JPH0528294Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、二段式駐車装置、特に、二本の支柱
に案内されてパレツトが昇降自在に構成された二
段式駐車装置に関する。

（従来の技術） パレツトが該パレツトの両側部に立設された左
右一対の支柱に案内されて昇降可能に構成された
二段式駐車装置において、前記支柱を、自動車を
載置するパレツトの重心位置と一致するようにパ
レツト側部に設けた場合、該パレツトに自動車を
載置した後に該自動車のドアの開閉が出来なくな
るため、支柱はパレツトの両側における自動車の
重心位置よりも後方に偏心して配置されていた。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来のものでは、パレツト
の吊支点と自動車を載置したパレツトの重心とが
偏心しているため、強度的な信頼性に問題があ
る。また地震等による水平荷重を考えると、これ
に耐えることができるように装置を補強する必要
があり、構成が複雑になるとともにコストが高く
なるという問題があつた。

（課題を解決するための手段） 本考案の二段式駐車装置は、自動車を載置する
パレツトが床面上に立設された左右一対の支柱に
案内されて昇降可能に設けられ、自動車を前記床
面上とパレツト上との上下二段に駐車可能に構成
された二段式駐車装置において、前記パレツトの
前部に支持棒の一端部が回動自在に支持され、該
支持棒は、パレツトが上昇位置に配置された際に
その他端部が地上と当接し該パレツトの前部を支
持する垂直位置と、パレツトと略平行になるよう
格納される格納位置とをとるように構成されたも
のである。

（作用） パレツトが上昇位置にある時には支持棒をパレ
ツトの前部と床面間に配置し、このパレツトの前
部を支持棒で支持してパレツトを安定した状態で
保持する。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。なお、本例では説明の便宜上第１図におけ
る左・右を前・後と称し、第２図における左・右
を左・右と称する。

図において、１は床面（地面）２に立設された
支柱であつて、この支柱１は駐車する自動車の両
側に２本平行に立設されている。支柱１の下端部
１ｂは鉤状に形成されており、この下端部は図示
しないアンカーボルト等の固定手段により床面２
に安定的に固定されている。また、支柱１の垂直
部１ａは横断面がコ字状に形成されており、これ
ら支柱１はその開口を対向するように配置されて
いる。垂直部１ａは、その下部が後方にやや屈曲
されて全体としてく字状に形成されている。

３は自動車Ｃを載置するパレツトであつて、パ
レツト３は後端から前端にかけて漸次先細に形成
されており、自動車Ｃの出し入れがスムースに行
えるようになされている。また、パレツト３の略
中央部とこの中央部よりやや後方寄りには、その
底面の幅方向に前受梁４及び後受梁５が配設され
ており、後受梁５の両端部はそれぞれパレツト３
の側部から垂直上方に延長された垂直部５ａ，５
ａが形成されている。パレツト３の側部における
前受梁４と後受梁５間には継ぎ材８が設けられて
いる。

垂直部５ａ，５ａは、第５図に示すように、該
垂直部５ａ，５ａの上下に設けられたガイドロー
ラ６，７により支柱１に沿つて案内される。ガイ
ドローラ６は各支柱１の開口に嵌入されており、
該開口内を転動する。また、ガイドローラ７は各
支柱１を両側から挟持するように配設されてお
り、該支柱１に沿つて転動することでパレツト３
の昇降時において左右方向を規制するようになさ
れている。よつて、これらガイドローラ６，７に
よりパレツト３が支柱１に案内されて円滑に移動
することができる。また、ペレツト３が地上にあ
る場合、ガイドローラ６，７が支柱１の屈曲した
下部に位置するためパレツト３は全体的に前下が
りの状態になり先端部が地上と当接する。これに
よつて自動車Ｃはパレツト３に容易に入出庫でき
る。

そして、支柱１は、パレツト３への自動車Ｃの
入庫後にドアが開閉可能なように、重心位置Ｇか
ら距離ｅだけ後方にずらした位置に立設されてい
る。

１０はパレツト３の前部両側に一端部１１が回
動自在に支持された支持棒で、該支持棒１０は、
パレツト３が上昇位置に配置された際にその先端
部（他端部）が地上と当接し該パレツト３の前部
を支持する垂直位置と、パレツト３と略平行とな
るよう格納される格納位置とをとるように構成さ
れている。

よつて、パレツト３を上昇位置に配置した際に
支持棒１０を垂直位置に配置することでパレツト
３の前部を安定的に支持する。また、パレツト３
の下降時には支持棒１０を格納位置に配置してそ
の下降を可能にするとともに、パレツト３が上昇
位置に配置された状態で下段に駐車した自動車Ｃ
の入出庫をさせる際にも支持棒１０を格納位置に
格納することで、支持棒１０が邪魔にならず、下
段の自動車Ｃを旋回させながら入出庫することが
できる。

