JPH0645563Y2 - 平面循環式駐車装置の入出庫口レール - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は平面循環式駐車装置の入出庫口レールに関する
ものである。

［従来の技術］ 近年、市街地における空間の有効利用を図るために、各
種の立体式駐車装置が開発されているが、その一種とし
て、平面循環式駐車装置がある。

第７図から第12図は平面循環式駐車装置の一例を示し、
地下に水平に掘削した自動車保管室１内の床面にレール
2,3を敷設し、該レール2,3上を走行できるように２種類
のキャスタ式車輪4a,4bを２箇ずつ装着したパレット５
を複数配設し、各パレット５を順次循環移動させるよう
にしている。

キャスタ式車輪4a,4bは、パレット５の下面に固着した
ネック部6a,6bと、ネック部6a,6bの下端に周方向に回動
できるように支持された車輪フレーム7a,7bと、該車輪
フレーム7a,7bに支持された車輪8a,8bとから形成されて
おり、更にキャスタ式車輪4bの車輪フレーム7bには、ガ
イドローラ９が前記レール2,3を側方から挾持できるよ
うに支持されている。

パレット５に装着されたキャスタ式車輪4a,4bはパレッ
ト５の一方の対角線上に一対のキャスタ式車輪4aが、ま
た他方の対角線上に一対のキャスタ式車輪4bが位置する
ように配置されていて、キャスタ式車輪4bに設けたガイ
ドローラ９でレール2,3を側方から挾持することによっ
て、パレット５が移動する際に、車輪8a,8bがレール2,3
上面から脱落するのを防止している。

パレット５の幅方向に延びるレール２と、パレット５の
長手方向に延びるレール３とが交差する部分のうち、パ
レット５の移動方向が幅方向から長手方向、あるいは長
手方向から幅方向に変わるときに、前記ガイドローラ９
を有するキャスタ式車輪4bが位置する部分には回転レー
ル10設けられている。

回転レール10は、レール２の軸線とレール３の軸線の交
点を中心に回動できるようになっていて、ガイドローラ
９を備えたキャスタ式車輪4bが回転レール10上に停止し
たときに、該回転レール10をその軸線がレール２または
レール３の軸線に一致するように回動させて、キャスタ
式車輪4bの方向を90°変えることができる。

キャスタ式車輪4bが方向転換した後、パレット５を移動
させると、キャスタ式車輪4aはパレット５の移動に追従
してその向きを転換する。

自動車11を自動車保管室１より地上へ出庫させたり、ま
た自動車11を地上に設けた入出庫口12より自動車保管室
１へ入庫させるときには、自動車保管室１の昇降口15と
入出庫口12との間を昇降するリフタ13に設けた水平に延
びる昇降フレーム14に、パレット５を乗り入れて該パレ
ット５を昇降させるようにしている。

昇降フレーム14にはパレット５の幅方向に延びる入出庫
口レール16が敷設されていて、前記リフタ13が昇降口15
に下降した際に、該昇降口15に向って延びるレール２の
軸線と入出庫口レール16の軸線とが一致するようになっ
ている。

パレット５が昇降フレーム14に乗り入れるときには、キ
ャスタ式車輪4bに設けたガイドローラ９が入出庫口レー
ル16を側面より挾持して車輪8a,8bが入出庫口レール16
の上面から脱落するのを防止している。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、自動車11を載せたパレット５を昇降フレーム14
に載置して、リフタ13を作動させてパレット５を入出庫
口12へ上昇させた際に、パレット５に載せた自動車11が
自動車出庫方向（矢印Ａ方向）へ急発進すると、パレッ
ト５には自動車入庫方向（矢印Ｂ方向）に反力が作用
し、特にキャスタ式車輪4bのネック部6bには、ガイドロ
ーラ９が入出庫口レール16を挾持しているために、矢印
Ｂ方向に大きな衝撃力が作用してネック部6bや車輪フレ
ーム7bが損傷してパレット５が昇降フレーム14から転落
する危険がある。

本考案は上述の問題点を解決するもので、ガイドローラ
を備えたキャスタ式車輪に作用する衝撃力を緩衝して、
キャスタ式車輪の損傷を防止することを目的としてい
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案は少くとも一部のキャスタがレールを挾持するガ
イドローラを備えたキャスタ式車輪を有し、自動車を載
置するとき長手方向に入出庫するようになっている複数
のパレットを水平面内に循環させるようにした自動車保
管室と、自動車入出庫口との間に介在しているフレーム
上に設けられ、パレット幅方向に延びる入出庫口レール
において、パレットを自動車入出庫口へ導いたときにガ
イドローラを備えたキャスタ式車輪が位置する部分の入
出庫口レールを他の部分と分断して形成した移動レール
と、該移動レールを他の固定レール部分に一致した位置
から自動車入庫方向へ移動可能に支持するスライドガイ
ドと、前記移動レールを自動車出庫方向へ固定レール部
分と一致するように付勢する弾性体とからなるものであ
る。

［作用］ パレットに載せた自動車が急発進すると、ガイドローラ
に挾持された移動レールは、弾性体に衝撃力を緩衝させ
つつ自動車入庫方向へ移動する。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。

第１図から第６図は本考案の一実施例であり、図中第７
図から第12図と同一の符号を付した部分は同一物を表わ
している。

昇降フレーム14の上面に敷設した入出庫口レール16のう
ち、第11図に示すようにパレット５が乗り入れたときに
ガイドローラ９を備えたキャスタ式車輪4bが位置する部
分を他の固定レール部分16aと分断して自動車入庫方向
（矢印Ｂ方向）へ移動可能な移動レール17を形成する。

