JPH11193112A - 工場設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 天井クレーン２を備えた工場内の上下方向の
空間を有効に利用できるようにする。また必要な物品の
供給搬出が効率的に行えるほか、長い吊り搬送中での吊
り荷の落下事故が防止されるものとする。 【解決手段】 天井クレーン２の走行範囲下方の床面Ｙ
に一対の案内軌道９ａ、９ｂを設けると共にこれら軌道
に棚装置１０を走行可能に案内させ、棚装置１０は、長
さがこの装置１０の走行移動可能距離の半分以下である
方形状の水平な棚面部１１と、この棚面部１１の左右各
側縁から下方へ延出され棚面部１１を床面Ｙから少なく
とも凡そ２ｍ以上の高さに保持するものとした脚部１２
ａ、１２ｂとを備え、各脚部１２ａ、１２ｂの下縁部に
その対応する側の前記軌道９ａ、９ｂに案内される複数
の支持輪１３ａ、１３ｂを設け、これら支持輪１３ａ、
１３ｂの少なくとも一つをモータ１５で駆動するものと
なす。このさい、棚面部１１上面と床面Ｙとの間の物品
の移動は、天井クレーン２で実施される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建物内の限られた
空間に於いて物品を効率的に取り扱えるようにした工場
設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】建物の天井付近を水平移動され、床面な
どの任意位置に置かれた物品を吊り上げ、希望位置へ搬
送し、吊り降ろすように使用される天井クレーンを備え
たものとなされた工場設備は周知である。

【０００３】このような工場設備の床面には、一般に、
多数の機器が設置され或いは据え置かれると共に、材料
や製品などの置き場が確保されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、天井クレー
ンを備えた建物はその吊り代を確保するため一般に高く
構築されているものであるが、その高さ方向の空間は必
ずしも有効に利用されていないのが実情である。

【０００５】本発明は、天井クレーンを備えた建物、又
は天井クレーンのない所の高さ方向の空間を有効に利用
するものとした工場設備を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、天井クレーンの走行範囲下方の床面に
一対の案内軌道を設けると共にこの軌道に棚装置を走行
可能に案内させ、棚装置は、長さがその走行移動可能距
離の半分以下である方形状の水平な棚面部と、この棚面
部の左右各側縁から下方へ延出され且つ棚面部を床面か
ら少なくとも凡そ２ｍ以上の高さに保持するものとした
脚部とを備え、各脚部の下縁部にその対応する側の前記
軌道に案内される複数の支持輪を設け、これら支持輪の
少なくとも一つをモータで駆動する構成となす

【０００７】前記モータの作動により、棚装置は軌道の
任意位置に移動される。そして、棚上面と床面との間の
物品の移動は天井クレーンにより実施される。従って、
作業者は棚装置を物品の吊上げ位置或いは吊降ろし位置
の近傍に移動させた後、物品を天井クレーンで必要場所
へ吊り搬送することができる。

【０００８】上記発明は具体的には、次のようになす。
即ち、支持輪やこれの駆動機構を含めた各脚部の距離Ｌ
１を棚面部の巾方向寸法の凡そ１０分の１以下となし、
また棚面部上面から天井クレーンの水平走行部の最下位
置までの高さを２ｍ以上となす。これにより、床面上或
いは棚面部上面での作業が立姿で不便なく行えるものと
なる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例を説明す
る。図１は本発明に係る工場設備を示す図、図２は前記
工場設備に使用される棚装置を示す側面図、図３は前記
棚装置の正面図である。

【００１０】図１に於いて、１は工場設備の主体をなす
建物で、２はこの建物１内の天井に装設された天井クレ
ーンである。

【００１１】この天井クレーン２は建物１内の左右に並
設された一対の案内軌道３、３とこれら案内軌道３、３
に案内されて前後方向ｆへ走行駆動される架設台車４
と、この台車４上を図示しない案内軌道に案内されて左
右方向ｆ１へ移動されるサドル５と、このサドル５上に
設けられたフック昇降装置６とからなっている。

