JP5295822B2 - 帯電防止性白色ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、帯電防止性に優れた白色ポリエステルフィルムに関するものである。さらに詳しくは、トナー接着性を併せ持ち、レーザープリンター用受像紙として好適に用いられる白色ポリエステルフィルムに関するものである。
白色ポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性、平面性、耐熱性、耐薬品性、耐水性において優れた特性を持つことから、各種印刷用フィルム、プリペイドカード用フィルムをはじめとして、幅広い用途に使用されている。しかしながら、このような優れた特性を持つ反面、プラスチックフィルム共通の問題として、静電気が発生しやすく、その結果、フィルム同士が帯電密着してしまう欠点がある。また、耐水性に優れる反面、接着力に劣るという欠点もある。すなわち、従来の白色ポリエステルフィルムを、レーザープリンター用受像紙(いわゆる電子写真/コピー機に用いられる受像用紙)として使用すると、トナーとの接着性が悪く、製品の耐久性の点で致命的な欠点である。
ポリエステルフィルムの帯電防止法としては、有機スルホン酸塩や有機リン酸塩等のアニオン性化合物を練り込む方法、金属化合物を蒸着する方法、アニオン性化合物やカチオン性化合物、あるいは、いわゆる導電性粒子を塗布する方法などがある。アニオン性化合物を練り込む方法は、安価に製造できるという利点があるものの、帯電防止効果において限界があるとともに、用いることができる化合物が低分子化合物であるため、ブルーミングによりポリエステルフィルムと上塗り層との接着率が低下したり、耐水性がなくなったり、アニオン性化合物がフィルムや搬送ロールに転着したりするなどの問題が生じる。
一方、4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物は、アニオン性化合物より熱安定性に劣り、ポリエステルの溶融温度で練り込むと分解してしまうため、練り込みには使用できない。金属化合物を蒸着する方法は、帯電防止性が優れ、近年は透明導電性フィルムとして用途が拡大しているものの、製造コストが高く、特定の用途には向いているが、一般の帯電防止フィルムとしては利用し難い。導電性カーボンや導電性金属粒子を塗布する方法は、帯電防止効果が比較的良好であるとともに、比較的安価に製造できる利点があるものの、フィルムの白色性が悪化するという欠点がある。このようなことから、帯電防止剤としてアニオン性化合物やカチオン性化合物を、フィルムに塗布する方法がポリエステルフィルムの帯電防止法として広く採用されている。
塗布層を有する二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法としては、塗布液をシートまたはフィルムに塗布した後、フィルムを延伸、熱処理する塗布延伸法(インラインコーティング法)という方法がある。この方法は、二軸延伸後のポリエステルフィルムに塗布液を塗布して塗布層を形成する方法と比較して、フィルムの製膜と塗布を同時に実施するため、幅広の製品が比較的安価に得られるだけでなく、塗布層と基体のポリエステルフィルムの密着性が良く、塗布層を薄膜化できるだけでなく、塗布層の表面特性も特徴のあるものが得られる。
しかしながら、塗布延伸により帯電防止ポリエステルフィルムを製造する場合には、帯電防止剤が熱的に不安定なため、通常の条件で塗布延伸を実施した場合には、延伸、熱処理工程で揮散あるいは熱分解が生じて、期待された帯電防止効果が発揮されない場合がある。また、温度やフィルムの滞留時間などの熱処理条件を緩和することにより、帯電防止剤の揮散や分解を抑え、帯電防止効果をフィルムに付与することができるが、フィルムの機械的強度や寸法安定性などにおいて不満足なものしか得られない場合が多い。
このような帯電防止性の要求に加え、受像紙用途には、トナー接着性、さらには塗膜強度に優れたフィルムが求められるが、塗布延伸によってこれらの特性をすべて満足させることは極めて難しい。すなわち、塗布延伸に適した帯電防止剤が少ないことと、さらには帯電防止を期待して塗布層中の帯電防止剤量を増加させてゆくと、多くの場合、帯電防止性が発揮される前に接着力が低下する現象が起こる。帯電防止剤の種類によっては、塗布層中50重量%以上添加しても帯電防止性が発揮されず、結局、帯電防止性とトナー接着性の両者とも発揮されないことも稀ではない。帯電防止性が付与されたフィルムは、各種の層を積層することにより、各種用途に適することができるが、上記の問題点の存在により、その用途が限定されている。
