JP2514526Y2 - スピニングリール - Google Patents

スピニングリール

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JP2514526Y2 JP1990080108U JP8010890U JP2514526Y2 JP 2514526 Y2 JP2514526 Y2 JP 2514526Y2 JP 1990080108 U JP1990080108 U JP 1990080108U JP 8010890 U JP8010890 U JP 8010890U JP 2514526 Y2 JP2514526 Y2 JP 2514526Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、リール本体に対して回転自在に支承された
ロータの一対のアーム部夫々の間に亘って、開放姿勢と
巻取り姿勢とに切換揺動自在にベールアームを備えると
共に、前記アーム部の内部に、このベールアームを開放
姿勢と巻取り姿勢とのいずれかに保持するトッグル機構
を備え、ロータの巻取り方向への回転時に、開放姿勢の
ベールアームを巻取り姿勢に操作するリターン機構を備
えて成るスピニングリールに関する。
〔従来の技術〕
従来、上記の如く構成されたスピニングリールとして
は、実開昭62−80570号公報に示されるものが存在し、
従来例では、ベールアームの揺動軸芯と平行する軸芯周
りで揺動自在な揺動部材に対して圧縮バネによって突出
方向に付勢された突出部材を備えてトッグル機構が構成
され、又、ロータの巻取り方向への回動時には揺動部材
に接当して、この揺動部材をベールアームが巻取り姿勢
に向かう側に揺動させる接当部材を備えてリターン機構
が構成されている。
〔考案が解決しようとする課題〕
ここで、従来例のようにロータの回転に伴って自動的
にベールアームを巻取り姿勢に切替える手段を備えたス
ピニングリールを投げ釣りに用いた場合を考えるに、仕
掛の投出を行う際に、例えば、竿の振り操作の方向と直
交する姿勢にハンドルの長手方向が向かうようハンドル
の姿勢が決まっていた場合には、釣り竿の振り操作に伴
ってハンドルに巻取り方向に向かう回動力が作用するこ
ともあり、このハンドルの回動力が強い場合に、ハンド
ルの回動力によってロータを巻取り方向に回動させ、ベ
ールアームを巻取り姿勢に切換えてしまうことも多く、
改善の余地がある。
尚、このように仕掛けの投出時にベールアームが巻取
り姿勢に切換わると、スプールからの釣り糸の繰出しが
不能となって、釣り糸に切断を生ずることになる。
そこで、仕掛の投出時にハンドルの回動力によってベ
ールアームが巻取り姿勢に切換わらないよう、トッグル
機構のバネに強力なものを用いる等の手段を講ずること
も考えられるが、ベールアームは釣りを行っている際に
は頻繁に開閉操作されるため、この操作の荷重が大きく
なると操作が煩わしくなるばかりで無く、釣り人がハン
ドルを回動操作してベールアームの巻取り姿勢への切換
を行う際の操作抵抗も大きくなることから、投げ釣りを
行わない釣り人にとっては操作が負担となることとなり
改善の余地がある。
本考案の目的は、釣り竿を振った際にはベールアーム
が巻取り姿勢に切換わることが少なく、しかも、釣り形
態に対応して、ハンドルの回動操作も楽に行い得るスピ
ニングリールを合理的に構成する点にある。
〔課題を解決するための手段〕
本考案の特徴は冒頭に記したようにトッグル機構とリ
ターン機構とを備えたスピニングリールにおいて、前記
トッグル機構を、前記ベールアームの揺動支軸と平行姿
勢の支軸周りで揺動自在で前記リターン機構で駆動され
る揺動部材と、前記ベールアームを駆動揺動すべくその
ベールアームに連係された突出部材と、前記突出部材を
突出付勢すべくコイル式の圧縮バネとを備え、その圧縮
バネのコイル軸芯を前記支軸と前記ベールアームに対す
る前記突出部材の作用点とを結ぶ線に平行に設け、前記
ベールアームを開放姿勢と巻き取り姿勢との間で切換え
た際には、前記支軸周りでの前記揺動部材の揺動によっ
て突出部材の作用点が前記揺動支軸と前記支軸とを結ぶ
位置のデッドポンイン線を越えるよう構成し、又、支軸
の位置を該支軸と直交する方向でかつ前記圧縮バネの軸
線と交差する方向に移動し、その位置を任意に調節する
リターン調節機構を備えている点にあり、その作用、及
び、効果は次の通りである。
〔作用〕
支軸の位置を調節した場合には、該支軸と揺動支軸と
の軸間距離を変化させ得るので、圧縮バネの付勢力に起
因してベールアームを開放姿勢に保持する力を変化さ
せ、突出部材の作用点がデッドポイントを越えるために
