JP2931876B1 - 球貸し払出し装置 - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】 従来遊技者へ貸し球を払い出す機能と遊技に
よって払い出される景品球を払い出す機能とが、制御回
路と機構の面などに関して共有する構成となっており、
同一の払出し装置で処理を行なっていた。また、現状の
払い出し装置は複雑な電子計測制御機能を備えているた
めに不正行為が多発する要因となった。前述不正防止の
目的のため、球貸し用と景品球の払出し用と２台の装置
を使用すると、必然的にコストアップは避けられない問
題点があった。 【解決手段】 所定数の貸し球を螺旋形状を用いた球誘
導路１０で貯溜することで最小限の体積の小型化した装
置で、螺旋形状の球誘導路１０の往復回動によって、球
貸出し球の供給口３と排出口４とを交互に開閉し、確実
に所定の個数のみの球貸し球を払出しできるように構成
したことを特徴とする球貸し払出し装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は球貸し払出し装置に
関し、さらに詳しくは、昨今、ＣＲ遊技機に於ける行政
の見解として、賞球払出装置より払い出される「貸し
球」と「景品球」の２種類は役割が別のものである、と
いう解釈がなされているなかで、不正防止のため景品球
と貸し球の払出機構を分けて用いることを前提としたと
きに、本発明は球貸し専用として安価に提供できる球貸
し払出し装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在、パチンコ遊技機には「ＣＲ機」と
「普通機」の２種類があり、ＣＲ機に関しては、遊技者
へ貸し球を払い出す機能と、遊技によって払い出される
景品球を払い出す機能とが、制御回路と機構の面などに
関して共有する構成となっており、同一の払出装置で処
理をおこなっている。また、現状の払出し装置は複雑な
電子計測制御機構を備えてるが故に、容易に払出しを指
令する信号などを狂わせることが要因で、不正行為が後
を絶たない状況である。

【０００３】ところが、払出しに不正があった場合、同
一の払出し装置を使用しているためゲーム側で不正があ
ったのか、或は球貸し側に不正があったのかの判別が難
しく、責任の所在は曖昧なままであり、不正行為を防止
する的確な解決策がない状況である。

【０００４】而して、元来景品球はゲームの内容と関係
するが、貸し球はゲームの内容とは無関係で、役割は別
のものであるという行政の見解があるなかで、不正を防
止するために球貸しと景品球の払出しを異なる装置にて
処理するという提案がパチンコ業界内でなされている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現状の
払出し装置は、１入賞球に対して景品球は最高１５個、
最低２個までと規制はされているものの、景品球のなか
でも主賞球や副賞球といった少なくとも２種類以上の景
品球払出しパターンがあり、尚且つゲーム内容の変化に
伴う払出し景品球の変化に対応する必要があるなど、複
数の異なる個数の払出し機能が求められているため、１
球毎の計測が可能な機構を有している。その機構とはス
テッピングモーターやパルス信号によって１球ずつを計
測する電子計測制御機構で、制御基盤における駆動回路
や計測回路などの役割が複雑になり、電気部品も多用す
ることから現状の払出し装置は非常に高価なものとなっ
ている。

【０００６】つまり、不正防止の目的のために、球貸し
用、景品球の払出し用と、前述の機構を有する払出し装
置を２台用いて処理しようとすると、必然的に遊技機械
のコストアップは避けられず延いてはメーカー側に経済
的な負担を抱えさせることになってくる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はもと
もと、パチンコ遊技機に於いて、景品球の払出しに関す
る機能は、遊技内容によって複数の異なる個数を払い出
す機能が求められるため、１球毎の計測が可能である前
述のような複雑な電子計測制御機構を必要とするが、一
方の球貸しは、払出し１単位１００円あたりの球貸し数
は２５個と予め定められているため複数の異なる個数を
払い出す機能は全く必要とされず、その単位毎に球貸し
を行い、遊技者が必要とする単位まで繰り返して行なう
ことによって、球貸しに求められる機能は充分確保でき
ると考えた。

