケート、トリメチロールプロパン、トリメチロールエ
タン、ペンタエリスリトール、グリセリン等を挙げるこ
とができる。ポリイソシアネート化合物としては、例え
ばヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートとト
リメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソ
シアネートとトリメチロールエタンの付加物等を挙げる
ことができる。カルボン酸含有ポリオールとしては、例
えばジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジ
メチロール吉草酸、トリメリット酸ビス(エチレングリ
コール)エステル等を挙げることができる。アミノ酸含
有カルボン酸としては、例えばβ−アミノプロピオン
酸、γ−アミノ酪酸、p−アミノ安息香酸等を挙げるこ
とができる。水酸基含有カルボン酸としては、例えば3
−ヒドロキシプロピオン酸、γ−ヒドロキシ酪酸、p−
(2−ヒドロキシエチル)安息香酸、リンゴ酸等を挙げ
ることができる。アミノ基または水酸基とスルホン基を
有する化合物としては、例えばアミノメタンスルホン
酸、2−アミノエタンスルホン酸、2−アミノ−5−メ
チルベンゼン−2−スルホン酸、β−ヒドロキシエタン
スルホン酸ナトリウム、脂肪族ジ第1級アミン化合物の
プロパンサルトン、ブタンサルトン付加生成物等が挙げ
られ、好ましくは脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパ
ンサルトン付加物が挙げられる。さらに、アミノ基また
は水酸基と硫酸半エステル基を含有する化合物として
は、例えばアミノエタノール硫酸、エチレンジアミンエ
タノール硫酸、アミノブタノール硫酸、ヒドロキシエタ
ノール硫酸、γ−ヒドロキシプロパノール硫酸、α−ヒ
ドロキシブタノール硫酸等が挙げられる。
あるいは特公昭42−24194号公報、特公昭46−7720号
公報、特公昭46−10193号公報、特公昭49−37839号公
報、特開昭50−123197号公報、特開昭53−126058号公
報、特開昭54−138098号公報などで公知のアニオン性基
を有するポリウレタン系樹脂あるいはそれらに準じたポ
リウレタン系樹脂を挙げることができる。
ここでポリウレタン形成成分の主要な構成成分は、ポ
リイソシアネート、ポリオール、鎖長延長剤、架橋剤な
どである。
また、分子量300〜20000のポリオール、ポリイソシア
ネート、反応性水素原子を有する鎖長延長剤およびイソ
シアネート基と反応する基、およびアニオン性基を少な
くとも1個有する化合物からなる樹脂が好ましい。
ポリウレタン系樹脂中のアニオン性基は、好ましくは
−SO3H、−OSO2H、−COOHおよびこれらのアンモニウム
塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩あるいはマ
グネシウム塩として用いられる。
ポリウレタン系樹脂中のアニオン性基の量は、0.05〜
8重量%が好ましい。
(D)ポリエステル系樹脂 全ジカルボン酸成分中0.5〜15モル%がスルホン酸金
属塩基含有ジカルボン酸であるジカルボン酸類と、多価
アルコール類とからなるポリエステル共重合体を挙げる
ことができる。
ただし、上記のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸
としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル
酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7
−ジカルボン酸、5[4−スルホフェノキシ]イソフタ
ル酸等の金属塩があげられ、特に好ましいのは5−ナト
リウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホテレフタ
ル酸である。
あるいは、分子内に遊離カルボン酸基およびカルボン
酸塩基を少なくとも1種有する水性ポリエステル樹脂と
2個以上のエポキシ基を有する架橋剤、および必要に応
じて反応促進化合物を含むものを挙げることができる。
ただし、この水性ポリエステル樹脂の分子内にカルボン
酸基を導入するためには、例えば無水トリメリット酸、
トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット
酸、トリメシン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、ジ
メチロールプロピオン酸等の多価化合物をポリマ製造原
料の1つとして用いることが好ましい。また、カルボン
酸塩はポリマ中に導入されたカルボン酸基をアミノ化合
物、アンモニア、アルカリ金属等で中和することによっ
て導入することができる。
(E)各種グラフト樹脂 ポリメチルメタアクリレートを幹鎖としポリ2−ヒド
ロキシエチルメタアクリレートを枝鎖とする櫛型グラフ
トポリマを挙げることができる。
あるいは、幹ポリマがポリエステルであって枝ポリマ
がアクリル系重合体であるアクリルグラフトポリエステ
ルを挙げることができる。
ただし、この水性ポリエステル−アクリルグラフトポ
リマの幹ポリマになるポリエステルは多塩基酸またはそ
のエステル形成性誘導体とポリオールまたはそのエステ
ル形成性誘導体とから合成される実質的に線状のポリマ
である。このポリマの多塩基酸成分としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−
