JPH0444757Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 産業上の利用分野 本考案は車両搭載用の昇降台を上昇させること
により、２台の車両を格納することができる駐車
装置に関するものである。

(b) 従来の技術 従来の駐車装置は左右一対の支柱にて車両搭載
用の昇降台を水平に支持し、その昇降台をシリン
ダ等の駆動装置にて水平状に保持した状態で昇降
させるようにし、前記昇降台を降下させて昇降台
上に一台目の車両を載せ、その状態で昇降台を上
昇させ、昇降台の上昇にて空いた空間（昇降台の
下方）に２台目の車両を格納するようになつてい
る。

(c) 考案が解決しようとする課題 ところが前記構造では、昇降台に車両を載せる
場合には昇降台が水平状態になつているので作業
を容易に行なえるが、車両を搭載した状態で昇降
台を昇降させると、昇降台と車両の重心が支柱よ
り前方に位置しているため（車両の乗り入れが容
易に行なえるようにするため支柱は幾分後方に設
けられている。）、昇降台が前下がりにたわんだ状
態になる。

そのため昇降台上の車両が駐車ブレーキを忘れ
ていたり、昇降台の車止めから外れている場合に
は昇降中の揺動も加わつて車両が昇降台上で前方
に移動し、最悪の場合には車両が昇降台より落下
する危険がある。

本考案は上述の問題を解決するためになされた
もので、その目的は車両を載せる時には昇降台を
水平にして作業を容易にし、昇降時には昇降台が
自重にてたわんでも前下がりの状態にならないよ
うに幾分後下がりの状態に保持するようにして、
車両の前方移動を防止するようにした２段駐車装
置の昇降装置を提供するものである。

(d) 問題点を解決するための手段 本考案は上記目的を達成するもので、基台の左
右に一対の支柱を立設し、前記一対の支柱間に
は、支柱より前方に重心を有するとともに支柱に
取付けられた駆動装置にて昇降される車両搭載用
昇降台を設けた２段駐車装置において、前記支柱
の前後には昇降台を案内する一対のガイドレール
を設け、前記ガイドレールには昇降台上に立設の
昇降部材より外側方に突出した前後のガイドロー
ラを前後のガイドレールにそれぞれ当接させ、前
記ガイドレールの上部には昇降台を後下がりの状
態に保持しながらガイドローラを案内する主ガイ
ド部を、下部には昇降台を水平状態にするように
ガイドローラを案内する補助ガイド部を連続的に
形成し、前記駆動装置の一部を前のガイドローラ
の上方に位置する昇降部材に連結してなる２段駐
車装置の昇降装置に関するものである。

(e) 作用 昇降台に車両を載せる場合には、昇降台を最降
下させて地上の車両を載せる。

その際、昇降台は水平に支持されているので作
業を容易に行なうことができる。

２台目の車両を格納する場合には、駆動装置で
あるシリンダを駆動させることにより、昇降台を
ガイドレールに沿つて上昇させ、昇降台の下方に
空間を形成して、その空間に２台目の車両を格納
する。

その際、昇降台側に設けられているガイドロー
ラがガイドレールの補助ガイド部から主ガイド部
に移行することになるので当初水平状態にあつた
昇降台が上昇に伴つて後下がりの状態となり、車
両及び昇降台の自重にて昇降台がたわんでも略水
平状態となり前下がりとならないので車両が前方
に移動することがない。

(f) 実施例 以下実施例を図面にて説明すると、１は接地し
た基台で、該基台１の左右には一対の支柱２，２
を立設し、支柱２，２の上端に天井カバー３を設
けてある。

また支柱２，２の間には凹状の車止め３３を有
する昇降台４を設けてある。

前記一対の支柱２，２は同一構造なので一方に
ついて説明すると、断面箱状の前・後支柱本体
５，５を前後に間隔を設けて基台１に立設し、両
支柱本体５，５上端を一部にブラケツト６を介し
て天井カバー３に固定してある。