特開平8−197839号公報 特開2001−341262号公報 特開2003−175579号公報 特開2003−225983号公報 特開2003−231230号公報 特開2003−291509号公報 特開2004−223714号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、フィルム同士が帯電密着することなく、プリンターで使用されるトナーとの接着性が良好で、受像用紙としての適性に優れるポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムに寄れば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、下記成分a1およびa2を構成単位として含むポリウレタン樹脂と、主鎖にピロリジニウム環を有するユニットを主たる繰り返し単位として含有するカチオンポリマーとを含有する塗布層を少なくとも片面に有し、当該塗布層の表面固有抵抗値が1×10〜1×1012Ωであることを特徴とする白色ポリエステルフィルムに存する。
a1:ポリカーボネートポリオール
a2:分子中に3級アミノ基を有する鎖延長剤の3級アミノ基を4級化した化合物
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の白色ポリエステルフィルムを構成するポリエステルとしては、代表的には、例えば、構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート、構成単位の80モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレートであるポリエチレン−2,6−ナフタレート、構成単位の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートであるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられる。その他にも、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
上記の優位構成成分以外の共重合成分としては、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成分、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびオキシモノカルボン酸などのエステル形成性誘導体を使用することができる。また、ポリエステルとしては、単独重合体または共重合体のほかに、他の樹脂との小割合のブレンドも使用することができる。
本発明の白色ポリエステルフィルムは、白色および隠蔽性を発現するためにフィルム中に無機顔料粒子を含有させる方法が好ましく用いられる。粒子としては、従来公知のものを使用することができ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、二酸化珪素等が例示されるが、使用される粒子の種類は上記例に限定されるものではない。
本発明で用いる無機顔料の平均粒子径は、通常0.1〜1.0μmの範囲であり、さらに好ましくは0.2〜0.6μmの範囲である。無機顔料の平均粒子径が小さすぎると、ポリエステルフィルムの隠蔽性が不足することがある。一方、無機顔料の平均粒子径が大きすぎると、ポリエステルフィルムの表面から粒子が脱落する傾向がある。ここで、無機顔料は1種単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
本発明の白色ポリエステルフィルムは、帯電によるフィルム同士の密着を防止するため、表面固有抵抗値が1×10〜1×1012Ωの範囲であることが必要である。表面固有抵抗値が1×1012Ωを超える場合、帯電防止の効果が不足する。好ましい表面固有抵抗値は1×1011Ω以下であり、さらに好ましくは1×1010Ω以下である。一方、表面固有抵抗値が1×10Ω未満の場合、効果が飽和しているうえ、帯電防止剤を多量に添加することが必要となり、塗布層の耐久性が不足する。好ましい表面固有抵抗値(下限)は1×10Ω以上であり、さらに好ましくは1×10Ω以上である。
本発明の白色ポリエステルフィルムの透過濃度は、0.1以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.4以上である。上限は特に定めないが、通常は2.0である。0.1未満では受像紙の裏面が透けて見えてしまう傾向がある。一方、2.0を超えると、添加顔料が過多となり、フィルム表面、断面からの脱落が問題となる傾向がある。
本発明の白色ポリエステルフィルムの白色度は、70以上であることが好ましく、さらに好ましくは80以上である。上限は特に定めないが、物性定義上は100である。白色度が70未満では、印字画像の精細さが損なわれる傾向がある。
本発明の白色ポリエステルフィルムの厚さは、特に限定されるわけではないが、受像紙材料としての取扱性の上で、通常25μm〜188μm、好ましくは38μm〜150μmの範囲である。25μm未満では、シワが入りやすい傾向がある。一方、188μmを超えると、フィルムが重量化し、取扱いで手を切創するなどが問題となる傾向がある。
