JPH0236759Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車用ランプの取付構造に関するも
のである。

従来技術とその問題点 従来、自動車用ランプの取付構造として、例え
ば実開昭59−117546号公報に記載のように、ラン
プの一端部を取付ネジにて車体に固定するととも
に、ランプの他端部背面に上記取付ネジの軸線方
向に対して角度を持つて傾斜したピンを突設し、
該ピンの先端膨出部を車体の嵌合孔に嵌入するこ
とにより、ランプを車体に取り付けるようにした
ものが知られている。

上記構造の場合、ランプの他端部がピンと嵌合
孔の嵌合によつて保持されているため、取付ネジ
の本数を少なくでき、外観意匠的に好ましいとい
う利点はあるが、ピンと嵌合孔との嵌合力不足に
よつてピンが外れるおそれがあつた。このピンの
嵌合外れを防止するためには、ピンと嵌合孔との
嵌合力を強くすればよいが、ランプの組立作業性
およびバルブ交換時の取り外し作業性からみれ
ば、ピンと嵌合孔との嵌合力を極力小さくする必
要がある。

考案の目的 本考案はかかる相反する問題点を解消するため
になされたもので、その目的は、ランプの組立お
よび取り外し時におけるピンと嵌合孔との着脱が
容易で、かつ取付状態においてランプに外力が加
わつたてもピンが嵌合孔から恐れがない自動車用
ランプの取付構造を提供することにある。

考案の構成 上記目的を達成するために、本考案は、ピンの
先端に膨出部を設けるとともに、車体のブラケツ
トには上記膨出部を嵌合保持する嵌合孔を有する
クリツプを装着し、かつ上記ブラケツトにはクリ
ツプの取付ネジとは反対方向への傾きを規制する
規制壁を設けたものである。

すなわち、取付状態においてランプに外力が加
わつた時、ランプは取付ネジの締付部を支点とし
て回動しようとするが、ピンは規制壁側に傾くこ
とができないため、ピンと嵌合孔との嵌合外れを
防止できる。また、ランプの組立時には上記規制
壁の存在にかかわらずピンを嵌合孔にスムーズに
挿入でき、取り外し時には取付ネジを外した後ラ
ンプを規制壁とは反対側に傾ければ、ピンを嵌合
孔から容易に引き抜くことができ、作業性を何ら
損なわないものである。

実施例の説明 図面は本考案を自動車のコーナリングランプに
適用した一例を示し、１は車体、２は車体１の前
面部に設けられたランプ保持枠、３，４はランプ
保持枠２内に保持されたヘツドランプ、５はコー
ナリングランプである。

コーナリングランプ５は、第３図に示すように
バルブ６と、バルブ６を保持したソケツト７と、
ソケツト７を保持したランプ本体８と、ランプ本
体８の開口部にシール材９を介して被着されたレ
ンズ１０とで構成されている。ランプ本体８およ
びレンズ１０の一端部にはネジ取付部８ａ，１０
ａが一体に形成されており、このネジ取付部に取
付ネジ１１が挿通され、取付ネジ１１の先端部が
ランプ保持枠２の取付座２ａを貫通して車体１の
ナツト部１ａに締付固定されている。

一方、ランプ本体８の背面にはボス部８ｂが突
設されており、このボス部８ｂには先端部に膨出
部１２ａを有するピン１２が上記取付ネジ１１軸
線方向に対して角度θ（例えば30゜）をもつて傾斜
した状態で固定されている。上記ランプ保持枠２
の内部には板金属のランプハウジング１３が設け
られており、このランプハウジングに固定された
ブラケツト１４の貫通穴１４ａに、割溝を有する
筒状クリツプ１５が嵌着されている。上記ピン１
２はクリツプ１５の中央に形成された嵌合孔１５
ａに嵌入され、膨出部１２ａを嵌合孔１５ａの内
部に嵌合保持させることによつてピン１２は抜け
止めされている。また、上記ブラケツト１４の貫
通孔１４ａの前方側、すなわち取付ネジ１１とは
反対側の縁部には、クリツプ１５の傾きを規制す
る規制壁１４ｂがバーリングにて形成されてい
る。