７…は両支柱本体５，５を強固にするために溶
着したブラケツトである。

８，８は前支柱本体５の前面と後支柱本体５の
後面に上下略全長にわたつて設けられたガイドレ
ールで、該ガイドレール８，８は断面コ字形で、
上部には略垂直状の主ガイド部９が、下部には前
下がりに傾斜した補助ガイド部１０が連続的に形
成されている。

１１，１１は昇降台４の左右に立設された断面
箱状の昇降部材で、該昇降部材１１の位置は昇降
台４の重心位置より後方になつている。

前記昇降部材１１の外側方には複数のシヤフト
１２…を突出させ、後側上部には上ガイドローラ
１３を前記シヤフト１２に枢支し、前側下部には
下ガイドローラ１４を前記シヤフト１２に枢支
し、後側下部及び前側上部には左右方向のずれを
防止する補助ガイドローラ１５…を前記シヤフト
１２…に設けてある。

前記各ローラ１３，１４，１５の内、後側に位
置する上ガイドローラ１３及び補助ガイドローラ
１５，１５を後支柱本体５にガイドレール８に、
前側に位置する下ガイドローラ１４及び補助ガイ
ドローラ１５を前支柱本体５側のガイドレール８
にそれぞれ当接させ、これにより昇降台４を補助
ガイド部１０，１０にて水平状態に、主ガイド部
９，９にて角度θだけ後下がりの状態で保持する
ようになつている。

１６は前後支柱本体５，５の間に設けた駆動装
置の一部であるシリンダで、該シリンダ１６の上
端をブラケツト６に軸支し、シリンダ１６の下端
には摺動板１７を介して移動スプロケツト１８を
設け、前記摺動板１７は前・後支柱本体５，５の
対向面に固定したガイドフレーム１９，１９に案
内されるようになつている。

前記後支柱本体５と昇降部材１１であつて前の
下ガイドローラ１４の上方に位置する部分との間
には駆動装置の一部を成すチエーン２０を設け、
そのチエーン２０を前記移動スプロケツト１８に
掛け回した後前支柱本体５上方に軸支された固定
スプロケツト２１に掛け回すようになつている。
これにてシリンダ１６を伸長させると移動スプロ
ケツト１８が下方に移動して昇降台４を上昇させ
ることができるようになつている。

その際前の下ガイドローラ１４上方を引つ張り
上げることになるので、下ガイドローラ１４がガ
イドレール８に作用する力が非常に小さくなり、
また上ガイドローラ１３も下ガイドローラ１４を
中心とした昇降台４の自重とのバランスによりガ
イドレール８に作用する力が小さくなる。

これによりガイドローラ１３，１４を上昇させ
る力が小さくてすむ。

２２は昇降部材１１に設けた安全カムで、該安
全カム２２はチエーン２０が切れた際に前支柱本
体５に噛み合つて昇降台４の降下を防止するよう
になつている。

２２，２３は支柱２，２を保護する支柱カバー
である。

第７図はそれぞれガイドレールの他の実施例
で、(a)は後支柱本体５側のガイドレール８の補助
ガイド部２４を前下がりに傾斜させたものであ
る。(b)，(c)は前・後支柱本体５，５の対向面にガ
イドレールを設けるとともに上・下ガイドローラ
２６，２７の上・下位置を逆にしたもので、(b)は
後支柱本体５の補助ガイド部２８を後下がりに傾
斜させたものであり、(c)は前支柱本体５の補助ガ
イド部２９を前下がりに傾斜させたものである。
また(d)はガイドレール３０の主ガイド部３１を幾
分傾斜させ、補助ガイド部３２を垂直にしたもの
で、このようにしても同様の効果を有するもので
ある。

本考案は前記の如き構成で次に作用について説
明すると、まず昇降台に車両を載せる場合には第
１図実線位置から一点鎖線位置まで降下させる。
すなわち、シリンダ１６を徐々に縮小させて移動
スプロケツト１８をガイドフレーム１９，１９に
沿つて上昇させると、チエーン２０がゆるんでき
て昇降台４が自重にて降下する。

