JP2518550B2 - 駐車装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、複数台の車を収納する駐車装置に係り、
特に、個人住宅等に設置される駐車装置に関するもので
ある。

［従来の技術］ 従来、複数台の車を駐車することができる駐車装置と
しては、車が載置される複数の駐車台（パレット）を水
平を保持した状態で回転機構に支持して、駐車台を回転
自在とした、いわゆる立体型の駐車装置があった。

この立体型の駐車装置は、回転機構を駆動することに
より、駐車台を所定の位置（地上）まで移動させて車を
格納し、さらに、駐車台を回転移動させることにより、
順次、他の駐車台を所定の位置まで移動させ、それぞれ
駐車させるようにして複数台の車を駐車させていた。

また、他の駐車装置としては、一個または複数のパレ
ットを上下動自在に設け、その移動経路の両側または片
側に固定の収納台を設け、前記パレットに乗せた車を収
納台の位置に移送して複数台駐車させる駐車装置が知ら
れている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上記従来の技術における駐車装置は、
大規模駐車場向けのもので、駐車台を回転させる装置で
は、回転機構が大型となって、また、パレットを上下動
させるものでは、このパレットによる移送部の他に、移
送した車を収納する収納部が必要となることにより占有
面積が広くなり、個人住宅等の少数台の駐車した行わな
い所には適していないという問題があった。

この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その
目的は、個人住宅等においても設置することができる駐
車装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ この発明に係る駐車装置は、それぞれ車が載置される
下段駐車台と上段駐車台とをそれらの一端部にて連設し
てなる２段式の駐車装置であって、 前記下段駐車台の前端に、所定の傾斜を有するテーパ
部が形成され、該テーパ部に、その傾斜に沿って前記上
段駐車台を水平移動させつつ昇降させかつ該上段駐車台
を降下させた位置で該上段駐車台を傾斜可能に支持する
上段支持部が移動自在に設けられてなることを特徴とす
る。

［作用］ この発明に係る駐車装置によれば、上段駐車台に車を
駐車または降車させる場合、下段駐車台のテーパ部に沿
って上段支持部をスライドさせることにより、上段駐車
台を水平状態を保持したまま水平移動させつつ降下さ
せ、該上段駐車台を降下させた位置で該上段駐車台を傾
斜させて上段駐車台の一端を接地させることにより、上
段駐車台に車を載せるまたは降車を行わせる状態とする
ことができる。

そして、上段駐車台に車を載せ、または降車を行わせ
た後、上段駐車台を傾斜状態から水平状態に移動させ、
さらに上段支持部をテーパ部に沿って上昇させて上段駐
車台を通常の状態とし、この状態において、下段駐車台
への駐車または降車を行わせることができる。

［実施例］ 以下、この発明に係る駐車装置の一実施例を図面を参
照して説明する。

この実施例における駐車装置は、第１図に示すよう
に、それぞれ車が載置される下段駐車台１と上段駐車台
２とをそれらの前端部にて連設した２段式となってい
る。

そして、この実施例においては、前記下段駐車台１の
前端部には、所定の傾斜を有するテーパ部3,3がその両
側部にそれぞれ形成されており、該テーパ部３に、その
傾斜に沿って上下動自在に上段支持部４が立設され、か
つ該上段支持部４に、ヒンジ５およびシリンダ６によっ
て傾斜自在に前記上段駐車台２が連設されてなる。

また、第１図において、符号７は、上段支持部４を上
下動させるための昇降駆動部、符号８は、上段駐車台２
を傾斜駆動するための傾斜駆動部であり、二点鎖線で示
すカバー９に覆われて、通常は見えないようになってい
る。

なお、符号10,10……は、駐車された車の前後移動を
規制するタイヤストッパであり、上段駐車台１および下
段駐車台２に、それぞれ所定の間隔をおいて、かつ出没
自在に配設されている。

