JPS6032006Y2 - 立体倉庫における搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パレット上に乗せた荷物を順送り機構または
重力を利用して荷物保管棚の一端から他端へ向けて順送
りにして保管するようにした立体倉庫において、荷物の
搬入、搬出に使用する搬送装置に関するものである。

荷物保管棚を多数並列させた荷物保管スペースを複数層
設けた立体倉庫において荷物を搬入、搬出する際には、
従来フォークリフトによって作業を行なっていた。

このため荷物保管棚の両側にはフォークリフトが走行し
たり方向を転換するためのスペースヲ設ける必要があっ
た。

このスペースは荷物の保管スペースとして利用すること
ができないデッドスペースとなるので、倉庫の有効利用
面積が少なくなる欠点があった。

また作業者はフォークリフトを運転してフォークリフト
と共に倉庫内に入って作業しなければならないため、フ
ォークリフトの排気や庫内の危険にさらされる欠点があ
った。

本考案はこのような欠点を除去して倉庫内の有効利用を
はかり、また作業者が倉庫内に入らす庫外から操作でき
るようにしたもので、荷物保管棚を複数列並列させた荷
物保管スペースを複数層設けた立体倉庫において、前記
荷物保管棚の両端に各層毎に設けられ荷物保管棚と直角
方向に延びるように対向敷設した断面コ字形のガイドレ
ール、該ガイドレール間をガイドレールに沿って走行し
且つ前記荷物保管棚に向けて伸縮するフォークと該フォ
ークをガイドレール上面レベルより上下させる機構とを
備えた台車、前記ガイドレールの端部に設けられ前記複
数層にわたって台車を昇降させる昇降装置を有すること
を特徴とする立体倉庫における搬送装置を要旨とするも
のである。

次に本考案の一実施例を図について説明すると、第１図
ないし第３図において、立体倉庫１内には荷物保管スペ
ース２が複数層（図示の実施例では２層）設けられてい
る。

各荷物保管スペース２には、第１図、第２図の左右方向
に長い荷物保管棚３が多数並べられている。

各荷物保管棚３は、たとえば多数のローラを多数並べて
第１図、第２図の左端が右端よりもやや低くなるように
勾配をつけて荷物保管棚３上にのせられている荷物の自
重によって順次荷物保管棚３の左端の方に荷を順送りに
つめるようにするか、あるいは各荷物保管棚３ごとに機
械式順送り機構を設けて荷物保管棚３上の荷物を順次左
端の方に移動させてつめるようにする。

荷物保管棚３の両端には、各層の荷物保管スペース２ご
とに、荷物保管棚３に対して直角方向に延びるガイドレ
ール４が敷設されている。

ガイドレール４は、第４図に示すように断面コ字形をし
ており、架台５上に向き合って固定されている。

そして台車６が走行装置７により車輪８を駆動してガイ
ドレール４，４間をガイドレール４，４に沿って走行す
るようになっている。

台車６には上板９があって、この上板９は第５図に示す
リンク１０、油圧シリンダ１１等の機構によって上下に
移動できるようになっている。

上板９上にはスライドフォーク１２があって、ガイドレ
ール４に対して直角方向、すなわち荷物保管棚３に向け
て伸縮できるようになっている。

而して、フォーク１２は上板９の上下移動によって、ガ
イドレール４の上面レベルより上下するようになってい
る。

ガイドレール４の端部には、第１図に示すように昇降装
置１３が設置されている。

昇降装置１３は第６図に示すように油圧駆動装置１４に
よって伸縮する油圧シリンダ１５によって作動されるケ
ージ吊下用ワイヤーロープ１６があって、このケージ吊
下用ワイヤロープ１６の一端はワイヤロープエンド金具
１７により昇降装置１３の枠体に固定されており、他端
は台車用ケージ１８に結合されている。

台車用ケージ１８にはガイド１９が前述したガイドレー
ル４と同じ幅に取り付けてあって、台車６はガイドレー
ル４とガイド１９との相互にわたって走行できるように
なっている。

油圧駆動装置１４によって油圧シリンダ１５を伸縮する
と、台車用ケージ１８は台車６をのせた状態で昇降する
。

もちろん油圧シリンダ１５と油圧駆動装置１４のかわり
にロープ式巻上下装置であってもよい。

上述した立体倉庫１内に荷を保管する場合について説明
する。

第１図において立体倉庫１の右上方隅が荷物搬入口２０
であるとすると、この荷物搬入口２０に接している昇降
装置１３の台車用ケージ１８（第６図参照）を最下層ま
で下降させた状態で台車用ケージ１８内に台車６を静置
させておき、この台車６上に荷物搬入口２０から荷物を
搬入して載置する。

この荷物を最下層の荷物保管スペース２内のいずれかの
荷物保管棚３に保管する場合には、昇降装置１３はその
ままの状態にしておき、台車６の油圧シリンダ１１（第
４図、第５図参照）を作動して上板９を上昇させ、荷物
の下面ガイドレール４の上面レベルよりも充分高くなる
ようにする。

この状態で台車６は荷物をのせたまま昇降装置１３内か
ら最下層のガイドレール４の方に出て走行していく。

荷物を上層の荷物保管スペース２内のいずれかの荷物保
管棚３に保管する場合には、昇降装置１３の台車用ケー
ジ１８（第６図参照）をその上層まで上昇し、台車用ケ
ージ１８内の台車６は上板９を上げ、その上層のガイド
レール４に乗り移って走行する。