【０００８】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、本発明の要旨とするところは、ケ−
ス内に螺旋形状を用いた球誘導路を設けて、最小限の体
積で所定数の球貸し球を貯溜できるようにして、この螺
旋形状の誘導路の往復回動によって、球貸し球の供給口
と排出口とが交互に開閉することで所定数の球貸し払出
しができるように構成したことを特徴とする球貸し払出
し装置である。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の装置を実施例に基いて、
図面を参照しながら詳細に説明する。１はパチンコ遊技
機裏面の適宜の位置に取付けされる本発明の装置を内蔵
するケースであって、ケ−ス１の内側には回転体７を包
み込む円筒状の壁が設けられており、円筒状の壁と回転
体７の球誘導路１０は貸し球１１が１個流下する間隔が
設定されている。このケース１の上部を掩うケ−ス蓋２
の略中央部に長孔９が穿設され、さらにケ−ス蓋２の側
部に球入口部３が、またケース蓋２の下面中央部に円形
筒１３が夫々一体に設けられている。４は貸し球払出し
口で、ケ−ス１の底部に下方に向かって一体に垂設され
ている。１２はケ−ス１内底部の中央部所謂ケース蓋２
の円形筒１３と相対する位置に一体に突設してなる円形
筒で、この円形筒１２及び円形筒１３には軸受管５がそ
れぞれ固着されている。６はケ−ス１底部の軸受管５に
挿通して植立されている基軸。７は上部に突起部８を突
設してなる回転体で、この回転体７の外周部に球入口部
３からケース１内に送り込まれた貸し球１１が自重落下
して、貸し球払出し口４へと流降していくように貸し球
１１を誘導するための螺旋形状を用いた球誘導路１０が
一体に形成されている。なお、この誘導路１０には球が
逆進行しないために、誘導路１０の始まりには遮止壁１
４が、終端部には球が停止するための停止壁１５がそれ
ぞれ一体に設けられている。すなわち、球入口部３と貸
し球払出し口４との位置関係は、球入口部３が回転体７
に対して開口しているときには、回転体７に設けた球誘
導路１０の終端部の停止壁１５が貸し球払出し口４上を
塞ぐので貸し球１１の出口はなく、この逆に貸し球払出
し口４が回転体７に設けた球誘導路１０の終端が対向し
て開口状態になるときは、球入口部３が回転体７の遮止
壁１４に塞がれて球の入り口はない。

【００１０】このように構成した回動体７を基軸６へ回
動自由に遊嵌する。次いで、回転体７の突起部８を長孔
９より貫通させて基軸６の上部をケース蓋２の軸受管５
へ遊嵌しながらケース蓋２にてケース１を掩い密閉す
る。なお、図示していないが、回転体７の突起部８は電
気的又は機械的駆動源へ接続されていることは当然であ
る。

【００１１】（作用）本発明の装置の作用を説明する
と、図３に示すように先ず球入口部３よりケ−ス１内へ
補給される貸し球１１は、球誘導路１０の遮止壁１４で
逆進行しないように流下し球誘導路１０に導かれて流下
経路の終端部の停止壁１５のケ−ス底部で遮断され、そ
のとき貸し球払出し口４上に停止壁１５が停止するよう
設定されているので、流下した貸し球１１は球誘導路１
０の終端部にある停止壁１５で停止し、これにより停止
球から数えて２５個目の貸し球１１がケ−ス１内に貯溜
できる範囲となり、単位毎の払出し数が計量される。
（図１参照）このとき、ケ−ス１の底部に垂設される貸
し球払出し口４上の貸し球１１の直径に満たない距離分
の位置に停止壁１５が停止し、その停止壁１５で流降を
遮られた１個目の貸し球１１はケ−ス底部と貸し球１１
の底部が確実に接地し、尚且、停止壁１５によって貸し
球払出し口４までの距離が、貸し球１１の直径分に満た
ない距離しかないので貸し球払出し口４から落下できず
停止している。。そして、その状態のときに遊技者が球
貸しの要求を行なうと、電気的又は機械的駆動源（ソレ
ノイド）が働いて（図示せず）突起部８が長孔９内を添
接して所定分だけ回動し、このとき回転体７も同時に回
動する。回転体７が回動することにより、図４に示すよ
うに球誘導路１０の貸し球１１が球誘導路１０を逆進行
できないように設けられた遮止壁１４にて球入口部３は
遮閉され、反対に貸し球払出し口４を遮閉していた停止
壁１５も同時に回動するので貸し球払出し口４が開放さ
れることとなる。したがって貸し球の自重によりケース
１内の貸し球（１単位１００円につき２５個）が降下し
て貸し球払出し口４から貸し球１１が払い出される。こ
の際、補給通路の球入口部３は螺旋形状の球誘導路１０
の球が逆進行できないように設けられた遮止壁１４にお
いて遮断され、次の補給球は球誘導路１０に流下できず
待機することとなる。そして単位払出し数を排出するの
に必要な時間を予め回路基板に設定し、電気的駆動源で
球誘導路１０を設定した時間だけ回動保持された後、元
の位置に復帰する。そして再度、単位払出し数を貯溜す
るのに必要な時間を予め回路基板に設定し保持する。こ
れによって、ケ−ス内に単位数の球貸し球１１が満杯に
貯溜される。この動作を繰り返すことにより、単位払出
しが確実に計量され、必要な回数の払出しが可能とな
る。

