JPH0952604A - 倉庫内の収容物自動出入れシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、倉庫内の収容物自動出入れシス
テムに関する。 【構成】 この発明は、走行レール(B) の所要個所下方
に入出庫ステーション(D) を配設し、該ステーション
(D) の近傍において、棚が走行レール(B) の走行方向に
向いた上下多段のラック(A) を走行レール(B) 下方に多
数並設すると共に、走行レール(B) に走行桁(10)を走行
自在に架設し、走行桁(10)には、フォーク(13)を有した
下桁(12)を昇降自在に吊下してなる倉庫内の収容物自動
出入れシステムを提供せんとするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、倉庫内の収容物自動
出入れシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、長尺物やパレット荷物等、例えば
Ｈ金鋼とか樋状物等やパイプ類、パレット荷物を倉庫に
収納したり、或は倉庫から取出したりする場合には、倉
庫中に収納ラックを構築し、収納ラックの間にリフト走
行路を介設して、リフトで収納ラック間の走行路を走行
しながら、所要の長尺物及びパレット荷物を出入れする
方法が採られており、また、他の方法としては、倉庫内
の天井に吊下した走行クレーンにより床面上に載置した
長尺物を把持して出入れ作業を行うもの等がある。更
に、自動倉庫の如く、走行レールとマストとフォークの
構成により収納ラックから所要のパレット荷物を出入れ
する方法がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
は次のような欠点を有している。

【０００４】すなわち、リフトを走行させながら出入れ
作業を行う場合には、リフトの走行路を設定しなければ
ならず、しかも倉庫内を自在に走行して所定の個所に迅
速に到達するようにするためには、多くの空間を要し、
更にはリフトの走行路の配置上、ラックの位置が限定さ
れ、無駄な空間が多し、有人作業の場合は、高層化は危
険を伴う。

【０００５】また、天井クレーンによる出入れは人手に
よる玉掛け作業が発生するため、高層ラックに多段状に
長尺物を整理しておくことができず、収容物の保管スペ
ースが不経済となる欠点を有し、無人化やパレット荷物
の出入れは困難であった。

【０００６】特に、長尺物の場合は、天井クレーンを用
いてラック等に保管する場合にも、リフト等で取出し保
管する場合や自動倉庫の場合にも、長尺物の取出し、移
動にともなう余分な空間を確保しなればならず、倉庫内
空間を有効に使用したいという目的に合致しないもので
あった。

【０００７】この発明では、倉庫内空間を有効に使用で
きる倉庫内収容物自動出入れシステムにより上記欠点を
解消するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明は、走行レール
の所要個所下方に入出庫ステーションを配設し、該ステ
ーションの近傍において、棚が走行レールの走行方向に
向いた上下多段のラックを走行レール下方に多数並設す
ると共に、走行レールに走行桁を走行自在に架設し、走
行桁には、フォークを有した下桁を昇降自在に吊下して
なる倉庫内の収容物自動出入れシステムを提供せんとす
るものである。

【０００９】また、走行桁と、下桁との間にはパンタグ
ラフを介設したことを特徴とする倉庫内の収容物自動出
入れシステムを提供せんとするものである。

【００１０】

【作用】この発明では、長尺物やパレット荷物等を、倉
庫内ラックから取出す場合には、走行レールに沿って走
行桁を走行させて所望のラックと隣接のラックとの間の
空間にまで移動させ、次いで巻上げワイヤーをゆるめて
下桁を降下させていきフォークが所望の棚より下方手前
までくるようにし、次いで走行桁を所望の棚方向へやや
移動させてフォークを棚の下方にくるようにし、その状
態で巻上げワイヤー等を巻上げて下桁を上昇せしめれ
ば、長尺物はフォーク上に載置されてラック上方に持上
げられる。長尺物の荷重はパンタグラフによりバランス
がとられて姿勢が安定する。