その際上・下ガイドローラ１３，１４がガイド
レール８，８に当接することになり昇降台４が支
持された状態で昇降し、特に後下がりの状態に支
持されていた昇降台４は下ガイドローラ１４が主
ガイド部９から補助ガイド部１０に移行すること
によつて水平状態になり、水平状態で接地する。
昇降台４が接地した状態で地上の車両を昇降台４
に載せ、後輪が車止め３３に入つたところで停止
させる。

次に２台目の車両を格納する場合には、シリン
ダ１６を徐々に伸長させ、移動スプロケツト１８
を下方に移動させてチエーン２０を引つ張る。

これにより昇降台４を上昇させる。

その際、上ガイドローラ１３が主ガイド部９に
案内されるとともに下ガイドローラ１４が補助ガ
イド部１０から主ガイド部９に連続的に案内され
るようになつているので、上昇初期に水平状態で
支持されていた昇降台４は、その後後下がりの状
態で支持され、その状態で昇降することになる。
特に下ガイドローラ１４の上方を引つ張り上げる
ことになるので、上・下ガイドローラ１３，１４
がガイドレール９，９に作用する力が小さくな
り、小さな引張力にて上・下ガイドローラ１３，
１４をガイドレール９，９に沿つて転動させるこ
とができる。

尚、昇降台４は上・下ガイドローラ１３，１４
にて後下がりの状態にされるが、車両の重量にて
昇降台４がたわむことにより、昇降台４は略水平
状態になるようになつている。

昇降台４が第１図実線位置に達すると、昇降台
４の下方に空間ができ、この空間に２台目の車両
を格納する。

(g) 考案の効果 以上の如く本考案は支柱本体にガイドレールを
設け、前記ガイドレールに角度の異なる主ガイド
部と補助ガイド部とを設け、前記ガイドレールに
沿つて昇降台側のガイドローラが転動するように
したので、昇降台への車両積載時は昇降台を水平
にした状態で行なうことができ、容易に車両を載
せることができるとともに昇降時には昇降台を自
動的に後下がりの状態にすることができ、昇降台
がたわんでも前下がりにはならないので、昇降台
上の車両が移動することはなく、安全に昇降作業
を行なうことができる。

また、昇降台を上昇させるための駆動装置の力
の作用位置を前のガイドローラの上方にしたの
で、昇降台上昇時におけるガイドローラのガイド
レールに作用する力が小さくなり小さな抵抗にて
上昇でき、駆動装置の動力を低減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体側面図、第２図は全体正面図、第
３図は支柱の拡大断面図、第４図は第３図Ａ−Ａ
断面図、第５図は第３図Ｂ−Ｂ断面図、第６図は
支柱下部の拡大図、第７図は他の実施例である。 １は基台、２は支柱、３は天井カバー、４は昇
降台、８はガイドレール、１１は昇降部材、１
３，１４はガイドローラ、１６はシリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基台の左右に一対の支柱を立設し、前記一対の
   支柱間には、支柱より前方に重心を有するととも
   に支柱に取付けられた駆動装置にて昇降される車
   両搭載用昇降台を設けた２段駐車装置において、
   前記支柱の前後には昇降台を案内する一対のガイ
   ドレールを設け、前記ガイドレールには昇降台上
   に立設の昇降部材より外側方に突出した前後のガ
   イドローラを前後のガイドレールにそれぞれ当接
   させ、前記ガイドレールの上部には昇降台を後下
   がりの状態に保持しながらガイドローラを案内す
   る主ガイド部を、下部には昇降台を水平状態にす
   るようにガイドローラを案内する補助ガイド部を
   連続的に形成し、前記駆動装置の一部を前のガイ
   ドローラの上方に位置する昇降部材に連結してな
   る２段駐車装置の昇降装置。