JPH05856U - エレベータ式立体駐車装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】エレベータ式立体駐車装置の昇降台１と駐車棚
との間でのパレット２の移動を、振動や騒音を抑えなが
ら、円滑に行なうことができるようにする。 【構成】パレット２を支持するパレット支持部材１１を
昇降台１に、平行リンク機構１２，１４により、昇降台
１と上記駐車棚との間で揺動できるように支持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はエレベータ式立体駐車装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

エレベータ式立体駐車装置は、車両をパレットに載せて昇降する昇降台と、こ の昇降台の昇降路上に設けられ上記昇降台上のパレットに車両を駐車のために乗 入れる乗入れ部と、上記昇降路に沿って多段に配設され車両をパレットと共に収 容するための駐車棚とを備えたものとして、一般に知られている（特開平２−８ ５４７２号公報参照）。そして、かかる駐車装置においては、上記昇降台にこの 昇降台と上記駐車棚との間でパレットを移動せしめるパレット移動手段が設けら れているのが通常である。このパレット移動手段としては、例えば、上記パレッ トの下面に車輪を設ける一方、上記駐車棚をレール部材によって構成し、チェー ン送り機構によりチェーンにパレットを係合せしめて昇降台上と駐車棚上との間 で移動せしめるものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記パレット移動手段の場合、パレットの車輪が昇降台上及び駐車棚 上を転動するために、パレットの移動時に発生する振動及び騒音が大きい。しか も、上記昇降台と駐車棚との間には隙間があるから、この両者間にレールを別途 渡す必要があり、この渡しレールを介して昇降台と駐車棚との間で各レールを乗 り継ぐ際にも大きな振動や騒音を発生するという問題がある。さらに、昇降台と 駐車棚との高低差を生ずると上記振動や騒音が大きくなり、高低差が大きくなる とパレットの移動を行なうことができなくなる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、このような課題に対して、上記昇降台と駐車棚との間でのパレット の移動に上述のようなレールを用いずに、平行リンク機構を用いて振動、騒音の の低減を図るものである。

【０００５】 すなわち、その具体的な手段は、車両をパレットに載せて昇降する昇降台と、 この昇降台の昇降路上に設けられ上記昇降台上のパレットに車両を駐車のために 乗入れる乗入れ部と、上記昇降路に沿って多段に配設され車両をパレットと共に 収容するための駐車棚とを備え、上記昇降台にこの昇降台と上記駐車棚との間で パレットを移動せしめるパレット移動手段が設けられているエレベータ式立体駐 車装置であって、 上記パレット移動手段は、上記パレットを支持するパレット支持部材と、この パレット支持部材を上記昇降台に対しこの昇降台上と上記駐車棚上との間で揺動 自在に支持する平行リンク機構と、この平行リンク機構を作動せしめる駆動手段 とよりなることを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

上記駐車装置においては、平行リンク機構の作動によってパレット支持部材を 昇降台と駐車棚との間で揺動させパレットの移動を行なうようにしたから、この パレットの移動に車輪やレールは必要でなく、よって振動や騒音が少なくなる。 また、平行リンク機構の作動によってパレット支持部材を駐車棚の位置で上下動 させることができるから、昇降台の停止位置が予定より上下しても、駐車棚での パレットの上げ下ろしを行なうことができ、さらに、この上げ下ろしにあたって は、昇降台の昇降も利用することができる。