【００１１】この状態で走行桁をラック上方の走行レー
ルに沿って所望の入出庫ステーション位置まで走行せし
め、該ステーションでは、上記した動作と反対に、下桁
を降下し、該ステーションの棚に長尺物を載置し、フォ
ークが棚から離反すべく走行桁を移動させればよい。

【００１２】長尺物やパレット荷物等をラックに搬入す
る場合は上記動作と反対の動作を行えばよい。

【００１３】

【実施例】この発明の実施例を図面にもとづき詳説する
と、全体的システムは、図３に示すように、倉庫中に、
多数、一定の間隔Ｓを介して並設された多段式のラック
Ａと、該ラックＡの上方に架設された走行レールＢと、
走行レールＢに走行自在に吊下された昇降可能なリフト
Ｃとよりなり、多段式のラックＡ上に載置された長尺物
やパレット荷物Ｍは走行レールＢに沿って走行し、所望
の長尺物やパレット荷物ＭがあるラックＡの前方に至
り、そこで昇降しながら所望の高さ位置にあるラックＡ
の棚に至り、そこで長尺物やパレット荷物Ｍを取ってラ
ックＡの上方まで上昇し、走行レールＢに沿って倉庫内
の入出庫ステーションＤ位置まで来て降下し、該ステー
ションＤに長尺物やパレット荷物Ｍを載置する。

【００１４】ラックＡは、図４に示すように支柱１の前
後方に前棚２と後棚３とを突設し、各棚２，３に左右方
向に沿って長尺物やパレット荷物Ｍを架設すべく構成し
ており、かかるラックＡは、走行レールＢの下方に該レ
ールに沿って多数配設されており、しかも、前後棚２，
３は走行レールＢの方向に沿って突設されている。

【００１５】また、ラック群の外方には入出庫テーショ
ンＤが配置されており、該ステーションＤは、リフトＣ
から長尺物やパレット荷物Ｍを取り降しするための仮置
場であり、入出庫ステーションＤには、地上走行用のリ
フト車Ｅや天井クレーンやコンベヤー等の搬送装置が所
定場所から長尺物やパレット荷物Ｍを搬送し、或は該テ
ーションＤから運び出す。

【００１６】走行レールＢは、一定間隔を保持した二本
のレール８，９よりなり、通常の天井クレーンに使用す
る走行レールを利用することができる。

【００１７】かかる走行レールＢには、リフトＣが走行
自在に架設されており、次の通り構成されている。

【００１８】リフトＣは、図１に示すようにレール８，
９上に架設された走行桁10と、走行桁10の下方にパンタ
グラフ11を介して昇降自在に垂設した下桁12と、下桁12
に前後切換自在に突出したフォーク13と、下桁12の昇降
作動を行うために、走行桁10上に載設した巻上げ機14か
らの巻上げワイヤ15とよりなる。16は、巻上げ機14を作
動させるためのモータ、17は、走行レールＢ上を走行す
べく走行桁10の両端に配設した車輪、18は、フォーク13
を前後に回動させて前後方向切換自在とするためのフォ
ーク回転モータである。なお、フォーク13は、回転式以
外にラックとピニオンの機構により進退自在とすること
もできる。

【００１９】以上のように構成されたリフトＣは、巻上
げ機14を作動させることにより巻上げワイヤ15を介して
下桁12を昇降させ、ラックＡの所望の棚位置の高さまで
移動させるものであり、この際、パンタグラフ11によ
り、長尺物の偏寄荷重に対して下桁12のバランスを水平
に保持し適確な昇降作動が行えるようにしており、更に
は、フォーク13によって、走行桁10が走行レールＢに沿
って前進或は後退する作動にともないラックＡの前棚
２、又は後棚３上の長尺物やパレット荷物Ｍをすくい取
る。

