JP5575089B2 - 塗布フィルム - Google Patents
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Description
上記アクリル系モノマーからのポリマーの製造には特に制限はなく、常法によって製造できる。例えば、有機溶剤と上記の各種モノマーおよび重合開始剤を混合して、加熱攪拌し重合できる。あるいは、有機溶媒を加熱攪拌しながら上記の各種モノマーおよび重合開始剤を滴下して重合を行ってもよい。さらには、有機溶剤、上記の各種モノマーおよび重合開始剤をオートクレーブ内で高圧で重合してもよい。また、上記有機溶剤の代わりに水を用い、必要に応じて界面活性剤を併用して、乳化重合や懸濁重合してもよい。これらのモノマーを反応させるのに要する重合開始剤は特に限定はない。ただし、それらのうちで代表的な化合物を例示すれば以下のとおりである。
本発明で塗布剤として用いるアクリル系ポリマーは、ガラス転移温度(Tg)が0℃以上、さらには40℃以上のものである。
d<0.2μm ・・・(2)
(上記式中、dは微粒子の粒径[μm]、hは乾燥延伸後の塗膜厚さ[μm])
0.5h≧dのときには、固着性軽減の効果が小さい傾向がある。d≧2hのときには、上塗り剤との接着性が低下する傾向がある。また、d≧0.2μmでも、上塗り剤との接着性が低下することがある。これらの条件を満たすことで、卓越した接着性、塗膜の透明性および光沢、耐固着性という相反する要求を満足できることが判明した。上記のような条件を用いて、平坦で平面性に優れたフィルムでありながら固着性が小さい塗布フィルムを作成することができる。特に、フィルムの表面粗さ(Ra、JIS−B0601−1982に準じる。触針の先端半径は2μm、荷重は30mg、カットオフ値は0.08mmで測定。)が0.10μm以下であり、フィルムロールの幅方向の厚み斑が5%以下でありながら、フィルムの固着力が300g以下となるフィルムである。固着力が500g以上では、フィルムロールがブロッキングする恐れがある。固着力は300g以下が好ましく、100g以下ならブロッキングの懸念は非常に小さい。ここで言う厚み斑、固着力とは以下のとおりである。従来は、表面粗さが小さくて厚さ斑の小さいフィルムではフィルム全面がブロッキングしやすかったが、本発明でこのようなフィルムでも固着力を小さくできるようになった。
<固着力>フィルムを重ね合わせてプレスする。条件は、40℃、80%RH、10kg/cm2 、20時間とする。プレスしたフィルムは多くの場合に固着しており、これを、ASTM−D−1893により剥離し、その時の剥離強度を測定した。剥離強度が大きい程固着性が大きく、このようなフィルムをロールに巻き上げるとブロッキングが発生しやすく、工業製品として不適当である。厚手のフィルムでも、固着性が大きいと、フィルムを巻出す際にフィルムが破断する場合がある。
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlに溶解し、30℃で測定した。
JIS−K6714に準じて、日本電色工業社製分球式濁度計NDH−20Dによりフィルムの濁度を測定した。
フィルムを重ね合わせてプレスする。条件は、40℃、80%RH、10kg/cm2 、20時間。プレスしたフィルムは多くの場合に固着しており、これを、ASTM−D−1893により剥離し、その時の剥離強度を測定した。剥離強度が大きい程固着性が大きく、このようなフィルムをロールに巻き上げるとブロッキングが発生しやすく、工業製品として不適当である。厚手のフィルムでも、固着性が大きいと、フィルムを巻出す際にフィルムが破断する場合がある。
フィルム表面に紫外線硬化インクを塗布・硬化し、そのフィルムとの接着の程度を評価する。評価条件は、以下のとおりである。
インク:東洋インキ社製オフセット印刷インク”FDカルトンP”藍色塗布:明製作所のオフセット印刷装置であるRIテスター”RI−2”にて5μm厚さに塗布した。
硬化:ウシオ電気社製UV照射装置”UVC−402/1HN:302/1MH”にて硬化させた。メタルハライドランプ出力120W/cm、ラインスピード10m/分、ランプ〜フィルム間隔100mmの条件で硬化させた。
接着性:セロテープ(登録商標)剥離を実施し、インクの剥離の程度を下記基準で評価した。
○:優秀。全く剥離しない。
○△:良。僅かに、剥離する。
△:やや良。多少剥離する。
△×:悪い。かなり剥離する。
×:非常に悪い。セロテープ(登録商標)を貼り付けた部分が完全に剥離する。
水系上塗り剤の例として、以下のように塗布剤を塗布し、剥離試験に供した。
塗布剤組成:ポリビニルアルコール(けん化度88%)=100(重量部)