上記各部を詳細に説明すると、第２図に示すように、
下段駐車台１の前端部には、前板部11が立設され、該前
板部11の下部両側に、前記テーパ部３が下段駐車台１に
向って形成されており、前板部11はテーパ部３を除いた
部分が上段駐車台２の高さまで上方に向って延在してい
る。

テーパ部３上には、案内用のレール3aがそれぞれの傾
斜に沿って配設されている。

上段支持部４は、テーパ部３に連続した前板部11に嵌
め合わせられるようにその後部がコ字状に切り欠いたよ
うに形成され、その両側板部4a,4aの下面が前記テーパ
部3aに沿って傾斜するように形成されて、同下面にレー
ル3aに嵌合する凹部A,Aがそれぞれ形成されて、テーパ
部分３に沿ってスライド自在となっている。

同第２図において、前記昇降駆動部７は、前板部11の
両側下端付近に、巻取モータ7a,7aが支持台12,12にそれ
ぞれ固定され、その上方に、左右同軸上にシーブ7b,7b
が取り付けられたシャフト13が回動自在に固定され、そ
れぞれのシーブ7bに懸けられるワイヤ7cがその一端を上
段支持部４の後部下端付近に連結され、他端部を前記巻
取モータ7aの巻取軸に巻き取られるように構成されてお
り、巻取モータ7a,7aが同期して回転し、ワイヤ7c,7cの
長さを同量づつ巻き取り、巻き出しすることにより、上
段支持部４を昇降させる構成となっている。

前記傾斜駆動部８は、前板部11の中段付近に固定され
た巻取モータ8a,8aと、その上方に回動自在に取り付け
られたシャフト14の左右に取り付けられたシーブ8b,8b
と、上段駐車台２の後端上部付近に一端部が連結され、
上段駐車台２の内部を通過して他端部が前記巻取モータ
8a,8aに巻き取られるワイヤ8cとから構成されており、
上段支持部４の内部には、ワイヤ8cを案内するためのシ
ーブ8d,8dおよびシーブ8eがそれぞれ設けられている。

この傾斜駆動部８は、上段支持部４が降下した時に駆
動されるようになっており、その制御は、例えば、下段
駐車台１に取り付けられた上段支持部４を検出するため
のスイッチ（図示せず）等がオンとなった場合に駆動さ
れるようになっている。

また、第３図において、前板部11の前面には、スクリ
ーン15が配設され、例えば、運転シュミレータ用の画面
が映し出されるようになっている。この図において、符
号16は、運転シュミレータ用の制御シーボードである。

上記構成の駐車装置によれば、上段駐車台２に車を収
納する場合、第４図に示すように、昇降駆動部７の巻取
モータ7a,7aをそれぞれ第４図の時計方向に回動させる
ことにより、ワイヤ7c,7cが伸張されて、下段駐車台１
のテーパ部３に沿って上段支持部４が下方に向ってスラ
イドして、上段駐車台２を水平状態を保持したまま降下
させる。

そして、上段支持部４の一端部が下段駐車台１に接地
すると、傾斜駆動部８の巻取モータ8a,8aが同時計方向
に回動するととともに、シリンダ６が収縮駆動されるこ
とにより、上段駐車台２が傾斜して、上段駐車台２の先
端部を接地させ、上段駐車台２のタイヤストッパ10,10
を下降させることにより、上段駐車台２に車を載せる、
または降車を行わせる状態（第４図の状態）とすること
ができる。

そして、第５図に示すように、車を上段駐車台２上に
移動させ、車が所定の位置に達したときに、タイヤスト
ッパ10,10を上昇させることにより、車を停止状態とす
ることができる。

次に、巻取モータ8a,8aを図の反時計方向に回動させ
るととともに、シリンダ６を伸張させることにより、上
段駐車台２が傾斜状態から第６図に示すように、水平状
態に移行する。

