JP4485015B2 - コンクリート部材の接続装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば隣り合う大重量かつ大型のコンクリート部材等を略平行に接続したりするコンクリート部材の接続装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、大重量かつ大型のコンクリート製品を接続する接続作業においては、接続すべきコンクリート部材の両端部側面に雌ねじ孔を各々形成し、該雌ねじ孔にボルトを各々ねじ込むと共に、このボルト間に亘って接続板を取り付けて接続していた。しかしながら従来、雌ねじ孔にボルトをねじ込む作業は時間がかかるものとなり、大量のコンクリート部材につき、各々ねじ込む作業を行うことは膨大な時間がかかっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかして本発明は上記従来の課題に対処すべく創案されたもので、コンクリート部材の接続作業につき、各々雌ねじ孔にねじ込む作業を行うことなくボルト状の係止部材を係止固定できるコンクリート部材の接続装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
本発明によるコンクリート部材の接続装置は、接続すべきコンクリート部材の接続端部側面に埋設された略円筒状をなす受け部材と、
受け部材の開口部側に取り付けられ、前記受け部材の円状開口部の径を小径に狭搾する開口狭搾部材と、
前記受け部材内に挿入され、外部に露出する突出部を残して前記開口狭搾部で係止固定されるボルト状の係止部材と、
前記係止部材の突出部間にわたって架設される接続板と、を備えたコンクリート部材の接続装置であり、
前記開口狭搾部は、前記受け部材の開口端部外周面に嵌着される円筒状をなす嵌着部と嵌着部端部より開口中心に向かって張り出すループ状をなす係止片とを有して、可撓性部材で一体的に形成され、
前記係止部材は雄ねじ部を有し、該雄ねじ部の山形状を、基端から先端側方向略3分の1の箇所から、先端に向かって略3分の2の長さにわたり、基端側から先端にかけて先細り状に加工形成し、かつ前記雄ねじ部の基端から先端側方向略3分の1の箇所までの径が前記受け部材の開口より大径に形成されると共に、該略3分の1付近の箇所は、開口狭搾部の狭搾された円状開口より大径に形成されて、前記受け部材挿入時に、前記加工形成された雄ねじ部が略3分の2程度挿入されると、前記基端側雄ねじ部のねじ谷に前記開口狭搾部の係止片が食い込んで嵌り込み、該基端側雄ねじ部の略3分の1が外部に突出する突出部となって、前記受け部に係止され、
前記接続板の厚みは、前記突出部の長さより薄くして構成された、
ことを特徴とするものである。
【発明の実施の形態】
以下、図に基づいて本発明に係るコンクリート部材の接続装置の一実施の態様について説明する。
【0004】
接続すべきコンクリート部材1の接続端面近傍の両側面には略円筒状をなす受け部材2が埋設されている。
【0005】
この受け部材2は一般に金属製のパイプで形成して構わない。尚、この金属製のパイプからなる受け部材2はあらかじめコンクリート部材成形用の型枠内に埋設しておき、その状態で型枠内にコンクリートを打設し固化させて、受け部材2をコンクリート部材1内に設置固定する。
【0006】
また、この受け部材2の開口部3には円状をなす開口の大きさを小円に狭搾する開口狭搾部材4が取り付けられている。
【0007】
この開口狭搾部材4は受け部材2の開口端部外周面に嵌着される円筒状をなす嵌着部5と、該嵌着部5と連続して形成され嵌着部5端部より開口の中心に向かって張り出すループ状をなす係止片6とを有して構成されている。
【0008】
ここで、この開口狭搾部材4の材質については何ら限定されないが、プラスチック部材、強化プラスチック部材等可撓性を有する部材で形成する。
【0009】
符号7はボルト状の係止部材を示す。該係止部材7は一般に金属製ボルトを加工して用いられており、雄ねじ部8はその先端から基端側に向かって先細り状に径を細くして形成されている。そして該雄ねじ部8の基端側の径は前記受け部材2の径より大径に形成され、もって係止部材7を受け部材2の開口内に挿入したときには、雄ねじ部8の基端側が開口内に入らず、外部に露出し、突出する突出部9が形成されるものとなる。
【0010】
符号10は通常金属部材で形成された接続板で、その両端側に前記係止部材7が貫通する貫通孔11,11が穿設されている。
【0011】
前記受け部材2を埋設した、すなわち図3あるいは図4に示すようなコンクリート部材1を製造するには、同図で図示するようにその接続端面両側面に受け部材2をその一方の開口を露出させた状態で埋設し、コンクリート部材1内に固定させる。
【0012】
そして、コンクリート部材1を製造すべく、型枠を成型し、その型枠内にコンクリートを打設する。
【0013】
この際にあらかじめ外型枠側に受け部材2を取り付けておき、コンクリートが固化したとき前記受け部材2がコンクリート内に埋設固着されるものとなる。
【0014】
このように製造したコンクリート部材1を接続するには、その接続端面同士を当接させる。ついで、その接続端面近傍にある受け部材2、2にボルト状の係止部材7を差し込む。
【0015】
すると、ボルト状の係止部材7はその雄ねじ部8が基端側から先端側に向かって先細り状になっているため、受け部材2内にスムーズに挿入されるが、ほぼ3分の2程度挿入されると、雄ねじ部8のねじ谷12内に前記開口狭搾部材4の係止片6が嵌まり込み、係止部材7は外部に突出する突出部9を有して受け部材2に固定される。
【0016】
そして、この係止部材7の突出部9,9間に跨って接続板10が配置され、簡単に両コンクリート部材1,1をは接続することができるのである。
【0017】
尚、コンクリート部材1の両端側四隅に差し込んだ係止部材7の突出部9を吊り上げ用のフックとして使用することもできる。
【0018】
さらに、受け部材2をコンクリート部材の側壁略重心位置に埋設し、この受け部材2に係止部材7を挿入すれば、吊上反転用の係止部材としても使用できる。
【0019】
また、係止部材7を受け部材2内から外したいときには係止部材7を左回りに回転させれば抜くことができ、簡単に係止部材7を外すことができる。
【発明の効果】
かくして本発明は以上の構成よりなる。
【0020】
そして、本発明によるコンクリート部材の接続装置であれば、コンクリート部材の接続作業につき、各々雌ねじ孔にねじ込む作業を行うことなくボルト状の係止部材を確実、迅速に係止固定できるとの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を説明する構成説明図(その1)である。
【図2】 本発明の構成を説明する構成説明図(その2)である。
【図3】 本発明の使用状態を説明する使用状態説明図(その1)である。
【図4】 本発明の使用状態を説明する使用状態説明図(その2)である。
【符号の説明】
1 コンクリート部材
2 受け部材
3 開口部
4 開口狭搾部
5 嵌着部
6 係止片
8 係止部材
9 突出部
10 接続板
11 貫通孔
12 ねじ谷