【０００７】

【考案の効果】

従って、本考案によれば、パレットを支持するパレット支持部材と、このパレ ット支持部材を上記昇降台に対しこの昇降台上と上記駐車棚上との間で揺動自在 に支持する平行リンク機構と、この平行リンク機構を作動せしめる駆動手段とよ りパレット移動手段を構成したから、大きな振動や騒音の発生を招くことなく、 パレットを移動せしめることができ、しかもパレットの移動にあたって、昇降台 の停止位置の位置決め精度を高める必要はなく、さらに構造が複雑になることも なくて製作コストの点でも有利になる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【０００９】 図１にはエレベータ式立体駐車装置の全体構成が示されている。同図において 、１は車両をパレット２に載せて昇降する昇降台である。この昇降台１の昇降路 の最下部位に、この昇降台１の上のパレット２に車両を駐車のために乗入れる乗 入れ部３が設けられ、また、上記昇降路の左右両側に車両をパレット２と共に収 容する多数の駐車棚４が上記昇降路に沿って多段に配設されている。そして、上 記昇降台１にこの昇降台１と上記駐車棚４との間でパレット２を移動せしめるパ レット移動手段５が設けられている。また、上記昇降台１はワイヤー６によって 吊り下げられており、このワイヤー６は駐車塔７の天井部位に設けられたそらせ 滑車８，８及び駆動滑車９に懸回され、他端がバランスウェイト１０に結合され ている。

【００１０】 パレット移動手段５は、図２に示すように昇降台１の上に２台設けられている 。すなわち、一方のパレット移動手段５は昇降台１と昇降路の左側駐車棚４との 間でパレット２を移動せしめるためのものであり、他方のパレット移動手段５は 昇降台１と昇降路の右側駐車棚４との間でパレット２を移動せしめるためのもの である。そして、各パレット移動手段は、パレット２を支持するフォーク（パレ ット支持部材）１１と、第１及び第２の上リンク１２，１３と下リンク１４とか らなる平行リンク機構と、リンク駆動手段１５とを備えている。以下、具体的に 説明する。

【００１１】 フォーク１１は、短いフォーク部１１ａと長いフォーク部１１ｂとの基端同士 を昇降台１の長手方向の連結部１１ｃにより連結してなる平面形状がコの字状の ものである。

【００１２】 第１上リンク１２は、上記フォーク１１の短いフォーク部１１ａの部位に配設 されていて、図３に示すように、「く」の字状をなし、その一端が昇降台１に立 設された支柱１７の上端に水平軸１８により揺動自在に支持され、他端は上記短 いフォーク部１１ａの基端に水平軸１９により枢着され、中間部にリンク駆動手 段１５の作動ロッド２０の上端が枢着されている。なお、上記水平軸１８，１９ はパレット移動方向に直交するように設けられている。また、以下に述べる他の 水平軸もパレット移動方向と直交しているものである。

【００１３】 第２上リンク１３は、上記フォーク１１の長いフォーク部１１ｂの外側部位に 配設されていて、その一端が昇降台１に立設された支柱２１の上端に水平軸２２ により揺動自在に支持され、他端が上記長いフォーク部１１ｂの基端に水平軸２ ３により枢着されている。この場合、第２上リンク１３は上記第１上リンク１２ のように「く」の字形状である必要はなく、ストレートなものでよい。

【００１４】 下リンク１４は、上記フォーク１１の長いフォーク部１１ｂの部位に配設され ていて、図３に示すように、その一端が上記第２上リンク１３の支柱２１の下端 部位で水平軸２４により揺動自在に支持され、他端は上記長いフォーク部１１ｂ の基端より下方へ突設されたブラケット２６の下端に水平軸２７で枢着されてい る。

【００１５】 リンク駆動手段１５は、上記昇降台１の上のブラケット２８に水平軸２９によ って揺動自在に支持されたガイド筒３１を備え、このガイド筒３１内に回転自在 に支持されたナット部材（図示省略）に上記作動ロッド２０の中間ねじ部が螺合 挿入されている。そして、上記作動ロッド２０を進退せしめるために、上記ガイ ド筒３１にパワーシリンダ３２が取り付けられている。

【００１６】 なお、図３及び図４では２つのパレット移動手段５，５のうちの一方のみを示 しているが、他方のものも上記一方のものと平行リンク機構の揺動方向が異なる だけで、基本的な構成は同じである。