【００１２】このさい、フック昇降装置６はワイヤドラ
ム７の回転駆動によりこれに卷かれているワイヤｗが出
入りして荷吊り用のフック８が昇降されるものである。

【００１３】９ａ及び９ｂは天井クレーン２の走行範囲
の下方に並設された一対の案内軌道であり、１０はこの
案内軌道９ａ、９ｂに案内された棚装置である。

【００１４】図２及び図３に示すように、棚装置１０
は、長さＬがこの棚装置１０の走行移動可能距離の半分
以下となされた水平な棚面部１１と、この棚面部１１の
左右各側縁から下方へ延出された一対の脚部１２ａ、１
２ｂとを備えている。

【００１５】棚面部１１は、横部材と縦部材を結合して
方形枠となし、その上面全体に板部材１１ａを固定し、
さらに全体の外周囲に転落防止用の索具１１ｂを設けた
ものとなしてある。そして、棚面部１１の上面から架設
台車４の最下位置までの高さＨ１は凡そ２ｍ以上となし
てある。

【００１６】脚部１２ａ又は１２ｂは棚面部１１の最外
縦梁部材ａの前後端から下方へ支柱ｂ、ｂを延出させる
と共に、これら支柱ｂ、ｂの下端間に基台条部材ｃを架
設状に固定するほか、前記最外縦梁部材ａと基台条部材
ｃとの間を斜材ｄ、ｄで結合したものとなしてある。

【００１７】このさい、脚部１２ａ又は１２ｂの高さは
床面Ｙから棚面部１１の下面までの高さＨが凡そ２ｍ以
上となるようになす。

【００１８】基台条部材ｃの前後部には、基台条部材ｃ
に作用する荷重を支持するための二つの支持輪１３ａ、
１３ｂが回転自在に軸着してある。前側の支持輪１３ａ
の近傍には伝動歯車ケース１４が固定してあり、このケ
ース１４の内方側の側面にはモータ１５が固定してあ
る。

【００１９】このさい、モータ１５は伝動歯車ケース１
４内に設けられた歯車機構１４ａを介し支持輪１３ａと
同心且つ同体に固定された歯車ｅと連動連結させる。

【００２０】支持輪１３ａ、１３ｂやこれの駆動機構
（モータ１５、伝動歯車ケース１４、歯車機構１４ａ、
歯車ｅなど）を含めた上記脚部１２ａ又は１２ｂの距離
Ｌ１は棚面部１１の巾方向寸法Ｌ２の凡そ１０分の１以
下となす。

【００２１】上記一対の案内軌道９ａ、９ｂの間の床面
Ｙ上で棚面部１１の下方となる空間には、生産用の機器
を常設したり或いは移動可能に据え置くようにする。

【００２２】次に上記のように構成した本発明品の使用
例及びその作動を説明する。作業者は床面Ｙの機器を使
用して物品を加工するなどの作業を行うが、このさい、
材料を供給することが必要であれば、棚装置１０を材料
置き場へ移動させ、天井クレーン２により棚面部１１上
に材料を積載した後、棚装置１０を材料の使用場所まで
移動させ、天井クレーンによりその材料を吊り降ろすよ
うにする。

【００２３】また、特定機器の存在個所から加工済み品
を搬出することが必要であれば、棚装置１０をその機器
の近傍まで移動させ、天井クレーン２によりその加工済
み品を棚面部１１上に積載した後、棚装置１１をその保
管場所まで移動させ、天井クレーン２によりその加工済
み品を吊り降ろすようにする。また必要であれば、棚面
部１１上を物品の保管場所として使用することも差し支
えない。

【００２４】上記発明品に於いて、天井クレーン２の走
行範囲下方の床面Ｙに一対の案内軌道９ａ、９ｂを設け
ると共にこれら軌道９ａ、９ｂに棚装置１０を走行可能
に案内させたことは、棚装置１０が案内軌道９ａ、９ｂ
上の任意の位置にあっても、その棚面部１０上面と床面
Ｙとの間での物品の移動を、天井クレーンより行うこと
を可能となす。