このようにして荷をのせた台車６がガイドレール４に沿
って走行し、荷物を保管すべき荷物保管棚３の位置まで
来ると台車６を停止させる。

そしてスライドフォーク１２を荷物保管棚３の方に伸長
し、上板９と共にスライドフォーク１２を若干下げると
、荷物は荷物保管棚３上に支持され、荷物の自重または
荷物保管棚３に組み込んである順送り機構によって荷物
保管棚３上を第１図の左方に自動的に順送りされる。

荷をのせた台車６がガイドレール４の任意の位置で停止
して第７図に示すように上板９を介してフォーク１２を
ガイドレール４の上面レベルより下げると、ガイドレー
ル４上にも一時的に荷物を保管しておくことができる。

従って、台車６は荷物の下をくぐって走行し、必要な棚
列の荷物を選択して優先的に入庫させることもできる。

荷物保管棚３上に保管されている荷物を立体倉庫１の外
に搬出するときには、搬出すべき荷物のある荷物保管棚
３の第１図における左側のガイドレール４上の台車６を
その荷物保管棚３の位置まで走行させ、スライドフォー
ク１２（第４図、第５図参照）を荷物保管棚３の方に伸
長して上板９を上げると、荷物保管棚３の左端に保管さ
れていた荷物はスライドフォーク１２によって支持され
る。

次にスライドフォーク１２を引込めると、荷物は台車６
上に載置される。

このときの階層が最下層であるときには、台車６をその
まま立体倉庫１の荷物搬出口２１の処まで走行させ、荷
物搬出口２１から荷物を外部へ搬出する。

搬出すべき荷物が上層の荷物保管棚３に保管されている
ときには、その上層において第１図の左側のガイドレー
ル４上の台車６上に一旦荷物を積載し、この台車６を昇
降装置１３内に走行させた後最下層まで下降し、最下層
のガイドレール４に沿って荷物搬出口２１の処まで走行
して荷物を搬出する。

上述の立体倉庫１において、昇降装置１３は左右２台ず
つ、立体倉庫１の各隅部にあればよいが、入出庫サイク
ルの短縮をはかる必要があったり、荷物搬出口２１が増
える場合には、各層或いは同一層にて台車６の数を増せ
ばよく、更にガイドレール４を複数に区分し、その位置
に昇降装置１３を増設することができる。

また第６図における台車６は昇降装置１３の中に入り込
んで行って上板９を上げ下げしてガイド１９との間で荷
物の受は渡しを行ない、荷物の置場所と昇降装置１３と
の間を往復するのみで、他の階層には行かないようにす
ることもできる。

台車６は荷物保管棚３の中に入って行くことはないため
荷物保管棚３の間隔を狭くすることができる。

また入出庫サイクルの短縮をはかる必要があったり、荷
物搬出口２１がふえる場合には、１つのガイドレール４
上を走行する台車６の数をふやし、それぞれの台車６の
必要な領域だけ行動させることも可能である。

本考案は荷物保管棚の両端に、台車の走行するガイドレ
ールと昇降装置とを設置する面積だけあればよく、従来
のようにフォークリフトが動き回るための広い面積が不
要となるので、荷物の有効保管面積を増加させることが
でき、またフォークをガイドレール上面レベルよりも下
げることができるので、ガイドレール上にも一時的に荷
物を保管することが可能であり、従って、台車は荷物の
下をくぐって走行し、必要な棚列の荷物を選択して優先
的に入庫させることもでき、荷物の保管効率を増大でき
る効果がある。

さらにフォークリフトは立体倉庫の荷物搬入口、荷物搬
出口の処で荷物の受は渡しをするだけで立体倉庫の中に
入って行くことがないため、フォークリフトの排気によ
る庫内環境の悪化を防ぎ、台車や昇降装置を自動化、遠
隔操作化して作業員の危険を防ぐこともでき、又入出庫
サイクルの短縮を図って作業効率を高める場合や、荷物
搬入出口を増す場合には、各層或いは同一層にて台車の
数を増せば容易に目的を遠戚できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の平面図、第２図は第１図の
■−■線より見た正面図、第３図は第１図の■−■線よ
り見た側面図、第４図は台車とガイドレールとの関係を
示す正面図、第５図は台車の斜視図、第６図は昇降装置
の斜視図、第７図はガイドレール上に荷物を積載した状
態を示す正面図である。 １・・・・・・立体倉庫、２・・・・・・荷物保管スペ
ース、３・・・・・・荷物保管棚、４・・・・・・ガイ
ドレール、５・・・・・・架台、１０・・・・・・リン
ク、１１・・・・・・油圧シリンダ、１２・・・・・・
スライドフォーク、１３・・・・・・昇降装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 荷物保管棚を複数列並列させた荷物保管スペースを複数
   層設けた立体倉庫において、前記荷物保管棚の両端に各
   層毎に設けられた荷物保管棚と直角方向に延びるよう対
   向敷設した断面コ字形のガイドレール、該ガイドレール
   間をガイドレールに沿って走行し且つ前記荷物保管棚に
   向けて伸縮するフォークと該フォークをガイドレール上
   面レベルより上下させる機構とを備えた台車、前記ガイ
   ドレールの端部に設けられ前記複数層にわたって台車を
   昇降させる昇降装置を有することを特徴とする立体倉庫
   における搬送装置。