【００１７】 また、各駐車棚４は、上記フォーク１１の駐車棚位置での上下動を許容するフ ォーク通過スペースを備えている。

【００１８】 従って、上記駐車装置において、昇降台１の上から駐車棚４にパレットを移動 せしめるには、昇降台１を当該駐車棚４に対応する位置に昇降停止せしめる。そ して、図４に示すように、パワーシリンダ３２の作動により作動ロッド２０を上 昇させガイド筒３１より突出せしめると、平行リンク機構は、第１上リンク１２ に作動ロッド２０の突出力を受け、上記ガイド筒３１の回動を招きながら図示の 例の場合は左へ揺動することになる。これにより、フォーク１１に支持されたパ レット２は、水平状態のまま昇降台１の上から左側の駐車棚４へ移動する。

【００１９】 この場合、平行リンク機構を揺動していくと、フォーク１１は駐車棚４のフォ ーク通過スペースを通ってその下方へ移動するため、パレット２はフォーク１１ から駐車棚４に乗り移ることになる。もちろん、上記平行リンク機構の揺動によ りパレット２を駐車棚４の上方位置に移動せしめた後、昇降台１を下降せしめて パレット２をフォーク１１から駐車棚４に移すようにしてもよい。

【００２０】 駐車棚４から昇降台１へのパレットの移動にあたっては、昇降台１を先の昇降 台１から駐車棚４への移動の場合よりも低い位置に停止せしめる。そして、平行 リンク機構の揺動によりフォーク１１を駐車棚４の下方へ移動せしめ、そのまま 昇降台１を上昇せしめることにより当該駐車棚４からフォーク１１にパレットを 取り上げ、しかる後に平行リンク機構の揺動によりパレット２を昇降台１の上へ 移動せしめる。

【００２１】 もちろん、上記昇降台１と駐車棚４との間でのパレット２の移動においては、 昇降台１の昇降と平行リンク機構の揺動とを同期せしめることにより、駐車棚４ の位置でのフォーク１１の上下動を少なくするようにしてもよい。このようにす れば、上下の駐車棚間隔を狭くしても、フォーク１１と下段の駐車棚４の収容車 両との干渉や、フォーク１１で取り上げたパレット２の上の車両とじょううだん の駐車棚４との干渉を避けることができ、結局、駐車棚の段数を増やすこと、従 って車両収容台数を増やすことができる。

【００２２】 上述の如く、上記昇降台１と駐車棚４との間でのパレット２の移動においては 、車輪やレールは必要でなく、振動や騒音の発生が少なくなるものである。そし て、平行リンク機構の揺動によるフォークの上下動と昇降台１の上下動とを利用 して駐車棚４でのパレット２の上げ下ろしを行なうことができるため、パレット ２の移動を円滑なものにすることができ、昇降台１の停止位置の位置決め精度を 高める必要はない。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の実施例を示す。

【図１】駐車装置の全体構成を示す断面図

【図２】パレット移動手段を示す平面図

【図３】パレット移動手段を示す正面図

【図４】パレット移動手段の作動状態を示す正面図

【符号の説明】

１ 昇降台 ２ パレット ３ 乗入れ部 ４ 駐車棚 ５ パレット移動手段 １１ フォーク（パレット支持部材） １２，１３ 上リンク １４ 下リンク １５ リンク駆動手段

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】車両をパレットに載せて昇降する昇降台
   と、この昇降台の昇降路上に設けられ上記昇降台上のパ
   レットに車両を駐車のために乗入れる乗入れ部と、上記
   昇降路に沿って多段に配設され車両をパレットと共に収
   容するための駐車棚とを備え、上記昇降台にこの昇降台
   と上記駐車棚との間でパレットを移動せしめるパレット
   移動手段が設けられているエレベータ式立体駐車装置で
   あって、上記パレット移動手段は、上記パレットを支持
   するパレット支持部材と、このパレット支持部材を上記
   昇降台に対しこの昇降台上と上記駐車棚上との間で揺動
   自在に支持する平行リンク機構と、この平行リンク機構
   を作動せしめる駆動手段とよりなることを特徴とするエ
   レベータ式立体駐車装置。