本発明の白色ポリエステルフィルムには、上記の顔料粒子以外にも、必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、蛍光増白剤、染料、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の添加剤を添加することができる。
本発明の白色ポリエステルフィルムは、少なくとも片面に、下記成分a1およびa2を構成単位として含むポリウレタン樹脂(A)とカチオン性高分子帯電防止剤(B)とを含有する塗布層を有することが必要である。
a1:ポリカーボネートポリオール
a2:分子中に3級アミノ基を有する鎖延長剤の3級アミノ基を4級化した化合物
本発明のポリウレタン樹脂(A)は、ポリオールとしてポリカーボネート単位を含むことが必要である。ポリカーボネートポリオールを含むポリウレタン樹脂を用いることで、プリンターで使用するトナーとの接着性が良好となる。
本発明のポリウレタン樹脂(A)は、ポリオールとしてポリカーボネート単位を含むことが必要である。ポリカーボネートポリオールを含むポリウレタン樹脂を用いることで、トナーとの接着性が良好となる。
本発明のポリウレタン樹脂(A)で使用するポリカーボネートポリオールは、例えばジエチルカーボネートなどの低級ジアルキレンカーボネートや、あるいはジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルと、ジオールとのエステル交換反応を用いるか、ジオールに直接ホスゲンを反応させることで得られるものが挙げられる。本発明では、ジオールとして、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン等を用いたポリカーボネートポリオールを使用することができる。
また、上記のポリカーボネートジオールは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の数平均分子量で、300〜4000であることが好ましい。さらに、これらのポリカーボネートポリオールの添加量は、ポリウレタン樹脂(A)に対して40〜80重量%の範囲で選ぶことができる。
本発明のポリウレタン樹脂(A)で使用するポリイソシアネートには、公知の脂肪族、脂環族、芳香族等のポリイソシアネートを挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートの具体例として、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等を挙げることができる。
また、これらのポリイソシアネートは単独で使用してもよいが、2種以上混合して使用することもできる。
本発明で用いるポリウレタン樹脂(A)は、トナー接着性の向上のため、上記のポリカーボネートポリオール(a1)ととに、ポリオール成分としてポリオキシアルキレングリコールを共存させることができる。ポリウレタン(A)に含有させるポリオキシアルキレングリコールの具体例としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブタンジオール、ポリオキシエチレングリコール−ポリオキシプロピレングリコールブロック共重合体等を挙げることができる。
またこれらのポリオキシアルキレングリコールの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリオキシエチレングリコール換算の数平均分子量で、200〜3000であることが好ましい。さらに、これらのポリオキシアルキレングリコールの添加量は、ポリウレタン樹脂(A)に対して3〜10重量%の範囲で選ぶことができる。
本発明においては、ポリウレタン樹脂(A)は、分子中に3級アミノ基を有する鎖延長剤の3級アミノ基を4級化した化合物(a2)を構成単位として含むことが必要である。これによりポリウレタン樹脂(A)は自己乳化性となり、特に乳化剤を添加しなくとも、水を主体とする媒体中で安定した分散体となすことが可能となる。また、ポリウレタン樹脂(A)は、後述するカチオン性高分子帯電防止剤(B)と同じカチオン性高分子であるので、両者を混合しても、分子間のイオン凝集が発生しない。
本発明のポリウレタン樹脂(A)で使用する鎖延長剤としては、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン、N−メチルジアミノエチルアミン、N−エチルジアミノエチルアミン等のN−アルキルジアミノアルキルアミン、トリエタノールアミン等を挙げることができる。これらの3級アミノ基を有する鎖延長剤は単独または2種以上併用して用いることができる。また、これらの鎖延長剤の添加量は、ポリウレタン樹脂(A)に対して5〜15重量%の範囲から選ぶことができる。