上記組成のポリビニルアルコール溶液を作成し、フィルム表面に塗布し80℃で5分乾燥し、10μm厚さの皮膜を得た。溶媒組成:水/エタノール=80/20wt%。これを以下のように剥離試験した。
接着性:セロテープ(登録商標)剥離を実施し、ポリビニルアルコール層の剥離の程度を下記基準で評価した。
○:優秀。全く剥離しない。
○△:良。僅かに、剥離する。
△:やや良。多少剥離する。
△×:悪い。かなり剥離する。
×:非常に悪い。セロテープ(登録商標)を貼り付けた部分が完全に剥離する。
水系上塗り剤の例として、以下のように塗布剤を塗布し、剥離試験に供した。
塗布剤組成:ゼラチン=100(重量部)
上記組成のゼラチン温水溶液を作成し、フィルム表面に塗布し80℃で5分乾燥し、10μm厚さの皮膜を得た。これを以下のように剥離試験した。
接着性:セロテープ(登録商標)剥離を実施し、ゼラチン層の剥離の程度を下記基準で評価した。
○:優秀。全く剥離しない。
○△:良。僅かに、剥離する。
△:やや良。多少剥離する。
△×:悪い。かなり剥離する。
×:非常に悪い。セロテープ(登録商標)を貼り付けた部分が完全に剥離する。
極限粘度0.65であり、粒子径1.5μmのSiO2 を0.005重量%含むポリエチレンテレフタレートを常法により乾燥して押出機に供給し、290℃で溶融してシート状に押出し、静電印加密着法を用いて冷却ロール上で急冷し、無定形シートとした。得られた未延伸シートをロール延伸法を用いて縦方向に85℃で2.5倍延伸した後、さらに95℃で1.3倍延伸した。次いで、得られた一軸延伸フィルムをテンターに導いて、横方向に120℃で4.0倍延伸し、235℃で熱処理を行い、基材ポリエステルフィルムの厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムきわめて透明性に優れた平坦なフィルムであった。しかしながら、接着性に欠けるものであった。フィルムの透明性、固着性、接着性を下記表3に示す。
比較例1と同様の方法にて一軸延伸フィルムを得た。このフィルムの片面に、下記表1の原材料を下記表2の組成で配合して得られた各種塗布剤を塗布した。その後、比較例1と同様に本フィルムをテンターに導き、テンターにより乾燥、横延伸、熱処理を実施して、表3に記載の各例に該当する二軸延伸フィルムを得た。塗膜も延伸されて最終的な乾燥塗布層厚さは0.04μmであった。フィルムの透明性、固着性、接着性を表3に示す。 実施例1のフィルムは、いずれも優れた接着性を示す。これに対して、架橋剤としてブロックイソシアネートやアルキロールメラミンを用いた比較例2および3のフィルムは、一部の上塗り剤に対して接着性があるものの、水系上塗り剤に対して接着性に乏しい。実施例1では、ポリエステル、アクリル系ポリマー、ポリウレタンいずれも良い接着性を示している。なかでも、ポリウレタンが概して良好である。
Claims (9)
- (1)エチレンオキサイド繰り返し単位と2個以上のイソシアネート基とを有する自己乳化性イソシアネート、および(2)アクリル系ポリマーを含有する塗布液を塗布した後、乾燥および延伸されてなる塗布層をポリエステルフィルムの少なくとも片面に有し、かつ、フィルムの固着力(F)が300g以下であることを特徴とする塗布フィルム。
- フィルムの固着力(F)が100g以下であることを特徴とする請求項1に記載の塗布フィルム。
- 塗布液が、イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の塗布フィルム。
- 塗布液が、ガラス転移温度0℃以上のポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布フィルム。
- 塗布液が、ガラス転移温度40℃以上のポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布フィルム。
- 塗布液が、水より高沸点の水溶性有機溶剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の塗布フィルム。
- 塗布液が微粒子を含有し、その粒径dと塗布層の厚さhとが下記式(1)および(2)を同時に満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の塗布フィルム。
0.5h<d<2h ・・・(1)
d<0.2μm ・・・(2)
(上記式中、dおよびhの単位はμm) - フィルムの表面粗さ(Ra)が0.10μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の塗布フィルム。
- フィルム幅方向の厚み斑が5%以下である、請求項1〜8のいずれかに記載の塗布フィルムからなることを特徴とするフィルムロール。
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