【００２５】また棚装置１０の長さＬがこの装置１０の
走行移動可能距離の半分以下であることは、棚装置１０
を移動させることにより、一対の走行軌道９ａ、９ｂ間
の床面Ｙの全ての個所を棚面部１１の直下から外し得る
ものとなす。さらに、方形状の水平な棚面部１１は物品
の積載を便利となす。

【００２６】また棚面部１１の左右各側縁から下方へ延
出され且つ棚面部１１を床面Ｙから少なくとも凡そ２ｍ
以上の高さに保持するものとした脚部１２ａ、１２ｂ
は、棚面部１１の下方の床面Ｙ上での作業を立姿で無理
なく行えるものとなす。

【００２７】各脚部１２ａ又は１２ｂの下縁部にその対
応する側の前記案内軌道９ａ又は９ｂに案内される複数
の支持輪１３ａ、１３ｂを設けたことは、棚装置１０を
安定的に支持する上で寄与する。

【００２８】また支持輪１３ａ、１３ｂやこれの駆動機
構１５、１４、１４ａ、ｅなどを含めた各脚部１２ａ又
は１２ｂの距離Ｌ１を棚面部１１の巾方向寸法Ｌ２の凡
そ１０分の１以下となしたことは、棚装置１０の移動の
さいに脚部１２ａ、１２ｂが移動するのに要する空間を
小さくなす。

【００２９】さらに、棚面部１１上面から天井クレーン
２の水平走行部４の最下位置までの高さＨ１が２ｍ以上
であることは棚面部１１上での立姿による作業を可能と
なし、また天井クレーン２で頭を打つなどの心配がなく
して安全に作業できるものとなす。

【００３０】

【発明の効果】以上の如く構成した本発明によれば、棚
面部上が物品置き場として便利に使用できるため天井ク
レーンを備えた建物内の上下方向の空間を有効に利用で
き、しかも棚面部下方の床面上で立姿のまま支障なく作
業が行えるのであり、また棚装置が一対の案内軌道間の
任意位置の近傍に移動できるため、必要な物品の供給や
搬出が効率的に行えるほか、物品の必要場所の近傍での
み天井クレーンによる吊り搬送を行うように使用できる
ので、長い吊り搬送中での吊り荷の落下事故を確実に防
止し得るものである。

【００３１】請求項２に記載のものによれば、棚面部上
での作業が立姿のまま不自由なく安全に行えるものとな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る工場設備を示す図である。

【図２】前記工場設備に使用される棚装置を示す側面図
である。

【図３】前記棚装置の正面図である。

【符号の説明】

２ 天井クレーン ４ 架設台（水平走行部） ９ａ、９ｂ 一対の案内軌道 １０ 棚装置 １１ 棚面部 １２ａ、１２ｂ 脚部 １３ａ、１３ｂ 支持輪 １５ モータ Ｈ 床面から棚面部もでの高さ Ｈ１ 棚面部上面から架設台車の最下位置までの高さ Ｌ 棚面部の長さ Ｌ１ 脚部の距離 Ｌ２ 棚面部の巾方向寸法 Ｙ 床面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井クレーンの走行範囲下方の床面に一
   対の案内軌道を設けると共にこの軌道に棚装置を走行可
   能に案内させ、棚装置は、長さがその走行移動可能距離
   の半分以下である方形状の水平な棚面部と、この棚面部
   の左右各側縁から下方へ延出され且つ棚面部を床面から
   少なくとも凡そ２ｍ以上の高さに保持するものとした脚
   部とを備え、各脚部の下縁部にその対応する側の前記軌
   道に案内される複数の支持輪を設け、これら支持輪の少
   なくとも一つをモータで駆動するものとなし、棚面部上
   面と床面との間の物品の移動は天井クレーンで実施され
   ることを特徴とする工場設備。
2. 【請求項２】 棚面部上面から天井クレーンの水平走行
   部の最下位置までの高さが２ｍ以上であることを特徴と
   する請求項２又は３記載の工場設備。