本発明においては、上記ポリウレタン樹脂に導入された上記3級アミノ基を有する鎖延長剤を、酸で中和するか、あるいは4級化剤で4級化した化合物を含むカチオン性ポリウレタン樹脂とする必要がある。3級アミノ基を酸で中和する場合には、酸として、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、アジピン酸等の有機酸、および塩酸、燐酸、硝酸等の無機酸を挙げることができる。これらの酸は単独または2種以上併用して用いることができる。また、3級アミノ基を4級化剤で4級化する場合には、4級化剤として、ベンジルクロライド、メチルクロライド等のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等の硫酸エステル等を挙げることができる。これらの4級化剤は単独または2種以上併用して用いることができる。
本発明で用いるポリウレタン樹脂(A)は、ポリイソシアネートとポリカーボネートポリオールと分子中に3級アミノ基を有する鎖延長剤を添加して反応させた後、4級化させることで得られるが、初めから4級化された化合物を鎖延長剤として反応させることもできる。
本発明における白色ポリエステルフィルムは、その少なくとも片面に有する塗布層にカチオン性高分子帯電防止剤(B)を含むことが必要である。
前述したように、ポリウレタン樹脂(A)とカチオン性高分子帯電防止剤(B)とは、同じカチオン性高分子であるので、両者を混合した塗布剤には、分子間のイオン凝集が発生しない。また帯電防止剤としてカチオン性高分子を用いるので、アニオン性やノニオン性の帯電防止剤よりも良好な帯電防止性能や、フィルム延伸後の塗膜の透明性を得やすい点で好ましい。また低分子帯電防止剤でしばしば問題となる転着現象も生じることはない。
本発明で用いるカチオン性高分子帯電防止剤(B)は、4級化された窒素を含むユニットを繰り返し単位として含有するポリマーが好適であるが、特に下記式(I)または(II)式で示される主鎖にピロリジニウム環を有するユニットを主たる繰り返し単位として含有するカチオンポリマーであることが、優れた帯電防止性能が得られる点で好ましい。
Figure 0005295822
Figure 0005295822
上記(I)式あるいは(II)式の構造において、R、Rは、炭素数が1〜4のアルキル基もしくは水素であることが好ましく、これらは同一基でもよいし異なっていてもよい。またR、Rのアルキル基は、ヒドロキシル基、アミド基、アミノ基、エーテル基で置換されていてもよい。さらに、RとRとが化学的に結合していて、環構造を有するものであってもよい。また、(I)式あるいは(II)式のXは、ハロゲンイオン、硝酸イオン、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、モノメチル硫酸イオン、モノエチル硫酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオンの何れかである。
上述の、主鎖にピロリジニウム環を有するユニットを主たる繰り返し単位として含有するカチオンポリマーの中でも、特に(I)式の構造で、Xが塩素イオンである場合には、帯電防止性能が優れると同時に、帯電防止性能の湿度依存性が小さく、低湿度下でも帯電防止性能の低下が少なくなる点で好ましい。また、帯電性易接着にハロゲンイオンを使用できない場合においては、塩素イオンの代わりにメタンスルホン酸あるいはモノメチル硫酸イオンを使用することで、塩素イオンの場合に近い帯電防止性能を得ることができる。
(I)式のユニットを繰り返し単位とするポリマーは、次の(III)式で示されるジアリルアンモニウム塩を単量体として、水を主とする媒体中で、ラジカル重合で閉環させながら重合することで得られる。また、(II)式のユニットを繰り返し単位とするポリマーは、(III)式の単量体を、二酸化硫黄を媒体とする系で環化重合させることにより得られる。
Figure 0005295822
また、(I)式または(II)式に示すユニットを繰り返し単位とするポリマーは、単一のユニットから構成されるホモポリマーである場合が、より良好な帯電防止性能を得ることができるが、後述するように、カチオンポリマーを含む塗布液をポリエステルフィルムに塗布した後に、さらにポリエステルフィルムを延伸する場合に、塗布層の透明性を改善するために、(I)式または(II)式で示されるユニットの0.1〜50モル%が、共重合可能な他の成分で置き換えられてもよい。
共重合成分として用いる単量体成分としては、(III)式のジアリルアンモニウム塩と共重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物を1種あるいは2種以上を選ぶことができる。
