JP2524206Y2 - 玉払出機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、パチンコ機における玉
払出機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、パチンコ機における玉払出機とし
ては、例えば、実開昭６１−１７１９８３号公報に記載
されているような装置が知られている。この公報に記載
されている装置では、玉を収納する収納部から払出口へ
通ずる通路中に、上方及び下方に上方弁及び下方弁をそ
れぞれ設けることにより玉を一定数だけ貯蔵することの
できる玉貯蔵部が設けられており、玉の通過を阻止して
いる。そして、入賞玉が生じることにより下方弁が開放
して、玉貯蔵部に貯蔵された玉が落下して払出口より賞
品玉として払い出され、貯蔵されていた玉が全て払い出
されると、下方弁が閉じた後に上方弁が開放して、玉貯
蔵部に再び前記一定数の玉が貯蔵される仕組みとなって
いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、最近の
顧客ニーズの多様化に伴い、入賞玉に対応する賞品玉の
数量が、各パチンコ機により変動している。すなわち、
従来は一発の入賞玉に対し一定数の賞品玉が払い出され
ていたが、最近では一発の入賞玉に対して、その入賞の
種類に応じて払い出される賞品玉の個数が変化してきて
いる。このため、上記公報に記載されているような装置
を使用すると、入賞の種類に応じて装置を複数配置する
必要があり、さらに、各々の装置における賞品玉の払出
個数を異ならせるために、上方弁と下方弁との間に形成
する玉貯蔵部の大きさを変化させねばならず、装置の製
造及び組立が非常に面倒である。

【０００４】さらに、最近では、大型の変動入賞装置が
採用されつつあり、連続的に入賞玉が生ずることも多く
なってきている。そのため、従来の方法では、一回賞品
玉を払い出した後、再度玉貯蔵部に所定数の賞品玉が貯
められるまで次の賞品玉を払い出すことができないの
で、賞品玉の払い出しに遅れを生じ、パチンコ機の遊戯
客の不満が高くなる虞がある。

【０００５】本考案は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、迅速、且つ、任意な数の玉の払
い出し動作を可能にすると共に、組付作業の簡略化及び
時間短縮を図ることができる玉払出機を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本考案の玉払出機は、賞品玉の案内路が形成された上
部基体と、その上部基体の下方に取り付けられ案内路に
連通する玉誘導路が形成された下部基体と、その下部基
体の前記玉誘導路内に配置され、周囲に螺旋状に玉通路
が形成され賞品玉の流下を防止する流下防止部材と、そ
の流下防止部材を回転駆動するため前記上部基体に取り
付けられたパルスモータと、下部基体の玉誘導路には、
流下防止部材に対し複数の方向より前記賞品玉を導入す
るための 複数の誘導路が形成されると共にその複数の誘
導路の下端はそれぞれ玉払出口とされていることと、そ
れらの玉払出口から払い出される玉の個数を計数するた
め下部基体にそれぞれ取り付けられたカウントセンサと
を有する。

【０００７】

【作用】上記の構成を有する本考案の玉払出機において
は、賞品玉の案内路が形成された上部基体と、その上部
基体の下方に取り付けられ案内路に連通する玉誘導路が
形成された下部基体とを設け、その下部基体の玉誘導路
内に、周囲に螺旋状に玉通路が形成され賞品玉の流下を
防止する流下防止部材を配置し、その流下防止部材を回
転駆動するため上部基体に取り付けられたパルスモータ
を取り付けている。このため、玉払出機をユニットとし
て構成でき、その組立てを容易且つ安価になし得る。

【０００８】しかも、下部基体の玉誘導路には、流下防
止部材に対し複数の方向より賞品玉を導入するための複
数の誘導路が形成されると共にその複数の誘導路の下端
はそれぞれ玉払出口とされ、それらの玉払出口から払い
出される玉の個数を計数するため下部基体にそれぞれカ
ウントセンサが取り付けられている。このため、賞品玉
を短時間の内に連続して払い出すことができる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。

【００１０】図１及び図２に示すように、玉払出機１０
を構成する上部基体６には賞品玉１２を案内するための
案内路１６が形成されており、その案内路１６は、玉払
出機１０の下部基体５に四ヶ所設けられた払出口１７か
ら上方へ延びて、略十字形状に形成された誘導路１８と
連通している。この誘導路１８内には、軸体１ａの周囲
に賞品玉１２の直径とほぼ等しい幅となるような螺旋状
の玉通路１ｂを備えた流下防止部材１が取り付けられて
おり、その軸体１ａの上部は周知のパルスモータ３の回
転軸３ａに留めネジ４により取り付けられ、下部は軸受
２を介して下部基体５の内側底面に回転可能に支持され
ている。前記パルスモータ３はネジ８により上部基体６
に設けられたネジ穴６ａを介して下部基体５に切られた
タップ５ａにネジ留めされる。このパルスモータ３が回
転駆動されることにより、流下防止部材１も軸体１ａを
中心として図２に示す矢印Ａ方向へ回転する。