ナルタレンジカルホン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、ダイマ酸等を例示することができる。こ
れら成分は2種以上を用いることもできる。さらに、こ
れら成分と共にマレイン酸、フマール酸、イタコン酸等
の如き不飽和多塩基酸やp−ヒドロキシ安息香酸、p−
(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の如きヒドロキ
シカルボン酸を小割合用いることができる。不飽和多塩
基酸成分やヒドロキシカルボン酸成分の割合は高々10モ
ル%、好ましくは5モル%以下である。
また、ポリオール成分としてはエチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
キシリレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ポリ(エチレンオ
キシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)
グリコールを例示することができる。これらは2種以上
を用いることができる。
該アクリル系重合体のモノマとしては、例えばアルキ
ルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基
としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル
基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニ
ル基、ベンジル基、フェニルエチル基等):2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モ
ノマ:アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル
メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルア
ミド、,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシ
メチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリル
アミド、N−フェニルアクリルアミド等のアミド基含有
モノマ:N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N
−ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含
有モノマ:グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート等のエポキシ基含有モノマ:アクリル酸、メタ
クリル酸およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩)等のカルボキシル基またはその塩
を含有するモノマ等が挙げられる。これらは多種モノマ
と併用することができる。多種モノマとしては例えばア
リルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマ:ス
チレンスルホン酸、ビニルスルホン酸およびそれらの塩
(ナトリウム塩カリウム塩、アンモニウム塩等)等のス
ルホン酸基またはその塩を含有するモノマ:クロトン
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸およびそれら
の塩(ナトリウム塩カリウム塩、アンモニウム塩等)等
のカルボキシル基またはその塩を含有するモノマ:無水
マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物を含有するモ
ノマ:ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、
スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン
酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコ
ン酸モノエステル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化
ビニル等が挙げられる。上述のモノマは1種もしくは2
種以上を用いて共重合される。
(F)ブロックポリマ 水性アクリル系重合体−ポリエステルブロックポリマ
を挙げることができる。
ただし、このブロックポリマを構成するアクリル系重
合体のモノマとしては、例えばアルキルアクリレート、
アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘ
キシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル
基、フェニルエチル基等):2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマ:アクリル
アミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジ
メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリ
ルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−
フェニルアクリルアミド等のアミド基含有モノマ:N,N−
ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有モノマ:グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の
エポキシ基含有モノマ:アクリル酸、メタクリル酸およ
びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウ
ム塩等)のカルボキシル基またはその塩を含むモノマ等
が挙げられる。これらは他種モノマと併用することがで
きる。他種モノマとしてはアリルグリシジルエーテル等
のエポキシ基含有モノマ:スチレンスルホン酸、ビニル
スルホン酸およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩等)等のスルホン酸基またはその塩
を含有するモノマ:クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマール酸およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリ
ウム塩、アンモニウム塩等)等のカルボキシル基または
その塩を含有するモノマ:無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸等の酸無水物を含有するモノマ:ビニルイソシアネ
ート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルトリス
アルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、
アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステ
ル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル等が挙げ
られる。上述のモノマは1種もしくは2種以上を用いて
共重合させることができるが、アクリル系重合体への親
水性付与、水溶液の分散安定性、ポリエステルフィルム
との密着性等の点から、水酸基、アミド基やカルボキシ
ル基またはその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモ
ニウム塩等)等の官能基を有するものが好ましい。
水性ブロックポリマのもう一つの構成成分であるポリ
エステルは、多塩基酸またはそのエステル形成性誘導体
とポリオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合
成される実質的に線状の飽和ポリエステルである。この
ポリエステルの多塩基酸成分としては、テレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメ
リット酸、ダイマ酸等を例示することができる。これら
は二種以上を用いることができる。また、これら成分と
共にp−ヒドロキシ安息香酸、p−(β−ヒドロキシエ
トキシ)安息香酸のヒドロキシカルボン酸も用いること
ができる。
また、ポリオール酸成分としてはエチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6
−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、キシリレングリコール、ジメチロールプロピオン
酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ポリ(エチ
レンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキ
シド)グリコール等を例示することができる。これらは
2種以上を用いることができる。
このポリエステルは水性ポリマであることが好まし
く、例えば有機スルホン酸塩、カルボン酸塩、ジエチレ
ングリコール、ポリアルキレンエーテルグリコール等の
如き親水性基を有する化合物を含むものが水分散液を作
るのに有利となり、好ましい。このカルボン基塩の導入
は、通常三官能以上のカルボン酸を用いるが、該カルボ
ン酸は重合の工程で分岐が起り、ゲル化しやすいのでそ
の共重合割合は小さくすることが望ましい。その点、ス
ルホン酸、ジエチレングリコール、ポリアルキレンエー
テルグリコール等による親水基の導入は、これらの問題
がなく、より有利である。
スルホン酸塩の基をポリエステル分子内に導入するた
めには、例えば5−Naスルホイソフタル酸、5−アンモ
ニウムスルホイソフタル酸、4−Naスルホイソフタル
酸、4−メチルアンモニウムスルホイソフタル酸、2−
Naスルホテレフタル酸、5−Kスルホイソフタル酸、4
−Kスルホイソフタル酸、2−Kスルホテレフタル酸、
Naスルホコハク酸等のスルホン酸アルカリ金属塩系また
はスルホン酸アミン塩系化合物等を用いることが好まし
い。スルホン酸塩の基を有する多価カルボン酸または多
価アルコールは全多価カルボン酸成分または多価アルコ
ール成分中0.5〜20モル%、さらには1〜18モル%を占
めることが好ましい。
本発明の水溶性または水分散性樹脂層においては、必
要に応じ各種架橋剤を使用してもよい。その種類は特に
限定されないが、代表的なものとしては、イソシアネー
ト系架橋剤、イソシアヌレート系架橋剤、メラミン系架
橋剤、尿素系架橋剤あるいはエポキシ系架橋剤を挙げる
ことができる。
エポキシ系架橋剤としては、具体的にはポリエポキシ
化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物などが
挙げられ、ポリエポキシ化合物としては、例えばソルビ
トール、ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールグ
リシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジ
ルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、
トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシ
アネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリ
メチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエポキ
シ化合物としては、例えばネオペンチルグリコールジグ
リシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジル
エーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、モノエポキシ化合物としては、例えばア
リルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジ
ルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げら
れる。
またイソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、フェニレンジイソシ
アネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネートなどを挙げることができる。
尿素系架橋剤としては、例えばジメチロール尿素、ジ
メチロールエチレン尿素、ジメチロールプロピレン尿
素、テトラメチロールアセチレン尿素、4メトキシ5ジ
メチルプロピレン尿素ジメチロールなどが挙げられる。
メラミン系架橋剤としては、メラミンとホルムアルデ
ヒドを縮合して得られるメチロールメラミン誘導体に低
級アルコールとしてメチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール等を反応させてエーテル化
した化合物およびそれらの混合物が好ましい。メチロー
ルメラミン誘導体としては、例えばモノメチロールメラ
ミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミ
ン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラ
ミン、ヘキサメチロールメラミンなどが挙げられる。
これらの架橋結合剤は単独、場合によっては2種以上
併用してもよい。
本発明の積層樹脂層に使用する無機粒子の平均粒径D
は特に限定されないが、代表的には0.08〜2.2μmであ
り、好ましくは0.08〜0.6μmである。平均粒径Dが0.0
8μm未満では、フィルムの耐ブロッキング性が不十分
となり、さらには粒子の凝集性が高まるため、粗大異物
の発生によって、電気絶縁性が悪化するため好ましくな
い。一方、2.2μmを越えるものは、フィルム表面が顕
著に粗れ、同様に電気絶縁性が悪化するため好ましくな
い。
なお、ここでいう平均粒径とは、遠心沈降式粒度分布
測定装置(株式会社島津製作所製SA−CP2型)を用いて
重量平均で測定したものである。
本発明に用いる無機粒子の種類は、特に限定されない
が、代表的粒子としては、タルク、カオリン、重質もし
くは軽質もしくは合成の炭酸カルシウム、酸化チタン、
シリカ、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸バリ
ウム、アルミナ、ジルコニア、リン酸カルシウムまたは
天然もしくは合成の膨潤性もしくは非膨潤性のマイカを
挙げることができる。しかしその中でも塗料に対する分
散性の点から水中でコロイド状で存在する無機コロイド
を使用するのが分散性の点からみて好ましい。
ここでいう無機コロイドは、共立出版社発行の化学大
辞典に定義されているものであり、粒子1個中に105〜1
09個の原子を含むものである。元素により金属コロイ
ド、あるいは酸化物コロイド、あるいは水酸化物コロイ
ドとして得られる。金属コロイドとしては、金、パラジ
ウム、白金、銀、硫黄などが好ましく使用され、酸化物
コロイド、水酸化物コロイド、炭酸塩コロイド、硫酸塩
コロイドとしては、亜鉛、マグネシウム、ケイ素、カル
シウム、アルミニウム、ストロンチウム、バリウム、ジ
ルコニウム、チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、スズなどの酸化物コロイド、水酸化物コロイド、炭
酸塩コロイド、硫酸塩コロイドが本発明に好ましく使用
される。例えば四ハロゲン化ケイ素を水中に加えるか、
ケイ酸アルカリの水溶液に徐々に濃塩酸を加えるなどの
操作により得られるケイ酸コロイドが本発明には極めて
好ましく使用される。
本発明のフィルムは、水溶性または水分散性樹脂層の
無機粒子の平均粒径Dと水溶性または水分散性樹脂層厚
みdとの比(D/d)が1.1〜80、より好ましくは2.0〜4
0、さらに好ましくは3.0〜15の範囲である場合、易滑、
耐ブロッキング性、耐摩耗性の面でより好適である。
本発明においては、水溶性または水分散性樹脂層の配
向度は1.03〜1.5であることが必要である。これは配向
度が1.5より大きい場合樹脂層の易接着性改良効果が十
分でなく、また、樹脂層内部で劈開が起こり易いため好
ましくない。一方、1.03より小さい場合、樹脂の耐湿、
耐溶剤性が不十分となり、樹脂層の膨潤あるいは白化が
容易に起こるため好ましくない。特に配向度が1.08〜1.