昇降フレーム14の上面に、矢印Ａ方向に水平且つ平行に
延びる２本のスライドガイド18a,18bを有するブラケッ
ト19を固着する。

２本のスライドガイド18a,18bの各端部はブラケット19
の立ち上り部20a,20bに支持されている。

各スライドロッド18a,18bに、ブッシュ21a,21bを嵌入し
たスライドブロック22a,22bを軸線方向に摺動できるよ
うに嵌合し、移動レール17の下面に形成した支持部23を
前記スライドブロック22a,22bに固着する。

ブラケット19の立ち上がり部20aに、支持部23を貫通し
て自動車入庫方向（矢印Ｂ方向）へ延びるばね力調整用
ロッド24の一端を固着し、該ばね力調整用ロッド24に対
峙する一対のばね座25a,25bを軸線方向に摺動できるよ
うに嵌合するとともに、ばね座25a,25b間に圧縮ばね26
を配設し、前記ばね力調整用ロッド24の他端にナット27
を螺合する。

圧縮ばね26はばね座25aを介して常時移動レール17の支
持部23を矢印Ａ方向へ付勢していて、スライドブロック
22a,22bの端面は立ち上り部20aに当接しており、入出庫
口レール16の固定レール部分16aの軸線と移動レール17
の軸線が一致するようになっている。

各移動レール17の支持部23に水平に延びる連結用ブラケ
ット28を固着し、該連結用ブラケット28を連結バー29を
介して連結する。

上述の構成において、第10図（イ）（ロ）及び第11図の
ようにパレット５が入出庫口レール16上に導かれたとき
に、パレット５に載せた自動車11が矢印Ａ方向へ急発進
すると、パレット５には矢印Ｂ方向への反力が作用す
る。

このような状態になったとき、ガイドローラ９に挾持さ
れた移動レール17は、矢印Ｂ方向へ作用する反力を圧縮
ばね26に緩衝させつつ矢印Ｂ方向へ移動する。

従って、第10図（イ）（ロ）に示すネック部6a,6b、車
輪フレーム7a,7bに作用する衝撃力を緩衝することがで
き、キャスタ式車輪4a,4bが損傷することがない。

矢印Ｂ方向へ反力が作用しなくなると圧縮ばね26のばね
力によって支持部23は矢印Ａ方向へ付勢され移動レール
17と固定レール部分16aの軸心が一致する。

また、各移動レール17の支持部23は連結バー29を介して
連結されているので、各移動レール17の移動量は常に等
しくなる。

本考案では、移動レール17を自動車入庫方向へ移動させ
ることによりキャスタ式車輪4a,4bのネック部6a,6bに作
用する衝撃力を緩衝することができるので、キャスタ式
車輪4a,4bのネック部6a,6bが損傷することがない。

尚、本考案の平面循環式駐車装置の入出庫口レールは、
上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本考案の
要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るこ
とは勿論である。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案の平面循環式駐車装置の入出
庫口レールによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏
し得る。

（１）ガイドローラに挾持された移動レールを自動車入
庫方向へ移動できるようにして、自動車が急発進した際
にキャスタ式車輪のネック部に作用する衝撃力を緩和す
るので、キャスタ式車輪のネック部の損傷を防止するこ
とができる。

（２）キャスタ式車輪のネック部が損傷することがなく
なるので、パレットが入出庫口レールより転落する危険
がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の平面図、第２図は第１図の
II−II矢視図、第３図は第１図のIII部拡大図、第４図
は第３図のIV−IV矢視図、第５図は第４図のＶ−Ｖ矢視
図、第６図は第３図のVI−VI矢視図、第７図は平面循環
式駐車装置の一例を示す断面図、第８図は第７図のVIII
−VIII矢視図、第９図は入出庫口レールに乗り入れたパ
レットの側面図、第10図（イ）（ロ）はキャスタ式車輪
の構造を示す図、第11図は入出庫口レールとキャスタ式
車輪の関係を示す平面図、第12図は回転レールの平面図
である。 図中、4a,4bはキャスタ式車輪、５はパレット、９はガ
イドローラ、11は自動車、12は入出庫口（自動車入出庫
口）、16は入出庫口レール、16aは固定レール部分、17
は移動レール、18a,18bはスライドガイド、19はブラケ
ット、22a,22bはスライドブロック、23は支持部、26は
圧縮ばね（弾性体）を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少くとも一部のキャスタがレールを挾持す
   るガイドローラを備えたキャスタ式車輪を有し、自動車
   を載置するとき長手方向に入出庫するようになっている
   複数のパレットを水平面内に循環させるようにした自動
   車保管室と、自動車入出庫口との間に介在しているフレ
   ーム上に設けられ、パレット幅方向に延びる入出庫口レ
   ールにおいて、パレットを自動車入出庫口へ導いたとき
   にガイドローラを備えたキャスタ式車輪が位置する部分
   の入出庫口レールを他の部分と分断して形成した移動レ
   ールと、該移動レールを他の固定レール部分に一致した
   位置から自動車入庫方向へ移動可能に支持するスライド
   ガイドと、前記移動レールを自動車出庫方向へ固定レー
   ル部分と一致するように付勢する弾性体とからなること
   を特徴とする平面循環式駐車装置の入出庫口レール。