【００１１】また、四ヶ所の払出口１７からそれぞれ上
方に延びる誘導路１８の内側面のうちの一つとして、各
払出口１７から払い出される賞品玉１２の個数をカウン
トするためのカウントセンサ７が、それぞれの払出口１
７に対応して下部基体５の外部からネジ９により下部基
体５に取り付けられている。このカウントセンサ７は、
払出口１７を通過する賞品玉１２が、バネ等によりカウ
ントセンサ７の表面に出入可能に設けられた突起７ａを
はじくことにより賞品玉１２の通過を検出するという、
周知の構成によるものである。

【００１２】図３は、上記のように構成された玉払出機
１０を、賞品玉１２を払い出すための装置としてパチン
コ機に取り付けた状態を示すものであり、玉払出機１０
の上方には、パチンコ機において入賞玉が生じたとき
に、賞品玉タンク１１より供給される賞品玉１２の通路
１３が、玉払出機１０の上部基体６に形成された案内路
１６と連通して形成されている。また、玉払出機１０の
下方には、払出口１７から払い出された賞品玉１２が衝
突することにより、入賞に伴って賞品玉１２が払い出さ
れたことを遊戯客に知らせるベル１５と、パチンコ機の
正面に設けられた周知の玉受け部（図示せず）へ賞品玉
１２を送り出すための送出口１４が設けられている。

【００１３】次に、本実施例の玉払出機１０にかかる制
御システムの構成について、図４に示すブロック図を参
照して説明する。

【００１４】玉払出機１０の動作を制御する玉払い出し
制御回路２４には前記パルスモータ３を駆動するための
駆動パルスを発生するモータ駆動回路２５が接続されて
いる。玉払い出し制御回路２４は前記カウントセンサ７
にも接続されており、カウントセンサ７の出力を検出し
て賞品玉１２の払出個数を計数し、所定数の賞品玉１２
の払い出しが終了すると、モータ駆動回路２５による駆
動パルスの発生をストップさせるように構成されてい
る。また、玉払い出し制御回路２４は、パチンコ機本体
の制御を行う本体制御回路２３にも接続されている。こ
の本体制御回路２３は、複数の入賞玉検出機２１と接続
され、入賞玉の発生に伴ってそれぞれの入賞玉によって
異なっている賞品玉１２の個数データを玉払い出し制御
回路２４へ送ると共に、パチンコ機本体の例えばスロッ
トマシンの数字を変化させたり、入賞に伴う電子音の発
生を指示する等の動作に関する制御を行うものである。

【００１５】続いて、このように構成された玉払出機１
２の動作について説明する。

【００１６】入賞玉検出機２１により入賞玉の発生が検
出されると、本体制御回路２３はその入賞玉に応じた賞
品玉１２の個数データを玉払い出し制御回路２４へ送
る。すると、玉払い出し制御回路２４はモータ駆動回路
２５へ駆動パルスの発生を指示する。そして、パルスモ
ータ３がモータ駆動回路２５により発生させられた駆動
パルスにより回転駆動されると、パルスモータ３の回転
軸３ａに接続されている流下防止部材１の軸体１ａが図
２に示す矢印Ａ方向へ回転する。それに伴い、賞品玉タ
ンク１１から通路１３及び案内路１６を通って下部基体
５に設けられた誘導路１８に供給されている賞品玉１２
は、流下防止部材１の表面に螺旋状に形成された玉通路
１ｂを通って徐々に下方へ移動し、払出口１７より落下
する。

【００１７】このとき、それぞれの払出口１７から落下
する賞品玉１２が各払出口１７に対応したカウントセン
サ７の突起７ａをはじくことにより、払い出された賞品
玉１２の個数が玉払い出し制御回路２４にて計数され
る。そして、各払出口１７より払い出された賞品玉１２
の合計個数が該入賞玉に応じた個数に達すると、玉払い
出し制御回路２４は、モータ駆動回路２５への駆動パル
スの発生指示をストップし、パルスモータ３の回転が停
止する。すると、誘導路１８内の賞品玉１２は流下防止
部材１に螺旋状に形成されている玉通路１ｂ上にて停止
する。そして、次の入賞玉が発生して上述のようにパル
スモータ３が回転駆動されると、それに伴って、賞品玉
１２は前記玉通路１ｂを通って払出口１７より落下す
る。

【００１８】払出口１７から落下した賞品玉１２は送出
口１４よりパチンコ機の前面に設けられている玉受け部
へ送り出されると共に、その落下途中においてベル１５
に衝突するので、遊戯客はそのベル１５の音を聞くこと
により入賞して賞品玉１２が払い出されたことを知るこ
とができる。