35である場合、特性のバランスが良好であり好ましい。
また、本発明においては、水溶性または水分散性樹脂
層厚みは0.001〜3.0μm、好ましくは0.01〜0.8μm、
さらに好ましくは0.06〜0.4μmであることが必要であ
る。これは、厚みが0.001μmより薄い場合、接着性改
良効果がみられないため好ましくなく、また3.0μmよ
り厚い場合、耐湿、耐溶剤性が極端に悪化するため好ま
しくないのである。
該樹脂層の厚みは、種々の方法で測定できるが、例え
ば、積層フィルムの断面を電子顕微鏡で測定したり、該
樹脂層が溶剤その他で除去できる場合は、除去した部分
と除去していない部分の段差から求めることもできる。
本発明において、活性線架橋型絶縁レジスト層とは、
活性線で架橋する重合する成分を含有する絶縁性レジス
トの層を指す。
ここで、活性線とは、紫外線、電子線、放射線などア
クリル系ビニル基を重合化させる電磁波を意味し、実用
的には、紫外線が便利である。電子線方式は、装置が効
果で不活性気体下での操作が必要であるが塗布層中に光
重合開始剤や光増感剤などを含有させなくてもよい点か
ら有用である。
活性線重合成分の具体例としてはアクリルオリゴマと
反応性稀釈剤を含み、その他に必要に応じて光開始剤、
光増発剤、改質剤を含有するものを挙げることができ
る。アクリルオリゴマとは、アクリル系樹脂骨格に反応
性のアクリル基が結合されたものを始めとしてポリエス
テルアクリル、ウレタンアクリル、エポキシアクリル、
ポリエーテルアクリルなどがあり、またメラミンやイソ
シアヌール酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合した
ものなどが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。反応性稀釈剤とは、塗布剤の媒体として塗布工程
での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性ある
いは多官能性のアクリルオリゴマと反応する基を有し、
塗膜の共重合成分となるものである。また、特に紫外線
による架橋の場合には光エネルギーが小さいため、光エ
ネルギーの変換や開始の助長のため光重合開始剤および
増感剤が必要である。これらのアクリルオリゴマ、反応
性稀釈剤、光重合開始剤、増感剤、架橋装置などの具体
例は、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」
(大成社、1981年発行)第267頁ないし第275頁、第562
頁ないし第593頁を参考とすることができるが、これら
に限定されるものではない。市販品としては、日本アチ
ソン株式会社のED450SS、ML−25089などを挙げることが
できる。
次に、本発明の配電基盤用ポリエステルフィルムの代
表的製造方法について説明するが、特にこれに限定され
るものではない。
まず、常法によって重合されたポリエステルのペレッ
トを十分乾燥した後、公知の押出機に供給し、ペレット
が溶融する温度以上、ポリマが分解する温度以下の温度
でスリット状のダイからシート状に溶融押出し、冷却固
化せしめて未延伸シートを作る。この際、未延伸シート
の固有粘度はフィルム特性から未延伸シートあるいは該
未延伸シートを70〜140℃で2.0〜8.0倍延伸したフィル
ム上に、所定量に調製した塗剤を塗布し、塗膜を乾燥さ
せつつ70〜160℃で、未延伸フィルムを用いる場合は、
縦方向に2.0〜8.0倍、横方向に2.0〜8.0倍同時延伸を、
また一軸延伸フィルムを用いる場合は2.0〜8.0倍横延伸
する。また、このようにして得られた二軸配向したフィ
ルムを100〜180℃でさらに一方向以上に1.1〜3.0倍延伸
してもよい。さらに、二軸配向フィルムは必要に応じて
150〜240℃で0〜10%弛緩を与えつつ1〜60秒熱処理す
る。
塗布方法は、特に限定されず押出しラミネート法、メ
ルトコーティング法を用いてもよいが、高速で薄膜コー
ドすることが可能であるという理由から水溶化または水
分散化させた塗剤のグラビヤコート法、リバースコート
法、キッスコート法、ダイコート法、メタリングバーコ
ート法など公知の方法を適用するのが好適である。この
際、フィルム上には塗布する前に必要に応じて空気中あ
るいはその他種々の雰囲気中でのコロナ放電処理など公