これらは具体的には、アクリル酸およびその塩、メタクリル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、マレイン酸およびその塩あるいは無水マレイン酸、フマル酸およびその塩あるいは無水フマル酸、モノアリルアミンおよびその4級化物、アクリルニトリル、酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルジアルキルアミンおよびその4級化物、(メタ)アクリロイルオキシプロピルジアルキルアミンおよびその4級化物、(メタ)アクリロイルアミノエチルジアルキルアミンおよびその4級化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジアルキルアミンおよびその4級化物などを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の塗布層中のカチオン性高分子帯電防止剤(B)は、上記(I)または(II)式で示される主鎖にピロリジニウム環を繰り返し単位として含有するカチオンポリマーの代わりに、例えば(IV)式または(V)式で示されるユニットを繰り返し単位とするカチオンポリマーであってもよい。
Figure 0005295822
(IV)式あるいは(V)式の構造において、R、Rはそれぞれ水素またはメチル基であり、R、Rは、それぞれが炭素数2〜6のアルキル基であることが好ましく、またR、R、R、R10、R11、R12はメチル基あるいはヒドロキシエチル基もしくは水素であり、これらは同一基でもよいし異なっていてもよい。さらに(IV)式あるいは(V)式のXは、ハロゲンイオン、硝酸イオン、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、モノメチル硫酸イオン、モノエチル硫酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオンの何れかである。
(IV)式あるいは(V)式で示されるユニットを繰り返し単位とするカチオンポリマーは、例えば、それぞれのユニットが対応するアクリル酸モノマーまたはメタクリル酸モノマーを、水を主とする媒体中でラジカル重合することで得ることができるが、これに限定されるわけではない。
本発明で用いるカチオンポリマーの平均分子量(数平均分子量)は、通常1000〜500000、さらには5000〜100000の範囲であることが好ましい。平均分子量が1000未満であると、フィルムを巻き取った時に重なり合う面にカチオンポリマーが転着したり、ブロッキングしたりするなどの原因となり、逆に平均分子量が500000を超えると、これを含む塗布液の粘度が高くなり、フィルム面に均一に塗布することが困難となることがある。
本発明の白色ポリエステルフィルムの塗布層は、前述のポリウレタン樹脂(A)と、カチオン性高分子帯電防止剤(B)とを含有することが必要であるが、重量比(A)/(B)が40/60よりも小さい場合には、塗布層の帯電防止効果は十分であるが、トナー接着性が不十分となる傾向にある。一方で90/10よりも大きい場合には、塗布層の接着性は十分であるが、帯電防止効果が不十分となる傾向にある。
また、塗布層中のポリウレタン樹脂(A)とカチオン性高分子帯電防止剤(B)との重量合計は、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上であり、最大で100%であってもよい。
本発明における二軸延伸ポリエステルフィルムの塗布層は、前述のポリウレタン樹脂(A)およびカチオン性高分子帯電防止剤(B)の他に、塗膜の耐熱性や耐湿性、耐ブロッキング性の向上などを目的として、架橋剤を添加することができる。この架橋剤には、メチロール化あるいはアルコキシメチロール化したメラミン系化合物やベンゾグアナミン系化合物、もしくは尿素系化合物、もしくはアクリルアミド系化合物の他、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、シランカップリング剤系化合物、チタンカップリング剤系化合物などから選ばれた少なくとも1種類を含有させることが好ましい。これらの架橋剤の添加量は、塗布層全体に対して通常1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%の割合とすることができる。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、塗布層表面の滑り性の付与や耐ブロッキング性の向上を目的として、無機や有機の微粒子を添加することができる。この微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、シリカ−アルミナ複合体、シリカ−酸化チタン複合体、架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレン樹脂などの微粒子、あるいは酸化スズ、インジウム−スズ複合酸化物微粒子、アンチモン−スズ複合酸化物微粒子などの導電性微粒子から選ばれた少なくとも1種以上を含有させることが好ましい。添加する微粒子は、平均粒子径が5〜200nmであることが好ましく、その添加量も塗布層全体に対して10重量%以下であることが好ましい。