【００１２】

【発明の効果】現在パチンコ業界に蔓延している不正防
止のために、賞球払出しの装置と、球貸し払い出しの装
置を分離する手段は、今後、重要かつ緊急な手段となっ
ていくなかで、現在一般的に使用されている払出し装置
は複雑な電子計測制御にて処理を行なうため高価な装置
であったが故に賞球払出し用、球貸し払出し用にと、現
在の払出し装置を２台ずつ、各遊技機に備えることは遊
技機のコストアップにつながったが、本発明の装置は上
述のようであるから、装置内に貸し球の予備球が蓄積さ
れた状態で、回転体に突設した突起部を作動させるため
に、電気的又は機械的駆動源から突起部を所定の角度分
だけ回動させるだけで、螺旋形状の球誘導路の往復回動
によって、球貸し球の供給口と排出口とが交互に開閉さ
れる機構のみで足りるから、電子計測制御を行なわずと
も、確実に、所定個数のみの球貸しを行なえる機能を発
揮できる。

【００１３】また、従来の払出し装置を球貸し払出し用
装置として各遊技機に取付けるよりも、本発明の球貸し
払出し装置を球貸し専用の装置として取付ける方がはる
かに低廉な価格ですむ。

【００１４】さらに、本発明の螺旋形状の誘導路を用い
ると、所定数の球貸し球を螺旋形状の誘導路で貯溜する
ために球貸し払出し装置のケ−ス全体の体積は屈曲樋路
で形成した場合と比較すると最小限に小型化できるた
め、取付けに広いスペースを必要とせず、現在既に設置
されている払出し装置に隣接して取り付けることが可能
で、然も低廉な価格にて提供できる。

【００１５】尚且つ、本発明の装置は従来の払出し装置
のように電子計測制御機構を備えていないため、球の払
出しを指令する信号を狂わせるといった不正行為は勿論
不可能であると共に、誤信号などによって、誤って球が
払い出されるような現象も起こりえないため、不正防止
に大いに役立つものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の装置の貸し球を貯溜させた状態を示す
内部を透視した斜視図である。

【図２】本発明の要部の参考縦断面図である。

【図３】本発明の誘導路内に貸し球を貯溜した状態を示
す透視側面図である。

【図４】本発明の誘導路内の貸し球を払出す状態を示す
透視側面図である。

【符号の説明】

１ ケース ２ ケ−ス蓋 ３ 球入口部 ４ 貸し球払出し口 ５ 軸受管 ６ 基軸 ７ 回転体 ８ 突起部 ９ 長孔 １０ 球誘導路 １１ 貸し球 １２ 円形筒 １３ 円形筒 １４ 遮止壁 １５ 停止壁

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケ−ス内に螺旋形状を用いた球誘導路を
   設けて、最小限の体積で所定数の球貸し球を貯溜できる
   ようにして、この螺旋形状の球誘導路の往復回動によっ
   て、球貸し球の供給口と排出口とが交互に開閉すること
   で所定数の球貸し払出しができるように構成したことを
   特徴とする球貸し払出し装置。