JP2512318Y2 - 粉体振出し容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、１回の使用量が多い、例えば粉末状入浴剤を
収納するための粉体振出し容器に係る。

「従来の技術」 粉体振出し容器として、容器体口頸部にキャップを螺
合させ、容器体内の粉末を振出すときには、上記キャッ
プを外し、容器体を倒してその口頸部上端の口部から、
上記粉末を振出すようにしたものが知られている。この
粉体振出し容器は、振出しの際に粉末が過度に振出され
るため、流出路を狭くすることで、例えば口部の開口サ
イズを小さくしたり、口頸部の流出路を狭くしたりして
振出し量を制限し、１回または数回の振出し操作で、１
回分の使用量を振出すようにしている。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、上述した従来の粉体振出し容器は、流
出路を狭くしているので、湿気により固まった粉塊が上
記流出路を塞いで、巧く振出せないことや、振出し量が
少なくなるため、１回分の使用量が多い、例えば粉末状
入浴剤のような粉末を収納するには不向きであるという
問題があった。

また上記粉体振出し容器に粉末状入浴剤を充填した場
合には、粉末状入浴剤の粉末が汗止め用パウダー等に比
して重いため、輸送時等の振動により容器下方に沈積し
て、容器内上方には充填時に比べて大きな空間が形成さ
れ、該空間はキャップを外したときに、口部を介して消
費者の眼にさらされることになる。上記空間の形成は粉
入り容器の特質に基ずくもので止むを得ないものである
が、消費者に不快感や製品に対する不信感を抱かせる恐
れがあった。

本案は、１回分の使用量が多い、粉末状入浴剤のよう
な粉末に使用でき、かつ過度の振出しを防止するととも
に、併せて消費者が持ち易い不快感等を除去できるよう
にした粉末振出し容器を提供するものである。

「課題を解決するための手段」 口頸部４を起立する容器体１と、上記口頸部の上端面
へフランジ11を載置して該フランジから垂下する第１周
壁を口頸部４に嵌合させると共にフランジ内周から起立
する短筒状の第２周壁14の上端面を頂壁15で閉塞する栓
体10とからなり、上記第２周壁に適当数の振出し口16を
穿設すると共にそれ等各振出し口内方の頂壁部分から、
該振出し口より大きく設けた複数の振出し制御板17…
を、振出し口16との間および各振出し制御板17,17間に
それぞれ適宜間隙を介在させ、かつ振出し口16下方まで
垂設した。

「作用」 第１図の状態において、口キャップ20および大キャッ
プ22を外すと、第２図が示すように、振出し口16が露出
する。該振出し口16の内方には、栓体10の頂壁15下面か
ら垂下した振出し制御板17が、振出し口16下方まで垂下
している目隠しとなっているから、消費者は容器体内を
観察することができない。該状態の容器体１を傾斜ない
しは倒立させると、栓体10内に入った粉末は、まず頂壁
15に衝突して停止した後、方向を変えて直接、又振出し
制御板17と第２周壁14との間を滑動して、振出し口16か
ら容器体１外へ振り出されることとなり、該振出し口16
から振出される粉末の流出速度は、上記衝突による減速
と、滑動時のおける摩擦による減速により比較的ゆっく
りとなるから、過度に振出されることがない。なお、栓
体10内に流入した粉末は、各振出し制御板17…に囲まれ
た内側、又は各振出し制御板17…に囲まれた外側を通過
することになるが、内側を通過した粉末も各振出し制御
板17,17と間の間隙から、振出し制御板17の外側に回り
込んで振出し口16へ向かうことになるので、上記栓体10
内に流入した粉末の流れはスムーズなものとなる。

「実施例」 １は容器体で、胴部２上端から肩部３を介して口頸部
４を起立する。胴部上端には大キャップ嵌合用の凹溝５
を周設している。口頸部４はその上端部を小外径部と
し、かつその上下方向中間に係合突条６を付設してい
る。

栓体10は、上記口頸部上端面に載置するフランジ11の
外周から外筒12を、又その内周から内筒13を垂下する。
これ等両筒は第１周壁をなすもので、その一方だけで形
成してもよい。フランジ11の内周からは短筒状の第２周
壁14を起立し、該第２周壁上端面を頂壁15で閉塞する。
第２周壁14には適当数の横長孔状の振出し口16がほぼ等
間隔に穿設してあり、また頂壁15の下面からは、上記振
出し口16内方に位置させて、かつ振出し口16との間に適
宜間隙を介在させて、該振出し口より大きく設けた複数
の振出し制御板17…を垂設する。これ等振出し制御板間
にもそれぞれ適宜間隙を介在させ、又その振出し制御板
下端は振出し口16よりも下方に位置させる。

20は口頸部４に第３周壁21を螺合させた口キャップで
あり、又22は第４周壁23下端内面に周設した突条24を既
述凹溝５内へ嵌合させた大キャップであり、これ等は必
要により設ければよい。

「考案の効果」 本案は既述構成とするもので、振出し口16はフランジ
11内周から起立する第２周壁14に穿設したから、横向き
に開口することとなり、従って口頸部上端の口部のよう
に上下方向に開口する場合と違って、既述のように粉体
沈積によって容器体内上方に空間が形成されても、該空
間は見難く、しかもその各振出し口内方の頂壁15部分か
ら、該振出し口より大きく設けた複数の振出し制御板17
…を振出し口下方まで垂設するから、その振出し制御板
が目隠しすることとなって更にその空間を確実に隠すこ
とが出来、よって消費者に既述不快感を感じさせること
がない。

また本案は上述したように、振出し口16をフランジ11
内周から起立する第２周壁14に穿設したから、容器体１
を傾けたときに、栓体内に流入した粉末を頂壁15に衝突
させて停止し、振出し口16からゆっくりと容器体１外へ
振り出すので、過度の振出しを防止することができる。

更に本案は、振出し口16より大きく設けた複数の振出
し制御板17…を、上記振出し口16との間および各振出し
制御板17,17間にそれぞれ適宜間隙を介在させたから、
各振出し制御板17…が囲む内側に流入した粉末が、各振
出し制御板17,17との間隙から、振出し制御板17と第２
周壁14との間へ流れ込み、該間隙を通って振出し口16へ
向かうようになるので、よって、栓体10内に入った粉末
の流れはスムーズなものとなるから、１回の使用量が多
い、粉末状入浴剤のような粉末に対しても適当すること
ができる。

また本案では、上記振出し制御板17を、各出し口内方
の頂壁部分から振出し口16下方まで垂設した簡単な構成
であるから、粉体振出し容器を安価に製造できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はキャップ付き本案容器の半断面図であり、第２
図はキャップを外して示す本案容器の斜視図である。 10……栓体、16……振出し口 17……振出し制御板

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】口頸部４を起立する容器体１と、上記口頸
   部の上端面へフランジ11を載置して該フランジから垂下
   する第１周壁を口頸部４に嵌合させると共にフランジ内
   周から起立する短筒状の第２周壁14の上端面を頂壁15で
   閉塞する栓体10とからなり、上記第２周壁に適当数の振
   出し口16を穿設すると共にそれ等各振出し口内方の頂壁
   部分から、該振出し口より大きく設けた複数の振出し制
   御板17…を、振出し口16との間および各振出し制御板1
   7,17間にそれぞれ適宜間隙を介在させ、かつ振出し口16
   下方まで垂設したことを特徴とする粉体振出し容器。