さらに、上段支持部４をテーパ部３に沿って上昇させ
て第７図に示すように、上段駐車台２を通常の状態と
し、この状態において、下段部に車を収納させる状態と
する。

上段駐車台２から車を降ろす場合、上記と同様に、上
段支持部４を下段奥部のテーパ部３に沿ってスライドさ
せ、上段支持部４の一端を下段駐車台１に接地させ、さ
らに、上段駐車台２を巻取モータ8a,8aを駆動するとと
もに、シリンダ６を引張駆動することにより、傾斜さ
せ、その一端部を接地させて、タイヤストッパ10,10を
解除することにより、降車させることができる。

このように、上記実施例の駐車装置においては、回転
機構等の大型な装置を用いることなく、また、移送部等
の他に格納部を必要とすることなく、小型でかつ簡単な
機構で構成することができ、個人住宅等の少数台の車を
駐車する場合に適している。

なお、上記実施例においては、上段支持部４の駆動装
置として、ワイヤによって引っ張り上げるまたは引き降
ろす構成であったが、テーパ部3aと上段支持部４との間
にラックーピニオンギア等を配設して、ピニオンギアを
モータ等で回転駆動するようにして昇降させるようにし
てもよい。

［発明の効果］ この発明に係る駐車装置によれば、それぞれ車が載置
される下段駐車台と上段駐車台とをそれらの一端部にて
連設してなる２段式の駐車装置であって、 前記下段駐車台の前端に、所定の傾斜を有するテーパ
部が形成され、該テーパ部に、その傾斜に沿って前記上
段駐車台を水平移動させつつ昇降させかつ該上段駐車台
を降下させた位置で該上段駐車台を傾斜可能に支持する
上段支持部が移動自在に設けられてなる構成としたの
で、上段駐車台に車を収納または降車させる場合、下段
駐車台のテーパ部に沿って上段支持部をスライドさせ、
該上段駐車台を水平状態に保持したまま水平移動させつ
つ降下させ、該上段駐車台を降下させた位置で傾斜させ
て該上段駐車台の一端を接地させることにより、上段駐
車台に車を載せるまたは降車を行わせる状態とすること
ができる。

そして、前記上段駐車台を傾斜状態から水平状態に移
動させ、上段支持部を下段駐車台のテーパ部に沿って上
昇させて上段駐車台を通常の状態とすることにより、下
段駐車台の降車および収納を行うことができる。

したがって、回転機構等の大掛かりな装置や、収納部
の他に移送部を必要とすることなく、小型でかつ簡単な
機構により、個人住宅等の少数台の駐車に好適であると
いう効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明に係る駐車装置の一実施例を示す側
面図、第２図は同実施例の要部を示す斜視図、第３図は
同実施例の斜視図、第４図〜第７図は同実施例における
駐車方法を示すそれぞれ側面図であり、第４図は上段駐
車台に車を駐車させる前の状態または降ろした状態をを
示す側面図、第５図は上段駐車台に車を載せた状態また
は降車させる前の状態を示す側面図、第６図は上段駐車
台を水平にした状態を示す側面図、第７図は上段駐車台
および下段駐車台に車を駐車した状態を示す側面図であ
る。 １……下段駐車台、２……上段駐車台、 ３……テーパ部、４……上段支持部、 ５……ヒンジ、６……シリンダ、 ７……昇降駆動部、８……傾斜駆動部、 10……タイヤストッパ、 11……前板部、15……スクリーン、 16……制御キーボード。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれ車が載置される下段駐車台と上段
   駐車台とをそれらの一端部にて連設してなる２段式の駐
   車装置であって、 前記下段駐車台の前端に、所定の傾斜を有するテーパ部
   が形成され、該テーパ部に、その傾斜に沿って前記上段
   駐車台を水平移動させつつ昇降させかつ該上段駐車台を
   降下させた位置で該上段駐車台を傾斜可能に支持する上
   段支持部が移動自在に設けられてなることを特徴とする
   駐車装置。