Claims (1)

  1. 接続すべきコンクリート部材の接続端部側面に埋設された略円筒状をなす受け部材と、
    受け部材の開口部側に取り付けられ、前記受け部材の円状開口部の径を小径に狭搾する開口狭搾部材と、
    前記受け部材内に挿入され、外部に露出する突出部を残して前記開口狭搾部で係止固定されるボルト状の係止部材と、
    前記係止部材の突出部間にわたって架設される接続板と、を備えたコンクリート部材の接続装置であり、
    前記開口狭搾部は、前記受け部材の開口端部外周面に嵌着される円筒状をなす嵌着部と嵌着部端部より開口中心に向かって張り出すループ状をなす係止片とを有して、可撓性部材で一体的に形成され、
    前記係止部材は雄ねじ部を有し、該雄ねじ部の山形状を、基端から先端側方向略3分の1の箇所から、先端に向かって略3分の2の長さにわたり、基端側から先端にかけて先細り状に加工形成し、かつ前記雄ねじ部の基端から先端側方向略3分の1の箇所までの径が前記受け部材の開口より大径に形成されると共に、該略3分の1付近の箇所は、開口狭搾部の狭搾された円状開口より大径に形成されて、前記受け部材挿入時に、前記加工形成された雄ねじ部が略3分の2程度挿入されると、前記基端側雄ねじ部のねじ谷に前記開口狭搾部の係止片が食い込んで嵌り込み、該基端側雄ねじ部の略3分の1が外部に突出する突出部となって、前記受け部に係止され、
    前記接続板の厚みは、前記突出部の長さより薄くして構成された、
    ことを特徴とするコンクリート部材の接続装置。
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61102938A (ja) * 1984-10-27 1986-05-21 エヌケ−ホ−ム株式会社 建築用鋼管の接続構造
JPS61169158U (ja) * 1985-04-04 1986-10-20
JPH0332005U (ja) * 1989-08-07 1991-03-28
JPH0338750U (ja) * 1989-08-24 1991-04-15

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