本発明における二軸延伸ポリエステルフィルムの塗布層には、界面活性剤を添加することができる。この界面活性剤には、塗布液のヌレ性の改善を目的に、アルキレンオキサイド付加重合物で置換されたアセチレグリコール誘導体などのノニオン系界面活性剤を好ましく用いることができる。また、フィルムと共に塗布層が延伸される工程での塗布層の透明性の維持を目的として、グリセリンのポリアルキレンオキサイド付加物、あるいはポリグリセリンのポリアルキレンオキサイド付加物などを用いることができる。
その他塗布層には、必要に応じて上記で述べた成分以外に、例えば、消泡剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料等を添加することもできる。これらの添加剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
また本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの塗布層には、ポリウレタン樹脂(A)を含むことが必要だが、これ以外のバインダー樹脂として、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、(A)以外のポリウレタン樹脂等を、本発明の効果を損なわない範囲で共存させることもできる。
本発明における二軸延伸ポリエステルフィルムの塗布層は、その塗工量としては、乾燥・固化された後の、あるいは二軸延伸・熱固定等を施された後の最終的な乾燥皮膜として、0.005〜1.0g/m、さらには0.01〜0.5g/mの範囲とするのが好ましい。この塗工量が0.005g/m未満では、帯電防止性能や接着性が不十分となることがあり、1.0g/mを超える場合には、もはや帯電防止性能や接着性は飽和しており、逆にブロッキングの発生等の弊害が発生しやすくなる傾向がある。
本発明における二軸延伸ポリエステルフィルムの塗布層は、通常、主として水を媒体とした塗布液としてポリエステルフィルム上に塗工される。塗工されるポリエステルフィルムは、あらかじめ二軸延伸されたものでもよいが、塗工した後に少なくとも一方向に延伸され、さらに熱固定をする、いわゆるインラインコーティング法を用いることが好ましい。インラインコーティング法によれば、通常200℃以上の高温でポリエステルフィルムと塗布層が同時に熱固定されるため、塗布層の熱架橋反応が十分に進行すると共に、ポリエステルフィルムとの密着性がさらに向上する。
また塗布液は、その保存安定性の向上、あるいは塗布性や塗布膜特性の改善を目的に、水以外に、通常10重量%以下の量で水との相溶性のある有機溶剤の1種または2種以上を加えることが可能である。この有機溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、エチルセルソルブ、t−ブチルセルソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラハイドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルエタノールアミン、トリメタノールアミン等のアミン類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類等を例示することができる。
ポリエステルフィルムに塗布液を塗布する方法としては、例えば、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるような塗布技術を用いることができる。具体的には、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、カレンダコーター、押出コーター、バーコーター等のような技術が挙げられる。
なお、塗布剤のフィルムへの塗布性、接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理やコロナ放電処理、プラズマ処理等を施してもよい。
次に、二軸延伸を用いた場合のフィルムの製造方法の一例を詳細に説明するが、本発明の要旨を超えない限り、本発明は以下の例に限定されるものではない。
まず、ポリエステルフィルムを構成する原料を押出機へ供給し、溶融混練後、押し出す。(積層フィルムの場合は、異なる押出機から供給された原料⇒溶融ポリマーをTダイ内でスリット状に積層してから押し出す。)次に、ダイから押し出された溶融シートを、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面均一性、冷却効果を向上させるためには、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法が好ましく採用される。次いで、得られたシートを二軸方向に延伸してフィルム化する。まず、通常70〜150℃、好ましくは75〜130℃の延伸温度、通常2.0〜6.0倍、好ましくは2.5〜5.0倍の延伸倍率の条件下、前記未延伸シートを一方向(縦方向)に延伸する。かかる延伸にはロールおよびテンター方式の延伸機を使用することができる。ここで縦延伸後のフィルムに、上述の通り、塗布層を設けることが好ましい。次いで、通常75〜150℃、好ましくは80〜140℃の延伸温度で、通常2.0〜6.0倍、好ましくは2.5〜5.0倍の延伸倍率の条件下、一段目と直交する方向(横方向)に延伸を行い、二軸配向フィルムを得る。かかる延伸には、テンター方式の延伸機を使用することができる。