必要とする力も変化させることができる。
しかも、支軸位置調節によってデッドポイント位置も
同時に変更することができる。
例えば、図2に示す状態より更に支軸(12)を右方向
に僅かに操作すると、デッドポイント位置が変化すると
同時に支軸(12)と揺動支軸(11)との間隔が最小にな
り、作用点(15A)がデッドポイントを越えるために必
要とする操作力が最大となる。又、支軸(12)の移動量
に対して圧縮バネ(14)の伸縮量は縮小されるので、調
節量を細かくできる。
〔考案の効果〕
従って、投げ釣りを行う場合には巻取り姿勢へのベー
ルアームの切換えを抑制するよう、デッドポイントを越
えるために必要とする操作力が大きくなる位置に調節す
ることによって、釣り糸に切断を生じない状態で釣りを
行える。一方、仕掛けの投入後迅速に巻き取り操作を行
う必要の有る場合には、デッドポイントを越えるために
必要とする操作力を余り大きくならないような位置に調
節することによって、所望の操作が可能である。
しかも、支軸を移動させて調節操作を行う場合に、支
軸の調節移動方向を圧縮バネの軸芯を横切る方向に設定
してあるので、圧縮バネの軸芯方向に沿って圧縮移動さ
せる場合に比べて操作力を軽減でき、かつ、微調節も可
能であるから、調節操作が容易である。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第5図に示すように、ハンドル(1)を有したリール
本体(2)の前部にベールアーム(3)を有したロータ
(4)、及び、スプール(5)夫々を備えてスピニング
リールを構成する。
第1図乃至第4図に示すように、前記ロータ(4)に
は一対のアーム部(4A),(4A)が一体形成されると共
に、一方のアーム部(4A)に対して揺動自在に支承され
たアーム材(6)と他方のアーム部(4A)との間に亘っ
て前記ベールアーム(3)が配設されることにより、該
ベールアーム(3)はアーム材(6)と一体的に巻取り
姿勢(A)と開放姿勢(B)との二状態に揺動できるよ
う構成されている。
又、このリールではベールアーム(3)を巻取り姿勢
(A)と開放姿勢(B)との二状態に設定保持するため
のトッグル機構(T)と、ベールアーム(3)を開放姿
勢(B)に設定した状態でロータ(4)が巻取り方向に
回動した際には、該ベールアーム(3)を巻取り姿勢
(A)に強制的に切換えるリターン機構(R)とを、一
方のアーム部(4A)に内装している。
尚、このアーム部(4A)の側には、釣り糸を案内する
ガイドローラ(8)、及び、ベールアーム(3)を迅速
に開放姿勢に設定するため、アーム材(6)のカム面
(6A)を押圧操作して該アーム材(6)を回動操作する
レバー(9)夫々が備えられている。
又、投げ釣りを行う場合には、釣り竿(10)を強く振
ることになるので、例えばハンドル(1)が巻取り方向
に回動を生ずる姿勢にある状態ではハンドル(1)に対
して、強い回動力が作用してロータ(4)を回動させる
こともあり、このリールでは、この回動力の作用により
前記リターン機構(R)がベールアーム(3)を巻取り
姿勢(A)に切換える現象を抑制するために、リターン
調節機構(C)も備えている。
前記トッグル機構(T)はアーム材(6)の揺動支軸
(11)と平行する姿勢の支軸(12)周りに揺動自在な揺
動部材(13)に対し、圧縮バネ(14)によって突出方向
に付勢された突出部材(15)を、アーム材(6)に係合
させて成り、このトッグル機構(T)では突出部材(1
5)の先端部(15A)がアーム部内部の隔壁(4B),(4
B)と近接する位置で揺動が阻止され、ベールアーム
(3)の夫々の姿勢(A),(B)が決まる。
第4図に示すように、リターン機構(R)はリール本
体(2)に形成した突出部(2A)、及び、ロータ(4)
が巻取り方向に回動した際に、前記揺動部材(13)に接
当して、該揺動部材(13)を巻取り姿勢(A)の側に揺
動操作するよう、アーム部(4A)に軸体(16)を介して
枢支された揺動片(17)で成る。
前記リターン調節機構(C)は前記揺動部材(13)の
支軸(12)を支持するスライドプレート(18)と、この
スライドプレート(18)をスライド移動させるネジ部材
(19)とで成り、このスライドプレート(18)の移動を
行った場合には、アーム材(6)がデッドポイント(D
P)に達した際の圧縮バネ(14)の圧縮量の変化、及
び、巻取り姿勢(A)の方向への揺動に抗する付勢力の
力成分の変化により操作反力が変化して、ベールアーム
(3)を巻取り姿勢(A)に操作するに必要とする操作
力の調節を行えるのである(尚、この調節時にはデッド
ポイント(DP)の位置も変化する)。
