JP2518770Y2 - 車両のアウトサイドミラー取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、トラック、バス等車両のアウトサイドミラ
ー取付構造に関する。

［従来の技術］ 従来のアウトサイドミラーは、通常、ミラー側に設け
たビボットをアーム側に設けた挟持部で挟持固定するよ
うにしていた（例えば本出願人による実開昭58−12041
号公報および実開昭57−101640号公報等）。

上記した従来の取付構造においては、アウトサイドミ
ラーを挟持部に仮締めすることが困難である。したがっ
て、アウトサイドミラーをアームに対し取付け、取外す
際は、一人の作業員がアウトサイドミラーを保持し、他
の作業員が締付け固定する必要があり、単独作業で取付
け、取外しを行うことは困難である。

また、実開昭55−47486号公報にはピボットを皿ばね
と受座とにより挟持するバックミラーが開示されてい
る。しかしながら、かかる公知技術ではすでに組立てら
れたミラーを取付けるもので、ミラー自体の組立は単独
の作業員で行うことは困難である。

［考案が解決しようとする課題］ したがって本考案の目的は、一人の作業員が容易に取
付け取外しすることができる車両のアウトサイドミラー
取付構造を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案によれば、アーム（10）の端部にピボット
（９）を形成し、各鏡（２）のハウジング（１）に該ピ
ボット（９）を挟持固定するアウタレインホース（３）
とインナレインホース（４）とを設けた車両用のアウト
サイドミラー取付構造において、前記ハウジング（１）
にピボット（９）に係合する係合部（1b）を備えた凹部
（1a）と、係合部（1b）の側方に該ピボット（９）を該
凹部（1a）に案内する溝部（1c）とを形成し、前記イン
ナレインホース（４）は該凹部（1a）を内側から補強し
ており、アウタレインホース（３）には前記ピボット
（９）を覆う突部（3a）が形成され、該突部（3a）の溝
部（1c）側に突部（3a）より小径の半筒部（3b）が開口
しており、そしてアウタレインホース（３）の上端はハ
ウジング（１）に設けた透孔（1e）から突出しており、
その突出した端部（3c）とハウジング（１）との間に弾
性手段（８、8A、8B）を設け、該アウタレインホース
（３）の下端を前記インナレインホース（４）に固着す
る固着手段（６）を設けてある。

［作用］ 上記のように構成された車両のアウトサイドミラー取
付構造においては取付けに際し、カバーおよびボルトを
取外し、溝部でピボットを案内しながらピボットを下端
がフリーになったアウタレインホースとハウジングとの
間に押し込む。これによりピボットに押し拡げられたア
ウタレインホースは、ピボットが納まるとスプリングに
より原状に復帰し、アウトサイドミラーをピボットに仮
付けする。取外す際は、カバーおよびボルトを取外し、
ハウジングをピボットから外れる方向に引張って取外
す。

［実施例］ 以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。第１
図ないし第３図において、アウトサイドミラーは、ミラ
ーアッセンブリＡとカバー５とからなり、ミラーアッセ
ンブリＡのハウジング１の表側には鏡体２が取付けられ
ており、背面には略方形の凹部1aが形成されている。こ
の凹部1aにはアーム10に形成されたピボット９の外形の
略半部に係合する係合部1bが形成され、ハウジング１の
係合部1bの側方には、ピボット９の外形の一部に係合し
逐次深くなる溝部1cが形成されている。また、凹部1aの
上下の開口縁部には、それぞれ断面３角形状のカバー取
付溝1d、1dが刻設されている。

前記凹部1aの鏡体２側は、接着されたインナレインホ
ース４で覆われ補強されている。このインナレインホー
ス４と凹部1aの上部とには、透孔4aと1eとが対向して穿
設され、インナレンイホース４の下部には図示しない透
孔が穿設され、その鏡体２側には、ナット７、７が固着
されている。

アウタレインホース３は凹部1a内に収まるように形成
されている。その中程にはピボット９の外形の略半部を
覆う突部3aが形成され、その突部3aの溝部1c側には、突
部3aより少し小径の半筒部3bが形成されている。このア
ウタレインホース３の上端部は、前記透孔1e、4aから突
出されて２回折曲げられその端部3cとハウジング１との
間には弾性手段である引張り型のコイルスプリング８が
張設されている。そして、アウタレインホース３および
ハウジング１には、ナット７、７に対抗する透孔3d、3d
（ハウジング１の透孔は図示しない）が穿設され、この
透孔3dに挿通されナット７に螺合するスクリュー６とナ
ット７とにより固着手段が構成されている。