上記構造において、コーナリングランプ５を車
体１に取り付けるには、ピン１２をクリツプ１５
の嵌合孔１５ａに第３図矢印Ａ方向より節度感が
あるまで嵌入した後、取付ネジ１１を車体１のナ
ツト部１ａに螺着すればよい。上記ピン１２を嵌
合孔１５ａに嵌入する際、ブラケツト１４の規制
壁１４ｂはクリツプ１５が拡張するのを阻害しな
いため、規制壁１４ｂをを有しない場合と同様に
スムーズに嵌入できる。

一方、取付状態において、コーナリングランプ
５になんらかの外力が作用すると、コーナリング
ランプ５は取付ネジ１１の締付部を支点として第
３図右回り方向に回動しようとし、これに伴いピ
ン１２は規制壁１４ｂ側に傾こうとする。ところ
が、この傾きは規制壁１４ｂで阻止されるため、
クリツプ１５の拡張が規制され、ピン１２の膨出
部１２ａとクリツプ１５との嵌合が外れるおそれ
がない。

また、バルブ６の交換時などコーナリングラン
プ５を取り外す場合には、まず取付ネジ１１を外
し、ランプ５の後部側（ネジ取付部８ａ，１０ａ
側）を浮かせた状態でピン１２を引つ張れば、第
５図に示すようにクリツプ１５が規制壁１４ｂと
干渉せず、クリツプ１５は拡張してピン１２の膨
出部１２ａを容易に引き抜くことができる。

なお、本考案においてピン１２の方向は、第３
図に示すように取付ネジ１１の先端側に向かつて
傾斜した場合に限らず、取付ネジ１１の頭部側に
向かつて傾斜したものでもよい。

考案の効果 以上の説明で明らかなように、本考案によれば
車体のブラケツトにクリツプの取付ネジとは反対
方向への傾きを規制する規制壁を設けたので、取
付状態においてランプが取付ネジの締付部を支点
として回動しようとしても、ピンは規制壁側に傾
くことができないため、ピンと嵌合孔との嵌合外
れを防止できる。また、ランプの組立時にはピン
をその軸線方向に嵌合孔に挿入すれば、規制壁が
クリツプの拡張を阻害しないのでスムーズに挿入
でき、取り外し時には取付ネジを外した後ランプ
を規制壁とは反対側に傾ければ、ピンを嵌合孔か
ら容易に引き抜くことができ、作業性を何ら損な
わないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した自動車の前部斜視
図、第２図はランプ取付部分の拡大斜視図、第３
図は第２図の−線拡大断面図、第４図は要部
の分解斜視図、第５図はランプ取り外し時の要部
断面図である。 １……車体、５……コーナリングランプ、８…
…ランプ本体、１０……レンズ、８ａ，１０ａ…
…ネジ取付部、１１……取付ネジ、１２……ピ
ン、１２ａ……膨出部、１４……ブラケツト、１
４ａ……貫通孔、１４ｂ……規制壁、１５……ク
リツプ、１５ａ……嵌合孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ランプの一端部に取付ネジで車体に固定される
   ネジ取付部を設けるとともに、ランプの背面に取
   付ネジの軸線方向に対して角度を持つて傾斜した
   ピンを突設し、該ピンを車体の嵌合孔に嵌入する
   とともにネジ取付部を取付ネジで車体に固定する
   ことにより、車体に取り付けられる自動車用ラン
   プにおいて、上記ピンの先端に膨出部を設けると
   ともに、車体のブラケツトには上記膨出部を嵌合
   保持する嵌合孔を有するクリツプを装着し、かつ
   上記ブラケツトにはクリツプの上記取付ネジとは
   反対方向への傾きを規制する規制壁を設けたこと
   を特徴とする自動車用ランプの取付構造。