因に、これらの構造は蓋材(20)によって保護されて
いる。
尚、このリールでは第6図に示すようにハンドル
(1)からの駆動系が形成されている。
つまり、ハンドル(1)と連結するハンドル軸(21)
は、リール本体(2)にブッシュ(22)、ベアリング
(23)を介して支承された駆動ギヤ(24)にトルク伝動
自在に内嵌し、この駆動ギヤ(24)からの動力は、ピニ
オンギヤ(25)を介してロータ(4)に伝えられてい
る。
因に、ブッシュ(22)は第7図に示すように、ブッシ
ュ(22)の軸芯と偏芯させた位置にベアリング保持面
(22A)を形成し、又、その外周に嵌合片(22B)・・を
形成してあり、この嵌合片(22B)・・のリール本体
(2)に対する嵌合位置の選択により、例えば、リール
の仕様等に応じてハンドル軸(1)の軸芯位置の変更を
行えるようになっている。
〔別実施例〕
本考案は上記実施例以外に以下の各項に示すようにも
実施できる。
第8図に示すように、揺動部材(13)の支軸(12)を
ロータ(4)のアーム部(4)の長手方向(前後方向)
に向けて変位させるよう、支軸(12)と係合するプレー
ト(30)と、このプレート(30)の位置を決めるネジ部
材(31)とでリターン調節機構(C)を構成する。
因に、これらの別実施例において実施例と等しい機能
を有するものには、実施例と共通する番号・符号を附し
ている。
又、本考案はトッグル機構のバネ力の調節を行う構造
を採用する、或いは、バネ力の調節を高低二段に切換え
る構造を採用する等、様々な形態で実施できる。
尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案に係るスピニングリールの実施例等を示
し、第1図はベールアームの開放構造を示す一部切欠き
平面図、第2図はリターン調節機構の分解図、第3図は
リターン調節機構の断面図、第4図はリターン機構の断
面図、第5図はスピニングリールの全体側面図、第6図
はリールの縦断面図、第7図はブッシュの断面図であ
り、第8図は支軸の位置を調節する形態の別実施例であ
る。 (1)……リール本体、(3)……ベールアーム、
(4)……ロータ、(4A)……アーム部、(A)……巻
取り姿勢、(B)……開放姿勢、(R)……リターン機
構、(T)……トッグル機構、(C)……リターン調節
機構。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】リール本体(1)に対して回転自在に支承
    されたロータ(4)の一対のアーム部(4A),(4A)夫
    々の間に亘って、開放姿勢(B)と巻取り姿勢(A)と
    に切換揺動自在にベールアーム(3)を備えると共に、
    前記アーム部(4A)の内部に、このベールアーム(3)
    を開放姿勢(B)と巻取り姿勢(A)とのいずれかに保
    持するトッグル機構(T)を備え、ロータ(4)の巻取
    り方向への回転時に、開放姿勢(B)のベールアーム
    (3)を巻取り姿勢(A)に操作するリターン機構
    (R)を備えて成るスピニングリールであって、 前記トッグル機構(T)を、前記ベールアーム(3)の
    揺動支軸(11)と平行姿勢の支軸(12)周りで揺動自在
    で前記リターン機構(R)で駆動される揺動部材(13)
    と、前記ベールアーム(3)を駆動揺動すべくそのベー
    ルアーム(3)に連係された突出部材(15)と、前記突
    出部材(15)を突出付勢すべくコイル式の圧縮バネ(1
    4)とを備え、その圧縮バネ(14)のコイル軸芯を前記
    支軸(12)と前記ベールアーム(3)に対する前記突出
    部材(15)の作用点とを結ぶ線に平行に設け、前記ベー
    ルアーム(3)を開放姿勢(B)と巻き取り姿勢(A)
    との間で切換えた際には、前記支軸(12)周りでの前記
    揺動部材(13)の揺動によって突出部材(15)の作用点
    が前記揺動支軸(11)と前記支軸(12)とを結ぶ位置の
    デッドポイント線(DP)を越えるよう構成し、又、支軸
    (12)の位置を該支軸(12)と直交する方向でかつ前記
    圧縮バネ(14)の軸線と交差する方向に移動し、その位
    置を任意に調節するリターン調節機構(C)を備えてい
    るスピニングリール。
JP1990080108U 1990-07-26 1990-07-26 スピニングリール Expired - Lifetime JP2514526Y2 (ja)

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