知の表面処理を施すことによって、塗布性が良化するの
みならず樹脂層をより強固にフィルム表面上に形成でき
る。最終的に水溶性または水分散性樹脂の配向度が本発
明範囲にあればよいのであり、その延伸の際の条件は特
に限定されないが、延伸の際の水溶性または水分散性樹
脂の粘度を1センチポイズ〜500ポイズ、好ましくは10
センチポイズ〜10ポイズ、さらに好ましくは50センチポ
イズ〜200センチポイズとすることが好ましい。ただ
し、ここでいう粘度は、乾燥速度を計算で求め、その塗
布濃度での粘度を測定したものである。該樹脂を延伸時
このような条件におく方法としては、該樹脂が水など
で膨潤した状態で延伸する、該樹脂を完全溶融下で延
伸する、等を挙げることができる。このように延伸した
後、必要に応じて弛緩しつつ熱処理を行ってもよい。ま
た、塗膜層樹脂の粘度が1センチポイズ〜500ポイズ、
好ましくは10センチポイズ〜10ポイズ、さらに好ましく
は50センチポイズ〜200センチポイズなる状態(通常、
高温あるいは加湿下におくことで該樹脂はこのような状
態となる)で、弛緩率1〜20%の範囲で弛緩処理しても
同様の効果を得ることができる場合がある。
本発明の特性値の測定方法ならびに効果の評価方法は
次のとおりである。
(1)配向度 赤外偏光ATR法で行う。装置には、Bruker社製FT−IR
(IFS−113V)に偏光ATR測定用付属装置(Bio−Rad Di
gilab製)を取り付けたものを使用する。このATR装置
に、対称形のエッジを持つ厚さ3mm、一辺25mmの正方形
のInternal Peflection Elementを取り付け、延伸方
向に対し平行と垂直の二方向の吸収測定を行う。
光の入射方向をフィルム流れ方向にとり、入射面に垂
直な偏光を用いてコート面、非コート面のスペクトルを
測定し、各々SMC、SMPとする。また、光の入射方向をフ
ィルム幅方向にとり、入射面に垂直な偏光を用いてコー
ト面、非コート面のスペクトルを測定し、各々STC、STP
とする。ただし、非コート面が存在しない場合は、コー
ト面を各種溶剤、水等で拭き取った後基材面を測定す
る。
コート層と非コート層の差スペクトルを次の手順で求
める。差スペクトルを計算する際の内部基準バンドとし
て、解析に必要なコート層の吸収帯に近い波数領域に観
測されるベースフィルムの吸収帯を選ぶ。
内部基準吸収帯の吸光度が0になるように係数を定め
て、コート面のスペクトルから非コート面のスペクトル
を引いた差スペクトルを各偏光成分について求め、Sv
(SMC−SMP)、Sp(STC−STP)とする。このようにして
求めた差スペクトル上予め定めた二つの波数における点
を結びベースラインとし、ベースラインから吸収帯のピ
ークまでの高さをコート層吸収帯の吸光度Av(Svに対
し)、Ap(Apに対し)とする。
このようにして得られたコート層の吸光度AvとApから
配向度Pを計算する。
(2)耐ブロッキング性 フィルム両面に所定の被覆層を設けた厚さ100μm、
サイズA4大のフィルムを50枚重ね、荷重をかけ雰囲気温
度150℃の熱風オーブン中で120分放置する。該サンプル
を室温で徐冷後1枚ずつはがす。その際相互に粘着する
ことなく熱処理前と同様、軽くはがすことが可能なもの
を「○」、若干粘着気味のものを「△」、それ以外を
「×」として判定する。
(3)常温密着性 所定の被覆層上に、下記の3種の塗料a)、b)およ
びc)を各々塗布、硬化させた後1mm角のいわゆる碁盤
目をいれ、その部分をセロハンテープ(ニチバン株式会
社製)で180゜方向の強制剥離を行ない、以下の基準で
判定した。すなわち全剥離面積のうち15%未満しか剥離
しないものを「○」、それ以上剥離するものを「×」と
した。また剥離面積が5%未満の場合「◎」と判定し
た。ただし第1表中には3種の塗料のうち最も密着性が
悪い場合の結果を示した。
a)日本アチソン株式会社製 ED450SS (50重量%) ML−25089 (50重量%) をスクリーン印刷法により7μm塗布した後、紫外線照
射装置(80W/cm×3灯、高さ150mmで7〜8m/分処理)で
硬化させた。
b)日本アチソン株式会社製 ML−25089 (100重量%) をスクリーン印刷法により7μm塗布した後、紫外線照
射装置(80W/cm×3灯、高さ150mmで7〜8m/分処理)で
硬化させた。
