JP2528973Y2 - 可動床装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、昇降可能に設けられる可動床装置に関す
る。

（従来の技術およびその課題） 従来、例えば荷物を格納する倉庫において、倉庫内に
昇降可能な可動床を備えて、下降した可動床に荷物を積
載した後に、可動床を上昇させて保持して、可動床の下
方にも荷物を搬入して、倉庫内のスペースを有効に利用
するものがあった。

しかしながら、このような可動床装置を倉庫内に設け
る場合、可動床を昇降させる装置が大型化して、倉庫内
の有効スペースが削減されたり、搬入の邪魔になるとい
う問題点があった。

本考案は、こうした従来の問題点に着目し、可動床装
置の構造を簡素化して有効スペースを拡大することを目
的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案では、水平な可動床
の両側端部に鉛直に配置した一対の支柱と、これら支柱
にそれぞれ鉛直に設けたガイドレールと、これらガイド
レールに沿って係合案内されつつ可動床を水平に維持し
たまま昇降させるように可動床の両端部上下に間隔をあ
けてそれぞれ配設した係合案内手段と、可動床の一端に
連結されるけん引チェーンと、このけん引チェーンを引
き上げるべく一方の支柱に設けた駆動装置とを備える一
方、可動床の両端部に枢支される滑車と、各滑車の間に
掛け回された吊りワイヤとをそれぞれ設け、吊りワイヤ
の一端を可動床下降位置での滑車よりも下方に位置して
前記けん引チェーンと同じ側の一方の支柱もしくはその
近傍に設けた支持部材に連結し、吊りワイヤの他端を可
動床上昇位置での滑車の位置よりも上方に位置して他方
の支柱に設けた支持部材に連結した。

（作用） 上記構成に基づき、駆動装置により一方の支柱に沿っ
てチェーンをけん引すると、可動床が上下に移動する
が、一方の支柱の下方の支持部材から可動床両端の滑車
を経由して他方の支柱の上方の支持部材へとクランク状
に吊りワイヤを張設したので、ワイヤをたるみなく張っ
ておくことにより、可動床は左右に傾くことなく、水平
に維持される。同時に、可動床は左右両端部で、かつそ
の上下に設けた係合案内手段が鉛直なガイドレールに案
内されているので、可動床は前後への傾きが阻止され、
このようにして水平を保ったまま、つまり、左右にも前
後にも傾くことなく、安定して上下に移動する。

ガイドレールと吊りワイヤ及びけん引チェーンは共に
可動床の側方に位置しており、また可動床は両側に位置
する一対の支柱によって支持され、支柱の上方には可動
床を遮るものもなく、昇降装置の占めるスペースが削減
され、上下方向についても空間の有効利用が可能とな
る。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を添付第１図、第２図、第３
図にそれぞれ基づいて説明する。

図中１はいすの格納倉庫に昇降可能に設けられる可動
床であり、多数のいす２が複数の台車３に積載された状
態でこの可動床１の上下に格納されるようになってい
る。

可動床１の両側端部にはそれぞれ側柱７を垂直に設け
る共に、可動床１の両側に位置して、各側柱７に対峙し
てそれぞれ支柱４が固定床24に垂直に設けられる。各側
柱７には上下に間隔をあけて一対の係合案内手段として
のガイドシュー５が取付けられ、各支柱４にはこのガイ
ドシュー５が係合するガイドレール６が垂直に設けら
れ、ガイドシュー５がガイドレール６に係合案内されつ
つ上下に摺動することにより可動床１が前後に傾くこと
なく、水平状態を保ったまま昇降する。なお、ガイドシ
ュー５とガイドレール６とは、第３図にも示すように、
垂直方向に延びるガイドレール６の突起（突条）がガイ
ドシュー５の溝に嵌まり、このようなガイドシュー５が
上下に配置されることより、可動床１が前後方向に傾く
ことのないように案内している。

可動床１には図中左側の側柱７にけん引チェーン８が
連結され、このけん引チェーン８はスプロケット９に掛
け回された後に他端をアイボルト11を介して支柱４に連
結される。スプロケット９は駆動装置としてスクリュー
ジャッキ12から延び出すロッド13に回転自在に連結さ
れ、このスクリュージャッキ12の伸縮によりけん引チェ
ーン８の先端（可動床１）はその２倍のストロークで上
下方向に変位するようになっている。図中14はブレーキ
を備える電動モータ、15はリミットスイッチである。

可動床１には図中右側の側柱７の下端部に滑車16が回
転自在に連結され、この滑車16に掛け回される吊りワイ
ヤ17の一端がアイボルト18を介して支柱４の上部に連結
される。