上記の一方向の延伸を2段階以上で行う方法も採用することができるが、その場合も最終的な延伸倍率が上記した範囲に入ることが好ましい。次いで、テンター内熱処理を、通常180〜245℃、好ましくは200〜240℃で、1秒〜5分間行う。この熱処理工程では、熱処理の最高温度のゾーンおよび/または熱処理出口直前の冷却ゾーンにおいて、横方向および/または縦方向に0.1〜20%の弛緩を行うことが、熱寸法安定性付与の点で好ましい。本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層を形成する際の乾燥および硬化条件に関しては特に限定されるわけではないが、通常、塗布後の後工程において、70〜280℃で3〜200秒間を目安として熱処理を行うのがよい。
本発明によれば、フィルム同士が帯電密着することなく、プリンターで使用されるトナーとの接着性が良好で、受像用紙としての適性に優れる帯電防止性白色ポリエステルフィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は非常に大きい。
以下、本発明の構成および効果を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、特性は以下のように測定、または定義されたものである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)ポリエステルフィルムに用いるフィラー(微粒子)の平均粒子径(d50:μm)
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(体積基準)50%の値を平均粒径とした。
塗布層に用いる微粒子の平均粒子径(nm)
微粒子の分散液を、マイクロトラックUPA(日機装社製)にて、個数平均の50%平均径を測定して、これを平均粒子径(nm)とした。
(3)表面固有抵抗値(Ω)
日本ヒューレット・パッカード社製高抵抗測定器 HP4339B、および測定電極 HP16008Bを使用し、23℃、30〜60%RHの測定雰囲気下で、印加電圧100Vで1分後の塗布層の表面固有抵抗値(Ω)を測定した。
(4)透過濃度(OD値)
Macbeth社製 透過濃度測定装置 TD−904を使用し、フィルム透過濃度(OD値)を測定した。
(5)色調(L、a、b、W)
日本電色工業製色差計ZE2000タイプを用いて、反射法によりフィルム表面の測定を行った。2°視野、C光源を用い、表色系はLab(CIE1976)およびハンターW値とした。なお、フィルム厚さが合計約400μmになるようにフィルムを重ねて測定した。
(6)トナー接着性の評価
RICOH社製コピー機“imago MP C4500it”で同社のトナー“imago MP Pトナー ブラックC4500”を用いて、フィルムに画像を印刷し、印刷の黒ベタの部分を対象にして、100枡のクロスカットを入れ、トナー層のセロテープ(登録商標)による剥離試験を行い、接着性を評価した。剥離試験方法は以下の通りである。すなわち、フィルムのトナー層の上に、18mm巾のニチバン社製セロテープ(登録商標)を気泡の入らぬよう7cmの長さに貼り、この上を3kgの手動式荷重ロールで一定の荷重を与え、フィルムを固定してテープの一端を500gの錘に接続し、錘が45cmの距離を自然落下後に、180°方向の剥離試験が開始する方法で評価した。接着性は、次の5段落の基準で評価した。
評価5:テープ面側にトナー層が全く剥離しない
評価4:10%未満、トナー層がテープ面側に剥離する
評価3:10〜50%の部分のトナー層がテープ面側に剥離する
評価2:50%以上の部分のトナー層がテープ面側に剥離する
評価1:完全にトナー層がテープ面側に剥離する
比較例1:
ベント付き二軸押出機を使用し、平均粒子径0.3μmの酸化チタン粒子を5重量%、平均粒子径3.5μmの不定形シリカ粒子を0.1重量%を含有させた、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート原料(A)を280℃〜300℃の温度で溶融押し出しし、静電密着法を併用しながら冷却ドラム上にキャストして、無定形フィルムを得た。このフィルムを82℃で縦方向に3.5倍延伸し、さらに120℃で横方向に4.0倍延伸し、230℃で熱処理して、厚さ50μmの白色ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは帯電防止性、トナー接着性に劣るものであった。