c)東洋インキ社製 FD−SS(墨) 100重量部 FDレジューサーP 5重量部 を4μm塗布した後、紫外線照射装置(80W/cm×3灯、
高さ150mmで7〜8m/分処理)で硬化させた。
(4)耐湿密着性 被覆層上に前述の3種の塗料a)、b)およびc)を
各々塗布、硬化させたフィルムを65℃、95%RH下に1ケ
月間放置した後、(3)と同様の評価を行ない判定し
た。
(5)耐摩耗性 テープ状にしたフィルムの被覆層表面を金属(SUS)
固定ガイド(5mmφ)に100回繰り返し接触走行させた
後、フィルム上に付着したスクラッチ量を観察し、その
数の多少で次の如く判断した。
○:スクラッチが少ない(耐久性良好) ×:スクラッチが多い(耐久性不良) (6)被覆層の厚み 被覆層にセロハンテープを貼り、セロハンテープ端部
の被覆層をジメチルホルムアミド等の溶剤で溶解除去す
る。次いでセロハンテープを剥がし、セロハンテープで
保護された面と、溶解除去した面との境界を株式会社小
坂研究所製ET−10高精度段差測定器により測定し、被覆
層の厚みd(μm)を求めた。
上記方法で困難な場合は、株式会社日立製作所製透過
型電子顕微鏡HU−12型を用い、積層フィルムの超薄断面
切片を観察し、被覆層の厚みd(μm)を求めた。
(7)中心線平均粗さ JIS−B−0601に従い、株式会社小坂研究所製の触針
表面粗さ計SD−3型を用い、カットオフ0.25mm、測定長
さ1mmで、中心線平均粗さRa(μm)を測定した。
(8)絶縁破壊特性 日本アチソン株式会社製のElectrodag 450SSとML−2
5089の1:1混合物を膜厚5μmに塗布し、UVランプ120W/
cm×2灯で6m/min(高さ150mm)で照射硬化させた後、A
STM D−149Aに基づいて、絶縁破壊電圧2000V・Ac/□
をn=50で測定し、その最大と最少を除いたばらつきが
平均破壊電圧の30%を越える場合を「×」、それより小
さい場合「○」とした。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例、比較例を用いてさらに詳しく
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
実施例1 25℃のo−クロロフェノール中で測定した固有粘度0.
62の所定の滑剤を添加したポリエチレンテレフタレート
を285℃で溶融した後、表面温度40℃の冷却ドラム上で
成形し、その後90℃で3.2倍縦方向に一軸延伸した。こ
のようにして得られた一軸延伸フィルム上に下記の樹脂
を塗布し、90℃で予熱後、190℃雰囲気中で横方向に急
速延伸を行なった。この場合熱弛緩処理は特に行わなか
った。この結果得られたポリエステルフィルム厚みは50
μm、塗布した樹脂厚みは0.1μmであった。このフィ
ルムに関しその水溶性または水分散製樹脂層の配向度、
耐ブロッキング性、密着性、絶縁破壊特性および耐摩耗
性を評価し、結果を第1表に示した。
塗布した樹脂:メチルメタアクリレートと〜エチルアク
リレートの50モル%対50モル%共重合体、ただし、カル
ボン酸とメチロール基が各2.5モル%含まれている。190
℃における粘度は、300ポイズ、また120℃における粘度
は1100ポイズである。なお、この樹脂は水分散性樹脂で
あり、以下「樹脂A」という。
比較例1 横延伸を行う雰囲気温度を190℃から120℃に変更した
以外は、実施例1と同様に実施した。
実施例2 横延伸を行う雰囲気を190℃のスチームを吹き込んだ
雰囲気に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
実施例3 実施例1で得られたフィルムに220℃で10%弛緩処理
を施し、以下実施例1と同様に実施した。
比較例2 横延伸を行う雰囲気を190℃から100℃に変更した以外
は、実施例1と同様に実施した。
比較例3 実施例1において、縦方向一軸延伸フィルム上に樹脂
を塗布することなく、90℃で予熱し110℃で3.5倍横方向
に延伸して得られたフィルム上に、コロナ放電処理を施
した後、樹脂Aをグラビアロール法で塗布し、120℃で
乾燥した。得られたフィルムについて実施例1と同様に
評価し、結果を第1表に示した。
実施例4 樹脂層厚みを1μmとした以外は、実施例1と同様に
実施した。
比較例4 樹脂層厚みを0.0001μmとした以外は、実施例1と同
様に実施した。