【００２０】また、図２に示すものは、リフトＣの他の
実施例を示すものであり、走行レールＢには、二本の走
行桁20,21 を走行自在に架設し、二本の走行桁20,21 間
には、横行フレーム22を横走行自在に架設し、横行フレ
ーム22には、巻上機14、巻上げワイヤ15、下桁12、パン
タグラフ11等を付設している。

【００２１】下桁12には、フォーク23が前後方向に進退
自在に設けられており、進退作動は、ラック及びピニオ
ン機構やチェーン機構を介して行われるが、回転式とす
ることも可能である。24は走行用モータ、25は横行フレ
ーム22の車輪、26は横行用モータを示す。

【００２２】かかる横行フレーム22の構成を有するリフ
トＣは、図７、図８に示すようにラックＡを横並びに複
数個並設した構成に使用することができし、開口方向に
複数の長尺物やパレット荷物等が保管されている場合に
使用する。

【００２３】上記のように構成されたシステムにおいて
は、走行レールＢ上での走行桁の走行、所定のラックＡ
位置での停止、下桁の高さ調節のための巻上げ機14の作
動停止、フォーク13,23 の出入れ作動のための走行桁10
の進退作動等は、リモートコントローラにより制御され
るものであり、制御は、スタッカークレーンと同様の番
地制御が行われる。

【００２４】すなわち、どの列のラックＡにおける前棚
２か後棚３か、及び棚の何段目か、棚の何間口目かをシ
ーケンサーで制御する。

【００２５】また、制御のための検出は、走行桁10や横
行桁20の走行モータや横行モータの回転をエンコーダの
パルスカウンタで検出し或はドッグ検出して走行桁10や
横行桁20がラックＡのどの列と、どの間口にいるかを検
出する。

【００２６】更には、下桁12の上昇、降下は、パンタグ
ラフ11の開度検出やレーザ測長機器の検出や巻上げワイ
ヤー15のワイヤー長の検出や、ワイヤー巻回ローラの回
転数の検出で行う。

【００２７】この発明の実施例は上記のように構成され
ているものであり、図５に従ってその作用について説明
すると、長尺物やパレット荷物ＭをラックＡの所定棚か
ら取出す場合には、予め、どの列の何段目の何間口にあ
る長尺物やパレット荷物を取出すかをシーケンスにイン
プットする。更には、パソコンにより在庫管理を行うこ
ともできる。

【００２８】シーケンスからの信号にもとづき、各種ア
クチュエータが作動するものであり、まず、走行桁10は
走行レールＢ上を走行してラック群のうち所望のラック
Ａ′とラックＡ″の間の真上に至る。ここでは、ラック
Ａの前棚２か後棚３かを選択して、フォーク13を回動又
は進退させて下桁の前方か後方かに突出させる。

【００２９】同時に、巻上げ機14を作動させて巻上げワ
イヤ15を弛緩させて下桁12を一定の高さに調節し、所望
の棚と対向した位置に配する。

【００３０】そして、棚に対向したフォーク13を前進さ
せるために、走行桁10を棚方向に走行させフォーク13を
長尺物やパレット荷物Ｍの下方に差入れて下桁12をやや
上昇して持上げ、その後棚から離反すべく走行桁10をや
や走行させる。

【００３１】次いで巻上げ機14で巻上げてラックＡの上
方空間にまで上昇せしめ、走行レールＢに沿って入出庫
ステーションＤ位置まで至る。

【００３２】ここで、再度巻上機14を弛緩させて、フォ
ーク13を入出庫ステーションＤ上にまで降下させ、フォ
ーク13を引抜いて該ステーションＤ上に長尺物やパレッ
ト荷物Ｍを載置する。

【００３３】この長尺物やパレット荷物は、リフト車Ｅ
で再度所定個所へ搬送される。

【００３４】なお、長尺物やパレット荷物ＭをラックＡ
に収納する作業を行う場合は、上記の取出しと逆の順序
で作業を行う。

【００３５】また、上記実施例の他の変形として、図
７、図８に示すようにラックＡの配列構造を二個づつ又
は三個づつ横並びにしたものや複数間口のものがあり、
これらのラックＡの配列構造に合わせて、走行レールＢ
も幅員を変えていき、しかも、図２に示すように、巻上
げ機14を有した横行自在の横行フレーム22を利用する。