この支持棒１０は適宜な駆動装置により上述の
ように回動させてもよいし、また手動により回動
操作してもよい。

２０は一方の支柱１（本例では左側の支柱１）
の上端部に設けられた駆動モータで、該駆動モー
タ２０にはブレーキが内蔵されている。２１は一
端が他方の支柱１（本例では右側の支柱１）に固
定された昇降用のチエーンで、このチエーン２１
は、その一端が他方の支柱１に沿つて下方に垂下
された後、後受梁５の左右両側に設けられたスプ
ロケツト２２，２２を経て他端部が前記駆動モー
タ２０に連結されたスプロケツト２０ａに巻回さ
れている。よつて、パレツト３は、駆動モータ２
０の駆動によりチエーン２１をパレツト３側から
駆動モータ２０側に引き込みあるいは駆動モータ
２０側からパレツト３側へ送り出すことで昇降
し、この昇降動により上下二段の位置をとるよう
になされている。これにより、パレツト３が下位
置にある場合は自動車Ｃが乗り入れ可能になさ
れ、パレツト３が上昇して上位置にある場合は下
方の床面上に自動車Ｃが駐車可能なようになされ
ている。

３ｂは、パレツト３の上面の後部寄りに設けら
れたストツパで、このストツパ３ｂに自動車Ｃの
後輪が当接することによつて駐車時における自動
車Ｃの位置決めを行うようになされている。

次に、以上のように構成された二段式駐車装置
の動作について説明する。

まず、パレツト３が下位置にある状態におい
て、このパレツト３上に自動車Ｃを駐車する。こ
の時、支持棒１０は一端部１１を中心に回動させ
てパレツト３と略平行となる格納位置に配置され
ている。

この後、駆動モータ２０の駆動によりチエーン
２１をパレツト３側から駆動モータ２０側へ引き
込むと、パレツト３は垂直部５ａが支柱１内を移
動することで、この支柱１に案内されて上昇し、
上昇位置に達して停止する。

そして、この下段の床面に二台目の自動車Ｃを
駐車することで、自動車Ｃを上下二段に駐車する
ことができる。この時、支持棒１０は先端部１１
を中心に略垂直になる垂直位置まで下方に回動
し、その先端部が床面２と当接することで、パレ
ツト３の前部を支持する。

ここで、支柱１はパレツト３の重心位置から後
方に距離ｅだけ偏心した位置に立設されているた
め、パレツト３は偏心した距離ｅによりパレツト
３の自重と自動車重量とにより偏心荷重を受け、
前下がりの状態で停止することになる。しかし、
支持棒１０がパレツト３の前部を支持するため、
前述の偏心荷重によるパレツト３の前下がりの状
態、及び水平荷重による強度の補強を簡単な構成
で達成することができる。

また、パレツト３が上昇位置に配置された状態
で下段駐車位置に駐車されている自動車Ｃの入出
庫を行う際には、支持棒１０はこの入出庫に邪魔
にならないよう上方に回動して格納位置に配置さ
れているので、第３図において一点鎖線で示すよ
うに、自動車を旋回しながら入出庫することがで
きる。さらに、支持棒１０はパレツト３が上昇位
置にある状態において、誤動作によるパレツト３
の下降を防止することができる。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案によれば、パレツト
を上昇位置に配置した際に、支持棒を垂直位置に
配置することで、このパレツトの前部を支持棒で
支持するため、地震等による水平荷重に対して簡
単な構成で対処することができる。

また、パレツトが上昇位置に配置された状態で
下段駐車位置に駐車されている自動車の入出庫を
行う際には、支持棒を格納位置に配置すること
で、この支持棒が入出庫の邪魔になることがな
い。

さらに、この支持棒は、パレツトが上昇位置に
配置された状態で水平位置に配置しておくことで
誤操作によるパレツトの下降を防止する安全装置
としても利用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案に係る二段式駐車装
置の一例を示し、第１図は二段式駐車装置の概略
の全体構成を示す側面図、第２図は同正面図、第
３図は同平面図、第４図は第２図における−
線で切欠いた部分断面図、第５図はガイドローラ
及びチエーンの取付を示す部分拡大の正面図であ
る。 １……支柱、２……床面、３……パレツト、１
０……支持棒、１１……一端部、Ｃ……自動車。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 自動車を載置するパレツトが床面上に立設され
   た左右一対の支柱に案内されて昇降可能に設けら
   れ、自動車を前記床面上とパレツト上との上下二
   段に駐車可能に構成された二段式駐車装置におい
   て、 前記パレツトの前部に支持棒の一端部が回動自
   在に支持され、該支持棒は、パレツトが上昇位置
   に配置された際にその他端部が地上と当接し該パ
   レツトの前部を支持する垂直位置と、パレツトと
   略平行になるよう格納される格納位置とをとるよ
   うに構成されたことを特徴とする二段式駐車装
   置。