【００１９】このように構成することにより、入賞玉の
種類に応じて賞品玉１２の個数が変化した場合でも、一
系列の玉払出機１０にて簡単にその変化に対応すること
ができ、また連続して入賞玉が生じた場合でも、従来の
ように賞品玉１２の払い出しに遅れが生じるということ
がなくなり、遊戯客は快適に遊戯を楽しむことができ
る。

【００２０】なお、本考案は上述した実施例に何等限定
されるものではなく、考案の趣旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更を加えることができる。

【００２１】例えば、払出口１７の個数に関しては、四
ヶ所である必要はなく、任意の個数の払出口１７を設け
てもよい。

【００２２】また、本実施例では賞品玉１２の払い出さ
れた個数を、賞品玉１２がカウントセンサ７に設けられ
た突起７ａをはじいた回数を検出して計数したが、図５
に示すように、透過型の光センサ２０を用いて、賞品玉
１２がその光センサ２０の正面を通過したことを検出し
て計数してもよい。この光センサ２０は、図５に示すよ
うに、赤外線を発信する発信部２１とその赤外線を受信
する受信部２２とから構成され、常時は受信部２２は赤
外線を受信している。そして、賞品玉１２が払出口１７
を通過するときには、その賞品玉１２により発信部２１
から発信されている赤外線を遮断するので、それにより
賞品玉１２の払い出しを検出することができる。また、
この光センサ２０の発信部２１及び受信部２２は、その
センサ面を誘導路１８の表面から少量だけ内側へ入った
位置に埋め込むように設けられており、誘導路１８の表
面には賞品玉１２を案内すると共に光センサ２０の発信
部２１及び受光部２２のセンサ面を露出させるための溝
２３が形成されているので、賞品玉１２の通過によりセ
ンサ面が汚れて正確に賞品玉１２の通過を検出できなく
なるといった不都合が生じない。

【００２３】また、本考案は入賞玉の発生に伴う賞品玉
１２の払い出しの際に使用するだけでなく、金銭の投入
に伴って遊戯用の玉を貸し出す玉貸出機にも利用できる
ことはもちろんである。

【００２４】

【考案の効果】以上説明したことから明かなように、本
考案の玉払出機によれば、払い出す玉の個数を任意に設
定できるので、従来のように一度に払い出す玉の個数に
合わせて複数機の玉払出機を設ける必要がなく、玉払出
機の製造及び組立が容易となる。更に、連続して玉を払
い出す必要が生じた場合でも玉を払い出す際に遅れを生
じることがないという効果がある。

【００２５】また、賞品玉の案内路が形成された上部基
体と、その上部基体の下方に取り付けられ案内路に連通
する玉誘導路が形成された下部基体とを設け、その下部
基体の玉誘導路内に、周囲に螺旋状に玉通路が形成され
賞品玉の流下を防止する流下防止部材を配置し、その流
下防止部材を回転駆動するため上部基体に取り付けられ
たパルスモータを取り付けており、このため、玉払出機
をユニットとして構成でき、その組立て作業を容易且つ
安価になし得る。

【００２６】しかも、下部基体の玉誘導路には、流下防
止部材に対し複数の方向より賞品玉を導入するための複
数の誘導路が形成されると共にその複数の誘導路の下端
はそれぞれ玉払出口とされ、それらの玉払出口から払い
出される玉の個数を計数するため下部基体にそれぞれカ
ウントセンサが取り付けられており、このため、賞品玉
を短時間の内に連続して払い出すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を具体化した玉払出機の構成を示す説明
図である。

【図２】本実施例の玉払出機の分解斜視図である。

【図３】本実施例の玉払出機をパチンコ機に取り付けた
状態を示す説明図である。

【図４】本実施例の玉払出機及びパチンコ機の動作を制
御する制御システムを示すブロック図である。

【図５】（ａ）はカウントセンサの別の例としての光セ
ンサの構成を示す断面図である。 （ｂ）は（ａ）に示す光センサにおいて、発信部から受
信部を見たときの正面図である。

【符号の説明】

１ 流下防止部材 ３ パルスモータ５ 下部基体 ６ 上部基体 ７ カウントセンサ １１ 賞品玉タンク１２ 賞品玉 １６ 案内路 １７ 払出口 １８ 誘導路

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 賞品玉の案内路が形成された上部基体
   と、 その上部基体の下方に取り付けられ前記案内路に連通す
   る玉誘導路が形成された下部基体と、 その下部基体の 前記玉誘導路内に配置され、周囲に螺旋
   状に玉通路が形成され賞品玉の流下を防止する流下防止
   部材と、 その流下防止部材を回転駆動するため前記上部基体に取
   り付けられたパルスモータと、 前記下部基体の前記玉誘導路には、前記流下防止部材に
   対し複数の方向より前記賞品玉を導入するための複数の
   誘導路が形成されると共にその複数の誘導路の下端はそ
   れぞれ玉払出口とされていることと、 それらの 玉払出口から払い出される玉の個数を計数する
   ため前記下部基体にそれぞれ取り付けられたカウントセ
   ンサとを有することを特徴とする玉払出機。