他方、凹部1aのカバー取付溝1d、1dには、カバー５が
突縁部5a、5aを介して着脱自在に嵌着されるようになっ
ている。

アウトサイドミラーの取付けに際し、ミラーアッセン
ブリＡからスクリュー６、６を取外した状態で、溝部1c
をピボット９の軸線に位置させる（第３図）。次いで、
アッセンブリＡをピボット９の方に移動し、溝部1cにガ
イドさせてピボット９をアウタレインホース３とハウジ
ング１との隙間に押し込む（第４図）。すると、ピボッ
ト９によりアウタレインホース３は第１図に鎖線で示す
ように押し拡げられ、ピボット９はアウタレインホース
３とハウジング１のそれぞれの突部3aと係合部1bとの間
に納められる。ピボット９が収まると、アウタレインホ
ース３はコイルスプリング８に付勢されて原状に復帰
し、この状態で手を離しても脱落しないようにアッセン
ブリＡをアーム10に仮付ける。最後にアッセンブリＡの
位置を調整し、スクリュー６、６で固定し、カバー５を
取付けて終る（第５図）。

アッセンブリＡを取外す際は、カバー５とスクリュー
６、６とを取外し、アッセンブリＡを持って前述と逆方
向に引張って取外す。

第６図は本考案の別の実施例を示し、アウタレインホ
ース3Aをハウジング１にピン11を介して枢着し、アウタ
レインホース3Aとハウジング１との間に弾性手段である
ピン11を巻回するうずまきスプリング8Aを介装した例で
ある。

第７図も本考案の別の実施例を示し、アウタレインホ
ース3Bの上端部とハウジング１とに、弾性手段であるＬ
字状のプレートスプリング8Bをリベット12、12により取
付けた例である。

第８図も本考案の別の実施例を示し、アウタレインホ
ース3C全体をプレートスプリングで形成し、その上端の
折曲げ部をリベット12によりハウジング１に固設した例
で、この実施例では、アウタレインホース3Cはミラーア
ッセンブリを取付け、取外す際に２点鎖線で示すように
弾性変形する。

［考案の効果］ 本考案は、以上説明したように構成されているので、
溝部でピボットを案内しながらピボットをアウタレイン
ホースとハウジングとの間に挿し込み、拡げられたアウ
タレインホースはピボットが収まるとスプリングの作用
で復帰するので、アウトサイドミラーをピボットを仮付
けできる。したがってカバーの取付等は一人の作業員で
行うことができ、アームのハウジングを取付け取外す作
業が容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ本考案の一実施例のミラ
ーアッセンブリおよびカバーを示す側断面図、第３図な
いし第５図はミラーアッセンブリの取付け手順を示す斜
視図、第６図ないし第８図はそれぞれ異なる本考案の別
の実施例を示す要部の側断面図である。 １……ハウジング、３、3A、3B、3C……アウタレインホ
ース、４……インナレインホース、６……スクリュー、
７……ナット、８……コイルスプリング、8A……うずま
きスプリング、8B……プレートスプリング、９……ピボ
ット、10……アーム

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アーム（10）の端部にピボット（９）を形
   成し、各鏡（２）のハウジング（１）に該ピボット
   （９）を挟持固定するアウタレインホース（３）とイン
   ナレインホース（４）とを設けた車両用のアウトサイド
   ミラー取付構造において、前記ハウジング（１）にピボ
   ット（９）に係合する係合部（1b）を備えた凹部（1a）
   と、係合部（1b）の側方に該ピボット（９）を該凹部
   （1a）に案内する溝部（1c）とを形成し、前記インナレ
   インホース（４）は該凹部（1a）を内側から補強してお
   り、アウタレインホース（３）には前記ピボット（９）
   を覆う突部（3a）が形成され、該突部（3a）の溝部（1
   c）側に突部（3a）より小径の半筒部（3b）が開口して
   おり、そしてアウタレインホース（３）の上端はハウジ
   ング（１）に設けた透孔（1e）から突出しており、その
   突出した端部（3c）とハウジング（１）との間に弾性手
   段（８、8A、8B）を設け、該アウタレインホース（３）
   の下端を前記インナレインホース（４）に固着する固着
   手段（６）を設けたことを特徴とする車両のアウトサイ
   ドミラー取付構造。