比較例5 樹脂層厚みを5μmとした以外は、実施例1と同様に
実施した。
実施例5 塗布する樹脂を下記のものに変更した以外は、実施例
1と同様に実施した。
塗布した樹脂:酸成分として、テレフタル酸98モル%、
5ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、ジオール成
分としてエチレングリコールを95モル%、ジエチレング
リコールを5モル%としたポリエステル共重合体を幹と
し、グリシジルメタアクリル酸を40重量部、アクリル酸
を40重量部グラフトさせたアクリルグラフトポリエステ
ル。190℃における粘度は、100ポイズ、120℃における
粘度は、800ポイズであった。なお、この樹脂は水分散
性樹脂であり、以下「樹脂B」という。
実施例6 樹脂Aを樹脂Bに変更した以外は、実施例2と同様に
実施した。
比較例6 樹脂Aを樹脂Bとした以外は、比較例1と同様に実施
した。
比較例7 樹脂Aを樹脂Bとした以外は、比較例2と同様に実施
した。
実施例7 樹脂Aを樹脂Bとした以外は、実施例3と同様に実施
した。
比較例8 樹脂Aを樹脂Bとした以外は、比較例3と同様に実施
した。
比較例9 基材フィルムとして、中心線平均粗さ0.015μmのフ
ィルムを使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
実施例8 基材フィルムとして中心線平均粗さ0.25μmのフィル
ムを使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
比較例10 基材フィルムとして中心線平均粗さ0.8μmのフィル
ムを使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
実施例9 無機粒子として平均粒径0.05μmのものを使用した以
外は、実施例1と同様に実施した。
実施例10 無機粒子として平均粒径0.8μmのものを使用した以
外は、実施例1と同様に実施した。
〔発明の効果〕 本発明においては、特定の中心線平均粗さとした少な
くとも一軸以上延伸したポリエステルフィルム上に、所
定の配向度および厚みの水溶性または水分散性樹脂層を
設けたので、次のように優れた作用効果を奏し、配線基
盤用として好適である。
(1)各種インキ、ポリマペーストとの密着性に優れ
る。
(2)その密着性が、高温高湿雰囲気下でも殆ど変化し
ない。
(3)耐ブロッキング性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00 B29L 9:00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一軸方向に延伸された中心線平
    均粗さが0.02〜0.50μmであるポリエステルフィルム
    と、該ポリエステルフィルムの少なくとも片面に積層さ
    れた配向度が1.03〜1.5で厚みが0.001〜3.0μmである
    水溶性または水分散性樹脂層からなることを特徴とする
    配電基盤用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】水溶性または水分散性樹脂がアクリル系樹
    脂、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹
    脂およびそれらのグラフト物からなる群から選ばれた少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1項記載の
    配電基盤用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】水溶性または水分散性樹脂層に平均粒径D
    が0.08〜2.2μmの無機粒子が添加されており、かつ水
    溶性または水分散性樹脂層厚みdとの間に、 1.1≦D/d≦80 なる関係を満足することを特徴とする請求項1記載の配
    電基盤用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】請求項2記載のポリエステルフィルムの少
    なくとも片面に活性線架橋型絶縁レジスト層を設けたこ
    とを特徴とする配電基板。
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