可動床１は図中左側の側柱７の下端部に滑車21、22が
それぞれ回転自在に連結され、吊りワイヤ17はこの各滑
車21、22に掛け回され、その他端が固定床24にアイボル
ト25を介して連結される。

上記のような構成において、いま、図中右側の支柱７
の上方から可動床１の両端の滑車16、21、22を経由して
左側の支柱７の下方へとクランク状に吊りワイヤ17を張
設したので、吊りワイヤ17をたるみなく張っておくこと
により、可動床１は左右方向に傾くことなく、水平に維
持される。また、可動床１は左右両端部で、かつその上
下に間隔をあけて設けたガイドシュー５が鉛直なガイド
レール６に係合案内されているので、可動床１は前後方
向への傾きが阻止され、このようにして水平を保ったま
ま、つまり、左右にも前後にも傾くことなく安定して支
持されるので、けん引チェーン８が連結するスクリュー
ジャッキ12を伸縮動作させることより、可動床１は水平
状態を保ったまま、安定的に上下に移動する。

したがって、いす２の格納時は、可動床１が図中２点
鎖線で示すように下降した状態で可動床１上に台車３を
搭載し、可動床１が図中実線で示すように所定位置まで
上昇した状態で、可動床１の下方に台車３が搬入され
る。

ガイドレール６、吊りワイヤ17およびけん引チェーン
８は共に、可動床１の側方に位置して、これらの占める
スペースを削減しているので、台車３によるいす２の搬
入の邪魔になることを回避できる。また、１対の支柱４
は可動床１の上方に遮るものをもたないので、可動床１
上に格納したいす等の荷物との干渉を起こすことがな
く、したがって装置の上下方向についても空間を有効に
利用することができる。

なお、可動床１の下方に複数枚の床を吊設したり、可
動床１を使用しないときは建物壁26に沿って折り畳める
ようにしても良い。

（考案の効果） 以上のとおり本考案によれば、水平な可動床の両側端
部に鉛直に配置した一対の支柱と、これら支柱にそれぞ
れ鉛直に設けたガイドレールと、これらガイドレールに
沿って係合案内されつつ可動床を水平に維持したまま昇
降させるように可動床の両端部上下に間隔をあけてそれ
ぞれ配設した係合案内手段と、可動床の一端に連結され
るけん引チェーンと、このけん引チェーンを引き上げる
べく一方の支柱に設けた駆動装置とを備える一方、可動
床の両端部に枢支される滑車と、各滑車の間に掛け回さ
れた吊りワイヤとをそれぞれ設け、吊りワイヤの一端を
可動床下降位置での滑車よりも下方に位置して前記けん
引チェーンと同じ側の一方の支柱もしくはその近傍に設
けた支持部材に連結し、吊りワイヤの他端を可動床上昇
位置での滑車の位置よりも上方に位置して他方の支柱に
設けた支持部材に連結したため、単一のけん引チェーン
からのみのけん引力により、可動床を前後、左右に傾く
ことなく、水平状態を維持しつつ安定して上下に移動さ
せることができる一方、可動床の両側、上下の占有スペ
ースを削減し、限られた空間内に昇降装置を効率よく設
置できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２図は同図
Ａ−Ａ線に沿う側断面図、第３図は同じく平面図であ
る。 １……可動床、４……支柱、６……ガイドレール、８…
…けん引チェーン、12……スクリュージャッキ、17……
吊りワイヤ、16、21、22……滑車。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水平な可動床の両側端部に位置して固定床
   に垂直に設けた一対の支柱と、これら支柱にそれぞれ鉛
   直に設けたガイドレールと、これらガイドレールに沿っ
   て係合案内されつつ可動床を水平に維持したまま昇降さ
   せるように可動床の両端部上下に間隔をあけてそれぞれ
   配設した係合案内手段と、可動床の一端に連結されるけ
   ん引チェーンと、このけん引チェーンを引き上げるべく
   一方の支柱に設けた駆動装置とを備える一方、可動床の
   両端部に枢支される滑車と、各滑車の間に掛け回された
   吊りワイヤとをそれぞれ設け、吊りワイヤの一端を可動
   床下降位置での滑車よりも下方に位置して前記けん引チ
   ェーンと同じ側の一方の支柱もしくはその近傍に設けた
   支持部材に連結し、吊りワイヤの他端を可動床上昇位置
   での滑車の位置よりも上方に位置して他方の支柱に設け
   た支持部材に連結したことを特徴とする可動床装置。