【００３６】また、下桁12は、図５に示すように、箱状
に形成し、箱体27の前面は開放状とし箱体27よりフォー
ク13が進退自在となるように構成し、長尺物やパレット
荷物Ｍをフォーク13の退去動作にともない箱体27中に収
納するようにしている。

【００３７】

【発明の効果】この発明によれば、ラックの棚が走行レ
ールの走行方向に向いた上下多段の棚としており、走行
レールには、走行桁が走行自在で、かつ昇降自在にフォ
ークを吊下しているので、棚上に載置した長尺物やパレ
ット荷物をとる場合には、ラック位置にきた走行桁のフ
ォークを上下位置調節して長尺物やパレット荷物の棚の
手前にもってきて、走行桁を移動させて長尺物やパレッ
ト荷物の下方にフォークをもってくる。そして、そのま
まラック上方にまでフォークを上昇させると共に、走行
桁を走行レールに沿って走行させて所要の入出庫ステー
ションにまで搬送できるので、かかる動作を電気的制御
によって行うと、自動的に長尺物やパレット荷物を倉庫
へ入出庫できることになり、特に、長尺物やパレット荷
物の収納スペースが、一定の長さ、広さを有するにもか
かわらず、最大限有効にスペースをとることができ、か
つ、フォークを有したリフトの動作も走行レールに沿っ
た動作と、上下の昇降動作との組合わせによって自在に
長尺物やパレット荷物を出入れ可能としているので、リ
フトの動き及びラックの配置に余分なスペースをとる必
要もなく、可及的に空間の有効利用ができる効果を有す
る。

【００３８】更には、フォークを有した下桁と走行桁と
の間にパンタグラフを介設したので、長尺物やパレット
荷物を載置したフォークの昇降時に長尺物やパレット荷
物の偏寄荷重によるバランスの崩れを強制保持すること
ができ、安定した姿勢で、長尺物やパレット荷物の昇降
作動及び搬送が行える効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明システムに使用するリフトを示
す斜視図。

【図２】他の実施例を示す斜視図。

【図３】本発明システムの概念図。

【図４】その一部野平面図。

【図５】フォークにより長尺物やパレット荷物を取る場
合の動作説明図。

【図６】箱状の下桁の説明図。

【図７】ラックの並列変形を示す平面説明図。

【図８】ラックの並列変形を示す平面説明図。

【符号の説明】

Ｓ 間隔 Ａ ラック Ｂ 走行レール Ｃ リフト Ｄ 入出庫ステーション Ｍ 長尺物やパレット荷物 Ｅ リフト車 １ 支柱 ２ 棚 ３ 前棚 ４ 後棚 ８ レール ９ レール 10 走行桁 11 パンタグラフ 12 下桁 13 フォーク 14 巻上げ機 15 巻上げワイヤ 16 モータ 17 車輪 18 フォーク回転モータ 20 走行桁 21 走行桁 22 横行フレーム 23 フォーク 24 走行用モータ 25 車輪 26 横行用モータ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行レール(B) の所要個所下方に入出庫
   ステーション(D) を配設し、該ステーション(D) の近傍
   において、棚が走行レール(B) の走行方向に向いた上下
   多段のラック(A) を走行レール(B) 下方に多数並設する
   と共に、走行レール(B) に走行桁(10)を走行自在に架設
   し、走行桁(10)には、フォーク(13)を有した下桁(12)を
   昇降自在に吊下してなる倉庫内の収容物自動出入れシス
   テム。
2. 【請求項２】 走行桁(10)と、下桁(12)との間にはパン
   タグラフ(11)を介設したことを特徴とする請求項１記載
   の倉庫内の収容物自動出入れシステム。