実施例1〜3および比較例2〜4:
比較例1において縦延伸後のフィルムの両面に、別表の組成からなる水性塗布液を各々バーコート方式で塗布する以外は比較例1と同様にして、厚さ50μmの白色ポリエステルフィルムを得た。
各塗布層を構成する化合物は以下のとおりである。
・ポリウレタン樹脂A1:
6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートとの反応により得られるポリカーボネートポリオール(GCPでの数平均分子量約1000)を76.7重量部と、ポリエチレングリコール(第一工業製薬社製、商品名PEG600、分子量600)を6.4重量部と、トリメチロールプロパンを2.0重量部と、N−メチル−N,N−ジエタノールアミンを19.9重量部と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを84.0重量部と、MEK87重量部を反応容器に取り、70〜75℃で反応を行い、ウレタンプレポリマーを得た。このウレタンプレポリマーにジメチル硫酸を16.8重量部添加し、50〜60℃で反応させて、カチオン性ウレタンポリマーを得た。これに水623重量部を添加して乳化させた後、MEKを回収することにより、ポリウレタン樹脂3の水分散体を得た。
・ポリウレタン樹脂A2:
1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートとの反応により得られるポリカーボネートポリオール(GCPでの数平均分子量約1000)を76.7重量部と、ポリエチレングリコール(第一工業製薬社製、商品名PEG600、分子量600)を6.4重量部と、トリメチロールプロパンを2.0重量部と、N−メチル−N,N−ジエタノールアミンを19.9重量部と、ヘキサメチレンジイソシアネートを57.7重量部と、MEK87重量部を反応容器に取り、70〜75℃で反応を行い、ウレタンプレポリマーを得た。このウレタンプレポリマーにジメチル硫酸を16.8重量部添加し、50〜60℃で反応させて、カチオン性ウレタンポリマーを得た。これに水623重量部を添加して乳化させた後、MEKを回収することにより、ポリウレタン樹脂3の水分散体を得た。
・カチオン性高分子帯電防止剤B:
ジアリルジメチルアンモニウムクロライドを用いた4級アンモニウム塩含有カチオンポリマー((I)式のピロリジニウム環含有ポリマー)平均分子量約30000
・架橋剤C:
2−イソプロペニル−2−オキサゾリンとアクリル系モノマーとの共重合ポリマー型架橋剤水溶液(日本触媒社製 商品名 エポクロスWS−500)、オキサゾリン基量=4.5mmol/g
・微粒子D:
コロイダルシリカ微粒子(平均粒径0.07μm)
比較例5:
実施例1において、ポリウレタン樹脂A1の代わりに、ポリカーボネートポリオール構造を有するアニオン系水性ポリウレタン(三井化学ポリウレタン社製 商品名タケラックW−6010)を用いて塗布液を配合した。塗布液は作成後直ちに沈殿が発生してしまい、フィルムに塗布することができなかった。
実施例4:
実施例1において、原料(A)の酸化チタン粒子配合量を10重量%に変更する以外は実施例1と同様にして、フィルム厚さ50μmの白色ポリエステルフィルムを得た。
実施例5:
実施例1において、フィルム厚さを125μmに変更する以外は実施例1と同様にして、白色ポリエステルフィルムを得た。
実施例6:
実施例4において、フィルム厚さを125μmに変更する以外は実施例4と同様にして、白色ポリエステルフィルムを得た。
以上、得られた結果をまとめて下記表1および2に示す。
Figure 0005295822
表1中、(A)/(B)比率とあるのは、塗布層中の「ポリウレタン樹脂(A)/カチオン性高分子帯電防止剤(B)」(重量比)を表す。
Figure 0005295822
本発明の白色ポリエステルフィルムは、優れたトナー接着性と帯電防止性を併せ持つことを必要とする用途に、具体的にはレーザープリンター用受像紙として好適に利用することができる。

Claims (2)

  1. 下記成分a1およびa2を構成単位として含むポリウレタン樹脂と、主鎖にピロリジニウム環を有するユニットを主たる繰り返し単位として含有するカチオンポリマーとを含有する塗布層を少なくとも片面に有し、当該塗布層の表面固有抵抗値が1×10〜1×1012Ωであることを特徴とする白色ポリエステルフィルム。
    a1:ポリカーボネートポリオール
    a2:分子中に3級アミノ基を有する鎖延長剤の3級アミノ基を4級化した化合物
  2. 請求項1に記載の白色ポリエステルフィルムを基材とすることを特徴とするレーザープリンター用受像紙。
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